JP2018193441A - 放射断熱耐火塗料及び放射断熱耐火塗料と添加剤との組み合わせ - Google Patents

放射断熱耐火塗料及び放射断熱耐火塗料と添加剤との組み合わせ Download PDF

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Abstract

【課題】熱放射性能が改善されることにより、優れた断熱性を有すると共に更に良好な耐火性能を有する塗膜を形成する放射断熱耐火塗料を提供する。【解決手段】放射断熱耐火塗料は、塗膜の熱放射性能が改善された放射断熱耐火塗料であって、中空粒子と、有機バインダーと、無機バインダーと、を含み、前記中空粒子は、無機材料から形成されており、前記有機バインダーは、水性エマルジョンとして配合され、前記無機バインダーとして、鱗片状シリカが少なくとも配合され、前記鱗片状シリカは、前記塗膜の前記熱放射性能を向上させる。【選択図】図1

Description

本発明は、放射断熱耐火塗料及び放射断熱耐火塗料と添加剤との組み合わせに関する。
金属、木材、コンクリート、アスファルト、石膏ボード等を使用する建築物、構築物、舗装路等の表面は、太陽光から発せられる赤外線、可視光線等の電磁波を良く吸収する。この様な現象は、所謂ヒートアイランド現象の原因となる。従来から、ヒートアイランド現象を塗料により解決を図る試みが行われている。
特許文献1には、上記の塗料として、アルミノ珪酸ソーダガラスと、顔料(二酸化チタン)と、樹脂エマルジョンと、分散剤と、粘着剤とを含む断熱塗料が開示されている。この断熱塗料において、アルミノ珪酸ソーダガラスは、中空ビーズ構造を有しており、その粒径は10〜50μmであり、かつ全重量の10〜20重量%含まれている。樹脂エマルジョンとして水溶性のアクリルエマルジョン樹脂が使用され、樹脂エマルジョンは例えば全重量の60重量%程度含まれている。
特許文献1において、このような断熱塗料を例えば建物の外壁あるいは内壁に塗布して断熱層を形成することにより、夏季には外部からの熱の侵入を遮断し、冬季には暖房の熱の室外への伝導を効果的に遮断できるとされている。その結果、高い省エネルギー効果を得ることができると共に、二酸化炭素削減効果に大きく寄与することができる。遮音効果も高いことから、製造工場等の騒音を削減でき、建物外部の環境の悪化を抑えることができる。また、夏季の冷房コスト、冬季の暖房コストを大幅に低減できる。
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地があった。
すなわち、特許文献1に開示されている断熱塗料は、樹脂エマルジョンの含有量が高い。そのため、形成された塗膜は、熱放射率が低く、蓄熱量が大きいという問題があった。特に、夏期において、太陽光による蓄熱により、室内温度の下がりが悪く、冷房負荷を大きくしている点で、省エネルギー効果が十分とはいえなかった。
特開2002−105285号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、熱放射性能が改善されることにより、優れた断熱性を有すると共に更に良好な耐火性能を有する塗膜を形成する放射断熱耐火塗料を提供することをその課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面により提供される放射断熱耐火塗料は、塗膜の熱放射性能が改善された放射断熱耐火塗料であって、中空粒子と、有機バインダーと、無機バインダーと、を含み、前記中空粒子は、無機材料から形成されており、前記有機バインダーは、水性エマルジョンとして配合され、前記無機バインダーとして、鱗片状シリカが少なくとも配合され、前記鱗片状シリカは、前記塗膜の前記熱放射性能を向上させることを特徴としている。
好ましくは、前記鱗片状シリカは、前記熱放射性能を示す全半球放射率が0.85〜1.00になるように配合されている構成とされている。
本発明の第2の側面により提供される組み合わせは、本発明の第1の側面により提供される放射断熱耐火塗料と、前記放射断熱耐火塗料に添加される添加剤との組み合わせであって、前記添加剤は、ケイ酸多孔質セラミックス及び二価鉄の少なくともいずれかを含むことを特徴としている。
好ましくは、前記二価鉄は、二価鉄塩として配合される構成とされている。
好ましくは、前記二価鉄塩は硫酸第一鉄である構成とされている。
好ましくは、前記添加剤が前記二価鉄を含む場合、前記添加剤はシリカ及び/又はアルミナを更に含む構成とされている。
好ましくは、前記添加剤は、使用時に前記放射断熱耐火塗料に添加される構成とされている。
本発明の放射断熱耐火塗料は、熱放射性能が改善されることにより、優れた断熱性を有し、更に良好な耐火性能を有する塗膜を形成することができるという利点がある。
本発明のその他の特徴及び利点は、以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかにすることができる。
