JP2016178173A - 発光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光層にかかる歪を減少させて発光効率を向上させるIII族窒化物半導体からなる発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子は、サファイアからなる基板上に、III族窒化物半導体からなるnコンタクト層、nESD層、nクラッド層、発光層14、pクラッド層、pコンタクト層が順に位置している。発光層14はMQW構造であり、井戸層140、キャップ層141、障壁層142を順に積層させた構造を単位として繰り返し積層させた構造である。井戸層140のうち、第1井戸層140aのIn組成比のみは他の井戸層140bのIn組成よりも小さくし、かつ、他の井戸層140bそれぞれのIn組成比は等しくしている。さらに、第1井戸層140aのIn組成比は、第1井戸層140aの発光波長が他の井戸層140bの発光波長と等しくなるようにしている。
【選択図】図2

Description

本発明はIII 族窒化物半導体からなる発光素子に関し、特に発光層の構造に特徴を有するものである。
III 族窒化物半導体からなる発光素子では、発光層として井戸層と障壁層とを繰り返し積層したMQW構造が広く採用されている。また、井戸層にはInGaNが用いられるが、通常各井戸層のIn組成比は同一としている。
一方、特許文献1には、nクラッド層側の端部の井戸層とpクラッド層側の端部の井戸層のIn組成比を、中央部の井戸層のIn組成比よりも下げることが記載されている。これにより、nクラッド層とpクラッド層の双方から発光層に加わる歪を緩和させる旨が記載されている。
また、特許文献2には、nコンタクト層とnクラッド層との間にnESD層(静電耐圧層)を設け、nESD層にピットを発生させることが記載されており、ピットは井戸層を貫通してpコンタクト層表面まで達することが記載されている。このようなピットを発生させることで、発光層の歪を緩和し、発光効率の向上を図っている。
特許第3433038号 特開2014−110396号公報
しかし、特許文献1の方法ではnクラッド層側とpクラッド層側の双方の端部の井戸層のIn濃度を下げているが、両端部の井戸層が発光する機能を果たせず、発光効率を低下させてしまう可能性がある。
また、特許文献2のようにピットを発生させると歪を減少させることができるものの、まだ十分には歪が解消されておらず、さらなる歪の緩和が求められていた。
そこで本発明は、III 族窒化物半導体からなる発光素子について、発光層にかかる歪を低減し、発光効率の向上を図ることである。
発明者らは、上記課題である歪の低減について鋭意研究開発を重ねた結果、MQW構造の各井戸層のうち、nクラッド層側からから数えて1番目の井戸層の発光波長のみが、他の井戸層の発光波長よりも長波長側にずれていることを発見した。発光波長のずれは、結晶の歪に起因する。つまり、MQW構造の各井戸層のうち、歪の影響を大きく受けるのはn層側から数えて1番目の井戸層であることがわかった。本発明はこの発見に基づきなされたものである。
本発明は、サファイア基板上に、nコンタクト層、静電耐圧層、nクラッド層、発光層が順に積層され、発光層は、InGaNからなる井戸層と障壁層が繰り返し積層されたMQW構造であり、静電耐圧層から発光層の方向に伸びて発光層を貫通するピットを有するIII 族窒化物半導体からなる発光素子において、井戸層のうち、nクラッド層側から数えて1番目の井戸層である第1井戸層のみを、第1井戸層の発光波長と他の井戸層の発光波長とが等しくなるように、他の井戸層のIn組成比よりも小さくし、他の井戸層のIn組成比はすべて等しくした、ことを特徴とする発光素子である。
