JP2009248807A - 車両用ホイール - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、簡単な構造でタイヤ温度を上げて転がり摩擦を低減できる車両用ホイールを提供することを目的とする。
【解決手段】リム11の外周面11dの全面には、厚さ5〜40μmのクリア塗装の下塗り層13が形成され、更に、タイヤ20のビード部21aが密着するビードシート部11a及びリムフランジ部11b(密着部)の一部、例えば、1mm幅を全周に亘ってマスキングして、マスキング部分を除いて全周面に対して、その上に厚さ500μmの遮熱断熱コーティングを施して遮熱断熱層14を形成する。そして、マスキングを外してその部分に500μm厚さのクリア塗装を行って導電層15を遮熱断熱層14と面一面になるように形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のタイヤの転がり抵抗低減技術に関する。
従来から、車両のタイヤ温度を上げると転がり抵抗が低減し、車両の燃費性能を向上させることができるとともに、タイヤトレッド部のグリップ力を向上させることが知られている。そして、特許文献1には、車両用ホイールのリム外周面の周方向全周にわたる発熱体を、ホイール幅方向の中心寄りに、発熱体からの熱をリム側に逃がさないようにするための断熱材を介して配置する技術が記載されている。
特開平5−16623号公報(図3、段落0020,0021参照)
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、発熱体にタイヤ空気室外の電力供給手段、例えば、ホイールキャップに取り付けた太陽電池から電力を供給する構成であり、複雑な構成となっている。又、リム外周面に取り付けた発熱体によりタイヤ空気室内の空気を折角加熱しても、リム外周面の発熱体が配置されていない、タイヤ空気室内の空気と接するリム外周面から車両用ホイール側に熱が逃れ、大気中に放熱されてしまい、加熱効率が悪いという課題があった。
また、ウェル部の段差がなくなってしまい、タイヤの装着が困難であるという課題があった。
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、簡単な構造でタイヤ温度を上げて転がり摩擦を低減できる車両用ホイールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、リム外周面のタイヤ空気室の空気が接する部位全面及びタイヤが接する部位全面に、遮熱断熱コーティングによるコーティング部を形成したことを特徴とする。
本発明よれば、車両走行によりタイヤ構造体の接地部の変形によるヒステリシスロスや路面との摩擦でタイヤ温度が上昇して、更にその熱がタイヤ空気室内の空気に伝達され、タイヤ空気室内の空気温度が上昇したときに、タイヤ空気室内の空気が車両用ホイールのリム外周面部と接する部位を通じて、熱がリム、ディスクを経て大気中に放熱されるのを抑制できるとともに、車両走行によりタイヤ構造体の接地部の変形によるヒステリシスロスや路面との摩擦でタイヤで発生した熱がリム外周面のタイヤと接する部位を通じてリム、ディスクを経て大気中に放熱されるのを抑制できる。
また、コーティング部は、リム外周面のタイヤが接する部位の一部に、前記タイヤを通じて静電気を路面に放電するための導電部を有することが望ましい。
リム外周面のうちタイヤビード部が当接する部分面の一部に導電部を形成して、他の部分に遮熱断熱コーティングするので、車体に蓄積した静電気を導電部及びタイヤを介して路面に放電することができる。
本発明によれば、車両走行状態のタイヤ温度を増加させることができ、転がり抵抗を低減でき、燃費性能を向上することができる。
以下に、本発明の実施形態に係る車両用ホイールについて図を参照しながら詳細に説明する。
図1を参照して本実施形態における車両用ホイールについて説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用ホイールにタイヤを装着した車輪の要部正面断面図である。
図1に示すように、車両用ホイール10は、タイヤ20を装着するためのリム11と、このリム11を図示しないハブに連結するためのディスク12とから構成される。