本発明の実施例に係る放射断熱耐火塗料を塗工して得られる塗膜の全半球放射率を示す表である。 本発明の実施例に係る放射断熱耐火塗料を塗工して得られる塗膜表面に40W白色球の光を照射した場合に、時間経過に伴う温度変化を示すグラフである。 図3(A)は、本発明の実施例に係る放射断熱耐火塗料を白色に着色した場合に、塗膜表面に40W白色球の光を照射し、時間経過に伴う塗膜の対面温度の変化を測定した結果を示すグラフである。図3(B)は、本発明の実施例に係る放射断熱耐火塗料を日塗工色票番号C−75−60Bに着色した場合に、塗膜表面に40W白色球の光を照射し、時間経過に伴う塗膜の対面温度の変化を測定した結果を示すグラフである。 図4(A)は、本発明の実施例に係る放射断熱耐火塗料を建物の屋根に塗装する前における、時刻経過に伴う屋上外気温度、屋根裏温度、及び室内温度の変化の関係を示すグラフである。図4(B)は、本発明の実施例に係る放射断熱耐火塗料を建物の屋根に塗装した場合における、時刻経過に伴う屋上外気温度、屋根裏温度、及び室内温度の変化の関係を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、具体的に説明する。なお、本発明において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本実施形態の放射断熱耐火塗料は、例えば、住宅の屋根・壁・ベランダ・物置小屋・駐車場・雨戸、工場の屋根・壁・施設タンク・配管、病院などの公施設の屋根・壁・屋上・駐車場、スポーツ施設の屋根・壁・プールサイド、公園施設の舗道、レジャー施設の舗道、駐車場、農業・漁業施設の屋根・壁、ビル・マンションの屋上・壁、レストラン・ディスカウント店舗の屋根・壁、プレハブ小屋の屋根・壁、保冷車などの車両の屋根の塗装に用いられる。すなわち、主に建築物の外壁、屋根、屋上などの外装面の塗装に使用される。この中で、特に建築物の外壁面に好適に適用される。
建築物の外装面の基材として、例えば、コンクリート、モルタル、金属、プラスチック、又は各種ボード類が挙げられる。金属として、具体的には、例えば、鉄、アルミ、銅などが挙げられる。また、ボード類として、具体的には、例えば、スレート板、押出し成形板、サイディングボード、ALC板(軽量気泡コンクリート板)などが挙げられる。これら基材は既に塗膜が形成されたものであってもよい。放射断熱耐火塗料の塗装は、主として既存の建築物に対して行うが、前記ボード類に対しては、工場などにおいて、前もって塗装しておくこともできる。
[放射断熱耐火塗料の成分]
本実施形態の放射断熱耐火塗料は、中空粒子(中空バルーン)、有機バインダー、無機バインダー、赤外線反射性粉体、変性シリコーン、及びその他の充填剤を含んでいる。以下に、各成分について説明する。
(中空粒子(中空バルーン))
中空粒子は、塗膜に断熱性を付与するために配合される成分である。中空粒子は、開気泡型中空粒子と閉気泡型中空粒子に分類される。本実施形態においては、これらの内、閉気泡型中空粒子が好適に使用される。閉気泡型中空粒子は、より高い断熱性能を発揮することができるからである。閉気泡型中空粒子は、1個の中空を有する単一中空型であってもよいし、2個以上の中空を有する多中空型であってもよい。中空粒子の内部には、気体が充填されているが、真空又は真空に近いものであってもよい。中空粒子中に充填可能な気体として、例えば、空気、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、フッ素化炭化水素、揮発性モノマー等が挙げられる。中空粒子の形状として、例えば、球形、楕円球形、偏平球形等が挙げられる。
中空粒子は、無機材料により形成されているものが好適である。中空粒子として、例えば、シラスバルーン、ガラスバルーン、セラミックバルーンなどが挙げられる。無機材料は、天然のものでも人工のものでもよく、例えば、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、アルミナ、シラス、黒曜石、シリカ、等が挙げられる。この中で、例えば、シラスバルーンは、火山噴火物であるシラス中のシリカ、アルミナを主成分とする火山ガラス粒子を1000℃程度の温度で焼成することによって加熱膨張させたものであり、独立気泡を有する中空粒子である。
中空粒子の平均粒子径は0.1〜200μm、1〜150μm、10〜100μm、35〜80μm、又は30〜60μmの範囲に調整される。平均粒子径をこのような範囲に調整するのは、平滑性の高い塗膜を形成するためである。このような塗膜は、隠ぺい性、赤外反射性が高い。中空粒子の密度は、0.01〜1g/cm又は0.01〜0.5g/cmの範囲に調整される。中空粒子の膜厚は1〜2μmであることが好ましい。このような密度に調整するのは、断熱性、軽量性に優れた塗膜を形成するためである。中空粒子の含有量は、塗料中の全固形分重量に対して5〜40重量%、好ましくは5〜10重量%に調整するのが好適である。中空粒子として、具体的には、例えば、ポッターズ・バロティーニ株式会社製の中空ガラスビーズが使用される。
(有機バインダー)
