JP2013149938A - Iii族窒化物半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光層に加わる応力の緩和を図ったIII 族窒化物半導体発光素子を提供することである。
【解決手段】 発光素子100には、MQW層60の下に、n側超格子層50が形成されている。n側超格子層50は、サファイア基板10の側から、InGaN層、GaN層、n−GaN層の順番に積層したものを単位構造として、その単位構造を繰り返し積層したものである。そして、n側超格子層50におけるInGaN層におけるIn組成は、MQW層に近づくほど大きい。また、MQW層60に最も近いn側超格子層50のInGaN層59AのIn組成は、n側超格子層50に最も近いMQW層60のInGaN層61DのIn組成の70%以上100%以下の範囲内である。
【選択図】図2

Description

本発明は、III 族窒化物半導体発光素子に関する。さらに詳細には、発光層に加わる応力の緩和を図ったIII 族窒化物半導体発光素子に関するものである。
近年、GaNに代表されるIII 族窒化物半導体を利用した高輝度青色LED等の発光素子が実用化されてきている。発光素子は一般に、n電極と、n型クラッド層と、発光層と、p型クラッド層と、p電極とを有している。しかし、これらの各層の格子定数は、一般に同じではない。
例えば、エピタキシャル成長により下層の上に上層を結晶成長させる場合に、下層と上層とで格子定数が大きく異なっていると、上層の結晶が成長しにくい。また、成長させた結晶の結晶性もよくないことが多い。さらに、半導体発光素子を製造後にも、その下層と上層との間に応力が加わる。この応力が加わっている層では、ピエゾ電界が発生する。特に、発光層にピエゾ電界が発生すると、発光層のバンドが傾斜する。そのため、電子と正孔の再結合確率が低下する。すなわち、発光出力の低下を招くのである。
そのため、発光層に加わる応力を緩和する技術が開発されてきている。例えば、特許文献1には、活性層に近づくほどInGaNの厚みが厚くなるn型ガイド層およびp型ガイド層を有する半導体レーザー素子が開示されている(特許文献1の段落[0055]−[0056]および図10参照)。そして、超格子構造を構成する層の膜厚比率を変えることで、平均In組成が変調されているとしている。
特開2010−177651号公報
しかしそれでも、発光層に加わる応力を緩和するには不十分である。発光層に加わる応力は、小さいほどよい。発光層におけるバンドの傾斜がそれだけ小さくなるからである。
本発明は、前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは、発光層に加わる応力の緩和を図ったIII 族窒化物半導体発光素子を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた第1の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子は、III 族窒化物半導体から成る下地層と、下地層の上に形成された歪緩和層と、歪緩和層の上に形成された発光層と、を有する。発光層は、障壁層とInを含む井戸層とを積層したものである。歪緩和層は、少なくともInGaN層およびGaN層を含む積層を1単位とした単位積層体を3層以上繰り返し積層した超格子層から成る。単位積層体のうち発光層に近い位置に位置している単位積層体ほど、InGaN層のIn組成比が大きく、単位積層体のうち発光層から最も近い位置に位置している単位積層体のInGaN層のIn組成比は、発光層における井戸層のIn組成比の70%以上100%以下の範囲内である。
かかるIII 族窒化物半導体発光素子では、歪緩和層と発光層との境界で、歪が緩和される。そのため、発光層に加わる応力が緩和される。その結果、発光層のバンド構造は、歪が減少している構造となる。したがって、このIII 族窒化物半導体発光素子の発光効率はよい。また、エピタキシャル成長により形成される各層の結晶性もよい。よって、発光効率は、さらによい。
また、歪緩和層の格子定数が、基板側から発光層側にかけて徐々に変化している。よって、歪緩和層のうちでも、ある特定の層に応力が集中することがない。そのため、歪緩和層の結晶性は劣化しない。したがって、その上にエピタキシャル成長させる発光層の結晶性も劣化しない。
第2の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子では、単位積層体のInGaN層の厚みは、発光層に近い位置に位置している層ほど大きい。このときの発光層に近い単位積層体の平均In組成は、発光層の単量子井戸の平均In組成に近い。そのため、発光層に加わる歪が緩和される。これにより、発光効率を改善することができる。
第3の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子では、単位積層体のGaN層の厚みは、すべての単位積層体で一定である。
