JP2918517B2 - GaN系化合物半導体素子の製造方法 - Google Patents

GaN系化合物半導体素子の製造方法

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JP2918517B2 JP18586497A JP18586497A JP2918517B2 JP 2918517 B2 JP2918517 B2 JP 2918517B2 JP 18586497 A JP18586497 A JP 18586497A JP 18586497 A JP18586497 A JP 18586497A JP 2918517 B2 JP2918517 B2 JP 2918517B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光素子の
製造方法に関し、特に紫外から緑色までの発光素子に用
いられるInGaAlN系ヘテロ構造LED、LD等の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】表示
等やフルカラー式ディスプレイ等に使用されるGaN系
発光素子を例にとって、従来提案されている製造例に基
づいて、GaN系半導体素子の製造方法について説明す
る。
【0003】図1は、GaN系発光素子一構造例を概略
的に示す断面図である。図9は、処理温度と時間経過を
示すタイムチャートである。各層の成長方法としては、
有機金属気相成長法(以下、MOCVD法という)が用
いられる。
【0004】まず、バッファ層の成長の前にサファイア
基板1に対して、水素キャリアガスだけでサーマルクリ
ーニングを行う。その後、キャリアガスはそのままで5
20℃まで降温し、次いで、キャリアガスを次のように
切り替える。即ち、窒素と水素の割合が、1:3になる
ようにキャリアガスを切り替え、V族原料であるNH3
とIII 族原料であるTMGとを一定量供給し、厚さ50
nmのGaNバッファ層2を成長させる。V族原料であ
るNH3 は、これ以降のプロセスにおいては成長中はも
ちろんのこと、成長中断中においても常に供給されるよ
うに設定されている。
【0005】その後、キャリアガスは切り替えずに11
00℃まで昇温し、TMGおよびSiH4 を供給し、厚
さ4μmのSiドープn型GaNクラッド層3を成長さ
せる。このSiドープn型GaNクラッド層3の成長
後、キャリアガスはそのままとして800℃まで降温す
る。温度が800℃で一定になった状態で、キャリアガ
スである窒素と水素の割合を1:1に切り替え、成長層
原料であるTMIとTMGと発光中心原料であるSiH
4 とDMZnとを供給し、厚さ0.2μmのZn、Si
ドープInGaN発光層4を成長させる。ここで、本明
細書においては、窒素:水素の割合が1:1の場合も窒
素リッチ状態と定義するものとする。
【0006】このSiドープInGaN発光層4の成長
後、キャリアガスである窒素と水素の比を1:3に戻し
(すなわち水素リッチの状態にし)、1100℃まで昇
温する。1100℃に昇温後においては、キャリアガス
はそのままとし、TMAとTMGおよびドーパントであ
るCp2 Mgを供給し、厚さ0.2μmのMgドープp
型AlGaN層5を成長させる。最後に、TMGとCp
2 Mgを供給して、厚さ0.3μmのp型GaN層6を
成長させる。さらに、キャリアガスはそのままで、成長
を中断させたままの状態で室温まで降温することによっ
て、図1に示すようなGaN系発光素子が得られる。
【0007】このようにして得られるInGaN発光層
は、InNの窒素の平衡圧がGaNに比べて2桁ほど高
く、また、GaNより200℃ほど低温度で成長するた
め、従来の方法でInGaN発光層の上層にAlGaN
層を成長させる場合には、一旦成長を中断し、さらに昇
温してInGaN層上にAlGaN層を成長させなけれ
ばならなかった。
【0008】そのため、InGaN発光層は高温状態
(すなわち、800℃から1100℃への昇温時)にお
いて安定に保持する必要があった。しかしながら、本発
明者の知見によれば、上述した従来の方法においては、
昇温過程におけるキャリアガスとして、窒素と水素の割
合が1:3の水素リッチなガスを使用していたため、I
nGaN発光層を安定に保持することができないことが
判明している。すなわち、NH3 は、水素雰囲気中にお
いては窒素の2倍以上の大きな拡散係数を有しているた
め、水素リッチである前記の条件下においては、基板近
傍のNH3 濃度が低くなってしまうという現象が生じ、
このため、InGaN発光層のNが解離しやすくなり、
InGaN発光層の分解による結晶の劣化あるいは厚さ
の減少・消失を招くという問題があった。したがって、
上述した方法で得られる発光素子は、極端な場合にはI
nGaN発光層のない、あるいはこの層が残っていたと
しても結晶性の著しく低下した層として残存しているた
め、発光効率および信頼性の低下したものであった。
【0009】したがって、本発明は、上述した従来提案
されている方法に伴う問題点を解消することに向けられ