本実施形態の放射断熱耐火塗料は、エマルジョンタイプの塗料として供給される。有機バインダーは、塗膜の基材への接着性及び強度を向上させるために配合される。エマルジョンは、液体に溶解しない他の液体(樹脂成分を含む)が微細粒子の状態で均一に分散した状態で浮遊したものである。エマルジョンとして、例えば、水性エマルジョンが挙げられる。また、エマルジョンは、塗料の分散剤としての機能をも有している。樹脂成分として、例えば、アクリル樹脂、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、メラミンエステル樹脂、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、アルキド樹脂、変性アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノアルキド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂、ジシアナミド/ホルムアルデヒド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂(グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、環状オキシラン型など)、シリコ−ン樹脂、ケイ素樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、ポリアクリル酸樹脂、スチレン−アクリル酸共重合樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、アミレン−マレイン酸共重合樹脂、メチルスチレン/アクリル酸共重合樹脂、ビニルトルエン/アクリル酸共重合樹脂など、あるいはこれらのアンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩などが挙げられる。これらの樹脂成分は、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
有機バインダーは、塗膜の膨れ防止や剥れ防止を高める機能を有している。その反面、有機バインダー量が多すぎると、塗膜の耐火性能、熱放射性能が低下する点で好ましくない。よって、放射断熱耐火塗料においては、有機バインダーの配合量はできるだけ少なくすることが好ましい。これら有機バインダーの含有量は、塗料の全固形分重量に対して1〜30、1〜20、5〜15重量%、又は5〜10重量%の範囲で調整するのが好適である。
(無機バインダー)
本実施形態の放射断熱耐火塗料は、有機バインダーの量を出来る限り減らし、その分、無機バインダーが配合される。無機バインダーは、放射断熱耐火塗料の熱放射性能を向上させるためのものである。また、無機バインダーは、上記の有機バインダーとともに配合されて、有機バインダーが溶融、又は分解したとしても、基材に対する塗膜の固着力を維持するためのものである。本実施形態の放射断熱耐火塗料には、無機バインダーとして鱗片状シリカが少なくとも配合されている。鱗片状シリカは、放射断熱耐火塗料の熱放射性能を向上させるのに特に優れている。鱗片状シリカとして、具体的には、例えば、サンラブリーLFS(登録商標)(AGCエスアイテック株式会社製)が使用される。
鱗片状シリカとしては、シリカの薄片状一次粒子の面間が平行的に配向し、複数枚重なって形成されるシリケート層構造の二次粒子が好ましい。その中でも、いわゆる層状ポリケイ酸又はその金属塩が好適である。層状ポリケイ酸又はその塩として、例えば、ケニアアイト、マガディアイト、マカタイト、アイラアイト、カネマイト、オクトシリケート、シリカ−X、シリカ−Y等が挙げられ、アルカリ金属等の塩型又はこれを酸処理したH型のいずれかが使用される。層状粒子のアスペクト比(厚みに対する長径の比)は、10〜500又は30〜300が好適である。一次粒子は、厚み0.05μm以下の無孔質の鱗片形状粒子であり、非常に高い透明性を有する。二次粒子の厚みは0.05〜0.5μm、面径0.1〜5μmである。二次粒子は、比外表面積が50〜400m/gと大きく、粒子内に0.05〜1.0cc/gの間隙を有している。これにより、二次粒子は、各種の機能性微粒子(例えば、TiO、ZnOなど)を表面や間隙に捕捉することで、これらを効率的かつ容易に均一分散させたり担持したりすることが可能である。鱗片状シリカは、耐水性、耐薬品性、耐熱性に優れていることから、本実施形態の放射断熱耐火塗料に好適に適用される。
鱗片状シリカは、二次粒子を紛体のまま用いてもよいが、二次粒子を水中に分散させた水スラリーとして用いることが好ましい。水スラリーを基材に塗布・乾燥した場合、自己造膜性を有し、鱗片状シリカ微粒子が基材と平行的に積層した強靭で可撓性のある無機塗膜を形成する。二次粒子は、比表面積当たりのシラノール基(−SiOH)が、20〜70μmol/m、〜20μmol/m、〜24μmol/m、〜30μmol/m、又は〜70μmol/mであることが好ましい。これはシリカゲルの数倍〜数十倍と非常に多く、水分の蒸発や加熱により、表面のシラノール基同士が結合するため、強固な塗膜を自己造膜により形成可能である。水スラリー状である場合、有機高分子樹脂の水性エマルジョンや水溶性有機高分子樹脂との配合が容易であり、これらの樹脂の強度・硬度などの物性を向上させ、表面親水性の付与やガス透過性を向上させることができる。
水スラリーにおけるシリカ濃度は、7〜17、10〜16、7〜9、10〜12、14〜16、15〜17重量%、又は65重量%以上であることが好ましい。二次粒子の平均粒子径は、0.01〜60μm、0.05〜50μm、0.1〜20μm、0.1〜1.5μm、0.2〜0.5μm、0.1μm、0.2μm、又は0.5μmである。二次粒子の面の直径は、0.05〜5μm、0.05〜3μm、0.05〜1μm、0.5〜3μm、又は1〜5μmである。二次粒子の厚みは、10〜500nm、10〜100nm、又は50〜500nmである。比表面積は、〜370m/g、〜200m/g、〜150m/g、又は〜70m/gである。