他の本発明は、サファイア基板上に、nコンタクト層、静電耐圧層、nクラッド層、発光層が順に積層され、発光層は、Inを含むIII 族窒化物半導体からなる井戸層と井戸層よりもバンドギャップが大きなIII 族窒化物半導体からなる障壁層が繰り返し積層されたMQW構造であり、静電耐圧層から発光層の方向に伸びて発光層を貫通するピットを有するIII 族窒化物半導体からなる発光素子において、井戸層のうち、nクラッド層側から数えて1番目の井戸層である第1井戸層のみを、他の井戸層のIn組成比よりも小さくし、他の井戸層のIn組成比はすべて等しくし、他の井戸層のIn組成比と第1井戸層のIn組成比の差は、0%より大きく5.2%未満とした、ことを特徴とする発光素子である。
他の井戸層の発光波長と第1井戸層の発光波長が等しくなるように、第1井戸層のIn組成比を他の井戸層のIn組成比よりも小さくすることで、発光効率を向上させることができ、発光スペクトルの半値幅も小さくすることができる。発光波長が等しいとは実質的に発光波長の区別ができない程度であればよく、たとえば発光波長の差の絶対値が2nm以下である。
また、他の井戸層のIn組成比と第1井戸層のIn組成比の差は、0%より大きく5.2%未満とするのがよい。この範囲であれば、発光効率をより向上させることができる。より望ましくは1%以上4.5%以下、さらに望ましくは2%以上3.5%以下である。
また、第1井戸層のIn組成比を他の井戸層のIn組成比よりも下げることで発光スペクトルの半値幅を低減することができ、たとえば20nm以下の発光素子を実現することができる。
本発明によれば、n層側から数えて1番目の井戸層(第1井戸層)にかかる歪が低減され、かつ第1井戸層が発光する機能を害することがなく、発光効率を向上させることができる。
実施例1の発光素子の構成を示した図。 発光層14の構成を示した図。 各井戸層140の発光波長について示したグラフ。 第1井戸層140aのIn組成比差と発光波長差の関係を示したグラフ。 第1井戸層140aのIn組成比差とPL強度比の関係を示したグラフ。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[発光素子の構成]
図1は、実施例1のIII 族窒化物半導体からなる発光素子の構成を示した図である。図1のように、実施例1の発光素子は、基板10を有している。基板10上には、図示しないAlNからなるバッファ層を介して、III 族窒化物半導体からなるnコンタクト層11、nESD層12、nクラッド層13、発光層14、pクラッド層15、pコンタクト層16が順に積層されている。また、pコンタクト層16上には透明電極17が設けられ、透明電極17上にはp電極18が設けられている。また、pコンタクト層16表面の一部領域には溝が形成され、溝底面にnコンタクト層11が露出している。そして、その露出したnコンタクト層11上にはn電極19が設けられている。
以下、実施例1の発光素子の各構成について説明する。
基板10は、c面を主面とするサファイア基板である。III 族窒化物半導体を結晶成長させる側の表面は凹凸加工(図示しない)が施されており、これにより光取り出しの向上を図っている。
nコンタクト層11は、基板10上に位置し、厚さ6μmのn−GaNであり、Si濃度は1×1018/cm3 以上である。n電極19とのコンタクトをより良好とするため、Si濃度の異なる複数の層で構成してもよい。
nESD層12は、nコンタクト層11上に位置し、素子の静電破壊を防止するための層であり、たとえばnコンタクト層11よりも低温で成長させた850nmのn−GaNである。このnESD層12から貫通転位に起因する錐状のピット20が発生していて、ピット20は発光層14側に向かって伸び、発光層14を貫通してpクラッド層15まで達している。このピット20は積層されるに従って次第に埋め込まれていき、pクラッド層15で埋め込まれ、pコンタクト層16では平坦となっている。このようにピット20を発生させることで、発光層14の歪を緩和させ、発光効率の向上を図っている。発光層14の歪は、発光層14とそれよりも下方(基板10側)の層との間の格子不整合に起因するものである。
