以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、該基材粒子の表面上に配置された導電層とを有する。本発明に係る導電性粒子では、上記導電層は、結晶構造を有する結晶層を含む。上記結晶層は、上記基材粒子の表面上に直接積層されている。本発明に係る導電性粒子では、上記導電層が、上記結晶層として又は上記結晶層以外の導電層として、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、リンとを含むリン含有導電層を含む。すなわち、(1)上記導電層における上記結晶層が、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、リンとを含むリン含有導電層であるか、又は、(2)上記導電層が上記結晶層以外の導電層を含み、かつ該結晶層以外の導電層が、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、リンとを含むリン含有導電層である。上記導電層は、上記結晶層として上記リン含有導電層を含んでいてもよく、上記結晶層以外の導電層として上記リン含有導電層を含んでいてもよい。上記導電層における上記結晶層が、上記リン含有導電層であってもよく、上記導電層における上記結晶層以外の導電層が、上記リン含有導電層であってもよい。上記導電層は、上記結晶層のみを有していてもよく、上記結晶層と上記結晶層以外の導電層(第2の導電層など)とを有していてもよい。上記(1)上記導電層における上記結晶層が、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、リンとを含むリン含有導電層である場合には、上記導電層は、上記結晶層以外の導電層を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
本発明に係る導電性粒子は、上述した構成を備えているので、得られる接続構造体における電極間の接続抵抗を低くすることができ、電極間の導通信頼性を高めることができる。上記結晶層は結晶構造を有するので、比較的硬い。特に、上記結晶層が上記基材粒子に接していると、導電層における導通性が高くなり、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記結晶層が、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、リンとを含む上記リン含有導電層であることが好ましい。すなわち、上記導電層は、上記結晶層として上記リン含有導電層を含むことが好ましい。上記リン含有導電層はリン含有結晶層であることが好ましい。なお、本発明に係る導電性粒子では、上記結晶層は、上記リン含有導電層以外の導電層であってもよい。
上記導電層が、上記結晶層として又は上記結晶層以外の導電層として、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、ボロンとを含むボロン含有導電層を含むことも好ましい。すなわち、(X)上記導電層における上記結晶層が、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、ボロンとを含むボロン含有導電層であるか、又は、(Y)上記導電層が上記結晶層以外の導電層を含み、かつ該結晶層以外の導電層が、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、ボロンとを含むボロン含有導電層であることも好ましい。上記導電層は、上記結晶層として上記ボロン含有導電層を有していてもよく、上記結晶層以外の導電層として上記ボロン含有導電層を有していてもよい。上記導電層における上記結晶層が、上記ボロン含有導電層であってもよく、上記導電層における上記結晶層以外の導電層が、上記ボロン含有導電層であってもよい。上記(X)上記導電層における上記結晶層が、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、ボロンとを含むボロン含有導電層である場合には、上記導電層における上記結晶層以外の導電層が、上記リン含有導電層である。上記(Y)上記導電層が上記結晶層以外の導電層を含み、かつ該結晶層以外の導電層が、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、ボロンとを含むボロン含有導電層である場合には、上記導電層における上記結晶層が上記リン含有導電層である。上記導電層が上記ボロン含有導電層を含む場合でも、電極間の接続抵抗は低くなる。上記導電層は、上記結晶層以外の導電層として、上記ボロン含有導電層を有することが好ましい。上記導電層は、上記結晶層として上記リン含有導電層を含み、かつ該リン含有導電層の外表面上に上記ボロン含有導電層を含むことが好ましい。すなわち、上記導電層における上記結晶層が上記リン含有導電層であり、かつ上記導電層が該リン含有導電層の外表面上に上記ボロン含有導電層を含むことが好ましい。
電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記リン含有導電層は、第1の領域と、該第1の領域よりもリンの含有量が多い第2の領域とを有することが好ましい。上記第1の領域と上記第2の領域とは、上記リン含有導電層の厚み方向において内側と外側又は外側と内側とに位置していることが好ましい。なお、上記第1の領域と上記第2の領域とは厚み方向に接するように位置していてもよく、厚み方向に距離を隔てて位置していてもよい。上記リン含有導電層の厚み方向において、リンの含有量が勾配を有することが好ましい。上記リン含有導電層の厚み方向において、リンは偏在していることが好ましい。但し、上記リン含有導電層は、リンの含有量の勾配を必ずしも有していなくてもよい。
上記第2の領域が上記第1の領域よりも、上記リン含有導電層の厚み方向において内側に位置していてもよく、上記第2の領域が上記第1の領域よりも、上記リン含有導電層の厚み方向において外側に位置していてもよい。電極間の接続抵抗をより一層高める観点からは、上記第2の領域が上記第1の領域よりも、上記リン含有導電層の厚み方向において内側に位置することが好ましい。上記リン含有導電層におけるリンの含有量は、厚み方向において、内側のリンの含有量が外側のリンの含有量よりも多くなるように、勾配を有することが好ましい。上記リン含有導電層におけるリンは、厚み方向において、内側のリンの含有量が外側のリンの含有量よりも多くなるように、偏在していることが好ましい。
上記第2の領域は、上記リン含有導電層の内表面から外側に向かって厚み5nmの領域(リン含有導電層部分)であることが好ましい。上記第1の領域は、上記リン含有導電層の外表面から内側に向かって厚み5nmの領域(リン含有導電層部分)であることが好ましい。
上記第2の領域におけるリンの含有量と、上記第1の領域におけるリンの含有量との差の絶対値は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、好ましくは4重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。上記第2の領域におけるリンの含有量は、上記第1の領域におけるリンの含有量よりも1重量%以上多いことが好ましく、2重量%以上多いことがより好ましく、3重量%以上多くてもよい。
本発明に係る導電性粒子では、5%圧縮されたときの圧縮弾性率(5%K値)が7000N/mm2以上であることが好ましい。さらに、本発明に係る導電性粒子を圧縮した場合に、圧縮方向における圧縮前の導電性粒子の粒子径の70%以上導電性粒子が圧縮されたときに、上記導電層に割れが生じることが好ましい。例えば、導電性粒子を適度に圧縮したときに、導電層が適度に部分的に割れることが好ましい。
本発明に係る導電性粒子において、5%圧縮されたときの圧縮弾性率(5%K値)が7000N/mm2以上である場合には、圧縮初期段階における導電性粒子は、十分な硬さを有する。このため、電極間の接続時における導電性粒子の圧縮初期段階で、電極及び導電性粒子の表面の酸化被膜を効果的に排除できる。この結果、電極と導電性粒子における導電層とが効果的に接触し、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができる。
電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記導電層に割れが生じる圧縮変位は、より好ましくは75%以上である。電極間の間隔を十分に確保する観点からは、上記導電層に割れが生じる圧縮変位は、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましく85%以下、特に好ましくは80%以下はである。
上記圧縮弾性率(5%K値)は、以下のようにして測定できる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径50μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、圧縮速度2.6mN/秒、及び最大試験荷重10gfの条件下で導電性粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
K値(N/mm2)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:導電性粒子が5%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:導電性粒子が5%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:導電性粒子の半径(mm)
上記圧縮弾性率は、導電性粒子の硬さを普遍的かつ定量的に表す。上記圧縮弾性率の使用により、導電性粒子の硬さを定量的かつ一義的に表すことができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図1に示すように、導電性粒子1は、基材粒子2と、導電層3と、複数の芯物質4と、複数の絶縁物質5とを有する。導電層3は、結晶構造を有し、かつ基材粒子2に接している。
導電層3は、基材粒子2の表面上に配置されている。導電性粒子1は、基材粒子2の表面が導電層3により被覆された被覆粒子である。
導電性粒子1は表面に、複数の突起1aを有する。導電層3は外表面に、複数の突起3aを有する。複数の芯物質4が、基材粒子2の表面上に配置されている。複数の芯物質4は導電層3内に埋め込まれている。芯物質4は、突起1a,3aの内側に配置されている。導電層3は、複数の芯物質4を被覆している。複数の芯物質4により導電層3の外表面が隆起されており、突起1a,3aが形成されている。
導電性粒子1は、導電層3の外表面上に配置された絶縁物質5を有する。導電層3の外表面の少なくとも一部の領域が、絶縁物質5により被覆されている。絶縁物質5は絶縁性を有する材料により形成されており、絶縁性粒子である。このように、本発明に係る導電性粒子は、導電層の外表面上に配置された絶縁物質を有していてもよい。但し、本発明に係る導電性粒子は、絶縁物質を必ずしも有していなくてもよい。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図2に示す導電性粒子11は、基材粒子2と、第1の導電層12と、第2の導電層13(他の導電層)と、複数の芯物質4と、複数の絶縁物質5とを有する。第1の導電層12は、結晶構造を有し、かつ基材粒子2に接している。
