JP2001262067A - 鱗片状シリカ粒子を含有する断熱性コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化体 - Google Patents

鱗片状シリカ粒子を含有する断熱性コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化体

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JP2001262067A
JP2001262067A JP2000081380A JP2000081380A JP2001262067A JP 2001262067 A JP2001262067 A JP 2001262067A JP 2000081380 A JP2000081380 A JP 2000081380A JP 2000081380 A JP2000081380 A JP 2000081380A JP 2001262067 A JP2001262067 A JP 2001262067A
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heat insulating
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JP2000081380A
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Kunihiko Terase
邦彦 寺瀬
Maki Inoue
真樹 井上
Atsushige Fujii
淳成 藤井
Hidekazu Ono
英一 小野
Kenji Yamada
兼士 山田
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DOKAI CHEMICAL IND CO Ltd
AGC Inc
Dokai Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
DOKAI CHEMICAL IND CO Ltd
Asahi Glass Co Ltd
Dokai Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温硬化性及び耐熱性を備えた断熱性コー
ティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化体を提供す
る。 【解決手段】 鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに
面間が平行的に配向し複数枚重なって形成され、独立に
存在する積層構造の粒子形態を有する葉状シリカ2次粒
子、断熱機能を有する材料、及び揮発性液体を含有せし
めて硬化性組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用途、例え
ば、加熱、冷却又は恒温下に置かれるプラントの配管や
タンク等において、断熱や保温・保冷のために用いられ
る断熱性コーテング材用硬化性組成物及び断熱性硬化体
に関する。
【0002】また、本発明は、生活関連分野の用途、例
えば住宅の屋根や壁材の保温や、食器等の断熱や保温、
または、蓄冷剤等の断熱や保温のために用いられる断熱
性コーテング材用硬化性組成物及び断熱性硬化体に関す
る。
【0003】
【従来の技術】従来より、工業用途分野における断熱や
保温の方法としては、断熱等の対象である、反応容器、
建屋、配管、槽類等の外表面を、パーライトやケイ酸カ
ルシウム製の板や筒、石綿ブランケット、ポリウレタン
フォーム、ポリスチレンフォーム等の断熱材で覆い、こ
れらの断熱材の外側に鉄板等の外装材を取り付けること
が行われている。
【0004】上記のような方法の作業性を改良する方法
として、特開平4−372677号、特開平7−138
520号には、合成樹脂バインダーに中空ガラスビーズ
等の密閉気泡を有するセラミック充填材や中空合成樹脂
ビーズ等を配合した断熱性ライニング材や断熱塗料が提
案されている。しかしながら、この断熱性ライニング材
においては、バインダーとして合成樹脂を用いているの
で、基本的にこれは、高温では使用できないという問題
がある。
【0005】また、特開平6−16488号には、ゾル
−ゲル法によるセラミック層を形成できる金属アルコキ
シドに中空セラミックバルーンを配合した無機質の断熱
性組成物が提案されている。しかしながら、この方法で
は、バインダーとして、可燃性のある金属アルコキシド
のような有機物を使用するため環境上及びハンドリング
上の問題があることと、ゾル−ゲル法により断熱材を実
質的に無機物にするには、高温度での加熱処理が必要で
あるという問題がある。
【0006】一方、代表的な無機系のバインダーである
ケイ素系バインダーとしては、コロイダルシリカやケイ
酸アルカリがあるが、硬化に際しては、400〜600
℃での熱処理を必要とする。さらに、コロイダルシリカ
以外の他のシリカ、例えば、シリカゲル、含水ケイ酸
(いわゆるホワイトカーボン)、クオーツ、クリストバ
ライト、トリジマイトなどのコロイダルシリカ以外のシ
リカは、そもそもバインダーとしての機能を有しない。
【0007】いずれにせよ、上記のごとく、従来の断熱
性コーティング材においては、常温硬化性、耐熱性を備
えたものはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の断熱性コーテング材の有していたこれらの欠点を基本
的に解決した断熱性コーティング材用硬化性組成物及び
断熱性硬化体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の重要性に鑑み鋭意検討した結果、薄片1次粒子が互い
に面間が平行的に配向して複数枚重なって形成される葉
状シリカ2次粒子から実質的になる積層構造の粒子形態
の葉状シリカ2次粒子を、断熱機能を有する材料のバイ
ンダーとして用いることにより驚くべきことに、上記問
題が基本的に解決できることを見出し、本発明を完成す
るに到った。
【0010】すなわち、本発明に従えば、鱗片状シリカ
の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重
なって形成される葉状シリカ2次粒子から実質的にな
り、互いに独立に存在する積層構造の粒子形態を有する
葉状シリカ2次粒子と断熱機能を有する材料と揮発性液
体とを含有することを特徴とする断熱性コーティング材
用硬化性組成物、が提供される。
【0011】また、本発明に従えば、鱗片状シリカの薄
片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なっ
て形成される葉状シリカ2次粒子から実質的になり、互
いに独立に存在する積層構造の粒子形態を有する葉状シ
リカ2次粒子と断熱機能を有する材料とからなることを
特徴とする断熱性硬化体、が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】(積層構造の粒子形態を有する鱗片状シリ
カ粒子)本発明は、特定の構造の鱗片状シリカ粒子をバ
インダーとして含む断熱性コーティング材用硬化性組成
物及び断熱性硬化体(以下、断熱性硬化体等と称するこ
とがある。)であるが、まず当該鱗片状シリカ粒子及び
その製造方法について述べる。
【0014】本発明における鱗片状シリカ粒子は、本発
明者らにより始めて創成されたもので、薄片1次粒子が
互いに面間が平行的に配向して複数枚重なって形成され
る葉状シリカ2次粒子から実質的になる積層構造の粒子
形態を有するというきわめて特徴的な形態の鱗片状シリ
カ(以下本発明における葉状シリカ2次粒子とも称す
る。)である。
【0015】ここで薄片1次粒子は、その厚さが0.0
01〜0.1μmのものである。このような薄片1次粒
子は、互いに面間が平行的に配向して1枚または複数枚
重なった葉状シリカ2次粒子を形成するが、当該2次粒
子の厚さは、0.001〜3μm、好ましくは0.00
5〜2μmであり、厚さに対する葉状2次粒子(板)の
最小長さの比(アスペクト比)は、少なくとも10、好
ましくは30以上、さらに好ましくは50以上のもので
あり、厚さに対する葉状2次粒子(板)の最小長さの比
は、少なくとも2、好ましくは5以上、さらに好ましく
は10以上を有するような鱗片状のシリカである。な
お、当該2次粒子は、結着することもなく互いに独立に
存在している。
【0016】葉状2次粒子の厚さが0.001μm未満
の場合には、葉状2次粒子の機械的強度が不十分となり
好ましくない。一方、葉状2次粒子の厚さが3μmより
大きくなると、バインダー用途に使用した場合にバイン
ダーとしての特徴を充分発現することができない。
【0017】なお、葉状2次粒子の厚さに対する最長長
さの比及び最小長さの比の上限は、特に規定するもので
はないが、前者は300以下、好ましくは200以下が
実際的であり、後者は150以下、好ましくは100以
下が実際的である。
【0018】上記のように、本発明に云う葉状2次粒子
の厚さ及び長さは、特に断らないかぎり、その2次粒子
についての平均値を意味する。
【0019】本発明において、鱗片状とは、粒子が実質
的に薄い板状の形態を有しているものであればよく、こ
れがさらに、部分的又は全体的に曲がったり、ねじれて
いてもよい。
【0020】このような、葉状2次粒子が、さらに3次
元的に不規則に重なりあって形成される間隙を有するシ
リカの凝集体粒子(3次粒子)自体は、所謂シリカ−X
(以下Si O2 −Xとも表示する。)やシリカ−Y(同
様にSi O2 −Yとも表示する。)等と称して、従来か
ら学術的研究の対象としては、すでにその存在が知られ
ていたものである。
【0021】本発明における葉状シリカ2次粒子は、こ
のようなシリカの3次凝集体粒子(3次粒子)(例えば
Si O2 −XやSi O2 −Y)を一旦合成し、これを後
記する特定の手段で葉状の2次粒子まで解砕したもので
あるが、従来においては、この3次凝集体粒子自体を短
時間で合成する方法は、知られていなかった。
【0022】これらシリカの3次凝集体粒子であるシリ
カ−X等は、無定形( アモルファス)のシリカを水熱処
理して、クリストバライトや石英( クオーツ )を形成さ
せる過程で生じる、中間的なまたは準安定な相であり、
シリカの準結晶質とも言うべき微弱な結晶相である。
【0023】なお、シリカ−Xとシリカ−Yは、X線回
折パターンは、異なるが、電子顕微鏡で観察される粒子
外観は極似しており、いずれも本発明における葉状シリ
カ2次粒子を得る目的に好ましく使用できるものであ
る。
【0024】このように、シリカXやシリカY自体は、
公知であるが、従来の典型的なシリカ−X等の製造方法
は、シリカゲル( シリカキセロゲル )、エアロジル、又
は沈降性シリカ等を出発物質とし、これを水熱処理する
ものであり、反応時間が極めて長いという問題があっ
た。例えば、シリカ−Xを最初に見出したHeydemann
は、沈降性シリカ及びエアロジル(SiCl4 を高温熱
分解して得られる超微粒子の非晶質シリカ)を出発原料
としているが、これをオートクレーブ中でシリカ−Xに
変換するのに180℃で1.5〜24日という極めて長
時間を要している(Heydemann, A., Beitr. Mineral. P
etrogr., 10, 242−259 (1964) )。
【0025】一方、シリカ−Yについては、Mitsyuk ら
が比表面積600〜700m2 /gのシリカゲルを出発
物質として用い、NaOH等の溶液中で145〜155
℃で、長時間( 200〜220時間 )水熱処理すること
によりシリカ−Yを得ており( Mitsyuk,B.A.et al.Geoc
hem.Int.13,101-111(1976)) 、また、Kitaharaらは、比
表面積600m2 /gのシリカゲル(和光純薬社製シリ
カゲル(G))を出発物質として用い、NaCl含有K
OH溶液中で、150〜160℃でやはり長時間(70
〜170時間)水熱処理することにより、シリカ−Yを
得ている(Kitahara S, etal . Proc. Inst. Symp. Hy
drotherm. React. 1st (1983) )。
【0026】このように、シリカゲルを出発物質とし水
熱処理してシリカ−X等に変換させる方法は、工業的に
適用するには、極めて長い反応時間( 水熱処理時間 )が
必要であると云う問題があった。もちろん、水熱処理の
温度を上げれば、時間を短縮することは、可能である
が、その場合は、操作範囲の安定性が失われ、石英(ク
オーツ)やクリストバライトが生成し易くなるという大
きな問題を惹起する。
【0027】かくして、本発明における葉状シリカ2次
粒子を得るための前駆物質となるシリカ3次凝集体粒子
(3次粒子)であるシリカ−X等を、より低温度で、し
かも工業的に実施するのに十分短い時間で、クオーツ等
を生成させることなしに製造する技術が望まれる。
【0028】(1)シリカの3次凝集体粒子生成 本発明における葉状シリカ2次粒子は、シリカの3次凝
集体粒子(3次粒子)(以下本発明におけるシリカ3次
凝集体粒子とも称する。)を解砕して得るものである
が、本発明者らは、まずその前駆粒子となるシリカ3次
凝集体粒子の製造方法についても検討した。すなわち、
【0029】本発明者らは、かかる観点から、従来のシ
リカゲル( シリカキセロゲル )を出発物質として使用す
る方法の代わりに、本発明におけるシリカ3次凝集体粒
子を製造する、より好ましい二つの方法を提案した。
【0030】第一の方法は、シリカ源及びアルカリ源を
特定量含むシリカゾル、すなわちコロイダルシリカの水
分散体を出発原料として水熱処理せしめることにより、
シリカ−X等のシリカ3次凝集体粒子を、より短時間で
安定性よく工業的に製造する方法である( 特開平11−
29317号 )。この方法に従えば、本発明の葉状シリ
カ2次粒子が3次元的に不規則に重なり合って形成され
る間隙を有する3次粒子である凝集体(すなわち本発明
におけるシリカ3次凝集体粒子)がそのまま得られると
いう利点を有する。
【0031】これは、シリカ源及びアルカリ源を特定量
含むシリカゾルを水熱処理せしめる方法であって、シリ
カゾルとしては、シリカ/アルカリモル比( SiO2
Me 2 O、ここでMeはLi、NaまたはKなどのアル
カリ金属を示す。以下、同じ。 )が、1.0〜3.4m
ol/molであるケイ酸アルカリ水溶液を、イオン交
換樹脂法あるいは電気透析法などによって脱アルカリし
たシリカゾルが好適に使用される。なお、ケイ酸アルカ
リ水溶液としては、例えば、水ガラスを適宜水で希釈し
たものがなどが好ましい。
【0032】シリカゾルのシリカ/アルカリモル比( S
iO2 /Me2 O )は、3.5〜20mol/molの
範囲が好ましく、4.5〜18mol/molの範囲が
さらに好ましい。また、シリカゾル中のシリカ濃度は、
2〜20質量%が好ましく、3〜15質量%が特に好ま
しい。
【0033】シリカゾル中のシリカ粒子径は、平均粒子
径を意味し、特に限定するものではないが100nm以
下のものが好ましく、そのなかでも20nm以下の所謂
活性ケイ酸と称されるものが特に好ましい。また粒径の
下限値は、特に限定するものではないが、1.0nm以
上のものが好ましい。粒子径が100nmを超えてあま
り大きくなると、シリカゾルの安定性が低下するので好
ましくない。
【0034】シリカ粒子径の測定法は、この粒度が測定
可能なものであれば特に限定するものではないが、レー
ザー光散乱粒度測定装置や透過型電子顕微鏡により撮影
した粒子像サイズのスケール計測などで測定することが
できる。
【0035】以上のごときシリカゾルを出発原料とし、
これをオートクレーブ等の加熱圧力容器中で加熱して水
熱処理を行い、本発明におけるシリカ3次凝集体粒子を
生成せしめる。
【0036】オートクレーブとしては、特にその形式を
限定するものではないが、少なくとも加熱手段と攪拌手
段、及び好ましくは、温度測定手段を備えたものであれ
ばよい。
【0037】なお、シリカゾルを水熱処理するため、オ
ートクレーブに仕込むに先立って、さらに蒸留水やイオ
ン交換水のごとき精製水を加えることにより、シリカ濃
度を所望の範囲に調製することも可能である。
【0038】水熱処理は、反応速度をできるだけ大き
く、かつ、結晶化の進行を小さくするため、150〜2
50℃の温度範囲で行われ、より好ましくは170〜2
20℃である。
【0039】また、必要な水熱処理の時間は、水熱処理
の温度や種晶の添加の有無等により変わりうるが、通
常、3〜50時間、好ましくは、3〜40時間、より好
ましくは5〜25時間程度である。
【0040】なお、水熱処理を効率よく進め、処理時間
を短くするためには、その添加は必須ではないが、0.
