JPH11323197A - 遮熱性塗料 - Google Patents
遮熱性塗料Info
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- JPH11323197A JPH11323197A JP13074298A JP13074298A JPH11323197A JP H11323197 A JPH11323197 A JP H11323197A JP 13074298 A JP13074298 A JP 13074298A JP 13074298 A JP13074298 A JP 13074298A JP H11323197 A JPH11323197 A JP H11323197A
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Abstract
性、断熱性、長波放射性に優れ、その結果として高い遮
熱効果を発揮する機能性塗料を得ること。 【解決手段】 透明もしくは半透明のセラミック真空中
空粒子(セラミックバブル)2に加えて、塗膜形成後に
セラミックバブル2を稠密積層配列させる構造保持剤1
を含有させた塗料からなる。この塗料10を基材11に
塗布して塗膜化すると、基材11は多重のセラミックバ
ブル2で覆われた構造になるため、太陽光を繰り返し反
射し、塗膜としての断熱性、長波放射性も高まる。
Description
し、また太陽光などの熱エネルギーを効率よく反射、放
射することによって、熱エネルギーの侵入を防ぐ遮熱性
塗料の組成に関するものである。
上昇は、人間の感性を鈍くし、不快感を与え、能率の低
下やミス、事故の発生を招く。また、石油、穀物用のタ
ンクなどにおいては、太陽光によってタンク内外の温度
差が拡大するため、液体の蒸発、製品の劣化などが起こ
り、深刻な状況を生んでいる。さらに建物内などへの熱
の侵入、外部への散逸は冷暖房費を増大させるため、省
エネルギーの見地から望ましくない。
建築物、構造物の屋根、内壁、外壁、および天井などに
遮熱効果を持たせることが行われてきた。
せることによって熱を伝えにくくする断熱効果と、太陽
光などの熱エネルギーを吸収せずに反射する効果、およ
び熱を吸収した場合でも、その熱を赤外線として再び外
部に放射する長波放射効果を総合した結果として捉える
ことが重要である。
例えば、発泡ポリスチレンの断熱材を壁に取り付けた
り、ステンレス鋼で太陽光を反射させて熱の侵入を防ぐ
方法などがある。
ることが盛んに研究されており、多数提案がなされてい
る。
平1−121371号、特開平2−185572号、特
開平6−256683号、では塗料中の顔料を改良し、
太陽光をより反射させることによって遮熱効果を得てい
る。これらの技術は、太陽光の反射効果のみを期待した
ものであり、遮熱効果は不十分といえる。
ことによって、総合的な遮熱効果を高める技術もいくつ
か提案されている。
膜に、高反射性のチタニア粉末などで上塗りした特開平
5−4072号、シラスバルーンを主体にした断熱層に
反射材であるシリコン系塗料を上塗りした特開平6−1
00796号、球状中空体を含む断熱層に、Siまたは
Siからなる合金を含む反射層を上塗りした特開平1−
263163号、またはリン片状物質または球状中空体
からなる断熱層に反射性を高めた塗料を上塗りした特開
平4−255769号がある。これらはいずれも塗膜が
複数の層からなるため、塗膜が厚くなり、塗装作業も煩
雑になるという問題がある。
の粒子であるため優れた断熱性を持つことが知られてお
り、材質によって、シラスバルーンの他、ポリスチレン
バルーン、カーボンバルーンなどがある。また球状中空
体は比重が小さいため、特開平2−77472号に開示
されているような塗膜の軽量化にも用いられている。
塗料との混練過程でその多くが破壊されてしまうという
欠点がある。また、中空体が多孔質あるいはオープンポ
ア構造である場合には、塗料が内部に入り込み断熱性を
弱めるという問題もある。
開示されているセラミック中空粒子は強度が高いため破
壊されることがなく、中空部が閉じた構造のため断熱性
にも優れたものである。
塗料に関しては、太陽光をより反射させる、または塗膜
の断熱性を上げるという観点から研究開発がなされてい
るが、高反射率、低熱伝導率(高断熱性)、および高長
波放射率を同時に満たし、かつ単層で機能する塗料につ
いては、いまだ提案はなされていない。
は強度が強く、低熱伝導率であるため断熱材として非常
