JP2016042466A - 導電性粒子、導電材料及び接続構造体 - Google Patents

導電性粒子、導電材料及び接続構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】電極間を電気的に接続した場合に、電極間に導電性粒子を効率的に配置することができ、接続抵抗を低くすることができる導電性粒子を提供する。
【解決手段】本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、導電部とを備え、前記導電部が、結晶構造を有する第1の導電部と、結晶構造を有する第2の導電部とを含み、前記第1の導電部が、前記基材粒子の表面上に配置されており、前記第2の導電部が、前記第1の導電部に接するように前記第1の導電部の外表面上に配置されており、前記第1の導電部における結晶子サイズと、前記第2の導電部における結晶子サイズとの差の絶対値が5nm以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、基材粒子と、該基材粒子の表面上に配置された導電部とを有する導電性粒子に関する。また、本発明は、上記導電性粒子を用いた導電材料及び接続構造体に関する。
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。上記異方性導電材料では、バインダー樹脂中に複数の導電性粒子が分散されている。
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等に使用されている。
上記導電性粒子の一例として、下記の特許文献1には、樹脂を含む基材粒子と、該基材粒子の表面を被覆している緩衝層と、該緩衝層の上を被覆しているAu層とを有する導電性粒子が開示されている。上記緩衝層の厚さは0.01〜0.1μmである。上記緩衝層は、Ni、Ag、Cu、Al又はそれらの合金(但しNi−Pを除く)を含む。
下記の特許文献2には、基材粒子と、該基材粒子の表面を被覆している導電性金属層とを有する導電性粒子が開示されている。上記導電性金属層は、ニッケルめっき層を含む。該ニッケルめっき層は、走査型電子顕微鏡を使用して100000倍の拡大倍率で、ニッケルめっき層の厚さ方向の断面を観測したとき、その断面に粒界が認められ、かつ、粒界構造がニッケルめっき層の厚さ方向に配向する柱状構造でない。
下記の特許文献3には、基材粒子と、該基材粒子の表面を被覆する導電性金属層とを有する導電性粒子が開示されている。上記導電性金属層は、ニッケルを含む。上記導電性粒子では、粉末X線回折法により測定されるニッケルの[111]方向の結晶子径が、3nm以下である。
特開平11−39937号公報 特開2013−73694号公報 WO2013/042785A1
特許文献1〜3に記載のような従来の導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続して接続構造体を得た場合に、接続抵抗が高くなることがある。
また、導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続する際には、一般に、電極間に導電性粒子を配置して、加熱及び加圧が行われる。従来の導電性粒子では、電極間に複数の導電性粒子を効率的に配置することが困難なことがある。電極が形成されている部分のライン(L)だけでなく、電極が形成されていない部分のスペース(S)にも、導電性粒子が配置されやすいという問題がある。このため、スペースにも導電性粒子が配置されることを前提として、導電性粒子を多く用いなければならないことがある。さらに、スペースに導電性粒子が配置された結果、絶縁不良が生じやすいという問題がある。また、電極が形成されている部分に配置される導電性粒子が少ないと、接続抵抗が高くなる。
本発明の目的は、電極間を電気的に接続した場合に、電極間に導電性粒子を効率的に配置することができ、接続抵抗を低くすることができる導電性粒子を提供することである。また、本発明の目的は、上記導電性粒子を用いた導電材料及び接続構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、基材粒子と、導電部とを備え、前記導電部が、結晶構造を有する第1の導電部と、結晶構造を有する第2の導電部とを含み、前記第1の導電部が、前記基材粒子の表面上に配置されており、前記第2の導電部が、前記第1の導電部に接するように前記第1の導電部の外表面上に配置されており、前記第1の導電部における結晶子サイズと、前記第2の導電部における結晶子サイズとの差の絶対値が5nm以上である、導電性粒子が提供される。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記第1の導電部における結晶子サイズが、前記第2の導電部における結晶子サイズよりも小さいか、又は大きい。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記第1の導電部が、ニッケルを含む。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記第2の導電部が、ニッケルを含む。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部が外表面に複数の突起を有する。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部の外表面の全表面積100%中、前記突起がある部分の表面積が10%以上である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、複数の前記突起の平均高さが、5nm以上、1000nm以下である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、複数の前記突起の基部の平均径が、5nm以上、1000nm以下である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、複数の前記突起の平均高さの、複数の前記突起の基部の平均径に対する比が、0.1以上、10以下である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子は、前記導電部内において、複数の前記突起を形成するように、前記導電部の表面を隆起させている複数の芯物質を備える。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記芯物質の材料のモース硬度が5以上である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部中の結晶構造を有する導電部部分の全体での測定において、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(222)面の結晶子サイズの平均値による結晶子サイズが10nm以上である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部中の結晶構造を有する導電部部分の全体での測定において、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とウィリアムソン−ホール式から求められる結晶子サイズが10nm以上である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部中の結晶構造を有する導電部部分の全体での測定において、X線回折における(220)面の結晶子サイズをD(220)とし、(111)面の結晶子サイズをD(111)としたときに、これらの比(D(220)/D(111))が、0.01以上である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子の粒子径が1.0μm以上、10.0μm以下である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記基材粒子が、樹脂粒子であるか、又は有機無機ハイブリッド粒子である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部の外表面が防錆処理されている。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部の外表面が、炭素数6〜22のアルキル基を有する化合物により防錆処理されている。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部の外表面が、リンを含まない化合物により防錆処理されている。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子は、前記導電部の外表面上に配置された絶縁性物質を備える。
本発明の広い局面によれば、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む、導電材料が提供される。
本発明の広い局面によれば、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、前記接続部の材料が、上述した導電性粒子であるか、又は前記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料である、接続構造体が提供される。
本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、導電部とを備えており、上記導電部が、結晶構造を有する第1の導電部と、結晶構造を有する第2の導電部とを含み、上記第1の導電部が、上記基材粒子の表面上に配置されており、上記第2の導電部が、上記第1の導電部に接するように上記第1の導電部の外表面上に配置されており、上記第1の導電部における結晶子サイズと、上記第2の導電部における結晶子サイズとの差の絶対値が5nm以上であるので、電極間を電気的に接続した場合に、電極間に導電性粒子を効率的に配置することができる。さらに、電極間の接続抵抗を低くすることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図3は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図4は、本発明の第4の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図5は、本発明の第5の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図6は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(導電性粒子)
本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、導電部とを備える。上記導電部が、結晶構造を有する第1の導電部と、結晶構造を有する第2の導電部とを含む。上記第1の導電部は、上記基材粒子の表面上に配置されている。上記第2の導電部は、上記第1の導電部に接するように上記第1の導電部の外表面上に配置されている。上記第1の導電部における結晶子サイズ(1)と、上記第2の導電部における結晶子サイズ(2)との差の絶対値は、5nm以上である。
本発明に係る導電性粒子では、上記の構成が採用されているので、電極間を電気的に接続した場合に、電極間に導電性粒子を効率的に配置することができる。また、電極間の接続抵抗を低くすることができる。本発明者らは、電極間に導電性粒子を効率的に配置し、かつ電極間の接続抵抗を十分に低くするためには、隣接する導電層の結晶子サイズ(1)と結晶子サイズ(2)とを異ならせればよいことを見出した。さらに、本発明者らは、電極間に導電性粒子をかなり効率的に配置し、かつ電極間の接続抵抗をかなり低くするためには、隣接する導電層の結晶子サイズ(1)と結晶子サイズ(2)とが異なるだけでは不十分であり、結晶子サイズ(1)と結晶子サイズ(2)との差の絶対値を5nm以上にする必要があることを見出した。結晶子サイズ(1)と結晶子サイズ(2)との差の絶対値が5nm以上である場合に、結晶子サイズ(1)と結晶子サイズ(2)との差の絶対値が5nm未満である場合と比べて、電極間に配置される導電性粒子の数が多くなり、電極間の接続抵抗が低くなる。
近年、電子機器の小型化に伴って、電極が形成されている部分のライン(L)と、電極が形成されていない部分のスペース(S)との間隔が狭くなってきている。例えば、L/Sが30μm以下/30μm以下の微細な電極間を電気的に接続する必要が高まっている。L/Sが小さい電極間を電気的に接続する場合には、従来の導電性粒子を用いると、ライン(L)に配置される導電性粒子が少なくなりやすいので、接続抵抗が高くなりやすく、更にスペース(S)に導電性粒子が多く配置されやすいので、絶縁不良が特に生じやすいという問題がある。
これに対して、本発明に係る導電性粒子の使用により、ライン(L)に電極を効率的に配置することができ、接続抵抗を効果的に低くすることができ、更にスペース(S)に導電性粒子が配置され難くなり、絶縁不良が生じるのを効果的に抑制できる。
また、近年、電極が形成されている部分のライン(L)と、電極が形成されていない部分のスペース(S)との間隔が狭くなってきており、ライン(L)の数が増えてきている。このような電極の1つのライン(L)上に配置される導電性粒子の数が少なくなりやすく、結果として接続抵抗が高くなりやすい傾向がある。一方で、このような電極の1つのライン(L)上に配置される導電性粒子の数を多くすることを目的として、導電材料における導電性粒子の含有量を多くすることが考えられるが、導電材料における導電性粒子の含有量を多くすると絶縁不良が生じやすくなる。本発明では、導電材料における導電性粒子の含有量を多くしなくても、接続抵抗を充分に低くすることができる。
また、結晶子サイズが異なる2つの導電部を互いに接するように設けることで、外部応力が緩和され、導電部全体の厚みを薄くしても、導電部の割れを生じ難くすることができる。さらに、小さいL/Sに対応して、導電性粒子を小さくするために、導電部の厚みを薄くしても、良好な導通信頼性が発揮される。
上記導電性粒子は、上記第1の導電層の内側に他の導電層を有していてもよく、上記第2の導電層の外側に他の導電層を有していてもよい。接続抵抗をより一層低くし、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電層数は好ましくは2層以上、より好ましくは4層以上であり、好ましくは10層以下、より好ましくは8層以下である。
電極間に導電性粒子をより一層効率的に配置し、かつ電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、結晶子サイズ(1)と結晶子サイズ(2)との差の絶対値は好ましくは8nm以上、より好ましくは10nm以上である。結晶子サイズ(1)と結晶子サイズ(2)との差の絶対値の上限は特に限定されない。結晶子サイズ(1)と結晶子サイズ(2)との差の絶対値は100nm以下であってもよく、50nm以下であってもよい。
内側に位置する上記第1の導電部における結晶子サイズ(1)は、外側に位置する上記第2の導電部における結晶子サイズ(2)よりも大きくてもよく、小さくてもよい。
上記導電部における結晶子サイズを微細にする方法としては、Ni導電部中のリン含有量の増加による微細化、Ni導電部中のボロン含有量の増加による微細化、めっき液中の有機系光沢剤の添加による微細化、並びに金属系光沢剤の添加による微細化等が挙げられる。特にニッケルめっき導電部中のリン及びボロン含有量の増加、有機系光沢剤の添加が、導電部における結晶子サイズの微細化に効果がある。
ニッケルめっき導電部中のリン及びボロン含有量を増加させる方法としては、めっき液のpHを低くしてニッケルめっき液の反応の速度を遅くする方法、ニッケルめっき液の温度を下げる方法、ニッケルめっき液中のリン系還元剤及びボロン系還元剤の濃度を高くする方法、並びにニッケルめっき液中の錯化剤濃度を高くする方法等が挙げられる。これらの方法は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記有機系光沢剤としては、サッカリン、ナフタレンジスルホン酸ナトリウム、ナフタレントリスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、プロパギルスルホン酸ナトリウム、ブチンジオール、プロパギルアルコール、クマリン、ホルマリン、エトキシ化ポリエチレンイミン、ポリアルキルイミン、ポリエチレンイミン、ゼラチン、デキストリン、チオ尿素、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ケイ皮酸、ニコチン酸及びベンザルアセトン等が挙げられる。上記有機系光沢剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
さらに、上記有機系光沢剤の好ましい例としては、エトキシ化ポリエチレンイミン、ポリアルキルイミン、ポリエチレンイミン、及びポリエチレングリコール等が挙げられる。