たものであって、高品質で結晶性にすぐれたInGaA
lN発光層を形成し得る、高品質GaN系化合物半導体
素子の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述したように、GaN
系化合物半導体を1000℃程度の高い温度で気相成長
する場合、もしくはInGaAlN層のように熱的に不
安定なInを含む混晶を800℃前後の温度で成長させ
る場合、成長中断プロセスにおいてはInGaAlN層
からのNの解離やHキャリアガスによる還元作用によ
り、一旦形成された成長層が、成長中断工程での著しい
昇華作用により結晶の劣化や膜厚の変動にさらされ、こ
のため素子特性(発光効率や光出力)を低下させるとい
う問題があった。
【0011】本発明においては、積極的にこの成長中断
工程に着目し、特に昇温、降温および流量変更に伴うす
べての成長中断工程における工程条件を最適状態に制御
することによって上記問題を解決しようとするものであ
る。
【0012】すなわち、本発明によるGaN系化合物半
導体素子の製造方法は、(Ga1−xAl1−y
N(0≦x≦1,0≦y≦1)系結晶材料からなる
複数の層を気相成長させるに際し、形成する層と層との
間において成長を中断する成長中断工程の少なくとも一
つの成長中断工程における雰囲気として、V族原料ガス
を含む雰囲気であり、かつ、V族原料ガス以外のキャリ
アガスとして水素ガスと不活性ガスとの混合ガスであっ
て水素ガスの流量に対する不活性ガスの流量の比率が1
以上である混合ガスを用いることによって、前記成長中
断工程において露出している層の分解を防止するように
したことを特徴とするものである。または、本発明によ
るGaN系化合物半導体素子の製造方法は、(Ga
1−xAl1−yInN(0≦x≦1,0≦y≦
1)系結晶材料を気相成長させるに際し、最終層の成長
の終了後の降温過程において、V族原料ガスを含む雰囲
気であり、かつ、V族原料ガス以外のキャリアガスとし
て不活性ガスを含んだ雰囲気中で室温まで冷却すること
によって、前記降温過程において露出している層の分解
を防止するようにしたことを特徴とするものである。ま
たは、本発明のGaN系化合物半導体素子の製造方法
は、InGa1−xN(0<x≦1)/AlGa
1−yN(0≦y≦1)系結晶材料を気相成長させる工
程において、InGa1−xN層を温度Tで成長さ
せた後、V族原料ガスを含む所定雰囲気の下、温度T
(ただし、T≦T)でAlGa1−yN層を成長
させるまでの温度保持過程または昇温過程を含む成長中
断工程の間、前記V族原料ガスのキャリアガスとして水
素ガスと不活性ガスとの混合ガスであって水素ガスの流
量に対する不活性ガスの流量の比率が1以上である混合
ガスを用いることによって、前記InGa1−xN層
表面近傍から前記雰囲気中へのV族原料ガスの拡散を抑
制し、かつ、InGa1−xN層表面近傍のV族原料
の蒸気圧を実質的に高めてInGa1−xN層の昇華
を防止するようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によるGaN系半導体素子
の製造方法の具体的態様について、表示等やフルカラー
式ディスプレイ等に使用されるGaN系発光素子を例に
とって説明する。
【0014】図1は、GaN系発光素子の一構造例を概
略的に示す断面図である。図2は、処理温度と時間経過
を示すタイムチャートである。この例においては、各層
の成長方法として、有機金属気相成長法(MOCVD法
という)が用いられる。
【0015】まず、バッファ層の成長の前にサファイア
基板1に対して、水素キャリアガスだけでサーマルクリ
ーニングを行う。その後、キャリアガスはそのままで5
20℃まで降温し、次いで、キャリアガスを次のように
切り替える。即ち、窒素と水素の割合が、1:3になる
ようにキャリアガスを切り替え、V族原料であるNH3
とIII 族原料であるTMGとを一定量供給し、厚さ50
nmのGaNバッファ層2を成長させる。V族原料であ
るNH3 は、これ以降のプロセスにおいては成長中はも
ちろんのこと、成長中断中においても常に供給されるよ
うに設定されている。
【0016】その後、キャリアガスは切り替えずに11
00℃まで昇温し、TMGおよびSiH4 を供給し、厚
さ4μmのSiドープn型GaNクラッド層3を成長さ
せる。このSi−GaN層の成長後、キャリアガスはそ
のままとして800℃まで降温する。温度が800℃で
一定になった状態で、キャリアガスである窒素と水素の
割合を1:1に切り替え、成長層原料であるTMIとT
MGと発光中心原料であるSiH4 とDMZnとを供給
し、厚さ0.2μmのZn、SiドープInGaN発光
層4を成長させる。
【0017】このInGaN層の成長後、キャリアガス
である窒素と水素の比を3:1にし、1100℃まで昇
温する。1100℃に昇温した後においては、キャリア
ガスである窒素と水素の比を1:3に戻し、TMAとT
MGおよびドーパントであるCp2 Mgを供給し、厚さ
0.2μmのMgドープp型AlGaN層5を成長させ
る。最後に、TMGとCp2 Mgを供給して、厚さ0.