001〜1質量%程度の種晶を添加することがより好ま
しい。種晶としては、シリカ−Xやシリカ−Y等をその
まま、または適宜粉砕して用いることができる。
【0041】水熱処理終了後、水熱処理生成物をオート
クレーブより取り出し、濾過、水洗する。水洗処理後の
粒子は、10質量%の水スラリーとしたときのpHが5
〜9であることが好ましく、より好ましいpHは、6〜
8である。
【0042】一方、第二の方法は、シリカヒドロゲルを
出発物質として、アルカリ金属の存在下で水熱処理する
方法であって、本発明におけるシリカ3次凝集体粒子で
あるシリカ−X、シリカ−Y等をより低温度・短時間反
応で、クオーツ等の結晶を生成させること無く、しかも
収率高く製造することができるため、より好ましい方法
である(特開2000−72432号)。
【0043】ここで出発原料として使用するのに適した
シリカヒドロゲルは、粒子状シリカヒドロゲルである。
シリカヒドロゲルの粒子形状は、真球状( 球状 )でも不
定型粒状でもよく、また、その造粒方法は適宜選択でき
る。
【0044】球状のシリカヒドロゲルの場合を例として
示すと、古くから知られているように、シリカヒドロゾ
ルを石油類その他の媒体中で、球形状に固化せしめて生
成してもよいが、より好ましくは、特公昭48−138
34号に記載されているように、ケイ酸アルカリ水溶液
と鉱酸水溶液を混合して、シリカゾルを短時間で生成さ
せると同時に、気体媒体中に放出し、気体中でゲル化さ
せる方法により製造されるものである。
【0045】すなわち、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水
溶液とを、放出口を備えた容器内に別個の導入口から導
入して瞬間的に均一混合し、SiO2 濃度換算で130
g/l以上、pH7〜9であるシリカゾルを生成せし
め、これを、直ちに、上記放出口から、空気等の気体媒
体中に放出させ、放物線を描いて滞空する間に空中でゲ
ル化させるのである。落下地点には、水を張った熟成槽
を置いておき、ここに落下せしめて数分〜数十分間熟成
させる。
【0046】これに酸を添加してpHを下げ、水洗した
ものが本発明で使用するに好ましい球状のシリカヒドロ
ゲルである。
【0047】このシリカヒドロゲルは、粒径がよく揃っ
た粒径2〜10mm程度の透明で弾力性を有する球状粒
子であり、一例では、SiO2 に対して重量比で約4倍
もの水を含有している( すなわち、SiO2 20質量
%、水分80質量%程度 )ものである。
【0048】なお、シリカヒドロゲル粒子は、実際上極
めて多数の数nm程度の粒径のシリカ1次粒子の集合体
であり、当該1次粒子の表面及び間隙に、この水が存在
するものと推定されている。
【0049】本発明で使用できるシリカヒドロゲル中の
SiO2 濃度は、入手容易性及び反応性の点から、15
〜75質量%(すなわち、水分量85〜25質量%)の
ものが好ましく、適宜乾燥してこの範囲で水分量を調節
してもよい。なお、このシリカヒドロゲル中の水分量
は、以下のようにして測定したものである。すなわち、
シリカヒドロゲル試料を180℃で2時間乾燥後、残っ
た試料質量を絶乾SiO 2 量とし、質量減少量を試料シ
リカヒドロゲル中の水分量とするものである。
【0050】ちなみに、このシリカヒドロゲル粒子を、
150〜180℃程度の温度においてドライヤー等で十
分乾燥し、間隙及び表面のヒドロゲル水分を除去したも
のが、工業的に製造・販売されている乾燥シリカゲル(
シリカキセロゲル )であって、上述した従来のシリカ−
X、シリカ−Yの製造法においては、この乾燥シリカゲ
ルを水熱処理の出発原料シリカとして使用している。
【0051】このようなシリカヒドロゲルを出発原料と
し、これをシリカゾルを使用する第一の方法と同様に、
オートクレーブ等の加熱圧力容器中で加熱して水熱処理
を行い、本発明におけるシリカ3次凝集体粒子を生成さ
せる。その場合、この球状シリカヒドロゲルをそのまま
使用してもよいが、好ましくは、粉砕または粗粉砕し
て、粒径0.1〜6mm程度としたものが、オートクレ
ーブ中での撹拌をより効果的に行えるために望ましい。
【0052】なお、シリカヒドロゲルを水熱処理するた
めに、オートクレーブに仕込む場合、蒸留水やイオン交
換水のごとき精製水を加えることにより、シリカヒドロ
ゲル濃度を所望の範囲に調整することが好ましい。オー
トクレーブ内の処理液中の総シリカ濃度は、攪拌効率、
結晶生長速度、収率等を考慮して選択されるが、通常、
全仕込み原料基準でSiO2 として1〜30質量%、好
ましくは10〜20質量%である。ここで、処理液中の
総シリカ濃度とは、系内の総シリカ濃度を意味し、シリ
カヒドロゲル中のシリカの量であり、またアルカリ金属
塩としてケイ酸ナトリウム等を使用した場合は、これに
ケイ酸ナトリウム等により系に持ち込まれるシリカをも
加えた値である。なお、総シリカ濃度は、第一のシリカ
ゾルを使用する方法より高くすることができる。
【0053】水熱処理においては、シリカヒドロゲルに
アルカリ金属塩を共存させ、処理液のpHをアルカリ側
に調節し、シリカ溶解度を適度に大きくし、所謂Ostwal
d の熟成に基づく晶析速度を高め、シリカヒドロゲルの
シリカ−X等への変換を促進させる。
【0054】ここでアルカリ金属塩とは、水酸化アルカ
リ、ケイ酸アルカリまたは炭酸アルカリ等を意味する。
アルカリ金属としては、Li、Na、またはKが好まし
い。系のpHとしては、好ましくはpH7以上、より好
ましくはpH8〜13、さらに好ましくはpH9〜1
2.5である。
【0055】好ましいアルカリの量を、シリカ/アルカ
リモル比( SiO2 /Me2 O )で表示すれば、4〜1
5mol/molの範囲であり、7〜13mol/mo
lの範囲がさらに好ましい。なお、上記したように、シ
リカは、系内の処理液中の総シリカ量を示し、シリカヒ
ドロゲルのシリカに、ケイ酸ナトリウム等により系に持
ち込まれるシリカをも加えた値である。
【0056】水熱処理は、150〜220℃の温度範囲
で行われ、好ましくは160〜200℃、さらに好まし
くは170〜195℃である。
【0057】これよりあまり温度が低いと、目的とする
本発明におけるシリカ3次凝集体粒子を得るのにきわめ
て長時間を必要とすることになり、一方、これよりあま
り高温では、目的とするシリカ3次凝集体粒子が、シリ
カ−Xやシリカ−Y等の単一相として得られにくくなる
ので好ましくない。これは、すでに述べたように、シリ
カ−X等が、中間相または準安定相と考えられ、水熱処
理の進行とともに、逐次クリストバライトやクオーツに
相転移する傾向があるところ、高温、特に220℃を超
えるような場合は、結晶化速度が大きくなり、クリスト
バライトやクオーツとの混合物になるか、または、結晶
化反応が速すぎて制御できず、すべてがクリストバライ
トやクオーツに変化してしまうためである。
【0058】また、必要な水熱処理の時間は、水熱処理
の温度や種晶の添加の有無等により変わりうるが、通
常、3〜50時間、好ましくは、5〜40時間、より好
ましくは5〜25時間程度、さらに好ましくは5〜12
時間程度である。
【0059】なお、水熱処理を効率よく進め、処理時間
を短くするためには、その添加は必須ではないが、原料
シリカヒドロゲルの仕込み量に対して、0.001〜1
質量%程度の種晶を添加することがより好ましい。種晶
としては、第一の方法と同じく、シリカ−Xやシリカ−
Y等をそのまま、または、適宜粉砕して用いることが好
ましい。
【0060】本発明者らの検討によれば、シリカ−Xを
種晶として使用する場合は、シリカ−Xからなる凝集体
粒子が形成されやすく、シリカ−Yを種晶として使用す
る場合はシリカ−Yからなる凝集体粒子が形成されやす
い。水熱処理終了後、第一の方法と同じく、水熱処理生
成物をオートクレーブより取り出し、濾過、水洗してp
Hを調整する。
【0061】以上のごとくして、シリカゾルを水熱処理
する第一の方法やシリカヒドロゲルを水熱処理する第二
の方法で得られた水熱処理生成物のケーキを、濾過・水
洗した状態の粒子を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用
いて観察すると、個々の葉状2次粒子が3次元的に不規
則に重なり合って形成される間隙を有する3次粒子であ
るシリカ凝集体粒子を形成していることが識別できる。
これが本発明におけるシリカ3次凝集体粒子である。
【0062】しかしながら、後記するように、走査型電
子顕微鏡(SEM)では、極薄片粒子である1次粒子は
識別できず、極薄片粒子である1次粒子が、面間が平行
的に配向して複数枚重なった葉状2次粒子だけが識別で
きる。一方、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察
すると、電子線が一部透過するような極薄片粒子である
1次粒子が識別できる。この葉状2次粒子が本発明にお
ける葉状シリカ2次粒子であり、当該1次粒子が互いに
面間が平行的に複数重なったもので形成されていること
が識別できる。なお、1次粒子が層状に重なっている当
該葉状2次粒子から、その構成単位である薄片状の当該
1次粒子を1枚ずつ剥離し、単離することは、実質的に
困難である。すなわち、かかる1次粒子の層状の重なり
において、各層間の結合は極めて強固であって完全に融
合一体化しており、従って本発明における葉状2次粒子
は、もはやそれ以上1次粒子に解砕することは困難なの
である。
【0063】なお、上記の方法のうち、シリカゾル(活
性ケイ酸等)を出発原料として用いる方法よりも、シリ
カヒドロゲルを出発原料とする方法の方が生産性が良
く、より好ましい。またその他出発原料として、シリカ
ゾル、シリカヒドロゲルを用いる方法以外に、含水ケイ
酸(所謂ホワイトカーボン等)を用いても同様な方法で
本発明におけるシリカ3次凝集体粒子を合成することが
できる。
【0064】(2) シリカ3次凝集体粒子の葉状シリカ
2次粒子への解砕・分散化 本発明者らは、先にこのようなシリカ3次凝集体粒子を
葉状シリカ2次粒子へと解砕・分散化する種々の方法を
提案した(特願平11−351182号)。
【0065】本発明における葉状シリカ2次粒子として
は、当該葉状2次粒子を、スラリー(以下本発明におけ
る2次粒子スラリーと称する。)として得ることができ
る。このためには、例えば、以下のまたはのいずれ
かの方法を採用できる。
【0066】水スラリー状のシリカ3次凝集体粒子を
解砕し、本発明における2次粒子スラリーとする方法
【0067】上記の方法においては、水スラリー状で得
られるシリカ3次凝集体粒子は、まず、ベルトフィルタ
ー、濾布式遠心分離機、デカンターなどの固液分離・水
洗装置を用いて、水洗・固液分離さらには、必要に応じ
て、さらに、水でリパルプすることにより、アルカリ金
属塩を実質的に含まない平均粒子径1〜10μmの本発
明におけるシリカ3次凝集体粒子からなるSiO2 濃度
が1〜30質量%の水スラリ−とする。
【0068】上記スラリーの解砕は、これを、媒体ビー
ズを用い機械的に高速撹拌する方式の湿式ビーズミル、
湿式ボールミルなどの湿式粉砕装置(解砕装置)に供給
して、鱗片状シリカ3次凝集体粒子を解砕処理すること
により行う。その際に、葉状シリカ2次粒子を、極力粉
砕・破壊しないで、解砕・分散化することが望ましく、
上記の方法の中でも、直径0.2〜1.0mmのアルミ
ナ又はジルコニア等の媒体ビーズを用いる湿式ビーズミ
ルが特に好ましい。かくして、この解砕工程により3次
粒子から2次粒子まで解砕される。すなわち、得られる
スラリーは、3次粒子を実質的に含まない、薄片1次粒
子が互いに面間が平行的に配向して複数枚重なった本発
明の葉状シリカ2次粒子から実質的になるスラリーであ
る。
【0069】湿式粉砕装置に供給するシリカスラリー中
のSiO2 濃度が、1質量%に満たない場合は、固体濃
度が稀薄すぎるために、後の工程で濃縮が必要となるな
どの経済性に問題を生ずる。一方、SiO2 濃度が、3
0質量%を超えると、解砕されたスラリーの粘性が極端
に大きくなり、ハンドリング面で問題が生ずる。
【0070】〔図1〕は、かくして得られた本発明にお
ける葉状シリカ2次粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)
写真である。走査型電子顕微鏡では、この葉状2次粒子