導電性粒子が複数である場合に、上記結晶子サイズは、例えば、以下のようにして測定することができる。
導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その導電性粒子検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。
FE−SEM−EBSPを用いて、導電性粒子の断面について、結晶粒マッピング測定を実施する。結晶子サイズの粒径分布チャートを確認することにより、結晶子サイズを判定する。得られた結晶子サイズ(1),(2)から、上記第1の導電部における結晶子サイズ(1)と、上記第2の導電部における結晶子サイズ(2)との差の絶対値を算出する。結晶子サイズ(1),(2)は、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とシェラーの式から求めてもよく、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とウィリアムソン−ホール式から求めてもよい。
電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記導電部中の結晶構造を有する導電部部分の全体での測定において、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(222)面の結晶子サイズの平均値による結晶子サイズが10nm以上であることが好ましい。この結晶子サイズは、(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(222)面の各結晶子サイズの5つの値を平均することにより求められる。
電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記導電部中の結晶構造を有する導電部部分の全体での測定において、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とウィリアムソン−ホール式から求められる結晶子サイズが10nm以上であることが好ましい。
電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記導電部中の結晶構造を有する導電部部分の全体での測定において、X線回折における(220)面の結晶子サイズをD(220)とし、(111)面の結晶子サイズをD(111)としたときに、これらの比(D(220)/D(111))が、0.01以上であることが好ましい。
各方位の上記結晶子サイズの平均値は、以下のようにして測定することができる。
X線回折装置(理学電機社製「RINT2500VHF」)を用いて粉末X線回折測定を行う。CuKα線によるX線回折により得られる回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(222)面の結晶子サイズの平均値により、結晶子サイズを判定する。
まず、基材粒子と、導電部とを備えており、上記導電部が、結晶構造を有する第1の導電部と、結晶構造を有する第2の導電部とを含み、上記第1の導電部が、上記基材粒子の表面上に配置されており、上記第2の導電部が、上記第1の導電部に接するように上記第1の導電部の外表面上に配置されている粒子の結晶子サイズ(A)を測定する。
次に、基材粒子と、導電部とを備えており、上記導電部が、結晶構造を有する第1の導電部のみであり、上記第1の導電部が、上記基材粒子の表面上に配置されている粒子の結晶子サイズ(B)を測定する。
上記第1の導電部と上記第2の導電部を含む結晶子サイズ(A)と上記第1の導電部のみの結晶子サイズ(B)との差の絶対値を算出する。
結晶子サイズは、下記のシェラーの式により算出する。
シェラーの式:D=Kλ/βcosθ
D:結晶子サイズ
K:シェラー定数
λ:X線の波長
β:半値幅[rad]
θ:回折角
また、上記導電部中の結晶構造を有する導電部部分全体での上記結晶子サイズは、以下のようにして測定することができる。
X線回折装置(理学電機社製「RINT2500VHF」)を用いて得られた導電性粒子の粉末X線回折測定を行う。CuKα線によるX線回折により得られる回折ピークの半値幅とウィリアムソン−ホール式から得られた導電性粒子の上記導電部中の結晶構造を有する導電部部分全体での結晶子サイズを算出する。
上記導電部中の結晶構造を有する導電部部分全体での結晶子サイズは、下記のウィリアムソン−ホール式により算出する。
ウィリアムソン−ホール式:Δ2θ・cosθ/λ=0.9/D+2ε・sinθ/λ
D:結晶子サイズ
λ:X線の波長
Δ2θ:半値幅[rad]
θ:回折角度
ε:格子ひずみ
結晶子サイズは、下記のウィリアムソン−ホール式により横軸に2sinθ/λ、縦軸にΔ2θ・cosθ/λを取ってプロットを行い、プロットの直線の切片の値から上記導電部中の結晶構造を有する導電部部分全体での結晶子サイズ(D)を算出する。
また、(111)面の結晶子サイズD(111)と(220)面の結晶子サイズD(220)との上記結晶子サイズ比は以下のようにして測定することができる。
X線回折装置(理学電機社製「RINT2500VHF」)を用いて得られた導電性粒子の粉末X線回折測定を行う。CuKα線によるX線回折により得られる回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面及び(220)面の得られた導電性粒子の結晶子サイズを算出する。
まず、上記のCuKα線によるX線回折により得られる(111)面の回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面の得られた導電性粒子の結晶子サイズD(111)を算出する。
次に、上記のCuKα線によるX線回折により得られる(220)面の回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(220)面の得られた導電性粒子の結晶子サイズD(220)を算出する。
そして、得られた(111)面の結晶子サイズと(220)面の結晶子サイズの比D(220)/D(111)を算出する。
結晶子サイズは、下記のシェラーの式により算出する。
シェラーの式:D=Kλ/βcosθ
D:結晶子サイズ
K:シェラー定数
λ:X線の波長
β:半値幅[rad]
θ:回折角
接続抵抗をより一層低くし、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子は、上記導電部の外表面に複数の突起を有することが好ましい。さらに、上記導電性粒子は、上記導電部内において、複数の上記突起を形成するように、上記導電部の表面を隆起させている複数の芯物質を備えることが好ましい。
接続抵抗をより一層低くし、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子の全表面積100%中、上記突起がある部分の表面積は好ましくは10%以上、より好ましくは25%以上、更に好ましくは30%以上であり、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である。上記突起がある部分の表面積は、導電性粒子を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、突起がある部分の表面積の粒子の投影面積に対する百分率を算出することにより求められる。複数の導電性粒子の場合には、上記突起がある部分の表面積は、好ましくは、任意の導電性粒子10個を電子顕微鏡又は電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)にて観察し、突起がある部分の表面積の粒子の投影面積に対する百分率の平均値を算出することにより求められる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。なお、参照した図面では、大きさ及び厚みなどは、図示の便宜上、実際の大きさ及び厚みから適宜変更している。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。なお、各実施形態における異なる部分構成は、適宜置き換えて、組み合わせることが可能である。
図1に示すように、導電性粒子1は、基材粒子2と、結晶構造を有する第1の導電部3と、結晶構造を有する第2の導電部4とを備える。第1の導電部3と第2の導電部4とで層界面が形成されている。第1の導電部3における結晶子サイズ(1)と第2の導電部4における結晶子サイズ(2)との差の絶対値が上記の下限以上である。第1の導電部3と第2の導電部4とで、全体の導電部が構成されている。第2の導電部4は、導電部における最外層である。導電性粒子1では、多層の導電部が形成されている。
第1の導電部3は、基材粒子2の表面上に配置されている。基材粒子2と第2の導電部4との間に、第1の導電部3が配置されている。第2の導電部4は、第1の導電部3の外表面上に配置されている。第2の導電部4は、第1の導電部3と接している。導電性粒子1は、基材粒子2の表面が第1の導電部3及び第2の導電部4により被覆された被覆粒子である。
図示しないが、第2の導電部4の外表面は防錆処理されている。従って、導電性粒子1は、第2の導電部4の外表面に、防錆膜を備える。
導電性粒子1は、芯物質を有さない。導電性粒子1は、導電性の表面に突起を有さない。導電性粒子1は球状である。第1の導電部3及び第2の導電部4は表面に突起を有さない。このように、本発明に係る導電性粒子は導電性の突起を有していなくてもよく、球状であってもよい。また、導電性粒子1は、絶縁物質を有さない。但し、導電性粒子1は、第2の導電部4の表面上に配置された絶縁物質を有していてもよい。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図2に示す導電性粒子21は、基材粒子2と、結晶構造を有する第1の導電部22と、結晶構造を有する第2の導電部23と、芯物質24と、絶縁物質25とを備える。第1の導電部22における結晶子サイズ(1)と第2の導電部23における結晶子サイズ(2)との差の絶対値が上記の下限以上である。第1の導電部22は、基材粒子2の表面上に配置されている。第2の導電部23は、第1の導電部22の外表面上に配置されている。第2の導電部23は、第1の導電部22と接している。
図示しないが、第2の導電部23の外表面は防錆処理されている。従って、導電性粒子21は、第2の導電部23の外表面に、防錆膜を備える。
導電性粒子21は、導電性の表面に突起21aを有する。突起21aは複数である。第1の導電部22及び第2の導電部23は外表面に、複数の突起22a,23aを有する。複数の芯物質24が、基材粒子2の表面上に配置されている。複数の芯物質24は第1の導電部22及び第2の導電部23内に埋め込まれている。芯物質24は、突起21a,22a,23aの内側に配置されている。第1の導電部22及び第2の導電部23は、複数の芯物質24を被覆している。複数の芯物質24により第1の導電部22及び第2の導電部23の外表面が隆起されており、突起21a,22a,23aが形成されている。
このように、導電性粒子は導電性の外表面に突起を有していてもよい。導電性粒子は、導電部の外表面に突起を有していてもよい。また、導電性粒子は、内側の導電部(第1の導電部など)の外表面に突起を有さず、かつ外側の導電部(第2の導電部など)の外表面に突起を有していてもよい。
導電性粒子21は、第2の導電部23の外表面上に配置された絶縁物質25を有する。第2の導電部23の外表面の少なくとも一部の領域が、絶縁物質25により被覆されている。絶縁物質25は絶縁性を有する材料により形成されており、絶縁性粒子である。このように、導電性粒子は、導電部の外表面上に配置された絶縁物質を有していてもよい。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図3に示す導電性粒子21Aは、導電性粒子21と芯物質24の有無が異なり、結果として第1の導電部22,22Aの形状が異なる。その他は、導電性粒子21,21Aは同様に形成されている。
導電性粒子21Aは、芯物質を有さない。第1の導電部22A中に、芯物質が埋め込まれていない。導電性粒子21Aは、導電性の表面に突起21Aaを有する。第1の導電部22Aは、外表面に複数の突起22Aaを有する。導電性粒子21Aのように、突起を形成するために、芯物質を必ずしも用いなくてもよい。
図4は、本発明の第4の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図4に示すように、導電性粒子31は、基材粒子2と、他の導電部32と、結晶構造を有する第1の導電部33と、結晶構造を有する第2の導電部34とを備える。第1の導電部33における結晶子サイズ(1)と第2の導電部34における結晶子サイズ(2)との差の絶対値が上記の下限以上である。第1の導電部33と第2の導電部34とは導電部である。第2の導電部34は、導電部における最外層である。
他の導電部32は、基材粒子2の表面上に配置されている。基材粒子2と第1の導電部33との間に、他の導電部32が配置されている。第1の導電部33は、他の導電部32の外表面上に配置されている。他の導電部32と第2の導電部34との間に、第1の導電部33が配置されている。第2の導電部34は、第1の導電部33の外表面上に配置されている。第2の導電部34は、第1の導電部33と接している。導電性粒子31は、基材粒子2の表面が他の導電部32、第1の導電部33及び第2の導電部34により被覆された被覆粒子である。
また、導電性粒子1では、第1の導電部3は、基材粒子2の表面上に直接積層されている。導電性粒子31のように、基材粒子2と第1の導電部33との間に他の導電部32が配置されていてもよい。基材粒子2の表面上に、他の導電部32を介して、第1の導電部33が配置されていてもよい。
図5は、本発明の第5の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図5に示すように、導電性粒子41は、基材粒子2と、結晶構造を有する第1の導電部42と、結晶構造を有する第2の導電部43と、他の導電部44とを備える。第1の導電部42における結晶子サイズ(1)と第2の導電部43における結晶子サイズ(2)との差の絶対値が上記の下限以上である。第1の導電部42と第2の導電部43とは導電部である。他の導電部44は、導電部における最外層である。
第1の導電部42は、基材粒子2の表面上に配置されている。基材粒子2と第2の導電部43との間に、第1の導電部42が配置されている。第2の導電部43は、第1の導電部42の外表面上に配置されている。第2の導電部43は、第1の導電部42と接している。第1の導電部42と他の導電部44との間に、第2の導電部43が配置されている。他の導電部44は、第2の導電部43の外表面上に配置されている。導電性粒子41は、基材粒子2の表面が第1の導電部42、第2の導電部43及び他の導電部44により被覆された被覆粒子である。
導電性粒子1では、第2の導電部4は、導電部における最外層である。導電性粒子41のように、第2の導電部43の外表面上に他の導電部44が配置されていてもよい。但し、本発明の効果が効果的に得られることから、第2の導電部は導電部において最も外側に位置していることが好ましく、導電部における最外層であることが好ましい。
導電性粒子41は、他の導電部44の表面上に配置された絶縁物質を有していてもよい。導電性粒子41は、他の導電部44の外表面が防錆処理されており、防錆膜を備えることが好ましい。
以下、基材粒子及び導電部の詳細を説明する。なお、以下の説明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味する。
[基材粒子]
上記基材粒子としては、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子は、金属粒子を除く基材粒子であることが好ましく、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることがより好ましい。上記基材粒子は、コアシェル粒子であってもよい。
上記基材粒子は、樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることが更に好ましく、樹脂粒子であってもよく、有機無機ハイブリッド粒子であってもよい。これらの好ましい基材粒子の使用により、電極間の電気的な接続により一層適した導電性粒子が得られる。
上記導電性粒子を用いて電極間を接続する際には、上記導電性粒子を電極間に配置した後、圧着することにより上記導電性粒子を圧縮させる。基材粒子が樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であると、上記圧着の際に上記導電性粒子が変形しやすく、導電性粒子と電極との接触面積が大きくなる。このため、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。
