JP2003313504A - 鱗片状シリカ粒子を含有する断熱性コーティング材用硬化性組成物及び可撓性断熱性硬化体 - Google Patents

鱗片状シリカ粒子を含有する断熱性コーティング材用硬化性組成物及び可撓性断熱性硬化体

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JP2003313504A
JP2003313504A JP2002118348A JP2002118348A JP2003313504A JP 2003313504 A JP2003313504 A JP 2003313504A JP 2002118348 A JP2002118348 A JP 2002118348A JP 2002118348 A JP2002118348 A JP 2002118348A JP 2003313504 A JP2003313504 A JP 2003313504A
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JP2002118348A
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Atsushige Fujii
淳成 藤井
Maki Inoue
真樹 井上
Hidekazu Ono
英一 小野
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DOKAI CHEMICAL IND CO Ltd
Dokai Chemical Industries Co Ltd
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DOKAI CHEMICAL IND CO Ltd
Dokai Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的な衝撃を受けたり振動を受けた
りするような、過酷な使用条件においても塗膜が割れた
りしない自己造膜性を有する葉状シリカ2次粒子を主体
として用いた、弾性のある断熱性コーティング材用硬化
性組成物を提供する。 【解決手段】 鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに
面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シ
リカ2次粒子からなる積層構造の粒子形態を有する葉状
シリカ2次粒子と、断熱材料と、及び好ましくは水系エ
マルション状態のゴム状有機高分子物質とを含有する水
系の断熱性コーティング材用硬化性組成物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用途、例え
ば、加熱、冷却又は恒温下に置かれるプラントの配管や
タンク等において、断熱や保温・保冷のために用いられ
る断熱性コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化
体に関する。
【0002】また、本発明は、生活関連分野の用途、例
えば住宅の屋根や壁材の保温や、食器等の断熱や保温、
または、蓄冷剤等の断熱や保温のために用いられる断熱
性コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化体に関
する。
【0003】
【従来の技術】断熱技術は、断熱材料を使用することに
より、伝熱の三要素である熱伝導、対流、放射による放
熱を極力少なくする技術であり、省エネルギー技術の一
つとして、産業分野、民生分野で以前より実施されてき
たものである。
【0004】たとえば、従来より、工業用途分野におけ
る断熱や保温・保冷を目的として、断熱等の対象であ
る、反応容器、建屋、配管、槽類等の外表面を、パーラ
イトやケイ酸カルシウム製の板や筒、石綿ブランケッ
ト、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム等の
断熱材で覆い、これらの断熱材の外側に鉄板等の外装材
を取り付けること等が行われている。また、住宅の壁内
や天井内にガラスウール等からなる断熱材を充填した
り、塗料に中空なセラミックス粒子を分散させた断熱性
コーティング材、いわゆる断熱塗料を、住宅やマンショ
ンの屋根や壁外面に塗装することにより、太陽光等によ
る温度上昇を防ぎ、当該住宅内を外気温に比較して数℃
〜10数℃程度も低くし、快適な居住空間を作ることも
広く行われている。
【0005】これら断熱技術は、熱損失の低減、安全、
快適等の観点から、推奨され、自発的に実施されたもの
であった。
【0006】ところで周知のとおり、地球規模の深刻な
問題である地球温暖化解決のため、国連枠組条約に従っ
て1997年に採択された京都議定書は、各締約国に、
二酸化酸素ガス等の温室効果ガスの排出量を大幅に削減
することを義務づけることになり、これにより以下のと
おり、断熱技術の意義も大きく変化するに至った。
【0007】すなわち、我が国は、2010年の温室効
果ガスの排出量を、1990年(基準年)の水準より6
%削減することを対外的に約束した。しかしながら、こ
の数値目標は、1999年度の日本の排出量が13億7
000万トンであり、すでに基準年の排出量に比較し
6.8%の増加となっていることを考慮すれば、上記削
減目標は、生半可な努力で実現出来る値ではないのであ
る。政府は危機感を強め、対策推進本部を設置し、推進
大綱を策定して、まさに官民一体となり、産業、民生、
運輸のあらゆる部門における抜本的な省エネルギー対策
を実施することにした。
【0008】断熱技術は、当該大綱にも規定されている
省エネルギーの為の一つの重要な要素技術であって、例
えば、この大綱によれば、住宅・建築物の省エネルギー
基準の強化をはかり、断熱技術等により、現行基準と比
較して、住宅の冷暖房用エネルギー消費量の約20%の
削減、建築物のエネルギー消費量の約10%削減をはか
ること、及び、建築材料に係る断熱性能の改善を強く求
めている。
【0009】このような状況であるから、現在、より高
い断熱機能を有する材料(以下単に「断熱材料」、又は
「断熱材」と称することがある。)の開発に対する要求
は、きわめて大きくなっている。
【0010】かかる観点から、産業用においても民生用
においても、合成樹脂バインダーに中空ガラスビーズ等
の密閉気泡を有するセラミック充填材や中空合成樹脂ビ
ーズ等を配合した断熱性コーティング材(断熱塗料)が
現在注目されている。当該断熱性コーティング材は、基
本的に高い断熱性能を奏するとともに、種々の形状の断
熱対象基体の表面に自由に塗装することにより容易に断
熱層が形成でき、また断熱層が比較的薄い塗膜であるた
め、ガラス繊維からなる断熱材のごとく居住空間を狭く
することもなく、さらには、ヒートアイランド化が進行
している都会のビル等の既存のコンクリート建築物等に
対しても、外壁部や屋根外表面部から断熱処理を施すこ
とが可能である等種々の特性を有するため、断熱材とし
てきわめて好ましいのである。しかしながら、従来の断
熱性コーティング材においては、バインダーとして合成
樹脂を用いているので、基本的にこれは、あまり高温で
は使用できないという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
状況において、先に、バインダーとして合成樹脂ではな
く、無機物質でありながら自己造膜性を有する葉状シリ
カ2次粒子を主体として用いた、高い断熱性を示す硬化
塗膜を形成しうる断熱性コーティング材用硬化性組成物
を提案した(特開2001−262067号)。
【0012】本発明は、上記断熱性コーティング組成物
について、被塗装基体が、しばしば機械的な衝撃を受け
たり振動を受けたりするような、より過酷な使用条件に
おいても、当該断熱性の硬化塗膜が欠けたり剥離したり
しない安定性を確保するためになされたものであり、当
該硬化性組成物の高い断熱性を保持したまま、バインダ
ーとして、無機物質である葉状シリカ2次粒子だけを用
いる場合、あるいは、断熱性機能を有する材料のバイン
ダーとして、葉状シリカ2次粒子と併せて、コロイダル
シリカ、アルミナゾル、ケイ酸アルカリ水溶液などの無
機質のバインダーを用いる場合に、容易には欠けること
のない、より強靱な硬化塗膜を形成することを目的とす
る。
【0013】また本発明は、同様にして、当該硬化性組
成物に、葉状シリカ2次粒子と併せて、水溶性有機高分
子、水系エマルション状態の有機高分子物質などの有機
高分子物質からなるバインダーを用いる場合に、少なく
とも0.5mm以上、好ましくは1mm以上、さらには
1.5mm以上というかなり厚い硬化塗膜を形成した場
合でも、断熱性能を保持したまま、脆さのない強靱な硬
化塗膜を形成することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に従え
ば、以下の発明が提供される。
【0015】〔1〕 鱗片状シリカの薄片1次粒子が互
いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉
