JP2003342498A - 水性無機系コーティング剤 - Google Patents

水性無機系コーティング剤

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JP2003342498A
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silica
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inorganic coating
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Chiaki Ohama
千明 大浜
Atsushige Fujii
淳成 藤井
Maki Inoue
真樹 井上
Hidekazu Ono
英一 小野
Noriyuki Yoshihara
紀幸 吉原
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DOKAI CHEMICAL IND CO Ltd
NANKYOU EFUNIKA KK
AGC Inc
Dokai Chemical Industries Co Ltd
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DOKAI CHEMICAL IND CO Ltd
NANKYOU EFUNIKA KK
Asahi Glass Co Ltd
Dokai Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 曲げた時、加熱した時に亀裂を生じにくい安
定塗膜を与えるとともに、屋外使用で、雨筋汚れがな
く、密着性も良い塗膜を形成する水性無機系コーティン
グ剤を提供する。 【解決手段】 (1)ケイ酸アルカリ、(2)高分子変
性シリカ及び(3)鱗片状シリカを含有する水性スラリ
ーからなる無機系コーティング剤。必要に応じ、2価鉄
塩、水溶性アルミナを含有させることができ、さらに、
セピオライトなどの多孔性ケイ酸塩を含有させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、その塗膜が優れた
耐火性と可撓性とを併せ持ち、かつ基材への密着性に優
れた水性無機系コーティング剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無機系コーティング剤としては、従来か
ら水ガラス系のものが多く用いられているが、これら従
来のコーティング剤はその塗膜が非常に硬いために、塗
布した基材を折り曲げた場合、その塗膜に亀裂を生じる
という問題がある。また、常温硬化した場合には、塗膜
の熱安定性が悪いために、加熱すると亀裂を生じやすい
ことから、安定な塗膜とするには焼き付けを必要とし
た。無機系コーティング剤は、その塗膜が耐候性に優れ
るため屋外で使用される建材に適用されることも多い
が、その塗膜は親水性に欠けるためにいわゆる雨筋汚れ
が目立つという欠点も有している。さらに、無機系コー
ティング剤を樹脂基材の耐火性向上に用いる場合には、
密着性が不足していることから、その樹脂基材表面にコ
ロナ処理やプライマーを塗布等の密着性改良のための前
処理が必要であるという問題もある。これらの問題を解
決する目的で、特開2001−163613号、特開2
001−234092号、特開2001−262067
号、特開2002―52641号、特開2002―80
834号が提案されており、常温硬化塗膜の熱安定性に
ついては改良されているものの、可撓性がなく、亀裂を
生じやすいという問題は解決されていない。また、雨筋
汚れを生じやすいことや樹脂基材との密着性不良という
問題は、未解決のままである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、曲げた時に
亀裂を生じず、かつ加熱時に亀裂を生じにくい安定な塗
膜を形成するとともに、また屋外使用において雨筋汚れ
が生じにくく、さらに基材との密着も良好な塗膜を形成
する無機系コーティング剤を提供することを課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明は、ケイ酸アルカリ、高分子変性
シリカ及び鱗片状シリカ成分を含有する水性スラリーか
らなることを特徴とする無機系コーティング剤を提供す