に有効なものであるが、その最大の問題として、これら
中空粒子を水、溶剤および塗料溶液中に配合した場合、
その浮力により急速に表面に浮かび上がり、塗料中に再
分散させるには非常な困難を伴うというハードケークと
呼ばれる状態に陥り、塗料としての実用に適さないこと
が挙げられる。上述した特開平8−127736号にお
いてもハードケークに対する配慮はなされていない。
を表面に浮かび上がらせることなく、塗料中での均一分
布状態を保持することによってハードケークを回避し、
また塗膜中でのセラミック中空粒子の状態を制御するこ
とによって、高断熱性と高反射率を同時に実現し、さら
にセラミック中空粒子が持つ高い長波放射率ともあいま
って、単層で、総合的な高い遮熱効果を発揮しうる遮熱
性塗料を提供するものである。
性のほか防水性、防音性、耐候性などでも優れた性能を
持つ。
めに本発明は、塗膜形成後に、セラミック等の中空粒子
(以下バブルという)を稠密積層配列させる構造保持剤
を含有する遮熱性塗料としたことを特徴とする。
ミック等のバブルを稠密積層配列させることを特徴とす
る。
いる場合、アクリルアミド誘導体、酸化ポリエチレンワ
ックス、有機ベントナイトのいずれか一種以上と、シリ
カ粒子とを成分とすることが有効である。
ルアミドであることが好ましい。
の塗料に用いる場合であって、セルロース誘導体、アク
リル系ポリマー、ポリビニルアルコール、有機ベントナ
イトのいずれか一種以上と、必要に応じシリカ粒子とを
成分とすることが有効である。
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースを用
いることが好ましい。
たせるため、バブルは透明もしくは半透明体であって、
粒子径を5〜150μmとすることを特徴とする。
中空粒子あるいは真空中空粒子であることを特徴とす
る。
等のバブルの含有量は、セラミック等のバブルの塗膜全
体に対する容積比が30〜60%になるような値とする
ことが望ましい。
することを特徴とする。図1に示すように、ここで構造
保持剤1とは、溶液に分散させたときに、分子間の水素
結合、配位結合、ファンデルワールス力などの非共有結
合20によっていわゆる足場構造を形成し、構造粘性を
発現するものをいう。さらに、この足場構造が形成され
ている溶液中にバブル等の粒子を存在させると、図2に
示すようにバブル2は足場構造の中に取り込まれた状態
となり、溶液中においてバブルの均一分布状態が保持さ
れる。すなわち、従来の課題であったバブルが表面に浮
かび上がるいわゆるハードケークを防ぐことができるわ
けである。
11に塗布して塗膜化させる場合、バブル2の均一分布
状態は継続的に維持されたまま溶媒が蒸発するため、最
終的には図3に示すようにバブル2が塗膜12の中で稠
密積層配列した状態が得られる。ここで稠密積層配列と
は、バブル同士が3次元的に接近し、密に固定された状
態をいう。したがって基材11の表面は多重のバブル2
で覆われることになる。
塗料に用いる場合、アクリルアミド誘導体、酸化ポリエ
チレンワックス、有機ベントナイトのいずれか一種以上
と、シリカ粒子との複合系を用いることができる。これ
らはその相溶性から溶剤型の塗料に適するものである。
場構造を形成させるため、ジアクリルアミド、トリアク
リルアミド等、複数の官能基を有することが好ましい。
また、アクリルアミド誘導体の中でも長鎖アクリルアミ
ドを用いることが好ましい。ここで長鎖アクリルアミド
とは複数のアクリルアミド基同士が比較的長い分子鎖を
介して結合している分子をいう。具体的には炭素数にし
て20〜30程度を有する分子が好適に用いられる。
との複合系として塗料に含有させた場合の、塗料中の状
態を図4に示す。長鎖アクリルアミド1aのアクリルア
ミド基とシリカ粒子1b表面にある水酸基との水素結合
20aにより足場構造が形成されており、その構造内に
バブル2が取り込まれて均一な分布状態が保持されてい
る。なお、構造保持剤のみで足場構造を形成する場合だ
けでなく、図4に示したように官能基としてOH基を含む
アルキド樹脂3などの塗膜形成材が、足場構造の一部を
担うこともありうる。
8、水分を2〜4%含む淡黄色の微粉末で、塗料の増粘
剤およびタレ止め防止剤として通常用いられるものが使
用可能である。また有機ベントナイトは表面処理の方法
により親水性と親油性の2種類を用いることができる。
造の緻密さと、作業性に関連する塗料液の粘性特性との
バランスを考慮して決めることができ、具体的には0.