状シリカ2次粒子から実質的になり、互いに独立に存在
する積層構造の粒子形態を有する葉状シリカ2次粒子
と、断熱機能を有する材料と、及びゴム状有機高分子物
質とを含有することを特徴とする水系の断熱性コーティ
ング材用硬化性組成物。
【0016】〔2〕 鱗片状シリカの薄片1次粒子が互
いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉
状シリカ2次粒子から実質的になり、互いに独立に存在
する積層構造の粒子形態を有する葉状シリカ2次粒子
と、断熱機能を有する材料と、及びゴム状有機高分子物
質を70質量%以上含むことを特徴とする断熱性硬化
体。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の水系の断熱性コーティン
グ材用硬化性組成物は、(a)鱗片状シリカの薄片1次
粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成
される葉状シリカ2次粒子から実質的になり、互いに独
立に存在する積層構造の粒子形態を有する葉状シリカ2
次粒子と、(b)断熱機能を有する材料と、及び(c)
ゴム状有機高分子物質とを含有することを特徴とする。
以下、(a)、(b)、(c)の順に説明する。
【0018】(a)(葉状シリカ2次粒子) 葉状シリカ2次粒子は、シリカ3次凝集体粒子の水系ス
ラリーを解砕・分散化することにより得られる。
【0019】シリカ3次凝集体粒子は、基本的には、シ
リカヒドロゲル、活性ケイ酸、又は含水ケイ酸を出発物
質とし、これをオートクレーブ等の加熱圧力容器中で加
熱して水熱処理を行い、当該シリカ3次凝集体粒子を水
系スラリー状態で生成せしめて得られるが、特に球状の
シリカヒドロゲル等を出発物質とすることが好ましい。
【0020】球状のシリカヒドロゲルは、シリカヒドロ
ゾルを石油類その他の媒体中で、球形状に固化せしめて
生成してもよいが、好ましくは、特公昭48−1383
4号に記載されているように、ケイ酸アルカリ水溶液と
鉱酸水溶液を混合して、シリカゾルを短時間で生成させ
ると同時に、気体媒体中に放出し、気体中でゲル化させ
る方法により製造される。
【0021】すなわち、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水
溶液とを、放出口を備えた容器内に別個の導入口から導
入して瞬間的に均一混合し、SiO2濃度換算で130
g/l以上、pH7〜9であるシリカゾルを生成せし
め、これを、上記放出口から、空気等の気体媒体中に放
出させ、空中でゲル化させるのである。これを水を張っ
た熟成槽に落下せしめて数分〜数十分熟成させ、酸を添
加・水洗して球状のシリカヒドロゲルとする。
【0022】当該シリカヒドロゲルは、粒径がよく揃っ
た粒径2〜10mm程度の透明で弾力性を有する球状粒
子であり、一例では、SiO2に対して質量比で約4倍
もの水を含有している( すなわち、SiO220質量
%、水分80質量%程度 )。
【0023】このようなシリカヒドロゲルを出発原料と
し、オートクレーブ等の加熱圧力容器中で加熱して水熱
処理を行い、シリカ3次凝集体粒子を生成させる。な
お、球状シリカヒドロゲルをそのまま使用してもよい
が、好ましくは、粉砕または粗粉砕して、粒径0.1〜
6mm程度としてもよい。
【0024】水熱処理においては、シリカヒドロゲルに
アルカリ金属塩を共存させ、処理液のpHをアルカリ側
に調節し、シリカ溶解度を適度に大きくし、所謂Ostwal
dの熟成に基づく晶析速度を高め、シリカヒドロゲルの
シリカ−X等への変換を促進させることが好ましい。
【0025】ここでアルカリ金属塩とは、水酸化アルカ
リ、ケイ酸アルカリまたは炭酸アルカリ等を意味する。
アルカリ金属としては、Li、Na、またはK(以下、
Meと表示する。)が好ましく、アルカリの量を、シリ
カ/アルカリモル比( SiO 2/Me2O )で表示すれ
ば、4〜15mol/molの範囲が望ましい。系のp
Hとしては、好ましくはpH7以上、より好ましくはp
H8〜13である。
【0026】水熱処理は、150〜220℃の温度範
囲、水熱処理の時間は、通常、3〜50時間程度であ
る。
【0027】なお、水熱処理を効率よく進め、処理時間
を短くするためには、その添加は必須ではないが、原料
シリカヒドロゲルの仕込み量に対して、0.001〜1
質量%程度のシリカ−Xやシリカ−Y等を種晶として添
加することがより好ましい。
【0028】水熱処理終了後、水熱処理生成物をオート
クレーブより取り出し、濾過、水洗してpHを調整す
る。この水スラリー状で得られたシリカ3次凝集体粒子
を、本発明らが提案した特定の方法で解砕・分散化する
ことにより、固形分濃度1〜30質量%の葉状シリカ2
次粒子が水系スラリーとして得られる(例えば、特開2
001−163613号、特開2002−30251号
を参照。)。
【0029】すなわち、ベルトフィルター等の固液分離
・水洗装置を用いて、シリカ3次凝集体粒子スラリーを
水洗・固液分離し、必要に応じてさらに水でリパルプ
し、SiO2 濃度1〜30質量%の水スラリーとし、こ
れを湿式粉砕装置(解砕装置)、例えば湿式ビーズミ
ル、湿式ボールミル、薄膜旋回型高速ミキサーに供給し
て、鱗片状シリカ3次凝集体粒子を解砕処理してシリカ
2次粒子水系スラリーとするものである。
【0030】かくして得られる、葉状シリカ2次粒子
は、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的
に配向し複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子
から実質的になり、互いに独立に存在する積層構造の粒
子形態を有するものである。
【0031】この葉状シリカ2次粒子の水スラリーを、
極く希薄な濃度で乾燥して、葉状シリカ2次粒子を、走
査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TE
M)で観察すると、個々の粒子は鱗片形状をしており、
粒子の面の外径は、0.5〜5μm程度であり、葉状シ
リカ2次粒子を構成する薄片1次粒子の重なり枚数は、
多くとも〜数十枚程度(一枚の厚みは、1〜10nm程
度)と観察される。また葉状シリカ2次粒子の扁平性を
表すアスペクト比(外径/厚み)は、SEM写真の観察
から推算して、平均して10〜100程度という高い扁
平な粒子であることが確認できる。
【0032】この葉状シリカ2次粒子の微粉末をエポキ
シ樹脂に埋包し、ウルトラミクロトームで超薄切片を作
成して、TEMで観察すると、薄片1次粒子の厚みは、
1〜10nm程度と極めて薄いものであることがわか
る。
【0033】なお、この2次粒子としては、3次凝集体
粒子からの解砕が十分に進行し、薄片1次粒子の重なり
が実質的に無い、薄片1枚からなる葉状シリカ粒子が混
在していてもよく、場合によっては、さらに解砕処理を
進行させ、かかる薄片1枚(すなわちシリカの薄片1次
粒子)からなる葉状シリカ粒子が主体であってもかまわ
ない。
【0034】湿式解砕に用いる装置としては、上記した
ように、粉砕媒体を用いて機械的に高速撹拌する方式の
湿式ビーズミル、湿式ボールミルなどの湿式粉砕装置
(解砕装置)が好ましいが、その際に、シリカ3次凝集
体粒子を、葉状シリカ2次粒子に解砕するとともに、生
成した当該葉状シリカ2次粒子(及び薄片1次粒子)
を、その基本的な積層構造を極力粉砕・破壊しないよう
に、解砕・分散化することが望ましく、このためには直
径0.2〜1.0mmのアルミナ又はジルコニア等の媒
体ビーズを用いる湿式ビーズミルが特に好ましい。
【0035】(葉状シリカ2次粒子の特性)本発明にお
ける葉状シリカ2次粒子について、念のためその特徴的
な物性をまとめておく。
【0036】当該シリカ2次粒子におけるシリカのX線
回折のスペクトルとしては、米国のASTM(American
Society for Testing and Materials)に登録さ
れているカード(以下単にASTMカードと称する。)
番号16−0380に該当する2θ=4.9°、26.
0°、及び28.3°の主ピークを特徴とするシリカ−
X及び/又はASTMカード番号31−1233に該当
する2θ=5.6°、25.8°及び28.3°の主ピ
ークを特徴とするシリカ−Yからなるシリカである。上
記以外のピークとしては、シリカ−Xの場合は、AST
Mカード番号31−1234、37−0386、シリカ
−Yの場合は、ASTMカード番号35−63、25−
1332などのピークが認められるものである。
【0037】ここでシリカーX及びシリカーYは、A.He
ydemannやB.A.Mitsyuk らによって、最初に報告され、
彼らによりこう呼ばれた名前であるが、後年、これら
は、実は、いわゆる層状ポリケイ酸またはその塩と総称
されるものの一種に該当するものであることが明らかに
なっている。
【0038】当該シリカの酸水溶液及びアルカリ水溶液
に対する20℃での飽和溶解度は低い。すなわち、溶解
SiO2 濃度は、10質量%のHCl水溶液に対して
は、0.008質量%、イオン交換水に対しては、0.