ピット20は、nクラッド層13表面(発光層14側の面)における直径が50〜170nmである。ピット20の直径が50nm以上であれば、発光層14にかかる歪を減少させることができる。また、ピット20の直径が170nmより大きいと、実効的な発光面積が小さくなり、光出力が低下してしまう。ピット20の発生やピット20の直径はnESD層12の成長条件によって制御することができる。より望ましいピット20の直径は70〜150nm、さらに望ましくは100〜150nmである。また、nクラッド層13表面におけるピット20の密度は、1×108 〜1×109 /cm2 である。1×108 /cm2 以上とすることで発光層14にかかる歪を減少させることができる。また、1×109 /cm2 より密度が高いと、実効的な発光面積が小さくなり、光出力が低下してしまう。より望ましいピット20の密度は、1×108 〜7×108 /cm2 、さらに望ましくは1×108 〜5×108 /cm2 である。
なお、nESD層12は、静電耐圧性をさらに向上させるために、複数の層で構成してもよい。たとえば、nコンタクト層11側から順に、i−GaNとn−GaNの積層とすることができる。
nクラッド層13は、nESD層12上に位置し、厚さ2.5nmでIn組成比8%のInGaNと、厚さ0.8nmのノンドープGaNと、厚さ1.6nmのn−GaNとを順に積層した構造を単位として、これを15単位繰り返し積層したn型超格子構造である。nクラッド層13は、発光層14にかかる歪(基板10とIII 族窒化物半導体との間の格子不整合に起因する)を緩和するための層である。
発光層14は、nクラッド層13上に位置する。図2に示すように、発光層14はMQW構造であり、井戸層140、キャップ層141、障壁層142を順に積層させた構造を単位として、その単位構造を9回繰り返し積層させた構造である。
なお、実施例1では発光層14の単位構造の繰り返し回数は9回としているが、これに限るものではない。ただし、発光効率向上の観点から繰り返し回数は5〜20回とすることが望ましい。より望ましくは5〜15回である。また、ピット20による発光層14の歪の減少効果を十分とするために発光層14全体での厚さは500〜700nmとするのがよい。
井戸層140は、厚さ3.5nmのInGaNからなる。井戸層140のIn組成比については後に説明する。キャップ層141は、井戸層140側から順に厚さ0.8nmのGaN、厚さ0.8nmでAl組成比15%のAlGaNを積層させた構造である。キャップ層141は、井戸層140形成後、障壁層142形成のための昇温時に、井戸層140のInが蒸発しないように保護するために設ける層である。障壁層142は、厚さ2.5nmでAl組成比6%のAlGaNである。ただし、nクラッド層13側から数えて9番目(つまりpクラッド層15に接する層)の障壁層142のみAlGaNに替えてGaNとする。ホールが発光層14に注入されやすくするためである。
なお、井戸層140はInGaNに限らず、Inを含むIII 族窒化物半導体であればよい。障壁層142は井戸層140よりバンドギャップが大きいIII 族窒化物半導体であればよい。また、キャップ層141は必ずしも必要としないが、発光効率の向上等のためには設けることが望ましい。実施例1ではキャップ層141を複数の層で構成しているが、従来知られている任意の構造でよく、たとえばGaN、AlGaN、AlGaInNなどの単層であってもよい。
pクラッド層15は、発光層14上に位置し、厚さ0.8nmでIn組成比5%のp−InGaNと、厚さ1.5nmでAl組成比30%のp−AlGaNを順に積層した構造を単位として、これを12単位繰り返し積層した超格子構造である。
pコンタクト層16は、pクラッド層15上に位置し、厚さ70nmのp−GaNであり、Mg濃度は1×1019〜1×1022/cm3 である。透明電極17とpコンタクト層16とのコンタクトが良好となるように、pコンタクト層16を組成比やMg濃度が異なる複数の層により構成してもよい。
透明電極17は、ITOからなり、pコンタクト層11上のほぼ前面に位置する。ITO以外にも、IZO(亜鉛ドープの酸化インジウム)やICO(セリウムドープの酸化インジウム)などを用いることができる。
p電極18は、透明電極17上に位置し、透明電極17に対してオーミックコンタクトを取る。また、n電極19は、溝底面に露出したnコンタクト層11上に位置し、nコンタクト層11に対してオーミックコンタクトを取る。