を識別できるが、極薄片1次粒子は識別できない。これ
より、当該葉状シリカ2次粒子は、結着や凝集すること
もなく互いに独立に存在していることがわかる。
【0071】また〔図2〕は、本発明における葉状シリ
カ2次粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
TEMによれば、極薄片1次粒子及び該1次粒子が面間
が平行的に配向して複数枚重なった葉状2次粒子である
ことが確認できる。
【0072】シリカ3次凝集体粒子からなる乾燥粉末
を製造し、次いで、それを湿式粉砕(解砕)して、本発
明における葉状シリカ2次粒子のスラリーとする方法
【0073】上記の製造工程においては、水スラリー状
で得られるシリカ3次凝集体粒子は、まず、ベルトフィ
ルター、濾布式遠心分離機、デカンターなどの固液分離
・水洗装置を用いて、水洗・固液分離し、さらには必要
に応じて、水でリパルプすることにより、アルカリ金属
塩を実質的に含まない平均粒子径1〜10μmのシリカ
3次凝集体粒子からなるSiO2 濃度1〜30質量%の
水スラリーとする。
【0074】この場合は、乾式解砕により分散化された
葉状2次粒子を得るに先立ち、まず、平均粒子径1〜1
0μmの分散された本発明におけるシリカ3次凝集体粒
子の微粉末を乾燥で得ることが必要である。しかしなが
ら、このシリカ3次凝集体粒子は、乾燥操作の際に凝集
体粒子同士が極めて凝集・結着しやすいという特異的な
性質をもっている。本発明者らの検討によると、乾燥装
置として、媒体流動層乾燥機を用いる場合に、初めて、
十分に分散した平均粒子径1〜10μmのシリカ3次凝
集体粒子の乾燥粉末が得られる。
【0075】これに対して、その他の乾燥装置、例えば
気流乾燥機、噴霧乾燥機、流動層乾燥機、攪拌型乾燥
機、円筒乾燥機、箱型乾燥機、バンド乾燥機、熱風乾燥
機、真空乾燥機、振動乾燥機などを用いた場合には、当
該3次粒子が乾燥中にさらに凝集してしまい、葉状2次
粒子の不規則な重なりによって形成される多数の間隙
(空隙またはポケット)が殆んど認められない粒子形態
となるため、本来の十分に分散した平均粒子径1〜10
μmのシリカ3次凝集体粒子を得ることは困難である。
【0076】〔図3〕は、かくして媒体流動層乾燥機で
乾燥した得られた本発明におけるシリカ3次凝集体粒子
を示す走査型電子顕微鏡( SEM )写真である。葉状2
次粒子が不規則に重なり合い、この重なりによって作ら
れる多数の間隙(空隙またはポケット)が存在するシリ
カ凝集体粒子(3次粒子)を形成している状態が明確に
認められる。当該凝集体粒子は、見かけ上、キャベツ
状、タマネギ状、花弁状、つぼみ状、巻き貝状等の、状
態により種々に表現される形態をとりうるものである。
【0077】次に、上記の十分に分散した平均粒子径1
〜10μmのシリカ3次凝集体粒子の乾燥微粉末に水及
び/又は液状有機媒体を添加し、SiO2 濃度1〜30
質量%のスラリーとする。
【0078】このスラリーをと同様にして粉砕媒体ビ
ーズを用い機械的に高速撹拌する方式の湿式ビーズミ
ル、湿式ボールミルなどの湿式粉砕装置(解砕装置)に
供給して、シリカ3次凝集体粒子を解砕処理することに
より、本発明における2次粒子スラリーが得られる。
【0079】以上は、本発明における2次粒子をスラリ
ーとして得るものであるが、これを乾燥粒子として得る
ことも出来る。
【0080】本発明における葉状シリカ2次粒子の乾燥
微粉末(以下本発明における2次粒子乾燥粉末とも称す
る。)を得る方法としては、例えば以下の、、等
のいずれかの方法を採用できる。
【0081】上記の葉状シリカ2次粒子の水スラリ
ーから本発明における2次粒子乾燥粉末を得る方法
【0082】単分散された葉状2次粒子乾燥粉末は、非
水溶媒系の断熱性コーティング材用硬化性組成物とし
て、平均粒子径1〜10μmの葉状シリカ2次粒子を使
用しようとする場合に必要となるものである。
【0083】上記に記載した本発明における葉状シリ
カ2次粒子の水スラリーは、すでに述べたように乾燥操
作の際に粒子同士が極めて凝集・結着しやすいという特
異的な性質を有している。
【0084】従って乾燥装置として、気流乾燥機、流動
層乾燥機、媒体流動層乾燥機、攪拌型乾燥機、円筒乾燥
機、箱型乾燥機、バンド乾燥機、熱風乾燥機、真空乾燥
機、振動乾燥機などを用いた場合には、葉状2次粒子が
凝集してしまい、単分散した葉状シリカ2次粒子を得る
ことは、極めて困難である。
【0085】この場合、乾燥装置として、噴霧乾燥機を
用いて、で得られた本発明における葉状シリカ2次粒
子からなる水スラリーを乾燥し、かつ、供給スラリー中
のSiO2 濃度を、1〜5質量%、好ましくは1〜3質
量%に調整して噴霧乾燥することにより、初めて、十分
に分散した平均粒子径1〜10μmの葉状2次粒子が得
られることが見出されたのである。噴霧乾燥機への供給
スラリー中のSiO2濃度が、1質量%に満たない場合
は、シリカに対して、蒸発させるべき水量が過大とな
り、経済性の面で問題が大きい。一方、スラリー中のS
iO2 濃度が、5質量%を超える場合は、乾燥時の凝集
が促進されるため葉状2次粒子が凝集・結着してしま
い、単分散した葉状シリカ2次粒子を得るのが困難にな
る。
【0086】上記の葉状2次粒子の水スラリーから
乾燥された本発明における葉状シリカ2次粒子を得る方
【0087】単分散された葉状シリカ2次粒子の乾燥粉
末は、の水スラリーをと同様に噴霧乾燥機に、水ス
ラリーを供給し乾燥することにより得られる。但し、こ
の場合は、同様な理由により供給スラリー中のSiO2
濃度は、1〜7質量%、好ましくは1〜5質量%に調整
して噴霧乾燥することが好ましい。
【0088】シリカ3次凝集体粒子からなる乾燥粉末
を製造し、次いで、それを乾式粉砕(解砕)して、本発
明における葉状シリカ2次粒子の微粉末とする方法
【0089】上記で得られた平均粒子径1〜10μm
の本発明におけるシリカ3次凝集体粒子の乾燥粉末を、
乾式粉砕機能と乾式分級機能との組合せからなる乾式粉
砕・分級機、例えば、ジェットミルと高速回転式分級機
又は風力分級機の両方を組み合わせて用いて、平均粒子
径1〜10μmに分散した葉状シリカ2次粒子へと連続
的に解砕できる。すなわち、連続的にジェットミルに原
料を供給し、ジェットミルからの粉砕品を乾式分級機で
分級し、所望の粒径より大きい粗粒は、ジェットミルに
連続的にリサイクルし、所定以下に粉砕されたものを連
続的に系外に取りだすシステムを形成するものである。
【0090】上記に記載した本発明における葉状シリカ
2次粒子の水スラリーを得る方法としては、に記載し
た方法が、断熱性コーティグ材用硬化性組成物により適
した葉状2次粒子の水スラリーが得られるので、より好
ましい。
【0091】一方、上記に記載した葉状シリカ2次粒子
の乾燥微粉末を得る方法としては、に記載した方法
が、断熱性硬化体等に最も適した葉状2次粒子の乾燥微
粉末が得られるので、より好ましい。
【0092】以上のようにして得られた本発明における
葉状シリカ2次粒子は、鱗片状シリカの薄片1次粒子が
互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される
葉状シリカ2次粒子から実質的になり、互いに独立に存
在することを特徴とする積層構造の粒子形態を有するも
のである。
【0093】ここで、本発明における葉状シリカ2次粒
子の特異的な基本物性について述べておく。このシリカ
2次粒子におけるシリカのSiO2 純度は、99.0質
量%以上である。pHは、6.0〜8.0であり、X線
回折のスペクトルとしては、米国のASTM(American
Society for Testing and Materials)に登録されてい
るカード(以下単にASTMカードと称する。)番号1
6−0380に該当する2θ=4.9°、26.0°、
及び28.3°の主ピークを特徴とするシリカ−X及び
/又はASTMカード番号31−1233に該当する2
θ=5.6°、25.8°、及び28.3°の主ピーク
を特徴とするシリカ−Yからなるシリカである。コール
ターカウンター(コールターエレクトロニクス社製)に
よる平均粒子径は、1〜10μmである。吸油量(JI
S K 5101)は、100〜150ml/100g
である。
【0094】このシリカ2次粒子の細孔分布をBET法
(日本ベル社製、商品名ベルソープ−28型)により測
定すると、細孔容積は、0.05〜0.15ml/g、
比表面積は、30〜80m2 /gである。
【0095】とくに注目すべきは、細孔分布曲線から
は、細孔直径2〜6nm、特には3.5〜4.0nm付
近に鋭い大きなピークが認められることである。
【0096】これは、メソ細孔領域(ミクロとマクロの
中間の細孔直径2〜50nmの領域)の細孔が顕著に存
在することを示している。すなわち、本発明における葉
状シリカ2次粒子は、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互
いに面間が平行的に配向し複数枚重なった積層構造また
はラメラ構造の粒子形態を有しているが、この重なり合
う薄片と薄片の間に形成される空隙部が、上記のメソ領
域の大きさの細孔として測定されると推察される。
【0097】また、当該シリカ(熱処理していない常温
でのSiO2 )の赤外吸収スペクトル(FT−IR)
は、3600〜3700cm-1、3400〜3500c
-1にそれぞれ1つの吸収帯をもつシラノール基をもつ
シリカである。また、BET法による比表面積当たりの
シラノール基の量は、50〜70μmol/m2 という
大きな値を有している(シリカゲルの数倍)。
【0098】このようなシラノール基を有することによ
り、本発明におけるシリカ2次粒子から形成した断熱性
硬化層を100〜600℃、好ましくは200〜600
℃、さらに好ましくは400〜600℃程度で加熱処理
することにより、当該シラノール基を縮合反応させ、断
熱性硬化層の強度等をさらに向上させることもできる。
【0099】なお、本発明における葉状シリカ2次粒子
の耐熱性については、空気雰囲気下、500〜1000
℃で、1時間加熱後、走査型電子顕微鏡で粒子の形態・
寸法の変化を観察したが、特段の変化は認められなかっ
た。
【0100】当該葉状シリカ2次粒子の酸水溶液及びア
ルカリ水溶液に対する20℃での飽和溶解度は低い。す
なわち、溶解SiO2 濃度は、10質量%のHCl水溶
液に対しては、0.008質量%、イオン交換水に対し
ては、0.006質量%、5質量%NaOH水溶液に対
しては、0.55質量%、10質量%NaOH水溶液に
対しては、0.79質量%であり、酸、アルカリのいず
れに対しても、小さな溶解度であり、耐酸性、耐アルカ
リ性を有することを示す。特に、シリカゲルやコロイダ
ルシリカに比較して、非常に小さなアルカリ水溶液への
溶解度であり、耐アルカリ性を有することを示す。
【0101】上記した本発明における葉状シリカ2次粒
子は、断熱機能を有する材料(微小中空球、多孔質粒
子、繊維状物質など)及び水及び/又は水以外の揮発性
液体(ベンゼン、トルエン、キシレン、灯油、軽油等の
揮発性有機溶媒)と混合して断熱性コーティング材用硬
化性組成物とすることができる。すなわち、当該組成物
を、基体に塗布後、乾燥あるいは必要に応じてさらに加
熱処理をした場合には、当該葉状シリカ2次粒子は、バ
インダーとして強く作用し、断熱性を有する硬化体から
なる強固な塗膜が容易に得られるのである。
【0102】この場合、上記の断熱機能を有する材料
が、シリカゲルやガラスからなる微小粒子である場合に
は、葉状シリカ2次粒子が、粒子の比表面積あたりのシ
ラノール基が特に多い材料であるため、当該葉状シリカ
2次粒子のシラノール基と当該シリカゲルやガラス表面
のシラノール基との間で、乾燥あるいは加熱処理によ
り、脱水縮合が起こり、特に結着が強固となる。
【0103】本発明に用いる微小中空球としては、セラ
ミックバルーン、プラスチックバルーンなどが使用でき
るが、セラミックバルーンは、高温度でも使用できるの
でより望ましい。
【0104】かかるセラミックバルーンとしては、ガラ
スバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、ジルコ
ニアバルーン、アルミナシリケートバルーンなどがある