3μmのp型GaN層6を成長させる。さらに、キャリ
アガスはそのままで、成長を中断させたままの状態で室
温まで降温することによって、図1に示すようなGaN
系発光素子が得られる。
【0018】また、付加的効果として、室温まで降温す
る間に不活性ガス雰囲気を用いることで、MgドープG
aN層がas−grownでp型化することもできる。
【0019】上記の実施例においては、V族原料ガスと
してNH3 をキャリアガスとして窒素リッチの窒素と水
素の混合ガスを用いたが、前述したように、窒素以外の
Ne、Ar、Kr、XeおよびSF6 などの不活性ガス
も同様に用いることができる。
【0020】前述したように、InGaN層を発光層、
AlGaN層をクラッド層とするダブルヘテロ構造デバ
イスの製作においては、InGaN層成長後の昇温過程
で用いるキャリアガスとしては、窒素と水素の割合が
1:3であるような水素リッチのガスが使用されてい
た。このように水素リッチのガスを使用する理由は、水
素の方が窒素よりも高純度のキャリアガスが精製できる
ためである。
【0021】しかしながら、上述したように、このよう
な条件では、InGaN層が分解して膜の消失や減少あ
るいは結晶性低下が発生するという問題があった。これ
は、NH3 の拡散係数は、窒素ガス中より水素ガス中の
ほうがはるかに大きく、従来技術のようにキャリアガス
が水素リッチでは、NH3 が拡散してNH3 濃度が低く
なるため、InGaN層の“N”の分解を抑制する効果
低下するためであると考えられる。
【0022】本発明にように、キャリアガスとして上記
のような不活性ガスを用いることによって、NH3 濃度
を高く維持することができ、InGaN発光層の昇温過
程での分解を有意に抑制することができる。
【0023】次に、本発明の上述した実施例および冒頭
で述べた比較例で得られた素子について、アニールによ
るInGaN層表面が受ける変化について説明する。
【0024】まず、各々、InGaN層成長後の同一の
ウェーハについて、図3に示す温度プロファイルに従っ
て、窒素リッチ条件(実施例)と水素リッチ条件(比較
例)で、室温から1100℃まで昇温し、アニールを実
施し、InGaN層の表面のSEM写真を撮影した。図
4は、アニール前のInGaN層の表面のSEM写真で
ある。図5(比較例)は、水素リッチ雰囲気でのアニー
ル処理後の表面状態を示し、図6(実施例)は、窒素リ
ッチ雰囲気でのアニール処理後の表面状態を示す。これ
らから、InGaN層の表面は、水素リッチの場合は著
しい劣化があるのに対し、窒素リッチの場合はほとんど
変化はみられないことが分かる。
【0025】図7は、InGaN層のアニールの時間に
よるX線強度の変化を示すグラフである。X線強度にお
いても、比較例のように水素リッチガスを使用した場合
は、70%程度強度低下するのに対して、窒素リッチガ
スを使用した実施例の場合においては、X線強度は実質
的に低下しないことが確認された。
【0026】さらに、図8にLED相対輝度の測定値を
示す。このグラフから、本発明の実施例に係る発光素子
の輝度は、比較例のものに比べて10倍以上に及ぶ輝度
の向上が認められる。
【0027】図10は、GaN系MQW構造青色レーザ
素子の一構造例を概略的に示す断面図である。
【0028】図11は、処理温度と時間経過を示すタイ
ムチャートである。この例においても、各層の成長方法
としては、有機金属気相成長法が用いられる。
【0029】まず、バッファ層の成長の前にサファイア
基板に対し、水素キャリアガスだけでサーマルクリーニ
ングを行う。その後、キャリアガスはそのままで、52
0℃まで降温し、次いでキャリアガスを次の様に切り替
える。即ち、窒素と水素の割合が、例えば1:3になる
ようにキャリアガスを切り替え、V族原料であるNH
とIII族原料であるTMGとを一定量供給し、厚さ5
0nmのGaNバッファ層を成長させる。ここで、V族
原料であるNHは、これ以降のプロセスにおいては成
長中はもちろんのこと、成長中断中においても常に供給
されるように設定されている。
【0030】その後、1050℃まで昇温するが、昇温
前にキャリアガスを窒素と水素の比率を例えば3:1に
切り替える。昇温後、TMG及びSiHを供給し、厚
さ4μmのSiドープのn型GaN層を成長させる。こ
の後、AlGaNクラッド層を成長するが、NHとT
