JP2013144406A - クリップ - Google Patents

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▲吉▼宏 山本
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Abstract

【課題】書類の厚さにかかわらず容易かつ確実に書類を保持することのできるクリップ、を提供する。
【解決手段】クリップ1は、略「C」字状の収容枠体3と、開口部2を隔てて配置されたヒンジ4,5を介して収容枠体3に結合された弾性を有する挟持片6,7とを備えている。挟持片6,7には、その凹部62と先端部71とが当接する方向に、ヒンジ4,5まわりの回動付勢力が付与されている。書類9が薄い場合には、開口部2からY1方向に挿入した書類9を、挟持片6,7に作用する回動付勢力に基づいてかみ込むようにして挟持する。書類9が厚い場合には、挿入された書類9によって押し広げられて弾性変形した挟持片6,7の弾性復元力を用いて書類9を挟持する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、書類等を挟んで保持するクリップに関する。
書類等を挟むクリップとして、たとえば特許文献1の図2に示すものが知られている。
このクリップは、基板部(背板)の上下両端側から同じ方向に折り曲げて対向して形成された一対の支持片を備え、支持片の端縁部同士を離間するとともに、当該端縁部に沿って外側に拡開したガイド部を形成し、支持片の内壁部にシート状部材を上下から押圧する押圧部を設けた構成となっている。
このように構成することで、押圧部の挟持力を強くした場合にもシート状部材の押圧部間への挿入をスムーズに行うことができ、以って、綴じ作業における負担を軽減し、さらにクリップ装着装置が不要となるとされている。
しかし、このクリップにおいて、押圧部の挟持力を強くした場合、厚い書類の場合は剛性が高い(腰がある)ため問題はないとしても、薄い書類(たとえば、伝票2〜3枚)の場合は剛性が低い(腰がない)ため、押圧部間に挿入することは困難である。その一方、押圧部の挟持力を弱くすると、薄い書類を押圧部間に挿入することは可能となるものの、逆に、厚い書類を保持することが困難となる。
特開2009−12241号公報
この発明は、このような従来技術における問題点を解決し、書類の厚さにかかわらず容易かつ確実に書類を保持することのできるクリップ、を提供することを目的とする。
この発明によるクリップは、書類の挿抜を行うための開口部を有し当該開口部から挿入された書類の端部を収容する収容枠体と、前記収容枠体の開口部を隔てて略対向する位置にそれぞれヒンジを介して結合された弾性を有する一対の挟持片であって、当該両ヒンジを結ぶ直線よりも書類の挿入方向よりの位置において当該両挟持片が相互に当接する回動初期位置、から当該両挟持片が相互に離間する方向に回動したあと各挟持片の一部が当該収容枠体に当接して回動が規制される回動規制位置、に至る範囲内においてそれぞれ当該ヒンジまわりに回動可能とされ、回動規制位置から回動初期位置に向かう回動方向に当該ヒンジまわりの回動付勢力が付与された第1及び第2挟持片と、を備え、前記回動初期位置から回動規制位置に至る範囲内において前記第1及び第2挟持片に作用する回動付勢力に基づいて書類を挟持する第1挟持状態、及び、前記回動規制位置から当該両挟持片の他の部分がさらに相互に離間する方向に回動させられることにより弾性変形した当該第1及び第2挟持片の弾性復元力を用いて書類を挟持する第2挟持状態、のいずれの状態においても書類を挟持することができるよう構成されたこと、を特徴とする。
本発明の特徴は、上記のように広く示すことができるが、その構成や内容は、目的および特徴とともに、図面を考慮に入れた上で、以下の開示によりさらに明らかになるであろう。