第4の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子では、単位積層体のうち発光層に接している層が、n−GaN層である。発光層への正孔の閉じ込めと、その上に成長させる発光層の結晶性とを向上させるためである。
第5の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子では、単位積層体のうち下地層に接している層が、InGaN層である。格子不整合の最初の層が、GaNの格子定数に近い、すなわちIn組成の低いInGaN層であるため、下地層から受ける歪は小さい。したがって、その上の歪緩和層への歪の伝播も抑制される。
第6の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子では、単位積層体は、AlGaN層を含む。
第7の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子では、下地層が、各半導体層の静電破壊を防止するための静電耐圧層である。静電耐圧層は、歪を緩和する効果も有する。
第8の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法は、III 族窒化物半導体から成る下地層を形成する下地層形成工程と、下地層の上に超格子層を形成する超格子層形成工程と、超格子層の上に発光層を形成する発光層形成工程と、を有するものである。そして、超格子層形成工程では、少なくともInGaN層およびGaN層を含む積層を1単位とした単位積層体を3層以上繰り返し積層した超格子層を形成するとともに、単位積層体におけるInGaN層を、発光層に近いものほど高いIn組成比で形成する。
単位積層体におけるInGaN層の格子定数が、下地層から発光層にいくにしたがって徐々に変化する。そのため、歪を徐々に緩和することができる。また、歪を緩和された層の上に新たな半導体層を形成することになるので、新たに形成された半導体層の結晶性はよい。
第9の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法は、超格子層形成工程では、単位積層体におけるInGaN層を形成する際の基板温度を、下地層から発光層にいくにしたがって低い温度とする。単位積層体におけるInGaN層のIn組成比を、徐々に変えることが容易である。
本発明によれば、発光層に加わる応力の緩和を図ったIII 族窒化物半導体発光素子が提供されている。
実施例に係るIII 族窒化物半導体発光素子の構造を示す概略構成図である。 実施例1に係るIII 族窒化物半導体素子におけるn側超格子層の積層構造を示す図である。 実施例に係るIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための図(その1)である。 実施例に係るIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法を説明するための図(その2)である。 実施例2に係るIII 族窒化物半導体素子におけるn側超格子層の積層構造を示す図である。 実施例3に係るIII 族窒化物半導体素子におけるn側超格子層形成工程における基板温度の温度プロファイルである。
以下、本発明の具体的な実施例について、発光素子を例に挙げて図を参照しつつ説明する。しかし、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。つまり、本発明は、Inを含むIII 族窒化物半導体発光素子であれば、その他のものにも適用することができる。また、後述する発光素子の各層の積層構造は、例示であり、実施例とは異なる積層構造であってももちろん構わない。そして、それぞれの図における各層の厚みは、概念的に示したものであり、実際の厚みを示しているわけではない。
1.半導体素子
本実施例に係る半導体素子の製造方法により製造される発光素子100を図1により説明する。発光素子100は、III 族窒化物半導体から成る半導体素子である。図1に示すように、発光素子100は、サファイア基板10に、低温バッファ層20と、n型コンタクト層30と、n型ESD層40と、n側超格子層50と、発光源であるMQW層(多重量子井戸層)60と、p型クラッド層70と、p型コンタクト層80とがこの順序で形成されたものである。また、n型コンタクト層30には、n電極N1が形成されている。p型コンタクト層80には、p電極P1が形成されている。
サファイア基板10は、MOCVD法により、その一面に上記の各層を形成するためのものである。そして、光取り出し効率を向上させるために、その表面に凹凸加工がされているとよい。また、サファイア以外にも、SiC、ZnO、Si、GaNなどを成長基板として用いてもよい。低温バッファ層20は、サファイア基板10に高密度の結晶核を形成するためのものである。これにより、平坦な表面を有するGaN層の成長が促進される。低温バッファ層20の材質は、例えばAlNやGaNである。