006質量%、5質量%NaOH水溶液に対しては、
0.55質量%、10質量%NaOH水溶液に対して
は、0.79質量%であり、酸、アルカリのいずれに対
しても、小さな溶解度であり、耐酸性、耐アルカリ性を
有することを示す。特に、シリカゲルやコロイダルシリ
カに比較して、非常に小さなアルカリ水溶液への溶解度
であり、耐アルカリ性を有することを示す。
【0039】本発明におけるシリカ粒子としては、いわ
ゆる層状ポリケイ酸またはその金属の塩と総称されるシ
リカであるものが最も好ましく、層状ポリケイ酸又はそ
の塩とは、例えばシリカ−X、シリカ−Y、ケニアアイ
ト、マガディアイト、マカタイト、アイラアイト、カネ
マイト、オクトシリケート等であり、例えば層状ポリケ
イ酸塩を酸処理することによりケイ酸塩中のアルカリ金
属等が水素イオンでイオン交換されたH型のものや、当
該酸処理前のアルカリ金属塩等の塩型のものなどの総称
である。なお、本発明において層状ポリケイ酸とは、上
記H型及びアルカリ金属等の塩型の両者を意味する。
【0040】(b)(断熱材料) 本発明における断熱機能を有する材料(断熱材料)とし
ては、それ自身従来から使用されている公知のものが使
用可能であり、例えば(1)中空球状粒子、(2)多孔
質粒子及び(3)繊維状物質等が好適に使用される。
【0041】(1)中空球状粒子 中空球状粒子とは、内部が中実でなく、完全または不完
全に中空状となっており、熱伝導率の低い空気等の気体
を閉鎖内包するか、又は真空若しくは減圧であるもので
あり、例えばセラミックバルーン、プラスチックバルー
ンなどが使用できるが、セラミックバルーンが、高温度
でも使用できるのでより望ましい。
【0042】かかるセラミックバルーンとしては、ホウ
ケイ酸系等のガラスバルーン、シリカバルーン、シラス
バルーン、フライアッシュバルーン、ジルコニアバルー
ン、アルミナシリケートバルーン、焼成バーミキュライ
トバルーン、パーライトバルーンなどがあるが、粒子径
や粒子比重の異なるバルーンを幅広く製造できるという
点から、ガラスバルーンが最も好ましい
【0043】ガラスバルーンとしては、粒子の平均粒子
径が1〜10000μmで、粒子の平均比重が0.1〜
1.5のものが好ましく使用できる。平均粒子径が1μ
m未満のガラスバルーンは、一般に製造収率が極めて小
さいので、経済性の面で不適であり、平均粒子径が10
000μmを超えるガラスバルーンの場合には、断熱性
コーティング材用硬化性組成物として使用する場合、平
滑な塗膜を形成しにくくなるため好ましくない。
【0044】また、粒子の平均比重が0.1未満のガラ
スバルーンは、バルーンの肉厚が小さく、バルーンの機
械的強度が、極めて小さくなるのであまり好ましくな
く、一方、粒子の平均比重が1.5を超えるガラスバル
ーンは、断熱性が低下するので、断熱性コーティング材
用硬化性組成物の用途には、あまり適さない。
【0045】従って、とりわけ、粒子の平均粒子径が1
〜100μmで、粒子の平均比重が、0.1〜1.0の
ガラスバルーンが、平滑な塗膜を形成させやすく、断熱
性が高いので、より好ましく、さらには、粒子の平均粒
子径が1〜80μmで、粒子の平均比重が、0.1〜
0.8のガラスバルーンが、いっそう平滑な塗膜を形成
させやすく、断熱性が高いので、最も好ましい。
【0046】また、目的によっては、プラスチックバル
ーン(ポリマーカプセルと称されることもある。)も使
用可能であり、プラスチックバルーンとしては、ポリ塩
化ビニルバルーン、ポリ塩化ビニリデンバルーン、ポリ
酢酸ビニルバルーン、ポリスチレンバルーン、ポリアル
キル(メタ)アクリレートバルーン、ポリアクリルニト
リルバルーン、ポリビニルアルコールバルーン、ポリイ
ミドバルーン等が使用可能である。なお、プラスチック
バルーンの場合は、内包される気体は、空気以外に、当
該プラスチックバルーンを膨張させて製造する場合の発
泡剤由来の気体であってもよく、例えば、二酸化炭素ガ
ス、水蒸気、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、石油エーテル、メチルシラン、ジ
クロロトリフルオロエタン(HCFC−123)、ジク
ロロフルオロエタン(HCFC−141b)、ジフルオ
ロエタン(HFC−152a)、テトラフルオロエタン
(HFC−134a)等の塩素含有フッ素化炭化水素類
等を内包していてもよい。
【0047】(2)多孔質粒子 また、断熱材料としては多孔質粒子も使用できる。多孔
質粒子は、多数の細孔を有する多孔体粒子であって、当
該細孔内部の空気は対流を起こしにくく、また、特に当
該空孔の孔径が気体の平均自由工程以下になるとその気
体の熱伝導率が顕著に減少するという断熱原理に基づく
ものである。
【0048】かかる多孔質粒子としては、特に限定する
ものではないが、例えば多孔質シリカゲル、ゾノトライ
ト、発泡シリカゲル、膨張バーミキュライト、膨張パー
ライト等の無機多孔質粒子やポリウレタンエアロゲル、
ポリイソシアネートエアロゲル、フェノール系エアロゲ
ル等の有機高分子多孔質粒子が例示される。なかでも無
機多孔質粒子は、高温でも使用できるのでより好まし
い。無機多孔質粒子のなかでも、多孔質シリカゲルや発
泡シリカゲルは、粒径や粒子比重の異なるものを幅広く
製造できるという点から好適である。
【0049】多孔質シリカゲルとしては、粒子の平均粒
子径が1〜10000μmで、粒子の細孔容積(BET
法、日本ベル社製、ベルソープ28型による測定。)
が、0.5〜3.0ml/g程度のシリカゲルが、好適
に使用できる。
【0050】その中でも、粒子の平均粒子径が1〜20
0μmで、粒子の細孔容積が、2.0〜3.0ml/g
程度のシリカゲルが、粒子の断熱性が高く、より好まし
い。粒子の形状としては、球形及び不定形のいずれも使
用できるが、粒子形状が球形の方が、断熱性コーティン
グ材用硬化性組成物の塗布が容易であり望ましい。
【0051】なお、多孔質シリカゲルとしては、例え
ば、特開平6−40714号や特開平7−138375
号に記載されているような、シリカヒドロゲル等を超臨
界乾燥して得られる高多孔質のシリカエアロゲルであっ
てもよい。
【0052】また、多孔質粒子として、本発明者らが、
特開2001−262067号で提案した発泡シリカゲ
ルも使用できる。すなわち、この発泡シリカゲルは、硫
酸ナトリウムを0.01〜2.0質量%を含有する粒子
径0.5〜10mmの乾燥されたシリカゲル(なお、こ
のシリカゲルの粒子形状は、球形又は不定形であってよ
く、粒子の平均比重は、1.0〜2.0程度のものが好
ましい。)を、空気又は空気以外のガス雰囲気下で、9
50〜1150℃において、0.05〜5時間焼成する
ことにより得られるものである。これは、焼成時に離脱
するシリカゲル中の結合水や、反応分解して発生するS
3 ガスなどが発泡ガスとなって、当該シリカゲル粒子
を内部から発泡膨張せしめ、比重の小さな球形シリカ粒
子になったものである。
【0053】かくして形成された発泡シリカゲル粒子
は、上記した多孔質シリカゲルと異なり、粒子内部は、
発生ガスにより多孔質(連続気泡)に形成されている
が、粒子外表面全体は、無孔質に近い極めて緻密な外被
膜により覆われているため、内部の連続気泡は、当該外
被膜により遮断され、粒子表面までは到達しないという
特異な形態を有しているものである。
【0054】本発明の硬化性組成物の断熱材料として使
用する発泡シリカゲルとしては、好ましくは粒子径が、
1〜10mm、粒子の比重の平均値(20粒の平均値)
が0.05〜0.50のものであり、さらに好ましく
は、粒子径が、1〜8mm、粒子の比重の平均値(20
粒の平均値)が0.07〜0.30のものである。
【0055】(3)繊維状物質 断熱材料としてはまた、繊維状物質も使用可能である。
繊維状物質とは、主として短繊維からなる物質であっ
て、当該繊維が空間を細分して封じこめ、対流による熱
移動(熱伝達)を防止することにより、断熱機能を奏す
るものである。かかる繊維状物質としては、ガラス繊
維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ・アルミナ繊
維、ロックウール繊維、ジルコニア繊維、カーボン繊
維、チタン酸カリウム繊維、ステンレス繊維、ムライト
