JP5976578B2 - 遮熱構造物及び遮熱塗料組成物 - Google Patents

遮熱構造物及び遮熱塗料組成物 Download PDF

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本発明は、輻射熱を反射する遮熱塗膜をもつ遮熱構造物と、その遮熱塗膜を形成する遮熱用塗料組成物に関する。
自動車の床下には、エキゾーストマニホールドとマフラーとを連結する排気管が配設されている。この排気管は、通過する排ガスによってかなりの高温となる。そこで、排気管の熱が車室内に伝達されたり、周辺のゴム部品やシール材などが熱劣化するのを防止するために、主にアルミニウムを素材とする遮熱板を排気管の周辺に取り付けることが行われている。
この遮熱板は、例えば特開2004−308534号公報などに記載されているように、排気管と間隔を隔てた状態で車体に取り付ける必要があり、取り付け工数が多大であるとともに、部品点数が多いという問題がある。さらに振動による脱落を防止する必要があり、また軽量化の要請もあるため、遮熱板を廃止しようとする機運がある。
そこで遮熱板に代えて、遮熱塗料を車体床下などに塗装して排気管からの輻射熱を反射させることが考えられる。例えば特開2006−335949号公報には、大粒径の二酸化チタンと、シリカ粉又はシリケート粉を含有する遮熱塗料組成物が記載されている。また特開2006−045447号公報には、中空球状又は鱗片状の低熱伝導体と、構造助剤及びシランカップリング剤を含有する遮蔽塗料組成物が記載されている。
これらの公報には、遮熱塗料組成物を塗装した試験板に20cmの距離から赤外線を30分間照射したとき、無塗装の試験板に比べて表面温度が約40℃低下したことが記載されている。しかしこれらの公報には、塗装膜厚が100〜400μmが好ましく、膜厚が100μm未満では遮熱特性が低下すると記載されている。そのため一般的な塗料に比べて高膜厚に塗装しなければならず、塗装工程及び乾燥工程における工数が多大となり、また塗装時のタレを防止する必要があるなど塗料の設計工数が多大となるという問題があった。
また瓦などの屋根材を通して室内の温度が上昇するという問題があり、野地板の上にアルミシートなどの遮熱シートを貼ることが検討されている。しかしアルミシートなどを貼る場合には、日光反射や滑りなどにより作業時の負担が大きいという問題がある。そこで特開2009−046970号公報には、裏面に低放射率金属膜が設けられた屋根材が記載されている。この屋根材によれば、このような問題を回避することができ、室内温度の上昇を抑制することができる。
特開2009−046970号公報には、低放射率金属膜の形成方法として、アルミ箔などを貼る方法、ショットピーニング法により金属膜を形成する方法、金属メッキする方法などが例示されている。しかしいずれの方法も、工数が多大となるという問題があった。
そこで特開2012−066578号公報には、少なくとも平坦表面が熱線に対する反射率95%以上の金属からなる鱗片状粉末を20体積%以上含む塗膜をもつ遮熱構造物が記載されている。この遮熱構造物によれば、塗膜厚が8μmと薄くても十分な遮熱特性が発現される。塗膜厚が薄いほど塗膜中のビヒクル量が低減されるため、ビヒクルに吸収される熱量が低減され遮熱特性が向上する。
特開2004−308534号公報 特開2006−335949号公報 特開2006−045447号公報 特開2009−046970号公報 特開2012−066578号公報
ところが特許文献5に記載された遮熱構造物においては、鱗片状粉末の形状によって遮熱特性が変動するという現象があり、鱗片状粉末の種類によっては十分な遮熱特性が得られないという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、常に高い遮熱特性が発現されるようにすることを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の遮熱構造物の特徴は、基体と、基体の表面に形成された遮熱塗膜と、からなる遮熱構造物であって、
遮熱塗膜は、平坦表面を有する鱗片状粉末を20体積%以上含有し、