n型コンタクト層30は、n電極N1に実際に接触する層である。n型コンタクト層30は、n−GaNから成る層である。そのSi濃度は1×1018/cm3 以上である。また、n型コンタクト層30を、キャリア濃度の異なる複数の層としてもよい。n電極とのオーミック性を向上させるためである。
n型ESD層40は、各半導体層の静電破壊を防止するための静電耐圧層である。n型ESD層40の構造は、ノンドープのGaNとSiドープのn−GaNの積層構造である。Siのドープ量は、キャリア濃度を1×1018/cm3 以上となるようにするとよい。
n側超格子層50は、MQW層60に加わる応力を緩和するための歪緩和層である。より具体的には、n側超格子層50は、超格子構造を有する。n側超格子層50は、n型ESD層40の上に形成されている。n側超格子層50は、後述するように、InGaNと、GaNと、n−GaNとを積層した単位積層体を繰り返し積層したものである。図1に示すように、n側超格子層50は、n型ESD層40とMQW層60との間に位置している。そして、n型ESD層40とMQW層60とに接している。
MQW層60は、電子と正孔とが再結合することで、光を発する発光層である。そのために、MQW層60は、バンドギャップの小さい井戸層と、バンドギャップの大きい障壁層とが交互に形成されている多重量子井戸構造となっている。MQW層60は、n側超格子層50の上に形成されている。ここで、井戸層としてInGaNを用いるとともに、障壁層としてAlGaNを用いることができる。このように井戸層は、Inを含んでいる。また、障壁層としてAlInGaNを用いてもよい。もしくは、これらを自由に組み合わせて、4層以上を単位構造として、その単位構造を繰り返すこととしてもよい。
p型クラッド層70は、電子がp型コンタクト層80に拡散するのを防止するためのものである。p型クラッド層70は、p−InGaNから成る層と、p−AlGaNから成る層とを単位構造として、その単位構造を繰り返して形成した層である。その繰り返し回数は、7回である。また、その繰り返し回数を3〜50回の範囲としてもよい。
p型コンタクト層80は、p電極P1と実際に接触する層である。p型コンタクト層80は、Mgをドープしたp−GaNから成る層である。p型コンタクト層80は、発光素子100におけるサファイア基板10と反対側の表面に表れている。
ここで、p型コンタクト層80の厚みは、100Å以上1000Å以下の範囲内である。p型コンタクト層80におけるMgドープ量は、1×1019/cm3 以上1×1022/cm3 以下の範囲内である。なお、p型コンタクト層80におけるp電極P1に近い位置ほど、Mgのドープ量を増加させるように複数の層を形成してもよい。
2.n側超格子層
2−1.n側超格子層の積層構造
ここで、本形態に係るn側超格子層50およびMQW層60の周辺の積層構造について、図2により説明する。n側超格子層50は、単位積層体51、52、…、59を有する歪緩和層である。図2に示すように、n側超格子層50は、単位積層体51、52、…、59を繰り返し積層したものである。その積層の繰り返し回数を、5回とした。なお、その繰り返し回数を、3回以上20回以下の範囲内で変えてもよい。
単位積層体51は、InGaN層(以下、「A層」という。)と、GaN層(以下、「B層」という。)と、n−GaN層(以下、「C層」という。)とを、図2中のn型ESD層40の側からMQW層60の側にかけて順に積層したものである。単位積層体52、59も単位積層体51と同様である。
また、A層(InGaN層51A、52A、59A)の厚みを、7Åとした。つまり、InGaN層51A、52A、59Aは、すべて同じ厚みである。なお、このA層の厚みを、単位積層体51、52、…、59のそれぞれで共通、すなわち一定とした。なお、その一定値として別の値を採用してもよい。例えば、その一定のA層の厚みを、5Å以上10Å以下の範囲内で変えてもよい。
また、B層(GaN層51B、52B、59B)の厚みを、15Åとした。つまり、GaN層51B、52B、59Bの厚みは、すべて同じ一定値(15Å)である。なお、このB層の厚みの一定値(15Å)を、3Å以上40Å以下の範囲内で変えてもよい。
また、C層(n−GaN層51C、52C、59C)の厚みを、20Åとした。つまり、n−GaN層51C、52C、59Cは、すべて同じ厚みである。なお、このC層の厚みを、3Å以上40Å以下の範囲内で変えてもよい。
すなわち、n側超格子層50は、MQW層60の側から順に、
C層 n−GaN層 20Å
B層 GaN層 15Å
A層 InGaN層 7Å
という単位積層構造を繰り返し積層した積層構造となっている。そのため、MQW層60と接する層は、n−GaNから成る層である。そして、n型ESD層40と接する層は、InGaNから成る層である。
2−2.n側超格子層におけるA層(InGaN層)のIn組成
n側超格子層50は、前述のとおり、MQW層60にかかる応力を緩和するための超格子構造を有する層である。
まず、MQW層60におけるInGaN層のIn組成比について説明する。InGaN層61DのIn組成を、In0.2 Ga0.8 Nとした。ここで、InGaN層61Dは、MQW層60のうちで、n側超格子層50に接合されている層である。