本願の第1発明によるクリップは、書類の挿抜を行うための開口部を有し当該開口部から挿入された書類の端部を収容する収容枠体と、前記収容枠体の開口部を隔てて略対向する位置にそれぞれヒンジを介して結合された弾性を有する一対の挟持片であって、当該両ヒンジを結ぶ直線よりも書類の挿入方向よりの位置において当該両挟持片が相互に当接する回動初期位置、から当該両挟持片が相互に離間する方向に回動したあと各挟持片の一部が当該収容枠体に当接して回動が規制される回動規制位置、に至る範囲内においてそれぞれ当該ヒンジまわりに回動可能とされ、回動規制位置から回動初期位置に向かう回動方向に当該ヒンジまわりの回動付勢力が付与された第1及び第2挟持片と、を備え、前記回動初期位置から回動規制位置に至る範囲内において前記第1及び第2挟持片に作用する回動付勢力に基づいて書類を挟持する第1挟持状態、及び、前記回動規制位置から当該両挟持片の他の部分がさらに相互に離間する方向に回動させられることにより弾性変形した当該第1及び第2挟持片の弾性復元力を用いて書類を挟持する第2挟持状態、のいずれの状態においても書類を挟持することができるよう構成されたこと、を特徴とする。
クリップに書類を挟持するには、開口部から収容枠体の内部にむけて書類の端部を挿入する。当初、回動初期位置にて相互に当接していた第1及び第2挟持片は、挿入した書類により押し広げられる。
挿入する書類が薄い場合、すなわち、挿入された書類により押し広げられた両挟持片が回動規制位置に達しない場合は、両挟持片はそれぞれヒンジまわりに回転するだけであるから、書類を挿入する際の抵抗力は小さい。このため、薄い書類であっても容易に挿入することができる。
薄い書類が挿入された状態において、両挟持片には相互に近接する方向にヒンジまわりの回動付勢力が作用しているから、これに基づく摩擦力が書類との間に働く。したがって、書類を引抜こうとすると、この摩擦力により両挟持片が相互に近接する方向に向かって回動しようとして両挟持片間の隙間がより狭くなる。このため、書類を抜こうとすると、書類を咬み込むように力が働き、書類を挟持することができる。このため、薄い書類であっても、保持力を確保することができる。なお、書類が厚くなるにつれ、回動付勢力が大きくなることから摩擦力も大きくなり、その結果、挟持力の低下を防止することができる。
さらに厚い書類を挿入する場合、両挟持片が回動規制位置に達した後さらに奥に書類を挿入すると、両挟持片のヒンジまわりの回動は規制されるが、両挟持片自体の弾性により両挟持片間のすき間が大きくなるよう押し広げられる。このため、両挟持片が回動規制位置に達した後、挿入抵抗は大きくなるものの、その分書類の厚さが厚く剛性も高いことから、書類の挿入が困難となることはない。挿入された書類は、両挟持片自体の弾性復元力により保持される。
すなわち、この発明によれば、書類の厚さにかかわらず容易かつ確実に書類を保持することのできるクリップ、を実現することができる。
本願の第2発明によるクリップは、本願の第1発明によるクリップにおいて、さらに前記収容枠体も弾性を有し、前記第2挟持状態は、弾性変形した前記第1及び第2挟持片並びに収容枠体の弾性復元力を用いて書類を挟持する状態であること、を特徴とする。
したがって、第1及び第2挟持片のみならず収容枠体の弾性をも利用することで、第2挟持状態において書類の挟持に作用する部材全体の弾性率を低く抑えることができる。このため、これらの部材の弾性復元力に抗して書類を挿入することが、より容易になる。このため、薄い書類を挟持する場合と、厚い書類を挟持する場合との、書類挿入の際の抵抗力の差を小さくすることができる。
本願の第3発明によるクリップは、本願の第2発明によるクリップにおいて、前記クリップは、前記第1及び第2挟持状態、並びに、弾性変形した収容枠体の弾性復元力のみが書類に作用して書類を挟持する第3挟持状態、のいずれの状態においても書類を挟持することができるよう構成されたこと、を特徴とする。
したがって、挿入する書類がさらに厚くなった場合には、弾性変形した収容枠体の弾性復元力のみが書類に作用する第3挟持状態となるため書類の挟持に作用する部材全体の弾性率は高くなり、第2挟持状態に比し書類挿入の際の抵抗力が大きくなるが、書類の厚さがより厚く剛性もより高くなることから、書類の挿入が困難となることはない。挿入された書類には、収容枠体の弾性復元力が直接作用するから、第2挟持状態に比し大きい力で保持される。
このように、挿入する書類の厚さに応じて、書類を挟持する原理のみならず、書類の挟持に作用する部材全体の弾性率が自動的に変更されるから、書類の厚さに応じたきめ細かい挟持力の調整が可能となる。
本願の第4発明によるクリップは、本願の第1ないし第3のいずれかの発明によるクリップにおいて、前記第1及び第2挟持片は、前記回動初期位置において、当該第1挟持片の先端部よりも前記ヒンジよりに設けられた当該第1挟持片の中間部と、当該第2挟持片の先端部とが当接するよう構成されたこと、を特徴とする。