鱗片状粉末の少なくとも平坦表面は熱線に対する反射率が95%以上の金属からなり、鱗片状粉末は平坦表面の平均面積が200μm2以上であり、かつ平均面積に対する平均周長の比が0.3以下であり、鱗片状粉末は遮熱塗膜の厚み方向に複数枚含まれ、遮熱塗膜の表面から透視したときに鱗片状粉末が互いに重なり合って基体の表面を覆っていることにある。
また本発明の遮熱構造物を形成できる遮熱塗料組成物の特徴は、ビヒクルと、平坦表面を有する鱗片状粉末とを含有してなり、鱗片状粉末は全固形分中に20体積%以上含まれ、鱗片状粉末の少なくとも平坦表面は熱線に対する反射率が95%以上の金属からなり、鱗片状粉末は平坦表面の平均面積が200μm2以上であり、かつ平均面積に対する平均周長の比が0.3以下であることにある。
本発明の遮熱構造物に形成されている遮熱塗膜は、熱線に対する反射率が95%以上の金属からなる平坦表面を有する鱗片状粉末を含んでいる。ここで、鱗片状粉末が互いに重なることなく密に被遮熱体を覆えば、その平坦表面で熱線が反射されて被遮熱体に到達しにくくなるため、1層の鱗片状粉末層を有する遮熱塗膜を形成することで高い遮熱効果が発現される。
しかし、鱗片状粉末が互いに重なることなく密に被遮熱体を覆うように遮熱塗料組成物を塗布することは困難である。そこで本発明の遮熱構造物によれば、鱗片状粉末は熱線に対する反射率が95%以上と高く、しかも平均面積が200μm2以上の平坦表面を有している。このような鱗片状粉末が遮熱塗膜の厚み方向に複数枚含まれて基体の表面を重なり合って覆っていることから高い遮熱効果が発現される。
ここで、本発明にいう鱗片状粉末は一定の形状を有するものではなく、その形状には大小のばらつきを有する。このため本発明では、遮熱構造物に含有される鱗片状粉末を少なくとも30個測定したときの平坦表面の面積の平均値を平均面積とし、平均の周長を平均周長と呼ぶ。
以下、本発明の遮熱構造物の作用を図1に基づいて説明する。図1はモデルとしての概念図である。したがって図1では鱗片状粉末が全て平行状態になっているが、これに限るものではなく、実際には平行ではないものも含まれる。
遮熱塗膜1には鱗片状粒子2が20体積%以上含まれ、鱗片状粒子2の平坦表面20においては熱線が反射して外部へ放出されるが、鱗片状粒子2の平坦表面20と交差する外周表面21で反射した熱線は、必ずしも外部へ放出されず遮熱塗膜1の内部へ向かうものが存在する。遮熱塗膜1内部へ向かった熱線は、存在するビヒクル3に吸収され遮熱塗膜1の温度が上昇するので、遮熱特性が低下してしまう。すなわち平坦表面20と交差する外周表面21に凹凸が多いほど、つまり平坦表面20の面積に対して周長が長くなるほど乱反射する熱線量が多くなる。したがって外周表面21の凹凸を少なくするほど、つまり平坦表面20の面積に対して周長を短くするほど、ビヒクルに吸収される熱線を少なくでき、遮熱特性が向上すると考えた。
そこで本発明の遮熱構造物に含まれる鱗片状粉末は、平坦表面の平均面積が200μm2以上であり、かつ平均面積に対する平均周長の比が0.3以下である。このような鱗片状粉末を用いることで、外周表面の凹凸が少なくなり、乱反射する熱線を低減することができるため、ビヒクルに吸収される熱線を少なくでき遮熱特性が向上する。
すなわち本発明の遮熱構造物によれば、遮熱塗膜が熱源からの輻射熱を反射するため、従来用いられている遮蔽板を廃止することができる。したがって自動車工業分野においては、遮蔽板の組付工数及び部品点数を大きく低減することができる。
また本発明の遮熱構造物によれば、遮熱塗膜は熱線に対して約95%以上の高い反射率を有しているので、遮熱塗膜側から加熱された場合熱線を効率よく反射することができ、遮熱塗膜の反対側から加熱された場合、あるいは遮熱構造物自体が熱を帯びている場合、遮熱塗膜からの放射熱がきわめて小さいという効果が発現される。例えば瓦などの屋根材の裏面側に遮熱塗膜を形成すれば、直射日光によって屋根材が熱くなった場合であってもその裏面側の雰囲気温度を低くすることができ、室内の温度上昇を抑制することができる。
また本発明の遮熱塗料組成物は、例えば8μm程度の膜厚となるように塗布するだけで遮熱塗膜を形成することができる。したがってタレ止め性などを考慮する必要がないので塗料設計が容易であり、かつ塗料の使用量も少ないのできわめて経済的である。
本発明の遮熱構造物における作用を説明する遮熱塗膜の要部拡大断面図である。 実施例において遮熱塗膜の遮熱特性を測定する方法を示す説明図である。