[井戸層のIn組成比]
次に、発光層14の井戸層140のIn組成比について詳細に説明する。まず説明の便宜のため、nクラッド層13側から数えて1番目の井戸層を第1井戸層140aと呼び、それ以外の井戸層140(nクラッド層13側から数えて2番目から9番目の井戸層)を他の井戸層140bと呼ぶことにする。すると、各井戸層140のIn組成比は、第1井戸層140aが19.4%、他の井戸層140bがそれぞれ22%である。
つまり、井戸層140のうち、第1井戸層140aのIn組成比のみは他の井戸層140bのIn組成よりも小さくし、かつ、他の井戸層140bそれぞれのIn組成比は等しくしている。In組成比が等しいかどうかは実質的に区別できない程度であればよい。他の井戸層140bそれぞれを形成するときの成長条件(成長温度やIn源ガスの供給量など)を同一としていれば、他の井戸層140bそれぞれのIn組成比も同一であると考えてよい。第1井戸層140aのIn組成比をこのようにすることで、発光層14にかかる歪(発光層14とそれより下方の層との間の格子不整合に起因するもの)を低減することができ、発光効率の向上を図ることができる。
なお、各井戸層140のIn組成比は、形成時の成長温度やIn源ガスの供給量などの成長条件によって制御することができる。
さらに、第1井戸層140aのIn組成比は、第1井戸層140aの発光波長が他の井戸層140bの発光波長と等しくなるようにしている。ここで発光波長が等しいとは、実質的に発光波長の区別ができない程度であればよく、たとえば発光波長の差の絶対値が2nm以下であればよい。第1井戸層140aの歪の低減とIn組成比の低下によって実効的なバンドギャップが大きくなるため、第1井戸層140aの発光波長は短波長側にシフトするが、In組成比の下げ幅を適当に選べば、第1井戸層140aの発光波長と他の井戸層140bの発光波長を等しくすることができる。このように第1井戸層140aのIn組成比を設計することで、発光効率を向上させることができ、発光スペクトルの半値幅を狭くすることができる。たとえば、発光スペクトルの半値幅が20nm以下の発光素子を実現することも可能となる。また、このように第1井戸層140aのIn組成比を決定するためには、たとえば以下のようにするとよい。
まず、第1井戸層140aのIn組成比以外は実施例1の発光素子と同様の構成の波長調整用発光素子を作製する。その波長調整用発光素子として、第1井戸層140aのIn組成比をパラメータとして水準を振った数種類の素子を作製する。そして、第1井戸層140aのIn組成比と発光波長の関係を求める。この関係を線形と近似し、その傾き(In組成比に対する発光波長の変化率)を求める。次に、In組成比に対する発光波長の変化率と、発光波長の差から、第1井戸層140aのIn組成比をどれくらい下げれば他の井戸層140bの発光波長と等しくなるかを推定する。そして、第1井戸層140aのIn組成比を他の井戸層140bのIn組成比から推定した値分下げることで、第1井戸層140aの発光波長と他の井戸層140bの発光波長が等しくなるように設計することができる。
また、第1井戸層140aの発光波長が他の井戸層140bの発光波長と等しくなくてもよいが、第1井戸層140aのIn組成比と他の井戸層140bのIn組成比との差は、0%より大きく5.2%未満とするのがよい。この範囲であれば、発光効率を向上させることができる。より望ましくは1%以上4.5%以下、さらに望ましくは2%以上3.5%以下である。
このように各井戸層140のIn組成比を設定する理由を説明する。
サファイアとIII 族窒化物半導体は格子定数が異なるため、基板10上に積層したIII 族窒化物半導体からなる各層(nコンタクト層11からpコンタクト層16までの層)には歪が生じる。特に発光層14の歪は、結晶品質の低下による発光効率の低下などの問題を起こす。
この発光層14の歪を解消して発光効率を向上させるために、nESD層12にピット20を発生させて歪の減少を図っているが、歪を減少させる余地はまだ残されており、さらなる歪の解消が求められていた。