導電性粒子1と導電性粒子11とでは、導電層のみが異なっている。すなわち、導電性粒子1では、1層構造の導電層が形成されているのに対し、導電性粒子11では、2層構造の第1の導電層12及び第2の導電層13が形成されている。
第2の導電層13は、基材粒子2の表面上に配置されている。基材粒子2と第2の導電層13(他の導電層)との間に、第1の導電層12が配置されている。従って、基材粒子2の表面上に第1の導電層12が配置されており、第1の導電層12の表面上に第2の導電層13が配置されている。第2の導電層13は外表面に、複数の突起13aを有する。導電性粒子11は表面に、複数の突起11aを有する。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図3に示す導電性粒子21は、基材粒子2と、導電層22とを有する。導電層22は、基材粒子2の表面上に配置されている。導電層22は、結晶構造を有し、かつ基材粒子2に接している。
導電性粒子21は、芯物質を有さない。導電性粒子21は表面に突起を有さない。導電性粒子21は球状である。導電層22は表面に突起を有さない。このように、本発明に係る導電性粒子は突起を有していなくてもよく、球状であってもよい。また、導電性粒子21は、絶縁物質を有さない。但し、導電性粒子21は、導電層22の表面上に配置された絶縁物質を有していてもよい。
導電性粒子1,11,21の上記5%K値は、7000N/mm2以上であることが好ましい。さらに、導電性粒子1,11,21を圧縮した場合に、導電性粒子1,11,21が、圧縮方向における圧縮前の導電性粒子1,11,21の粒子径の70%以上圧縮変位されたときに、導電層3,12,13,22に割れが生じることが好ましい。すなわち、導電性粒子1,11,21では、圧縮方向における圧縮前の導電性粒子1,11,21の粒子径をXとしたときに、圧縮方向における導電性粒子1,11,21の粒子径が0.30X以下であるときに、導電層3,12,13,22に割れが生じることが好ましい。例えば、圧縮方向における圧縮前の導電性粒子1,11,21の粒子径が5μmである場合には、導電性粒子1,11,21を圧縮させて、圧縮方向における導電性粒子1,11,21の粒子径が1.5μm以下となったときに、導電層3,12,13,22に割れが生じることが好ましい。なお、導電性粒子11では、導電層全体の一部に割れが生じればよく、第1の導電層12のみに割れが生じてもよく、第2の導電層13のみに割れが生じてもよい。
なお、上記「割れ」は、導電層における初め(第1回目)の割れを示す。従って、本実施形態に係る導電性粒子1,11,21では、割れがない導電層3,12,13,22を有する導電性粒子1,11,21を圧縮したときに、導電性粒子1,11,21が圧縮方向における圧縮前の導電性粒子1,11,21の粒子径の70%以上圧縮変位したときに、導電層3,12,13,22に割れが生じることが好ましい。
導電層3,12,13,22に割れが生じる圧縮変位の測定は、具体的には、以下のようにして行われる。なお、図5では、導電性粒子21を用いている。
図5に示すように、台71の上に導電性粒子21を置く。微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープ H−100」)を用いて、圧縮速度0.33mN/秒及び最大試験荷重10mNの条件で、円柱(直径50μm、ダイヤモンド製)を圧縮部材72として、該圧縮部材72の平滑端面72aを導電性粒子21に向かって、矢印Aで示す方向に降下させる。平滑端面72aにより導電性粒子21を圧縮する。導電性粒子21の導電層22に部分的に割れ22aが生じるまで圧縮は継続される。導電性粒子1,11の場合にも、同様にして測定される。
なお、図5に示す断面図では、導電性粒子21の上下部分で導電層22に割れ22aが形成された状態が図示されているが、導電層に割れが生じる位置は特に限定されない。
上記のようにして導電性粒子を圧縮したときに、導電性粒子が、圧縮方向における圧縮前の導電性粒子の粒子径の70%以上圧縮変位したときに、上記導電層に割れが生じることが好ましい。
導電性粒子を圧縮しながら、圧縮荷重値及び圧縮変位を測定すると、圧縮荷重値と圧縮変位との関係は、例えば、図6に示すようになる。図6では、A0点から圧縮が開始されており、A1点において導電層に割れが生じている。導電層の割れに伴って、圧縮方向における導電性粒子の圧縮変位(粒子径)が変化し、圧縮変位がA1点からA2点に移動する。圧縮時には導電性粒子に圧縮荷重がかけられおり、導電層の割れが生じると比較的小さな圧縮荷重で導電性粒子が圧縮されるので、導電性粒子に圧縮荷重をかけている圧縮部材が移動し、圧縮方向における導電性粒子の圧縮変位(粒子径)が変化する。
なお、図6において、A0点からA1点に至る線の傾きは比較的大きい。これは、導電性粒子21の上記5%K値が7000N/mm2以上であり、導電性粒子21が比較的硬いためである。
[基材粒子]
上記基材粒子としては、樹脂粒子、金属を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子は、金属粒子を除く基材粒子であることが好ましく、樹脂粒子、金属を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることがより好ましい。
上記基材粒子は、樹脂により形成された樹脂粒子であることが好ましい。上記導電性粒子を用いて電極間を接続する際には、上記導電性粒子を電極間に配置した後、圧着することにより上記導電性粒子を圧縮させる。基材粒子が樹脂粒子であると、上記圧着の際に上記導電性粒子が変形しやすく、導電性粒子と電極との接触面積が大きくなる。このため、電極間の導通信頼性が高くなる。
上記樹脂粒子を形成するための樹脂として、種々の有機物が好適に用いられる。上記樹脂粒子を形成するための樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート及びポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が挙げられる。導電材料に適した任意の圧縮時の物性を有する樹脂粒子を設計及び合成することができ、かつ基材粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子を形成するための樹脂は、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する単量体を重合させて得る場合、上記エチレン性不飽和基を有する単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子を得ることができる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、並びに非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である場合に、上記基材粒子を形成するための無機物としては、シリカ及びカーボンブラック等が挙げられる。上記シリカにより形成された粒子としては特に限定されないが、例えば、加水分解性のアルコキシシル基を2つ以上持つケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子である場合に、該金属粒子を形成するための金属としては、銀、銅、ニッケル、ケイ素、金及びチタン等が挙げられる。但し、上記基材粒子は金属粒子ではないことが好ましい。
上記基材粒子の粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、より一層好ましくは1μm以上、更に好ましくは1.5μm以上、特に好ましくは2μm以上、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より一層好ましくは300μm以下、更に好ましくは50μm以下、更に一層好ましくは30μm以下、特に好ましくは5μm以下、最も好ましくは3μm以下である。基材粒子の粒子径が上記下限以上であると、導電性粒子と電極との接触面積が大きくなるため、電極間の導通信頼性がより一層高くなり、導電性粒子を介して接続された電極間の接続抵抗がより一層低くなる。さらに基材粒子の表面に導電層を無電解めっきにより形成する際に凝集し難くなり、凝集した導電性粒子が形成されにくくなる。粒子径が上記上限以下であると、導電性粒子が充分に圧縮されやすく、電極間の接続抵抗がより一層低くなり、更に電極間の間隔が小さくなる。上記基材粒子の粒子径は、基材粒子が真球状である場合には、直径を示し、基材粒子が真球状ではない場合には、最大径を示す。
上記基材粒子の粒子径は、0.1μm以上、5μm以下であることが特に好ましい。上記基材粒子の粒子径が0.1〜5μmの範囲内であると、電極間の間隔が小さくなり、かつ導電層の厚みを厚くしても、小さい導電性粒子が得られる。電極間の間隔をより一層小さくしたり、導電層の厚みを厚くしても、より一層小さい導電性粒子を得たりする観点からは、上記基材粒子の粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは2μm以上、好ましくは3μm以下である。
[導電層]
本発明に係る導電性粒子は、基材粒子の表面上に配置されている導電層を有する。上記導電層は、結晶構造を有する結晶層を含む。該結晶層は上記基材粒子の表面に接している。該結晶層は、基材粒子の表面に直接積層されている。上記結晶層の外表面上に、結晶層以外の導電層(他の導電層、第2の導電層)が配置されていてもよい。導電性粒子の外表面が上記結晶層であることが好ましい。
上記導電層は、上記結晶層又は上記結晶層以外の導電層として、上記ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、リンとを含むリン含有導電層を含む。すなわち、(1)上記導電層における上記結晶層が、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、リンとを含むリン含有導電層であるか、又は、(2)上記導電層が上記結晶層以外の導電層を含み、かつ該結晶層以外の導電層が、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、リンとを含むリン含有導電層である。上記導電層が、上記結晶層又は上記結晶層以外の導電層として、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、ボロンとを含むボロン含有導電層を含むことも好ましい。すなわち、(X)上記導電層における上記結晶層が、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、ボロンとを含むボロン含有導電層であるか、又は、(Y)上記導電層が上記結晶層以外の導電層を含み、かつ該結晶層以外の導電層が、ニッケルと、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種と、ボロンとを含むボロン含有導電層であることも好ましい。上記結晶層が上記リン含有導電層である場合に、該リン含有導電層の外表面上に上記ボロン含有導電層が配置されていることが好ましい。