MAとの中間反応がおきやすいため、総流量を変える必
要がある。そこで、成長を中断してキャリアガスの組成
比を窒素と水素の比率を3:1にしたまま、総流量を例
えば1.5倍にする。
【0031】その後、TMG、TMA及びSiHを供
給し、0.25μmのSiドープのn型Al0.15Ga
0.85Nクラッド層を成長させる。
【0032】次いで、窒素と水素の比率は3:1のまま
キャリアガス総流量を元に戻し、温度を700℃まで降
温する。その後、0.1μmのアンドープGaN層を成
長させる。
【0033】その後、一定時間のインタバルを入れてT
MG、TMIをウエル層とバリア層それぞれのIn組成
に応じて供給し、20AのアンドープIn0.20Ga0.80
Nウエル層と40AのアンドープIn0.05Ga0.95Nバ
リア層の交互に10ペア成長させる。
【0034】次いで、窒素と水素の比率を3:1にして
1050℃まで昇温する。その後、窒素と水素の比率は
そのままにして総流量を1.5倍にする。さらに、TM
G、TMA及びCpMgを供給しMgドープp型Al
0.15Ga0.85N層クラッド層を成長させる。
【0035】さらにその後、成長中断して、総流量を元
に戻しかつキャリアガスである窒素と水素の比率を3:
1として、厚さ0.1μmのMgドープGaN層を成長
させる。成長層終了後、窒素と水素キャリアガス割合を
3:1にしたまま室温まで降温する。このようにして、
GaN系MQW構造青色レーザダイオードが形成され
る。
【0036】また、付加的効果として、降温中に不活性
ガス雰囲気を用いることで、MgドーブGaN層がas
−grownでP型化することもできる。
【0037】上記の実施例においては、V族原料ガスと
してNHをキャリアガスとして窒素リッチと水素リッ
チの混合ガスを用いたが、前述したように、窒素以外の
He、Ne、Ar、Kr、XeおよびSFなどの不活
性ガスも同様に用いることができる。また、V族原料ガ
スとしてNH、N、NCHおよびN
(CHからなる群から選ばれた原料を用いる
ことができる。
【0038】従来の方法においては、同温度であっても
成長を中断してGaN成長からAlGaN層成長への移
行の際にあるいはInGaN系MQW層からAlGaN
層成長への移行の際に総流量を増大させるような場合、
キャリアガスとしては窒素と水素の割合が1:3である
ような水素リッチのガスが使用されていた。これは、水
素のほうが窒素よりも高純度のキャリアガスが精製でき
るためである。
【0039】しかしながら、上述したように、このよう
な条件下では、GaN層が分解して膜の減少や結晶性が
低下するなどの問題があった。これは、NHの拡散係
数は、窒素ガス中より水素ガス中のほうがはるかに大き
く、従来技術のようにキャリアガスが水素キャリアガス
では、NHが拡散してNH濃度が低くなるため、G
aN層やInGaN系MQW層やAlGaN層の“N”
(窒素)の分解を抑制する効果が低下するためであると
考えられる。
【0040】また、水素ガスはGaN層、InGaN
層、AlGaN層を化学的に還元してしまう作用があ
り、この点からも膜の減少や結晶性の低下が発生すると
いう問題があった。
【0041】本発明の方法においては、キャリアガスと
して上記のような不活性ガスを用いることによって、系
内のNH濃度を高く維持し、“N”の抜けを抑制する
のみならず、キャリアガス水素ガスによる還元作用を抑
制することが可能となる。
【0042】次に、発光層をGaN層とする紫外光LE
D発光素子を例にとって、本発明の別の好ましい実施例
について説明する。
【0043】図12は、GaN系紫外発光素子の一構造
例を概略的に示す断面図である。また図13は、処理時
間と時間経過を示すタイムチャートである。この例にお
いては、各層の成長方法として、前記と同様の有機金属
気相成長法(MOCVD)が用いられる。
【0044】まず、バッファ層成長の前にサファイア基
板に対して、水素キャリアガスだけでサーマルクリーニ
ングを行なう。その後、キャリアガスはそのままで52
0℃まで降温し、次いで、キャリアガスを次のように切
り替える。即ち、窒素と水素の割合が、例えば1:3に
なるようにキャリアガスを切り替え、V族原料ガスであ
るNHと III族原料であるTMGを一定量供給し、5
0nmのGaNバッファ層を成長させる。ここで、V族原