5〜100μmとすることが好ましい。
造保持剤の種類、分子量などによって異なるが、アクリ
ルアミド誘導体、酸化ポリエチレンワックス、有機ベン
トナイトが塗料全体に対して1〜3重量%、シリカ粒子
は塗料全体に対して1〜3重量%とすることが好まし
い。これらの範囲より小さい場合には足場構造の形成が
不十分でバブルを均一に保持できなくなり、逆に大きい
場合には塗料の流動性が悪くなり実用的でないので不適
当である。
ては、セルロース誘導体、アクリル系ポリマー、ポリビ
ニルアルコール、有機ベントナイトのいずれか一種以上
を用いることができる。これらは溶剤型の複合系構造保
持剤と異なり、それぞれ単独で用いても足場構造を形成
させることができるが、塗料の流動性などを考慮してシ
リカ粒子との複合系として用いても良い。
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースが好適に用
いられる。
脂として設計された各種アクリルモノマーの共重合体を
用いることができる。
様のものを用いることができるが、相溶性を考慮して表
面が親水性に処理されたものが好ましい。
ては、構造保持剤の種類、分子量などによって異なる
が、セルロース誘導体、アクリル系ポリマー、ポリビニ
ルアルコール、有機ベントナイトを単独で用いる場合は
塗料全体に対して0.2〜0.4重量%、シリカ粒子と
の複合系として用いる場合はセルロース誘導体、アクリ
ル系ポリマー、ポリビニルアルコール、有機ベントナイ
トを0.1〜0.2重量%、シリカ粒子を1〜2重量%
とすることが好ましい。
るバブルはセラミック等からなる。したがってガラス、
陶磁器などの汎用セラミック、あるいはそれ以外のニュ
ーセラミックを用いることができるが、前述したように
強度が小さいと塗料との混練過程において生ずる高い応
力や剪断力のためにバブルが破壊されてしまうため、高
強度のセラミックを用いることが好ましい。具体的には
40kgf/cm2 以上の強度を有するセラミックが好
ましく、この条件を満たすセラミックの組成としてはジ
ルコニア、チタニア複合物、ホウ化ケイ素系セラミック
などが挙げられる。
る。中空であるために熱が伝わりにくく、すなわち低熱
伝導率であるために断熱性に優れる。
る場合、多孔質である場合、および中空部が閉じている
場合など用いることができるが、オープンポア構造や多
孔質であると前述したように塗料が内部に入り込んで断
熱性を弱める可能性があるため中空部は閉じていること
が好ましい。
空部が大気または別の気体である中空粒子、あるいは中
空部が真空である真空中空粒子を用いることができる。
その中でも、真空中空粒子が、断熱性の点からみて好適
に用いられる。なお、ここでいう真空とは雰囲気圧より
も気圧が低い状態をいい、絶対真空を意味するものでは
ない。
したように塗膜中で稠密積層配列をとり、基材を多重の
バブルで覆うので、塗膜としての熱伝導率は非常に低く
なり、そのため高い断熱性を得ることができる。具体的
な熱伝導率としては0.25W/m・K以下であり、こ
れは従来の一般的な塗膜の1/8〜1/10の値に相当
する。
くは半透明であることが重要である。透明もしくは半透
明であることによって図5に示すようにバブル2の中に
入射した光30を反射させることができる。さらに半透
明よりも透明である方がより反射性に優れており好まし
い。また透明もしくは半透明であれば無色である必要は
なく、色が付いていてもよい。
でもホウ化ケイ素系セラミックは高い透明性を有するた
め、最も好適に用いられる。