図1に示すように、リム11は、ホイール幅方向の両端部に形成されるビードシート部11a,11aと、このビードシート部11a,11aからホイール径方向外側に向けてL字状に屈曲したリムフランジ部11b,11bと、ビードシート部11a,11a間においてホイール径方向内側に窪んだウェル部11cと、を有する。
ビードシート部11aには、タイヤ20のビード部21aが装着される。これにより、リム11の外周面(リム外周面)11dとタイヤ20の内周面との間に環状の密閉空間からなるタイヤ空気室MCが形成される。
なお、タイヤ20に関して、符号21bはトレッド部を示す。
ウェル部11cは、タイヤ20をリム11に組み付けるリム組時に、タイヤ20のビード部21a,21aを落とし込むために設けられている。
ディスク12は、図1に示すように、リム11の車両外側の端部からホイール径方向内側に連続して形成される。リム11とディスク12とは、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽量高強度材料等から製造される。
なお、これらの材料に限定されるものではなく、スチール(鋼)等から形成されるものであっても良い。また、車両用ホイール10は、スポークホイールであっても良い。
そして、ビードシート部11a、リムフランジ部11b、ウェル部11cを含むリム11の外周面11dの全面には、厚さ5〜40μmのクリア塗装の下塗り層13が形成され、更に、タイヤ20のビード部21aが密着するビードシート部11a及びリムフランジ部11b(密着部)を含めて、外周面11dの略全周面に対して、その上に厚さ10〜500μmの遮熱断熱コーティングを施してコーティング部としての遮熱断熱層14を形成する。
ここで、前記したタイヤ20のビード部21aが密着するビードシート部11a及びリムフランジ部11b(密着部)は、請求項に記載の「リム外周面のタイヤが接する部位全面」に対応する。
そして、例えば、図1に示すように車両外側のビードシート部11aの外周面11dの一部に遮熱断熱層14の代わりに導電層(導電部)15が形成されている。
この導電層14は、ビードシート部11aにホイール周方向全周に帯状に形成しても良いし、ホイール周方向の一部にだけ形成しても良い。また、導電層14を形成する場所は、車両外側のビードシート部11aに限定されること無く、車両内側のビードシート部11aでも良いし、車両内外両側のビードシート部11aでも良い。
更に、場所はビードシート部11に限定されず、タイヤ20のビード部21aが密着するリムフランジ部11b(密着部)でも良い。
要するに導電層14を形成する場所は、タイヤ20のビード部21aと密着するリム11の外周面11dの一部であって、経年変化によってビード部21aとの密着性に変化が無いところであればどこでも良い。
下塗り層13は、リム11の外周面11dの耐食性を向上し、外周面11dと遮熱断熱層14との密着性を向上させるために形成するものであり、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、フッ素系等の熱伝導率の小さい塗装材やその配合が望ましい。この塗装には電着塗装や粉体塗装が用いられる。この下塗り層13の膜厚は車両用ホイール10の標準的なクリア塗装厚である5〜40μm程度である。
遮熱断熱層14は、リム11の外周面11dにおいて、タイヤ空気室MCの空気からリム11への熱伝達、タイヤ20の内面からリム11への熱放射、及びタイヤ20からリム11への熱伝導を抑制するためのものであり、低い熱伝導率及び低い熱伝達率、さらに高い熱反射率及び長波熱放射率を有する遮熱・断熱性にすぐれたものが望ましい。
遮熱断熱層14は、遮熱性と断熱性を有する無機材料(フィラー)を有機材料(樹脂又はゴム)に配合した塗装材で形成する。ばね下重量の増加を最小限に抑えるために、より薄く軽量にコーティングするには、中空の微小無機フィラーを使用するのが望ましい。
また、遮熱断熱層14の塗装材としては、遮熱断熱性能の確保と同時に、塗装材の練り工程、塗装工程、タイヤ組込み工程での衝撃、せん断力、削り傷に耐える程度の強度と対摩耗性が確保できるとともに、タイヤ20に内圧や荷重が掛かった際にビード部21aとの接触圧力で挫屈をしない強度と空気漏れを起こさない微小無機フィラーの選定と配合及び塗膜厚さの選定が必要であり、本実施の形態の塗装剤及び塗膜厚さに限らない。
