JP6176141B2 - Iii 族窒化物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

Iii 族窒化物半導体発光素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、III 族窒化物半導体発光素子の製造方法に関する。p型クラッド層における結晶性の向上を図ったIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法に関するものである。
III 族窒化物半導体の結晶を作製する方法として、有機金属気相成長法(MOCVD)やハイドライド気相エピタキシー法(HVPE)などの気相成長法や、分子線エピタキシー法(MBE)、パルスドスパッタデポジション法(PSD)、そして、液相エピタキシー法などがある。
これらのうち例えば、MOCVD法により半導体層を成長させる場合には、MOCVD炉の内部に種々のガスを供給して、その雰囲気の中で半導体層を成長させる。特許文献1には、窒素ガスの雰囲気と、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスの雰囲気とを、成長させる半導体層に応じて変える技術が開示されている(特許文献1の段落[0107]参照)。
特開2013−175790号公報
ところで、III 族窒化物半導体層を成長させる際には、極性反転欠陥が生じることがある。極性反転欠陥とは、Ga面の一部にN面が混合する欠陥である。そして、半導体層の成長方向に垂直な面における単位面積当たりの極性反転欠陥の数を極性反転欠陥密度という。極性反転欠陥密度が低いほど、半導体層の結晶性はよい。
この極性反転欠陥密度は、エピタキシャル成長するにしたがって増加する傾向にある。つまり、エピタキシャル成長の終期の極性反転欠陥密度は、エピタキシャル成長の初期の極性反転欠陥密度よりも高いのが一般的である。したがって、極性反転欠陥がエピタキシャル成長するにしたがって増加することを抑制することが好ましい。
また、水素ガスを含む雰囲気で半導体層を成長させると、半導体層によっては損傷を受ける。そこで、成長途中の半導体層の結晶性を劣化させることなく、極性反転欠陥密度の増加を抑制することが好ましい。
本発明は、前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは、極性反転欠陥密度の増加を抑制することを図ったIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法を提供することである。
第1の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法は、基板の上にn型半導体層を形成するn型半導体層形成工程と、n型半導体層の上に発光層を形成する発光層形成工程と、発光層の上にp型半導体層を形成するp型半導体層形成工程と、を有する。p型半導体層形成工程は、p型クラッド層を形成するp型クラッド層形成工程を有する。p型クラッド層形成工程は、p型AlGaN層を形成するp型AlGaN層形成工程と、p型AlGaN層形成工程の後に半導体層の成長を中断する第1の中断工程と、第1の中断工程の後にp型InGaN層を形成するp型InGaN層形成工程と、p型InGaN層形成工程の後に半導体層の成長を中断する第2の中断工程と、を有する。そして、第1の中断工程では、窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスを基板に供給する。水素ガスによりp型AlGaN層の表面の極性反転欠陥をエッチングする。p型AlGaN層形成工程およびp型InGaN層形成工程および第2の中断工程では、水素ガスを基板に供給しないで窒素ガスを基板に供給する。
このIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法は、半導体層を成長させる原料ガスを供給している成長期間でなく、原料ガスのうちの少なくとも一部のガスの供給を停止する中断期間に、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを基板に供給する。水素ガスは、半導体層をエッチングすることができる。極性反転欠陥の箇所では、原子の結合が比較的弱い。そのため、エッチングを受けやすい。よって、第1のp型半導体層を成長させた後に、第1のp型半導体層の表面の極性反転欠陥を優先的にエッチングする。そのため、第1の中断期間の後には、第1のp型半導体層の上の極性反転欠陥がある程度減少している。したがって、このIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法により製造された半導体発光素子において、p型半導体層の極性反転欠陥密度は、従来の半導体発光素子に比べて低い。