したがって、第1挟持状態において、必ず第1挟持片の中間部と第2挟持片の先端部との間で書類を挟持するようにすることで、先端部同士で書類を挟持する場合に比し、安定した状態で書類を挟持することができる。このため、両挟持片の寸法や回動付勢力に製造誤差が生じた場合でも、安定した書類挟持力を得ることができる。
図1は、クリップ1の斜視図である。 図2は、クリップ1の長手方向に直交する断面を示す断面図である。 図3は、薄い書類を挟持した状態を示すクリップ1の断面図である。 図4は、厚い書類を挟持した状態を示すクリップ1の断面図である。 図5は、さらに厚い書類を挟持した状態を示すクリップ1の断面図である。
まず、この発明の一の実施形態によるクリップ1について説明する。
図1は、クリップ1の斜視図である。
図2は、クリップ1の長手方向に直交する断面を示す断面図である。
図3は、薄い書類を挟持した状態を示すクリップ1の断面図である。
図4は、厚い書類を挟持した状態を示すクリップ1の断面図である。
図5は、さらに厚い書類を挟持した状態を示すクリップ1の断面図である。
図1に示すように、クリップ1は、長手方向(図中X方向)に直交する断面(YZ断面)の断面形状が一様になるよう構成されている。
図2に示すように、クリップ1は、書類9の挿抜を行うための開口部2を有し、開口部2から挿入された書類9の端部91を収容する収容枠体3と、収容枠体3の開口部2を隔てて略対向する位置に一対のヒンジ、すなわち第1ヒンジ4及び第2ヒンジ5、を介してそれぞれ結合された弾性を有する一対の挟持片、すなわち第1挟持片6及び第2挟持片7、を備えている。
挟持片6、7には、ヒンジ4,5の弾性復元力に基づいて、ヒンジ4,5まわりの回動付勢力が、それぞれR1方向及びR2方向に付与され、ヒンジ4,5を結ぶ直線よりも書類9の挿入方向(Y1方向)よりの位置において当該両挟持片6、7の一部(先端近傍部)が相互に当接するよう構成されている。なお、図2は、挟持片6、7の先端近傍部が相互に当接する位置(回動初期位置)にある状態を示した図であるが、説明の便宜上、両挟持片6、7の当接部分を少し離して描いてある。
収容枠体3は、基本的な断面形状が円の一部(中心角にして約60度)が切欠かれ略「C」字状に形成されており、肉厚は周方向に略均一である。
なお、上記中心角は約60度に限定されるものではないが、0度以上で、かつ、180度以下でなければならず、好ましくは30度〜120度、より好ましくは40度〜90度、さらに好ましくは50度〜70度である。
この角度が小さすぎると、挟持片6の凹部62と挟持片7の先端部71との間で書類9を咬み込むようにして挟持する第1挟持状態、並びに、挟持片6、7を弾性部材として利用する第2挟持状態により保持できる書類9の厚さの範囲が狭くなり、角度が大きすぎると、弾性部材として収容枠体3のみが作用する第3挟持状態により保持できる書類9の厚さの範囲が狭くなるからである。
ヒンジ4,5は、収容枠体3の上記切欠きの両端(第1切欠き端31及び第2切欠き端32)に各々連続して形成されている。すなわち、ヒンジ4,5は、相互に略平行な面として形成された収容枠体3の切欠き端31,32の最外端(Y2方向端)に連続して設けられ、収容枠体3と挟持片6、7とを接続する薄肉部として形成されている。
挟持片6は、基本的な断面形状が略直線状であって、図2に示す回動初期位置において、ヒンジ4から収容枠体3の略中央に向けて起立するよう構成されている。挟持片6の肉厚は上記起立方向に略均一であって、収容枠体3のそれより薄肉である。この例では、挟持片6の肉厚は収容枠体3の肉厚の1/2程度である。
挟持片7も、挟持片6同様、基本的な断面形状が略直線状であって、回動初期位置において、ヒンジ5から収容枠体3の略中央に向けて起立するよう構成されており、肉厚も、挟持片6と略同様である。
ヒンジ4,5の肉厚は、挟持片6、7の肉厚より、さらに薄くなっている。この例では、ヒンジ4,5の肉厚は、挟持片6、7の肉厚の1/2以下である。
この例では、図2に示す回動初期位置において、挟持片6の先端部61よりもヒンジ4よりに設けられた当該挟持片6の中間部と、挟持片7の先端部71とが当接するよう構成されている。より詳細には、断面形状において、挟持片6は挟持片7よりやや長くなるよう形成され、その結果、挟持片6の中間部に挟持片7の先端部71が当接するよう構成されている。