上記結晶構造を有する結晶層を形成する方法としては、導電層の形成に用いるめっき液のpHを制御する方法、導電層の形成に用いるめっき液の温度を制御する方法、めっき液中のリン濃度を制御する方法、並びにめっき後加熱処理方法等が挙げられる。なかでも、反応制御に優れていることから、めっき反応のpHを制御する方法が好適である。具体的には、例えば、触媒付与を行った基材粒子と、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、プロピオン酸、乳酸、及び、酢酸からなる群より選択される少なくとも1種の錯化剤とを含有するニッケルめっき液を用い、かつ、ニッケルめっき反応時のpHを6〜9、かつ温度を50〜80℃に調整することにより、上記基材粒子の表面に結晶層を形成できる。このニッケルめっき反応時のpHは7〜9であることが好ましく、温度は55〜65℃であることが好ましい。
上記結晶層、上記リン含有導電層及び上記ボロン含有導電層はそれぞれ、ニッケルを主成分として含むことが好ましい。上記結晶層100重量%中、上記リン含有導電層100重量%中及び上記ボロン含有導電層100重量%中、ニッケルの各含有量は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。上記結晶層100重量%中、上記リン含有導電層100重量%中及び上記ボロン含有導電層100重量%中、ニッケルの各含有量は、97重量%以上であってもよく、97.5重量%以上であってもよく、98重量%以上であってもよい。ニッケルの含有量の上限は、リン又はボロンや、タングステン及びモリブデンなどの各含有量により適宜変更できる。上記結晶層100重量%中、上記リン含有導電層100重量%中及び上記ボロン含有導電層100重量%中、ニッケルの各含有量は、好ましくは99.85重量%以下、より好ましくは99.7重量%以下、更に好ましくは99.45重量%未満である。上記ニッケルの含有量が上記下限以上であると、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、電極や導電層の表面における酸化被膜が少ない場合には、上記ニッケルの含有量が多いほど電極間の接続抵抗が低くなる傾向がある。
上記結晶層、上記リン含有導電層及び上記ボロン含有導電層はそれぞれ、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種を含むことが好ましい。上記結晶層、上記リン含有導電層及び上記ボロン含有導電層では、ニッケルとタングステン及びモリブデンとの内の少なくとも1種とが合金化していてもよい。上記結晶層及び上記リン含有導電層では、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種とリンとが合金化していてもよい。上記結晶層及び上記ボロン含有導電層では、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種とボロンとが合金化していてもよい。また、上記結晶層、上記リン含有導電層及び上記ボロン含有導電層ではそれぞれ、他の成分として、クロム、シーボーギウムを用いてもよい。
また、タングステン及びモリブデンの双方を含まない導電層を有する導電性粒子では、該タングステン及びモリブデンの双方を含まない導電層が圧縮初期段階で硬さが比較的低くなりやすい。このため、電極間の接続時に、電極及び導電性粒子の表面の酸化被膜を排除する効果が小さくなり、接続抵抗を低くする効果が小さくなる傾向がある。
一方で、接続抵抗を低くする効果をより一層得るために、又は大きな電流が流れる用途に適するように、タングステン及びモリブデンの双方を含まない導電層の厚みを厚くすると、導電性粒子と電極との接触面積が小さくなる傾向がある。この結果、接続構造体における電極間の導通信頼性が低くなる傾向がある。
これに対して、導電性粒子がタングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種を含む導電層を有する場合には、上記5%K値を上記下限以上にすることが容易である。さらに、導電性粒子が、圧縮方向における圧縮前の導電性粒子の粒子径の70%以上圧縮されたときに、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種を含む導電層に適度に割れが生じるようにすることが容易である。割れの発生を遅くするによって導電性粒子と電極との接触面積がより一層大きくなり、従って電極間の接続抵抗がより一層低くなる。
さらに、導電性粒子がタングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種を含む導電層を有する場合には、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種を含む導電層は適度な硬さを有するので、導電性粒子を圧縮して電極間を接続したとき、電極に適度な圧痕を形成できる。なお、電極に形成される圧痕は、導電性粒子が電極を押してできた電極の凹部である。
上記結晶層100重量%中、上記リン含有導電層100重量%中及び上記ボロン含有導電層100重量%中、タングステン及びモリブデンの合計の含有量はそれぞれ、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、より一層好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上、更に一層好ましくは1重量%以上、特に好ましくは5重量%を超え、最も好ましくは10重量%以上である。上記タングステン及びモリブデンの合計の含有量が上記下限以上であると、導電層の外表面の硬さがより一層高くなる。このため、電極や導電層の表面に酸化被膜が形成されている場合に、電極及び導電性粒子の表面の酸化被膜を効果的に排除でき、接続抵抗を低くすることができ、かつ得られる接続構造体の耐衝撃性を高めることができる。さらに、タングステン及びモリブデンの合計の含有量が上記下限以上であると、導電層の外表面の磁性が弱くなり、複数の導電性粒子が凝集し難くなる。このため、電極間の短絡を効果的に抑制できる。
上記結晶層100重量%中、上記リン含有導電層100重量%中及び上記ボロン含有導電層100重量%中、上記タングステン及びモリブデンの合計の含有量の上限はそれぞれ、ニッケル、リン及びボロンなどの含有量により適宜変更できる。上記結晶層100重量%中、上記リン含有導電層100重量%中及び上記ボロン含有導電層100重量%中、タングステン及びモリブデンの合計の含有量はそれぞれ、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、更に好ましくは25重量%以下、特に好ましくは20重量%以下である。
接続抵抗を低くする効果をより一層得るために、又は大きな電流が流れる用途に適するように、リンを含まない導電層の厚みを厚くしたり、ニッケルとリンとを含む導電層の厚みを厚くしたりすると、導電性粒子と電極との接触面積が小さくなる傾向がある。この結果、接続構造体における電極間の導通信頼性が低くなる傾向がある。
これに対して、導電性粒子が特定の上記結晶層を有する場合には、上記5%K値を上記下限以上にすることが容易である。さらに、導電性粒子が、圧縮方向における圧縮前の導電性粒子の粒子径の70%以上圧縮されたときに、上記導電層に適度に割れが生じるようにすることが容易である。また、導電性粒子がタングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種を含む導電層を有する場合には、上記5%K値を上記下限以上にすることがさらに一層容易である。さらに、導電性粒子が、圧縮方向における圧縮前の導電性粒子の粒子径の70%以上圧縮されたときに、タングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種を含む導電層により一層適度に割れが生じるようにすることが容易である。割れの発生を遅くするによって導電性粒子と電極との接触面積がより一層大きくなり、従って電極間の接続抵抗がより一層低くなる。
さらに、上記導電層は適度な硬さを有するので、導電性粒子を圧縮して電極間を接続したとき、電極に適度な圧痕を形成できる。なお、電極に形成される圧痕は、導電性粒子が電極を押してできた電極の凹部である。
上記結晶層100重量%中及び上記リン含有導電層100重量%中、リンの含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、好ましくは5重量%以下、より好ましくは4重量%以下、更に好ましくは3重量%以下、特に好ましくは2.5重量%以下である。リンの含有量が上記下限以上であると、導電層がより一層硬くなり、電極及び導電性粒子の表面の酸化被膜をより一層効果的に除去でき、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができる。リンの含有量が上記上限以下であると、ニッケル、タングステン及びモリブデンなどの含有量が相対的に多くなるので、電極間の接続抵抗が低くなる。なお、リンの含有量が少ないほど、良好な結晶構造を得やすくなる。
上記結晶層100重量%中及び上記ボロン含有導電層100重量%中、ボロンの含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、更に好ましくは0.1重量%以上、好ましくは5重量%以下、より好ましくは4重量%以下、更に好ましくは3重量%以下、特に好ましくは2.5重量%以下、最も好ましくは2重量%以下である。ボロンの含有量が上記下限以上であると、導電層がより一層硬くなり、電極及び導電性粒子の表面の酸化被膜をより一層効果的に除去でき、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができる。リンの含有量が上記上限以下であると、ニッケル、タングステン及びモリブデンなどの含有量が相対的に多くなるので、電極間の接続抵抗が低くなる。
さらに、導電性粒子がタングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種を含む導電層を有することによって、上記導電層がかなり硬くなる結果、導電性粒子により電極間を接続した接続構造体に衝撃が与えられても、導通不良が生じ難くなる。すなわち、接続構造体の耐衝撃性を高めることもできる。特に、導電性粒子が上記ボロン含有導電層を有することによって、上記導電層がかなり硬くなる結果、導電性粒子により電極間を接続した接続構造体に衝撃が与えられても、導通不良が生じ難くなる。すなわち、接続構造体の耐衝撃性を高めることもできる。
上記結晶層、上記リン含有導電層及び上記ボロン含有導電層におけるニッケル、タングステン、モリブデン、リン及びボロンの各含有量の測定方法は、既知の種々の分析法を用いることができ特に限定されない。この測定方法として、吸光分析法又はスペクトル分析法等が挙げられる。上記吸光分析法では、フレーム吸光光度計及び電気加熱炉吸光光度計等を用いることができる。上記スペクトル分析法としては、プラズマ発光分析法及びプラズマイオン源質量分析法等が挙げられる。
上記結晶層におけるニッケル、タングステン、モリブデン、リン及びボロンの各含有量を測定する際には、ICP発光分析装置を用いることが好ましい。ICP発光分析装置の市販品としては、HORIBA社製のICP発光分析装置等が挙げられる。
上記導電層の厚み方向におけるニッケル、タングステン、モリブデン、リン及びボロンの各含有量を測定する際には、FE−TEM装置を用いることが好ましい。FE−TEM装置の市販品としては、日本電子社製のJEM−2010等が挙げられる。