繊維等のセラミックス繊維、有機高分子からなる繊維な
どが挙げられるが、上記の如き原理で空気を閉じこめて
対流による熱伝達を防止することができるものであれ
ば、これに限られるものではない。
【0056】(c)ゴム状有機高分子物質 本発明においては、断熱材料のバインダーとして、主た
るバインダーたる葉状シリカ2次粒子とともに、ゴム状
有機高分子物質を併用使用する。ここでゴム状有機高分
子物質とは、ゴムのごとき顕著な弾性を有する高分子物
質(ゴム弾性体又はエラストマー)と称されているもの
である。
【0057】かかるゴム状有機高分子物質としては、例
えば、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体樹脂エ
ラストマー、スチレン−ブタジエン系共重合体樹脂エラ
ストマー、メタクリル酸メチル−ブタジエン系共重合体
樹脂エラストマー、アクリル酸エステル系共重合体樹脂
エラストマー、ブタジエンゴム系樹脂エラストマー、イ
ソプレンゴム系樹脂エラストマー、スチレン−ブタジエ
ン−ビニルピリジン系樹脂エラストマー、アクリロニト
リル−ブタジエン系樹脂エラストマー、アクリレート−
ブタジエン系樹脂エラストマー、スチレン−ブタジエン
−スチレン系ブロック共重合体樹脂エラストマー、スチ
レン−イソプレン−スチレン系ブロック共重合体樹脂エ
ラストマー、シリコーン系ゴム、天然ゴム、イソプレン
ゴム、クロロプレンゴム、フッ化ビニリデン系ゴム、フ
ッ化シリコーンゴム、エチレン−酢酸ビニル系共重合体
樹脂エラストマー、
【0058】及び、アクリルゴム、エチレン−アクリル
系共重合体エラストマー、エピクロルヒドリンゴム、ポ
リエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、
メチルシリコーンゴム、ビニル−メチルシリコーン系共
重合体樹脂エラストマー、四フッ化エチレン−プロピレ
ン系共重合体樹脂エラストマー、四フッ化エチレン−パ
ーフルオロメチルビニルエーテル系共重合体樹脂エラス
トマー、
【0059】さらには、スチレン−ブタジエン−スチレ
ン系ブロック共重合体エラストマー、スチレン−イソプ
レン−スチレン系ブロック共重合体エラストマー、スチ
レン−エチレン−プロピレン−スチレン系ブロック共重
合体エラストマー、スチレン−エチレン−ブチレン−ス
チレン系ブロック共重合体エラストマーなどが好ましい
ものとして挙げられる。
【0060】本発明においては、通常、葉状シリカ2次
粒子は水系スラリーとして得られるものであるため、こ
れと混合されるべき当該ゴム状有機高分子物質は、粉末
状ゴムでもよいが、ハンドリング等の面から、有機溶媒
を実質的に含まない水系エマルション状態のもの、すな
わちラテックスであることが好ましい。
【0061】このような水系エマルション状態の有機高
分子物質としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジ
エン系共重合体樹脂ラテックス、スチレン−ブタジエン
系共重合体樹脂ラテッス、メタクリル酸メチル−ブタジ
エン系共重合体樹脂ラテックス、アクリル酸エステル系
共重合体樹脂ラテックス、ブタジエンゴム系樹脂ラテッ
クス、イソプレンゴム系樹脂ラテックス、スチレン−ブ
タジエン−ビニルピリジン系樹脂ラテックス、アクリロ
ニトリル−ブタジエン系樹脂ラテックス、アクリレート
−ブタジエン系樹脂ラテックス、スチレン−ブタジエン
−スチレン系ブロック共重合体樹脂ラテックス、スチレ
ン−イソプレン−スチレン系ブロック共重合体樹脂ラテ
ックス、天然ゴム系ラテックス等が例示されるが、これ
らに限定されるものではない。また、上記のゴム状有機
高分子物質は変性されたものでもよい。
【0062】通常、上記の水系エマルション状態のゴム
状有機高分子物質は、樹脂固形分濃度が、30〜60質
量%程度のものが好ましく使用される。
【0063】(断熱性コーティング材用硬化性組成物の
調整及び断熱硬化体)本発明の断熱性コーティング材用
硬化性組成物は、上記した(a)葉状シリカ2次粒子の
水スラリー、(b)断熱材料(通常は、乾燥固体状)、
及び(c)ゴム状有機高分子物質を、配合・混合して調
整する。
【0064】混合は、基本的には撹拌機を備えた混合容
器によって行うことができるが、粘度が高くなる場合や
断熱材料の配合量が多くなる場合は、V型混合機、リボ
ン型混合機、二重円錐型混合機等の混合機や、ニーダー
ミキサー、ポニーミキサー、ミューラーミキサー、ロー
ルミル、インターナルミキサー等の捏和機等を適宜使用
することができる。
【0065】配合に際しては、ゴム状有機高分子物質と
して、好ましくはその水系エマルションを使用するが、
通常pHにより当該エマルションの安定性が変化するの
で、配合によりエマルションの安定性が低下するような
場合には、必要に応じて前処理を行うことが好ましい。
すなわち、例えばpHが高い方がエマルションが安定す
るような場合は、前処理として、当該エマルションに、
水酸化アンモニウム水溶液、アルカリ金属の水酸化物水
溶液、アルカリ金属の炭酸塩水溶液、アルカリ金属の重
炭酸塩水溶液等のアルカリ性水溶液を、少量添加してp
H調整をすることが、望ましい。
【0066】調整されるコーティング材用硬化性組成物
中の固形分濃度は、目的とするコーティング材の使用態
様に応じて、適宜選択されるが、通常、5〜80質量%
程度が好ましく、10〜60質量%程度がより好まし
い。
【0067】また、硬化性組成物中の総固形分換算量に
対する断熱材料の固形分換算の含有量としては、所望の
断熱機能と、形成される塗膜の膜強度を勘案して適宜変
更可能であり、通常30〜98質量%が好ましく、50
〜90質量%がより好ましい。
【0068】また、硬化性組成物中の固形分換算の葉状
シリカ2次粒子とゴム状有機高分子物質(バインダー成
分)の当該バインダー総量に対する比率は、塗膜形成
性、断熱材料の保持性、塗膜の弾性等を考慮して適宜変
更可能であり、通常葉状シリカ2次粒子:ゴム状有機高
分子物質=10〜90質量%:90〜10質量%(固形
分換算)が好ましく、さらに、葉状シリカ2次粒子:ゴ
ム状有機高分子物質=30〜70質量%:70〜30質
量%(固形分換算)であることがより好ましい。
【0069】なお、断熱材料、葉状シリカ2次粒子の水
スラリー及び水系エマルション状態のゴム状有機高分子
物質を配合・混合して得られる水系の硬化性組成物(水
スラリー)は、取扱いの便宜上、必要に応じて、さらに
水を添加して粘度を調節することができる。
【0070】本発明の断熱性コーティング材用硬化性組
成物は、これを基体表面に塗布し、室温または加熱下に
乾燥、或いは、必要に応じてさらに加熱処理して、揮発
性液体である水を蒸発させることにより、基体表面に密
着した断熱性硬化体からなるコーティング層あるいは塗
膜を形成させるものである。なお、基体としては、例え
ば、金属、ガラス、セラミックス、スレート、セメント
硬化体、プラスチックス、木材、紙等が挙げられるが特
に限定するものではない。
【0071】本発明の断熱性コーティング材用硬化性組
成物を、基体上に塗布する手段としては、特定のもので
はなく、手塗り、コテ塗り、バーコータ又はロールコー
タによる塗布、噴霧あるいは吹き付け塗装、さらにはデ
ィッピング(浸漬)など一般的に塗布に使用される手段
を使用できる。
【0072】また、塗布厚みは、特に規定するものでは
ないが、通常0.1〜50mm、好ましくは0.2〜2
0mm程度である。
【0073】本発明の硬化性組成物を、基体に塗布・乾
燥して得られる断熱性コーティング層(断熱性硬化体)
は、高い断熱性を付与すると同時に、コーティング層の
可撓性及び基への密着性に優れているので、工業用途で
は、例えば、加熱、冷却又は恒温下に置かれるプラント
の配管やタンク等において、断熱や保温・保冷のため
に、また、生活関連用途では、住宅や自動車などの保温
・保冷や食器などの各種容器の保温・保冷のために、好
適に使用できる。
【0074】なお、本発明の硬化性組成物は、主として
コーティング層を形成させるために使用されるが、場合
によっては、型枠(パネル)の中に当該硬化性組成物を
流し込んで完全に乾燥硬化させ断熱性のパネルを形成さ
せることも可能である。
【0075】また、本発明の硬化性組成物は、基本的に