鱗片状シリカが配合された放射断熱耐火塗料は、チキソトロピック性を有しており、流動状態では粘性が低下するため、均一に薄く塗布することが可能である。一方で、基材上に塗布し液膜を形成した状態においては高粘性を示すため、垂れにくいという特性を有する。鱗片状シリカの平均粒径が上記よりあまり小さい場合は結合力が充分に発生しないため塗膜強度が不足し、逆に、粒径がこれより過大であるとチキソトロピック性を充分に付与することができず好ましくない。
本実施形態の放射断熱耐火塗料において、鱗片状シリカの含有量は、塗料の全固形分重量に対して1〜40、1〜30、1〜20、1〜10重量%、又は1〜5重量%の範囲で調整するのが好適である。本実施形態の放射断熱耐火塗料において、鱗片状シリカは、有機バインダーよりも多く含まれていてもよい。鱗片状シリカの含有量が小さい場合には、チキソトロピック性が不十分となり、塗膜強度もまた不十分となりやすい。逆に、含有量が大きい場合には、チキソトロピック性が強く、粘性が高くなりすぎるため均一な塗布が困難となりやすい。
本実施形態の放射断熱耐火塗料において、鱗片状シリカは、他の無機バインダーと混合して使用してもよい。鱗片状シリカに混合して使用する無機バインダーとして、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩、又はアルカリ土類金属ケイ酸塩の水溶液(水ガラス、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の水溶液)、シリカゾル、コロイダルシリカ、アルミナゾル、ジルコニアゾル、メチルオルトシリケート、エチルオルトシリケート、フェニルオルトシリケート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、ゼオライト、ベントナイト、スメクナイト、又は水硬性セメントが挙げられる。鱗片状シリカに、上記の無機バインダーから1種又は2種以上を選択し混合して使用される。本実施形態の放射断熱耐火塗料において、無機バインダーは、有機バインダーよりも多く含まれていてもよい。これら無機バインダーの含有量は、塗料中の全固形分重量に対して10〜70、30〜70重量%、好ましくは50〜70重量%の範囲で調整するのが好適である。
(赤外線反射性粉体)
本実施形態の放射断熱耐火塗料において、赤外線反射性粉体は、赤外線を反射することにより、太陽光による塗膜の蓄熱を抑制する機能を有する成分である。赤外線反射性粉体として、例えば、アルミニウムフレーク、酸化チタン(例えば、TiO)、硫酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化珪素、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、アルミナ等が挙げられる。これらから1種又は2種以上を選択して使用することができる。これらのうち、酸化チタン、又は酸化チタンと酸化亜鉛の組み合わせが特に好適である。
(変性シリコーン)
変性シリコーンは、放射断熱耐火塗料の塗装容易性、水への溶解性・分散性、有機物との相溶性・反応性、帯電防止性、柔軟性、潤滑性などを向上するために添加される。変性シリコーンは、ジメチルシリコーンに各種有機基を導入したものである。この中で特に、非反応性の有機基が導入された変性シリコーンが好適である。有機基は、ジメチルシリコーンの末端又は側鎖に導入される。有機基として、ポリエーテル基、アルキル基、アラルキル基、フロロアルキル基、高級脂肪酸エステル基、高級脂肪酸アミド基、フェニル基などが挙げられる。変性シリコーンの含有量は、塗料中の全固形分重量に対して10〜40重量%、好ましくは20〜30重量%の範囲で調整するのが好適である。
(その他の充填剤)
本実施形態の放射断熱耐火塗料においては、塗膜強度や耐火性能を向上させる等の目的のため、さらに無機充填剤が添加される。無機充填剤として、上記した材料と重複する場合があるが、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ケイ藻土、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(例えば、TiO)、酸化鉄、酸化スズ、酸化アンチモン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ハイドロタルサイト、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、活性白土、ゼオライト、ベントナイト、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、炭素繊維、各種金属粉、金属酸化物微粒子、フライアッシュ等が挙げられる。これらの無機充填剤から2種以上を混合して使用することもできる。もちろん、単独で使用することも可能である。無機充填剤の含有量は、塗料中の全固形分重量に対して10〜70、30〜70重量%、好ましくは50〜70重量%の範囲で調整するのが好適である。
なお、本実施形態の放射断熱耐火塗料には、上記以外に、通常の塗料に用いられる成分を適宜配合することができる。例えば、消泡剤や分散剤のような界面活性剤、造膜助剤、着色顔料、可塑剤、レベリング剤、粘度調整剤、乳化剤等が挙げられる。着色塗料として、具体的には、例えば、セラミック顔料が用いられる。中空粒子(中空バルーン)、有機バインダー、無機バインダー、赤外線反射性粉体、変性シリコーン、その他の充填剤、及び/又は通常の塗料に用いられる成分は、塗料中の全固形分重量に対して合わせて100重量%になるように配合される。