料ガスであるNHは、これ以降のプロセスにおいては
成長中は勿論のこと、成長中断においても常に供給され
るようになっている。
【0045】その後、成長を中断してキャリアガス窒素
と水素の割合を、例えば3:1にするようにする。その
後1100℃まで昇温する。
【0046】その後、TMG及びSiHを供給し、厚
さ4μmのSiドープn型GaN層を成長させる。この
Si−GaN成長を中断し、キャリアガスの比率はその
ままとして総流量を1.5倍まで増大させる。
【0047】その後、TMG,TMA及びSiHを供
給し、厚さ0.2μmのSiドープn型AlGa
1−zN層(0<z≦1)を成長させる。このSi−A
Ga1−zN層(0<z≦1)を成長させた後、成
長を中断しキャリアガス流量の比率はそのままとして総
流量をもとの流量にもどす。
【0048】その後、TMGとSiHを供給し、厚さ
0.1μmのGaN活性層を成長させ。再び、成長を中
断し、キャリアガスの比率はそのままにして総流量を
1.5倍まで増大する。
【0049】その後、TMG,TMA及びCPMgを
供給し、厚さ0.2μmのMgドープp型AlGa
1−zN層(0<z≦1)を成長させる。再び、成長中
断して、キャリアガス流量の比率はそのままにして総流
量をもとの流量に戻す。
【0050】その後、TMG及びCPMgを所定量供
給じ、厚さ0.1μmのMgドープGaN層を成長させ
る。その後、キャリアガスはそのままで、成長中断させ
たまま降温させることによって、図12に示すGaN系
紫外発光素子が得られる。
【0051】また、付加的効果として、降温中に不活性
ガス雰囲気を用いることで、MgドーブGaN層がas
−grownでP型化することもできる。
【0052】上述した実施例においては、成長中断にお
ける不活性ガスとHガスとの比率としたが、その比率
は1:1以上であればよく、特に3:1に限定すること
を意図するものではない。また、上記実施例において成
長中断工程をおきそのキャリアガス雰囲気を規定した
が、成長層の働きによっては、必ずしもすべての中断工
程に本発明を適用する必要はなく、目的に応じて、少な
くとも1以上の成長中断工程に適用することで足りる。
【0053】また、得られる各形成層の結晶状態に着目
すると、本発明による形成層においてはいずれも明瞭な
ピークを有するX線回折パターンがえられ、ピークのな
まりならびに結晶劣化のない良好な高品質結晶層を得る
ことができる。
【0054】とりわけ、図14に示すように、従来の方
法で得られたInGaN系MQW層の結晶パターンには
なまりが見られるのに対して、上述した本発明の方法で
形成されたInGaN系MQW層は、高品質結晶が形成
されたことを示すサテライトピークを有するX線回折パ
ターンを有している。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、高品質で結晶性にすぐ
れたInGaN発光層を形成し得る、高品質GaN系化
合物半導体素子の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】GaN系発光素子一構造例を概略的に示す断面
図。
【図2】本発明の実施例における処理温度と時間経過を
示すタイムチャート。
【図3】アニール処理条件を示す温度プロファイル。
【図4】アニール前のInGaN層の表面の結晶状態を
示すSEM写真。
【図5】比較例におけるアニール処理後のInGaN層
の表面の結晶状態を示すSEM写真。
【図6】実施例におけるアニール処理後のInGaN層
の表面の結晶状態を示すSEM写真。
【図7】InGaN層のアニールの時間によるX線強度
の変化を示すグラフ。
【図8】LED相対輝度の測定値を示すグラフ。
【図9】従来例における処理温度と時間経過を示すタイ
ムチャート。
【図10】GaN系MQW構造青色レーザ素子の一構造
例を概略的に示す断面図。
【図11】本発明の実施例における処理温度と時間経過
を示すタイムチャート。
【図12】GaN系紫外発光素子の一構造例を概略的に
示す断面図。
【図13】本発明の実施例における処理温度と時間経過
を示すタイムチャート。
【図14】従来の方法ならびに本発明の方法で得られた
GaN系MQW構造のX線回折パターンを示すグラフ。
【符号の説明】