続いて、n側超格子層50におけるA層(InGaN層)のIn組成について説明する。InGaN層59AのIn組成を、In0.18Ga0.82Nとした。ここで、InGaN層59Aは、n側超格子層50のうちで、MQW層60に接合されている単位積層体59に含まれているInGaN層である。
InGaN層52AのIn組成を、In0.06Ga0.94Nとした。また、InGaN層51AのIn組成を、In0.02Ga0.98Nとした。InGaN層51Aは、n型ESD層40に接合されている単位積層体51に含まれているInGaN層である。
2−2−1.最も発光層に近いA層(InGaN層)のIn組成
ここで、n側超格子層50のうちのInGaN層59AのIn組成を、MQW層60のうちのInGaN層61DのIn組成の90%とした。また、InGaN層59AのIn組成は、MQW層60のうちのInGaN層61DのIn組成の70%以上100%以下の範囲内であればよい。InGaN層59AのIn組成は、MQW層60のうちのInGaN層61DのIn組成の80%以上100%以下の範囲内であるとなおよい。n側超格子層50のうち最もMQW層60に近いInGaN層59AのIn組成が、MQW層60のうちのInGaN層61DのIn組成とほとんど変わらない。つまり、MQW層60にかかる歪をより緩和することができる。ここで、InGaN層61DのIn組成と、InGaN層62DのIn組成とは、同じである。このように、MQW層60に含まれているすべてのInGaN層において、これらのInGaN層のIn組成は同じである。
ここで、InGaN層59Aは、n側超格子層50のA層(InGaN層)のうち、最もMQW層60に近い側に位置する層である。また、InGaN層61Dは、MQW層60のInGaN層のうち、最もn側超格子層50に近い側に位置する層である。
そのため、n側超格子層50側のInGaN層59の格子定数と、MQW層60側のInGaN層61Dの格子定数との差は小さい。したがって、発光層であるMQW層60と、n側超格子層50との間の歪は小さい。つまり、MQW層60に加わる応力は緩和されている。
2−2−2.n側超格子層におけるA層(InGaN層)のIn組成の変化
InGaN層59AのIn組成は、InGaN層52AのIn組成よりも大きい。InGaN層52AのIn組成は、InGaN層51AのIn組成よりも大きい。このように、MQW層60の側から1層分、n型ESD層40の側に移るに従って、A層(InGaN層)のIn組成は小さくなっている。
このように、n側超格子層50では、単位積層体51、52、…、59のA層(InGaN層)のIn組成は、n型ESD層40の側からMQW層60の側にいくほど大きい。つまり、単位積層体51、52、…、59のうちMQW層60から最も近い位置に位置している単位積層体51、52、…、59ほど、A層(InGaN層)のIn組成は大きい。n側超格子層50において、MQW層60に近いA層(InGaN層)ほど、そのA層(InGaN層)の格子定数が徐々に大きくなるようにするためである。
以上説明したように、MQW層60にかかる応力は、緩和されている。したがって、MQW層60のバンドが応力により生じる傾斜は、従来のものに比べて小さい。また、発光素子100の電気的特性および光学特性も優れている。
3.半導体素子の製造方法
本形態における半導体素子の製造方法では、有機金属気相成長法(MOCVD法)により、上記の各層の結晶をエピタキシャル成長させた。以下、図3および図4を用いて、各工程を説明する。
ここで用いたキャリアガスは、水素(H2 )もしくは窒素(N2 )もしくは水素と窒素との混合気体(H2 +N2 )である。窒素源として、アンモニアガス(NH3 )を用いた。Ga源として、トリメチルガリウム(Ga(CH3 3 :以下、「TMG」という。)を用いた。In源として、トリメチルインジウム(In(CH3 3 :以下、「TMI」という。)を用いた。Al源として、トリメチルアルミニウム(Al(CH3 3 :以下、「TMA」という。)を用いた。n型ドーパントガスとして、シラン(SiH4 )を用いた。p型ドーパントガスとして、シクロペンタジエニルマグネシウム(Mg(C5 5 2 :以下、「CP2 Mg」という。)を用いた。
3−1.低温バッファ層形成工程
本形態では、サファイア基板10を用いた。そして、そのサファイア基板10をMOCVD炉に入れた。次に、水素ガス中でサファイア基板10のクリーニングを行い、サファイア基板100の表面に付着している付着物を除去した。そして、基板温度を400℃として、サファイア基板10の上に、AlNから成る低温バッファ層20を形成した。
3−2.n型コンタクト層形成工程
次に、低温バッファ層20の上にn型コンタクト層30を形成した(図3(a)参照)。ここで、キャリアガスを水素ガスとし、アンモニアガスを流しながら、基板温度を1100℃まで上昇させた。そして、基板温度が1100℃になったところで、TMG、アンモニアガス、不純物ガスとしてシランガスを供給した。これにより、Si濃度が4.5×1018/cm3 のn−GaNからなるn型コンタクト層30が形成された。