上記樹脂粒子を形成するための樹脂として、種々の有機物が好適に用いられる。上記樹脂粒子を形成するための樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が挙げられる。導電材料に適した任意の圧縮時の物性を有する樹脂粒子を設計及び合成することができ、かつ基材粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子を形成するための樹脂は、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する単量体を重合させて得る場合には、上記エチレン性不飽和基を有する単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子を得ることができる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、並びに非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である場合に、上記基材粒子を形成するための無機物としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、ジルコニア及びカーボンブラック等が挙げられる。上記無機物は金属でないことが好ましい。上記シリカにより形成された粒子としては特に限定されないが、例えば、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上持つケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記有機無機ハイブリッド粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを有するコアシェル型の有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。上記コアが有機コアであることが好ましい。上記シェルが無機シェルであることが好ましい。電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記基材粒子は、有機コアと上記有機コアの表面上に配置された無機シェルとを有する有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。
上記有機コアを形成するための材料としては、上述した樹脂粒子を形成するための樹脂等が挙げられる。
上記無機シェルを形成するための材料としては、上述した基材粒子を形成するための無機物が挙げられる。上記無機シェルを形成するための材料は、シリカであることが好ましい。上記無機シェルは、上記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼成させることにより形成されていることが好ましい。上記金属アルコキシドはシランアルコキシドであることが好ましい。上記無機シェルはシランアルコキシドにより形成されていることが好ましい。
上記基材粒子が金属粒子である場合に、該金属粒子を形成するための金属としては、銀、銅、ニッケル、ケイ素、金及びチタン等が挙げられる。但し、上記基材粒子は金属粒子ではないことが好ましい。
上記基材粒子の粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下である。上記基材粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の間隔が小さくなり、かつ導電部の厚みを厚くしても、小さい導電性粒子が得られる。
上記基材粒子の粒子径は、基材粒子が真球状である場合には、直径を示し、基材粒子が真球状ではない場合には、最大径を示す。
複数の基材粒子に関しては、上記基材粒子の粒子径は、例えば基材粒子を任意の粒径測定装置により測定した平均粒子径として求めることができる。例えば、レーザー光散乱、電気抵抗値変化、撮像後の画像解析などの原理を用いた粒度分布測定機が利用できる。複数の基材粒子の場合には、更に具体的には、複数の基材粒子の場合には、基材粒子の粒子径の測定方法としては、例えば、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「Multisizer4」)を用いて、約100000個の粒子径を測定し、平均粒子径を測定する方法が挙げられる。上記平均粒子径は、数平均粒子径を示す。
[導電部]
上記導電性粒子は、上記導電部として、上記第1の導電部と上記第2の導電部とを有する。上記導電部、上記第1の導電部及び上記第2の導電部に含まれる金属としては、ニッケル、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素、タングステン、モリブデン及び錫ドープ酸化インジウム(ITO)等が挙げられる。これらの金属は、導電部内で合金化していてもよい。これらの金属は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
結晶子サイズの調整が容易であり、電極間に導電性粒子を効率的に配置し、かつ電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記第1の導電部は、金、銅、ニッケル又はパラジウムを含むことが好ましく、ニッケルを含むことが好ましい。結晶子サイズの調整が容易であり、電極間に導電性粒子を効率的に配置し、かつ電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記第2の導電部は、金、銅、ニッケル又はパラジウムを含むことが好ましく、ニッケルを含むことが好ましい。
ニッケルを含む導電部には、金属として、ニッケルのみを用いた場合だけでなく、ニッケルと他の金属とを用いた場合も含まれる。上記ニッケルを含む導電部は、ニッケル合金部であってもよい。
上記ニッケルを含む導電部は、ニッケルを主金属として含むことが好ましい。上記ニッケルを含む導電部100重量%中、ニッケルの含有量(平均含有量)は50重量%以上であることが好ましい。上記ニッケルを含む導電部100重量%中、ニッケルの含有量は好ましくは65重量%以上、より好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上である。ニッケルの含有量が上記下限以上であると、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。
ニッケルを含む導電部は、銅、タングステン又はモリブデンを含むことが好ましく、タングステン又はモリブデンを含むことがより好ましい。銅、タングステン又はモリブデンの使用により、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。上記ニッケルを含む導電部100重量%中、銅の含有量、タングステンの含有量及びモリブデンの含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。銅の含有量、タングステンの含有量及びモリブデンの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記ニッケルを含む導電部はリン又はボロンを含むことが好ましい。上記ニッケルを含む導電部はボロンを含んでいてもよい。上記ニッケルを含む導電部100重量%中、リンの含有量及びボロンの含有量は好ましくは0重量%を超え、より好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは2重量%以上であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下である。リンの含有量及びボロンの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、接続抵抗がより一層低くなる。
電極間の接続抵抗をより一層低くし、かつ高温高湿下での電極間の接続信頼性をより一層高めるために、上記ニッケルを含む導電部100重量%中、リンの含有量は15重量%未満であることがより好ましい。電極間の低い接続抵抗と、高温高湿下での電極間の高い接続信頼性との双方を効果的に発現させる観点からは、上記ニッケルを含む導電部はリンを含むことが好ましく、上記ニッケルを含む導電部100重量%中、リンの含有量は0重量%を超え、より好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは2重量%以上である。リンの含有量が上記下限以上であると、接続抵抗がより一層低くなる。接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記ニッケルを含む導電部100重量%中、リンの含有量は好ましくは13重量%以下、より好ましくは11重量%以下、更に好ましくは3重量%以下である。
上記第1の導電部の厚み及び上記第2の導電部の各厚みはそれぞれ、好ましくは5nm以上、より好ましくは30nm以上、更に好ましくは60nm以上であり、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは150nm以下、特に好ましくは130nm以下である。上記第1の導電部の厚み及び上記第2の導電部の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、電極の表面の酸化被膜がより一層効果的に除去され、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。上記厚みは、導電性粒子における上記第1の導電部の平均厚み及び上記第2の導電部の平均厚みを示す。
複数の導電性粒子の場合には、導電部の厚みは、例えば以下のようにして求めることができる。導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その導電性粒子検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。
そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、例えば50個の導電性粒子を無作為に選択し、それぞれの導電性粒子の導電部を観察した。得られた導電性粒子における導電部の厚みを計測し、それを算術平均して導電部の厚みとする。
上記第1の導電部と上記第2の導電部との合計の厚みはそれぞれ、好ましくは10nm以上、より好ましくは120nm以上、好ましくは600nm以下、より好ましくは300nm以下である。上記第1の導電部と上記第2の導電部との合計の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、電極の表面の酸化被膜がより一層効果的に除去され、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。
また、本発明では、結晶子サイズが異なる2つの導電部を互いに接するように設けているので、導電部の厚みを薄くしても、良好な導通信頼性が発揮される。
また、本発明に係る導電性粒子は、上記第1,第2の導電部の基材粒子側又は外表面側に他の導電部を更に有していてもよい。上記他の導電部は、上記第1,第2の導電部に含まれる金属と、同種の金属を含んでいてもよく、異種の金属を含んでいてもよい。例えば、上記他の導電部に含まれる金属としては、Au、Ag、Cu、Pt、Fe、Pb、Al、Cr、Pa、Rh、Ru、Sb、Bi、Ge、Sn、Co、In、Ni、W、Pd、Ir、Mo、Ti、及びこれらの1種以上を含む合金等が挙げられる。
上記導電性粒子の粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは20μm以下、より一層好ましくは10.0μm以下、更に好ましくは5.0μm以下、特に好ましくは4.0μm以下である。上記導電性粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、導電性粒子と電極との接触面積が充分に大きくなり、かつ導電部を形成する際に凝集した導電性粒子が形成されにくくなる。また、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電部が基材粒子の表面から剥離し難くなる。上記導電性粒子の粒子径は、3.0μm以下であってもよい。
上記導電性粒子の粒子径は、導電性粒子が真球状である場合には、直径を示し、導電性粒子が真球状ではない場合には、最大径を示す。
複数の導電性粒子では、導電性粒子の粒子径は以下のようにして求めることができる。導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その導電性粒子検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。
そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、例えば50個の導電性粒子を無作為に選択し、それぞれの導電性粒子の導電部及び基材粒子部を観察する。得られた導電性粒子の粒子径を計測し、それを算術平均して導電粒子の平均粒子径とする。上記平均粒子径は、数平均粒子径を示す。
無電解めっきによりニッケルを含む第1の導電部を形成する方法では、一般的に、触媒化工程と、無電解めっき工程とが行われる。以下、無電解めっきにより、樹脂粒子の表面に、ニッケルとリンとタングステンを含む合金めっき層を形成する方法の一例を説明する。
上記触媒化工程では、無電解めっきによりめっき層を形成するための起点となる触媒を、樹脂粒子の表面に形成させる。
上記触媒を樹脂粒子の表面に形成させる方法としては、例えば、塩化パラジウムと塩化スズとを含む溶液に、樹脂粒子を添加した後、酸溶液又はアルカリ溶液により樹脂粒子の表面を活性化させて、樹脂粒子の表面にパラジウムを析出させる方法、並びに硫酸パラジウムとアミノピリジンとを含有する溶液に、樹脂粒子を添加した後、還元剤を含む溶液により樹脂粒子の表面を活性化させて、樹脂粒子の表面にパラジウムを析出させる方法等が挙げられる。上記還元剤として、リン含有還元剤が用いられる。また、上記還元剤として、リン含有還元剤を用いることで、リンを含む導電層を形成できる。ボロンを含む導電層を形成する場合には、上記還元剤として、ボロン含有還元剤を用いてもよい。
上記無電解めっき工程では、ニッケル含有化合物、リン含有還元剤又はボロン含有還元剤、タングステン含有化合物、錯化剤、安定剤を含むニッケルめっき浴が好適に用いられる。
ニッケルめっき浴中に樹脂粒子を浸漬することにより、触媒が表面に形成された樹脂粒子の表面に、ニッケルを析出させることができ、ニッケルとリンとタングステンとを含む導電層を形成できる。
上記ニッケル含有化合物としては、硫酸ニッケル及び塩化ニッケル等が挙げられる。上記ニッケル含有化合物は、ニッケル塩であることが好ましい。
上記リン含有還元剤としては、次亜リン酸ナトリウム等が挙げられる。上記リン含有還元剤に加えて、ボロン含有還元剤を用いてもよい。上記ボロン含有還元剤としては、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム及び水素化ホウ素カリウム等が挙げられる。
上記タングステン含有化合物としては、ホウ化タングステン及びタングステン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記錯化剤の好ましい例としては、酢酸ナトリウム及びプロピオン酸ナトリウム等のモノカルボン酸系錯化剤;マロン酸ニナトリウム等のジカルボン酸系錯化剤;コハク酸ニナトリウム等のトリカルボン酸系錯化剤;乳酸、DL−リンゴ酸、ロシェル塩、クエン酸ナトリウム及びグルコン酸ナトリウム等のヒドロキシ酸系錯化剤;グリシン及びEDTA等のアミノ酸系錯化剤;エチレンジアミン等のアミン系錯化剤;マレイン酸等の有機酸系錯化剤等が挙げられる。上記錯化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記安定剤としては、鉛化合物、ビスマス化合物、及びタリウム化合物等が挙げられる。これらの安定剤の具体例としては、化合物を構成する金属(鉛、ビスマス、タリウム)の硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩及び塩酸塩等が挙げられる。環境への影響を考慮すると、ビスマス化合物又はタリウム化合物が好ましい。
上記導電性粒子は、導電性の表面に複数の突起を有することが好ましい。上記導電性粒子は、上記導電部の外表面に複数の突起を有することが好ましい。上記導電性粒子は、上記第1の導電部の外表面に複数の突起を有することが好ましい。上記導電性粒子は、上記第2の導電部の外表面に複数の突起を有することが好ましい。導電性粒子により接続される電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。導電性の突起を有する導電性粒子の使用により、電極間に導電性粒子を配置した後、圧着させることにより、突起により酸化被膜が効果的に排除される。このため、電極と導電性粒子とをより一層確実に接触させることができ、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができる。さらに、導電性粒子が表面に絶縁物質を有する場合、又は導電性粒子が樹脂中に分散されて導電材料として用いられる場合に、導電性粒子の突起によって、導電性粒子と電極との間の絶縁物質又は樹脂を効果的に排除できる。このため、電極間の導通信頼性を高めることができる。