は、葉状シリカ2次粒子と、断熱材料と、及びゴム状有
機高分子物質を含有する水系の組成物であるが、所望に
より、本発明の目的を阻害しない範囲において、少量の
他のバインダー機能を有するケイ酸アルカリ水溶液、コ
ロイダルシリカ、アルミナゾルや、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分
子や水系エマルション状態の有機高分子を添加してもよ
く、さらにフィラー、添加剤、顔料、粘度調節剤、消泡
剤、界面活性剤、シランカップリング剤、紫外線吸収
剤、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、分散剤、ウィスカ
ー、セラミックス粒子、金属粒子等を添加混合して使用
することができる。この場合において、葉状シリカ2次
粒子、断熱材料及びゴム状有機高分子物質の合計量は、
臨界的な値ではないが、通常固形分として70質量%以
上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質
量%以上が望ましい。すなわち、本発明の断熱性硬化体
は、葉状シリカ2次粒子、断熱材料及びゴム状有機高分
子物質を70質量%以上、好ましくは90質量%以上、
さらに好ましくは95質量%以上含むものである。
【0076】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 〔合成例1〕(シリカヒドロゲルを出発原料とするシリ
カ−Xの3次凝集体粒子の製造)
【0077】出発原料であるシリカヒドロゲルは、公知
の方法に従い、ケイ酸ナトリウムをアルカリ源として次
のようにして調整した。すなわち、SiO2 /Na2
=3.0(モル比)、SiO2 濃度21.0質量%であ
るケイ酸ナトリウム水溶液2000ml/minと、硫
酸濃度20.0質量%の硫酸水溶液とを、放出口を備え
た容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に均一混合
して、放出口から空中に放出される液のpHが7.5〜
8.0になるように2液の流量比を調整し、均一混合さ
れたシリカゾル液を放出口から連続的に空気中に放出さ
せた。放出された液は、空気中で球形液滴となり、放物
線を描いて約1秒間滞空する間に空中でゲル化した。落
下地点には、水を張った熟成槽を置いておき、ここに落
下せしめて熟成させた。
【0078】熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水
洗して、シリカヒドロゲルを得た。得られたシリカヒド
ロゲル粒子は、粒子形状が球形であり、平均粒子径が6
mmであった。このシリカヒドロゲル粒子中のSiO2
質量に対する水の質量比率は、4.55倍であり、シリ
カヒドロゲル粒子中の残存ナトリウムは、110ppm
であった。
【0079】上記シリカヒドロゲル粒子を、ダブルロー
ルクラッシャーを用いて平均粒子径2.5mmに粗粉砕
し、水熱処理し、以下に述べる鱗片状シリカ3次凝集体
粒子の形成に用いた。
【0080】容量50000mlのオートクレーブ(電
気加熱式、アンカ−型撹拌羽根付き)に、系内の総Si
2 /Na2 Oモル比が12.0なるように、上記粒径
2.5mmのシリカヒドロゲル(SiO2 18質量%)
23.7kg及びケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2
8.75質量%、Na2 O9.3質量%、SiO2 /N
2 O=3.17(モル比))5.5kgを仕込み、こ
れにイオン交換水を10.7kgを加え、50rpmで
撹拌しながら185℃で8時間水熱処理を行った。系内
の総シリカ濃度は、SiO2 として15質量%であっ
た。
【0081】水熱処理後のスラリーは、濾布式竪型遠心
分離機(東興機械社製、TU−18型)を用いて濾過水
洗を行い、有姿含水率69.7質量%(固形分濃度3
0.3質量%)のシリカの湿ケーキを得た。
【0082】上記湿ケーキに水を添加してリパルプし、
SiO2 濃度7.0質量%のシリカの水系スラリーとし
た後、媒体流動層乾燥機(大川原製作所社製、SFD−
MINI型)を用いて、熱風温度300℃で乾燥し、
5.6kgの乾燥微粉末を得た。
【0083】粉末X線回折スペクトルにより、上記生成
微粉末についての生成相の同定を行ったところ、X線回
折スペクトルとして、ASTMカード番号16−038
0に該当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピーク
を特徴とするシリカ−Xの主ピーク以外にASTMカー
ド番号31−1234、37−0386に該当するピー
クが認められた。
【0084】また、生成粒子の形態をTEMで観察した
ところ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に
配向し、複数枚重なって葉状シリカ2次粒子が形成され
ていることが観察された。
【0085】一方、生成粒子の形態をSEMで観察した
ところ、上記1次粒子は識別できず、上記の葉状シリカ
2次粒子が1次粒子であるかのごときに観察された。当
該葉状シリカ2次粒子は、これが不規則に重なり合って
多数の間隙(空隙またはポケット)を有するシリカ3次
凝集体粒子が形成されていることが観察された。
【0086】SEMで観察されるこの葉状粒子(TEM
では、2次粒子に該当)の部分の平均厚さ0.06μm
に対し、当該厚さに対する板の平均最長長さは、5.4
μmでそのアスペクト比は90、板の平均最小長さは
1.6μmで、アスペクト比は27であった。
【0087】この微粉末(シリカ3次凝集体粒子)の平
均粒子径をコールターカウンター(コールターエレクト
ロニクス社製、MA−II型、アパーチャーチューブ径5
0μm(以下の合成例、実施例において同じ))を用い
て測定したところ、6.1μmであった。
【0088】〔合成例2〕(シリカヒドロゲルを出発原
料とするシリカ−Yの3次凝集体粒子の製造) 出発原料のシリカヒドロゲルは、NaOHをアルカリ源
として次のようにして調整した。すなわち、SiO2
Na2 O=3.0(モル比)、SiO2 濃度21.0質
量%であるケイ酸ナトリウム水溶液2000ml/mi
nと、硫酸濃度20.0質量%の硫酸水溶液とを、放出
口を備えた容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に
均一混合して、放出口から空中に放出される液のpHが
7.5〜8.0になるように2液の流量比を調整し、均
一混合されたシリカゾル液を放出口から連続的に空気中
に放出させた。放出された液は、空気中で球形液滴とな
り、放物線を描いて約1秒間滞空する間に空中でゲル化
した。落下地点には、水を張った熟成槽を置いておき、
ここに落下せしめて熟成させた。
【0089】熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水
洗して、シリカヒドロゲルを得た。得られたシリカヒド
ロゲル粒子は、粒子形状が球形であり、平均粒子径が6
mmであった。このシリカヒドロゲル粒子中のSiO2
質量に対する水の質量比率は、4.38倍であり、シリ
カヒドロゲル粒子中の残存ナトリウムは、112ppm
であった。
【0090】上記シリカヒドロゲル粒子を、ダブルロー
ルクラッシャーを用いて平均粒子径2.5mmに粗粉砕
して、次工程の水熱処理工程に用いた。
【0091】容量5000mlのオートクレーブ(電気
加熱式、アンカー型撹拌羽根付き)に、系内の総SiO
2 /Na2 Oモル比が11.0なるように、上記粒径
2.5mmのシリカヒドロゲル(SiO2 18.6質量
%)2688g及び水酸化ナトリウム水溶液(NaOH
48.5質量%)126gを仕込み、これにイオン交換
水を1186gを加え、種晶0.5gを添加して、20
rpmで撹拌しながら180℃で12時間水熱処理を行
った。系内の総シリカ濃度は、SiO2 として12.5
質量%であった。
【0092】水熱処理後のスラリーは、濾布式竪型遠心
分離機(東興機械社製、TU−18型)を用いて濾過水
洗を行い、有姿含水率66.7質量%(固形分濃度3
3.3質量%)のシリカの湿ケーキを得た。
【0093】上記湿ケーキに水を添加してリパルプし、
