JP2008174701A - 有機減衰材料 - Google Patents

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Abstract


【課題】複合化することなく、単独で優れた減衰性を有し、十分な減衰性能を確保するために一定の厚みや体積の制限がなく、しかも加工の容易な有機減衰材料を提供すること。
【解決手段】ポリマーマトリックス相中に、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンから選択された1種若しくは2種以上の化合物からなる分散相を有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば制振材料、吸音材料、防振材料、衝撃吸収材料、あるいは電磁波吸収材料などの広範な用途に使用可能であり、特には拘束型制振材、合わせガラス、或いは防音パネルなどに好適な有機減衰材料に関する。
従来より、例えば制振材料としては、ベースポリマーに対して無機フィラーを配合した組成物で形成されてなる制振シートが示されている(例えば特許文献1参照)。
ところが、この制振材料にあっては、フィラーの添加のみでtanδが2.0を超えるほどの優れた制振性能を導き出すことは困難であった。
また、吸音材料としては、繊維素材によって構成された多孔質成形体からなるものが知られている(例えば特許文献2参照)。
ところが、この吸音材料にあっては、音が当該成形体内を衝突を繰り返しながら通り抜ける際に摩擦熱として音のエネルギーを吸収するメカニズムとなっていたため、十分な吸音性を確保するためには、一定の厚みや体積を必要となり、そのようなスペースが確保できない用途には使用できないという不便さがあった。
また、衝撃吸収材料としては、ポリマー成分を発泡させた発泡成形体からなるもの(例えば特許文献3参照)や、発泡体中に繊維を分散させたもの(例えば特許文献4参照)が知られている。
ところが、このような衝撃吸収材料にあっては、衝撃が加わる毎に発泡構造が破壊されていき、その度毎に衝撃のエネルギー吸収がなされるというしくみになっている。
このため、当該衝撃吸収材料にあっては、十分な吸音性を確保するためには、一定の厚みや体積を必要となり、そのようなスペースが確保できない用途には使用できないという不具合があった。
また、電磁波吸収材料としては、平均粒径が0.05ミクロン以下の金属コロイドを少なくとも含有させたことを特徴とする透明導電塗料からなるが知られている(例えば特許文献5参照)。
ところが、このような電磁波吸収材料にあっては、透明性が保持できる程度の膜厚やパターン細線幅にすると、導電層の表面抵抗が大きくなりすぎるためシールド効果(電磁波吸収性能)が小さくなり、例えば、300MHz以上の高い周波数帯に亘って30dB以上のシールド効果を得ることが困難になるという問題があった。
また、防振材料としては、天然ゴム(NR)を主体とするゴムが、防振性能に最も優れているために、従来より防振ゴムとして用いられてきた。
しかしながら、ゴム材料のみからなる防振材料の場合、十分な防振効果を得ることができず、鋼板などに積層一体化させた複合体として使用されており、防振材料単独の複合化されていない単純構造のものが求められていた。
特開平5−25359号公報 特開平2−57333号公報 特公平8−5983号公報 特開平6−300071号公報 特開平9−53030号公報
以上述べたように、従来公知のエネルギー減衰材料にあっては、性能が不十分であったり、所定の性能を得るために、ある程度の厚みや容積を必要とするなどの制限があった。
本発明は、上述の技術的課題に鑑みなされたものであり、複合化することなく、単独で優れた減衰性を有し、十分な減衰性能を確保するために一定の厚みや体積の制限がなく、しかも加工の容易な有機減衰材料を提供することをその目的とするものである。
また本発明の別の目的は、複合化することなく、単独で優れた制振性、吸音性、防振性、衝撃吸収性、あるいは電磁波吸収性といった性質を併せ持つ有機減衰材料を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、ポリマーマトリックス相中に、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンから選択された1種若しくは2種以上の化合物からなる分散相を有することを特徴とする有機減衰材料をその要旨とした。
本発明の有機減衰材料にあっては、ポリマーマトリックス相中に、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンから選択された1種若しくは2種以上の化合物からなる分散相を有することから、複合化することなく、単独で優れた減衰性を有する。また本発明の有機減衰材料は、十分な減衰性能を確保するために一定の厚みや体積の制限がなく、しかも加工の容易というメリットを有する。
また本発明の有機減衰材料は、複合化することなく、単独で優れた制振性、吸音性、防振性、衝撃吸収性、あるいは電磁波吸収性といった性質を併せ持つため、複数の性能が同時に要求される用途にも使用することができる。
以下、本発明の有機減衰材料を更に詳しく説明する。本発明の有機減衰材料は、ポリマーマトリックス相中に、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンから選択された1種若しくは2種以上の化合物からなる分散相を有することで特徴づけられたものである。