本発明の遮熱構造物は、基体と、遮熱塗膜とからなる。基体としては特に制限されず、例えば自動車床下の排気管に対向する部位、エンジンルームのエンジンに対向する部品やダッシュパネルなど、熱源に対向して配置される被遮熱体、あるいは瓦などの屋根材、外壁材など表面は加熱されるけれども反対側へ熱を伝えるのが好まれない物体が例示される。また基体の材質は、金属、樹脂、ゴムなど特に制限されない。
遮熱塗膜は、基体の熱源に対向する表面又は熱せられる表面と反対側表面に形成することができる。遮熱塗膜は鱗片状粉末を含有してなり、鱗片状粉末は、遮熱塗膜の厚さ方向に対して平坦表面が互いにその一部どうしが又は大部分どうしが重なるように配向して遮熱塗膜の厚さ方向に複数枚含まれ、遮熱塗膜の表面から透視したときに鱗片状粉末が互いに重なり合って被遮熱体の表面を覆っている。鱗片状粉末は、遮熱塗膜中に20体積%以上含まれ、遮熱塗膜の厚さ方向に3枚以上含まれていることが望ましい。このようにすることにより、塗膜を100μm以上のように厚くする必要がなく、通常の塗膜範囲である20μmでも十分効果を発揮できる。さらに10μm以下の例えば8μmという薄膜であっても高い遮熱効果が発現される。
遮熱塗膜は、本発明の遮熱塗料組成物から形成されているので、以下、遮熱塗料組成物の組成を説明することで遮熱塗膜の構成の説明に代える。
本発明の遮熱塗料組成物は、水性塗料、有機溶媒型塗料、粉体塗料のいずれの形態であってもよいが、溶媒又は分散媒を含む液状塗料であることが望ましい。粉体塗料では、鱗片状粉末の配向が困難となる場合がある。
液状塗料の場合には、本発明の遮熱塗料組成物は、ビヒクルと、ビヒクルを溶解又は分散する液状媒体と、鱗片状粉末と、を主たる構成要素とする。ビヒクルとしては、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、熱可塑性エラストマなどの熱可塑性樹脂、BR、SBR、NBR、CR、EPDM、フッ素ゴムなどのゴム類など、溶媒又は分散媒が蒸発することで被膜を形成するものを用いることができる。場合によっては、ポリオールとイソシアネートからなるウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、などの熱硬化性樹脂を用いることも可能である。できるだけ熱線の吸収率が低いものを選択することが望ましい。
ビヒクル及び液状媒体としては、水系エマルジョンを用いることが特に好ましい。水は揮発しにくいため塗布されたウェット塗膜中において鱗片状粉末がより配向し易くなり、膜厚が薄くても鱗片状粉末が被遮熱体の表面を覆い易くなる。この水系エマルジョンとしては、アクリルエマルジョン、シリコンアクリルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、ウレタンアクリルエマルジョン、SBRエマルジョン、エポキシエマルジョンなどが例示され、また、水ガラス、コロイダルシリカ、シリケートなどの無機バインダも用途に応じて各種選択して用いることができる。
鱗片状粉末は、少なくともその表面が熱線に対する反射率95%以上の金属から形成されたものであり、鱗片状の金属粉末あるいは、ガラス、雲母、タルクなどの鱗片状粉末表面に金属光輝層を形成した粉末などを用いることができる。
熱線に対する反射率が95%以上の金属としては、アルミニウム、金、銀、インジウム、銅などが例示される。中でも、波長4μmの遠赤外線の反射率が99%と高いアルミニウムが最も望ましい。なお熱線とは、近赤外線、中赤外線、遠赤外線をいい、一部の可視光も含まれる。また雲母、タルクなどの鱗片状粉末表面に金属光輝層を形成するには、蒸着法、スパッタリング法などのPVD法、あるいは無電解めっきなどのCVD法を用いて形成することができる。
またベースフィルムの表面に蒸着法などを用いて薄い金属層を形成し、ベースフィルムから金属層を剥離した後に粉砕して鱗片状粉末とすることもできる。
鱗片状粉末の形態としては、アスペクト比(平均粒径/厚み)が10〜500の範囲にあることが望ましく、厚さは0.1μm〜5μmの範囲にあることが望ましい。アスペクト比が10より小さいと、塗布時に厚さ方向に重なるように配向しにくくなり、被遮熱体の表面を被覆しにくくなるため遮熱性能が低下する。またアスペクト比が500より大きくなると、スプレー塗布が困難となる。さらに鱗片状粉末の厚さが0.1μmより薄くなると、塗料製造時に破損してアスペクト比が小さくなる場合があり、5μmより厚くなると薄膜で塗布した場合に塗膜表面粗度が大きくなったり、塗膜中から鱗片状粉末が脱落する場合もある。