が、粒子径や粒子比重の異なるバルーンを幅広く製造で
きるという点から、ガラスバルーンが最も好ましい
【0105】ガラスバルーンとしては、粒子の平均粒子
径が1〜10000μmで、粒子の平均比重が0.1〜
1.5のものが好ましく使用できる。平均粒子径が1μ
m未満のガラスバルーンは、一般に製造収率が極めて小
さいので、経済性の面で適さない。平均粒子径が100
00μmを超えるガラスバルーンの場合には、断熱性コ
ーティング材用硬化性組成物として使用する場合には、
平滑な塗膜を形成しにくくなるため好ましくない。
【0106】また、粒子の平均比重が0.1未満のガラ
スバルーンは、バルーンの肉厚が小さく、バルーンの機
械的強度が、極めて小さくなるのであまり好ましくな
く、一方、粒子の平均比重が1.5を超えるガラスバル
ーンは、断熱性が低下するので、断熱性コーティング材
用硬化性組成物の用途には、あまり適さない。とりわ
け、粒子の平均粒子径が1〜100μmで、粒子の平均
比重が、0.1〜1.0のガラスバルーンは、平滑な塗
膜を形成させやすく、断熱性が高いので、より好まし
く、さらには、粒子の平均粒子径が1〜80μmで、粒
子の平均比重が、0.10〜0.8のガラスバルーン
が、いっそう平滑な塗膜を形成させやすく、断熱性が高
いので、最も好ましい。
【0107】本発明に用いる多孔質粒子としては、多孔
質シリカゲル、ゾノトライト、発泡シリカゲル、膨張バ
ーミキュライト、膨張パーライト等の無機多孔質粒子や
有機高分子多孔質粒子が使用できるが、無機多孔質粒子
は、高温でも使用できるのでより好ましい。無機多孔質
粒子のなかでも、多孔質シリカゲルや発泡シリカゲル
は、粒径や粒子比重の異なるものを幅広く製造できると
いう点から好適である。
【0108】本発明に用いる多孔質シリカゲルとして
は、粒子の平均粒子径が1〜10000μmで、粒子の
細孔容積(BET法、日本ベル社製、ベルソープ28型
による測定)が、0.5〜3.0ml/gのシリカゲル
が、好適に使用できる。
【0109】その中でも、粒子の平均粒子径が1〜20
0μmで、粒子の細孔容積が、2.0〜3.0ml/g
のシリカゲルが、粒子の断熱性が高く、より好ましい。
粒子の形状としては、球形及び不定形のいずれも使用で
きるが、粒子形状が球形の方が、断熱性コーティング材
用硬化性組成物の塗布が容易であり望ましい。
【0110】本発明に用いる多孔質シリカゲルとして
は、例えば、特開平6−40714号に提案されている
ようなシリカヒドロゲルを、超臨界乾燥して得られる高
多孔質のシリカエアロゲルであってもよい。
【0111】本発明における発泡シリカゲルは、硫酸ナ
トリウムを0.01〜2.0質量%を含有する粒子径
0.5〜10mmの乾燥されたシリカゲル(ここでシリ
カゲル粒子形状は、球形又は不定形であってよく、粒子
の平均比重は、1.0〜2.0程度のもの)を、空気又
は空気以外のガス雰囲気下で、950〜1150℃にお
いて、0.05〜5時間焼成することにより得られるも
のである。すなわち、焼成時に離脱するシリカゲル中の
結合水や、反応分解して発生するSO3 ガスなどが発泡
ガスとなって、当該シリカゲル粒子を内部から発泡膨張
せしめ、比重の小さな球形シリカ粒子になったものであ
る。
【0112】かくして形成された発泡シリカゲル粒子
は、上記した多孔質シリカゲルと異なり、粒子内部は、
発生ガスにより多孔質(連続気泡)に形成されている
が、粒子外表面全体は、無孔質に近い極めて緻密な外被
膜により覆われているため、内部の連続気泡は、当該外
被膜により遮断され、粒子表面までは到達しないという
特異な形態を有しているものである。当該外被膜の存在
により、外気や水分は、粒子内には進入しない。〔図
4〕は、本発明の発泡シリカゲル粒子を示す光学顕微鏡
写真である。なお、発泡シリカゲルと、一件類似に見え
る粒子に、所謂「中空シリカ球状体」(特開昭59−1
82223号)があるが、かかる「中空シリカ球状体」
は、水に投入すると、粒子内に水が進入するため、長時
間浮遊状態を維持出来ないことから、本発明の発泡シリ
カゲルとは、本質的に差異があるものである。
【0113】一方、多孔質シリカゲルの場合は、連続気
泡が粒子表面にまで達して、その表面には、開口部が多
数形成されているので、ここから水が進入しうるため、
当該シリカゲル粒子を水中に投入すると容易に沈んでし
まうのである。
【0114】この「発泡シリカゲル」は、本発明者らに
より初めて創成されたもので、シリカゲル中に硫酸ナト
リウムを、0.01〜1.00質量%、最も好ましく
は、0.01〜0.30質量%を含有せしめた、粒子径
1.0〜5mmの乾燥用シリカゲル(粒子形状は球形又
は不定形、粒子比重約1.3)を、空気又は空気以外の
ガス雰囲気下で、980〜1100℃で、0.1〜2時
間焼成することにより得られるものである。すなわちこ
の条件において、はじめて粒子形状が球形で、より小さ
い比重の発泡シリカゲル粒子が得られる。
【0115】本発明の断熱性コーティング材用硬化性組
成物における、断熱機能を有する材料として使用する発
泡シリカゲルとしては、好ましくは粒子径が、1〜10
mm、粒子の比重の平均値(20粒の平均値)が0.0
5〜0.50のものであり、さらに好ましくは、粒子径
が、1〜8mm、粒子の比重の平均値(20粒の平均
値)が0.07〜0.30のものである。
【0116】発泡シリカゲル中のナトリウムの含有量
は、0.003〜0.65質量%、さらに好ましくは
0.015〜0.15質量%、最も好ましくは0.01
5〜0.10質量%のものである。このように、ナトリ
ウム含有量を上記規定された範囲とすることは、その表
面に無孔質に近い緻密な外被膜を有し、粒子内部は連続
気泡の多孔質であるような発泡シリカゲルを形成するの
に極めて重要な要件なのである。
【0117】すなわち、ナトリウムの存在は、シリカゲ
ルを、発生ガスにより塑性変形せしめて連続気泡を形成
するために必須のものであって、その量が少なすぎる
と、実質的に発泡が起こらず、一方この量が過剰である
と、ガラス化が起こるため、やはり発泡の程度が低くな
ることが本発明者らにより見出された。いずれにせよ、
ナトリウムの範囲が上記規定外のシリカゲルは、水に投
入された場合、浮くことはなく、短時間で沈んでしまう
のである。
【0118】本発明の発泡シリカゲルは、内部が連続気
泡であるため軽量であるとともに、表面は緻密な外被膜
で被覆されているため、水中に投入して長時間経過(例
えば100時間以上)しても沈むことはない。このよう
に、水などの液体に接触しても、液体の粒子内部への浸
入を防止できるものとなるので、断熱性コーティング材
用硬化性組成物に用いる多孔質粒子として、特に望まし
い。
【0119】この発泡シリカゲルを公知のガラスバルー
ンと比較すると、ガラスバルーンは粒径については、1
0μm〜数mmのものまで形成できるが、ガラスバルー
ンは、その比重が0.2程度のものが最小であって、こ
れより比重を実質的に小さくすることは困難なのであ
る。
【0120】なお、本発明の断熱性コーティング材用硬
化性組成物に使用する発泡シリカゲルとしては、粒子形
状が球状の発泡シリカゲルを、粉砕して不定形としたも
のも使用できる。
【0121】以上のごとく、本発明の発泡シリカゲル
は、断熱性コーティング材用硬化性組成物以外の用途と
しては、軽量かつ液が粒子内に進入しないため安定的に
浮く特性を利用して、断熱用充填材、液面浮上断熱材、
樹脂やセメント硬化体用の軽量化用充填材、浮材、包装
用の軽量クッション材料、燃焼する油面の消火剤、触媒
担体など、広い用途範囲に好適に使用できるものであ
る。
【0122】(3)本発明の断熱性コーティング材用硬
化性組成物の調整及び使用する方法 本発明の断熱性コーティング材用硬化性組成物は、本発
明における葉状シリカ2次粒子、及び、例えば微小中空
球、多孔質粒子及び繊維状物質からなる群より選ばれる
少なくとも一種の断熱機能を有する材料を、すでに述べ
た水及び/又は水以外の揮発性液体(ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、灯油、軽油などの揮発性有機溶媒)に分
散させた状態で、すなわち、水スラリーまたはペースト
状、及び/又は揮発性有機溶媒スラリーまたはペースト
状とした組成物である。
【0123】ここに、前記微小中空球とは、ガラスバル
ーン、シリカバルーン、シラスバルーン、ジルコニアバ
ルーン、アルミナシリケートバルーンなどの無機物質か
らなるバルーン(セラミックバルーン)及び有機高分子
物質からなるバルーン(プラスチックバルーン)などで
ある。
【0124】また、前記多孔質粒子とは、多孔質シリカ
ゲル、ゾノトライト、発泡シリカゲル、膨張バーミキュ
ライト、膨張パーライト及び有機高分子多孔質粒子など
である。
【0125】また前記繊維状物質とは、ガラス繊維、シ
リカ繊維、アルミナ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジル
コニア繊維などのセラミックス繊維、有機高分子からな
る繊維などである。
【0126】この断熱性コーティング材用硬化性組成物
は、これを基体(金属、ガラス、セラミックス、スレー
ト、セメント硬化体、プラスチックス、木材、紙など)
表面に塗布し、乾燥、或いは、必要に応じて加熱処理し
て、揮発性液体を蒸発させることにより、基体表面に密
着した断熱性硬化体からなるコーティング層あるいは塗
膜を形成させるものである。
【0127】〔図5〕は、断熱機能を有する材料として
ガラスバルーンを使用した場合の基体表面に形成させた
本発明の断熱性硬化体のコーティング層の断面を示すS
EM写真である。写真上半分が断熱層の表面、下半分が
断熱層の破断面を示している。写真から、ほぼ球状の各
ガラスバルーン粒子の周囲を、積層構造の粒子形態を有
する微小な葉状シリカ2次粒子が取り巻いてこれを結着
保持するバインダーとして働いている状態が観察され
る。
【0128】本発明の断熱性コーティング材用硬化性組
成物を、基体上に塗布する手段としては、特定のもので
はなく、手塗り、コテ塗り、バーコーターによる塗布、
噴霧あるいは吹き付け塗装など一般的に塗布に使用され
る手段を使用できる。
【0129】なお、塗布厚みは、特に規定するものでは
ないが、通常0.1〜50mm、好ましくは0.2〜2
0mm程度である。
【0130】以上は、断熱性の塗膜を形成する場合につ
いて述べたが、板状の硬化体であってもよい。板状の硬
化体としては、非真空断熱体や真空断熱体を形成するこ
とができる。例えば真空断熱体の場合は、断熱体を形成
すべきパネル(枠)内に、本発明の断熱性コーティング
材用硬化性組成物を流し込み、完全に乾燥して揮発性液
体を除去してパネル内に当該硬化体を充填した後、パネ
ル内の空気を真空吸引脱気してからパネル全体を密封せ
しめるのである。
【0131】かくして得られた断熱パネルにおいては、
硬化体を形成するバインダーである葉状シリカ2次粒子
間の空隙部には、空気が実質的に存在せず真空となって
おり、また、パネル内には、発泡シリカゲルやガラスバ
ルーンのごとき断熱性の中空球が充填されているので、
パネル全体としての断熱性は極めて高いものが得られる
のである。特に、微小中空球として、連続気泡を有する
多孔質シリカゲルを使用した場合は、パネルの真空吸引
脱気の操作により、各多孔質シリカゲル中の空気も、当
該連続気泡を通じて全て排気され、粒子内部も、バイン
ダー粒子空隙とともに真空となるので、さらに高い断熱
パネルを形成することができるのである。これは、好ま
しくは電気冷蔵庫等の断熱パネルとして好適に適用でき
る。
【0132】本発明の硬化体による断熱パネルは、積層
構造の粒子形態を有する葉状シリカ2次粒子の大きな結
着力のため強度的にも高く、自動車室内においてエグゾ
ーストパイプの熱を床に伝えないための自動車の断熱フ
ロアパネル、住宅の壁や天井部に設置する住宅用断熱パ
ネル等として好適に使用することができる。しかも、そ
の主成分は、人体に無害で環境的にも全く問題のないシ
リカであるから、当該断熱パネルは、これを廃棄する場
合においても、環境汚染等の問題を全く引き起こすこと
のない点で、現在、廃棄処理する場合の容易性やコスト
までを考慮して材料を選択することが社会的にも強く求
められている製造業者にとっても、きわめて魅力のある
材料と言えよう。
【0133】なお、付言すれば、現在はガラス繊維から