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の水性無機系コーティング
剤(以下、単に剤とも言う)は、ケイ酸アルカリ(一般
式 M2O・nSiO2、MはNa又はK)を含有する。
具体的には、JIS1号、2号、3号で規定される水ガ
ラス(SiO2:28〜38重量%、Na2O9〜18重
量%、n=2〜3.3)、ケイ酸ナトリウムガラス(無
水粉末または粒状、SiO2:74〜78重量%、Na2
O:22〜26重量%、n=3〜3.6)、オルソケイ
酸ナトリウム(白色粉末または粒状、SiO2:30〜
35重量%、Na2O:65〜70重量%、n=0.4
5〜0.55)、JIS1種、2種で規定されるメタ珪
酸ナトリウム(無水粉末または粒状、SiO2:19〜
29重量%、Na2O:20〜30重量%、n=0.9
〜1.1)、及びケイ酸カリウム等が例示されるが、こ
れらの種類に限定される者ではなく、また組成について
も代表的な値を示したものであり、目的に応じて変更す
ることは可能である。
【0006】本発明の剤は、高分子変性シリカを含有す
る。本明細書で言う高分子変性シリカとは、シリカ微粒
子の表面に高分子が付着結合した構造の微粒子を意味す
る。前記高分子は、ケイ酸アルカリの水溶液に実質的に
非溶解性のものであればよく、通常、非水溶性の形態に
保持された親水性高分子物質であることができ、好まし
くは疎水性高分子物質であることができる。このような
高分子物質には、ポリアクリル酸エステル(メチルエス
テル、ブチルエステル、ヘキシルエステル等の炭素数1
〜6のアルキルエステル)、ポリメタクリル酸エステル
等のポリ(メタ)アクリル酸エステル;繊維素系高分子
物質;フェノール系樹脂;メラミン樹脂、尿素樹脂、ベ
ンゾグアナミン樹脂等のアミノアルキド樹脂;ブチラー
ル樹脂、エチレン/ブタジエン樹脂等のビニル樹脂;エ
ポキシ樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹
脂;シリコーン樹脂(ケイ素樹脂);フッ素樹脂等が挙
げられる。本発明で用いる高分子物質としては、一般的
には、塗料の塗膜成分として用いられている天然及び合
成樹脂を用いることができ、特に、非水溶性又は疎水性
の高分子物質、好ましくはシリコーン樹脂を用いること
ができる。
【0007】前記高分子変性シリカにおいて、その平均
粒径は1μm以下、好ましくは0.7μm以下、より好
ましくは0.5μm以下であり、その下限値は特に制約
されないが、通常0.1μm程度である。シリカに対す
る高分子の割合は特に制約されず、シリカ微粒子の表面
を被覆するのに必要十分な量であればよい。前記高分子
変性シリカは、従来公知の物質であり、通常水性エマル
ジョンの形態で取り扱われている。この高分子変性シリ
カは、ケイ酸アルカリによる無機塗膜の亀裂の発生を防
止する作用を示す。
【0008】さらに本発明の剤は、鱗片状シリカを含有
する。本明細書で言う鱗片状シリカとは、薄片形状を有
するシリカの一次粒子が互いに面間を平行的に配向させ
て複数枚重なって形成される葉状シリカ二次粒子を意味
している。鱗片状シリカ粒子はいわゆる層状ポリ珪酸で
あり、X線回折分析での主ピークが、シリカX及び/ま
たはシリカYに相当するシリカである。鱗片状シリカ
は、塗膜中で基材と平行的に配行して積層することか
ら、塗膜の強度向上に効果を発揮する。鱗片状シリカに
おいて、その平均粒径(レーザー散乱法により測定)は
0.3〜5μmであることが好ましく、またそのアスペ
クト比は10〜1000が好ましく、さらには20〜5
00のものがより好ましい。平均粒径が前記の値よりも
小さい場合には塗膜の強度向上効果が不十分となり、ま
た前記より大きい場合には塗膜が不均一となることから
いずれも好ましくない。鱗片状シリカは粉体、あるいは
水中に分散されたスラリーの形態があり、共に用いるこ
とができるが、スラリー状のものがより細かく分散して
いることから、より好ましく用いられる。さらに、鱗片
状シリカはその表面にシラノール基を多数有しており、
塗膜の親水性を高めることによって防汚効果と帯電防止
効果を発現するとともに、基材との密着性向上に効果を
発揮する。特に、疎水性の樹脂基材に対しては、樹脂の
有する官能基との結合作用によってはじきを防止して均
一な塗工を可能とするとともに、塗膜の密着性を大幅に
向上させる効果を有している。