上記導電性粒子1個当たりの上記導電部の外表面の突起は、好ましくは3個以上、より好ましくは5個以上である。上記突起の数の上限は特に限定されない。突起の数の上限は導電性粒子の粒子径等を考慮して適宜選択できる。
複数の上記突起の平均高さは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上であり、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。上記突起の平均高さが上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
上記突起の高さは、導電性粒子の中心と突起の先端とを結ぶ線(図2に示す破線L1)上における、突起が無いと想定した場合の導電部の仮想線(図2に示す破線L2)上(突起が無いと想定した場合の球状の導電性粒子の外表面上)から突起の先端までの距離を示す。すなわち、図2においては、破線L1と破線L2との交点から突起の先端までの距離を示す。
[芯物質]
上記導電性粒子は、上記導電部内において、複数の上記突起を形成するように、上記導電部の表面を隆起させている複数の芯物質を備えることが好ましい。上記芯物質が上記導電部中に埋め込まれていることによって、上記導電部が外表面に複数の突起を有するようにすることが容易である。但し、導電性粒子及び導電部の外表面に突起を形成するために、芯物質を必ずしも用いなくてもよい。例えば、無電解めっきにより芯物質を用いずに突起を形成する方法として、無電解めっきにより金属核を発生させ、基材粒子又は導電部の表面に金属核を付着させ、更に無電解めっきにより導電部を形成する方法等が挙げられる。
上記突起を形成する方法としては、基材粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電部を形成する方法、基材粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成する途中段階で芯物質を添加する方法等が挙げられる。例えば、芯物質を用いないで、上記突起を形成する方法としては、無電解めっき中の金属錯体を還元剤により金属核を析出させ、粒子に吸着させる事により突起を形成する方法、無電解めっき中の金属錯体を強アルカリ溶液により金属水酸化物を形成させ、粒子に吸着させる事により突起を形成する方法、無電解めっき中に触媒としてパラジウム錯体を添加する事により金属核を析出させ、粒子に吸着させる事により突起を形成する方法、無電解めっき中にめっき析出抑制剤を添加し、めっき析出成長速度をコントロールする事により突起を形成する方法等が挙げられる。なかでも、突起核のサイズを制御しやすいため、無電解めっき中の金属錯体を還元剤により金属核を析出させ、粒子に吸着させる事により突起を形成する方法が好ましい。
無電解めっき中の金属錯体を還元剤により金属核を析出させ、粒子に吸着させる工程は、還元剤溶液の添加と無電解めっき液の滴下を一連の工程として、通常複数回、好ましくは1回以上、より好ましくは3回以上、更に好ましくは5回以上行い、突起核を形成させる方法が好ましい。
上記還元剤としては、次亜リン酸ナトリウム、ヒドラジン、ホルマリン、蟻酸、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム及び水素化ホウ素カリウム等が挙げられる。
上記基材粒子の表面上に芯物質を配置する方法としては、例えば、基材粒子の分散液中に、芯物質を添加し、基材粒子の表面に芯物質を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ、付着させる方法、並びに基材粒子を入れた容器に、芯物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法等が挙げられる。なかでも、付着させる芯物質の量を制御しやすいため、分散液中の基材粒子の表面に芯物質を集積させ、付着させる方法が好ましい。
上記芯物質が上記導電部中に埋め込まれていることによって、上記導電部が外表面に複数の突起を有するようにすることが容易である。但し、導電性粒子の導電性の表面及び導電部の表面に突起を形成するために、芯物質を必ずしも用いなくてもよい。
上記芯物質の材料としては、導電性物質及び非導電性物質が挙げられる。上記導電性物質としては、例えば、金属、金属の酸化物、黒鉛等の導電性非金属及び導電性ポリマー等が挙げられる。上記導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン等が挙げられる。上記非導電性物質としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム及びジルコニア等が挙げられる。なかでも、導電性を高めることができ、更に接続抵抗を効果的に低くすることができるので、金属が好ましい。上記芯物質は金属粒子であることが好ましい。上記芯物質の材料である金属としては、上記導電材料の材料として挙げた金属を適宜使用可能である。
上記芯物質の材料の具体例としては、チタン酸バリウム(モース硬度4.5)、ニッケル(モース硬度5)、シリカ(二酸化珪素、モース硬度6〜7)、酸化チタン(モース硬度7)、ジルコニア(モース硬度8〜9)、アルミナ(モース硬度9)、炭化タングステン(モース硬度9)及びダイヤモンド(モース硬度10)等が挙げられる。上記無機粒子は、ニッケル、シリカ、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることが好ましく、シリカ、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることがより好ましく、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることが更に好ましく、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることが特に好ましい。上記芯物質の材料のモース硬度は好ましくは5以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは7以上、特に好ましくは7.5以上である。
上記芯物質の形状は特に限定されない。芯物質の形状は塊状であることが好ましい。芯物質としては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び不定形の塊等が挙げられる。
上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上であり、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記芯物質の平均径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
上記芯物質の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。芯物質の平均径は、任意の芯物質50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
接続抵抗を効果的に低くする観点からは、複数の上記突起の平均高さが、5nm以上、1000nm以下であることが好ましい。複数の上記突起の平均高さは、導電性粒子1つあたりの各突起の高さの平均である。
接続抵抗を効果的に低くする観点からは、複数の上記突起の基部の平均径が、5nm以上、1000nm以下であることが好ましい。複数の上記突起の基部の平均径は、導電性粒子1つあたりの各突起の基部の径の平均である。1つの上記基部の径は、導電性粒子における導電部が隆起し始める部分の最大径を示す。
接続抵抗を効果的に低くする観点からは、複数の上記突起の平均高さの、複数の上記突起の基部の平均径に対する比が、0.1以上、10以下であることが好ましい。
[絶縁物質]
上記導電性粒子は、上記導電部の外表面上に配置された絶縁物質を備えることが好ましい。この場合には、導電性粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡を防止できる。具体的には、複数の導電性粒子が接触したときに、複数の電極間に絶縁物質が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で導電性粒子を加圧することにより、導電性粒子の導電部と電極との間の絶縁物質を容易に排除できる。導電性粒子が導電部の外表面に複数の突起を有する場合には、導電性粒子の導電部と電極との間の絶縁物質を容易に排除できる。
電極間の圧着時に上記絶縁物質をより一層容易に排除できることから、上記絶縁物質は、絶縁性粒子であることが好ましい。
上記絶縁物質の材料である絶縁性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン類、(メタ)アクリレート重合体、(メタ)アクリレート共重合体、ブロックポリマー、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の架橋物、熱硬化性樹脂及び水溶性樹脂等が挙げられる。
上記ポリオレフィン類としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。上記(メタ)アクリレート重合体としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート及びポリブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記ブロックポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、SB型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、及びSBS型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、並びにこれらの水素添加物等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、ビニル重合体及びビニル共重合体等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びメラミン樹脂等が挙げられる。上記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド及びメチルセルロース等が挙げられる。なかでも、水溶性樹脂が好ましく、ポリビニルアルコールがより好ましい。
上記導電部の外表面上に絶縁物質を配置する方法としては、化学的方法、及び物理的もしくは機械的方法等が挙げられる。上記化学的方法としては、例えば、界面重合法、粒子存在下での懸濁重合法及び乳化重合法等が挙げられる。上記物理的もしくは機械的方法としては、スプレードライ、ハイブリダイゼーション、静電付着法、噴霧法、ディッピング及び真空蒸着による方法等が挙げられる。なかでも、絶縁物質が脱離し難いことから、上記導電部の表面に、化学結合を介して上記絶縁物質を配置する方法が好ましい。
上記導電部の外表面、及び絶縁性粒子の表面はそれぞれ、反応性官能基を有する化合物によって被覆されていてもよい。導電部の外表面と絶縁性粒子の表面とは、直接化学結合していなくてもよく、反応性官能基を有する化合物によって間接的に化学結合していてもよい。導電部の外表面にカルボキシル基を導入した後、該カルボキシル基がポリエチレンイミンなどの高分子電解質を介して絶縁性粒子の表面の官能基と化学結合していても構わない。
上記絶縁物質の平均径(平均粒子径)は、導電性粒子の粒子径及び導電性粒子の用途等によって適宜選択できる。上記絶縁物質の平均径(平均粒子径)は好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。絶縁物質の平均径が上記下限以上であると、導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されたときに、複数の導電性粒子における導電部同士が接触し難くなる。絶縁性粒子の平均径が上記上限以下であると、電極間の接続の際に、電極と導電性粒子との間の絶縁物質を排除するために、圧力を高くしすぎる必要がなくなり、高温に加熱する必要もなくなる。
上記絶縁物質の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。絶縁物質の平均径は、粒度分布測定装置等を用いて求められる。
[防錆処理]
導電性粒子の腐食を抑え、電極間の接続抵抗を低くするために、上記導電部の外表面は防錆処理されていることが好ましい。
導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電部の外表面は、炭素数6〜22のアルキル基を有する化合物により、防錆処理されていることが好ましい。上記導電部の表面は、リンを含まない化合物により防錆処理されていてもよく、炭素数6〜22のアルキル基を有しかつリンを含まない化合物により防錆処理されていてもよい。導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電部の外表面は、アルキルリン酸化合物又はアルキルチオールにより、防錆処理されていることが好ましい。防錆処理により、導電部の外表面に、防錆膜を形成できる。
上記防錆膜は、炭素数6〜22のアルキル基を有する化合物(以下、化合物Aともいう)により形成されていることが好ましい。上記導電部の外表面は、上記化合物Aにより表面処理されていることが好ましい。上記アルキル基の炭素数が6以上であると、導電部全体で錆がより一層生じ難くなり、特に導電部に錆がより一層生じ難くなる。上記アルキル基の炭素数が22以下であると、導電性粒子の導電性が高くなる。導電性粒子の導電性をより一層高める観点からは、上記化合物Aにおける上記アルキル基の炭素数は16以下であることが好ましい。上記アルキル基は直鎖構造を有していてもよく、分岐構造を有していてもよい。上記アルキル基は、直鎖構造を有することが好ましい。
上記化合物Aは、炭素数6〜22のアルキル基を有していれば特に限定されない。上記化合物Aは、炭素数6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩、炭素数6〜22のアルキル基を有する亜リン酸エステル又はその塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルコキシシラン、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルチオール、及び炭素数6〜22のアルキル基を有するジアルキルジスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。すなわち、上記炭素数6〜22のアルキル基を有する化合物Aは、リン酸エステル又はその塩、亜リン酸エステル又はその塩、アルコキシシラン、アルキルチオール及びジアルキルジスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの好ましい化合物Aの使用により、導電部に錆をより一層生じ難くすることができる。錆をより一層生じ難くする観点からは、上記化合物Aは、上記リン酸エステルもしくはその塩、亜リン酸エステルもしくはその塩、又は、アルキルチオールであることが好ましく、上記リン酸エステルもしくはその塩、又は、亜リン酸エステルもしくはその塩であることがより好ましい。上記化合物Aは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化合物Aは、導電部の外表面と反応可能な反応性官能基を有することが好ましく、導電部の外表面と反応可能な反応性官能基を有することが好ましい。上記化合物Aは、上記絶縁物質と反応可能な反応性官能基を有することが好ましい。上記防錆膜は、導電部と化学結合していることが好ましい。上記防錆膜は、上記絶縁物質と化学結合していることが好ましい。上記防錆膜は、上記導電部及び上記絶縁物質の双方と化学結合していることがより好ましい。上記反応性官能基の存在により、及び上記化学結合により、上記防錆膜の剥離が生じ難くなり、この結果、導電部に錆がより一層生じ難くなり、かつ導電性粒子の表面から絶縁物質が意図せずにより一層脱離し難くなる。