なる断熱マットのバインダーとしては、通常水溶性若し
くはエマルション状態のフェノール系樹脂等が使用され
ているが、上記したように、廃棄処理することまでを考
慮すると、これを本発明における葉状シリカ2次粒子を
主体とするバインダーとすることがより好ましいと考え
られる。
【0134】本発明の断熱性コーティング材用硬化性組
成物は、基本的には、断熱機能を有する材料と、葉状シ
リカ2次粒子から実質的になる互いに独立に存在する積
層構造の粒子形態を有する鱗片状シリカ粒子と、及び揮
発性液体を含有する組成物であるが、さらに、他のバイ
ンダー機能を有する物質、例えば、前記揮発性液体が水
の場合は、ケイ酸アルカリ水溶液、コロイダルシリカ、
アルミナゾル、水溶性高分子及び水系エマルション状態
の有機高分子の少なくとも一種類を添加混合して使用す
ることができる。当該水系エマルション状態の有機高分
子を使用した場合には、これは硬化体中に、当該水系エ
マルション由来の有機高分子として残存することにな
る。
【0135】ここに、ケイ酸アルカリ水溶液としては、
固形分濃度が1〜60質量%であり、シリカ/アルカリ
モル比(SiO2 /Me2 O、ここでMeは、Li、N
a又はKなどのアルカリ金属を示す)が、0.1〜3.
8mol/mol、好ましくは0.5〜3.8mol/
mol、さらに好ましくは1.0〜3.8mol/mo
lであることが望ましい。
【0136】本発明において、コロイダルシリカとは、
粒子径が100nm以下、好ましくは50nm以下、さ
らに好ましくは10nm以下、1nm以上のシリカ粒子
であって、コロイド状シリカやシリカゾルに含まれるゾ
ル粒子をいう。当該シリカ粒子の粒子径は、動的光散乱
法(レーザー光散乱法)で測定した値であり、またその
粒子形状は、ほぼ球形の等方形、鎖状形、異方形等いず
れであっても構わない。
【0137】また、アルミナゾルとは、粒子径が100
mn以下、1nm以上の擬ベーマイト・アルミナ(Al
OOH)の粒子であって、コロイド状アルミナやアルミ
ナゾルに含まれるゾル粒子をいう。
【0138】一方、水溶性高分子としては、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶
性フェノール系樹脂、及びゼラチン等が使用できる。
【0139】本発明の断熱性コーティング材用硬化性組
成物中における固形分の割合は、葉状シリカ2次粒子だ
けをバインダーとして使用する場合は、1〜30質量
%、葉状シリカ2次粒子とコロイダルシリカとをバイン
ダーとして使用する場合は、1〜50質量%、葉状シリ
カ2次粒子とケイ酸アルカリとをバインダーとして使用
する場合は、1〜30質量%、葉状シリカ2次粒子と水
溶性高分子とをバインダーとして使用する場合は、1〜
30質量%である。なお、揮発性液体としては、水が最
も好ましい。
【0140】なお、葉状シリカ2次粒子だけをバインダ
ーとして使用する場合、これと断熱性機能を有する材料
(例えば、微小中空球、多孔質粒子及び繊維状物質等)
の割合の比(質量比)は、95:5〜5:95、好まし
くは90:10〜10〜90である。
【0141】ここに、水系エマルション状態の有機高分
子とは、水系エマルション状態のアクリル樹脂系、エポ
キシ樹脂系、ウレタン樹脂系、塩化ビニル樹脂系、フェ
ノール樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系及びこ
れらの共重合樹脂系などの塗料やコーティング剤であ
る。
【0142】上記樹脂系の中では、断熱性コーティング
材用組成物の用途に使用する場合には、耐熱性の高いフ
ッ素樹脂系、シリコーン樹脂系、エポキシ樹脂系、フェ
ノール樹脂系などが好ましい。
【0143】このようにして本発明の断熱性コーティン
グ材用硬化性組成物が、コロイダルシリカ、アルミナゾ
ル、ケイ酸アルカリ、水溶性高分子及び水系エマルショ
ン状態の有機高分子からなる群より選ばれる少なくとも
一種類を含有する場合は、固形分換算基準で、葉状シリ
カ2次粒子並びにコロイダルシリカ及び/又は、アルミ
ナゾル及び/又は、ケイ酸アルカリ及び/又は、水溶性
高分子及び/又は、水系エマルション状態の有機高分子
中の固形分総質量に対する、葉状シリカ以外のコロイダ
ルシリカ及び/又は、アルミナゾル及び/又は、ケイ酸
アルカリ及び/又は、水溶性高分子及び/又は、水エマ
ルション状態の有機高分子中の固形分総質量の割合が、
2〜90質量%、好ましくは5〜85質量%であること
が望ましい。
【0144】また、断熱性コーティング材用硬化性組成
物中の揮発性液体が有機溶媒の場合は、エチルポリシリ
ケート、オルガノアルコキシシランなどの金属アルコキ
シドや金属ヒドロキシド等と混合して使用することがで
きる。
【0145】なお本発明の断熱性コーティング材用硬化
性組成物には、また他のバインダー、フィラー、添加剤
等を配合することも可能である。
【0146】本発明においては、基体表面を予めプライ
マー処理してもよいし、また上記した方法により得られ
る断熱性硬化体からなるコーテング層や塗膜の上に、さ
らに、従来の有機高分子系塗料による塗膜をオーバーコ
ートとして形成させることもできる。この有機高分子系
の塗料としては、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウ
レタン樹脂系、塩化ビニル樹脂系、フェノール樹脂系、
シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系及びこれらの共重合樹
脂系などの非水溶媒系塗料・コーティング剤や水エマル
ション系の塗料・コーティング剤を適宜使用できる。
【0147】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0148】〔例1〕(ヒドロゲルを出発原料とするシ
リカ3次凝集体粒子の製造) 出発原料のシリカヒドロゲルは、ケイ酸ナトリウムをア
ルカリ源として次のようにして調整した。SiO2 /N
2 O=3.0(モル比)、SiO2 濃度21.0質量
%であるケイ酸ナトリウム水溶液2000ml/min
と、硫酸濃度20.0質量%の硫酸水溶液とを、放出口
を備えた容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に均
一混合して、放出口から空中に放出される液のpHが
7.5〜8.0になるように2液の流量比を調整し、均
一混合されたシリカゾル液を放出口から連続的に空気中
に放出させた。放出された液は、空気中で球形液滴とな
り、放物線を描いて約1秒間滞空する間に空中でゲル化
した。落下地点には、水を張った熟成槽を置いておき、
ここに落下せしめて熟成させた。
【0149】熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水
洗して、シリカヒドロゲルを得た。得られたシリカヒド
ロゲル粒子は、粒子形状が球形であり、平均粒子径が6
mmであった。このシリカヒドロゲル粒子中のSiO2
質量に対する水の質量比率は、4.55倍であり、シリ
カヒドロゲル粒子中の残存ナトリウムは、110ppm
であった。
【0150】上記シリカヒドロゲル粒子を、ダブルロー
ルクラッシャーを用いて平均粒子径2.5mmに粗粉砕
して、次工程の水熱処理工程に用いた。
【0151】容量50000mlのオートクレーブ(電
気加熱式、アンカ−型攪拌羽根付き)に、系内の総Si
2 /Na2 Oモル比が12.0なるように、上記粒径
2.5mmのシリカヒドロゲル(SiO2 18質量%)
23.7kg及びケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2
8.75質量%、Na2 O9.3質量%、SiO2 /N
2 O=3.17(モル比))5.5kgを仕込み、こ
れにイオン交換水を10.7kgを加え、50rpmで
撹拌しながら185℃で8時間水熱処理を行った。系内
の総シリカ濃度は、SiO2 として15質量%であっ
た。
【0152】水熱処理後のスラリーは、濾布式竪型遠心
分離機(東興機械社製、TU−18型)を用いて濾過水
洗を行い、有姿含水率69.7質量%(固形分濃度3
0.3質量%)のシリカの湿ケーキを得た。
【0153】上記湿ケーキに水を添加してリパルプし、
SiO2 濃度7.0質量%のシリカのスラリーとした
後、媒体流動層乾燥機(大川原製作所製、SFD−MI
NI型)を用いて、熱風温度300℃で乾燥し、5.6
kgの乾燥微粉末を得た。
【0154】粉末X線回折スペクトルにより生成微粉末
についての生成相の同定を行ったところ、X線回折スペ
クトルとして、ASTMカード番号16−0380に該
当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴
とするシリカ−Xの主ピーク以外にASTMカード番号
31−1235、37−0386に該当するピークが認
められた。また。2θが4.9°のピーク高さに対す
る、2θが26.0°のピーク高さの比は、2.5であ
った。
【0155】また、この微粉末の吸油量(JIS K
5101)を測定したところ、110ml/100gで
あった。
【0156】生成粒子の形態を透過型電子顕微鏡(TE
M)で観察したところ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに
面間が平行的に配向し、複数枚重なって葉状シリカ2次
粒子が形成されていることが観察された。
【0157】一方、生成粒子の形態を走査型電子顕微鏡
(SEM)で観察したところ、上記1次粒子は識別でき
ず、上記の葉状シリカ2次粒子が1次粒子であるかのご
ときに観察された。当該葉状粒子の形状は鱗片状であ
り、これが不規則に重なり合って多数の間隙(空隙また
はポケット)を有するシリカ3次凝集体粒子が形成され
ていることが観察された。これが本発明におけるシリカ
3次凝集体粒子である。
【0158】走査型電子顕微鏡(SEM)で観察される
この葉状粒子(TEMでは、2次粒子に該当)の部分の
平均厚さ0.06μmに対し、当該厚さに対する板の平
均最長長さは、5.4μmでそのアスペクト比は90、
板の平均最小長さは1.6μmで、アスペクト比は27
であった。
【0159】この微粉末(シリカ3次凝集体粒子)の平
均粒子径をコールターカウンター(コールターエレクト
ロニクス社製、MAII型、アパーチャーチューブ径50
μm(以下の例において同じ))を用いて測定したとこ
ろ、6.1μmであった。
【0160】さらに当該微粉末の結晶型遊離ケイ酸量を
X線回折分析法により測定したところ、検出限界以下
(2%以下)であることがわかった。
【0161】〔例2〕(ヒドロゲルを出発原料とするシ
リカ3次凝集体粒子の製造) 出発原料のシリカヒドロゲルは、NaOHをアルカリ源
として次のようにして調整した。SiO2 /Na2 O=
3.0(モル比)、SiO2 濃度21.0質量%である
ケイ酸ナトリウム水溶液2000ml/minと、硫酸
濃度20.0質量%の硫酸水溶液とを、放出口を備えた
容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に均一混合し
て、放出口から空中に放出される液のpHが7.5〜
8.0になるように2液の流量比を調整し、均一混合さ
れたシリカゾル液を放出口から連続的に空気中に放出さ
せた。放出された液は、空気中で球形液滴となり、放物
線を描いて約1秒間滞空する間に空中でゲル化した。落
下地点には、水を張った熟成槽を置いておき、ここに落
下せしめて熟成させた。
【0162】熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水
洗して、シリカヒドロゲルを得た。得られたシリカヒド
ロゲル粒子は、粒子形状が球形であり、平均粒子径が6
mmであった。このシリカヒドロゲル粒子中のSiO2
質量に対する水の質量比率は、4.38倍であり、シリ
カヒドロゲル粒子中の残存ナトリウムは、112ppm
であった。
【0163】上記シリカヒドロゲル粒子を、ダブルロー
ルクラッシャーを用いて平均粒子径2.5mmに粗粉砕
して、次工程の水熱処理工程に用いた。
【0164】容量5000mlのオートクレーブ(電気
加熱式、アンカー型攪拌羽根付き)に、系内の総SiO
2 /Na2 Oモル比が11.0なるように、上記粒径
