JP2013143926A - 生地練り込み用油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】カカオ成分を豊富に含有しながら、作業性が良好で保存中の物性変化が少ない、製菓製パンの生地練り込み用油脂組成物を開発することである。
【解決手段】ココアバターを5〜20質量%、ラウリン系油脂を5〜20質量%、非ラウリン系液状油を15〜35質量%及び無脂カカオ固形分を35〜65質量%含有する生地練り込み用油脂組成物である。好ましくは、前記ココアバターの含量と前記ラウリン系油脂の含量との質量比が3:7〜7:3である生地練り込み用油脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ココアバター及び無脂カカオ固形分を含有するパン生地等の穀粉生地練り込み用油脂組成物に関する。
チョコレートを利用した製菓製パン製品は、チョコレートもしくはチョコレートクリームをコーティングしたもの、包餡もしくはサンドしたものや、生地に折り込んで層状としたものなど、多種多様でバラエティー豊かである。チョコレートを利用した製菓製パン製品には、生地中にチョコレート成分を練り込んだ、いわゆるチョコレート色をしたパンや焼菓子なども良く知られている。
チョコレート成分を生地に練り込んだパンや焼菓子は、生地への練り込み易さから、ココアパウダーが使用される場合が多いが、色調の割には芳醇なチョコレート風味は乏しく、チョコレートチップと併用してチョコレート風味を補うなどの工夫がなされている。カカオマスやココアバターを生地に練り込むと、芳醇なチョコレート風味が得られるが、カカオマスやココアバターはパンや焼菓子を製造する作業温度では硬く、生地への練り込み作業が簡単ではない。また、焼成時の生地浮きが乏しかったり、硬い食感になりやすかったりする難点がある。
かかる課題を解決するために、例えば特許文献1には、カカオマスと常温で液状の油とレシチンを併用する生地練り込み用チョコレートが提案されている。しかしながら、保存中に硬くなり易く、ブルーミングやグレイニングを起こし易いなど、取扱いが必ずしも良いものではなかった。従って、作業性が良好で保存中の物性的な変化が少ない、カカオ成分を豊富に含有した生地練り込み用油脂組成物の開発が望まれていた。
特開昭62−289147号公報
解決しようとする課題は、カカオ成分を豊富に含有しながら、作業性が良好で保存中の物性変化が少ない、製菓製パンの生地練り込み用油脂組成物を開発することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ココアバター、ラウリン系油脂、非ラウリン系液状油及び無脂カカオ固形分を特定量含有する油脂組成物を用いることで上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の態様の1つは、ココアバターを5〜20質量%、ラウリン系油脂を5〜20質量%、非ラウリン系液状油を15〜35質量%及び無脂カカオ固形分を35〜65質量%含有する生地練り込み用油脂組成物である。
好ましい態様としては、前記ココアバターの含量と前記ラウリン系油脂の含量との質量比が3:7〜7:3である生地練り込み用油脂組成物であり、さらに、非ラウリン系油脂の極度硬化油を0.1〜2.5質量%含有する生地練り込み用油脂組成物である。また、15℃以下で保存する生地練り込み用油脂組成物である。
本発明の別の態様の1つは、前記生地練り込み用油脂組成物と穀粉を使用した穀粉含有生地である。
本発明の別の態様の1つは、前記穀粉生地を加熱調理した穀粉含有食品である。
本発明の別の態様の1つは、ココアバターを5〜20質量%、ラウリン系油脂を5〜20質量%、非ラウリン系液状油を15〜35質量%及び無脂カカオ固形分を35〜65質量%含有する原料を混合した後、原料混合物にリファイニング、コンチングを行い、テンパリングは行わずに冷却固化する生地練り込み用油脂組成物の製造方法である。
本発明によれば、冷蔵状態で使用分を切り取ってそのまま使用できる、作業性が良好で保存中の物性的な変化が少ない、カカオ成分を豊富に含有した、製菓製パンに使用する穀粉生地練り込み用油脂組成物を提供できる。