3−3.n型ESD層形成工程
次に、n型コンタクト層30の上にn型ESD層40を形成した。基板温度を900℃まで下げて、Siドープのn−GaNを形成した。このときの成長温度は800〜950℃であればよい。また、このn−GaNにおけるSi原子濃度(atom/cm3 )と膜厚(nm)との積で定義される特性値が0.9×1020〜3.6×1020(atom・nm/cm3 )の範囲内であるとよい。
3−4.n側超格子層形成工程
次に、n型ESD層40の上にn側超格子層50を形成した。n側超格子層50として、厚さ20ÅのA層(InGaN層)と、厚さ15ÅのB層(GaN層)と、厚さ7ÅのC層(n−GaN層)とを、この形成順序で形成した。そして、このA層、B層、C層の順で5回繰り返して形成した。
ここで、InGaN層を形成する際には、基板温度を830℃として、TMG、TMI、アンモニアを供給した。GaN層を形成する際には、基板温度を830℃として、TMG、アンモニアを供給した。n−GaN層を形成する際には、基板温度を830℃として、シランガス、TMG、アンモニアを供給した。これにより、図3(b)に示した積層構造が形成された。
3−5.発光層形成工程
続いて、n側超格子層50の上にMQW層60を形成した。MQW層60は、InGaN層(D層)とAlGaN層(E層)との繰り返し構造をしている。InGaN層を、成長温度750〜850℃の範囲内の温度で成長させた。そのために、TMI、TMG、アンモニアの原料ガスを供給した。
ここで、D層(InGaN層)におけるInの組成比を、20%とした。結晶を成長させる厚みは、1〜5nmである。E層(AlGaN層)を、成長温度850〜950℃の範囲内の温度で成長させた。そのために、TMA、TMG、アンモニアの原料ガスを供給した。結晶を成長させる厚みは、1〜6nmである。
3−6.p型クラッド層形成工程
次に、MQW層60の上にp型クラッド層70を形成した。p型クラッド層70は、p−InGaN層と、p−AlGaN層との繰り返し構造とした。p−InGaN層を形成する際には、基板温度を855℃として、CP2 Mg、TMI、TMG、アンモニアを供給した。そして、p−In0.05Ga0.95N層を、厚さ1.7nmに形成した。
p−AlGaN層を形成する際には、基板温度を855℃として、CP2 Mg、TMA、TMG、アンモニアを供給した。そして、p−AlGaN層を、厚さ3.0nmに形成した。その結果、図3(c)に示した積層構造が形成された。
3−7.p型コンタクト層形成工程
続いて、p型クラッド層70の上にp型コンタクト層80を形成した(図4参照)。p型コンタクト層80は、p−GaNである。キャリアガスとして、窒素と水素の混合気体を用いた。そして、原料ガスとして、CP2 Mg、TMG、アンモニアを用いた。ここで、結晶を成長させる温度は、900℃以上1050℃以下の範囲内であった。そして、Mgのドープ量は、1×1019/cm3 以上1×1022/cm3 以下であった。
3−8.冷却工程
次に、窒素ガス雰囲気中で、MOCVD炉を常温まで冷却した。図4に示した積層体90を窒素ガス雰囲気中で冷却することで、離脱させた水素が再び積層体90に取り込まれるのを防止するためである。
3−9.電極形成工程
次に、p型コンタクト層80の表面側からドライエッチングを行って、n型コンタクト層30の途中まで達する溝を形成した。そして、p型コンタクト層80の上にp電極P1を形成した。p電極P1として、p型コンタクト層80の上に、Ni層、Au層、Al層をこの順番で形成した。また、露出させたn型コンタクト層30の上にn電極N1を形成した。n電極N1として、n型コンタクト層30の上に、Ni層、Au層をこの順番で形成した。
3−10.アニール処理工程
次に、窒素雰囲気中で積層体90に熱処理(アニール処理)を施した。ドーピングしたMgを活性化するためである。なお、このアニール処理工程については、電極形成工程の前に行ってもよい。また、冷却工程の前に行うこともできる。以上により、図1に示した発光素子100が製造された。
3−11.製造された半導体素子
以上の製造工程により製造された発光素子100では、n側超格子層50の単位積層体に含まれているInGaN層のIn組成が、n型ESD層40からMQW層60にかけて徐々に大きくなっている。つまり、InGaN層(A層)の格子定数は、n型ESD層40からMQW層60にかけて徐々に大きくなっている。
したがって、形成済みの半導体層の上に新たに半導体層を形成する上で、結晶性に優れた半導体層を成長させやすい。つまり、本実施例の発光素子の製造工程で製造された発光素子100において、結晶性はよい。つまり、発光素子100の光学特性は優れている。
また、以上の製造工程により製造された発光素子100では、n側超格子層50におけるA層(InGaN層)のIn組成は、小さい。したがって、A層(InGaN層)の格子定数は、n型ESD層40におけるGaN層の格子定数と、ほぼ等しい。したがって、n型ESD層40とn側超格子層50との間の境界面の歪が低減される。