発明者らは歪の解消のため各種検討したところ、井戸層140すべてのIn組成比を等しくすると、井戸層140のうち第1井戸層140aの発光波長のみ、他の井戸層140bの発光波長から長波長側にずれていることがわかった。この発光波長のずれは、第1井戸層140aの歪によって実効的なバンドギャップが小さくなることに起因していると考えられ、また、第1井戸層140aは他の井戸層140bよりも大きく歪んでいると考えられる。これは、InGaNである第1井戸層140aと第1井戸層140aよりも下方の層との間に格子不整合があるためであり、この格子不整合による歪は第1井戸層140aにおいてほぼ緩和されているためと考えられる。
図3は、実施例1の発光素子における井戸層140のIn組成比を22%ですべて等しいものとし、他の構成は実施例1の発光素子と同様とした比較例の発光素子を作製し、その比較例の発光素子の井戸層140の発光波長についてグラフにしたものである。横軸の数字がnクラッド層13側から数えて何番目の井戸層かを示している。また、縦軸は他の井戸層140b(nクラッド層13側から数えて2番目から9番目の井戸層140)の発光波長の平均との差(単位はnm)を示している。図3のように、nクラッド層13側から数えて1番目の井戸層140aのみが、他の井戸層140bよりも10.5nmほど長波長側に大きくずれていることがわかる。
この結果から、他の井戸層140bについてはIn組成比をそのままとし、第1井戸層140aのIn組成比のみを下げることにより、第1井戸層140aの格子定数をnクラッド層13の第1井戸層140aと接する層であるGaN層に近づけることで歪を減少させればよいことがわかった。また、第1井戸層140aの歪の減少とIn組成比低下によって第1井戸層140aの実効的なバンドギャップが大きくなり、第1井戸層140aの発光波長は短波長側にシフトするため、第1井戸層140aの発光波長を他の井戸層140bの発光波長に近づけることができ、発光スペクトルの半値幅を低減できることもわかった。
第1井戸層140aのIn組成比の下げ幅については、第1井戸層140aが井戸層としての機能、つまり発光する機能を損なって発光効率が低下してしまわない範囲であればよい。そこで特に、第1井戸層140aの発光波長と他の井戸層140bの発光波長が等しくなるように、第1井戸層140aのIn組成比の下げ幅を選べば、発光効率を向上させることができるとともに、発光波長が揃うため発光素子の発光スペクトルの半値幅を狭くすることができる。たとえば、半値幅を20nm以下とすることも可能となる。
図4は、第1井戸層140aのIn組成比差と発光波長差の関係を示したグラフである。横軸は、第1井戸層140aのIn組成比と他の井戸層140bのIn組成比(各井戸層140bの平均値、22%)との差である。また、縦軸は、In組成比差を0とした場合(第1井戸層140aのIn組成比を他の井戸層140bのIn組成比と等しくした場合)の発光波長を基準として、第1井戸層140aの発光波長と基準波長の差である。
図4のように、第1井戸層140aのIn組成比の変化に対して発光波長はほぼ線形に変化している。この直線の傾き(In組成比に対する発光波長の変化率)を求めれば、第1井戸層140aの発光波長と他の井戸層140bの発光波長が等しくなるときのIn組成比を推定することができる。図3のように、第1井戸層140aのIn組成比を他の井戸層140bのIn組成比と等しく22%とした場合、第1井戸層140aの発光波長は他の井戸層140bの発光波長よりも10.5nm長波長であったから、図4より縦軸が−10.5nmとなるときのIn組成比差−2.6%とすれば、第1井戸層140aの発光波長を他の井戸層140bの発光波長と等しくすることができる。つまり、第1井戸層140aのIn組成比を19.4%とすればよい。
図5は、第1井戸層140aのIn組成比差とPL強度比の関係を示したグラフである。横軸は図4と同様であり、縦軸は第1井戸層140aのIn組成比差を0とした場合(第1井戸層140aのIn組成比を他の井戸層140bのIn組成比と等しくした場合)のPL強度に対する比である。