上記導電層(結晶層及び結晶層以外の導電層)を形成するための金属は特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、白金、パラジウム、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素、タングステン及びこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びはんだ等が挙げられる。なかでも、電極間の接続抵抗がより一層低くなるので、錫を含む合金、ニッケル、パラジウム、銅又は金が好ましく、ニッケル又はパラジウムがより好ましい。上記導電層を構成する金属はニッケルを含むことが好ましい。
上記基材粒子の表面上に導電層(結晶層及び結晶層以外の導電層)を形成する方法は特に限定されない。導電層を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを基材粒子又は他の導電層の表面にコーティングする方法等が挙げられる。なかでも、導電層の形成が簡便であるので、無電解めっきによる方法が好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。
上記導電性粒子の粒子径は、好ましくは0.11μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは0.51μm以上、特に好ましくは1μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは5.6μm以下、特に好ましくは3.6μm以下である。導電性粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、導電性粒子と電極との接触面積が充分に大きくなり、かつ導電層を形成する際に凝集した導電性粒子が形成されにくくなる。また、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電層が基材粒子の表面から剥離し難くなる。
上記導電性粒子の粒子径は、導電性粒子が真球状である場合には、直径を示し、導電性粒子が真球状ではない場合には、最大径を示す。
上記結晶層の厚みは好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上、更に好ましくは0.05μm以上、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.3μm以下である。上記結晶層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、充分な導電性が得られ、かつ導電性粒子が硬くなりすぎずに、電極間の接続の際に導電性粒子が充分に変形する。
導電層が2層以上の積層構造である場合に、上記結晶層の厚みは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上、更に好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.1μm以下である。上記結晶層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、上記結晶層による被覆を均一にでき、かつ電極間の接続抵抗が充分に低くなる。
導電層が2層以上の積層構造である場合に、導電層全体の厚みは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上、更に好ましくは0.05μm以上、特に好ましくは0.1μm以上、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下、より一層好ましくは0.3μm以下である。上記導電層全体の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、導電層全体による被覆を均一にでき、かつ電極間の接続抵抗が充分に低くなる。
上記結晶層の厚みは、0.05μm以上、0.3μm以下であることが特に好ましい。さらに、基材粒子の粒子径が2μm以上、5μm以下であり、かつ、上記結晶層の厚みが0.05μm以上、0.3μm以下であることが特に好ましい。上記導電層全体の厚みは、0.05μm以上、0.3μm以下であることが特に好ましい。さらに、基材粒子の粒子径が2μm以上、5μm以下であり、かつ、上記導電層全体の厚みが0.05μm以上、0.3μm以下であることが特に好ましい。これらの場合には、導電性粒子を大きな電流が流れる用途により好適に用いることができる。さらに、導電性粒子を圧縮して電極間を接続した場合に、電極が損傷するのをより一層抑制できる。
上記結晶層の厚み及び上記導電層全体の厚みは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、導電性粒子の断面を観察することにより測定できる。
上記結晶層、上記リン含有導電層及び上記ボロン含有導電層におけるニッケル、タングステン、モリブデン、リン及びボロンの含有量を制御する方法としては、例えば、無電解ニッケルめっきにより上記結晶層を形成する際に、ニッケルめっき液のpHを制御する方法、無電解ニッケルめっきにより上記結晶層を形成する際に、リン含有還元剤又はボロン含有還元剤の濃度を調整する方法、ニッケルめっき液中のタングステン濃度を調整する方法、ニッケルめっき液中のモリブデン濃度を調整する方法並びにニッケルめっき液中のニッケル塩濃度を調整する方法等が挙げられる。
無電解めっきにより形成する方法では、一般的に、触媒化工程と、無電解めっき工程とが行われる。以下、無電解めっきにより、樹脂粒子の表面に、ニッケルとタングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種とリンと含むリン含有導電層(合金めっき層)を形成する方法の一例を説明する。
上記触媒化工程では、無電解めっきによりめっき層を形成するための起点となる触媒を、樹脂粒子の表面に形成させる。
上記触媒を樹脂粒子の表面に形成させる方法としては、例えば、塩化パラジウムと塩化スズとを含む溶液に、樹脂粒子を添加した後、酸溶液又はアルカリ溶液により樹脂粒子の表面を活性化させて、樹脂粒子の表面にパラジウムを析出させる方法、並びに硫酸パラジウムとアミノピリジンとを含有する溶液に、樹脂粒子を添加した後、還元剤を含む溶液により樹脂粒子の表面を活性化させて、樹脂粒子の表面にパラジウムを析出させる方法等が挙げられる。上記還元剤として、次亜リン酸ナトリウム等のリン含有還元剤が用いられる。なお、ボロン含有導電層を形成する場合には、上記リン含有還元剤にかえて、ボロン含有還元剤を用いればよい。
上記無電解めっき工程では、ニッケル塩と、タングステン含有化合物及びモリブデン含有化合物の内の少なくとも1種と、上記リン含有還元剤とを含むニッケルめっき浴が用いられる。ニッケルめっき浴中に樹脂粒子を浸漬することにより、触媒が表面に形成された樹脂粒子の表面に、ニッケルを析出させることができ、ニッケルとタングステン及びモリブデンの内の少なくとも1種とリンとを含むリン含有導電層を形成できる。
上記タングステン含有化合物としては、ホウ化タングステン及びタングステン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記モリブデン含有化合物としては、ホウ化モリブデン及びモリブデン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記リン含有還元剤としては、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム及び次亜リン酸アンモニウム等が挙げられる。
上記ボロン含有還元剤としては、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム及び水素化ホウ素カリウム等が挙げられる。
本発明に係る導電性粒子は、表面に突起を有することが好ましい。上記導電層は、外表面に突起を有することが好ましい。導電性粒子により接続される電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。さらに、導電性粒子の導電層の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。突起を有する導電性粒子の使用により、電極間に導電性粒子を配置した後、圧着させることにより、突起により酸化被膜が効果的に排除される。このため、電極と導電性粒子とをより一層確実に接触させることができ、電極間の接続抵抗を低くすることができる。さらに、導電性粒子が表面に絶縁物質を有する場合、又は導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されて導電材料(異方性導電材料など)として用いられる場合に、導電性粒子の突起によって、導電性粒子と電極との間の樹脂を効果的に排除できる。このため、電極間の導通信頼性を高めることができる。
上記突起は複数であることが好ましい。上記導電性粒子1個当たりの上記導電層の外表面の突起は、好ましくは3個以上、より好ましくは5個以上である。上記突起の数の上限は特に限定されない。突起の数の上限は導電性粒子の粒子径等を考慮して適宜選択できる。
複数の上記突起の平均高さは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記突起の平均高さが上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができる。
[芯物質]
上記芯物質が上記導電層中に埋め込まれていることによって、上記導電層が外表面に複数の突起を有するようにすることが容易である。但し、導電性粒子及び導電層の表面に突起を形成するために、芯物質を必ずしも用いなくてもよい。
上記突起を形成する方法としては、基材粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電層を形成する方法、並びに基材粒子の表面に無電解めっきにより導電層を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより導電層を形成する方法等が挙げられる。
上記基材粒子の表面上に芯物質を配置する方法としては、例えば、基材粒子の分散液中に、芯物質を添加し、基材粒子の表面に芯物質を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ、付着させる方法、並びに基材粒子を入れた容器に、芯物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法等が挙げられる。なかでも、付着させる芯物質の量を制御しやすいため、分散液中の基材粒子の表面に芯物質を集積させ、付着させる方法が好ましい。
上記芯物質を構成する物質としては、導電性物質及び非導電性物質が挙げられる。上記導電性物質としては、例えば、金属、金属の酸化物、黒鉛等の導電性非金属及び導電性ポリマー等が挙げられる。上記導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン等が挙げられる。上記非導電性物質としては、シリカ、アルミナ及びジルコニア等が挙げられる。なかでも、導電性を高めることができ、更に接続抵抗を効果的に低くすることができるので、金属が好ましい。上記芯物質は金属粒子であることが好ましい。
上記金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム等の金属、並びに錫−鉛合金、錫−銅合金、錫−銀合金、錫−鉛−銀合金及び炭化タングステン等の2種類以上の金属で構成される合金等が挙げられる。なかでも、ニッケル、銅、銀又は金が好ましい。上記芯物質を構成する金属は、上記導電層を構成する金属と同じであってもよく、異なっていてもよい。上記芯物質を構成する金属は、上記導電層を構成する金属を含むことが好ましい。上記芯物質を構成する金属は、ニッケルを含むことが好ましい。上記芯物質を構成する金属は、ニッケルを含むことが好ましい。