具体的には、ヒンジ4から挟持片6の先端部61までの距離は、ヒンジ5から挟持片7の先端部71までの距離の約1.27倍になるよう構成されている。
なお、ヒンジ4から挟持片6の先端部61までの距離は、ヒンジ5から挟持片7の先端部71までの距離の約1.27倍に限定されるものではないが、1倍を越えるものでなければならず、好ましくは1.05〜1.5倍、より好ましくは1.15〜1.4倍、さらに好ましくは1.25〜1.3倍である。
この数値が小さすぎると、製造誤差等により、第1挟持状態における安定した書類挟持力の確保が困難になり、大きすぎると、後述のストッパー部63とストッパー受け部33とが当接する前に挟持片6の先端部61が収容枠体3の内壁に当接してしまうからである。
さらに、挟持片7の先端部71が当接する挟持片6の中間部には、先端部71の凸形状に相応する凹形状の凹部62が形成され、図2に示す回動初期位置において、挟持片6の凹部62に挟持片7の先端部71が食い込むように当接するよう構成されている。
このように構成することで、書類9が薄い場合であっても、書類9と凹部62及び先端部71との接触面積を大きくすることで(図3参照)、より確実に書類9を保持することが可能となる。
ヒンジ4から挟持片6の凹部62までの距離と、ヒンジ5から挟持片7の先端部71までの距離とは、略同一となるよう構成されている。
また、図2に示す回動初期位置において、ヒンジ4と挟持片6の凹部62とを結ぶ直線と、ヒンジ5と挟持片7の先端部71とを結ぶ直線とのなす角度は約60度になるよう構成されている。
なお、回動初期位置において、ヒンジ4と挟持片6の凹部62とを結ぶ直線と、ヒンジ5と挟持片7の先端部71とを結ぶ直線とのなす角度は約60度に限定されるものではないが、鋭角でなければならず、好ましくは40度〜80度、より好ましくは50度〜70度、さらに好ましくは55度〜65度である。
この角度が小さすぎると、挟持した書類9を引き抜こうとしたときに咬み込み効果が生じ難くなるため滑りやすく、角度が大きすぎると、挟持した書類9を引き抜こうとしたときに咬み込み効果が大きくなりすぎ僅かな引き抜き力で両者のなす角度が鈍角に転じてしまうおそれがあるからである。
挟持片6に第1ストッパー部63が形成され、収容枠体3の上記ストッパー部63と対向する位置に、第1ストッパー受け部33が形成されている。同様に、挟持片7に第2ストッパー部73が形成され、収容枠体3の上記ストッパー部73と対向する位置に、第2ストッパー受け部34が形成されている。
この例においては、収容枠体3の切欠き端31がストッパー受け部33として用いられ、ストッパー部63は、挟持片6の基部64(ヒンジ4に連続する部分)のストッパー受け部33に対向する部分に形成されている。同様に、収容枠体3の切欠き端32がストッパー受け部34として用いられ、ストッパー部73は、挟持片7の基部74(ヒンジ5に連続する部分)のストッパー受け部34に対向する部分に形成されている。
図2に示す回動初期位置から挟持片6及び挟持片7が、それぞれがR2方向、R1方向(両挟持片6,7の先端部が相互に離間する方向)に所定角度回転すると、ストッパー部63とストッパー受け部33とが当接するとともに、ストッパー部73とストッパー受け部34とが当接し、基部64,74がそれ以上回転しないよう構成されている(図4参照)。図4に示す両挟持片6,7の位置を回動規制位置という。
図4に示す回動規制位置において、ヒンジ4と挟持片6の先端部61とを結ぶ直線と、挿入された書類9の表面とのなす角度、及び、ヒンジ5と挟持片7の先端部71とを結ぶ直線と、挿入された書類9の表面とのなす角度は、いずれも約15度になるよう構成されている。つまり、回動規制位置において挟持片6、7のなす角度は約30度になるよう構成されている。
なお、回動規制位置において、挟持片6、7のなす角度は約30度に限定されるものではないが、0度以上で、かつ、図2に示す回動初期位置において挟持片6、7のなす角度以下でなければならず、好ましくは10度〜50度、より好ましくは20度〜40度、さらに好ましくは25度〜35度である。