図5のように、第1井戸層140aのIn組成比を下げていくと、PL強度が次第に上昇していき、In組成比差が−2.6%辺りでピークを迎えた後、減少に転じることがわかる。また、In組成比差が−5.2%のとき、PL強度はIn組成比差が0のときとおよそ等しくなった。この結果から、第1井戸層140aのIn組成比を下げて発光効率を向上させるためには、その下げ幅を0%より大きく5.2%未満とすればよいことがわかった。また図5から、発光効率をより向上させるためには、第1井戸層140aのIn組成比の下げ幅を1%以上4.5%以下、さらに望ましくは2%以上3.5%以下とするとよいことがわかる。
以上、実施例1の発光素子は、MQW構造である発光層14の井戸層140について、第1井戸層140aのIn組成比を他の井戸層140bよりも小さくし、かつ他の井戸層140bのIn組成比はすべて等しくしている。これにより、第1井戸層140aの歪を減少させることができるとともに、第1井戸層140aの発光波長を他の井戸層140bの発光波長に近づけて発光波長の補正を行うことができる。その結果、実施例1の発光素子は従来に比べて発光効率が向上している。
[各種変形例]
発光素子の構成は実施例1に示したものに限らず、サファイアからなる基板上にIII 族窒化物半導体からなるnコンタクト層、nESD層、nクラッド層、発光層が順に積層された構成であれば任意である。また、フェイスアップ型、フリップチップ型など任意の構造の発光素子に本発明は採用することができる。
発光層の構造は、実施例1に示したものに限るものではなく、少なくともInを含むIII 族窒化物半導体からなる井戸層と井戸層よりもバンドギャップが大きなIII 族窒化物半導体からなる障壁層とを有したMQW構造であれば、任意の構造を本発明に用いることができる。
本発明の発光素子は、照明装置や表示装置の光源として利用することができる。
10:基板
11:nコンタクト層
12:nESD層
13:nクラッド層
14:発光層
15:pクラッド層
16:pコンタクト層
17:透明電極
18:p電極
19:n電極
20:ピット
140:井戸層
140a:第1井戸層
140b:他の井戸層
141:キャップ層
142:障壁層

Claims (3)

  1. サファイア基板上に、nコンタクト層、静電耐圧層、nクラッド層、発光層が順に積層され、前記発光層は、Inを含むIII 族窒化物半導体からなる井戸層と前記井戸層よりもバンドギャップが大きなIII 族窒化物半導体からなる障壁層が繰り返し積層されたMQW構造であり、前記静電耐圧層から前記発光層の方向に伸びて前記発光層を貫通するピットを有するIII 族窒化物半導体からなる発光素子において、
    前記井戸層のうち、前記nクラッド層側から数えて1番目の井戸層である第1井戸層のみを、前記第1井戸層の発光波長と他の井戸層の発光波長とが等しくなるように、他の井戸層のIn組成比よりも小さくし、
    前記他の井戸層のIn組成比はすべて等しくした、
    ことを特徴とする発光素子。
  2. サファイア基板上に、nコンタクト層、静電耐圧層、nクラッド層、発光層が順に積層され、前記発光層は、Inを含むIII 族窒化物半導体からなる井戸層と前記井戸層よりもバンドギャップが大きなIII 族窒化物半導体からなる障壁層が繰り返し積層されたMQW構造であり、前記静電耐圧層から前記発光層の方向に伸びて前記発光層を貫通するピットを有するIII 族窒化物半導体からなる発光素子において、
    前記井戸層のうち、前記nクラッド層側から数えて1番目の井戸層である第1井戸層のみを、他の井戸層のIn組成比よりも小さくし、
    前記他の井戸層のIn組成比はすべて等しくし、
    前記他の井戸層のIn組成比と前記第1井戸層のIn組成比の差は、0%より大きく5.2%未満とした、
    ことを特徴とする発光素子。
  3. 前記他の井戸層のIn組成比と前記第1井戸層のIn組成比の差は、0%より大きく5.2%未満とした、ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
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