上記芯物質の形状は特に限定されない。芯物質の形状は塊状であることが好ましい。芯物質としては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び不定形の塊等が挙げられる。
上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記芯物質の平均径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができる。
上記芯物質の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。芯物質の平均径は、任意の芯物質50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
上記芯物質の表面上に、無機粒子が配置されていてもよい。芯物質の表面上に配置された無機粒子は複数であることが好ましい。芯物質の表面に、無機粒子が付着していてもよい。このような無機粒子と芯物質とを備える複合粒子を用いてもよい。無機粒子の大きさ(平均径)は、芯物質の大きさ(平均径)よりも小さいことが好ましく、上記無機粒子は、無機微粒子であることが好ましい。
上記芯物質の表面上に配置される上記無機粒子の材料としては、シリカ(二酸化珪素、モース硬度6〜7)、ジルコニア(モース硬度8〜9)、アルミナ(モース硬度9)、炭化タングステン(モース硬度9)及びダイヤモンド(モース硬度10)等が挙げられる。上記無機粒子は、シリカ、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることが好ましい。上記無機粒子のモース硬度は好ましくは5以上、より好ましくは6以上である。上記無機粒子のモース硬度は上記導電層のモース硬度よりも大きいことが好ましい。上記無機粒子のモース硬度は上記第2の導電層のモース硬度よりも大きいことが好ましい。上記無機粒子のモース硬度と上記導電層のモース硬度との差の絶対値、並びに上記無機粒子のモース硬度と上記第2の導電層のモース硬度との差の絶対値は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.5以上、特に好ましくは1以上である。また、導電層が複数の層により形成されていている場合には、複数の層を構成する全ての金属よりも無機粒子が硬いほうが、接続抵抗の低減効果がより一層効果的に発揮される。
上記無機粒子の平均粒子径は、好ましくは0.0001μm以上、より好ましくは0.005μm以上、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。上記無機粒子の平均粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができる。
上記無機粒子の「平均粒子径」は、数平均粒子径を示す。無機粒子の平均粒子径は、任意の無機粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
上記芯物質の表面上に無機粒子が配置されている複合粒子を用いる場合に、上記複合粒子の平均径(平均粒子径)は、好ましくは0.0012μm以上、より好ましくは0.0502μm以上、好ましくは1.9μm以下、より好ましくは1.2μm以下である。上記複合粒子の平均径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができる。
上記複合粒子の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。上記複合粒子の平均径は、任意の複合粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
[絶縁物質]
本発明に係る導電性粒子は、上記導電層の表面上に配置された絶縁物質を備えることが好ましい。この場合には、導電性粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡を防止できる。具体的には、複数の導電性粒子が接触したときに、複数の電極間に絶縁物質が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で導電性粒子を加圧することにより、導電性粒子の導電層と電極との間の絶縁物質を容易に排除できる。導電性粒子が導電層の外表面に複数の突起を有するので、導電性粒子の導電層と電極との間の絶縁物質を容易に排除できる。
電極間の圧着時に上記絶縁物質をより一層容易に排除できることから、上記絶縁物質は、絶縁性粒子であることが好ましい。
上記絶縁物質の材料である絶縁性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン類、(メタ)アクリレート重合体、(メタ)アクリレート共重合体、ブロックポリマー、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の架橋物、熱硬化性樹脂及び水溶性樹脂等が挙げられる。
上記ポリオレフィン類としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。上記(メタ)アクリレート重合体としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート及びポリブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記ブロックポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、SB型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、及びSBS型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、並びにこれらの水素添加物等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、ビニル重合体及びビニル共重合体等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びメラミン樹脂等が挙げられる。上記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド及びメチルセルロース等が挙げられる。なかでも、水溶性樹脂が好ましく、ポリビニルアルコールがより好ましい。
上記導電層の表面上に絶縁物質を配置する方法としては、化学的方法、及び物理的もしくは機械的方法等が挙げられる。上記化学的方法としては、例えば、界面重合法、粒子存在下での懸濁重合法及び乳化重合法等が挙げられる。上記物理的もしくは機械的方法としては、スプレードライ、ハイブリタイゼーション、静電付着法、噴霧法、ディッピング及び真空蒸着による方法等が挙げられる。なかでも、絶縁物質が脱離し難いことから、上記導電層の表面に、化学結合を介して上記絶縁物質を配置する方法が好ましい。
上記絶縁物質の平均径(平均粒子径)は、導電性粒子の粒子径及び導電性粒子の用途等によって適宜選択できる。上記絶縁物質の平均径(平均粒子径)は好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。絶縁物質の平均径が上記下限以上であると、導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されたときに、複数の導電性粒子における導電層同士が接触し難くなる。絶縁性粒子の平均径が上記上限以下であると、電極間の接続の際に、電極と導電性粒子との間の絶縁物質を排除するために、圧力を高くしすぎる必要がなくなり、高温に加熱する必要もなくなる。
上記絶縁物質の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。絶縁物質の平均径は、粒度分布測定装置等を用いて求められる。
(導電材料)
本発明に係る導電材料は、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散され、導電材料として用いられることが好ましい。上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。
上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記導電材料は、上記導電性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を分散させる方法は、従来公知の分散方法を用いることができ特に限定されない。上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を分散させる方法としては、例えば、上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を添加した後、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法、上記導電性粒子を水又は有機溶剤中にホモジナイザー等を用いて均一に分散させた後、上記バインダー樹脂中に添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法、並びに上記バインダー樹脂を水又は有機溶剤等で希釈した後、上記導電性粒子を添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法等が挙げられる。
本発明に係る導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。本発明に係る導電材料が、導電フィルムである場合には、導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは、異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは、異方性導電フィルムであることが好ましい。
上記導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、導電材料により接続された接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
上記導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
(接続構造体)
本発明の導電性粒子を用いて、又は該導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、該接続部が本発明の導電性粒子により形成されているか、又は該導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料(異方性導電材料など)により形成されている接続構造体であることが好ましい。導電性粒子が用いられた場合には、接続部自体が導電性粒子である。すなわち、第1,第2の接続対象部材が導電性粒子により接続される。
図4に、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に正面断面図で示す。