4.変形例
4−1.n側超格子層のA層(InGaN層)
本実施例では、n側超格子層50のA層として、7ÅのInGaN層を形成した。そして、その範囲を5Å以上10Å以下とした。しかし、A層(InGaN層)の厚みを10Å以上50Å以下の範囲としてもよい。つまり、A層(InGaN層)の厚みは、5Å以上50Å以下の範囲内であればよい。
4−2.n側超格子層のC層(n−GaN層)
本実施例では、n側超格子層50のC層を、Siドープのn−GaN層であるとした。しかし、ノンドープのGaN層としてもよい。
4−3.n側超格子層の積層順序
本実施例では、n側超格子層50の下側から順番に、A層、B層、C層とした。しかし、C層、B層、A層、の順に積層してもよい。
4−4.n側超格子層のAlGaN層
n側超格子層にAlGaN層を形成することとしてもよい。その際に、GaN層もしくはn−GaN層の代わりに、AlGaN層を形成することとしてもよい。また、AlGaN層をさらに加わることとしてもよい。その場合には、単位積層体の層数を4層以上としてもよい。
4−5.下地層
本実施例では、n型ESD層40の上にn側超格子層50を形成することとした。つまり、n型ESD層40は、n側超格子層50の下に形成される下地層である。しかし、n側超格子層50の下地層は、もちろん、n型ESD層40に限らない。n型コンタクト層30やその他の層でもよい。ただし、III 族窒化物半導体から成る層である。また、n型ESD層形成工程は、n側超格子層50の下地層(n型ESD層40)を形成する下地層形成工程である。
5.まとめ
以上、詳細に説明したように、本実施例に係る発光素子100では、n側超格子層50におけるInGaN層(A層)のIn組成を、MQW層60に近くなるほど、高くなるようにした。MQW層60に最も近いn側超格子層50のInGaN層59AのIn組成は、n側超格子層に最も近いMQW層60のInGaN層61DのIn組成の70%以上100%以下の範囲内にある。これにより、MQW層60にかかる応力の緩和を図った発光素子が実現されている。
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。本形態では、積層体90として図4に示したものを用いた。しかし、積層体の積層構造については、必ずしも図4に示したものに限らない。積層構造や各層の繰り返し回数等、任意に選択してよい。
また、有機金属気相成長法(MOCVD法)に限らない。キャリアガスを用いて結晶を成長させる方法であれば、他の方法を用いてもよい。また、Inを含む層であれば適用できる。したがって、AlInGaN層であってもよい。また、発光素子100以外にも、III 族窒化物半導体素子であれば、他の用途の半導体素子に適用することができる。
1.半導体素子
実施例2における発光素子の構成は、実施例1とほぼ同様である。実施例1と異なる点は、n側超格子層の単位積層体である。また、発光素子の製造方法もほとんど同じである。したがって、その異なっているn側超格子層の単位積層体を中心に、以下に説明する。
2.n側超格子層
2−1.n側超格子層の積層構造
実施例2の発光素子におけるn側超格子層の周辺を図5に示す。図5に示すように、実施例2の発光素子には、n側超格子層150が形成されている。n側超格子層150は、実施例1の場合と同様に、単位積層体151、152、…、159を繰り返し積層したものである。
n側超格子層150では、A層(InGaN層151A、152A、159A)の厚みのみが、実施例1のn側超格子層50と異なっている。そして、その他の構成については、実施例1と同様である。つまり、n側超格子層150におけるB層(51B、52B、59B)、C層(51C、52C、59C)については、実施例1と同様である。
図5に示すように、A層のそれぞれの厚みを、互いに同じではないものとした。InGaN層151Aの厚みt1を、7Åとした。InGaN層152Aの厚みt2を、9Åとした。InGaN層159Aの厚みt3を、15Åとした。つまり、A層(InGaN層)の厚みを、MQW層60に近づくにつれ、2Åずつ厚くした。このように、A層の厚みは、次の関係式を満たす。
t1 < t2 < t3
このように、A層(InGaN層151A、152A、159A)のうち、MQW層60に近いA層ほど、そのA層の厚みが厚い。そのため、最もMQW層60に近い位置に位置するInGaN層159Aが、A層のうちで最も厚い。
このように、MQW層60に近いほど、A層(InGaN層151A、152A、159A)を厚くしていく膜厚変調を行うことで、単位積層体に含まれるInGaN層の割合は大きいものとなる。これにより、単位積層体中の歪は、MQW層60に近づくにしたがって、緩和されることとなる。つまり、MQW層60にかかる応力は減少する。
2−2.n側超格子層におけるA層(InGaN層)のIn組成
そして実施例1と同様に、n側超格子層150においてA層において、最もMQW層60に近いInGaN層159Aが、n側超格子層150におけるA層のうちで最もIn組成が高い。