SiO2 濃度7.0質量%のシリカの水系スラリーとし
た後、媒体流動層乾燥機(大川原製作所社製、SFD−
MINI型)を用いて、熱風温度300℃で乾燥し、4
08gの乾燥微粉末を得た。
【0094】上記生成微粉末を粉末X線回折スペクトル
により生成微粉末についての生成相の同定を行ったとこ
ろ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号3
1−1233に該当する2θ=5.6゜及び25.8゜
の主ピークを特徴とするシリカ−Yの主ピーク以外にA
STMカード番号35−63、25−1332に該当す
るピークが認められた。
【0095】また、生成粒子の形態をTEMで観察した
ところ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に
配向し、複数枚重なって葉状シリカ2次粒子が形成され
ていることが観察された。
【0096】一方、生成粒子の形態をSEMで観察した
ところ、上記1次粒子は識別できず、上記の葉状シリカ
2次粒子が1次粒子であるかのごときに観察された。当
該葉状2次粒子は、これが不規則に重なり合って多数の
間隙(空隙またはポケット)を有するシリカ3次凝集体
粒子が形成されていることが観察された。
【0097】このSEMで観察されるこの葉状粒子(T
EMでは、2次粒子に該当)の部分の平均厚さ0.07
μmに対し、当該厚さに対する板の平均最長長さは、
6.0μmでそのアスペクト比は86、板の平均最小長
さは1.8μmで、アスペクト比は26であった。
【0098】また、この微粉末の平均粒子径をコールタ
ーカウンター(コールターエレクトロニクス社製、MA
−II型)を用いて測定したところ、6.5μmであっ
た。
【0099】〔合成例3〕(合成例1のシリカ3次凝集
体粒子の湿ケーキから葉状シリカ2次粒子の水系スラリ
ーの調整) 合成例1に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケ
ーキ1000g( 固形分濃度:30.3質量%) にイオ
ン交換水1020gを加えてリパルプし、シリカ3次凝
集体粒子の水系スラリー(固形分15質量%、pH
7.2)202gを調製した。このスラリーの状態で
は、コールターカウンターによる平均粒径は7.2μm
であり、B型粘度計による粘度は、0.010Pa・s
であった。
【0100】次に、この水系スラリーを媒体撹拌ビーズ
ミル(シンマルエンタープライゼズ社製、ダイノーミル
KDL−PILOT A型 (ベッセル容量1.4L、直
径0.5mmジルコニアビーズ80%充填) )でシャフ
ト回転数3400rpm、流量30L/hで1回通過さ
せ、解砕・分散化を行った。
【0101】解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のコ
ールターカウンターによる平均粒子径は1.6μmであ
った。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計で測定
したところ、0.13Pa・sであった。
【0102】次に、当該スラリー中の微粒子の微粒子の
状態に近い乾燥された葉状シリカ2次粒子の物性を調べ
るため、以下の方法で乾燥粉末を得た。
【0103】すなわち、当該スラリーは、乾燥させる際
に極めて凝集しやすいという特異な性質を有しているた
め、単分散されたシリカの乾燥粉末を得るには、極めて
薄い濃度の水スラリーにして凝集を防ぎながら乾燥をす
る必要がある。
【0104】そこで、当該スラリー(固形分濃度15質
量%)に水を添加し、固形分濃度0.3質量%の希薄ス
ラリー濃度を調整した。
【0105】当該希薄スラリーを小型のスプレードライ
ヤー(ヤマト科学社製、GA32型)を用いて、スラリ
ー供給量1.7ml/min、噴霧圧力0.3MPa
(G)、熱風温度130℃で噴霧乾燥を行い乾燥微粉末
を得た。
【0106】得られた乾燥微粉末のコールターカウンタ
ーによる平均粒径は、1.9μmであった。
【0107】この微粉末をSEMで観察したところ、シ
リカ3次凝集体粒子は、実質的に認められず、葉状シリ
カ2次粒子から実質的になっていることが確認された。
【0108】この微粉末を粉末X線回折スペクトルによ
り生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルと
して、ASTMカード番号16−0380に該当する2
θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴とするシ
リカ−Xの主ピーク以外にASTMカード番号31−1
234、37−0386に該当するピークが認められ
た。
【0109】生成粒子の形態をTEMで観察したとこ
ろ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向
し、複数枚重なって本発明の葉状シリカ2次粒子が形成
されていることが観察された。
【0110】また、このTEMの観察によれば、当該1
次粒子の厚みは、1〜10nmと極めて薄いことがわか
った。
【0111】なお、当該葉状シリカ2次粒子の酸水溶液
及びアルカリ水溶液に対する20℃での飽和溶解度につ
いては、溶解SiO2 濃度は、10質量%、HCl水溶
液に対しては、0.008質量%、イオン交換水に対し
ては、0.006質量%、5質量%NaOH水溶液に対
しては、0.55質量%、10質量%NaOH水溶液に
対しては、0.79質量%であった。特に耐アルカリに
関しては、例えばシリカゲルに比較すると非常に小さな
溶解度であった(シリカゲルの場合、3質量%NaOH
水溶液に対しても溶解度は、6.5質量%である)。
【0112】〔合成例4〕(合成例2のシリカ3次凝集
体粒子の湿ケーキから葉状シリカ2次粒子の水系スラリ
ーの調整) 合成例2に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケ
ーキを用いて合成例3と同様に、媒体撹拌ビーズミル
(シンマルエンタープライゼズ社製、ダイノーミルKD
L−PILOT A型 (ベッセル容量1.4L、直径
0.5mmジルコニアビーズ80%充填) )でシャフト
回転数3400rpm、流量30L/hで1回通過し、
シリカ3次凝集体粒子の解砕・分散化を行い、固形分濃
度15.0質量%の葉状シリカ2次粒子の水スラリーを
得た。
【0113】解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のコ
ールターカウンターによる平均粒子径は1.7μmであ
った。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計で測定
したところ、0.11Pa・sであった。
【0114】〔実施例1〕(ガラスバルーンを含有する
断熱性コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化
体)
【0115】(1)合成例3に記載した媒体撹拌ビーズ
ミルで解砕・分散化処理した固形分濃度15.0質量%
の葉状シリカ2次粒子(平均粒子径:1.6μm)の水
系スラリー16.27gを、100mlスクリュー瓶に
秤取し、水系エマルション状態のゴム状有機高分子物質
として、変性アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体
樹脂系ラテックス(日本ゼオン社製、商品名:Nipo
l SX1503、固形分濃度42.4質量%)を5.
81g、さらに、水41.36gを加えた後、当該スク
リュー瓶に蓋を取付けて振盪し、均一に混合した。これ
に、ホウケイ酸系ガラスバルーン(東海工業社製、商品
名セルスターSX−39、平均粒子径34μm、粒子の
平均比重0.39)14.64gを、少量づつ添加しな
がら振盪し、全量添加後、十分に振盪混合して、スラリ
ー状の断熱性コーティング材用硬化性組成物とした。
【0116】(2)次に、ステンレス製板(100mm
×100mm×1mm厚)を用意し、バーコータを使っ
て、ステンレス板上に当該スラリー状組成物を塗布し、
室温で、7日間乾燥して試験片とした。塗布量は、固形
分換算で約490g/m2 であり、塗層厚みは、約1.