上記炭素数6〜22のアルキル基を有するリン酸エステル又はその塩としては、例えば、リン酸ヘキシルエステル、リン酸ヘプチルエステル、リン酸モノオクチルエステル、リン酸モノノニルエステル、リン酸モノデシルエステル、リン酸モノウンデシルエステル、リン酸モノドデシルエステル、リン酸モノトリデシルエステル、リン酸モノテトラデシルエステル、リン酸モノペンタデシルエステル、リン酸モノヘキシルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノヘプチルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノオクチルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノノニルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノデシルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノウンデシルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノドデシルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノトリデシルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノテトラデシルエステルモノナトリウム塩及びリン酸モノペンタデシルエステルモノナトリウム塩等が挙げられる。上記リン酸エステルのカリウム塩を用いてもよい。
上記炭素数6〜22のアルキル基を有する亜リン酸エステル又はその塩としては、例えば、亜リン酸ヘキシルエステル、亜リン酸ヘプチルエステル、亜リン酸モノオクチルエステル、亜リン酸モノノニルエステル、亜リン酸モノデシルエステル、亜リン酸モノウンデシルエステル、亜リン酸モノドデシルエステル、亜リン酸モノトリデシルエステル、亜リン酸モノテトラデシルエステル、亜リン酸モノペンタデシルエステル、亜リン酸モノヘキシルエステルモノナトリウム塩、亜リン酸モノヘプチルエステルモノナトリウム塩、亜リン酸モノオクチルエステルモノナトリウム塩、亜リン酸モノノニルエステルモノナトリウム塩、亜リン酸モノデシルエステルモノナトリウム塩、亜リン酸モノウンデシルエステルモノナトリウム塩、亜リン酸モノドデシルエステルモノナトリウム塩、亜リン酸モノトリデシルエステルモノナトリウム塩、亜リン酸モノテトラデシルエステルモノナトリウム塩及び亜リン酸モノペンタデシルエステルモノナトリウム塩等が挙げられる。上記亜リン酸エステルのカリウム塩を用いてもよい。
上記炭素数6〜22のアルキル基を有するアルコキシシランとしては、例えば、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、トリデシルトリメトキシシラン、トリデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ペンタデシルトリメトキシシラン及びペンタデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルチオールとしては、例えば、ヘキシルチオール、ヘプチルチオール、オクチルチオール、ノニルチオール、デシルチオール、ウンデシルチオール、ドデシルチオール、トリデシルチオール、テトラデシルチオール、ペンタデシルチオール及びヘキサデシルチオール等が挙げられる。上記アルキルチオールは、アルキル鎖の末端にチオール基を有することが好ましい。
上記炭素数6〜22のアルキル基を有するジアルキルジスルフィドとしては、例えば、ジヘキシルジスルフィド、ジヘプチルジスルフィド、ジオクチルジスルフィド、ジノニルジスルフィド、ジデシルジスルフィド、ジウンデシルジスルフィド、ジドデシルジスルフィド、ジトリデシルジスルフィド、ジテトラデシルジスルフィド、ジペンタデシルジスルフィド及びジヘキサデシルジスルフィド等が挙げられる。
(導電材料)
本発明に係る導電材料は、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散されて用いられることが好ましく、バインダー樹脂中に分散されて導電材料として用いられることが好ましい。上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。上記導電材料は、電極間の電気的な接続に用いられることが好ましい。上記導電材料は、回路接続材料であることが好ましい。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。
上記バインダー樹脂は、熱可塑性成分(熱可塑性化合物)又は硬化性成分を含むことが好ましく、硬化性成分を含むことがより好ましい。上記硬化性成分としては、光硬化性成分及び熱硬化性成分が挙げられる。上記光硬化性成分は、光硬化性化合物及び光重合開始剤を含むことが好ましい。上記熱硬化性成分は、熱硬化性化合物及び熱硬化剤を含むことが好ましい。上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記導電材料は、上記導電性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
本発明に係る導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。本発明に係る導電材料が、導電フィルムである場合には、導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは、異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは、異方性導電フィルムであることが好ましい。
上記導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上であり、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、導電材料により接続された接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
上記導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下、更に好ましくは40重量%以下、特に好ましくは20重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
(接続構造体)
上記導電性粒子を用いて、又は上記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、上記接続部の材料が、上述した導電性粒子であるか、又は上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料であることが好ましい。上記接続部が、上述した導電性粒子により形成されているか、又は上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されている接続構造体であることが好ましい。導電性粒子が用いられた場合には、接続部自体が導電性粒子である。すなわち、第1,第2の接続対象部材が導電性粒子により接続される。
図5に、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に断面図で示す。
図5に示す接続構造体51は、第1の接続対象部材52と、第2の接続対象部材53と、第1,第2の接続対象部材52,53を接続している接続部54とを備える。接続部54は、導電性粒子1を含む導電材料を硬化させることにより形成されている。なお、図5では、導電性粒子1は、図示の便宜上、略図的に示されている。導電性粒子1にかえて、導電性粒子21,31,41等を用いてもよい。
第1の接続対象部材52は表面(上面)に、複数の第1の電極52aを有する。第2の接続対象部材53は表面(下面)に、複数の第2の電極53aを有する。第1の電極52aと第2の電極53aとが、1つ又は複数の導電性粒子1により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材52,53が導電性粒子1により電気的に接続されている。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例としては、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記加圧の圧力は9.8×10〜4.9×10Pa程度である。上記加熱の温度は、120〜220℃程度である。
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板などの電子部品等が挙げられる。上記接続対象部材は電子部品であることが好ましい。上記導電性粒子は、電子部品における電極の電気的な接続に用いられることが好ましい。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、銀電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
基材粒子Aとして、粒子径が2.5μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−2025」)を用意した。
上記基材粒子Aの表面上に、以下のようにして導電部を形成した。導電部における内側の第1の導電部と、導電部における外側の第2の導電部とで、結晶子サイズを異ならせた。
パラジウム触媒液5重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、上記基材粒子A10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子Aを取り出した。次いで、基材粒子Aをジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子Aの表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子Aを十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、分散液を得た。
次に、アルミナ粒子スラリー(平均粒子径150nm)1重量部を3分間かけて上記分散液に添加し、芯物質が付着された基材粒子Aを含む懸濁液(1)を得た。
また、硫酸ニッケル0.12mol/L、次亜リン酸ナトリウム2.00mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH4.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.12mol/L、ジメチルアミンボラン0.30mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH10.0)を用意した。
得られた懸濁液(1)を60℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−リンめっきを行い、第1の導電部としてニッケル−リン導電層(リン含有量15重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−リンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み49nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
続けて上記第2のニッケルめっき液(pH10.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量0.6重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第1の導電部の外表面に第2の導電部(厚み52nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み101nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が74%である導電性粒子を得た。
(実施例2)
アルミナ粒子スラリーをニッケルスラリー(150nm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例3)
硫酸ニッケル0.12mol/L、次亜リン酸ナトリウム1.50mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH6.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.12mol/L、ジメチルアミンボラン0.30mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH10.0)を用意した。
実施例1で得られた懸濁液(1)を65℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−リンめっきを行い、第1の導電部としてニッケル−リン導電層(リン含有量9重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−リンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み48nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
続けて上記第2のニッケルめっき液(pH10.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量0.6重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第1の導電部の外表面に第2の導電部(厚み52nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み100nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が74%である導電性粒子を得た。
(実施例4)
硫酸ニッケル0.12mol/L、次亜リン酸ナトリウム2.00mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH4.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.12mol/L、ジメチルアミンボラン2.00mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。
実施例1で得られた懸濁液(1)を60℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−リンめっきを行い、第1の導電部としてニッケル−リン導電層(リン含有量15重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−リンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み49nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
続けて上記第2のニッケルめっき液(pH8.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量1.2重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第1の導電部の外表面に第2の導電部(厚み50nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み99nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が74%である導電性粒子を得た。
(実施例5)
硫酸ニッケル0.12mol/L、次亜リン酸ナトリウム1.50mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH6.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.12mol/L、ジメチルアミンボラン2.00mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。
実施例1で得られた懸濁液(1)を65℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−リンめっきを行い、第1の導電部としてニッケル−リン導電層(リン含有量9重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−リンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み48nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