[添加剤]
本実施形態の放射断熱耐火塗料は、添加剤と組み合わせて使用される。この添加剤は、塗膜硬化・強化剤であり、放射断熱耐火塗料の使用時、塗工直前に放射断熱耐火塗料に添加される。本実施形態の放射断熱耐火塗料に対する添加剤の一例として、二価鉄を成分とするものが挙げられる。この添加剤には、シリカ及び/又はアルミナを更に含ませることができる。この添加剤は、放射断熱耐火塗料の全固形分重量に対して3%〜5%になるように加えることが好適であり、塗工膜の耐水性向上、クラックの発生防止、膨れ防止などを目的として添加される。二価鉄として、具体的には、二価の鉄イオンの化合物である第一鉄化合物が使用される。第一鉄化合物として、例えば、二価の鉄イオンの塩(二価鉄塩)が挙げられる。二価鉄塩として、具体的には、塩化第一鉄(FeCl)、硫酸第一鉄(FeSO)、硝酸第一鉄(Fe(NO)、燐酸第一鉄(Fe(PO)等の無機塩、ギ酸第一鉄(Fe(HCOO))、酢酸第一鉄(Fe(CHCOO))、プロピオン酸第一鉄(Fe(CHCHCOO))、シュウ酸第一鉄(FeC)、酒石酸第一鉄(FeC)、フマル酸第一鉄(FeC)、乳酸第一鉄(Fe(CHCHOHCOO))等の有機酸塩が挙げられる。この添加剤がシリカ、アルミナ、及び二価鉄を含むものである場合、二価鉄は、添加剤の全固形分重量に対して3%〜15%、好ましくは5%〜10%になるように配合される。シリカは、添加剤の全固形分重量に対して40%〜60%、好ましくは45%〜55%になるように配合される。アルミナは、添加剤の全固形分重量に対して30%〜55%、好ましくは35%〜50%になるように配合される。二価鉄、シリカ、及びアルミナは、添加剤中の全固形分重量に対して合わせて100重量%になるように配合される。
本実施形態の放射断熱耐火塗料に対する添加剤の他の例として、ケイ酸多孔質セラミックスが挙げられる。通常、この添加剤200g〜400g、好ましくは300gを同量の水でよく撹拌し、放射断熱耐火塗料原液10kgが入った缶に添加して使用する。なお、基材として、床面・舗道・駐車場等に塗装する場合には、この添加剤を500g〜2,000g使用する。この場合、塗料の硬化が早くなるため、短時間で塗装する必要がある。なお、添加剤は、ケイ酸多孔質セラミックスと二価鉄の両方を含むものとしてもよい。
[放射断熱耐火塗料の調整]
本実施形態の放射断熱耐火塗料は、以下のように、調整することができる。すなわち、中空粒子、有機バインダー、鱗片状シリカを含む無機バインダー、赤外線反射性粉体、及び変性シリコーンを上記した範囲で混合する。例えば、樹脂エマルジョン10Kg(固形分重量として、例えば5.8Kg)、水スラリー状鱗片状シリカ1Kg(固形分重量として、例えば0.15Kg)、中空粒子0.5Kgが混合される。なお、樹脂エマルジョンには、変性シリコーン、有機バインダー、無機バインダー、その他の充填剤が配合されている。この混合物に、必要に応じて、着色顔料などを加える。さらに、希釈用の水性媒体又は溶剤を加え、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、ジェットミル、ニーダー、三本ロールなど混合機を使用して充分混合する。水性媒体として、例えば、水を使用することができる。必要に応じて、水溶性であるメタノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどの有機溶媒を添加する。
[添加剤の調整]
シリカ(添加剤の全固形分重量に対して40%〜60%、好ましくは45%〜55%)、アルミナ(添加剤の全固形分重量に対して30%〜55%、好ましくは35%〜50%)、及び二価鉄(例えば、硫酸第一鉄)(添加剤の全固形分重量に対して3%〜15%、好ましくは5%〜10%)を適量の水(例えば、同量の水)でよく混合して調整する。
[放射断熱耐火塗料の基材への塗布]
放射断熱耐火塗料の基材への塗布は、以下のように行われる。
(1)放射断熱耐火塗料原液10kgが入った缶に、添加剤を全固形分重量に対して3%〜5%加える。必要に応じて、水を少しずつ入れ、粘土調整を行う。(但し、水の入れすぎに注意する。)(なお、ケイ酸多孔質セラミックスを成分とする添加剤を使用する場合は、例えば、ケイ酸多孔質セラミックス300gを適量の水(例えば、同量の水)でよく混合したものを添加する。)
(2)調整液と放射断熱耐火塗料とをよく撹拌して、混合液を塗装用具としてローラー、刷毛、又はガン吹きを使用して基材に対し塗装する。1回塗りで塗装してもよいし、2〜3回、又はそれ以上の複数回塗りとしてもよいが、複数回に分けて塗装するのが好ましい。10kgの場合、塗装面積は、平滑面で、70m(1回)又は35m(2回)となる。2〜3回塗装した場合、膜厚は、0.14〜0.28mmとなる。本実施形態の放射断熱耐火塗料においては、膜厚が0.25mm程度に塗工するのが好ましい。このようにして得られた塗膜は、上記したように、有機バインダーとしての樹脂成分の含有量が少なく、主に特殊シリカ成分(例えば、鱗片状シリカ)や断熱性の大きい特殊無機質素材(例えば、中空粒子)を使用した無機質混合塗膜である。塗膜の熱放射性能の指標である全半球放射率は、鱗片状シリカを含まない類似塗料が複数回塗りしたとしても0.84(84%)以下であるのに対し、本実施形態の放射断熱耐火塗料においては、0.85〜1.00(85〜100%)、0.88〜1.00(88〜100%)、0.91〜1.00(91〜100%)、又は0.92〜1.00(92〜100%)を示す。