この製造方法では、半導体層を成長させる工程と、半導体層の成長を中断する工程とで、異なるキャリアガスを用いる。また、p型InGaN層を形成する前に、水素ガスを供給し、p型半導体層の表面における極性反転欠陥を減少させる。そのため、p型InGaN層を損傷させるおそれがほとんどない。
第2の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、第1の中断工程では、混合ガスにおける窒素ガスの体積と水素ガスの体積との和に対する水素ガスの体積の比を20%以上100%以下の範囲内とする。
本発明では、極性反転欠陥密度の増加を抑制することを図ったIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法が提供されている。
実施形態に係るIII 族窒化物半導体発光素子の概略構成を説明するための図である。 実施形態に係るIII 族窒化物半導体発光素子のp型クラッド層の周辺の積層構造を示す図である。 実施形態に係るIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法におけるp型クラッド層製造工程を説明するための図である。 実施形態に係るIII 族窒化物半導体発光素子の製造工程を説明するための図(その1)である。 実施形態に係るIII 族窒化物半導体発光素子の製造工程を説明するための図(その2)である。 p型クラッド層形成工程の第1の中断期間で供給する混合ガスにおける水素ガスの混合比と極性反転欠陥密度との関係を示すグラフである。 p型クラッド層形成工程の第1の中断期間で供給するガスに水素ガスを含めた場合と含めなかった場合とで駆動電圧を比較するためのグラフである。
以下、具体的な実施形態について、半導体発光素子とその製造方法を例に挙げて図を参照しつつ説明する。しかし、これらの実施形態に限定されるものではない。また、後述する半導体発光素子の各層の積層構造および電極構造は、例示である。実施形態とは異なる積層構造であってももちろん構わない。そして、それぞれの図における各層の厚みは、概念的に示したものであり、実際の厚みを示しているわけではない。
1.半導体発光素子
本実施形態に係る発光素子100の概略構成を図1に示す。発光素子100は、フェイスアップ型の半導体発光素子である。発光素子100は、III 族窒化物半導体から成る複数の半導体層Ep1を有する。
図1に示すように、発光素子100は、基板110と、半導体層Ep1と、透明電極190と、n電極N1と、p電極P1と、を有している。ここで、半導体層Ep1は、低温バッファ層120と、n型コンタクト層130と、n型静電耐圧層140と、n型クラッド層150と、発光層160と、p型クラッド層170と、p型コンタクト層180と、を有している。ここで、n型コンタクト層130と、n型静電耐圧層140と、n型クラッド層150とは、n型半導体層である。p型クラッド層170と、p型コンタクト層180とは、p型半導体層である。n型半導体層およびp型半導体層は、ノンドープの半導体層を含んでいてもよい。また、発光素子100は、半導体層Ep1等を保護する保護膜を有していてもよい。
低温バッファ層120は、基板110の主面の上に形成されている。低温バッファ層120は、例えば、AlNやGaNである。n型コンタクト層130は、低温バッファ層120の上に形成されている。n型コンタクト層130は、例えば、n型GaNである。n型静電耐圧層140は、n型コンタクト層130の上に形成されている。n型静電耐圧層140は、半導体層Ep1の静電破壊を防止するための層である。n型静電耐圧層140は、例えば、ノンドープのGaNと、n型GaNと、を積層したものである。n型クラッド層150は、n型静電耐圧層140の上に形成されている。n型クラッド層150は、発光層160に加わる応力を緩和するための歪緩和層である。n型クラッド層150は、超格子構造を有する超格子層である。n型クラッド層150は、例えば、n型GaNと、InGaN層と、を積層したものである。
発光層160は、n型クラッド層150の上に形成されている。発光層160は、正孔と電子とが再結合することにより発光する層である。p型クラッド層170は、発光層160の上に形成されている。p型クラッド層170は、超格子構造を有する超格子層である。p型コンタクト層180は、p型クラッド層170の上に形成されている。
透明電極190は、p型コンタクト層180の上に形成されている。透明電極190の材質は、ITO、IZO、ICO、ZnO、TiO2 、NbTiO2 、TaTiO2 、SnO2 のいずれかであるとよい。。
n電極N1は、n型コンタクト層130の上に形成されている。n電極N1は、n型コンタクト層130の側から、Ni、Auを順に形成したものである。また、V、AlまたはTi、Alを順に形成してもよい。p電極P1は、透明電極190の上に形成されている。p電極P1は、透明電極190の側から、Ni、Auを順に形成したものである。