続けて上記第2のニッケルめっき液(pH8.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量1.2重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第1の導電部の外表面に第2の導電部(厚み50nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み98nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が74%である導電性粒子を得た。
(実施例6)
硫酸ニッケル0.12mol/L、ジメチルアミンボラン0.30mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH10.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.12mol/L、次亜リン酸ナトリウム2.00mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH4.0)を用意した。
実施例1で得られた懸濁液(1)を攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液(pH10)を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−ボロンめっきを行い、第1の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量0.6重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み52nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
続けて得られた懸濁液(3)を攪拌しながら、上記第2のニッケルめっき液(pH4.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケル−リンめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル−リン導電層(リン含有量15重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−リンめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第1の導電部の外表面に第2の導電部(厚み49nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み101nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が74%である導電性粒子を得た。
(実施例7)
硫酸ニッケル0.12mol/L、ジメチルアミンボラン0.50mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH7.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.12mol/L、硫酸ヒドラジニウム2.00mol/L及びグリシン0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH10.0)を用意した。
実施例1で得られた懸濁液(1)を50℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液(pH7.0)を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−ボロンめっきを行い、第1の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量2.0重量%)を形成した。上記の懸濁液のpHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み52nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
得られた懸濁液(3)を80℃にて攪拌しながら、上記第2のニッケルめっき液(pH10.0)を徐々に滴下し、無電解純ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル導電層(ボロン含有量0%、リン含有量0%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解純ニッケルめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第1の導電部の外表面に第2の導電部(厚み49nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み101nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が74%である導電性粒子を得た。
(実施例8)
パラジウム触媒液5重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、上記基材粒子A10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子Aを取り出した。次いで、基材粒子Aをジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子Aの表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子Aを十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、分散液を得た。
次に、硝酸タリウム30ppm及び硝酸ビスマス20ppmの濃度になる様に上記分散液に添加し、基材粒子Aを含む懸濁液(1)を得た。
硫酸ニッケル0.12mol/L、ジメチルアミンボラン0.50mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH7.0)を用意した。
また別に、ジメチルアミンボラン2.5mol/L、水酸化ナトリウム0.05mol/L、を含む突起形成めっき液(pH12.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.12mol/L、硫酸ヒドラジニウム2.00mol/L及びグリシン0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH10.0)を用意した。
得られた懸濁液(1)を50℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−ボロンめっきを行った。その後、更に導電層に突起形成する為に、突起形成用めっき液を徐々に滴下し、突起形成を行った。突起形成用めっき液の滴下速度は、1ml/min.で滴下を実施した。突起形成用めっき液の滴下中は、発生したNi突起核を超音波攪拌により分散しながら基材粒子に付着させ、ニッケルめっきを施すことにより突起の高さを大きくした。
第1の導電部として芯物質を含まない突起を有するニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量2.0重量%)を形成した。その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み52nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
得られた懸濁液(3)を80℃にて攪拌しながら、上記第2のニッケルめっき液(pH10.0)を徐々に滴下し、無電解純ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル導電層(ボロン含有量0%、リン含有量0%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解純ニッケルめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第1の導電部の外表面に第2の導電部(厚み49nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み101nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が90%である導電性粒子を得た。
(実施例9)
硫酸ニッケル0.09mol/L、次亜リン酸ナトリウム1.50mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH6.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.09mol/L、ジメチルアミンボラン2.00mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.09mol/L、次亜リン酸ナトリウム1.50mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第3のニッケルめっき液(pH6.0)を用意した。
実施例1で得られた懸濁液(1)を65℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−リンめっきを行い、第1の導電部としてニッケル−リン導電層(リン含有量9重量%)を形成した。上記の懸濁液をpHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−リンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み33nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
続けて上記第2のニッケルめっき液(pH8.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量1.2重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記第1の導電部の表面上に第2の導電部(厚み35nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(5)を得た。
得られた懸濁液(5)を65℃にて攪拌しながら、上記第3のニッケルめっき液を懸濁液(5)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−リンめっきを行い、第3の導電部としてニッケル−リン導電層(リン含有量9重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−リンめっき後の懸濁液(6)を得た。
その後、懸濁液(6)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第2の導電部の外表面に第3の導電部(厚み33nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み101nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が74%である導電性粒子を得た。
なお、実施例9では、第2の導電部を第1の導電部、第3の導電部を第2の導電部とみることができる。
(実施例10)
パラジウム触媒液5重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、上記基材粒子A10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子Aを取り出した。次いで、基材粒子Aをジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子Aの表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子Aを十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、分散液を得た。
次に、硝酸タリウム30ppm及び硝酸ビスマス20ppmの濃度になる様に上記分散液に添加し、基材粒子Aを含む懸濁液(1)を得た。
硫酸ニッケル0.09mol/L、ジメチルアミンボラン0.30mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH10.0)を用意した。
また別に、ジメチルアミンボラン2.5mol/L、水酸化ナトリウム0.05mol/L、を含む突起形成めっき液(pH12.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.09mol/L、ジメチルアミンボラン0.50mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH7.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.12mol/L、硫酸ヒドラジニウム2.00mol/L及びグリシン0.25mol/Lを含む第3のニッケルめっき液(pH10.0)を用意した。
得られた懸濁液(1)を60℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−ボロンめっきを行った。その後、更に導電層に突起形成する為に、突起形成用めっき液を徐々に滴下し、突起形成を行った。突起形成用めっき液の滴下速度は、1ml/min.で滴下を実施した。突起形成用めっき液の滴下中は、発生したNi突起核を超音波攪拌により分散しながら基材粒子に付着させ、ニッケルめっきを施すことにより突起の高さを大きくした。
第1の導電部として芯物質を含まない突起を有するニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量0.6重量%)を形成した。その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み33nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
得られた懸濁液(3)を50℃にて攪拌しながら、続けて上記第2のニッケルめっき液(pH7.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量2.0重量%)を形成した。上記の懸濁液をpHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記第1の導電部の表面上に第2の導電部(厚み35nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(5)を得た。
得られた懸濁液(5)を80℃にて攪拌しながら、上記第3のニッケルめっき液を懸濁液(5)に徐々に滴下し、無電解純ニッケルめっきを行い、第3の導電部としてニッケル導電層(ボロン含有量0%、リン含有量0%)を形成した。上記の懸濁液をpHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解純ニッケルめっき後の懸濁液(6)を得た。
その後、懸濁液(6)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第2の導電部の外表面に第3の導電部(厚み33nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み101nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が90%である導電性粒子を得た。
なお、実施例10では、第2の導電部を第1の導電部、第3の導電部を第2の導電部とみることができる。
(実施例11)
硫酸ニッケル0.07mol/L、次亜リン酸ナトリウム1.50mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH6.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.07mol/L、ジメチルアミンボラン2.00mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.07mol/L、次亜リン酸ナトリウム1.50mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第3のニッケルめっき液(pH6.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.07mol/L、ジメチルアミンボラン2.00mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第4のニッケルめっき液(pH8.0)を用意した。