この角度が小さすぎると、挟持片6、7を弾性部材として利用する第2挟持状態により保持できる書類9の厚さの範囲が狭くなり、角度が大きすぎると、挟持片6の凹部62と挟持片7の先端部71との間で書類9を咬み込むようにして挟持する第1挟持状態により保持できる書類9の厚さの範囲が狭くなるからである。
クリップ1は、たとえば合成樹脂(好ましくはポリアセタール樹脂のようなエンジニアリング・プラスチック)を一体成形することにより得られる。一体成形の方法はとくに限定されるものではないが、たとえば、引き抜き成形により形成したものを、長手方向に適宜切断して形成することができる。
図2に示す状態のクリップ1に開口部2から薄い書類9をY1方向に差し込むと、回動初期位置にて相互に当接していた挟持片6,7は、挿入した書類9により押し広げられる。挿入された書類9は薄いので、書類9により押し広げられた両挟持片6,7が回動規制位置(図4参照)に達することはない。
つまり、両挟持片6,7はそれぞれ、ヒンジ4,5の弾性復元力に起因する回動付勢力に抗してヒンジ4,5まわりに回転するだけであるから、書類9を挿入する際の抵抗力は小さい。このため、薄くて腰のない書類9であっても容易に挿入することができる。
図3に示すように、書類9が挿入された状態において、両挟持片6、7には、それぞれ、先端部が相互に近接する方向(R1,R2方向)にヒンジ4,5まわりの回動付勢力が作用しているから、これに基づく摩擦力が、挟持片6の凹部62及び挟持片7の先端部71と、これらに挟まれた書類9との間に働く。したがって、書類9をクリップ1から引抜こうとすると、この摩擦力により挟持片6,7の先端部が相互に近接する方向に向かって回動しようとして、凹部62と先端部71との隙間がより狭くなる。このため、書類9を抜こうとすると、書類9を咬み込むように力が働き、書類9を保持することができる。このため、薄い書類9であっても、保持力を確保することができる。
書類9が厚くなるにつれ、両挟持片6,7の開き角度が大きくなるため、書類9を咬み込む効果は低下してゆく。その一方、両挟持片6,7の開き角度が大きくなると、ヒンジ4,5の弾性復元力に起因する回動付勢力は、逆に、大きくなる。このため、回動付勢力に基づく摩擦力も大きくなることから、結果として、挟持力自体の低下を防ぐことができる。
クリップ1に書類9を挟持したときに、挟持片6,7が、図2に示す回動初期位置から図4に示す回動規制位置に至るまでの位置にある状態、すなわち、挟持片に作用する回動付勢力に起因して書類9を挟持する状態を、第1挟持状態という。
つぎに、図4に示す書類9より厚い書類9をクリップ1に挿入すると、両挟持片6,7の基部64,74のヒンジ4,5まわりの回動は規制されるが、両挟持片6、7自体の弾性により両挟持片6,7の先端部61、71間のすき間が大きくなるよう押し広げられる。このため、両挟持片6,7が回動規制位置に達した後、書類9の挿入抵抗は大きくなるものの、その分書類9の厚さが厚く剛性も高いことから、書類9の挿入が困難となることはない。挿入された書類9は、両挟持片6,7自体の弾性復元力により保持される。
このように、図4に示す回動規制位置から両挟持片6,7の先端部61、71がさらに相互に離間する方向に回動させられることにより弾性変形した当該挟持片6,7の弾性復元力を用いて書類を挟持する状態を、第2挟持状態という。つまり、図4〜図5に示す範囲の厚さを持つ書類9を挟持する状態が、第2挟持状態となる。
なお、この例では、収容枠体3も弾性を有している。したがって、この例では、第2挟持状態において、挟持片6,7の弾性復元力のみならず、収容枠体3の弾性復元力も書類9を挟持する際に作用する。つまり、弾性部材としての挟持片6,7及び収容枠体3が直列に接続された状態となる。
この結果、挟持片6,7のみが弾性部材として作用する場合に比し、書類9の挟持に作用する部材全体の弾性率を低く抑えることができる。このため、これらの部材の弾性復元力に抗して書類9を挿入することが、より容易になる。このため、薄い書類を挟持する場合と、厚い書類を挟持する場合との、書類挿入の際の抵抗力の差を小さくすることができる。
つぎに、図5に示す書類9より厚い書類9をクリップ1に挿入すると、挟持片6は、先端部61及び基部64が共に書類9に接した状態となる。同様に、挟持片7は、先端部71及び基部74が共に書類9に接した状態となる。このため、挟持片6、7は、もやは弾性部材としては機能せず、書類9には、弾性変形した収容枠体3の弾性復元力のみが、挟持片6、7を介して作用する。この状態が第3挟持状態である。