2.p型クラッド層周辺の積層構造
2−1.発光層
図2は、発光層160およびp型クラッド層170の周辺の積層構造を示す概略構成図である。発光層160は、電子と正孔とが再結合することで、光を発する層である。発光層160は、単位積層構造を繰り返し積層した多重量子井戸構造(MQW構造)である。ここで、単位積層構造は、InGaN層161と、GaN層162と、AlGaN層163とを、下層からこの順序で積層したものである。この単位積層構造の繰り返し回数は、例えば、9回である。この繰り返し回数は、5回以上12回以下の範囲内で変えてもよい。もちろん、これ以外の回数を用いてもよい。また、単位積層構造における各層の積層順序を変えてもよい。単位積層構造自体も、上記のものとは異なるも単位積層構造を用いることができる。その際に、GaNと、InGaNと、AlGaNと、AlInGaNとを、自由に組み合わせてよい。
2−2.p型クラッド層
p型クラッド層170は、発光層160の上に形成されている。p型クラッド層170は、p型AlGaN層171と、p型InGaN層172と、を繰り返し積層して形成したものである。繰り返し回数は、例えば、5回である。p型AlGaN層171のAl組成比は、10%以上40%以下の範囲内である。p型AlGaN層171の厚みは、5Å以上70Å以下の範囲内である。p型InGaN層172のIn組成比は、2%以上20%以下の範囲内である。ただし、p型InGaN層172のIn組成比は、発光層160のInGaN層161のIn組成比よりも小さい。p型InGaN層172の厚みは、5Å以上70Å以下の範囲内である。これらの数値は、あくまで例示である。したがって、これ以外の数値であってもよい。また、異なる構成であってもよい。
2−3.p型コンタクト層
p型コンタクト層180は、p型クラッド層170の上に形成されている。p型コンタクト層180は、例えば、p型GaNである。p型コンタクト層180は、キャリア濃度の異なる2層を有する2層構造であってもよい。
3.p型クラッド層の製造工程
3−1.製造工程
ここで、p型クラッド層170の製造工程について、説明する。図3は、p型クラッド層170の製造工程を示す概念図である。図3に示すように、p型クラッド層170の製造工程は、第1のp型半導体層形成工程と、第1の中断工程と、p型InGaN層形成工程と、第2の中断工程と、を有する。
第1のp型半導体層形成工程では、p型AlGaN層171を形成する。第1の中断工程では、第1のp型半導体層形成工程の後に、半導体層の成長を中断する。p型InGaN層形成工程では、第1の中断工程の後に、p型InGaN層172を形成する。第2の中断工程では、p型InGaN層形成工程の後に、半導体層の成長を中断する。そして、第2の中断工程の後に、第1のp型半導体層形成工程を実施することにより、p型AlGaN層171と、p型InGaN層172と、を繰り返し積層する。
図3には、p型AlGaN層171を形成する第1の成膜期間T1と、p型AlGaN層171を形成後に成膜を中断する第1の中断期間T2と、p型InGaN層172を形成する第2の成膜期間T3と、p型InGaN層172を形成後に成膜を中断する第2の中断期間T4と、が示されている。第1の中断期間T2は、p型AlGaN層171の形成を終了してからp型InGaN層172の形成を開始するまでの期間である。第2の中断期間T4は、p型InGaN層172の形成を終了してからp型AlGaN層171の形成を開始するまでの期間である。
図3に示すように、第1の成膜期間T1では、MOCVD炉の内部に水素ガスを供給しないで、窒素ガスを供給する。これにより、水素ガスを基板110に供給しないで窒素ガスを基板110に供給することとなる。第1の成膜期間T1における基板温度は、800℃以上1050℃以下の範囲内である。
第1の中断期間T2では、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを供給する。この混合ガスについては、後述する。第1の中断期間T2では、基板温度を第1の成膜期間T1の基板温度から第2の成膜期間T2の基板温度まで下げる。したがって、第1の中断期間T2では、基板温度を下降させつつ、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを供給する。
第2の成膜期間T3では、水素ガスを基板110に供給しないで窒素ガスを基板110に供給する。第2の成膜期間T3における基板温度は、700℃以上950℃以下の範囲内である。
第2の中断期間T4では、水素ガスを基板110に供給しないで窒素ガスを基板110に供給する。第2の中断期間T4では、基板温度を第2の成膜期間T3の基板温度から第1の成膜期間T1の基板温度まで上昇させる。
3−2.第1の中断工程における混合ガス