以下に、遮熱断熱層を形成する塗装材について詳細に説明する。
ここでは、水溶性塗料を例に説明する。表1は塗装材の配合比(%)を容積比で示したものである。
遮熱断熱層14を形成するための塗装材は、特開平11−323197号公報にも記載されているように、低熱伝導度(高断熱性)とするには中空粒子を稠密に分散させたものが適している。そして、中空粒子としては、強度が高く塗料との混練工程、塗装工程、タイヤ組み込み工程や、タイヤ組み込み後のビード部21aとの接触圧力でも破壊されず、中空粒子内に塗料が入りこまない(多孔質やオープンポア構造でない中空体)ものが適している。そのような中空粒子の候補としては、前記した中空の微小無機フィラーとして、セラミック中空粒子(以下、中空粒子をバルーンと称する)、シリカバルーン、ガラスバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン等が考えられる。特に、高強度の中空の微小無機フィラーとしてセラミックバルーンが挙げられ、セラミックの組成としては、例えば、ジルコニア、チタニア複合物、ホウ化ケイ素系セラミックが挙げられる。
Figure 2009248807
ちなみに、本実施形態で用いるセラミックバルーンとしては、中空部が大気又は別の気体である中空粒子、あるいは中空部が真空である真空中空粒子を用いることが断熱性の観点から好ましい。その中でも、真空中空粒子が、断熱性の点からみて好適に用いられる。
なお、ここでいう真空とは雰囲気圧よりも気圧が低い状態をいい、絶対真空を意味するものではない。
また、セラミックバルーンは透明もしくは半透明であることが重要であり、透明又は半透明であることによって、バルーンの中に入射した光(赤外線、遠赤外線、近赤外線等)を反射させることができる。
更に、半透明よりも透明である方がより反射性に優れており好ましい。また、透明もしくは半透明であれば無色である必要はなく、色が付いていても良い。このような条件に対し、前記したセラミックの中でもホウ化ケイ素系セラミックは高い透明性を有するため、最も好適である。セラミックバルーンの粒子径は5〜150μmのものを用いる。この粒子径範囲は経験上、塗膜外観、塗装作業性、塗膜物性、及び遮熱機能性の点から最適の範囲である。
また、用いるセラミックバルーンの粒子径分布は前記した強度上の要求を満たす範囲で広いほうが好ましい。つまり、大きい粒子径から小さい粒子径までの異なる粒子径を幅広く有するセラミックバルーンを用いるのが良い。そのような場合、塗膜中でのセラミックバルーンの稠密積層状態は大きい粒子径を有するセラミックバルーンの間の隙間に小さい粒子径のセラミックバルーンが入り込み、セラミックバルーン間の隙間をより小さくする。つまり、セラミックバルーンをより稠密に配列させることができる。そのため塗膜としての反射性、断熱性をより高めることができる。
更に、セラミックバルーンは高い長波放射率を有する。長波放射率とは、吸収した熱を赤外線として再び放射するときの変換効率である。従って、このようなセラミックバルーンを稠密積層配列させた塗膜は高い効率で赤外線を放射する。
このようなセラミックバルーンを塗膜の中に稠密に分散させるために、構造保持材として、アクリル系ポリマとシリカ粒子を用いる。アクリル系ポリマとしては塗料用合成樹脂として設計された各種アクリルモノマの共重合体を用いることができる。そして、アクリル系ポリマは、エマルションの形で塗膜形成材の中に混合して用いられる。
これら、構造保持材としてのアクリル系ポリマとシリカ粒子は、特開平11−323197号公報の段落[0026],[0027]に記載されているように、溶液に分散させたときに、分子間の水素結合、配位結合、ファンデルワールス力などの非共有結合によっていわゆる足場構造を形成し、この足場構造が形成されている溶液中にセラミックバルーン等の粒子を存在させると、セラミックバルーンは足場構造の中に取り込まれた状態となり、溶液中においてバブルの均一分布状態が保持される。
セラミックバルーンの均一分布状態は継続的に維持されたまま溶媒が蒸発するため、最終的にはセラミックバルーンが塗膜の中で稠密積層配列した状態が得られる。ここで稠密積層配列とは、セラミックバルーン同士が3次元的に接近し、密に固定された状態をいう。従って、下塗り層13は多重のセラミックバルーンで覆われることになる。