また、本発明によれば、上記油脂組成物を製菓製パンの穀粉生地練り込みに使用することにより、チョコレート風味豊かな製菓製パン食品を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の生地練り込み用油脂組成物は、ココアバターと無脂カカオ固形分とを含有する。ココアバターは、カカオ豆より搾油された油脂である。また、無脂カカオ固形分は、カカオ豆から油脂(ココアバター)を除いた固形分である。ココアバターの製造条件は特に限定されないが、産地より輸入された発酵済みのカカオ豆を直接または焙煎後圧搾することにより得るのが好ましい。
カカオ豆を焙煎する場合の焙煎条件は、焙煎温度は100〜150℃が好ましく、110〜140℃であることがより好ましく、120〜140℃であることが最も好ましい。焙煎時間は5〜40分間が好ましく、10〜30分間がより好ましい。前記焙煎条件で焙煎すると、芳醇なチョコレート風味が得られるので好ましい。
また、焙煎方式に特に限定はないが、皮を分離した実(カカオニブ)の状態で焙煎するニブ焙煎や、カカオ豆を皮付きのまま焙煎するビーンズ焙煎が挙げられる。ニブ焙煎の場合は、皮を分離したカカオニブを、乾燥した後、焙煎、磨潰して得られたカカオマスを圧搾することによりココアバターが得られる。ビーンズ焙煎の場合は、カカオ豆を皮付きのまま焙煎した後、皮を分離し、磨潰して得られたカカオマスを圧搾することによりココアバターが得られる。また、ココアバターはカカオマスを圧搾することにより得られるが、圧搾前にカカオマス(または皮を分離したカカオ豆)をアルカリ処理しても良い。
本発明の生地練り込み用油脂組成物に使用するココアバターは、カカオ豆より搾油された油脂であれば特に制限されないが、未精製油あるいは軽度精製油であることが好ましい。精製とは、食用油脂を得るために通常行われる脱酸、脱色、脱臭等の精製工程の一部または全部を経ることであり、未精製油とは圧搾されたままの前記精製工程を経ない油脂である。軽度精製油とは、前記精製工程の脱臭工程を経たものであり、その脱臭温度が90〜210℃、脱臭時間10〜120分の軽度脱臭を経たものである。ココアバターが未精製油または軽度精製油であると、ココアバターを含む生地練り込み用油脂組成物のチョコレー風味が発現し易いので好ましい。
本発明の生地練り込み用油脂組成物は、ココアバターを5〜20質量%含有する。生地練り込み用油脂組成物中のココアバター含有量は、6〜18質量%であることが好ましく、7〜16質量%であることがより好ましい。生地練り込み用油脂組成物中のココアバター含有量が上記範囲にあると、生地練り込みの作業性が良好で、チョコレート風味が発現し易いので好ましい。なお、本発明の生地練り込み用油脂組成物に含まれるココアバターは、上記のカカオマスや、カカオマスからココアバターを搾り取った残余であるココアケーキ、あるいはそれを粉砕したココアパウダー等に含まれた状態で供給されてもよい。
本発明の生地練り込み用油脂組成物が含有する無脂カカオ固形分は、上記のカカオマスや、カカオマスからココアバターを搾り取った残余であるココアケーキ、あるいはそれを粉砕したココアパウダーを使用することにより、カカオマス、ココアケーキ、ココアパウダーからココアバター含量を減じた固形分として供給することができる。例えば、カカオマスは約55質量%、ココアパウダーは約8〜24質量%のココアバターを含有するので、カカオマスは約45質量%、ココアパウダーは約76〜92質量%の無脂カカオ固形分を含有する。より具体的には、例えば、生地練り込み用油脂組成物に無脂カカオ固形分を45質量%含有するカカオマスを30質量%配合することにより、無脂カカオ固形分を13.5質量%配合したことになる。
本発明の生地練り込み用油脂組成物は、無脂カカオ固形分を35〜65質量%含有する。生地練り込み用油脂組成物中の無脂カカオ固形分含有量は、40〜60質量%であることが好ましく、44〜56質量%であることがより好ましい。生地練り込み用油脂組成物中の無脂カカオ固形分含有量が上記範囲にあると、生地練り込みの作業性が良好で、チョコレート風味が発現し易いので好ましい。