第1の中断工程では、混合ガスにおける窒素ガスの体積と水素ガスの体積との和に対する水素ガスの体積の比(以下、「水素ガスの混合比」という)Xを20%以上100%以下の範囲内とする。ここで、水素ガスの混合比Xは、以下の式を満たす。
X = VH2 /(VH2 +VN2
VH2 :水素ガスの体積
VN2 :窒素ガスの体積
なお、好ましくは、水素ガスの混合比Xは、40%以上95%以下である。より好ましくは、水素ガスの混合比Xは、50%以上80%以下である。これらの数値範囲については、後述する。
3−3.極性反転欠陥密度
半導体層をGa面側にエピタキシャル成長させる際に、III 族元素面の一部にN面が混合することがある。このように、N面が混合した箇所を極性反転欠陥といい、単位面積当たりの極性反転欠陥の数を極性反転欠陥密度という。この極性反転欠陥密度は、エピタキシャル成長するにしたがって増加する傾向にある。つまり、エピタキシャル成長の終期の極性反転欠陥密度は、エピタキシャル成長の初期の極性反転欠陥密度よりも高いのが一般的である。
本実施形態では、第1の中断期間T2に、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスをエピタキシャル成長層に供給する。水素ガスは、エピタキシャル成長層の表面をエッチングする。ここで、極性反転欠陥は、欠陥のない箇所に比べてエッチングを受けやすい。つまり、この製造方法は、極性反転欠陥を優先的にエッチングする。
本実施形態では、第2の中断期間T4に、水素ガスを供給しない。そのため、水素ガスがp型クラッド層170のp型InGaN層172をエッチングするおそれがほとんどない。そのため、p型InGaN層172の表面に損傷を与えるおそれがない。
このように、本実施形態の製造方法では、p型クラッド層170のp型AlGaN層171の表面から、極性反転欠陥を優先的にエッチングする。これにより、極性反転密度の上昇を抑制することができる。そして、p型InGaN層172を形成する前に、水素ガスの供給を停止する。そのため、水素ガスがp型クラッド層170のp型InGaN層172に損傷を与えるおそれはない。
4.半導体発光素子の製造方法
続いて、本実施形態に係る半導体発光素子の製造方法について説明する。本実施形態の半導体発光素子の製造方法は、基板の上にn型半導体層を形成するn型半導体層形成工程と、n型半導体層の上に発光層を形成する発光層形成工程と、発光層の上にp型半導体層を形成するp型半導体層形成工程と、を有する。
ここでは、基板110の上に半導体層の結晶をエピタキシャル成長させる。そのエピタキシャル成長の方法として、有機金属化学気相成長法(MOCVD)を用いる。ここで用いるキャリアガスは、水素ガス(H2 )もしくは窒素ガス(N2 )もしくは水素ガスと窒素ガスとの混合ガス(H2 +N2 )である。窒素源として、アンモニアガス(NH3 )を用いることができる。Ga源として、トリメチルガリウム(Ga(CH3 3 :以下、「TMG」という。)を用いることができる。In源として、トリメチルインジウム(In(CH3 3 :以下、「TMI」という。)を用いることができる。Al源として、トリメチルアルミニウム(Al(CH3 3 :以下、「TMA」という。)を用いることができる。n型ドーパントガスとして、シラン(SiH4 )を用いることができる。p型ドーパントガスとして、シクロペンタジエニルマグネシウム(Mg(C5 5 2 :以下、「CP2 Mg」という。)を用いることができる。
4−1.n型半導体層形成工程
4−1−1.n型コンタクト層形成工程
まず、基板110の上に低温バッファ層120を形成する。そして、低温バッファ層120の上にn型コンタクト層130を形成する。基板温度は、例えば、1080℃以上1140℃以下である。
4−1−2.n型静電耐圧層形成工程
次に、n型コンタクト層130の上にn型静電耐圧層140を形成する。基板温度は、例えば、750℃以上950℃以下である。
4−1−3.n型クラッド層形成工程
次に、n型静電耐圧層140の上にn型クラッド層150を形成する。基板温度は、例えば、700℃以上950℃以下である。
4−2.発光層形成工程
続いて、n型クラッド層150の上に発光層160を形成する。そのために、単位積層構造を繰り返し形成する。その繰り返し回数は、前述のとおりである。単位積層構造を、InGaN層と、GaN層と、AlGaN層とを、下層からこの順序で積層する。InGaN層を、成長温度750℃以上800℃以下の範囲内の温度で成長させる。そのために、TMI、TMG、アンモニアの原料ガスを供給する。AlGaN層を、成長温度850℃以上950℃以下の範囲内の温度で成長させる。そのために、TMA、TMG、アンモニアの原料ガスを供給する。
4−3.p型半導体層形成工程
4−3−1.p型クラッド層形成工程