実施例1で得られた懸濁液(1)を65℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−リンめっきを行い、第1の導電部としてニッケル−リン導電層(リン含有量9重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−リンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み25nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
続けて上記第2のニッケルめっき液(pH8.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量1.2重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記第1の導電部の表面上に第2の導電部(厚み24nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(5)を得た。
得られた懸濁液(5)を65℃にて攪拌しながら、上記第3のニッケルめっき液を懸濁液(5)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−リンめっきを行い、第3の導電部としてニッケル−リン導電層(リン含有量9重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−リンめっき後の懸濁液(6)を得た。
その後、懸濁液(6)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記第2の導電部の表面上に第3の導電部(厚み25nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(7)を得た。
続けて上記第4のニッケルめっき液(pH8.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量1.2重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(8)を得た。
その後、懸濁液(8)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第3の導電部の外表面に第4の導電部(厚み24nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み98nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が74%である導電性粒子を得た。
なお、実施例11では、第2の導電部を第1の導電部、第3の導電部を第2の導電部とみることができ、更に、第3の導電部を第1の導電部、第4の導電部を第2の導電部とみることもできる。
(実施例12)
パラジウム触媒液5重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、上記基材粒子A10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子Aを取り出した。次いで、基材粒子Aをジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子Aの表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子Aを十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、分散液を得た。
次に、硝酸タリウム30ppm及び硝酸ビスマス20ppmの濃度になる様に上記分散液に添加し、基材粒子Aを含む懸濁液(1)を得た。
硫酸ニッケル0.07mol/L、ジメチルアミンボラン0.50mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH7.0)を用意した。
また別に、ジメチルアミンボラン2.5mol/L、水酸化ナトリウム0.05mol/L、を含む突起形成めっき液(pH12.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.07mol/L、ジメチルアミンボラン0.30mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH10.0)を用意した。
硫酸ニッケル0.07mol/L、ジメチルアミンボラン0.50mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH7.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.07mol/L、硫酸ヒドラジニウム2.00mol/L及びグリシン0.25mol/Lを含む第4のニッケルめっき液(pH10.0)を用意した。
得られた懸濁液(1)を50℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−ボロンめっきを行った。その後、更に導電層に突起形成する為に、突起形成用めっき液を徐々に滴下し、突起形成を行った。突起形成用めっき液の滴下速度は、1ml/min.で滴下を実施した。突起形成用めっき液の滴下中は、発生したNi突起核を超音波攪拌により分散しながら基材粒子に付着させ、ニッケルめっきを施すことにより突起の高さを大きくした。
第1の導電部として芯物質を含まない突起を有するニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量2.0重量%)を形成した。その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み25nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
得られた懸濁液(3)を60℃にて攪拌しながら、上記第2のニッケルめっき液(pH10.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量0.6重量%)を形成した。上記の懸濁液をpHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記第1の導電部の表面上に第2の導電部(厚み24nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(5)を得た。
得られた懸濁液(5)を60℃にて攪拌しながら、上記第3のニッケルめっき液を懸濁液(5)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−ボロンめっきを行い、第3の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量0.6重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(6)を得た。
その後、懸濁液(6)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記第2の導電部の表面上に第3の導電部(厚み25nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(7)を得た。
得られた懸濁液(7)を80℃にて攪拌しながら、上記第4のニッケルめっき液(pH10.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部として純ニッケル導電層(ボロン含有量0%、リン含有量0%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解純ニッケルめっき後の懸濁液(8)を得た。
その後、懸濁液(8)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第3の導電部の外表面に第4の導電部(厚み24nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み98nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が90%である導電性粒子を得た。
なお、実施例12では、第2の導電部を第1の導電部、第3の導電部を第2の導電部とみることができ、更に、第3の導電部を第1の導電部、第4の導電部を第2の導電部とみることもできる。
(実施例13)
上記基材粒子Aを、基材粒子Aと粒子径のみが異なり、粒子径が1.5μmである基材粒子Bに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例14)
上記基材粒子Aを、基材粒子Aと粒子径のみが異なり、粒子径が3.5μmである基材粒子Cに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例15)
上記基材粒子Aを、基材粒子Aと粒子径のみが異なり、粒子径が5μmである基材粒子Dに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例16)
アルミナ粒子スラリー(平均粒子径150nm)の添加量を1重量部から0.25重量部に変更し、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積を25%に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例17)
粒子径が2.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−202」)の表面を、ゾルゲル反応による縮合反応を用いて無機シェル(厚み250nm)により被覆したコアシェル型の有機無機ハイブリッド粒子(基材粒子E)を得た。上記基材粒子Aを上記基材粒子Eに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例18)
攪拌機及び温度計が取り付けられた500mLの反応容器内に、0.13重量%のアンモニア水溶液300gを入れた。次に、反応容器内のアンモニア水溶液中に、メチルトリメトキシシラン4.1gと、ビニルトリメトキシシラン19.2gと、シリコーンアルコキシオリゴマー(信越化学工業社製「X−41−1053」)0.7gとの混合物をゆっくりと添加した。撹拌しながら、加水分解及び縮合反応を進行させた後、25重量%アンモニア水溶液2.4mLを添加した後、アンモニア水溶液中から粒子を単離して、得られた粒子を酸素分圧10−17atm、350℃で2時間焼成して、粒子径が2.5μmの有機無機ハイブリッド粒子(基材粒子F)を得た。上記基材粒子Aを上記基材粒子Fに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例19)
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管及び温度プローブが取り付けられた1000mLのセパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル100mmolと、N,N,N−トリメチル−N−2−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド1mmolと、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩1mmolとを含むモノマー組成物を固形分率が5重量%となるようにイオン交換水に秤取した後、200rpmで攪拌し、窒素雰囲気下70℃で24時間重合を行った。反応終了後、凍結乾燥して、表面にアンモニウム基を有し、平均粒子径220nm及びCV値10%の絶縁性粒子を得た。
絶縁性粒子を超音波照射下でイオン交換水に分散させ、絶縁性粒子の10重量%水分散液を得た。
実施例1で得られた導電性粒子10gをイオン交換水500mLに分散させ、絶縁性粒子の水分散液4gを添加し、室温で6時間攪拌した。3μmのメッシュフィルターでろ過した後、更にメタノールで洗浄し、乾燥し、絶縁性粒子が付着した導電性粒子を得た。
走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、導電性粒子の表面に絶縁性粒子による被覆層が1層のみ形成されていた。画像解析により導電性粒子の中心より2.5μmの面積に対する絶縁性粒子の被覆面積(即ち絶縁性粒子の粒子径の投影面積)を算出したところ、被覆率は30%であった。
(比較例1)
パラジウム触媒液5重量%を含むアルカリ溶液100重量部に、上記基材粒子A10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子Aを取り出した。次いで、基材粒子Aをジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子Aの表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子Aを十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、分散液を得た。
次に、硝酸タリウム10ppm及び硝酸ビスマス5ppmの濃度になる様に上記分散液に添加し、基材粒子Aを含む懸濁液(1)を得た。
硫酸ニッケル0.12mol/L、次亜リン酸ナトリウム1.50mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH6.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.12mol/L、ジメチルアミンボラン4.00mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH7.0)を用意した。
得られた懸濁液(1)を65℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−リンめっきを行い、第1の導電部としてニッケル−リン導電層(リン含有量9重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−リンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み48nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
続けて上記第2のニッケルめっき液(pH7.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量2.2重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第1の導電部の外表面に第2の導電部(厚み53nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み101nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が0%である導電性粒子を得た。
(比較例2)
硫酸ニッケル0.12mol/L、次亜リン酸ナトリウム2.00mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH4.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.12mol/L、ジメチルアミンボラン4.00mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH7.0)を用意した。
実施例1で得られた懸濁液(1)を60℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−リンめっきを行い、第1の導電部としてニッケル−リン導電層(リン含有量15重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−リンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み49nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
続けて上記第2のニッケルめっき液(pH7.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量2.2重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第1の導電部の外表面に第2の導電部(厚み53nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み102nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が74%である導電性粒子を得た。
(比較例3)
硫酸ニッケル0.12mol/L、次亜リン酸ナトリウム1.50mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第1のニッケルめっき液(pH6.0)を用意した。
また、硫酸ニッケル0.12mol/L、ジメチルアミンボラン4.00mol/L及びクエン酸ナトリウム0.25mol/Lを含む第2のニッケルめっき液(pH7.0)を用意した。