中で稠密積層配列をとると、図6に示すように塗膜12
の外部から入射した光30は多重に存在するバブル2に
よって繰り返し反射される。すなわち、透明もしくは半
透明のバブル自体が持つ反射性に加えて、塗膜中のバブ
ルの集合状態を稠密積層配列にすることにより、塗膜全
体としての高い反射性能を得るわけである。
用いる。この粒子径範囲は経験上、塗膜外観、塗装作業
性、塗膜物性、および遮熱機能性の点から最適の範囲で
ある。
が好ましい。つまり大きい粒子径から小さい粒子径まで
の異なる粒子径を幅広く有するバブルを用いるのが良
い。そのような場合、塗膜中でのバブルの稠密積層状態
は図7に示すように大きい粒子径を有するバブル2の間
の隙間に小さい粒子径のバブルが入り込み、バブル間の
隙間をより小さくする。つまりバブルをより稠密に配列
させることができる。そのため塗膜としての反射性、断
熱性をより高めることができる。逆に粒子径分布が狭い
場合を図8に示す。この場合は粒子径分布が広い場合に
比べるとバブル2間の隙間が大きいため遮熱性はやや劣
るが、やはり一般的な遮熱性塗膜に比べると反射性、断
熱性は高い。
は、塗膜の状態でバブルの占める容積比が30〜60%
になるような値とすることが好ましい。この範囲以外の
含有量では塗膜化したときに適切な稠密積層配列をとる
ことができないため不適当である。すなわち含有量が多
量であると、塗膜物性の劣化を招き、逆に少量であると
塗膜中でバブル同士が離れてしまい、遮熱性能の低下を
招く。
射率を有する。長波放射率とは、吸収した熱を赤外線と
して再び放射するときの変換効率である。したがってこ
のようなセラミック等のバブルを稠密積層配列させた塗
膜は高い効率で赤外線を放射する。例えば容積比30〜
60%の割合でホウ化ケイ素セラミックを稠密積層配列
させた塗膜の長波放射率は0.94に達する。そのた
め、熱を吸収した場合でも、塗膜の温度上昇を抑えるこ
とができる。この効果を前述した塗膜の反射効果、断熱
効果とともに利用することにより、単層で、総合的な高
い遮熱効果を得ることができる。
状、柱状などを挙げることができ、特に限定されるもの
ではないが、その中でも反射機能が優れる球状のものが
好適に用いられる。
は特開平2−180631号に開示されているゾル・ゲ
ル法の他、結果的にセラミック等のバブルを得ることが
できる方法であれば用いることができる。
ック等のバブルを塗料中に配合するわけであるが、その
配合にあたっては、セラミック等のバブルの持つ強度
と、そのバブルを塗料液中へ分散させる時に加わる剪断
力とのバランスを考慮し、バブルを破壊しない方法をと
ることが好ましい。そのような方法としては、一般に使
用される塗料用顔料の分散機、例えばロールミル、サン
ドミル、アトライターなどにより、構造保持剤を含有し
た塗料液を作製し、これに剪断力の比較的弱いハイディ
スパーなどを使用してバブルを分散させる方法などをも
ちいることができる。
ラミック等のバブルの他、通常用いられる各種塗膜形成
材、溶媒、顔料、添加剤を含有することができる。
ノアルキド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリ
ア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルなどの合成樹脂が挙げ
られる。
ン、キシレンなどの炭化水素、エタノール、ブタノール
などのアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類、ア