次に、発光層160の上にp型クラッド層170を形成する。前述したように、第1のp型半導体層形成工程と、第1の中断工程と、p型InGaN層形成工程と、第2の中断工程と、を実施する。第1のp型半導体層形成工程では、CP2 Mg、TMA、TMG、アンモニアを供給することにより、p型AlGaN層171を形成する。
第1の中断工程では、基板温度を下降させつつ、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを基板110に供給する。すなわち、第1の中断工程の開始時に水素ガスの供給を開始し、第1の中断工程の終了時に水素ガスの供給を停止する。それとともに、第1の中断工程の期間内には、基板温度を下降させる。このように、第1の中断工程の第1の中断期間T2では、基板温度を下降させながら、水素ガスを供給することとなる。
p型InGaN層形成工程では、CP2 Mg、TMI、TMG、アンモニアを供給することにより、p型InGaN層172を形成する。第2の中断工程では、基板温度を上昇させつつ、窒素ガスを基板110に供給する。
4−3−2.p型コンタクト層形成工程
続いて、p型クラッド層170の上にp型コンタクト層180を形成する。基板温度は、例えば、900℃以上1050℃以下である。p型コンタクト層180を形成した後の様子を図4に示す。
4−4.透明電極形成工程
次に、p型コンタクト層180の上に透明電極190を形成する。そのために、スパッタリング等を用いればよい。透明電極190を形成する領域は、n電極N1を形成する領域を除いた領域である。
4−5.電極形成工程
次に、p型コンタクト層180の表面側からドライエッチングを行って、n型コンタクト層130の途中まで達する溝を形成する。これにより、図5に示すように、n型コンタクト層130の一部を露出させる。そして、露出させたn型コンタクト層130の上にn電極N1を形成する。また、透明電極190の上にp電極P1を形成する。
4−6.素子分離工程
次に、半導体層および電極を形成した基板110を素子に分割する。そのために、レーザー装置や、ブレーキング装置を用いればよい。
4−7.その他の工程
また、上記の他に、保護膜を形成する保護膜形成工程と、半導体層に熱処理を施す熱処理工程と、その他の工程と、を実施してもよい。以上により、図1に示した発光素子100が製造される。
5.実験
5−1.極性反転欠陥密度
ここで、p型クラッド層170について実施した実験について説明する。本実験では、p型クラッド層形成工程の第1の中断工程において、水素ガスの混合比Xを変えてp型クラッド層170を形成した。そして、極性反転欠陥密度を測定した。ここで、極性反転欠陥密度を測定した箇所は、p型クラッド層170とp型コンタクト層180との境界面の位置である。また、発光素子100を作製して駆動電圧を測定した。
図6は、水素ガスの混合比Xを変えた場合における極性反転欠陥密度を示すグラフである。図6の横軸は、水素ガスの混合比Xである。図6の縦軸は、極性反転欠陥密度である。図6に示すように、第1の中断期間T2に水素ガスを混合させた場合では、極性反転欠陥密度は比較的低い。
水素ガスの混合比Xが20%以上100%以下の場合(図6の矢印L1)に、極性反転欠陥密度は、1.2×109 cm-2以下である。水素ガスの混合比Xが40%以上95%以下の場合(図6の矢印L2)に、極性反転欠陥密度は、9.0×108 cm-2以下である。水素ガスの混合比Xが50%以上80%以下の場合(図6の矢印L3)に、極性反転欠陥密度は、8.0×108 cm-2以下である。
このように、混合ガスにける水素ガスの混合比Xは、20%以上100%以下であるとよい。好ましくは、水素ガスの混合比Xは、40%以上95%以下である。さらに好ましくは、水素ガスの混合比Xは、50%以上80%以下である。
5−2.駆動電圧
ここでは、p型クラッド層形成工程の第1の中断工程において、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを用いた発光素子(実施例)と、水素ガスを用いずに窒素ガスを用いた発光素子(比較例)と、を作製した。そして、両者の駆動電圧を比較した。
図7は、駆動電圧Vfと順方向電流Ifとの関係を示すグラフである。図7に示すように、窒素ガスを用いた発光素子(比較例)より窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを用いた発光素子(実施例)のほうが、駆動電圧が低い。
また、表1に示すように、順方向電流Ifが1000mAのときに、水素ガスを含む混合ガスを用いて製造した発光素子の場合では、駆動電圧が4.08Vである。順方向電流Ifが1000mAのときに、水素ガスを供給しないで製造した発光素子の場合では、駆動電圧が4.13Vである。そして、順方向電流Ifが2000mAのときに、水素ガスを含む混合ガスを用いて製造した発光素子の場合では、駆動電圧が4.87Vである。順方向電流Ifが2000mAのときに、水素ガスを供給しないで製造した発光素子の場合では、駆動電圧が4.93Vである。