2.5mmのシリカヒドロゲル(SiO2 18.6質量
%)2688g及び水酸化ナトリウム水溶液(NaOH
48.5質量%)126gを仕込み、これにイオン交換
水を1186gを加え、種晶0.5gを添加して、20
rpmで撹拌しながら180℃で12時間水熱処理を行
った。系内の総シリカ濃度は、SiO2 として12.5
質量%であった。
【0165】水熱処理後のスラリーは、濾布式竪型遠心
分離機(東興機械社製、TU−18型)を用いて濾過水
洗を行い、有姿含水率66.7質量%(固形分濃度3
3.3質量%)のシリカの湿ケーキを得た。
【0166】上記湿ケーキに水を添加してリパルプし、
SiO2 濃度7.0質量%のシリカのスラリーとした
後、媒体流動層乾燥機(大川原製作所製、SFD−MI
NI型)を用いて、熱風温度300℃で乾燥し、408
gの乾燥微粉末を得た。
【0167】生成微粉末を粉末X線回折スペクトルによ
り生成微粉末についての生成相の同定を行ったところ、
X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−
1233に該当する2θ=5.6゜及び25.8゜の主
ピークを特徴とするシリカ−Yの主ピーク以外にAST
Mカード番号35−63、25−1332に該当するピ
ークが認められた。
【0168】また、この微粉末の吸油量(JIS K
5101)を測定したところ、100ml/100gで
あった。
【0169】生成粒子の形態を透過型電子顕微鏡(TE
M)で観察したところ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに
面間が平行的に配向し、複数枚重なって葉状シリカ2次
粒子が形成されていることが観察された。
【0170】一方、生成粒子の形態を走査型電子顕微鏡
(SEM)で観察したところ、上記1次粒子は識別でき
ず、上記の葉状シリカ2次粒子が1次粒子であるかのご
ときに観察された。当該葉状粒子の形状は鱗片状であ
り、これが不規則に重なり合って多数の間隙(空隙また
はポケット)を有するシリカ3次凝集体粒子が形成され
ていることが観察された。
【0171】この走査型電子顕微鏡(SEM)で観察さ
れるこの葉状粒子(TEMでは、2次粒子に該当)の部
分の平均厚さ0.07μmに対し、当該厚さに対する板
の平均最長長さは、6.0μmでそのアスペクト比は8
6、板の平均最小長さは1.8μmで、アスペクト比は
26であった。
【0172】また、この微粉末の平均粒子径をコールタ
ーカウンター(コールターエレクトロニクス社製、MA
II型)を用いて測定したところ、6.5μmであった。
【0173】さらに当該微粉末の結晶型遊離ケイ酸量を
X線回折分析法により測定したところ、検出限界以下
(2%以下)であることがわかった。
【0174】〔例3〕(例1の湿ケーキからスラリー状
の葉状シリカ2次粒子の製造) 例1に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケーキ
1000g( 固形分濃度:30.3質量%) に水102
0gを加えてリパルプし、 固形分15質量%のシリカ
スラリーを調製した。 このスラリーの状態では、コー
ルターカウンターによる平均粒径は7.2μmであり、
B型粘度計による粘度は、0.010Pa・sであっ
た。
【0175】次にこのスラリーを媒体攪拌ビーズミル
(シンマルエンタープライゼズ社製、ダイノーミルKD
L−PILOT A型 (ベッセル容量1.4L、直径
0.5mmジルコニアビーズ80%充填) )でシャフト
回転数3400rpm、流量30L/hで1回通過し、
シリカ3次凝集体粒子の解砕・分散化を行った。
【0176】解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のコ
ールターカウンターによる平均粒子径は1.6μmであ
った。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計で測定
したところ、0.13Pa・sであった。
【0177】次に、当該スラリー中の微粒子の微粒子の
状態に近い乾燥された葉状シリカ2次粒子の物性を調べ
るため、以下の方法で乾燥粉末を得た。
【0178】当該スラリーは、乾燥により極めて凝集し
やすいという特異な性質を有しているため、単分散され
た乾燥粉末を得るには、極めて薄い濃度の水スラリーに
して凝集を防ぎながら乾燥をする必要がある。
【0179】すなわち、当該スラリー(固形分濃度15
質量%)に水を添加し、固形分濃度0.3質量%にスラ
リー濃度を調整した。
【0180】当該スラリーを小型のスプレードライヤー
(ヤマト科学社製、GA32型)を用いて、スラリー供
給量1.7ml/min、噴霧圧力0.3MPa
(G)、熱風温度130℃で噴霧乾燥を行い乾燥微粉末
を得た。得られた乾燥微粉末のコールターカウンターに
よる平均粒径は、1.9μmであった。
【0181】この微粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)
で観察したところ、シリカ3次凝集体粒子は、実質的に
認められず、これは、本発明の葉状シリカ2次粒子から
実質的になっていることが判明した。
【0182】この微粉末を粉末X線回折スペクトルによ
り生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルと
して、ASTMカード番号16−0380に該当する2
θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴とするシ
リカ−Xの主ピーク以外にASTMカード番号31−1
235、37−0386に該当するピークが認められ
た。
【0183】また、2θが4.9°のピーク高さに対す
る、2θが26.0°のピーク高さの比は、1.4であ
った。
【0184】生成粒子の形態を透過型電子顕微鏡(TE
M)で観察したところ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに
面間が平行的に配向し、複数枚重なって本発明の葉状シ
リカ2次粒子が形成されていることが観察された。
【0185】また、この微粉末をエポキシ樹脂に埋包
し、ウルトラミクロトームで超薄切片を作成して、透過
型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、1次粒子の
厚みは、1〜10nmと極めて薄いことがわかった。
【0186】当該微粉体のBET法細孔分布測定装置
(日本ベル社製、ベルソープ28型)による細孔容積は
0.12ml/g、比表面積は、65m2 /gであり、
細孔分布曲線では3.6nm付近にメソ細孔領域の鋭い
大きなピークが認められた。また、当該微粉末の赤外吸
収スペクトル(ニコレージャパン社製、FT−IR51
0型)測定では、3600〜3700cm-1、3400
〜3500cm-1にそれぞれひとつの吸収帯を持つシラ
ノール基が認められた。
【0187】また、シラノール基(SiOH)の量を、
120℃・2時間での乾燥減量と1200℃・3時間で
の加熱減量との差(W質量%とする。)からシリカ単位
質量当たりのシラノール基(SiOH)=W×111
1.1(μmol/g)の計算式により求めると、36
50μmol/gであり、BET法による比表面積当た
りでは56.2μmol/m2 という大きな値を示し
た。
【0188】耐熱性については、空気雰囲気下、500
〜1000℃で、走査型電子顕微鏡での観察では特段の
変化は認められなかった。
【0189】酸水溶液及びアルカリ水溶液に対する20
℃での飽和溶解度については、溶解SiO2 濃度は、1
0質量%、HCl水溶液に対しては、0.008質量
%、イオン交換水に対しては、0.006質量%、5質
量%NaOH水溶液に対しては、0.55質量%、10
質量%NaOH水溶液に対しては、0.79質量%であ
った。特に耐アルカリに関しては、例えばシリカゲルに
比較すると非常に小さな溶解度であった(シリカゲルの
場合、3質量%NaOH水溶液に対しても溶解度は、
6.5質量%である)。
【0190】〔例4〕(例2の湿ケーキからスラリー状
の葉状シリカ2次粒子の製造) 例2に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケーキ
を用いて例3と同様に、媒体攪拌ビーズミル(シンマル
エンタープライゼズ社製、ダイノーミルKDL−PIL
OT A型 (ベッセル容量1.4L、直径0.5mmジ
ルコニアビーズ80%充填) )でシャフト回転数340
0rpm、流量30L/hで1回通過し、シリカ3次凝
集体粒子の解砕・分散化を行い、固形分濃度15質量%
の葉状シリカ2次粒子の水スラリーを得た。
【0191】解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のコ
ールターカウンターによる平均粒子径は1.7μmであ
った。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計で測定
したところ、0.11Pa・sであった。
【0192】〔実施例1〕(発泡シリカゲルの製造) 硫酸ナトリウムを0.15質量%含有する粒子径2.5
mmの乾燥されたシリカゲル(洞海化学工業社製シリカ
ゲル、商品名Sゲル、粒子形状は不定形、粒子の平均比
重1.32)200gを、白金製ルツボに入れ、空気雰
囲気下で、1100℃で、0.5時間焼成した。放出さ
れるシリカゲル中の結合水が発泡ガスとなって、シリカ
ゲル粒子が発泡膨張して、比重の小さな球形シリカ粒子
(発泡シリカゲル)が得られた。この発泡シリカゲルの
平均粒子径は、4.0mmであり、粒子の平均比重(2
0粒の平均値)は、0.14であった。この発泡シリカ
ゲル中のナトリウム含有量は、0.047質量%であっ
た。
【0193】また、得られた発泡シリカゲルは、粒子の
外皮が緻密であり無孔質に近く、粒子を水中に、投入し
て100時間経過しても、水に沈むことはなかった。す
なわち、水などの液体に接触しても、液体の粒子内部へ
の浸入を防止できるものであった。
【0194】〔実施例2〕(発泡シリカゲルの製造) 硫酸ナトリウムを0.20質量%含有する粒子径3.0
mmの乾燥されたシリカゲル(洞海化学工業社製シリカ
ゲル、商品名パール、粒子形状は球形、粒子の平均比重
1.31)200gを、白金製ルツボに入れ、空気雰囲
気下で、1050℃で、0.5時間焼成した。放出され
るシリカゲル中の結合水が発泡ガスとなって、シリカゲ
ル粒子が発泡膨張して、比重の小さな球形シリカ粒子
(発泡シリカゲル)が得られた。この発泡シリカゲルの
平均粒子径は、4.7mmであり、粒子の平均比重(2
0粒の平均値)は、0.13であった。この発泡シリカ
ゲル中のナトリウム含有量は、0.061質量%であっ
た。
【0195】また、得られた発泡シリカゲルは、粒子の
外皮が緻密であり無孔質に近く、粒子を水中に、投入し
て100時間経過しても、水に沈むことはなかった。す
なわち、水などの液体に接触しても、液体の粒子内部へ
の浸入を防止できるものであった。
【0196】〔実施例3〕(ガラスバルーンを含有する
断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化体) 例3に記載した媒体攪拌ビーズミルで単分散処理した固
形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)からなるスラリーを10.7g、及び
平均粒子径34μm、粒子の平均比重0.39のガラス
バルーン(東海工業社製、商品名セルスターSX−3
9、ホウケイ酸ガラス製)を5g、及び水30gをビー
カーに入れ、スターラーで十分攪拌混合しスラリー状断
熱コーティング材用硬化性組成物とした。
【0197】次に、ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコーター(江藤器社
製)を使って、ステンレス板上に該スラリーを塗布し、
室温で乾燥し試験片とした。塗装量は、固形分換算で約
480g/m2 であり、塗層厚みは約1.7mmであっ
た。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認め
られなかった。