図4に示す接続構造体51は、第1の接続対象部材52と、第2の接続対象部材53と、第1,第2の接続対象部材52,53を接続している接続部54とを備える。接続部54は、導電性粒子1を含む導電材料を硬化させることにより形成されている。なお、図4では、導電性粒子1は、図示の便宜上、略図的に示されている。
第1の接続対象部材52は上面52a(表面)に、複数の電極52bを有する。第2の接続対象部材53は下面53a(表面)に、複数の電極53bを有する。電極52bと電極53bとが、1つ又は複数の導電性粒子1により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材52,53が導電性粒子1により電気的に接続されている。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例としては、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。
上記加圧の圧力は9.8×104〜4.9×106Pa程度である。上記加熱の温度は、120〜220℃程度である。
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板及びガラス基板等の回路基板等が挙げられる。上記接続対象部材は電子部品であることが好ましい。上記導電性粒子は、電子部品における電極の電気的な接続に用いられることが好ましい。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)を用意した。
パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、上記樹脂粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、樹脂粒子を取り出した。次いで、樹脂粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、樹脂粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された樹脂粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L及びタングステン酸ナトリウム0.35mol/Lを含むニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。
得られた懸濁液を50℃(めっき液温)にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、樹脂粒子の表面にニッケル−タングステン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例2)
タングステン酸ナトリウム濃度を0.01mol/L、めっき液のpHを9.0、めっき液温を70℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子の表面にニッケル−タングステン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例3)
めっき液のpHを9.0、めっき液温を70℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子の表面にニッケル−タングステン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例4)
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)を用意した。
パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、上記樹脂粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、樹脂粒子を取り出した。次いで、樹脂粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、樹脂粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された樹脂粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L及びタングステン酸ナトリウム0.35mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L及びタングステン酸ナトリウム0.35mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH9.0)を用意した。
得られた懸濁液を50℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、リン含有量の高い導電性粒子1を得た。続いて、懸濁液温を70℃にし、上記第2のニッケルめっき液を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、導電性粒子2を得た。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、樹脂粒子の表面にニッケル−タングステン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例5)
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)を用意した。
パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、上記樹脂粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、樹脂粒子を取り出した。次いで、樹脂粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、樹脂粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された樹脂粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L及びタングステン酸ナトリウム0.35mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。
得られた懸濁液を50℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、リン含有量の高い導電性粒子1を得た。続いて、上記第2のニッケルめっき液を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、導電性粒子2を得た。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、樹脂粒子の表面にニッケル−タングステン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例6)
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)を用意した。
パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、上記樹脂粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、樹脂粒子を取り出した。次いで、樹脂粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、樹脂粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された樹脂粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L、及びタングステン酸ナトリウム0.35mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。
得られた懸濁液を50℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、リン含有量の高い導電性粒子1を得た。続いて、上記第2のニッケルめっき液を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、導電性粒子2を得た。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、樹脂粒子の表面にニッケル−タングステン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例7)
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)を用意した。
パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、上記樹脂粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、樹脂粒子を取り出した。次いで、樹脂粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、樹脂粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された樹脂粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L及びタングステン酸ナトリウム0.35mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH4.5)を用意した。
得られた懸濁液を50℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、リン含有量の高い導電性粒子1を得た。続いて、上記第2のニッケルめっき液を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、導電性粒子2を得た。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、樹脂粒子の表面にニッケル−タングステン−リン導電層(厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例8)
(1)パラジウム付着工程
粒子径が5.0μmであるジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−205」)を用意した。この樹脂粒子をエッチングし、水洗した。次に、パラジウム触媒を8重量%含むパラジウム触媒化液100mL中に樹脂粒子を添加し、攪拌した。その後、ろ過し、洗浄した。pH6の0.5重量%ジメチルアミンボラン液に樹脂粒子を添加し、パラジウムが付着された樹脂粒子を得た。
(2)芯物質付着工程
パラジウムが付着された樹脂粒子をイオン交換水300mL中で3分間攪拌し、分散させ、分散液を得た。次に、金属ニッケル粒子スラリー(平均粒子径100nm)1gを3分間かけて上記分散液に添加し、芯物質が付着された樹脂粒子を得た。
(3)無電解ニッケルめっき工程
実施例1と同様にして、樹脂粒子の表面にニッケル−タングステン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例9)
(1)絶縁性粒子の作製