鱗片状粉末は、塗料固形分中に20体積%以上含有されている。鱗片状粉末の含有量が20体積%より少ないと、遮熱塗膜を厚膜に形成しないと遮熱性能が不十分となり、タレが生じたりコストが高くなる。また鱗片状粉末の含有量が60体積%より多くなると、塗膜の成膜が困難となり被遮熱体から剥離する場合もある。
鱗片状粉末は平坦表面の平均面積が200μm2以上であり、かつ平均面積に対する平均周長の比が0.3以下である。平坦表面の平均面積が200μm2未満では、各鱗片状粉末の周長の合計がきわめて大きくなり、外周表面で乱反射する熱線が多くなるため、遮熱特性が低下する。また平均面積に対する平均周長の比が0.3を超えると、外周表面の凹凸が多くなって外周表面で乱反射する熱線が多くなるため、遮熱特性が低下する。なお平均面積の上限は特に規定されないが、平均面積が大きくなると粒径も大きくなり、塗膜表面の平滑性が低下したり、スプレーガンが詰まったりするようになるので、そうならない程度の平均面積が上限となる。
本発明の遮熱塗料には、ビヒクル及び鱗片状粉末以外の他の固形分は極力含まないことが望ましい。遮熱塗膜中に他の固形分が存在すると、他の固形分が熱を吸収するため遮熱塗膜の温度が高くなり、その熱が被遮熱体に伝熱される結果、遮熱性能が低下してしまう。しかしながら本発明の遮熱塗料は、タレ止め剤、シランカップリング剤、可塑剤などの各種助剤、有機・無機顔料、体質顔料などの顔料などを、遮熱特性に影響の無い範囲で含むこともできる。
本発明の遮熱塗料は、基体の表面に直接塗布してもよいし、基体の表面に下塗り塗膜や中塗り塗膜が形成されている場合には、その塗膜の表面に塗布することもできる。
以下、実施例、比較例及び試験例により本発明の実施態様を具体的に説明する。
固形分:50質量%、Tg:−16℃、粒子径:220nmのスチレン・ブタジエンゴム(SBR)エマルジョン(「A7032」旭化成ケミカルズ社製)を50質量部と、厚さ0.5μmの鱗片状アルミニウム粉末(平坦表面の平均面積:3014μm2、平均周長:267μm)を60質量%含む水性アルミペースト30質量部とを混合し、ミキサーで撹拌して本実施例の遮熱塗料組成物を調製した。この遮熱塗料組成物には、全固形分中に鱗片状アルミニウム粉末が41.9質量%、体積比で20.7体積%含まれている。
なお、この鱗片状アルミニウム粉末は、球状のアルミニウムアトマイズ粉末を扁平に潰して製造されたものである。また平均面積と平均周長は、画像解析によって30個の鱗片状アルミニウム粒子の面積と周長を計測して求めた。平均面積に対する平均周長の比は、0.09である。
厚さ0.5μm、平坦表面の平均面積:515μm2、平均周長:91μmの鱗片状アルミニウム粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして遮熱塗料組成物を調製した。この鱗片状アルミニウム粉末は、球状のアルミニウムアトマイズ粉末を扁平に潰して製造されたものであり、平均面積に対する平均周長の比は0.18である。
厚さ0.5μm、平坦表面の平均面積:789μm2、平均周長:128μmの鱗片状アルミニウム粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして遮熱塗料組成物を調製した。この鱗片状アルミニウム粉末は、球状ではなく不定形のアルミニウムアトマイズ粉末を扁平に潰して製造されたものである。この鱗片状アルミニウム粉末の平均面積に対する平均周長の比は0.16である。
厚さ0.5μm、平坦表面の平均面積:203μm2、平均周長:58μmの鱗片状アルミニウム粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして遮熱塗料組成物を調製した。この鱗片状アルミニウム粉末は、球状のアルミニウムアトマイズ粉末を扁平に潰して製造されたものである。この鱗片状アルミニウム粉末の平均面積に対する平均周長の比は0.29である。
[比較例]
厚さ0.5μm、平坦表面の平均面積:133μm2、平均周長:64μmの鱗片状アルミニウム粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして遮熱塗料組成物を調製した。この鱗片状アルミニウム粉末は、球状ではなく不定形のアルミニウムアトマイズ粉末を扁平に潰して製造されたものである。この鱗片状アルミニウム粉末の平均面積に対する平均周長の比は0.48である。