本発明の有機減衰材料のマトリックス相を構成するポリマーには、用途や使用状態に応じて、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂、ゴム、ゲル、あるいは水系エマルジョン樹脂などを用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、汎用プラスチック及びエンジニアリングプラスチックから選ばれる1種若しくは2種以上を挙げることができ、汎用プラスチックとしては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、それらの共重合体、好ましくはカルボン酸とエポキシ等の極性基をグラフト又は共重合させたポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリルスチレン共重合体(AS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、塩素化ポリエチレン(CPE)、及びエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)から選ばれる1種若しくは2種以上を挙げることができる。
エンジニアリングプラスチックとしては、例えばポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメチルペンテン(TPX)、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)、フッ素樹脂、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、変性ポリフェニレンエーテル(mPPE)、ポリサルホン(PSF)、およびポリアミドイミド(PAI)の群から選ばれる1種若しくは2種以上、若しくはこれらの共重合体を挙げることができる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば熱可塑性スチレン(TPS)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエステル系エラストマー(TPEE)、熱可塑性加硫エラストマー(TPV)、熱可塑性塩化ビニル系エラストマー(TPVC)、熱可塑性ポリアミド系エラストマー(PEBAX)、有機過酸化物で部分架橋してなるブチルゴム系熱可塑性エラストマーから選ばれる1種若しくは2種以上、若しくはこれらの共重合体、或いはスチレン−ビニルイソプレンブロック共重合体からなる熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン及びスチレン系エラストマーの混合物又は共重合体を挙げることができる。
熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、及びケイ素樹脂から選ばれる1種若しくは2種以上、若しくはこれらの共重合体を挙げることができる。
ゴムとしては、ポリブタジエン(PB)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、フッ素系ゴム、及びシリコンゴムから選ばれる1種若しくは2種以上、若しくはこれらの共重合体を挙げることができる。
ゲルとしては、ウレタン系ゲル及びシリコン系ゲルから選ばれる1種若しくは2種以上を挙げることができる。
水系エマルジョン樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)及びポリウレタンから選ばれる1種若しくは2種以上を挙げることができる。
尚、上記マトリックス相を構成するポリマー成分の選択に際しては、後述するp−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミンとの相溶性のほか、当該有機減衰材料の適用される材料(用途)や使用形態に応じて、取り扱い性、成形性、入手容易性、温度性能(耐熱性や耐寒性)、耐候性、価格なども考慮するのが望ましい。
本発明の有機減衰材料は、上記ポリマーマトリックス相中に、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンから選択された1種若しくは2種以上の化合物(以下、単に本件化合物という)からなる分散相を有する構造を持っているのである。
本件化合物は、上記マトリックス相を構成するポリマー中に混合されて、前記マトリックス相中に分散相を形成し、当該有機減衰材料に加わった振動、音、衝撃、或いは電磁波といったエネルギーを効果的に減衰する働きを持つ。
この分散相は、本件化合物がミクロ相分離した分散相として、或いは完全相溶した分散相としてマトリックス中に存在している。またこの分散相は、上記マトリックス相中に平均1ミクロン以下、より好ましくは平均0.1ミクロン以下の大きさで存在していることが、上記エネルギー減衰効果をより効果的に発揮させる上で望ましい。
この分散相を構成する本件化合物は、マトリックス相を構成するポリマー100重量部に対し1〜200重量部の割合で含まれていることが望ましい。本件化合物の含有量が1重量部を下回る場合、十分なエネルギー減衰性を得ることができず、また200重量部を上回る場合には、範囲を超える分だけの減衰性が得られず不経済となるからである。