したがって、弾性部材として収容枠体3のみが作用する第3挟持状態においては、弾性部材として直列に接続された挟持片6,7及び収容枠体3が作用する第2挟持状態に比し、書類9の挟持に作用する部材全体の弾性率は高くなる。このため、第2挟持状態に比し書類9をクリップ1に挿入する際の抵抗力が大きくなるが、書類9の厚さがより厚く剛性もより高くなることから、書類9の挿入が困難となることはない。そして、挿入された書類9は、第2挟持状態に比し大きい力で保持される。
このように、クリップ1においては、挟持する書類9の厚さに応じて、第1、第2、第3挟持状態が自動的に切り換わる。このため、書類9の厚さを気にすることなく、書類9の挟持作業を行うことができる。また、挿入する書類9の厚さに応じて、書類9を挟持する原理のみならず、書類9の挟持に作用する部材全体の弾性率を変えることができるから、書類9の厚さに応じたきめ細かい挟持力の設定・調整が可能となる。
すなわち、このクリップ1によれば、書類9の厚さにかかわらず容易かつ確実に書類9を保持することが可能となる。
上記においては、本発明を好ましい実施形態として説明したが、各用語は、限定のために用いたのではなく、説明のために用いたものであって、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、添付のクレームの範囲において、変更することができるものである。また、上記においては、本発明のいくつかの典型的な実施形態についてのみ詳細に記述したが、当業者であれば、本発明の新規な教示および利点を逸脱することなしに上記典型的な実施形態において多くの変更が可能であることを、容易に認識するであろう。したがって、そのような変更はすべて、本発明の範囲に含まれるものである。
1:クリップ
2:開口部
3:収容枠体
4:第1ヒンジ
5:第2ヒンジ
6:第1挟持片
7:第2挟持片
9:書類
62:凹部
71:先端部

特許出願人 株式会社パレット
出願人代理人 弁理士 田川 幸一

Claims (4)

  1. 書類の挿抜を行うための開口部を有し当該開口部から挿入された書類の端部を収容する収容枠体と、
    前記収容枠体の開口部を隔てて略対向する位置にそれぞれヒンジを介して結合された弾性を有する一対の挟持片であって、当該両ヒンジを結ぶ直線よりも書類の挿入方向よりの位置において当該両挟持片が相互に当接する回動初期位置、から当該両挟持片が相互に離間する方向に回動したあと各挟持片の一部が当該収容枠体に当接して回動が規制される回動規制位置、に至る範囲内においてそれぞれ当該ヒンジまわりに回動可能とされ、回動規制位置から回動初期位置に向かう回動方向に当該ヒンジまわりの回動付勢力が付与された第1及び第2挟持片と、
    を備え、
    前記回動初期位置から回動規制位置に至る範囲内において前記第1及び第2挟持片に作用する回動付勢力に基づいて書類を挟持する第1挟持状態、及び、前記回動規制位置から当該両挟持片の他の部分がさらに相互に離間する方向に回動させられることにより弾性変形した当該第1及び第2挟持片の弾性復元力を用いて書類を挟持する第2挟持状態、のいずれの状態においても書類を挟持することができるよう構成されたこと、
    を特徴とするクリップ。
  2. 請求項1のクリップにおいて、
    さらに前記収容枠体も弾性を有し、
    前記第2挟持状態は、弾性変形した前記第1及び第2挟持片並びに収容枠体の弾性復元力を用いて書類を挟持する状態であること、
    を特徴とするもの。
  3. 請求項2のクリップにおいて、
    前記クリップは、前記第1及び第2挟持状態、並びに、弾性変形した収容枠体の弾性復元力のみが書類に作用して書類を挟持する第3挟持状態、のいずれの状態においても書類を挟持することができるよう構成されたこと、
    を特徴とするもの。
  4. 請求項1ないし3のいずれかのクリップにおいて、
    前記第1及び第2挟持片は、前記回動初期位置において、当該第1挟持片の先端部よりも前記ヒンジよりに設けられた当該第1挟持片の中間部と、当該第2挟持片の先端部とが当接するよう構成されたこと、
    を特徴とするもの。
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