本実施形態の放射断熱耐火塗料は、熱放射性能が優れている。塗料が塗布されて形成された塗膜は、太陽光の熱スペクトルを受け、蓄熱し、温度が徐々に上昇する。しかし、全半球放射率の数値が大きく、1.0に近い程、その熱を素早く空気中に放出し、塗膜温度を低く保つ効果が大きい。本実施形態の放射断熱耐火塗料は、有機バインダー(樹脂)の含有量を少なくした一方、鱗片状シリカを含む無機バインダーの含有量を大きくしたことにより、全半球放射率が1.0に近く、優れた熱放射性能を有する。これに対し、通常の断熱耐火塗料は、全半球放射率が0.8前後と低く、熱放射性能が良いとはいえない。これらは、どちらかというと、遮熱により塗膜温度を低く保つ性能を発揮する。遮熱性能は、太陽光の熱スペクトルの反射(近赤外線反射率)で塗膜が熱くなりにくい能力である。遮熱性能は、塗膜が汚れてきた場合、反射率が落ちて来るため、効果の持続性に問題が生じる。しかし、本実施形態の放射断熱耐火塗料のように、熱放射率が大きければ塗膜が汚れたとしても、塗膜が熱くなりにくい効果の持続性が落ちない。
また、本実施形態の放射断熱耐火塗料は、中空粒子と、鱗片状シリカを少なくとも含む無機バインダーとが配合されていることにより、優れた断熱性能を有している。このように特殊な無機バインダーが混合された塗膜は、熱伝導率が小さく断熱効果や保温効果を有するからである。例えば、工場の高温配管、低温配管中の高温又は低温を維持する場合、基材に塗装することで、配管中の温度を保つことができる。また、機械回りなど、表面温度が高くなる基材に塗装すれば、基材の高温を低下させることが可能である。
また、本実施形態の放射断熱耐火塗料は、鱗片状シリカを高い含有率で含んでいるため、優れた耐火性能を有している。鱗片状シリカは、混合されている有機バインダーが、炭化するだけで燃え上がらないようにする機能を発揮するからである。鱗片状シリカは、その強い自己造膜性により、塗膜に含まれる有機バインダーである合成樹脂が火炎によって溶融、分解する段階、及び炭化物の層を形成した段階においても、塗膜強度を保持できる。しかも、鱗片状シリカは、それ自身シリカ(無水酸化ケイ素、含水酸化ケイ素、ポリケイ酸、ポリケイ酸塩の全てを総称する。)からなるものであるからきわめて高融点であって耐熱性が高く、塗膜が基材から、剥離・脱落することを有効に防止することができる。すなわち、鱗片状シリカを配合することにより、塗膜の一部が剥離・脱落し、その部分の断熱作用が失われるのを防止することができる。
また、本実施形態の放射断熱耐火塗料は、鱗片状シリカを含有していることにより、チキソトロピック性が付与される。これにより、流動している状態では、粘性が低下するため、薄くかつ均一に塗布することができ、その一方、基材に塗布され液膜を形成した状態においては、高粘性を示すため、塗布された塗料は垂れにくくなる。このように、鱗片状シリカは、耐火塗料にチキソトロピック性を与えることができることから、均一な塗膜形成が容易に行えるため、無機バインダーとして非常に好適なものである。
また、一般的な水溶性塗料は、水対策として有機バインダー含有量を40〜50%に多くしたり、有機溶剤を混入したりする対策が講じられている。しかし、有機バインダー量が多いと塗膜の蓄熱量が大きくなるため、熱放射性能が低下するという問題があった。その一方で、有機バインダーの含有量を少なくすると、耐水性に難が生じ、雨で塗料が流れたり、厚塗りするとクラックや膨れが出来たりするという問題があった。このことは、無機バインダーとして鱗片状シリカを配合する場合にも当てはまる。そこで、本実施形態の放射断熱耐火塗料においては、上記したように、塗膜硬化・強化剤として、塗工直前に添加剤が加えられる。
本実施形態の放射断熱耐火塗料において、添加剤の一例として、上記したように、例えば、シリカ、アルミナ、及び二価鉄を成分とする添加剤が使用される。この添加剤を成分とする添加剤を塗工前に全固形分重量の3%〜5%加えると、断熱性はそのままで、耐水性、クラック防止、乾燥性が改善される。また、添加剤を加えない場合には、10Kgで30mしか塗布できないが、シリカ、アルミナ、及び二価鉄を成分とする添加剤を加えると、塗工面積が10Kgで40mに伸び、断熱効果も向上させることができる。また、駐車場など硬度追随性が必要なところもこの添加剤を配合することで対応することができる。
本実施形態の放射断熱耐火塗料において、添加剤の他の例として、上記したように、ケイ酸多孔質セラミックスが使用される。ケイ酸多孔質セラミックスは、強靭な塗膜を作り、水に強くて硬い塗膜を形成する。また、この放射断熱耐火塗膜は、硬くても柔軟性(弾性)を有する。そのため、亀裂やクラックの心配がない。ケイ酸多孔質セラミックスを使用する場合、一種類の塗料でケイ酸多孔質セラミックスの混入割合を変えるだけで、屋根・壁から路面・駐車場など色々な用途に使用可能である。例えば、ケイ酸多孔質セラミックスの添加量を増やすことで、水に強い丈夫な塗膜が形成される。これを床面、駐車場、舗道への塗装床面塗装することで、周辺温度を下げることができる。具体的には、例えば、ペット小屋や周辺に塗装することにより、ペットの健康管理に役立てることができる。