尚、本発明の有機減衰材料中には、上述の成分の他に、例えばマイカ鱗片、ガラス片、グラスファイバー、カーボンファイバー、炭酸カルシウム、バライト、沈降硫酸バリウム等の物質や、腐食防止剤、染料、酸化防止剤、制電剤、安定剤、湿潤剤などを必要に応じて適宜加えることができる。
本発明の有機減衰材料は、シート状やフィルム状など固状の形態とする場合には、上記マトリックス相を構成するポリマー成分に、本件化合物を所定割合で配合し、これをバンバリーミキサーやロール等を用いて混練し、さらにカレンダー法や押し出し法などにより、用途、目的に応じた形状に成形する。
ゲルまたはエマルジョンの形態とする場合には、上述のゲルや水性エマルジョンに、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミンを所定割合で添加し、これを混合機で均一な分散状態となるまで混合する。
シート状やフィルム状など固状の形態とする場合、当該有機減衰材料は発泡構造を採ることもできる。発泡レベルとしては特に限定されないが、吸音性や制振性を求める用途には連続気泡構造とするのが望ましく、防振性や衝撃吸収性を求める用途には独立気泡構造とするのが望ましい。
また、本発明の有機減衰材料をシート状やフィルム状など固状の形態とした場合、その両面又は一方面に拘束層を設けることもできる。拘束層を設けることにより、当該有機減衰材料に振動や音が加わったとき、その振動や音によって当該有機減衰材料と拘束層との間にはズレが生じ、そのズレによって振動や音のエネルギーの損失が生じ、振動や音が減衰することになる。このために、当該有機減衰材料よりも剛性の高い材質によって拘束層を構成し、当該拘束層によって有機減衰材料を拘束するのが望ましい。拘束層の具体例としては、金属、ポリマー、ゴム、ガラス、及び不織布から選ばれる1種若しくは2種以上を素材とするシート、フィルム、網、板或いはこれらの複合体を挙げることができる。
本発明の有機減衰材料は、上述のとおり、当該有機減衰材料に加わった振動、音、衝撃、或いは電磁波といったエネルギーを効果的に減衰する働きを持つ。しかし当該材料に加わる振動、音、衝撃、或いは電磁波の種類は様々である。本発明の有機減衰材料では、様々な種類の振動、音、衝撃、或いは電磁波に対し、当該有機減衰材料の厚さで調整することでこれに対応することができる。例えば高い周波数の音を減衰する場合には、当該有機減衰材料の厚さを薄くし、反対に低い周波数領域の音に対しては、当該有機減衰材料の厚さを厚くしてこれに対応するのである。他の振動、衝撃、電磁波も同じである。
本発明の有機減衰材料は、実に広範な用途に適用することができる。具体的な用としては、例えば制振シート、制振フィルム、制振紙、制振塗料、制振性粉体塗料、制振ワニス、制振性接着剤、拘束型制振材、制振鋼板などの制振材料、吸音シート、吸音フィルム、吸音フォーム、吸音繊維、吸音不織布などの吸音材料、テニスラケットやバトミントンなどのグリップエンド、靴ソール、自転車やオートバイなどのグリップ、衝撃吸収テープ、あるいは衝撃吸収ゲルやゴムなどに使用される衝撃吸収材料、電磁波吸収シールドなどに使用される電磁波吸収材料、防振ゴムや防振ゲルなどに使用される防振材料、蓄熱塗料などを挙げることができる。
また本発明の有機減衰材料は、複合化することなく、単独で優れた制振性、吸音性、防振性、衝撃吸収性、あるいは電磁波吸収性といった性質を併せ持つため、複数の性能が同時に要求される用途にも使用することができる。例えば自動車や住居の窓に使用される合わせガラスの場合、制振性や吸音性、電磁波吸収性といった複数の性能が同時に要求される。本発明の有機減衰材料は、単独で優れた制振性、吸音性、及び電磁波吸収性を有し、かつ透明性を確保できるため、合わせガラスの中間層として最適である。
また本発明の有機減衰材料の別の用途しては、高速道路など道路脇に設置される防音パネルが挙げられる。高速道路など道路脇に設置される防音パネルは、道路周辺に道路からの騒音をシャットアウトすることを主な目的として設置される。近年、高速道路には、料金所ゲートに設置したアンテナと、車両に装着した車載器との間で無線通信を用いて自動的に料金の支払いを行い、料金所をノンストップで通行することができるETCシステムが採用されている。ところが、このETCのアンテナから送信される電波は道路周辺に広がり、例えば道路周辺の住宅の電気機器に誤作動を引き起こさせたり、高速道路に繋がる道路を通行中の車両の車載器にETCシステムからの電波が送信され、誤って料金が加算されるなどの不具合が報告されている。本発明の有機減衰材料を用いた防音パネルを道路脇に設置したならば、防音パネル本来の防音(吸音、制振、遮音)といった効果に加え、電磁波吸収もなされるため、上述の不具合も見事に解消されることになる。
以下、本発明の制振材料(制振ワニス)と防振材料について、その減衰性を評価した。
実施例1
エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(50重量%)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(50重量%)とからなる主剤100重量部に対し、希釈剤として、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル90重量部に、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン10重量部を添加したものを100重量部と、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン70重量%とエチルベンゼン28重量%とシクロヘキサノン2重量%からなる硬化剤2重量部とを配合し、撹拌しつつ、130℃で3時間加熱し、制振ワニスを得た。
比較例1
希釈剤として、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミンを添加しない以外は実施例1と同様にして制振ワニスを得た。
上記実施例1と比較例1の制振ワニスについて、損失正接(tanδ)を測定した。その結果を図1に示した。図1から比較例1のワニスの損失正接(tanδ)が−20℃〜120℃の温度領域において、最大ピークが約0.5であるのに対し、実施例1のワニスの損失正接(tanδ)は、約2.3と優れた制振性を有することが確認された。
実施例2
NBR90重量%にp−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミンを10重量%の割合で添加し、これを混練し、シート状に成形し、防振シートとした。
比較例2
p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミンを添加しない以外は実施例2と同様に防振シートを得た。
比較例3
CR単体で実施例2と同様に防振シートを得た。
上記実施例2と比較例2及び3につき、反発弾性を測定した。その結果を図2に示した。図2から、比較例3のシートが35、比較例2のシートが25に対し、実施例2の防振シートについては1と性能が飛躍的に向上していることが確認された。
実施例3
NBR100重量部に対し10重量部のp−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミンを添加し、これを混練し、シート状に成形して制振シートとした。
実施例4
NBRに添加する化合物をp−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミンに代えて4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンを用いた以外は、実施例3と同様にして制振シートを得た。
比較例4
NBR単体で実施例3と同様に制振シートを得た。
上記実施例3及び4並びに比較例4の各制振シートにつき、制振性能(tanδ)を測定し、その結果を図3に示した。
図3から、比較例4のシートのtanδが−2.82℃において0.779のピーク値を示しているのに対し、実施例3のシートでは13.35℃でtanδが1.182のピーク値を示し、実施例4のシートでは8.84℃でtanδが1.133のピーク値を示しており、実施例3及び4のシートが、制振性に優れていることが確認された。
尚、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲で自由に変更して実施することができる。
実施例1と比較例1の制振ワニスについての−20℃〜120℃の温度領域における損失正接(tanδ)の測定結果を示すグラフ。 実施例2と比較例2及び3についての反発弾性の測定結果を示すグラフ。 実施例3及び4並びに比較例4の各制振シートの制振性能(tanδ)の評価結果を示すグラフ。

Claims (33)

  1. ポリマーマトリックス相中に、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンから選択された1種若しくは2種以上の化合物からなる分散相を有することを特徴とする有機減衰材料。
  2. マトリックス相が熱可塑性樹脂により構成されていることを特徴とする請求項1記載の有機減衰材料。
  3. 熱可塑性樹脂が、汎用プラスチック及びエンジニアリングプラスチックから選ばれる1種若しくは2種以上であることを特徴とする請求項2記載の有機減衰材料。
  4. 汎用プラスチックが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリルスチレン共重合体(AS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、塩素化ポリエチレン(CPE)及びエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)から選ばれる1種若しくは2種以上であることを特徴とする請求項3記載の有機減衰材料。
  5. エンジニアリングプラスチックが、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメチルペンテン(TPX)、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)、フッ素樹脂、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、変性ポリフェニレンエーテル(mPPE)、ポリサルホン(PSF)、およびポリアミドイミド(PAI)の群から選ばれる1種若しくは2種以上、若しくはこれらの共重合体からなることを特徴とする請求項3記載の有機減衰材料。