6mmであった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れ
などは、認められなかった。
【0117】ここでガラスバルーンと葉状シリカ2次粒
子とゴム状有機高分子との固形分での質量比は、75.
0:12.5:12.5である。
【0118】(3)次に上記の塗布・乾燥された試験片
を、塗層側を上にして、100℃に保持したホットプレ
ート上に乗せ、0.5時間後の塗層側表面温度を、表面
温度計(TLV社製、PK1型)で測定した。ここで、
測定室の室温は、23℃であった。
【0119】(4)なお、塗層の基材に対する密着性と
可撓性を測定するために、以下の方法で、耐屈曲性試験
を行った。
【0120】図1は、耐屈曲性試験方法を示す説明図で
あるが、図に示すように、上記ステンレス板に硬化性組
成物が塗布・乾燥された試験片1を、塗層側を下にし
て、長さ100mmの両端部を支持した上で、両端面と
平行な非塗層側面(上面)の板の中央部(両端部から50
mm)の部分に直径10mmの心棒3を置き、油圧プレ
スを用いて、その心棒を、下方に10mm/minとい
うゆっくりとした速度で押し下げてゆき、塗層面に亀裂
が生じ始める点の板の屈曲角度φを耐屈曲角度とした。
【0121】ここに、板の屈折角度とは、図1に示すよ
うに、一方の板面の延長面と屈曲部分を挟んで反対側の
板面とのなす角度φをさす。結果を表1に示す。
【0122】〔実施例2〕(ガラスバルーンを含有する
断熱性コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化
体)
【0123】(1)合成例4に記載した媒体撹拌ビーズ
ミルで解砕・分散処理した固形分濃度15.0質量%の
葉状シリカ2次粒子(平均粒子径:1.6μm)の水性
スラリー16.27gを、100mlスクリュー瓶に秤
取し、次いで、水性エマルション状態のゴム状有機高分
子物質として変性アクリロニトリル−ブタジエン系共重
合体樹脂系ラテックス、(日本ゼオン社製、商品名:N
ipol SX1503、固形分濃度42.4質量%)
を5.81g、さらに、水41.36gを加えた後、当
該スクリュー瓶の蓋を取付けて振盪して、均一に混合し
た。これに、ホウケイ酸系ガラスバルーン(東海工業社
製、商品名セルスターSX−39、平均粒子径34μ
m、粒子の平均比重0.39)14.64gを、少量づ
つ添加しながら振盪し、全量添加後、十分に振盪混合し
て、スラリー状断熱性コーティング材用硬化性組成物と
した。
【0124】(2)ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコータを使って、ス
テンレス板上に当該スラリーを塗布し、室温で、7日間
乾燥して試験片とした。塗布量は、固形分換算で約50
0g/m2であり、塗層厚みは約1.6mmであった。
塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、認められ
なかった。
【0125】ここでガラスバルーンと葉状シリカ2次粒
子とゴム状高分子物質との固形分での質量比は、75.
0:12.5:12.5である。
【0126】この試験片を用いて、実施例1に示したと
同様にして、断熱性能の測定及び耐屈曲性の測定試験を
行った。結果を表1に示す。
【0127】〔実施例3〕(フライアッシュバルーンを
含有する断熱性コーティング材用硬化性組成物及び断熱
性硬化体)
【0128】(1)50mlのスクリュー瓶Aに、フラ
イアッシュバルーン(東海工業社製、商品名:メタスフ
ィア#100、平均粒子径74μm、粒子比重0.7
0)を7.32g秤取し、水7.92gを少量づつ添加
して、全体が一様に湿潤するように振盪混合した。
【0129】別のスクリュー瓶Bに、合成例3で得た、
媒体撹拌ビーズミルにより解砕・分散化処理した固形分
濃度15.0質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子
径:1.6μm)の水系スラリー16.27g、次い
で、水系エマルション状態のゴム状有機高分子物質であ
る変性アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体樹脂系
ラテックス(日本ゼオン社製、商品名Nipol SX
1503、固形分濃度42.4質量%)5.81gを秤
取し、当該瓶の蓋を取付けて振盪混合して均一にした。
【0130】当該瓶Bより内容物10.0gを採取し
て、これを上記瓶Aの湿潤フライアッシュバルーンに添
加して、蓋を取付けて全体が一様になるまで振盪混合し
てスラリー状の断熱性コーティング材用硬化性組成物と
した。
【0131】(2)ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコータを使って、ス
テンレス板上に当該硬化性組成物のスラリーを塗布し、
室温で、7日間乾燥して試験片とした。塗布量は、固形
分換算で約880g/m2 であり、塗層厚みは約1.9
mmであった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れな
どは、認められなかった。
【0132】ここでフライアッシュバルーンと葉状シリ
カ2次粒子とゴム状有機高分子物質との固形分での質量
比は、75.0:12.5:12.5である。
【0133】この試験片を用いて、実施例1に示したと
同じ方法で、断熱性能の測定及び耐屈曲性の測定試験を
行った。結果を表1に示す。
【0134】〔実施例4〕(ガラスバルーンを含有する
断熱性コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化
体)
【0135】(1)合成例3で得た、媒体撹拌ビーズミ
ルにより解砕・分散化処理した固形分濃度15.0質量
%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子径:1.6μm)の
水系スラリー15.66gを、100mlスクリュー瓶
に秤取し、これに前処理として14質量%のアンモニア
水溶液1.77gを添加し、瓶の蓋を取付けて振盪混合
した。次いで、これに、水系エマルション状態のゴム状
有機高分子物質としてメタクリル酸メチル−ブタジエン
系共重合体樹脂系ラテックス(日本エイアンドエル社
製、商品名:ハイテックスXR−1052、固形分濃度
51.4質量%)を4.57g、さらに、水22.52
gを添加して、全体が一様になるまで振盪混合した。次
いで、これに、ホウケイ酸系ガラスバルーン(東海工業
社製、商品名セルスターSX−39、平均粒子径34μ
m、粒子の平均比重0.39)7.04gを、少量づつ
添加しながら振盪し、全量添加後、十分に振盪混合し
て、スラリー状の断熱性コーティング材用硬化性組成物
とした。
【0136】(2)ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコータを使って、ス
テンレス板上に当該硬化性組成物のスラリーを塗布し、
室温で、7日間乾燥して試験片とした。塗布量は、固形
分換算で約600g/m2 であり、塗層厚みは約2.2
mmであった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れな
どは、認められなかった。
【0137】ここでガラスバルーンと葉状シリカ2次粒
子とゴム状有機高分子物質との固形分での質量比は、7
5.0:12.5:12.5である。
【0138】この試験片を用いて、実施例1に示したと
同じ方法で、断熱性能の測定及び耐屈曲性の測定試験を
行った。結果を表1に示す。
【0139】〔実施例5〕(フライアッシュバルーンを
含有する断熱性コーティング材用硬化性組成物及び断熱
性硬化体)
【0140】(1)50mlのスクリュー瓶Aに、フラ
イアッシュバルーン(東海工業社製、商品名:メタスフ
ィア#100、平均粒子径74μm、粒子比重0.7
0)を7.05g秤取し、水8.0gを少量づつ添加し
て、全体が一様に湿潤するように振盪混合した。別のス
クリュー瓶Bに、合成例3で得た、媒体撹拌ビーズミル
により解砕・分散化処理した固形分濃度15.0質量%
の葉状シリカ2次粒子(平均粒子径:1.6μm)の水
系スラリーを15.66g採取し、14質量%アンモニ
ア水溶液1.77gを添加して前処理し、瓶の蓋を取付
けて振盪混合した。次いで、これに、水系エマルション
状態のゴム状有機高分子物質としてメタクリル酸メチル
−ブタジエン系共重合体樹脂系ラテックス(日本エイア
ンドエル社製、商品名:ハイテックスXR−1052、
固形分濃度51.4質量%)を4.57g添加した後、
瓶の蓋を取付けて振盪混合して均一にした。
【0141】瓶Bから内容物10.0gを採取して、上
記の瓶Aの湿潤フライアッシュバルーンに添加して、蓋
を取付けて全体が一様になるまで振盪混合してスラリー
状の断熱性コーティング材用硬化性組成物とした。
【0142】(2)ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコータを使って、ス
テンレス板上に当該硬化性組成物スラリーを塗布し、室
温で、7日間乾燥して試験片とした。塗布量は、固形分
換算で約860g/m2 であり、塗層厚みは約1.8m