<試験例>
実施例1−4と比較例の遮熱塗料組成物に用いた鱗片状アルミニウム粉末の、平均面積(A)、平均周長(B)、平均面積(A)に対する平均周長(B)の比(B/A)、平坦表面が真円形と仮定したときに平均面積(A)から算出される仮定周長(C)、仮定周長(C)に対する平均周長(B)の比(B/C)をまとめて表1に示す。
予め電着塗膜が形成されたSPCC−SD鋼板(0.8×70×150mm)を用意し、エアスプレーにて実施例1−4と比較例の遮熱塗料組成物をそれぞれ塗布し(希釈なし)、130℃で20分間加熱した。これを2回繰り返して遮熱塗膜を形成した。遮熱塗膜の平均膜厚は、それぞれ20μmである。
図2に示すように、370℃に加熱されたセラミック製ホットプレート4の表面から35mm離れた位置に、得られた試験片100を遮熱塗膜20がホットプレート4に対向するようにそれぞれ配置し、表面温度計5を用いて試験片100の遮熱塗膜20と反対側の表面温度をそれぞれ測定した。5分間未満の加熱時間でそれぞれ表面温度が略一定となり、その後はそれぞれその温度近傍で推移したので、試験開始後5分〜30分の表面温度の平均値を算出し結果を表1に示す。
Figure 0005976578
表1より、平均面積(A)が200μm2以上であり、かつ平均面積(A)に対する平均周長(B)の比(B/A)が0.3以下であれば、また、仮定周長に対する平均周長の比(B/C)が1.4以下であれば、表面温度が105℃以下となり、比較例に比べて高い遮熱特性が発現されていることがわかる。
さらに、平均面積が実施例1のように3000μm2を超えた大きな鱗片状粒子を用いることなく、平均面積が800μm2以下であっても、平坦表面が真円形と仮定したときに平均面積(A)から算出される仮定周長(C)に対する平均周長(B)の比(B/C)が1.3以下の鱗片状粉末を用いることで、比較例に比べて表面温度が低下していることがわかる。
本発明の遮熱塗料組成物を基体の各種熱源に対向する表面、あるいは熱源と反対側の表面に塗布し乾燥させるだけで、本発明の遮熱構造物を形成することができる。本発明の遮熱構造物は、自動車分野、建築分野、家電分野など各種分野に適用することができる。
1:遮熱塗膜 2:鱗片状粒子 3:ビヒクル
20:平坦表面 21:外周表面
4:ホットプレート 100:試験片 5:表面温度計

Claims (3)

  1. 基体と、基体の表面に被覆された遮熱塗膜と、からなる遮熱構造物であって、
    該遮熱塗膜は、平坦表面を有する鱗片状粉末を20体積%以上含有し、
    該鱗片状粉末の少なくとも該平坦表面は熱線に対する反射率が95%以上の金属からなり
    該鱗片状粉末は
    該平坦表面の平均面積が200μm2以上800μm 2 以下であり
    該平均面積に対する平均周長の比が0.3以下であり
    該平坦表面が真円形と仮定したときに該平均面積から算出される仮定周長に対する該平均周長の比が1.3以下であり、かつ、
    遮熱塗膜の厚み方向に複数枚含まれ、
    遮熱塗膜の表面から透視したときに鱗片状粉末が互いに重なり合って基体の表面を覆っていることを特徴とする遮熱構造物。
  2. 前記遮熱塗膜は膜厚が20μm以下である請求項1に記載の遮熱構造物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の遮熱構造物を製造するのに用いられる遮熱塗料組成物であって、ビヒクルと、平坦表面を有する鱗片状粉末とを含有してなり、
    該鱗片状粉末は全固形分中に20体積%以上含まれ、該鱗片状粉末の少なくとも該平坦表面は熱線に対する反射率が95%以上の金属からなり
    該鱗片状粉末は
    該平坦表面の平均面積が200μm2以上800μm 2 以下であり
    該平均面積に対する平均周長の比が0.3以下であり、かつ、
    該平坦表面が真円形と仮定したときに該平均面積から算出される仮定周長に対する該平均周長の比が1.3以下であることを特徴とする遮熱塗料組成物。
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