[表1]
If Vf(水素ガス無し) Vf(水素ガス有り)
1000mA 4.13V 4.08V
2000mA 4.93V 4.87V
このように、第1の中断期間T2の間に、窒素ガスと水素ガスとの混合気体を供給することにより、p型AlGaN層171の極性反転欠陥密度を減少させることができる。そのため、それ以降に成長させる半導体層における極性反転欠陥密度は、従来の半導体発光素子に比べて低い。そのため、本実施形態の発光素子100の駆動電圧Vfは低い。
6.変形例
6−1.p型クラッド層
本実施形態では、p型クラッド層170にp型AlGaN層171を用いることとした。しかし、p型AlGaN層171の代わりに、p型GaN層を形成することとしてもよい。
6−2.p型クラッド層の形成順序
また、本実施形態では、p型AlGaN層171を形成してからp型InGaN層172を形成することとした。しかし、p型InGaN層から先に形成することとしてもよい。その場合であっても、p型AlGaN層を形成した後の中断期間に、水素ガスと窒素ガスとの混合ガスを供給すればよい。
6−3.混合ガス
なお、p型クラッド層形成工程の第1の中断工程で供給する混合ガス以外に、アンモニア等のガスを供給してもよい。
6−4.組み合わせ
上記の変形例を自由に組み合わせてもよい。
7.まとめ
以上詳細に説明したように、本実施形態のIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法では、p型クラッド層形成工程の第1の中断工程T2で水素ガスと窒素ガスとの混合ガスを供給することとした。そのため、p型AlGaN層171の表面の極性反転欠陥を減少させることができる。これにより、駆動電圧Vfの低い発光素子100が実現されている。
なお、本実施形態は単なる例示にすぎない。したがって当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。本実施形態では、エピタキシャル成長の方法として、有機金属気相成長法(MOCVD)を用いることとした。しかし、ハイドライド気相エピタキシー法(HVPE)などの気相成長法を用いてもよい。
8.付記
第1の中断工程では、基板温度を下降させつつ、水素ガスと窒素ガスとの混合ガスを供給する。また、第1の中断工程の開始時に水素ガスの供給を開始し、第1の中断工程の終了時に水素ガスの供給を停止する。
100…発光素子
110…基板
120…低温バッファ層
130…n型コンタクト層
140…n型静電耐圧層
150…n型クラッド層
160…発光層
161…InGaN層
162…GaN層
163…AlGaN層
170…p型クラッド層
171…p型AlGaN層
172…p型InGaN層
180…p型コンタクト層
190…透明電極
Ep1…半導体層
P1…p電極
N1…n電極

Claims (2)

  1. 基板の上にn型半導体層を形成するn型半導体層形成工程と、
    前記n型半導体層の上に発光層を形成する発光層形成工程と、
    前記発光層の上にp型半導体層を形成するp型半導体層形成工程と、
    を有するIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
    前記p型半導体層形成工程は、
    p型クラッド層を形成するp型クラッド層形成工程を有し、
    前記p型クラッド層形成工程は、
    p型AlGaN層を形成するp型AlGaN層形成工程と、
    前記p型AlGaN層形成工程の後に半導体層の成長を中断する第1の中断工程と、
    前記第1の中断工程の後にp型InGaN層を形成するp型InGaN層形成工程と、
    前記p型InGaN層形成工程の後に半導体層の成長を中断する第2の中断工程と、
    を有し、
    前記第1の中断工程では、
    窒素ガスと水素ガスとを含む混合ガスを前記基板に供給し、
    前記水素ガスにより前記p型AlGaN層の表面の極性反転欠陥をエッチングし、
    前記p型AlGaN層形成工程および前記p型InGaN層形成工程および前記第2の中断工程では、
    水素ガスを前記基板に供給しないで窒素ガスを前記基板に供給すること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
  2. 請求項1記載のIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
    前記第1の中断工程では、
    前記混合ガスにおける窒素ガスの体積と水素ガスの体積との和に対する水素ガスの体積の比を20%以上100%以下の範囲内とすること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
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