また、本実施形態の放射断熱耐火塗料は、着色顔料として、特殊セラミック顔料を使用可能である。その場合、塗膜はほとんどが特殊無機質混合体となるため、遮熱性・耐久性に優れたものとなる。特殊無機質混合の塗膜は、太陽光熱スペクトル(赤外線)をよく反射する。塗膜の近赤外線反射率は、90%以上であり、具体的には、例えば91.87%(白色)を示す。
また、本実施形態の放射断熱耐火塗料は、太陽光ソーラーパネル(シリコン単結晶型パネル)の裏面やパネル設置基材(屋根・床)に塗装することで、発電量の向上をもたらす。太陽光ソーラーパネルの最高出力は気温が通常25℃で計測されるが、日本の場合この数値が当てはまる気候は大変少なく特に5月末〜11月の気温は屋根や地面周辺温度は異常な高温(約40℃〜70℃)になり、発電能力低下(10%〜20%)の原因となっている。本実施形態の放射断熱耐火塗料を塗装することで、太陽光ソーラーパネルの温度を下げることができ、その結果、発電能力を向上させることができる。
また、本実施形態の放射断熱耐火塗料の塗膜は、静電気の発生を抑制する帯電防止効果を有するため、大変汚れ難い。また、この塗膜は親水性で水滴が出来ないため、結露が防止される。さらに、特殊無機質混合の塗膜は、吸音性を有しているため、防音・遮音効果を発揮する。
また、本実施形態の放射断熱耐火塗料は、各種既存塗膜との密着性に優れているため、改修・改装用としても好適に使用することができる。また、本実施形態の放射断熱耐火塗料は、添加剤(塗膜硬化・強化剤)の量により粘性を調整することができる。よって、塗膜の表面形状を色々の形状に形成可能である。表面形状として、例えば、平滑状、ゆず肌状、吹付タイル状、漣状などに形成することができる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る放射断熱耐火塗料の具体的な構成は、種々に変更自在である。同様に、本発明に係る放射断熱耐火塗料と前記放射断熱耐火塗料に添加される添加剤との組み合わせの具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明の実施形態をより具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[放射断熱耐火塗料の調整]
有機バインダーとしてのアクリルエマルジョン10Kg(固形分重量5.8Kg)が入った缶に、水スラリー状鱗片状シリカ1Kg(固形分重量0.15Kg)、中空粒子0.5Kgを加えた。なお、アクリルエマルジョンには、アクリル樹脂0.5Kgの他、変性シリコーン1.7Kg、酸化チタン・マイカ・水酸化アルミニウム等の充填剤3.6Kgが配合されている。更に、水を加え、混合機を使用して充分混合し、放射断熱耐火塗料を調整した。この放射断熱耐火塗料は、適宜白色又は日塗工色票番号C−75−60B(グレー色)に着色した。
[添加剤の調整]
シリカ、アルミナ、及び二価鉄を成分とする添加剤を調整した。すなわち、シリカ180g(添加剤の全固形分重量に対して41.9%)、アルミナ200g(添加剤の全固形分重量に対して46.5%)、及び硫酸第一鉄50g(添加剤の全固形分重量に対して11.6%)を同量の水でよく混合した。(なお、ケイ酸多孔質セラミックスを成分とする添加剤を使用する場合は、ケイ酸多孔質セラミックス300gを同量の水でよく混合する。)
[放射断熱耐火塗料の基材への塗布]
(1)上記で調整した放射断熱耐火塗料原液(全固形分重量10kg)が入った缶に、シリカ、アルミナ、及び二価鉄を成分とする添加剤(全固形分重量400g)を加え、よく攪拌し、塗工液を調整した。これに、水を少しずつ入れ、粘度調整を行った。
(2)この塗工液をよく撹拌して、塗装用具としてローラーを使用し、基材に塗布した。基材として、ガルバリウム鋼板(登録商標)(150(縦)×150(横)×0.5(厚み)mm)を使用した。
[比較例の塗料の調整]
実施例と対比するための比較例となる塗料を調整した。実施例の放射断熱耐火塗料に対し、鱗片状シリカを配合せずに、アクリルエマルジョンを増量(増量分は、固形分重量として0.15Kg)した塗料を比較例とした。また、塗工時に添加剤を使用しなかった。この調整液をよく撹拌して、実施例と同様、塗装用具としてローラーを使用し、基材に塗布した。
[塗工膜の性状]
実施例の塗工膜は、添加剤を使用しているため、比較例に比べ、膜強度の向上、耐水性向上、クラック発生率の低下、膨れ発生率の低下が認められた。
[全半球放射率特性]
図1にポータブル全半球放射率測定装置による全半球放射率の測定結果を示す。実施例及び比較例の塗膜は、いずれも白色とした。測定は、ポータブル半球放射率測定器PM−E2(株式会社システムズエンジニアリング製)を用いて行った。実施例の放射断熱耐火塗料において、全半球放射率は、2回塗りで平均0.88、3回塗りで平均0.91を示した。2回塗りの時点で、平均0.85以上となった。膜厚は、3回塗りの時点で、約0.25mm厚となった。比較例の全半球放射率は、4回塗り(約0.25mm厚)でも、平均0.84であり、実施例よりも小さい値を示した。全半球放射率は、数値が大きい程、放熱性能が大きいことを示す。よって、図1に示す表より、実施例の放射断熱耐火塗料の塗膜は、高い熱放射性能を有するため、比較例の塗料の塗膜と比べて、太陽光熱スペクトルで塗膜が暖められても放熱が多く、熱くなりにくいことを確認できた。
[塗膜表面の温度変化]