セトンなどのケトン類、カルビトールセロソルブなどの
エーテル類、水などを挙げることができる。
の金属酸化物の他、紺青、ファスト・エロー、フタロシ
アニン・ブルーなど、無機顔料および有機顔料が使用可
能である。
料分散剤、乳化剤、乾燥剤、消泡剤、防腐剤、凍結防止
剤などを挙げることができる。
築物や、あるいは冷蔵庫、貯蔵タンク、電車、飛行機、
車、船などの構造物の屋根、天井、外壁、内壁など、遮
熱性を付与したい場所に塗布する。
いることができる。例えば、ハケ塗り、スプレーが多く
用いられるが、塗布する対象物によってロールコータ、
静電塗装、カーテン塗装、浸漬法なども適用可能であ
る。さらに塗布後、乾燥させて塗膜化させる方法につい
ても、自然乾燥、焼き付け等の方法を用いることができ
塗料の性状などによって適宜選択される。
太陽光などの熱エネルギーに対して高い反射性、断熱
性、および長波放射性を有するため塗膜の温度上昇が抑
えられ、塗膜を通しての熱の侵入、散逸を防ぐことがで
き、そのため冷暖房費も低減できるため省エネルギーに
も役立つ。
づけると反射性が著しく低下する傾向があるが、本発明
の遮熱性塗料はいずれの色であっても高い反射性を維持
する。これは反射機能を担うものが顔料ではなく、稠密
積層配列したバブルであることに由来するためである。
具体的な日射反射率としては90%以上に達する。
を形成させる場合には、他の塗膜と組み合わせて用いる
こともできる。具体的には、遮熱性塗料の基材への付着
性を上げるため、前もって下塗りを施したり、遮熱性塗
膜の上に大気の汚染よりくる塗膜への悪影響を防ぐため
超耐候性の塗膜表面が親水性である水溶性塗料を塗る場
合などが挙げられる。
付与し、複合的な機能性塗料とすることもできる。具体
的には、耐薬品性、消臭性、耐摩耗性、耐候性、抗菌性
などを付与する場合が挙げられる。
温度上昇が抑えられるため塗膜の剥離、顔料の劣化など
を防ぐことができ耐久性、耐候性に優れる。また基材を
中空の粒子で覆った構造になるため防水性、防音性など
にも優れた物性を示す。
らに具体的に説明するが、これによって限定されるもの
ではない。
水溶性の白色遮熱性塗料を得た。配合過程は段階的に行
い、ミルベースのハイディスパーによる顔料分散の工程
とレットダウン(塗料化)の2大工程の組み合わせによ
り作製した。ホウ化ケイ素セラミックバブルは最終工程
で配合した。
熱して塗膜を得た。塗料液の加熱残分は、約52%で、
塗膜の比重は約1.2であった。塗膜は、艶消しの外観
を与え、バブルの塗膜に占める容積比は約50%であっ
た。
%以上の高い反射率が得られた。
示す。表2より、塗膜は耐熱性、断熱性、防水性に優
れ、紫外線を吸収しないため耐候性にも優れることがわ
かった。これらのことが結果的に13年以上の耐久性を
もたらしている。なお、この塗料は、JIS・K566
3−1994合成樹脂エマルジョンペイント(外部用)
の性能試験に適合するものである。
溶剤型の白色遮熱性塗料を得た。この塗料は、熱硬化性
塗膜を与え、主として金属素材用のものである。
剤、長鎖アクリルアミド化合物、40%大豆油油長アル
キド樹脂60%キシレン溶液、およびキシレンよりなる
ミルベースをスーパーミルグラインダーでよく混和す
る。その後、このミルベースに配合上不足の40%大豆
油油長アルキド樹脂キシレン溶液、ブチルエーテル化メ
ラミン樹脂ブタノール60%溶液、消泡剤、キシレン、
およびブタノールを加え均一に分散させる。この配合物
を700r.p.m.の速度で回転するディゾルバーで
かき混ぜながらセラミックバブルを加え10分間保った