本発明の生地練り込み用油脂組成物は、ココアバター、無脂カカオ固形分のほか、ラウリン系油脂と非ラウリン系液状油を含有する。本発明におけるラウリン系油脂は、油脂の構成脂肪酸としてラウリン酸を30質量%以上含有する油脂である。ラウリン系油脂のラウリン酸含量は、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上60質量%以下である。ラウリン系油脂としては、例えば、パーム核油、ヤシ油、ババス油等、およびこれらを水素添加、エステル交換、分別等から選択される1種以上の加工をして得られる加工油脂等が挙げられる。なお、ラウリン系油脂としては、単一の種類の油脂を単独で用いてもよいし、複数の種類の油脂を併用してもよい。また、本発明における非ラウリン系液状油とは、25℃で液状であり、油脂の構成脂肪酸として炭素数16以上の脂肪酸を80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上100質量%以下含有するものである。非ラウリン系液状油としては、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油、紅花油、胡麻油、綿実油、米油、パーム分別軟質油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油、紫蘇油、エゴマ油等、およびこれらを水素添加、エステル交換、分別等から選択される1種以上の加工をして得られる加工油脂等が挙げられる。なお、非ラウリン系液状油としては、単一の種類の油脂を単独で用いてもよいし、複数の種類の油脂を併用してもよい。非ラウリン系液状油は、15℃において液状であることがより好ましく、5℃において液状であることがさらに好ましい。非ラウリン系液状油が、上記性状を有するものであると、生地練り込み用油脂組成物は冷蔵状態(15℃以下)であっても軟らかく、ナイフ等で切り取ってそのまま使用できるので好ましい。なお、液状とは、容器に入れて傾けた場合に流動性がある状態をいう。
本発明の生地練り込み用油脂組成物は、ラウリン系油脂を5〜20質量%含有する。生地練り込み用油脂組成物中のラウリン系油脂の含有量は、6〜18質量%であることが好ましく、7〜16質量%であることがより好ましい。また、本発明の生地練り込み用油脂組成物は、非ラウリン系液状油を15〜35質量%含有する。生地練り込み用油脂組成物中の非ラウリン系液状油の含有量は、18〜32質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。生地練り込み用油脂組成物中のラウリン系油脂及び非ラウリン系液状油の含有量が上記範囲にあると、油脂組成物中にココアバターを使用しても、低温でも比較的軟らかい物性となり作業性がよく、また、経日的な硬さの変化が少ないので好ましい。
本発明の生地練り込み用油脂組成物は、ココアバターとラウリン系油脂とを、質量比3:7〜7:3で含有することが好ましい。生地練り込み用油脂組成物中のココアバターとラウリン系油脂の含量比(質量比)は、3.5:6.5〜6.5:3.5であることがより好ましく、4:6〜6:4であることがさらに好ましい。生地練り込み用油脂組成物中のココアバターとラウリン系油脂の含量比(質量比)が上記範囲にあると、油脂組成物が経日的な硬さ変化の少ないものとなり好ましい。
本発明の生地練り込み用油脂組成物は、上記ココアバター、ラウリン系油脂、非ラウリン系液状油及び無脂カカオ固形分の他、さらに、非ラウリン系油脂の極度硬化油を含有することが好ましい。本発明における非ラウリン系油脂は、油脂の構成脂肪酸として炭素数16以上の脂肪酸を80質量%以上含有する油脂である。非ラウリン系油脂の炭素数16以上の脂肪酸含量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上100質量%以下である。非ラウリン系油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油、紅花油、胡麻油、綿実油、米油、パーム油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油、紫蘇油、エゴマ油、牛脂、豚脂、魚油等、およびこれらを水素添加、エステル交換、分別等から選択される1種以上の加工をして得られる加工油脂等が挙げられる。本発明における非ラウリン系油脂の極度硬化油とは、上記非ラウリン系油脂をヨウ素価10以下まで硬化(水素添加)した油脂である。非ラウリン系油脂の極度硬化油のヨウ素価は5以下であることが好ましく、0〜2であることがより好ましい。なお、非ラウリン系油脂の極度硬化油としては、単一の種類の油脂を単独で用いてもよいし、複数の種類の油脂を併用してもよい。