【0009】本発明の剤には、前記したケイ酸アルカリ
及び高分子変性シリカの他に、必要に応じ、2価鉄塩、
水溶性アルミナ等を含有させることができ、さらにセピ
オライト等の多孔性ケイ酸塩を含有させることができ
る。
【0010】2価鉄塩には、無機酸塩及び有機酸塩が包
含される。無機酸塩としては、硫酸第1鉄や塩化第1鉄
等が挙げられる。有機酸塩としては、クエン酸第1鉄、
りんご酸第1鉄、アスコルビン酸第1鉄、エチレンジア
ミンテトラカルボン酸(EDTA)第1鉄、乳酸第1鉄
等が挙げられる。この2価鉄塩は、帯電防止剤、親水化
剤、難燃化剤、脱臭剤等としての作用を示す。特に脱臭
機能については、具体的にはアンモニア、硫化水素、メ
チルメルカプタン、トリメチルアミン、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド等の悪臭物質、酢酸臭、ニコチン
代謝物としてのピリジンを分解・脱臭する効果が優れて
おり、これを配合することにより脱臭機能を備えた塗膜
を形成できることから、建材のコーティング剤として好
適に用いることができる。
【0011】水溶性アルミナは、コーティング剤中に溶
解状態で存在(溶存)する。このような剤中に溶解する
水溶性アルミナを得るには、微細アルミナ、好ましくは
アルミナウィスカーを酢酸水溶液に添加混合し、ペース
ト状の生成物とする。この水溶性アルミナは、塗膜に対
して親水性を付与することができ、防汚効果と帯電防止
効果の発現に補助的に作用する。
【0012】前記多孔性ケイ酸塩には、セピオライトや
ゼオライト、シリカライト、ケイ藻土、活性白土等が包
含される。この多孔性ケイ酸塩は、剤に対して粘着性を
付与するとともに、塗膜に対して不燃性や、強度等を付
与する。
【0013】本発明のコーティング剤には、必要に応
じ、さらに、顔料、マイカ、チタニア、ステンレスパウ
ダー等の無機微粉末を添加することができる。
【0014】本発明のコーティング剤は、各添加成分を
水中に添加し、混合することによって調製することがで
き、好ましくは、ケイ酸アルカリを含む水ガラスに対し
て、所望成分を添加混合することによって調製すること
ができる。本発明の剤は、pH8以上、好ましくはpH
9〜12の水性液であって、ケイ酸アルカリは溶解状態
で存在し、一方、高分子変性シリカと鱗片状シリカは非
溶解状態の分散状態で存在する。本発明の剤において、
ケイ酸アルカリの含有量はその中のSiO2成分とし
て、剤中、1.4〜4.5重量%、好ましくは1.8〜
3.5重量%である。高分子変性シリカの含有量は水性
エマルジョン中の固形分として、剤中、1〜4重量%、
好ましくは1.5〜3.5重量%であり、鱗片状シリカ
の含有量はその中のSiO2成分として、剤中、5〜1
5重量%、好ましくは7〜12重量%である。この高分
子変性シリカはケイ酸アルカリ100重量部当り、30
〜250重量部、好ましくは50〜180重量部の割合
であり、鱗片状シリカはケイ酸アルカリ100重量部当
り、150〜800重量部、好ましくは200〜550
重量部の割合である。珪酸アルカリの含有量が前記以上
の場合には塗膜安定性の問題を生じるという理由で好ま
しくなく、また前記以下の場合には可撓性が低下すると
いう理由からやはり好ましくない。高分子変性シリカの
含有量が前記より多い場合には耐火性、親水性が不足
し、また発煙量が増えるという理由で好ましくなく、ま
た前記より少ない場合には亀裂の発生防止効果が不十分
となるという理由からやはり好ましくない。同様に、鱗
片状シリカの含有量が前記より多い場合には可撓性が不
十分となるために好ましくなく、また前記より少ない場
合にはやはり可撓性が不十分となりさらに親水性が不足
して防汚効果と塗工基材への密着性が低下するという理
由により、やはり好ましくない。
【0015】本発明において、必要に応じて用いる2価
鉄塩の添加量は、その中の2価の鉄成分として、前記ケ
イ酸アルカリ中のSiO2成分と高分子変性シリカ中の
固形分と鱗片状シリカ中のSiO2成分の合計量(以
下、単に合計量とも言う)100重量部当り、1〜12
重量部、好ましくは2〜10重量部であり、水溶性アル
ミナの添加量は、Al23として、前記合計量100重
量部当り、10〜60重量部、好ましくは20〜50重
量部であり、多孔性ケイ酸塩の添加量は、前記合計量1
00重量部当り、5〜30重量部、好ましくは10〜2
0重量部である。