後、シリカ微粒子を加え、さらに10分間かき混ぜて、
遮熱性塗料とした。
塗布し、塗膜化させた。また比較例として遮熱性でない
汎用アミノアルキド樹脂白色塗料を同様の条件で塗膜化
させた。塗膜化の条件を表4に示す。なお、本塗料の場
合、セラミックバブルは塗膜に対して約40%の容積比
を示した。
性塗膜のあわせて3つについて、促進方法により遮熱性
試験を実施した。測定条件:東芝レフランプ150Wを
15cmの距離より照射し、塗膜の表面温度の時間変化
をデジタル表面温度計(安立計器( 株) 製)により測定
した。
らかなように、本発明による2種類の塗膜は共に高い遮
熱性を示し、汎用アミノアルキド樹脂塗膜の表面温度の
上昇より8℃低いことが明らかとなった。
6に示す。
づらく熱を発生しやすいN−7グレー色について、本発
明の遮熱性塗料と汎用の塗料とで遮熱性の比較を行っ
た。 測定条件:樋型に作られた亜鉛引き鋼板に、水溶性の遮
熱性グレー色を約300μmの塗膜厚に塗装し、これに
東芝製レフランプ150Wを15cmの距離から照射
し、その塗膜表面および基材の裏面温度を10および1
5分間後に測定した。比較のため汎用の水溶性塗料N−
7グレー色についても同様の条件で測定した。
コ内は実施例1の遮熱性白色塗料との温度差を示してい
る。この結果から明らかなように、本発明の遮熱性塗料
は、一般に熱を吸収しやすい色に調色した場合でも十分
に高い遮熱性を得ることができる。
ラウンなどについても同様に高い遮熱性を得た。
で仕切られた同一の大きさの断熱材のない倉庫につい
て、一方の倉庫の屋根に遮熱性白色塗料を塗装し、塗装
しない倉庫との屋根裏および室内の温度を比較した。塗
装工程を表8に示す。ここで下塗りは基材の種類により
選択され、上塗りの付着性、塗装系としての耐久性を向
上させるため用いる。プロテクトクリヤーは大気の汚染
による塗膜の劣化を防ぐ超耐候性の水溶性塗料である。
なお、表8に示す方法は以下の実施例5〜7についても
同様に用いた。
た場合と未塗装の場合とで屋根裏最高温度差は26.5
℃、室内最高温度差は11℃を示した。この場合の外気
温最高温度は36℃で、塗装された倉庫については、外
気温より屋根裏温度32.5℃で3.5℃低く、室内温
度は5℃低い効果を示した。
の塗装厚で屋根に塗装した住宅と未塗装の住宅との室内
温度の比較を行った。測定条件は以下の通りである。 1)塗装、未塗装の住宅とも神奈川県下の鉄筋コンクリ
ート2階建て住宅で、同時期に建設されたものである。 2)2階和室、測定期間中に空調使用せず。 3)測定期間は平成8年9月23〜24日
5:00に着目(点線の部分)すると、外気温29.8
℃の時、未塗装住宅の室温26.9℃に対し、塗装した
住宅の室温は22.9℃であり、その遮熱効果は4℃に
達した。
合と塗装せずに断熱材を設けた場合での、その遮熱性能
を比較した。測定条件は以下の通りである。 1)対象物の概要 遮熱性を付与する対象物は、カラー鉄板(厚さ0.6m
m、青色)を用いた1.5m×1.5m×1.5mの単
室とし、遮熱方法の違う3種類のモデルで比較した。 モデル1 屋根・外壁とも断熱材、遮熱性塗膜なし モデル2 屋根にグラスウール100mm、外壁にグラスウール7
5mmの内面断熱 モデル3 屋根・外壁とも遮熱性白色塗料0.5mmの外面塗装 2)実測場所 東京都世田谷区喜多見 3)実測日 平成8年9月10日(0:00〜24:00) 4)測定方法 各温度は熱電対により測定。パソコンおよびデータロガ
ーにより10分間隔で24時間測定。日射量は( 株) 英