本発明の生地練り込み用油脂組成物に使用する非ラウリン系油脂の極度硬化油としては、中でも、ハイエルシン菜種油、パーム油、パームミッドフラクション、米油及び綿実油の極度硬化油が好ましく、ハイエルシン菜種油の極度硬化油がより好ましい。本発明の生地練り込み用油脂組成物中、非ラウリン系油脂の極度硬化油の含有量は、0.1〜2.5質量%であることが好ましく、0.2〜2.0質量%であることがより好ましく、0.3〜1.5質量%であることがさらに好ましい。生地練り込み用油脂組成物中の非ラウリン系油脂の極度硬化油の含有量が上記範囲にあると、広い作業温度域で油脂組成物のちょう度が安定するので作業性が良く、また、油脂組成物保存中のブルームやグレイニングを抑制できるので好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の生地練り込み用油脂組成物中のトランス脂肪酸の含有量は、生地練り込み用油脂組成物全体に対して、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下であるのがよい。トランス脂肪酸の含有量が上記範囲程度であれば、栄養学的に好ましい。
本発明の生地練り込み用油脂組成物は、低温であってもナイフ等で切り取れる程度の軟らかさであるので、15℃以下の温度で保存されるのが好ましい。特に、冷蔵下(0〜15℃)で保存されることが好ましく、5〜15℃で保存されることがより好ましく、5〜10℃で保存されることがさらに好ましい。上記温度帯で保存されることにより、保存中の物性変化(硬さの変化や、ブルーム・グレインの発生)が少なく、チョコレート風味を良好に維持することができる。また、冷蔵状態であっても、必要量を切り取ってそのまま(温調等せずに)生地練り込みに使用できるので好ましい。
本発明の生地練り込み用油脂組成物には、本発明の生地練り込み用油脂組成物の効果を損なわない限り、上記ココアバター、ラウリン系油脂、非ラウリン系液状油及び無脂カカオ固形分以外のその他の成分として、通常、製菓製パンに用いる油脂組成物に配合される成分を配合することができる。その他の成分としては、上記以外の油脂、乳化剤、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類、糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロテン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物(カテキン等)、ルチン等の酸化防止剤、小麦蛋白、大豆蛋白等の植物蛋白、卵、卵加工品、香料、乳脂、全脂粉乳、脱脂粉乳、乳清蛋白等の乳製品、調味料、水、増粘剤、pH調整剤、食品保存料、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
本発明の生地練り込み用油脂組成物に用いる上記乳化剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の合成乳化剤や、レシチン(大豆レシチン、卵黄レシチン等)、リゾレシチン(大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン等)、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類及び乳脂肪球皮膜等の合成乳化剤でない乳化剤が挙げられ、これらの2種以上を併用して用いることもできる。本発明の生地練り込み用油脂組成物に用いる乳化剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチンの1種又は2種以上を用いることが好ましい。本発明の生地練り込み用油脂組成物中の乳化剤の含量は、0.1〜2.5質量%であることが好ましく、0.2〜2.0質量%であることがより好ましく、0.3〜1.5質量%であることがさらに好ましい。
本発明の生地練り込み用油脂組成物は、上記ココアバター、ラウリン系油脂、非ラウリン系液状油及び無脂カカオ固形分、さらに必要に応じてその他成分を混合し、均一に分散させることにより得られるが、無脂カカオ固形分の含量が比較的高いので、通常のチョコレート類と同様の工程で製造することが好ましい。すなわち、原材料のミキシング、ロール掛け等によるリファイニング、コンチング工程の後、生地を冷却固化することにより製造することができる。本発明の生地練り込み用油脂組成物においては、コンチング工程後に油脂結晶をV型とするためのテンパリング処理は特に行う必要はなく、作業を簡略化できる。