【0016】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0017】実施例1 水ガラス(JIS3号珪酸ソーダ)100重量部に対
し、高分子(シリコーン樹脂)変性シリカを濃度20重
量%で含むアルコール性透明分散液(「SRC−クレ
ア」、大阪有機化学社製)150重量部と、SiO2
15重量%で含む鱗片状シリカ水性スラリー(「サンラ
ブリーLFS、HN150」、洞海化学工業社製)75
0重量部とを添加混合した。このようにして得られた粘
性混合液[I]の粘度は約1700mps、pHは約1
1.3であり、コーティング剤として好適のものであっ
た。本混合液をバーコーターにてガラス板上に塗工し、
常温で24時間乾燥した。乾燥後の塗膜の厚みは約25
μmであり、その塗膜物性を評価した結果、鉛筆強度は
3H、碁盤目試験(JIS K5400)は10点と良
好な値であった。
【0018】実施例2 実施例1で得られた粘性混合液[I]100重量部に対
し水を33重量部添加混合し、混合液[II]を得た。こ
の混合液の粘度は150mps、pHは約11.3であ
った。本混合液をバーコーターにて厚さ0.5mmのア
ルミ板上に塗工し、常温で24時間乾燥した。乾燥後の
塗膜の厚みは約38μmであり、その塗膜物性を評価し
た結果、鉛筆強度はH、碁盤目試験(JIS K540
0)は10点と良好な値であった。さらに本塗工板を半
径10mmで180度に曲げても塗膜に亀裂を生じるこ
とが無く、また600℃程度に加熱しても、その塗膜に
はヒビ割れを生じなかった。
【0019】実施例3 実施例1の混合液[I]100重量部に対し、硫酸第1
鉄・7水和物8重量部を添加混合して、混合液[III]
を得た。
【0020】実施例4 実施例1の混合液[I]100重量部に対し、水溶性ア
ルミナをAl23として10重量部添加混合して混合液
[IV]を得た。なお、前記水溶性アルミナは、アルミナ
ウィスカー50重量部を酢酸10%水溶液50重量部に
添加混合してペースト状にしたものである。
【0021】実施例5 実施例1の混合液[I]100重量部に対し、粉体状セ
ピオライト3重量部を添加分散させて混合液[V]を得
た。
【0022】実施例6 実施例1の混合液[I]100重量部に対して、硫酸第
1鉄・7水和物5重量部、水溶性アルミナをAl23
して6重量部、粉体状セピオライト3重量部を添加混合
して、pH約8.3の混合液[VI]を得た。本混合液か
ら実施例1と同様な方法で厚み約25μmの乾燥塗膜を
得、その塗膜物性を評価した結果、鉛筆強度はB、碁盤
目試験(JIS K5400)は8点と良好な値であっ
た。
【0023】応用例1 実施例1の混合液[I]を、10×15cm2の上質紙
に50g/m2の割合で塗布し、常温で乾燥した。この
ようにして得たコート紙は、不燃性のものであり、半径
10mmで180度に曲げても塗膜に亀裂を生じること
が無く、また400℃に加熱しても塗膜にはヒビ割れを
生じなかった。
【0024】応用例2 実施例1で得た混合液[I]を、厚さ50μmのアクリ
ル樹脂フィルム(三菱レイヨン社製商品名アクリプレ
ン)上に塗布して常温で乾燥することによりすることに
より、厚み約20μmの乾燥塗膜を得た。この塗工フィ
ルムは不燃性のものであり、半径10mmで180度に
曲げても塗膜に亀裂を生じることが無く、また400℃
に加熱しても塗膜にはヒビ割れを生じなかった。
【0025】応用例3 実施例5で得た混合液[VI]を、10×15cm2の紙
に50g/m2の割合で塗布し(50g/m2)、常温に
おいて乾燥した。このようにして得たコート紙は、不燃
性のものであり、半径50mmで曲げても塗膜に亀裂を
生じることが無く、また400℃程度に加熱しても、そ
の塗膜にはヒビ割れを生じなかった。また、このコート
紙10×20cm2を試料として用い、5Lのテドラー
バックに入れた後バック中に各種のガスを導入してその
中の1時間後のガス濃度を検知管にて測定する方法に
て、脱臭機能測定した。その結果、表1に示すように、
硫化水素、メチルメルカプタン、及びアンモニア、酢
酸、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド及びピリジン
に対して優れた脱臭性を有することが確認された。
【0026】
【表1】
【0027】応用例4 実施例6の混合液[VI]を、0.5m厚の銅板(10×