mであった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れなど
は、認められなかった。
【0143】ここでフライアッシュバルーンと葉状シリ
カ2次粒子とゴム状有機高分子物質との固形分での質量
比は、75.0:12.5:12.5である。
【0144】この試験片を用いて、実施例1に示したと
同じ方法で、断熱性能の測定及び耐屈曲性の測定試験を
行った。結果を表1に示す。
【0145】〔比較例1〕(ガラスバルーンを含有する
断熱性コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化
体)
【0146】(1)合成例3に記載した、媒体撹拌ビー
ズミルで解砕・分散化処理した固形分濃度15.0質量
%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子径:1.6μm)の
水系スラリー5.5gを、100mlスクリュー瓶に秤
量し、次いで、ゴム弾性を有しない樹脂であるシリコー
ン樹脂系水性エマルション塗料(日本ペイント社製、商
品名:オーデフレッシュSi−100、固形分濃度54
質量%)を1.54g、さらに、水15.0gを加えて
瓶の蓋を取付けて振盪して、均一に混合してから、ホウ
ケイ酸系ガラスバルーン(東海工業社製、商品名:セル
スターSX−39、平均粒子径34μm、粒子の平均比
重0.39)5.0gを、少量づつ添加しながら振盪
し、全量添加後、十分に振盪混合して、スラリー状の断
熱性コーティング材用硬化性組成物とした。
【0147】(2)ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコータを使って、当
該ステンレス板上に当該硬化性組成物のスラリーを塗布
し、室温で、7日間乾燥して試験片とした。塗布量は、
固形分換算で約450g/m2であり、塗層厚みは約
1.6mmであった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ
割れなどは、認められなかった。
【0148】ここでガラスバルーンと葉状シリカ2次粒
子とシリコーン樹脂塗料との固形分での質量比は、7
5.0:12.5:12.5である。
【0149】この試験片を用いて、実施例1に示したと
同じ方法で、断熱性能の測定及び耐屈曲性の測定試験を
行った。結果を表1に示す。
【0150】〔比較例2〕(ガラスバルーンを含有する
断熱性コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化
体)
【0151】(1)合成例4に記載した、媒体撹拌ビー
ズミルにより解砕・分散化処理した固形分濃度15.0
質量%の葉状シリカ2次粒子(平均粒子径:1.6μ
m)の水系スラリー5.5gを、100mlスクリュー
瓶に秤量し、次いで、ゴム弾性を有しない樹脂であるエ
ポキシ樹脂系水性エマルション塗料(旭電化工業社製、
商品名:アデカレジンEM0460、固形分濃度46.
0質量%)を1.80g、さらに、水10.0gを加え
て瓶の蓋を取付けて振盪して、均一に混合してから、ホ
ウケイ酸系ガラスバルーン(東海工業社製、商品名:セ
ルスターSX−39、平均粒子径34μm、粒子の平均
比重0.39)5.0gを、少量づつ添加しながら振盪
し、全量添加後、十分に振盪混合して、スラリー状断熱
性コーティング材用硬化性組成物とした。
【0152】(2)ステンレス製板、(100mm×1
00mm×1mm厚)を用意し、バーコータを使って、
当該ステンレス板上に上記硬化性組成物のスラリーを塗
布し、室温で、7日間乾燥して試験片とした。塗布量
は、固形分換算で約540g/m 2 であり、塗層厚みは
約1.9mmであった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒ
ビ割れなどは、認められなかった
【0153】次に、ステンレス製板(100mm×10
0mm×1mm厚)を用意し、バーコータを使って、当
該ステンレス板上に上記硬化性組成物のスラリーを塗布
し、室温で乾燥し試験片とした。塗装量は、固形分換算
で約450g/m2 であり、塗層厚みは約1.6mmで
あった。塗膜の外観は、平滑であり、ヒビ割れなどは、
認められなかった。
【0154】ここでガラスバルーンと葉状シリカ2次粒
子とシリコーン樹脂塗料との固形分での質量比は、7
5.0:12.5:12.5である。
【0155】この試験片を用いて、実施例1に示したと
同じ方法で、断熱性能の測定及び耐屈曲性の測定試験を
行った。結果を表1に示す。
【0156】
【表1】
【0157】表1に示した実施例1〜5と比較例1〜2
の結果から、本発明のゴム状有機高分子物質を含有する
水系の断熱性コーティング材用硬化性組成物は、塗膜の
耐屈曲角度が25〜30度であり、かかるゴム弾性を有
しない高分子物質を含む比較例の硬化性組成物の塗膜の
耐屈曲角度が5〜7度であるのと比較して、大幅に高い
弾性を有する断熱性塗膜を形成することができることが
明らかである。
【0158】また、意外なことに、その理由は明確でな
いが、実施例に示すゴム状有機高分子物質を含有する本
発明の硬化性組成物から得られる塗膜の断熱性能は、ガ
ラスバルーン等の断熱材料がより均一に分散しているた
めか、比較例に対し、塗膜の断熱性能の点でも優れてい
ることが見出された。
【0159】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の断熱性コーティ
ング材用硬化性組成物は、常温においても強固で可撓性
をもつものであり、金属、セラミックス、スレート、セ
メント硬化体、プラスチック、木材、紙及びガラス等の
基体に可撓性を有する断熱性硬化体を形成するのに好適
に使用される。
【0160】また、本発明の断熱性コーティング材用硬
化性組成物は、被塗装基体が、機械的な衝撃を受けたり
振動を受けたりするような、より過酷な使用条件におい
ても、その断熱性の硬化塗膜が欠けたり剥離したりしな
い、より安定性の高い可撓性を有する塗膜を形成するこ
とができると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗膜を形成した試験片についての耐屈
曲性試験方法を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 英一 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CA011 CA021 CA061 CA071 CA081 CB051 CB061 CC041 CD111 CD121 CE051 CG141 DB011 DG111 DG131 DL031 DL071 HA446 KA08 KA09 KA10 KA21 MA08 MA10 NA16 PB02 PB05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面
    間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリ
    カ2次粒子から実質的になり、互いに独立に存在する積
    層構造の粒子形態を有する葉状シリカ2次粒子と、断熱
    機能を有する材料と、及びゴム状有機高分子物質とを含
    有することを特徴とする水系の断熱性コーティング材用
    硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 前記ゴム状有機高分子物質が水系エマル
    ション状態で当該硬化性組成物に配合されたものである
    請求項1に記載の断熱性コーティング材用硬化性組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記断熱機能を有する材料が、中空球状
    粒子である請求項1又は2に記載の断熱性コーテング材
    用硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 前記葉状シリカ2次粒子が、シリカ粒子
    のX線回折分析での主ピークが、シリカ−X及び/又は
    シリカ−Yに該当するシリカである請求項1〜3のいず
    れかに記載の断熱性コーテング材用硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面
    間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリ
    カ2次粒子から実質的になり、互いに独立に存在する積
    層構造の粒子形態を有する葉状シリカ2次粒子と、断熱
    機能を有する材料と、及びゴム状有機高分子物質を70
    質量%以上含むことを特徴とする断熱性硬化体。
  6. 【請求項6】 前記断熱機能を有する材料が、中空球状
    粒子である請求項5に記載の断熱性硬化体。
  7. 【請求項7】 前記葉状シリカ粒子が、シリカ粒子のX
    線回折分析での主ピークが、シリカ−X及び/又はシリ
    カ−Yに該当するシリカである請求項5又は6に記載の
    断熱性硬化体。
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