  6. マトリックス相が熱可塑性エラストマーにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の有機減衰材料。
  7. 熱可塑性エラストマーが、熱可塑性スチレン(TPS)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエステル系エラストマー(TPEE)、熱可塑性加硫エラストマー(TPV)、熱可塑性塩化ビニル系エラストマー(TPVC)、熱可塑性ポリアミド系エラストマー(PEBAX)、有機過酸化物で部分架橋してなるブチルゴム系熱可塑性エラストマーから選ばれる1種若しくは2種以上、若しくはこれらの共重合体、或いはスチレン−ビニルイソプレンブロック共重合体からなる熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン及びスチレン系エラストマーの混合物又は共重合体であることを特徴とする請求項6記載の有機減衰材料。
  8. マトリックス相が熱硬化性樹脂により構成されていることを特徴とする請求項1記載の有機減衰材料。
  9. 熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、及びケイ素樹脂から選ばれる1種若しくは2種以上、若しくはこれらの共重合体であることを特徴とする請求項8記載の有機減衰材料。
  10. 熱硬化性樹脂が溶剤に分散されたワニス状になっていることを特徴とする請求項9記載の有機減衰材料。
  11. 溶剤に分散されたワニス状になっている熱硬化性樹脂がエポキシであることを特徴とする請求項10記載の有機減衰材料。
  12. マトリックス相がゴムにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の有機減衰材料。
  13. ゴムが、ポリブタジエン(PB)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、フッ素系ゴム、及びシリコンゴムから選ばれる1種若しくは2種以上、若しくはこれらの共重合体であることを特徴とする請求項12記載の有機減衰材料。
  14. マトリックス相がゲルにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の有機減衰材料。
  15. ゲルが、ウレタン系ゲル及びシリコン系ゲルから選ばれる1種若しくは2種以上であることを特徴とする請求項14記載の有機減衰材料。
  16. マトリックス相が水系エマルジョン樹脂により構成されていることを特徴とする請求項1記載の有機減衰材料。
  17. 水系エマルジョン樹脂が、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)及びポリウレタンから選ばれる1種若しくは2種以上であることを特徴とする請求項7記載の有機減衰材料。
  18. p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンから選択された1種若しくは2種以上の化合物が、マトリックス相を構成するポリマー100重量部に対し1〜200重量部の割合で含まれていることを特徴とする請求項1〜17記載の有機減衰材料。
  19. 当該有機減衰材料がシート状物であることを特徴とする請求項1〜18記載の有機減衰材料。
  20. シート状物の少なくとも一方面に拘束層を有することを特徴とする請求項19記載の有機減衰材料。
  21. 拘束層が、金属、ポリマー、ゴム、ガラス、及び不織布から選ばれる1種若しくは2種以上を素材とするシート、フィルム、網、板或いはこれらの複合体から成ることを特徴とする請求項20記載の有機減衰材料。
  22. 当該有機減衰材料が発泡構造を有することを特徴とする請求項1〜21記載の有機減衰材料。
  23. 請求項1〜22記載の有機減衰材料を構成材料として使用したことを特徴とする制振材料。
  24. 請求項1〜22記載の有機減衰材料を構成材料として使用したことを特徴とする吸音材料。
  25. 請求項1〜22記載の有機減衰材料を構成材料として使用したことを特徴とする防振材料。
  26. 請求項1〜22記載の有機減衰材料を構成材料として使用したことを特徴とする衝撃吸収材料。
  27. 請求項1〜22記載の有機減衰材料を構成材料として使用したことを特徴とする電磁波吸収材料。
  28. 請求項1〜22記載の有機減衰材料を構成材料として使用したことを特徴とする塗料。
  29. 請求項1〜22記載の有機減衰材料を構成材料として使用したことを特徴とする粉体塗料。
  30. 請求項1〜22記載の有機減衰材料を構成材料として使用したことを特徴とする接着剤。
  31. 請求項19〜21記載の有機減衰材料を構成材料として使用したことを特徴とする拘束型制振材。
  32. 請求項19〜21記載の有機減衰材料を構成材料として使用したことを特徴とする合わせガラス。
  33. 請求項19〜21記載の有機減衰材料を構成材料として使用したことを特徴とする防音パネル。
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