本実施形態における塗装材は、以上の構造保持剤、セラミックバルーンの他、通常用いられる各種塗膜形成材、溶媒、顔料、添加剤を含有することができる。塗膜形成材としては、ここでは、例えば、アクリル樹脂が、溶媒としては、水が用いられ、顔料としては、無機顔料である二酸化チタン(チタン白)が隠蔽剤として用いられ、添加剤としては、分散剤、消泡剤、粘度調整剤等が用いられている。
なお、(Co,Fe)(Fe,Cr)やCr等の赤外線反射複合酸化物系黒顔料を加えても良い。
前記した表1に記載のように塗装材の原料にセラミックバルーン用いることにより、遮熱断熱層14の厚さが10〜500μmで、0.1W/m・K以下の遮熱断熱性能が得られる。
次に、遮熱断熱層14が有する導電部としての導電層15について詳細に説明する。
本実施形態では、導電層15としては、抵抗率10〜10cmΩを有する樹脂塗装材又は導電粉体を含有した塗料を用いる。
導電層15として具体的には、例えば、アクリル系クリア塗装を、車両外側のビードシート部11aに、下塗り層13の上に、幅1mm、厚さ500μmで図1に示すようホイール全周に亘って帯状に、幅方向を遮熱断熱層14に挟まれるように塗装する。
ここで、導電層15のアクリル系クリア塗装を厚さ500μmとしたのは、導電層15についても、遮熱断熱性能を確保するには、500μm程度の厚さが必要であるためである。
従って、遮熱断熱層14と導電層15の厚さをともに500μmとして、ビード部21aに接する面が同じ高さとなるようにする。
ちなみに、遮熱断熱層14は、下塗り層13の塗装が完了した車両用ホイール10において、リム11のビードシート部11aからリムフランジ部11bにかけての外周面11dの導電層15とする部位に所定幅の、例えば1mm幅の図示しないマスキングテープを貼付するマスキング処理をし、その後前記した表1の塗料を塗布する。
このとき、ホイール周方向の一方側やホイール幅方向の一方側に塗膜が偏らないようにすることが必要である。例えば、冶具を用いてホイール中心軸を水平に保った状態の車両用ホイール10を、ホイール中心軸周りにゆっくり回転させながら塗布し、且つ、乾燥状態がある程度進み、垂れがなくなるまでその回転を維持する手法や、塗装を数回に分け、塗布した表面を乾燥させてから次の塗装を行なう手法等により、より均一な層となる工程が好ましい。
また、車両用ホイール10を水平に寝かせた状態にして、塗装を数回に分け、塗布した表面を乾燥させてから次の塗装を行なっても良い。
このようにすることで、ホイール周方向の一方側やホイール幅方向の一方側に塗装材が偏ることや、ウェル部11cからビードシート部11aに至るホイール径方向外方側への立ち上がり部分の塗膜が薄くなって、ウェル部11cに偏ることが防止できる。
ある程度表面が乾燥した半乾燥状態で、前記したマスキングテープを剥がし、マスキングテープ跡の窪みにアクリル系クリア塗装を行って導電層15を遮熱断熱層14と面一面になるように形成し、後は、完全乾燥を行う。このとき、マスキングテープ跡の窪みを食み出して、薄い層のアクリル系クリア塗装がビードシート部11aやリムフランジ部11bに広がっても、問題はない。要は、ビード部21aと当接するビードシート部11aやリムフランジ部11bの表面が滑らかで、ビードシート部21aとの密着性が良好なことが好ましい。
図2は、走行中のタイヤ空気室からの熱の伝達経路を示し、(a)は比較例の遮熱断熱層を有しない車両用ホイールの場合を、(b)は遮熱断熱層を有する本実施形態における車両用ホイールの場合を説明する図である。図3の(a)は、車両が走行開始後のタイヤのトレッド部の温度の時間推移を説明する図であり、(b)は、車両が走行開始後のタイヤ空気室内の圧力の時間推移、車両が停止後のタイヤ空気室内の圧力の時間推移を説明する図である。
車両が走行を始めるとトレッド部21bが路面との摩擦で発熱し、又、転がり摩擦によりタイヤ20のショルダ部、サイド部等も撓みを繰り返して発熱したり、熱伝導により加熱されたりする。
比較例の通常のクリア塗装13’だけの遮熱断熱層を有しない車両用ホイール10Aの場合、タイヤ20の自己発熱による熱は、以下の3つの経路で放熱される。