そして、InGaN層159AにおけるIn組成を、MQW層60における最もn側超格子層150に近いInGaN層61DにおけるIn組成の90%とした。なお、InGaN層159AにおけるIn組成を、MQW層60における最もn側超格子層150に近いInGaN層61DにおけるIn組成の80%以上100%以下の範囲内であってもよい。
このように、In組成を上昇させるため、実施例1と同様に、MQW層60にかかる応力を緩和することができる。実施例2では、さらに、膜厚変調も行っているため、MQW層60にかかる応力を緩和する効果がより大きい。
3.変形例
本実施例では、n側超格子層150のC層を、Siドープのn−GaN層であるとした。しかし、ノンドープのGaN層としてもよい。本実施例では、n側超格子層150の下側から順番に、A層、B層、C層とした。しかし、C層、B層、A層、の順に積層してもよい。
4.まとめ
以上、詳細に説明したように、本実施例に係る発光素子では、n側超格子層150におけるInGaN層(A層)のIn組成を、MQW層60に近くなるほど、高くなるようにした。MQW層60に最も近いn側超格子層150のInGaN層159AのIn組成は、n側超格子層に最も近いMQW層60のInGaN層61DのIn組成の70%以上100%以下の範囲内にある。さらに、n側超格子層150におけるInGaN層(A層)の厚みを、MQW層60に近くなるほど、厚くなるようにした。これにより、MQW層60にかかる応力の緩和を図った発光素子が実現されている。
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。本形態では、積層体90として図4に示したものを用いた。しかし、積層体の積層構造については、必ずしも図4に示したものに限らない。積層構造や各層の繰り返し回数等、任意に選択してよい。
また、有機金属気相成長法(MOCVD法)に限らない。キャリアガスを用いて結晶を成長させる方法であれば、他の方法を用いてもよい。また、Inを含む層であれば適用できる。したがって、AlInGaN層であってもよい。また、発光素子以外にも、III 族窒化物半導体素子であれば、他の用途の半導体素子に適用することができる。
実施例3について説明する。本実施例の半導体素子は、実施例1の発光素子100と同様である。つまり、n型ESD層40からMQW層60(発光層)に向かうにつれて、n側超格子層50のInGaN層におけるIn組成比が高いものとなっていくことに変わりない。本実施例では、半導体素子の製造方法が、実施例1のものと異なっている。
1.半導体素子の製造方法
本実施例では、n側超格子層50の形成方法に特徴がある。そのため、実施例1と異なる特徴点のみについて説明する。本実施例は、n側超格子層形成工程のみ、実施例1と異なる。
1−1.n側超格子層形成工程
n型ESD層40の上にn側超格子層50を形成した。n側超格子層50として、厚さ20ÅのA層(InGaN層)と、厚さ15ÅのB層(GaN層)と、厚さ7ÅのC層(n−GaN層)とを、この形成順序で形成した。そして、このA層、B層、C層の順で5回繰り返して形成した。
ここで、その際の基板温度を図6を用いて説明する。n側超格子層50のうち最もn型ESD層40に近いInGaN層(A1)を形成する際には、基板温度(TA1)を830℃として、TMG、TMI、アンモニアを供給した。n側超格子層50のうち、その次のInGaN層(A2)を形成する際には、基板温度(TA2)を825℃とした。そして、またさらに次のInGaN層(A3)を形成する際には、基板温度(TA3)を820℃とした。このように、InGaN層を積層していく度に基板温度を、その前に形成した際の基板温度よりも5℃ずつ低い温度とした。
このように、InGaN層を形成する際の基板温度が低いほど、Inは、GaN層に入り込みやすい。つまり、基板温度の低い条件下でInGaN層を成長させることで、その成長したInGaN層のIn組成比は大きいものとなる。
なお、GaN層を形成する際には、TMG、アンモニアを供給した。このときの基板温度は、その直前に形成したInGaN層の基板温度と同じである。n−GaN層を形成する際には、シランガス、TMG、アンモニアを供給した。このときの基板温度は、その直前に形成したInGaN層の基板温度と同じである。すなわち、単位積層体51を同じ温度で形成する。そして、その上に形成する単位積層体52の基板温度は、単位積層体51の基板温度よりも5℃低い温度である。このように、単位積層体を積層する基板温度は、その直前に積層した単位積層体の基板温度よりも5℃低い温度とする。これにより、図3(b)に示した積層構造が形成された。
2.変形例
2−1.温度プロファイル
本実施例では、n側超格子層50のInGaN層を形成する度に基板温度を5℃ずつ低い温度にした。もちろん、この温度差(TA1−TA2)を5℃以上としてもよい。