【0198】ここでガラスバルーンと葉状シリカ2次粒
子との固形分での質量比は、75:25である。次に上
記の塗布乾燥された試験片を、塗層側を上にして、10
0℃に保持したホットプレート上に乗せ、1時間後の塗
層側表面温度を、表面温度計(TLV社製、PK1型)
で測定した。ここで、測定室の室温は、24℃であった
(以下実施例4〜16、比較例1〜2も同じ。)。結果
を表1に示す。
【0199】〔実施例4〕(ガラスバルーンを含有する
断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化体) 例3に記載した媒体攪拌ビーズミルで単分散処理した固
形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)からなるスラリーを10.7g、平均
粒子径34μm、粒子の平均比重0.39のガラスバル
ーン(東海工業社製、商品名セルスターSX−39、ホ
ウケイ酸ガラス製)を5g、及び水30gをビーカーに
入れ、スターラーで十分攪拌混合しスラリー状の断熱性
コーティング材用硬化性組成物とした。
【0200】次に、ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコーターを使って、
ステンレス板上に当該該スラリーを塗布し、室温で乾燥
し、次いで、400℃で1時間加熱処理をして試験片と
した。塗装量は、固形分換算で約700g/m2 であ
り、塗層厚みは約2.5mmであった。塗膜の外観は、
平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかった。
【0201】ここで、ガラスバルーンと葉状シリカ2次
粒子との固形分での質量比は、75:25である。次に
上記の塗布乾燥された試験片を、塗層側を上にして、1
00℃に保持したホットプレート上に乗せ、1時間後の
塗層側表面温度を、表面温度計で測定した。結果を表1
に示す。
【0202】〔実施例5〕(ガラスバルーンを含有する
断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化体) 例3に記載した媒体攪拌ビーズミルで単分散処理した固
形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)からなるスラリーを10.7g、及び
平均粒子径34μm、粒子の平均比重0.39のガラス
バルーン(東海工業社製、商品名セルスターSX−3
9、ホウケイ酸ガラス製)を5g、及び水30gをビー
カーに入れ、スターラーで十分攪拌混合しスラリー状の
断熱性コーティング材用硬化性組成物とした。
【0203】次に、ガラス板(70mm×70mm×
1.6mm厚)を用意し、バーコーターを使って、ガラ
ス板上に当該スラリーを塗布し、室温で乾燥し、次い
で、400℃で1時間加熱処理をして試験片とした。塗
装量は、固形分換算で約250g/m2 であり、塗層厚
みは約1.7mmであった。塗膜の外観は、平滑であ
り、ヒビ割れなどは、認められなかった。
【0204】ここで、ガラスバルーンと葉状シリカ2次
粒子との固形分での質量比は、75:25である。次に
上記の塗布乾燥された試験片を、塗層側を上にして、1
00℃に保持したホットプレート上に乗せ、1時間後の
塗層側表面温度を、表面温度計で測定した。結果を表1
に示す。
【0205】〔実施例6〕(ガラスバルーンを含有する
断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化体) 例4に記載した媒体攪拌ビーズミルで単分散処理した固
形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)からなるスラリーを10.7g、及び
平均粒子径34μm、粒子の平均比重0.39のガラス
バルーン(東海工業社製、商品名セルスターSX−3
9、ホウケイ酸ガラス製)を5g、及び水30gをビー
カーに入れ、スターラーで十分攪拌混合しスラリー状断
熱コーティング材用硬化性組成物とした。
【0206】次に、ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコーターを使って、
ステンレス板上に当該スラリーを塗布し、室温で乾燥
し、次いで、400℃で1時間加熱処理をして試験片と
した。塗装量は、固形分換算で約250g/m2 であ
り、塗層厚みは約1.7mmであった。塗膜の外観は、
平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかった。
【0207】ここで、ガラスバルーンと葉状シリカ2次
粒子との固形分での質量比は、75:25である。次に
上記の塗布乾燥された試験片を、塗層側を上にして、1
00℃に保持したホットプレート上に乗せ、1時間後の
塗層側表面温度を、表面温度計で測定した。結果を表1
に示す。
【0208】〔実施例7〕(ガラスバルーンを含有する
断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化体) 例3に記載した媒体攪拌ビーズミルで単分散処理した固
形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)からなるスラリーを9.4g、及び平
均粒子径15μm、粒子の平均比重0.36のガラスバ
ルーン(旭硝子社製、商品名ファインパールHS−2
0、ホウケイ酸ガラス製)を4.2g、及び水4gをビ
ーカーに入れ、スターラーで十分攪拌混合しスラリー状
断熱コーティング材用硬化性組成物とした。
【0209】次に、ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコーターを使って、
ステンレス板上に該スラリーを塗布し、室温で乾燥し、
試験片とした。塗装量は、固形分換算で約480g/m
2 であり、塗層厚みは約1.8mmであった。塗膜の外
観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかっ
た。
【0210】ここで、ガラスバルーンと葉状シリカ2次
粒子との固形分での質量比は、75:25である。次に
上記の塗布乾燥された試験片を、塗層側を上にして、1
00℃に保持したホットプレート上に乗せ、1時間後の
塗層側表面温度を、表面温度計で測定した。結果を表1
に示す。
【0211】〔実施例8〕(多孔質シリカゲルを含有す
る断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化
体) 例3に記載した媒体攪拌ビーズミルで単分散処理した固
形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)からなるスラリーを10g、及び平均
粒子径4.9μm、粒子の細孔容積2.0ml/g(B
ET法、日本ベル社製、ベルソープ28型による測
定)、粒子の平均比重0.09の微小真球状シリカゲル
(洞海化学工業社製、商品名サンスフェアH−53)を
2.79g、及び水20gをビーカーに入れ、スターラ
ーで十分攪拌混合しスラリー状の断熱性コーティング材
用硬化性組成物とした。
【0212】次に、ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコーターを使って、
ステンレス板上に該スラリーを塗布し、室温で乾燥し、
次いで、400℃で1時間加熱処理をして試験片とし
た。塗装量は、固形分換算で約430g/m2 であり、
塗層厚みは約1.5mmであった。塗膜の外観は、平滑
であった。
【0213】ここで、微小真球状シリカゲルと葉状シリ
カ2次粒子との固形分での質量比は、75:25であ
る。次に上記の塗布乾燥された試験片を、塗層側を上に
して、100℃に保持したホットプレート上に乗せ、1
時間後の塗層側表面温度を、表面温度計で測定した。結
果を以下の表1に示す。
【0214】〔実施例9〕(発泡シリカゲルを含有する
断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化体) 例3に記載した媒体攪拌ビーズミルで単分散処理した固
形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)からなるスラリーを40g、及び実施
例1に記載した平均粒子径4.0mm、粒子の平均比重
0.14の粒子形状が球状の発泡シリカゲルを8g、及
び水15gビーカーに入れ、攪拌混合しスラリー状の断
熱性コーティング材用硬化性組成物とした。
【0215】次に、ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、コテを使って、ステンレ
ス板上に該スラリーを塗布し、室温で乾燥し試験片とし
た。塗装量は、固形分換算で約1400g/m2 であ
り、塗層厚みは約6.5mmであった。塗膜の外観は、
発泡シリカゲルを粒とするオコシ状であった。
【0216】ここで、発泡シリカゲルと葉状シリカ2次
粒子との固形分での質量比は、57:43である。次に
上記の塗布乾燥された試験片を、塗層側を上にして、1
65℃に保持したホットプレート上に乗せ、1時間後の
塗層側表面温度を、表面温度計で測定した。結果を表1
に示す。
【0217】〔実施例10〕(ガラスバルーンを含有す
る断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化
体) 例3に記載した媒体攪拌ビーズミルで単分散処理した固
形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)からなるスラリーを5.5g、コロイ
ダルシリカ(触媒化成工業社製、商品名カタロイドSI
−30、SiO230質量%、粒子径10〜14nm)
を2.7g、及び平均粒子径34μm、粒子の平均比重
0.39のガラスバルーン(東海工業社製、商品名セル
スターSX−39、ホウケイ酸ガラス製)を5g、及び
水3gをビーカーに入れ、スターラーで十分攪拌混合し
スラリー状の断熱性コーティング材用硬化性組成物とし
た。
【0218】次に、ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコーター)を使っ
て、ステンレス板上に該スラリーを塗布し、室温で乾燥
し試験片とした。塗装量は、固形分換算で約720g/
2 であり、塗層厚みは約2.5mmであった。塗膜の
外観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかっ
た。
【0219】ここでガラスバルーンと葉状シリカ2次粒
子とコロイダルシリカとの固形分での質量比は、75.
0:12.5:12.5である。
【0220】次に上記の塗布乾燥された試験片を、塗層
側を上にして、100℃に保持したホットプレート上に
乗せ、1時間後の塗層側表面温度を、表面温度計で測定
した。結果を表1に示す。
【0221】〔実施例11〕(ガラスバルーンを含有す
る断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化
体) 例3に記載した媒体攪拌ビーズミルで単分散処理した固
形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)からなるスラリーを5.5g、次い
で、ケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 O18.0質量
%、SiO2 36.5質量%、SiO2 /Na2 Oモル
比2.1)を2.27g、及び平均粒子径34μm、粒
子の平均比重0.39のガラスバルーン(東海工業社
製、商品名セルスターSX−39、ホウケイ酸ガラス
製)を5g、及び水14gをビーカーに入れ、スターラ
ーで十分攪拌混合しスラリー状の断熱性コーティング材
用硬化性組成物とした。
【0222】次に、ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコーター)を使っ
て、ステンレス板上に該スラリーを塗布し、室温で乾燥
し試験片とした。塗装量は、固形分換算で約510g/
2 であり、塗層厚みは約1.8mmであった。塗膜の
外観は、平滑であった。
【0223】ここでガラスバルーンと葉状シリカ2次粒
子とケイ酸ナトリウムとの固形分での質量比は、75.