(1)矢印Aで示したようにタイヤ20の表面から大気に放熱
(2)矢印B示したようにビード部21aから、ビードシート部11aを経て、リム11、ディスク12を介して大気に放熱
(3)矢印Cで示したようにタイヤ空気室MC内の空気を加熱して、リム11を経て、ディスク12を介して大気に放熱、又は、タイヤ20の内面から直接リム11へ熱放射により熱伝達されて、ディスク12を介して大気に放熱
これに対し、本実施形態の車両用ホイール10では、(1)の径路による放熱は、車両用ホイール10Aの場合と同じであるが、(2)の経路による放熱は車両用ホイール10Aの場合より極めて少なく、(3)の経路による放熱は、遮熱断熱層14が矢印RCに示すようにタイヤ空気室MCからの熱伝達を反射し、且つ、高い断熱性能を示しているので、タイヤ空気室MCの温度が比較例の車両用ホイール10Aの場合よりも増加する。
これは、計算によってもシミュレーションすることができる。図3の(a)のグラフは車両が走行開始後のタイヤのトレッド部の温度の時間推移を示した図であり、縦軸がタイヤ20のトレッド部21bの温度を、横軸が車両が走行開始してからの経過時間を表わしたものである。曲線l1は、遮熱断熱層14を有する場合、曲線l2は、遮熱断熱層14を有しない場合を示している。ここでは、遮熱断熱層14の条件を、表1に示す配合のものを厚さ500μmとし、遮熱断熱性能が0.1W/m・K以下を達成しているとしている。
この場合、車両が停止して十分タイヤ温度が低下した低温状態からの走行開始で、60km/hの速度で30分走行したとき、タイヤトレッド部温度が5℃比較例の曲線l2より高くすることができることがわかった。また、タイヤ空気室MCの温度は、図示しないが比較例の場合よりも8℃上昇することが分かった。
また、図3の(b)のグラフは、(a)と同一条件の下でのタイヤ空気室MCの圧力の時間推移を示した図である。縦軸がタイヤ20のタイヤ空気室MCの圧力を、横軸が車両が走行開始してからの経過時間を表わしたものであり、曲線l1は、遮熱断熱層14を有する場合、曲線l2は、遮熱断熱層14を有しない場合を示している。
タイヤ空気室MCの圧力は、比較例の場合よりも10kPa上昇した。また、60km/hの速度で30分走行した後停止した場合の、タイヤ空気室MCの圧力は、本実施形態の場合の曲線l1では、10分間当たり7kPaの割合で圧力が低下したのに対し、比較例の曲線l2の場合10分間当たり10kPaの割合で圧力が低下し、本実施形態における遮熱断熱層14の効果が歴然と現れ、車両が一時停止や駐車をしても、タイヤ20の温度低下が抑制される。
その結果、転がり抵抗がその分低下し、燃費が1%向上することが分かった。
また、背景技術の段落に記載した特許文献1の技術のように断熱材がウェル部11cを占有してしまうようなことが無いので、タイヤ交換等が容易に行なえる。
本実施形態に係る車両用ホイールにタイヤを装着した車輪の要部正面断面図である。 走行中のタイヤ空気室からの熱の伝達経路を示し、(a)は比較例の遮熱断熱層を有しない車両用ホイールの場合を、(b)遮熱断熱層を有する本実施形態における車両用ホイールの場合を説明する図である。 (a)のグラフは、車両が走行開始後のタイヤのトレッド部の温度の時間推移を示した図であり、(b)のグラフは、タイヤ空気室MCの圧力の時間推移を示したものである。
符号の説明
10 車両用ホイール
11 リム
11a ビードシート部
11b リムフランジ部
11c ウェル部
11d 外周面
12 ディスク
13 下塗り層
14 遮熱断熱層(コーティング部)
15 導電層(導電部)
20 タイヤ
21a ビード部
21b トレッド部
MC タイヤ空気室

Claims (2)

  1. リム外周面のタイヤ空気室の空気が接する部位全面及びタイヤが接する部位全面に、遮熱断熱コーティングによるコーティング部を形成したことを特徴とする車両用ホイール。
  2. 前記コーティング部は、前記リム外周面のタイヤが接する部位面の一部に、前記タイヤを通じて静電気を路面に放電するための導電部を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用ホイール。
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