30cm2)上に塗布して常温乾燥し、厚さ約20μm
の乾燥塗膜を形成した。銅板を半径50mmで曲げても
塗膜に亀裂を生じることが無く、また小型ガスバーナー
にて約600℃に加熱しても火炎も黒煙も発生せず、塗
膜の変色も亀裂も生じなかった。また、この塗膜は高親
水性を示し、その表面に付着した油性汚れは、その表面
に水を流すだけで容易に除去することができた。さら
に、本試料を45度の角度に保持して屋外で暴露試験を
行ったところ、二ヶ月後においても雨筋による汚れは殆
ど認められなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明の無機系コーティング剤によれ
ば、紙、織布、不織布等の繊維製品や、プラスチック、
金属、木質、セラミックス等の固体表面に、常温で硬化
する耐火性塗膜を形成することができる。この塗膜は熱
安定性に優れており、高温に加熱してもヒビ割れを生じ
ず、また炎をあげて燃えることもなく、煙の発生も極め
て少ないという優れた耐火性を有している。この塗膜は
通常の無機系コーティング材では従来実現不可能であっ
た優れた可撓性を有していることから、たとえば金属板
に塗工する場合、あらかじめ工場にて平板に塗工した後
実際に使用する形状に応じてその場で折り曲げ加工する
ことができ、さらに塗工後に打ち抜き加工も可能である
ことから、生産性の向上に大きく効果がある。また、鱗
片状シリカの持つシラノール基の作用により、塗膜に防
汚効果、帯電防止効果を付与するとともに、塗工基材、
特に樹脂基材との密着性を大幅に向上できるという優れ
た効果を発揮する。さらに塗膜中で基材と平行的に配行
して積層することから、塗膜の強度向上に効果を発揮す
る。さらに、本剤に2価鉄塩を配合した場合には、塗膜
に帯電防止剤、親水化剤、難燃化剤、脱臭剤としての効
果を付与できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月28日(2002.5.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 水性無機系コーティング剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09K 21/02 C09K 21/02 (72)発明者 大浜 千明 神奈川県横浜市南区永楽町一丁目16番地 南姜エフニカ株式会社内 (72)発明者 藤井 淳成 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 (72)発明者 井上 真樹 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 (72)発明者 小野 英一 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 (72)発明者 吉原 紀幸 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4H028 AA05 AA08 AA12 BA04 4J037 AA18 CC02 CC12 CC14 CC15 CC16 CC22 CC23 CC24 CC26 CC28 DD05 EE02 EE03 FF13 FF15 FF17 4J038 AA011 BA022 CA032 CB032 CD092 CE072 CG142 DA042 DA142 DA152 DB002 DD182 DG002 DL032 EA012 HA216 HA446 HA451 HA456 KA14 KA20 MA08 MA10 NA05 NA11 NA12 NA15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)ケイ酸アルカリ、(ii)高分子変
    性シリカ及び(iii)鱗片状シリカを含有する水性スラ
    リーからなることを特徴とする無機系コーティング剤。
  2. 【請求項2】 2価鉄塩を含有する請求項1の無機系コ
    ーティング剤。
  3. 【請求項3】 水溶性アルミナを含有する請求項1〜2
    のいずれかの無機系コーティング剤。
  4. 【請求項4】 粉体状多孔性ケイ酸塩を含有する請求項
    1〜3のいずれかの無機系コーティング剤。
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