図2は、塗膜表面に40W白色球の光を照射し、時間経過に伴う塗膜表面の温度変化を測定した結果を示すグラフである。実施例の塗膜として、上記のガルバリウム鋼板(登録商標)に放射断熱耐火塗料を3回塗りしたものを使用した。比較例として、同じく4回塗りのものを使用した。どちらの塗膜も、色を白色とした。ブランクは、ガルバリウム鋼板(登録商標)の表面温度の測定値の変化を示す。図2に示すように、比較例は、どの経過時間においても、ブランクよりも低い表面温度を示した。これは、比較例の塗料の遮熱性能によるものであると思われる。また、実施例の塗装表面は、どの経過時間においても、ブランク、比較例に比べて、低い温度を示した。これは、実施例の塗膜は、遮熱性能に加え、鱗片状シリカを含むことによる熱放射性能の向上により、ブランク又は比較例よりも冷たい状態で維持されることを示している。
[対面温度の測定結果]
図3(A)は、白色に着色した塗膜に40W白色球の光を照射し、対面温度(塗装していない側の温度)の時間経過に伴う変化を測定した結果を示す。実施例の塗膜として、上記の大きさのガルバリウム鋼板(登録商標)に放射断熱耐火塗料を3回塗りしたものを使用した。比較例として、同じく4回塗りのものを使用した。図3(A)に示すように、実施例の放射断熱耐火塗料の塗膜は、どの経過時間においても、比較例の塗料に比べて低い対面温度を示した。
図3(B)は、白色ではなく、日塗工色票番号C−75−60B(グレー色)に着色した塗膜に40W白色球の光を照射し、対面温度の時間経過に伴う変化を測定した結果を示す。実施例の塗膜は、図3(A)に示すテストと同様、上記の大きさのガルバリウム鋼板(登録商標)に放射断熱耐火塗料を3回塗りしたものを使用した。比較例として、同じく4回塗りのものを使用した。図3(B)に示すように、実施例の放射断熱耐火塗料は、どの経過時間においても、比較例の塗料に比べて低い対面温度を示し、その差は、白色に着色した場合よりも大きくなった。
また、図3(A)に示す結果と図3(B)に示す結果とを比較すると、比較例においては、着色された塗膜の対面温度の上昇は、白色の塗膜より非常に大きかった。その一方で、実施例においては、着色された塗膜の対面温度の上昇は、白色の塗膜に比べて、少し大きくなるに留まった。
以上より、実施例の塗膜は比較例に比べて熱放射性能が高いため、白色であった塗膜表面が汚れて太陽光熱スペクトル(赤外線)を反射する能力が低下したとしても、断熱性能を維持することができることを確認できた。
[省エネ効果]
図4(A)及び図4(B)は、実施例の放射断熱耐火塗料を建物の屋根(天井面積約600m)に塗装した場合の時刻の経過に伴う屋上外気温度、屋根裏温度、及び室内温度の変化の関係を示す。図4(A)は塗装前、図4(B)は塗装後の温度変化を示す。塗装後は、屋根裏温度の下がりが特に大きいことが判る。塗装前においては、従業員によりAM7時30分頃にクーラーの稼動が開始された。この時、室内温度はすでに約28.5℃になっていた。塗装後のAM7時30分では、室内温度約25.5℃であり、クーラーの稼動はAM9時30分頃に開始された。塗装前において、PM6時30分頃にクーラーが停止され、その後、室内温度が急上昇している。外気温度が約28℃であることから、屋根裏からの約38.4℃の輻射熱が室内温度を上昇させていることがわかる。一方で、塗装後においては、屋根裏温度が大変低くなるので、室内温度が安定している。このように、屋根裏からの輻射熱が冷房費高騰の主な原因であり、本実施例の放射断熱耐火塗料を塗装するだけでかなりの省エネ効果が発揮されることが確認された。例えば、7月〜10月における塗装後の省エネ効果は、およそ37,370KWh(削減空調電気使用量)であり、CO削減量は約14トンであった。

Claims (7)

  1. 塗膜の熱放射性能が改善された放射断熱耐火塗料であって、
    中空粒子と、
    有機バインダーと、
    無機バインダーと、を含み、
    前記中空粒子は、無機材料から形成されており、
    前記有機バインダーは、水性エマルジョンとして配合され、
    前記無機バインダーとして、鱗片状シリカが少なくとも配合され、
    前記鱗片状シリカは、前記塗膜の前記熱放射性能を向上させる、放射断熱耐火塗料。
  2. 請求項1に記載の放射断熱耐火塗料であって、
    前記鱗片状シリカは、前記熱放射性能を示す全半球放射率が0.85〜1.00となるように配合されている、放射断熱耐火塗料。
  3. 請求項1又は2に記載の放射断熱耐火塗料と、
    前記放射断熱耐火塗料に添加される添加剤との組み合わせであって、
    前記添加剤は、ケイ酸多孔質セラミックス及び二価鉄の少なくともいずれかを含む、組み合わせ。
  4. 請求項3に記載の組み合わせであって、
    前記二価鉄は、二価鉄塩として配合される、組み合わせ。
  5. 請求項4に記載の組み合わせであって、前記二価鉄塩は硫酸第一鉄である、組み合わせ。
  6. 請求項3ないし5のいずれかに記載の組み合わせであって、
    前記添加剤が前記二価鉄を含む場合、前記添加剤はシリカ及び/又はアルミナを更に含む、組み合わせ。
  7. 請求項3ないし6のいずれかに記載の組み合わせであって、
    前記添加剤は、使用時に前記放射断熱耐火塗料に添加される、組み合わせ。
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