また、n側超格子層50の最初に形成するInGaN層の形成温度Xから、n側超格子層50の最後に形成するInGaN層の形成温度Yにかけて、徐々に温度を下降させるようにすれば、どのような温度プロファイルを用いてもよい。ただし、図6に示すように、InGaN層を形成している期間t1においては、基板温度を一定とすることが好ましい。また、期間t2、t3においても同様である。
2−2.In流量
本実施例では、InGaN層形成する際に、発光層に近いInGaN層ほど低い基板温度でInGaN層を成長させることとした。しかし、基板温度を下げる代わりに、または、基板温度を下げるとともに、基板110に供給するInの流量を多くしてもよい。これにより、InGaN層におけるIn組成比を、発光層に近づくほど大きい値にすることができる。これにより、歪を緩和することができる。つまり、製造された半導体素子の発光効率は改善される。
10…サファイア基板
20…低温バッファ層
30…n型コンタクト層
40…n型ESD層
50、150…n側超格子層
51A、52A、59A、151A、152A、159A…InGaN層
51B、52B、59B…GaN層
51C、52C、59C…n−GaN層
60…MQW層
61D、62D…InGaN層
61E、62E…AlGaN層
70…p型クラッド層
80…p型コンタクト層
90…積層体
100…発光素子
P1…p電極
N1…n電極

Claims (9)

  1. III 族窒化物半導体から成る下地層と、
    前記下地層の上に形成された歪緩和層と、
    前記歪緩和層の上に形成された発光層と、
    を有するIII 族窒化物半導体発光素子であって、
    前記発光層は、
    障壁層とInを含む井戸層とを積層したものであり、
    前記歪緩和層は、
    少なくともInGaN層およびGaN層を含む積層を1単位とした単位積層体を3層以上繰り返し積層した超格子層から成り、
    前記単位積層体のうち前記発光層に近い位置に位置している単位積層体ほど、
    前記InGaN層のIn組成比が大きく、
    前記単位積層体のうち前記発光層から最も近い位置に位置している単位積層体のInGaN層のIn組成比は、
    前記発光層における前記井戸層のIn組成比の70%以上100%以下の範囲内であること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載のIII 族窒化物半導体発光素子であって、
    前記単位積層体のInGaN層の厚みは、
    前記発光層に近い位置に位置している層ほど大きいこと
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体発光素子であって、
    前記単位積層体のGaN層の厚みは、
    すべての前記単位積層体で一定であること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子であって、
    前記単位積層体のうち前記発光層に接している層が、n−GaN層であること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子であって、
    前記単位積層体のうち前記下地層に接している層が、InGaN層であること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子であって、
    前記単位積層体は、AlGaN層を含むこと
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子であって、
    前記下地層が、各半導体層の静電破壊を防止するための静電耐圧層であること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  8. III 族窒化物半導体から成る下地層を形成する下地層形成工程と、
    前記下地層の上に超格子層を形成する超格子層形成工程と、
    前記超格子層の上に発光層を形成する発光層形成工程と、
    を有するIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
    前記超格子層形成工程では、
    少なくともInGaN層およびGaN層を含む積層を1単位とした単位積層体を3層以上繰り返し積層した超格子層を形成するとともに、
    前記単位積層体におけるInGaN層を、前記発光層に近いものほど高いIn組成比で形成すること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
  9. 請求項8に記載のIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
    前記超格子層形成工程では、
    前記単位積層体におけるInGaN層を形成する際の基板温度を、前記下地層から前記発光層にいくにしたがって低い温度とすること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
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