0:12.5:12.5である。
【0224】次に上記の塗布乾燥された試験片を、塗層
側を上にして、100℃に保持したホットプレート上に
乗せ、1時間後の塗層側表面温度を、表面温度計で測定
した。結果を表1に示す。
【0225】〔実施例12〕(ガラスバルーンを含有す
る断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化
体) 例3に記載した媒体攪拌ビーズミルで単分散処理した固
形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)からなるスラリーを5.5g、次い
で、ポリビニルアルコール水溶液(信越化学工業社製、
MA26、固形分9.46質量%)を8.77g、及び
平均粒子径34μm、粒子の平均比重0.39のガラス
バルーン(東海工業社製、商品名セルスターSX−3
9、ホウケイ酸ガラス製)を5g、及び水30gをビー
カーに入れ、スパチラで十分攪拌混合しスラリー状断熱
コーティング材用硬化性組成物とした。
【0226】次に、ステンレス製板、(100mm×1
00mm×1mm厚)を用意し、バーコータを使って、
ステンレス板上に当該スラリーを塗布し、室温で乾燥し
試験片とした。塗装量は、固形分換算で約560g/m
2 であり、塗層厚みは約2.0mmであった。塗膜の外
観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかっ
た。
【0227】ここでガラスバルーンと葉状シリカ2次粒
子とポリビニルアルコールとの固形分での質量比は、7
5.0:12.5:12.5である。
【0228】次に上記の塗布乾燥された試験片を、塗層
側を上にして、100℃に保持したホットプレート上に
乗せ、1時間後の塗層側表面温度を、表面温度計で測定
した。結果を表1に示す。
【0229】〔実施例13〕(ガラスバルーンを含有す
る断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化
体) 例3に記載した媒体攪拌ビーズミルで単分散処理した固
形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)からなるスラリーを、5.5g、次い
で、シリコーン樹脂系水性エマルション塗料(日本ペイ
ント社製、商品名オーデフレッシュSi−100、固形
分濃度54質量%)を1.54g、及び平均粒子径34
μm、粒子の平均比重0.39のガラスバルーン(東海
工業社製、商品名セルスターSX−39、ホウケイ酸ガ
ラス製)を5g、及び水15gをビーカーに入れ、スパ
チラで十分攪拌混合しスラリー状断熱コーティング材用
硬化性組成物とした。
【0230】次に、ステンレス製板、(100mmX1
00mmX1mm厚)を用意し、バーコータを使って、
ステンレス板上に該スラリーを塗布し、室温で乾燥し試
験片とした。塗装量は、固形分換算で約450g/m2
であり、塗層厚みは約1.6mmであった。塗膜の外観
は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかった。
【0231】ここでガラスバルーンと葉状シリカ2次粒
子とシリコーン樹脂塗料との固形分での質量比は、7
5.0:12.5:12.5である。
【0232】次に上記の塗布乾燥された試験片を、塗層
側を上にして、100℃に保持したホットプレート上に
乗せ、1時間後の塗層側表面温度を、表面温度計で測定
した。結果を以下の表1に示す。
【0233】〔実施例14〕(ガラスバルーンを含有す
る断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化
体) 例3に記載した媒体攪拌ビーズミルで単分散処理した固
形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)からなるスラリーを、5.5g、次い
で、エポキシ樹脂系水性エマルション塗料(旭電化工業
社製、商品名アデカレジンEM0460、固形分濃度4
6質量%)を1.8g、及び平均粒子径34μm、粒子
の平均比重0.39のガラスバルーン(東海工業社製、
商品名セルスターSX−39、ホウケイ酸ガラス製)を
5g、及び水10gをビーカーに入れ、スパチラで十分
攪拌混合しスラリー状断熱コーティング材用硬化性組成
物とした。次に、ステンレス製板、(100mmX10
0mmX1mm厚)を用意し、バーコータを使って、ス
テンレス板上に該スラリーを塗布し、室温で乾燥し試験
片とした。塗装量は、固形分換算で約540g/m2
あり、塗層厚みは約1.9mmであった。塗膜の外観
は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかった。
【0234】ここでガラスバルーンと葉状シリカ2次粒
子とエポキシ樹脂塗料との固形分での質量比は、75.
0:12.5:12.5である。
【0235】次に上記の塗布乾燥された試験片を、塗層
側を上にして、100℃に保持したホットプレート上に
乗せ、1時間後の塗層側表面温度を、表面温度計で測定
した。結果を表1に示す。
【0236】〔実施例15〕(ガラスバルーンを含有す
る断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化
体) 例3に記載した媒体攪拌ビーズミルで単分散処理した固
形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)からなるスラリーを5.5g、次い
で、フッ素樹脂系水性エマルション塗料(旭硝子コート
アンドレジン社製、商品名ボンセラ水性フロントップ、
フッ素樹脂固形分濃度47質量%)を1.76g、及び
平均粒子径34μm、粒子の平均比重0.39のガラス
バルーン(東海工業社製、商品名セルスターSX−3
9、ホウケイ酸ガラス製)を5g、及び水15gをビー
カーに入れ、スパチラで十分攪拌混合しスラリー状の断
熱性コーティング材用硬化性組成物とした。
【0237】次に、ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコータを使って、ス
テンレス板上に該スラリーを塗布し、室温で乾燥し試験
片とした。塗装量は、固形分換算で約540g/m2
あり、塗層厚みは約1.9mmであった。塗膜の外観
は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められなかった。
【0238】ここでガラスバルーンと葉状シリカ2次粒
子とフッ素樹脂塗料との固形分での質量比は、75.
0:12.5:12.5である。
【0239】次に上記の塗布乾燥された試験片を、塗層
側を上にして、100℃に保持したホットプレート上に
乗せ、1時間後の塗層側表面温度を、表面温度計で測定
した。結果を表1に示す。
【0240】〔実施例16〕(実施例4の塗層の上に、
有機高分子塗料を、さらに塗布した断熱性硬化体) 実施例4に記載した塗布・乾燥・加熱処理された試験片
の塗層の上に、シリコーン樹脂系水性エマルション塗料
(日本ペイント社製、商品名オーデフレッシュSi−1
00、固形分濃度54質量%)を塗布し、室温で乾燥し
試験片とした。シリコーン樹脂系塗料の塗装量は、固形
分換算で約50g/m2 であり、塗層厚みは約90μm
であった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れなど
は、認められなかった。
【0241】次に上記の試験片を、塗層側を上にして、
100℃に保持したホットプレート上に乗せ、1時間後
の塗層側表面温度を、表面温度計で測定した。結果を表
1に示す。
【0242】〔比較例1〕実施例3〜4及び実施例6〜
14に記載したと同じステンレス板で、塗装を施してな
いものを、100℃に保持したホットプレート上に乗
せ、1時間後の板表面温度を表面温度計(TLV社製、
PK1型)で測定した。結果を表1に示す。
【0243】〔比較例2〕実施例5に記載したと同じガ
ラス板で、塗装してないものを、100℃に保持したホ
ットプレート上に乗せ、1時間後の板表面温度を、表面
温度計(TLV社製、PK1型)で測定した。結果を表
1に示す。
【0244】
【表1】
【0245】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の断熱性コーティ
ング材用硬化性組成物は、常温においても強固な断熱性
硬化体を形成しうるものであり、金属、セラミックス、
スレート、セメント硬化体、プラスチック、木材、紙及
びガラス等の基体に断熱性硬化体を形成するのに好適に
使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における葉状シリカ2次粒子構造を示す
走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】本発明における葉状シリカ2次粒子構造を示す
透過型電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明におけるシリカ3次凝集体粒子構造を示
す走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】本発明の発泡シリカゲルの粒子を示す光学顕微
鏡写真である。
【図5】本発明の断熱性硬化体によるガラスバルーン粒
子を含むコーティング層の断面を示す走査型電子顕微鏡
写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 真樹 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 (72)発明者 藤井 淳成 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 (72)発明者 小野 英一 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 (72)発明者 山田 兼士 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 Fターム(参考) 4G012 PA03 PA06 PA07 PA17 PA19 PA24 4J038 AA011 BA091 BA191 CD021 CD091 CE021 CG031 CG111 CK031 DA061 DB001 DG001 DL031 HA216 HA441 HA451 HA456 HA486 HA556 HA566 KA07 KA19 KA20 KA21 KA22 MA08 MA10 NA14 NA15 PA18

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面
    間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリ
    カ2次粒子から実質的になり、互いに独立に存在する積
    層構造の粒子形態を有する葉状シリカ2次粒子と断熱機
    能を有する材料と揮発性液体とを含有することを特徴と
    する断熱性コーティング材用硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 前記断熱機能を有する材料が、微小中空
    球、多孔質粒子及び繊維状物質からなる群より選ばれる
    少なくとも一種である請求項1に記載の断熱性コーテン
    グ材用硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 前記微小中空球が、セラミックバルーン
    及び/又はプラスチックバルーンである請求項2に記載
    の断熱性コーテング材用硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 前記多孔質粒子が、多孔質シリカゲル、
    ゾノトライト、発泡シリカゲル、膨張バーミキュライ
    ト、膨張パーライト及び有機高分子多孔質粒子からなる
    群より選ばれる少なくとも一種である請求項2に記載の
    断熱性コーテング材用硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 前記繊維状物質が、ガラス繊維、シリカ
    繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、ジルコニア
    繊維及び有機高分子繊維からなる群より選ばれる少なく
    とも一種である請求項2に記載の断熱コーテング材用硬
    化性組成物。
  6. 【請求項6】 さらに、コロイダルシリカ、アルミナゾ
    ル、ケイ酸アルカリ水溶液、水溶性高分子及び水系エマ
    ルション状態の有機高分子からなる群より選ばれる少な
    くとも一種を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の
    断熱性コーテング材用硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 前記葉状シリカ2次粒子が、シリカ粒子
    のX線回折分析での主ピークが、シリカ―X及び/又は
    シリカーYに該当するシリカである請求項1〜6のいず
    れかに記載の断熱性コーテング材用硬化性組成物。
  8. 【請求項8】 鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面
    間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリ
    カ2次粒子から実質的になり、互いに独立に存在する積
    層構造の粒子形態を有する葉状シリカ2次粒子と断熱機
    能を有する材料とからなることを特徴とする断熱性硬化
    体。
  9. 【請求項9】 前記断熱機能を有する材料が、微小中空
    球、多孔質粒子及び繊維状物質からなる群より選ばれる
    少なくとも一種である請求項8に記載の断熱性用硬化
    体。
  10. 【請求項10】 前記微小中空球が、セラミックバルー
    ン及び/又はプラスチックバルーンである請求項9に記
    載の断熱性硬化体。
  11. 【請求項11】 前記多孔質粒子が、多孔質シリカゲ
    ル、ゾノトライト、発泡シリカゲル、膨張バーミキュラ
    イト、膨張パーライト及び有機高分子多孔質粒子からな
    る群より選ばれる少なくとも一種である請求項9に記載
    の断熱性硬化体。
  12. 【請求項12】 前記繊維状物質が、ガラス繊維、シリ
    カ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、ジルコニ
    ア繊維及び有機高分子繊維からなる群より選ばれる少な
    くとも一種である請求項9に記載の断熱性硬化体。
  13. 【請求項13】 さらに、コロイダルシリカ、アルミナ
    ゾル、ケイ酸アルカリ、水溶性高分子及び水系エマルシ
    ョン由来の有機高分子からなる群より選ばれる少なくと
    も一種を含有する請求項8〜12のいずれかに記載の断
    熱性硬化体。
  14. 【請求項14】 前記葉状シリカ2次粒子が、シリカ粒
    子のX線回折分析での主ピークが、シリカ―X及び/又
    はシリカーYに該当するシリカである請求項8〜13の
    いずれかに記載の断熱性硬化体。
  15. 【請求項15】 断熱性コーテング材用硬化性組成物又
    は断熱性硬化体に使用するに適した、粒子中にナトリウ
    ムを0.003〜0.65質量%含有する発泡シリカゲ
    ル。
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