実施例1で得られた懸濁液(1)を65℃にて攪拌しながら、上記第1のニッケルめっき液を懸濁液(1)に徐々に滴下し、無電解ニッケル−リンめっきを行い、第1の導電部としてニッケル−リン導電層(リン含有量9重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−リンめっき後の懸濁液(2)を得た。
その後、懸濁液(2)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、上記基材粒子Aの表面上に第1の導電部(厚み48nm)が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(3)を得た。
続けて上記第2のニッケルめっき液(pH7.0)を徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、外側の第2の導電部としてニッケル−ボロン導電層(ボロン含有量2.2重量%)を形成した。上記の懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、その後pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解ニッケル−ボロンめっき後の懸濁液(4)を得た。
その後、懸濁液(4)をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、第1の導電部の外表面に第2の導電部(厚み53nm)が配置された粒子を得た。
このようにして、基材粒子Aの表面上に導電部(厚み101nm)が形成されており、導電部の外表面の全表面積100%中、突起がある部分の表面積が74%である導電性粒子を得た。
(評価)
(1)粒子断面での結晶子サイズ
得られた導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製した。その導電性粒子検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出した。
FE−SEM−EBSP(TSL社製)を用いて、導電性粒子の断面について、結晶粒マッピング測定を実施した。結晶子サイズの粒径分布チャートを確認することにより、結晶子サイズを判定した。なお、上記第1の導電部における結晶子サイズ(1)と上記第2の導電部における結晶子サイズ(2)との差の絶対値、上記第2の導電部における結晶子サイズ(2)と上記第3の導電部における結晶子サイズ(3)との差の絶対値、及び上記第3の導電部における結晶子サイズ(3)と上記第4の導電部における結晶子サイズ(4)との差の絶対値を算出した。なお、結晶子サイズ(1),(2),(3)及び(4)は、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とウィリアムソン−ホール式から求めても同様の値が得られる。
(2)各方位の結晶子サイズの平均値
X線回折装置(理学電機社製「RINT2500VHF」)を用いて粉末X線回折測定を行った。CuKα線によるX線回折により得られる回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(222)面の結晶子サイズの平均値により、結晶子サイズを算出した。
XRD測定条件は45kV、50mAでスキャンレート4.0deg/min.、スキャンステップ0.02deg、測定範囲を2θで5.0degから110.0degで、測定を行った。
まず、上記の最外層の導電部を含む粒子の結晶子サイズ(A)を測定した。
次に、上記の最外層の導電部形成前の粒子の結晶子サイズ(B)を測定した。
上記の最外層の導電部を含む粒子の結晶子サイズ(A)と上記の最外層の導電部形成前の粒子の結晶子サイズ(B)との差の絶対値を算出した。
結晶子サイズは、下記のシェラーの式により算出した。
D=Kλ/βcosθ
D:結晶子サイズ
K:シェラー定数
λ:X線の波長
β:半値幅[rad]
θ:回折角
(3)上記導電部中の結晶構造を有する導電部部分全体(導電部全体)での結晶子サイズ
X線回折装置(理学電機社製「RINT2500VHF」)を用いて得られた導電性粒子の粉末X線回折測定を行った。CuKα線によるX線回折により得られる回折ピークの半値幅とウィリアムソン−ホール式から得られた導電性粒子の上記導電部中の結晶構造を有する導電部部分全体での結晶子サイズを算出した。実施例1〜8及び実施例13〜19及び比較例1〜3では、上記導電部中の結晶構造を有する導電部部分全体は、第1,第2の導電部全体である。実施例9,10では、上記導電部中の結晶構造を有する導電部部分全体は、第1,第2,第3の導電部全体である。実施例11,12では、上記導電部中の結晶構造を有する導電部部分全体は、第1,第2,第3,第4の導電部全体である。
XRD測定条件は45kV、50mAでスキャンレート4.0deg/min.、スキャンステップ0.02deg、測定範囲を2θで5.0degから110.0degで、測定を行った。
結晶子サイズは、下記のウィリアムソン−ホール式により算出した。
Δ2θ・cosθ/λ=0.9/D+2ε・sinθ/λ
D:結晶子サイズ
λ:X線の波長
Δ2θ:半値幅[rad]
θ:回折角度
ε:格子ひずみ
結晶子サイズは、上記のウィリアムソン−ホール式の横軸に2sinθ/λ、縦軸にΔ2θ・cosθ/λを取ってプロットを行い、プロットの直線の切片の値から結晶子サイズ(D)を算出した。
(4)(111)面の結晶子サイズD(111)と(220)面の結晶子サイズD(220)の結晶子サイズ比
X線回折装置(理学電機社製「RINT2500VHF」)を用いて得られた導電性粒子の粉末X線回折測定を行った。CuKα線によるX線回折により得られる回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面及び(220)面の得られた導電性粒子の結晶子サイズを算出した。
XRD測定条件は45kV、50mAでスキャンレート4.0deg/min.、スキャンステップ0.02deg、測定範囲を2θで5.0degから110.0degで、測定を行った。
まず、上記のCuKα線によるX線回折により得られる(111)面の回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面の得られた導電性粒子の結晶子サイズD(111)を算出した。
次に、上記のCuKα線によるX線回折により得られる(220)面の回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(220)面の得られた導電性粒子の結晶子サイズD(220)を算出した。
そして、得られた(111)面の結晶子サイズと(220)面の結晶子サイズの比D(220)/D(111)を算出した。
結晶子サイズは、下記のシェラーの式により算出した。
D=Kλ/βcosθ
D:結晶子サイズ
K:シェラー定数
λ:X線の波長
β:半値幅[rad]
θ:回折角
(5)第1,第2,第3,第4の導電部100重量%中のニッケル、リン及びボロンの含有量
得られた導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製した。その導電性粒子検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出した。
第1,第2,第3,第4導電部におけるニッケル、ボロン及びリンの各含有量を、導電性粒子の断面について、FE−TEM/EDX分析(JEOL社製「JEM−ARM200F」)にて測定した。第1,第2,第3,第4の導電部のそれぞれにおける平均含有量を求めた。
(6)導電部の割れ
得られた導電性粒子1gと、トルエン60gと、直径0.5mmのジルコニアボールとを混合し、直径3cmの攪拌羽根で400rpmの条件で2分間攪拌した。固液分離した粒子を乾燥した後、SEM観察を行った。導電性粒子1000個中、導電部に割れが生じた導電性粒子の個数をカウントして、導電部の割れを下記の基準で判定した。
[導電部の割れの判定基準]
○○:導電部に割れが生じた導電性粒子の個数の割合が3%未満
○:導電部に割れが生じた導電性粒子の個数の割合が3%以上、10%未満
△:導電部に割れが生じた導電性粒子の個数の割合が10%以上、20%未満
×:導電部に割れが生じた導電性粒子の個数の割合が20%以上
(7)電極上の導電性粒子の配置精度(捕捉率)
得られた導電性粒子を含有量が10重量%となるように、三井化学社製「ストラクトボンドXN−5A」に添加し、分散させて、異方性導電ペーストを作製した。
L/Sが30μm/30μmであるITO電極パターンを上面に有する透明ガラス基板を用意した。また、L/Sが30μm/30μmである銅電極パターンを下面に有する半導体チップを用意した。
上記透明ガラス基板上に、作製直後の異方性導電ペーストを厚さ30μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、3MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を185℃で硬化させて、接続構造体を得た。
得られた接続構造体において、導電材料により形成された接続部に含まれる導電性粒子の全個数100重量%中、電極上に配置されている導電性粒子の個数の割合(%)を評価した。電極上の導電性粒子の配置精度を下記の基準で判定した。
[電極上の導電性粒子の配置精度の判定基準]
○○:電極上に配置されている導電性粒子の個数の割合が80%以上
○:電極上に配置されている導電性粒子の個数の割合が70%以上、80%未満
△:電極上に配置されている導電性粒子の個数の割合が60%以上、70%未満
×:電極上に配置されている導電性粒子の個数の割合が60%未満
(8)導通信頼性
上記(7)の評価で得られた接続構造体15個の上下の電極間の接続抵抗を、4端子法により測定した。2つの接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。接続抵抗を下記の基準で判定した。
[接続抵抗(導通信頼性)の判定基準]
○○:接続抵抗の平均値が8.0Ω以下
○:接続抵抗の平均値が8.0Ωを超え、10.0Ω以下
△:接続抵抗の平均値が10.0Ωを超え、15.0Ω以下
×:接続抵抗の平均値が15.0Ωを超える
(9)絶縁信頼性
上記(7)の評価で得られた接続構造体15個を、85℃及び湿度85%にて500時間放置した。放置後の接続構造体において、隣接する電極間に、5Vを印加し、抵抗値を25箇所で測定して、絶縁抵抗の平均値を算出した。絶縁信頼性を下記の基準で判定した。
[絶縁信頼性の判定基準]
○○:絶縁抵抗が1000MΩ以上
○:絶縁抵抗が100MΩ以上、1000MΩ未満
△:絶縁抵抗が10MΩ以上、100MΩ未満
×:絶縁抵抗が10MΩ未満
結果を下記の表1に示す。
Figure 2016042466
なお、防錆処理していない導電性粒子の具体的な実施例を示したが、防錆処理を行った場合には、導通信頼性がより一層高くなることを確認した。防錆処理には、炭素数6〜22のアルキル基を有する化合物が好適に用いられ、またリンを含まない化合物が好適に用いられる。
1,21,21A,31,41…導電性粒子
2…基材粒子
3,22,22A,33,42…第1の導電部
4,23,34,43…第2の導電部
21a,21Aa,22a,22Aa,23a…突起
24…芯物質
25…絶縁物質
32,44…他の導電部
51…接続構造体
52…第1の接続対象部材
52a…第1の電極
53…第2の接続対象部材
53a…第2の電極
54…接続部

Claims (23)

  1. 基材粒子と、導電部とを備え、
    前記導電部が、結晶構造を有する第1の導電部と、結晶構造を有する第2の導電部とを含み、
    前記第1の導電部が、前記基材粒子の表面上に配置されており、
    前記第2の導電部が、前記第1の導電部に接するように前記第1の導電部の外表面上に配置されており、
    前記第1の導電部における結晶子サイズと、前記第2の導電部における結晶子サイズとの差の絶対値が5nm以上である、導電性粒子。
  2. 前記第1の導電部における結晶子サイズが、前記第2の導電部における結晶子サイズよりも小さい、請求項1に記載の導電性粒子。
  3. 前記第1の導電部における結晶子サイズが、前記第2の導電部における結晶子サイズよりも大きい、請求項1に記載の導電性粒子。
  4. 前記第1の導電部が、ニッケルを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  5. 前記第2の導電部が、ニッケルを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  6. 前記導電部が外表面に複数の突起を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  7. 前記導電部の外表面の全表面積100%中、前記突起がある部分の表面積が10%以上である、請求項6に記載の導電性粒子。
  8. 複数の前記突起の平均高さが、5nm以上、1000nm以下である、請求項6又は7に記載の導電性粒子。
  9. 複数の前記突起の基部の平均径が、5nm以上、1000nm以下である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  10. 複数の前記突起の平均高さの、複数の前記突起の基部の平均径に対する比が、0.1以上、10以下である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  11. 前記導電部内において、複数の前記突起を形成するように、前記導電部の表面を隆起させている複数の芯物質を備える、請求項6〜10のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  12. 前記芯物質の材料のモース硬度が5以上である、請求項11に記載の導電性粒子。
  13. 前記導電部中の結晶構造を有する導電部部分の全体での測定において、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(222)面の結晶子サイズの平均値による結晶子サイズが10nm以上である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  14. 前記導電部中の結晶構造を有する導電部部分の全体での測定において、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とウィリアムソン−ホール式から求められる結晶子サイズが10nm以上である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  15. 前記導電部中の結晶構造を有する導電部部分の全体での測定において、X線回折における(220)面の結晶子サイズをD(220)とし、(111)面の結晶子サイズをD(111)としたときに、これらの比(D(220)/D(111))が、0.01以上である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  16. 前記導電性粒子の粒子径が1.0μm以上、10.0μm以下である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  17. 前記基材粒子が、樹脂粒子であるか、又は有機無機ハイブリッド粒子である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  18. 前記導電部の外表面が防錆処理されている、請求項1〜17のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  19. 前記導電部の外表面が、炭素数6〜22のアルキル基を有する化合物により防錆処理されている、請求項18に記載の導電性粒子。
  20. 前記導電部の外表面が、リンを含まない化合物により防錆処理されている、請求項18又は19に記載の導電性粒子。
  21. 前記導電部の外表面上に配置された絶縁性物質を備える、請求項1〜20のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  22. 請求項1〜21のいずれか1項に記載の導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む、導電材料。
  23. 第1の接続対象部材と、
    第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材とを備え、
    前記接続部の材料が、請求項1〜21のいずれか1項に記載の導電性粒子であるか、又は前記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料である、接続構造体。
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