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管及び温度プローブが取り付けられた1000mLのセパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル100mmolと、N,N,N−トリメチル−N−2−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド1mmolと、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩1mmolとを含むモノマー組成物を固形分率が5重量%となるようにイオン交換水に秤取した後、200rpmで攪拌し、窒素雰囲気下70℃で24時間重合を行った。反応終了後、凍結乾燥して、表面にアンモニウム基を有し、平均粒子径220nm及びCV値10%の絶縁性粒子を得た。
絶縁性粒子を超音波照射下でイオン交換水に分散させ、絶縁性粒子の10重量%水分散液を得た。
実施例8で得られた導電性粒子10gをイオン交換水500mLに分散させ、絶縁性粒子の水分散液4gを添加し、室温で6時間攪拌した。3μmのメッシュフィルターでろ過した後、更にメタノールで洗浄し、乾燥し、絶縁性粒子が付着した導電性粒子を得た。
走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、導電性粒子の表面に絶縁性粒子による被覆層が1層のみ形成されていた。画像解析により導電性粒子の中心より2.5μmの面積に対する絶縁性粒子の被覆面積(即ち絶縁性粒子の粒子径の投影面積)を算出したところ、被覆率は30%であった。
(比較例1)
めっき液のpHを4.5に変更したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子の表面にニッケル−タングステン−リン導電層(厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(比較例2)
めっき液のpHを4.5に変更したこと以外は実施例5と同様にして、樹脂粒子の表面にニッケル−タングステン−リン導電層(厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例10)
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)を用意した。
パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、上記樹脂粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、樹脂粒子を取り出した。次いで、樹脂粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、樹脂粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された樹脂粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L及びモリブデン酸ナトリウム0.35mol/Lを含むニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。
得られた懸濁液を50℃にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、樹脂粒子の表面にニッケル−モリブデン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例11)
モリブデン酸ナトリウム濃度を0.01mol/L、めっき液のpHを9.0、めっき液温を70℃に変更したこと以外は実施例10と同様にして、樹脂粒子の表面にニッケル−モリブデン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例12)
めっき液のpHを9.0、めっき液温を70℃に変更したこと以外は実施例10と同様にして、樹脂粒子の表面にニッケル−モリブデン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例13)
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)を用意した。
パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、上記樹脂粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、樹脂粒子を取り出した。次いで、樹脂粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、樹脂粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された樹脂粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L及びモリブデン酸ナトリウム0.35mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L及びモリブデン酸ナトリウム0.35mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH9.0)を用意した。
得られた懸濁液を50℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、リン含有量の高い導電性粒子1を得た。続いて、懸濁液温を70℃にし、上記第2のニッケルめっき液を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、導電性粒子2を得た。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、樹脂粒子の表面にニッケル−モリブデン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例14)
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)を用意した。
パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、上記樹脂粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、樹脂粒子を取り出した。次いで、樹脂粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、樹脂粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された樹脂粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L及びモリブデン酸ナトリウム0.35mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。
得られた懸濁液を50℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、リン含有量の高い導電性粒子1を得た。続いて、上記第2のニッケルめっき液を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、導電性粒子2を得た。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、樹脂粒子の表面にニッケル−モリブデン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例15)
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)を用意した。
パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、上記樹脂粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、樹脂粒子を取り出した。次いで、樹脂粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、樹脂粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された樹脂粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L、及びモリブデン酸ナトリウム0.35mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。
得られた懸濁液を50℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、リン含有量の高い導電性粒子1を得た。続いて、上記第2のニッケルめっき液を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、導電性粒子2を得た。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、樹脂粒子の表面にニッケル−モリブデン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例16)
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)を用意した。
パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、上記樹脂粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、樹脂粒子を取り出した。次いで、樹脂粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、樹脂粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された樹脂粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。また、硫酸ニッケル0.23mol/L、次亜リン酸ナトリウム0.5mol/L、クエン酸ナトリウム0.5mol/L及びモリブデン酸ナトリウム0.35mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH4.5)を用意した。
得られた懸濁液を50℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、リン含有量の高い導電性粒子1を得た。続いて、上記第2のニッケルめっき液を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、導電性粒子2を得た。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、樹脂粒子の表面にニッケル−モリブデン−リン導電層(厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例17)
(1)パラジウム付着工程
粒子径が5.0μmであるジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−205」)を用意した。この樹脂粒子をエッチングし、水洗した。次に、パラジウム触媒を8重量%含むパラジウム触媒化液100mL中に樹脂粒子を添加し、攪拌した。その後、ろ過し、洗浄した。pH6の0.5重量%ジメチルアミンボラン液に樹脂粒子を添加し、パラジウムが付着された樹脂粒子を得た。
(2)芯物質付着工程