弘精機製の日射計にて24時間測定。
発明の遮熱性白色塗料は、グラスウール断熱材75mm
以上の効果を示すことが明らかとなった。
省エネルギー効果について調べた。その結果を表9に示
す。消費電力に対する遮熱性塗料の効果は明らかであ
り、年間を通じて約40%もの節約をもたらすことがわ
かった。室温より外気温の高い場合は、その熱の侵入を
防ぎ、室温より外気温の低い場合は、外部への熱の散逸
を防ぐため、表9のような年間を通じての省エネルギー
につながったものとみられる。
て、高反射率、低熱伝導率、および高長波放射率を兼ね
備え、しかも単層で機能する高遮熱性塗膜を得ることが
できる。したがって建築物、構造物に塗布することによ
り、塗膜の温度上昇、熱の侵入、散逸を有効に防ぐこと
ができ、省エネルギーにも貢献するものである。
遮熱性の他、防水性、耐久性、防音性にも優れるもので
ある。
る。
式図である。
ある。
ある。
模式図である。
る様子を示す模式図である。
密積層配列を示す模式図である。
密積層配列を示す模式図である。
おける、倉庫の屋根裏および室内温度の時間変化を示す
グラフである。
における、コンクリート住宅の室内温度の時間変化を示
すグラフである。
材を設けた場合、および遮熱性塗料を塗装した場合の室
内温度の時間変化を示すグラフである。
Claims (9)
- 【請求項1】 塗膜形成後にセラミック等のバブルを稠
密積層配列させる構造保持剤を含有することを特徴とす
る遮熱性塗料 - 【請求項2】 構造保持剤は異なる粒子径のセラミック
等のバブルを稠密積層配列させることを特徴とする請求
項1記載の遮熱性塗料 - 【請求項3】 構造保持剤は、アクリルアミド誘導体、
酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイトのいずれ
か一種以上と、シリカ粒子とを成分とすることを特徴と
する請求項1又は2記載の遮熱性塗料 - 【請求項4】 アクリルアミド誘導体が長鎖アクリルア
ミドであることを特徴とする請求項3記載の遮熱性塗料 - 【請求項5】 構造保持剤は、セルロース誘導体、アク
リル系ポリマー、ポリビニルアルコール、有機ベントナ
イトのいずれか一種以上と、必要に応じシリカ粒子とを
成分とすることを特徴とする請求項1又は2記載の遮熱
性塗料 - 【請求項6】 セルロース誘導体が、ヒドロキシエチル
セルロース、もしくはカルボキシメチルセルロースであ
ることを特徴とする請求項5記載の遮熱性塗料 - 【請求項7】セラミック等のバブルが、透明もしくは半
透明体であって、粒子径が5〜150μmであることを
特徴とする請求項1又は6記載の遮熱性塗料 - 【請求項8】 セラミック等のバブルが中空粒子あるい
は真空中空粒子であることを特徴とする請求項1又は7
記載の遮熱性塗料 - 【請求項9】 塗料中におけるセラミック等のバブルの
含有量は、セラミック等のバブルの塗膜全体に対する容
積比が30〜60%になるような値とすることを特徴と
する請求項1又は8記載の遮熱性塗料
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13074298A JP3794824B2 (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 遮熱性塗料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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