1 サファイア基板 2 バッファ層 3 Si−GaN層 4 Zn,Si−InGaN層 5 Mg−AlGaN層 6 Mg−GaN層

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(Ga1−xAl1−yInN(0
    ≦x≦1,0≦y≦1)系結晶材料からなる複数の層を
    気相成長させるに際し、形成する層と層との間において
    成長を中断する成長中断工程の少なくとも一つの成長中
    断工程における雰囲気として、V族原料ガスを含む雰囲
    気であり、かつ、V族原料ガス以外のキャリアガスとし
    て水素ガスと不活性ガスとの混合ガスであって水素ガス
    の流量に対する不活性ガスの流量の比率が1以上である
    混合ガスを用いることによって、前記成長中断工程にお
    いて露出している層の分解を防止するようにしたことを
    特徴とする、GaN系化合物半導体素子の製造方法。
  2. 【請求項2】前記少なくとも一つの成長中断工程は、昇
    温または降温を伴う工程を含むことを特徴とする請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】(Ga1−xAl1−yInN(0
    ≦x≦1,0≦y≦1)系結晶材料を気相成長させるに
    際し、最終層の成長の終了後の降温過程において、V族
    原料ガスを含む雰囲気であり、かつ、V族原料ガス以外
    のキャリアガスとして不活性ガスを含んだ雰囲気中で室
    温まで冷却することによって、前記降温過程において露
    出している層の分解を防止するようにしたことを特徴と
    する、GaN系化合物半導体素子の製造方法。
  4. 【請求項4】前記キャリアガスが、所定量内の水素ガス
    を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】水素ガスの流量に対する前記不活性ガスの
    流量の比率が、1以上であることを特徴とする請求項4
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】InGa1−xN(0<x≦1)/Al
    Ga1−yN(0≦y≦1)系結晶材料を気相成長さ
    せる工程において、InGa1−xN層を温度T
    成長させた後、V族原料ガスを含む所定雰囲気の下、温
    度T(ただし、T≦T)でAlGa1−yN層
    を成長させるまでの温度保持過程または昇温過程を含む
    成長中断工程の間、前記V族原料ガスのキャリアガスと
    して水素ガスと不活性ガスとの混合ガスであって水素ガ
    スの流量に対する不活性ガスの流量の比率が1以上であ
    る混合ガスを用いることによって、前記InGa
    1−xN層表面近傍から前記雰囲気中へのV族原料ガス
    の拡散を抑制し、かつ、InGa1−xN層表面近傍
    のV族原料の蒸気圧を実質的に高めてInGa1−x
    N層の昇華を防止するようにした、GaN系化合物半導
    体素子の製造方法。
  7. 【請求項7】温度Tと温度Tが下記の範囲条件を満
    足する、請求項6に記載の方法。 400℃≦T≦950℃ 600℃≦T≦1300℃
  8. 【請求項8】前記V族原料ガスが、NH、N
    CHおよびN(CHからなる群
    から選ばれた少なくとも1種を含み、前記不活性ガス
    が、N、He、Ne、Ar、Kr、XeおよびSF
    からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項
    1〜7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 【請求項9】前記V族原料ガスの前記キャリアガスに対
    する拡散係数が、水素ガスに対する拡散係数より小さ
    い、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 【請求項10】当該方法によって形成されるInGaN
    系MQW層が、サテライトピークを有するX線回折パタ
    ーンを有する、請求項1〜9のいずれか1つに記載の方
    法。
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