パラジウムが付着された樹脂粒子をイオン交換水300mL中で3分間攪拌し、分散させ、分散液を得た。次に、金属ニッケル粒子スラリー(平均粒子径100nm)1gを3分間かけて上記分散液に添加し、芯物質が付着された樹脂粒子を得た。
(3)無電解ニッケルめっき工程
実施例10と同様にして、樹脂粒子の表面にニッケル−モリブデン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層、厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例18)
(1)絶縁性粒子の作製
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管及び温度プローブが取り付けられた1000mLのセパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル100mmolと、N,N,N−トリメチル−N−2−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド1mmolと、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩1mmolとを含むモノマー組成物を固形分率が5重量%となるようにイオン交換水に秤取した後、200rpmで攪拌し、窒素雰囲気下70℃で24時間重合を行った。反応終了後、凍結乾燥して、表面にアンモニウム基を有し、平均粒子径220nm及びCV値10%の絶縁性粒子を得た。
絶縁性粒子を超音波照射下でイオン交換水に分散させ、絶縁性粒子の10重量%水分散液を得た。
実施例17で得られた導電性粒子10gをイオン交換水500mLに分散させ、絶縁性粒子の水分散液4gを添加し、室温で6時間攪拌した。3μmのメッシュフィルターでろ過した後、更にメタノールで洗浄し、乾燥し、絶縁性粒子が付着した導電性粒子を得た。
走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、導電性粒子の表面に絶縁性粒子による被覆層が1層のみ形成されていた。画像解析により導電性粒子の中心より2.5μmの面積に対する絶縁性粒子の被覆面積(即ち絶縁性粒子の粒子径の投影面積)を算出したところ、被覆率は30%であった。
(比較例3)
めっき液のpHを4.5に変更したこと以外は実施例10と同様にして、樹脂粒子の表面にニッケル−モリブデン−リン導電層(厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(比較例4)
めっき液のpHを4.5に変更したこと以外は実施例14と同様にして、樹脂粒子の表面にニッケル−モリブデン−リン導電層(厚み0.1μm)が配置された導電性粒子を得た。
(実施例19)
樹脂粒子の表面に配置するニッケル−タングステン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層)の厚みを0.1μmから0.2μmに変更したこと以外は実施例9と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例20)
樹脂粒子の表面に配置するニッケル−タングステン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層)の厚みを0.1μmから0.3μmに変更したこと以外は実施例9と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例21)
樹脂粒子の表面に配置するニッケル−モリブデン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層)の厚みを0.1μmから0.2μmに変更したこと以外は実施例18と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例22)
樹脂粒子の表面に配置するニッケル−モリブデン−リン導電層(結晶構造を有する結晶層)の厚みを0.1μmから0.3μmに変更したこと以外は実施例18と同様にして、導電性粒子を得た。
(評価)
(1)導電性粒子の圧縮弾性率(5%K値)
得られた導電性粒子の圧縮弾性率(5%K値)を、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。
(2)導電層の割れ発生試験
台の上に導電性粒子を置いた。微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて、圧縮速度0.33mN/秒及び最大試験荷重10mNの条件で、円柱(ダイヤモンド製、直径50μm)を圧縮部材として、該圧縮部材の平滑端面を導電性粒子に向かって降下させた。平滑端面により導電性粒子を圧縮した。導電性粒子の導電層に割れが生じるまで圧縮を行った。圧縮方向における圧縮前の導電性粒子の粒子径に対して、導電層に割れが生じた導電性粒子の上記圧縮変位を下記の表1〜3に示した。上記圧縮変位の評価結果については、3つの導電性粒子の測定値の平均値を下記の表1〜3に示した。
(3)導電層(結晶層)100重量%中のニッケル、リン、タングステン及びモリブデンの含有量
得られた導電性粒子を切断し、断面をエネルギー分散型X線分析によりニッケル、タングステン、モリブデン及びリンの含有量を評価した。また、リン含有導電層の内表面から外側に向かって厚み5nmの領域と、リン含有導電層の外表面から内側に向かって厚み5nmの領域とにおけるリンの含有量を評価した。
導電層の厚み方向における各成分の含有量の分布(導電層の外表面から厚み方向に内側に向かって5nmの厚みの導電層部分における各成分の含有量)については、以下のようにして評価した。
集束イオンビームを用いて、得られた導電性粒子の薄膜切片を作製した。透過型電子顕微鏡FE−TEM(日本電子社製「JEM−2010FEF」)を用いて、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)により、導電層におけるニッケル、リン、タングステン及びモリブデンの各含有量を測定した。
(4)めっき状態
得られた導電性粒子50個のめっき状態を、走査型電子顕微鏡により観察した。めっき割れ又はめっき剥がれ等のめっきむらの有無を観察した。めっきむらが確認された導電性粒子が4個以下の場合を「良好」、めっきむらが確認された導電性粒子が5個以上の場合を「不良」と判定した。
(6)凝集状態
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート1009」)10重量部と、アクリルゴム(重量平均分子量約80万)40重量部と、メチルエチルケトン200重量部と、マイクロカプセル型硬化剤(旭化成ケミカルズ社製「HX3941HP」)50重量部と、シランカップリング剤(東レダウコーニングシリコーン社製「SH6040」)2重量部とを混合し、導電性粒子を含有量が3重量%となるように添加し、分散させ、異方性導電材料を得た。
得られた異方性導電材料を25℃で72時間保管した。保管後に、異方性導電材料において凝集した導電性粒子が沈降しているか否かを評価した。凝集した導電性粒子が沈降していない場合を「良好」、凝集した導電性粒子が沈降している場合を「不良」と判定した。
(7)接続抵抗
接続構造体の作製:
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート1009」)10重量部と、アクリルゴム(重量平均分子量約80万)40重量部と、メチルエチルケトン200重量部と、マイクロカプセル型硬化剤(旭化成ケミカルズ社製「HX3941HP」)50重量部と、シランカップリング剤(東レダウコーニングシリコーン社製「SH6040」)2重量部とを混合し、導電性粒子を含有量が3重量%となるように添加し、分散させ、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を、片面が離型処理された厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに塗布し、70℃の熱風で5分間乾燥し、異方性導電フィルムを作製した。得られた異方性導電フィルムの厚さは12μmであった。
得られた異方性導電フィルムを5mm×5mmの大きさに切断した。切断された異方性導電フィルムを、一方に抵抗測定用の引き回し線を有するアルミニウム電極(高さ0.2μm、L/S=20μm/20μm)を有するガラス基板(幅3cm、長さ3cm)のアルミニウム電極側のほぼ中央に貼り付けた。次いで、同じアルミニウム電極を有する2層フレキシブルプリント基板(幅2cm、長さ1cm)を、電極同士が重なるように位置合わせをしてから貼り合わせた。このガラス基板と2層フレキシブルプリント基板との積層体を、10N、180℃、及び20秒間の圧着条件で熱圧着し、接続構造体を得た。なお、ポリイミドフィルムにアルミニウム電極が直接形成されている2層フレキシブルプリント基板を用いた。
接続抵抗の測定:
得られた接続構造体の対向する電極間の接続抵抗を4端子法により測定した。また、接続抵抗を下記の評価基準で評価した。
〔接続抵抗の評価基準〕
○○:接続抵抗が2.0Ω以下
○:接続抵抗が2.0Ωを超え、3.0Ω以下
△:接続抵抗が3.0Ωを超え、5.0Ω以下
×:接続抵抗が5.0Ωを超える
(8)耐衝撃性
上記(7)接続抵抗の評価で得られた接続構造体を高さ70cmの位置から落下させ、導通を確認することにより耐衝撃性の評価を行った。初期抵抗値からの抵抗値の上昇率が50%以下の場合を「良好」、初期抵抗値からの抵抗値の上昇率が50%を超える場合を「不良」と判定した。
(9)圧痕の形成の有無
微分干渉顕微鏡を用いて、上記(7)の評価の接続構造体の作製で得られた接続構造体のガラス基板側から、ガラス基板に設けられた電極を観察し、導電性粒子が接触した電極の圧痕の形成の有無を下記の判定基準で評価した。なお、電極の圧痕の形成の有無について、電極面積が0.02mm2となるように、微分干渉顕微鏡にて観察し、電極面積0.02mm2あたりの圧痕の個数を算出した。任意の10箇所を微分干渉顕微鏡にて観察し、電極面積0.02mm2あたりの圧痕の個数の平均値を算出した。
〔圧痕の形成の有無の判定基準〕
○○:電極面積0.02mm2あたりの圧痕が25個以上
○:電極面積0.02mm2あたりの圧痕が20個以上、25個未満
△:電極面積0.02mm2あたりの圧痕が5個以上、20個未満
×:電極面積0.02mm2あたりの圧痕が5個未満
(10)結晶の大きさ
X線回折装置(理学電機製「RINT2500VHF」)を用いて、回折角に依存する装置固有の回折線の自然幅を関数近似によって算出し、得られた回折線の拡がりが「格子歪がまったくない」と仮定できる時は、その拡がりを表す半価幅もしくは積分幅をScherrerの式に代入して、結晶子の大きさを算出した。
結晶子サイズ (nm) = K・λ/(β・cosθ)
K:Scherrer定数
λ:使用X線管球の波長
β:結晶子の大きさによる回折線の拡がり
θ:回折角 2θ/θ
結晶の大きさを下記の基準で判定した。
[結晶の大きさの判定基準]
○○:結晶の大きさが50nm以上、150nm未満
○:結晶大きさが10nm以上、50nm未満
×:非結晶
(11)結晶状態
得られた導電性粒子を切断し、導電層の結晶有無を透過型電子顕微鏡にて観察した。基材粒子に接している導電層の基材粒子側から5nm領域における結晶の状態と、導電性粒子における導電層の外表面から5nm領域における結晶の状態を観察した。結晶の状態を下記の基準で判定した。
[結晶の状態の判定基準]
A:結晶層
B:非結晶層
結果を下記の表1〜3に示す。