本発明の穀粉含有生地は、本発明の生地練り込み用油脂組成物及び穀粉を原料として使用したことを特徴とするものである。小麦粉と必要に応じて小麦粉以外の穀粉(たとえば米粉、とうもろこし、ライ麦、そば、大豆粉等)に水を加え、本発明の生地練り込み用油脂組成物と必要に応じて本発明の生地練り込み用油脂組成物以外のマーガリン、ショートニンなどの油脂類、糖類、脱脂粉乳、脱脂乳、牛乳などの乳製品、卵と卵加工品、食塩、かん水、イースト、乳化剤、香料、調味料などの副材料を加えて混捏した生地をいう。穀粉含有生地には、パン生地(食パン、テーブルロール、菓子パン、調理パン、フランスパン、ライブレッドなど)、イースト菓子生地(シュトーレン、パネトーネ、クグロフ、ブリオッシュ、ドーナツなど)、ペストリー生地(デニッシュ、クロワッサン、パイなど)、ケーキ生地(バターケーキ、スポンジ、ビスケット、クッキー、ドーナツ、ブッセ、ホットケーキ、ワッフルなど)、和菓子生地(饅頭、乳菓、蒸しパン、かすてら饅頭、どら焼き、など)、麺類生地(うどん、そば、中華めん、パスタなど)、点心生地(餃子、焼売、饅頭、ワンタン、春巻きなど)が挙げられる。
本発明の穀粉含有生地は、それぞれの穀粉含有生地を調製するのに一般的に用いられる方法によって製造できる。例えば、パン生地であれば、直捏法(ストレート法)、中種法、オールインミックス法、老麺法、加糖中種法、液種法などの製法、ケーキ生地であればシュガーバッター法、共立て法、別立て法、オールインミックス法などが挙げられる。本発明の生地練り込み用油脂組成物は、マーガリン、ファットスプレッドを添加する一般的な方法で生地に添加することができる。生地練り込み用油脂組成物の穀粉含有生地への添加量は穀粉含有生地の種類によって異なるが、例えばパン・菓子生地への使用量は、穀粉の合計質量に対して1〜60質量%の範囲が好ましく、より好ましくは、1〜40質量%、さらに好ましくは1〜30質量%である。
本発明の穀粉含有食品は、先に説明した穀粉含有生地を加熱調理することにより、製造することができる。すなわち本発明の穀粉含有食品とは、穀粉含有生地をオーブン、直焼きで焼成する他、電子レンジ調理、煮る、蒸す、揚げるなどの加熱調理したものをいう。
本発明の穀粉含有食品としては、例えば、パン類(食パン、テーブルロール、菓子パン、調理パン、フランスパン、ライブレッドなど)、イースト菓子(シュトーレン、パネトーネ、クグロフ、ブリオッシュ、ドーナツなど)、ペストリー(デニッシュ、クロワッサン、パイなど)、ケーキ(バターケーキ、スポンジ、ビスケット、クッキー、ドーナツ、ブッセ、ホットケーキ、ワッフルなど)和菓子(饅頭、乳菓、蒸しパン、かすてら饅頭、どら焼き、など)麺類(うどん、そば、中華めん、パスタなど)、点心(餃子、焼売、饅頭、ワンタン、春巻きなど)などが挙げられる。
以下、具体的な実施例に基づいて、本発明について詳しく説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例の内容に、何ら限定されるものではない。
<油脂組成物原料>
(カカオマス)
カカオマス:油分55質量%、ニブ焙煎品、大東カカオ株式会社製
(ココアパウダー)
ココアケーキ:油分23質量%、ニブ焙煎品、大東カカオ株式会社製
ココアパウダー:油分11質量%、ニブ焙煎品、大東カカオ株式会社製
(ココアバター)
ココアバター:ニブ焙煎未精製品、大東カカオ株式会社製
(ラウリン系油脂)
パーム核硬化油(融点34℃):ラウリン酸含量45質量%、日清オイリオグループ株式会社製
ヤシ油:ラウリン酸含量47質量%、日清オイリオグループ株式会社製
(非ラウリン系液状油)
大豆油:5℃液状、日清オイリオグループ株式会社製
パームオレイン(ヨウ素価67):15℃液状、日清オイリオグループ株式会社製
(非ラウリン系油脂の極度硬化油)
ハイエルシン菜種油の極度硬化油:ヨウ素価1、横関油脂株式会社製
(乳化剤)
ショ糖脂肪酸エステル:三菱化学フーズ株式会社製
ポリグリセリン脂肪酸エステル:太陽化学株式会社製
レシチン:日清オイリオグループ株式会社製
<油脂組成物の調製>
表1〜2の配合に従って原料を混合した後、原料混合物を常法に従って、ロール掛け(リファイニング)、コンチングを行い、テンパリングは行わずに冷却固化して、実施例1〜5及び比較例1〜4の油脂組成物を得た。油脂組成物は冷蔵下(5〜10℃)に保存した。
<保存性評価>
実施例1〜5及び比較例1〜4の油脂組成物をそれぞれ冷蔵から20℃の恒温槽に移して3週間保存し、状態の評価を以下の基準に従って目視で行い、結果を表1〜2に示した。

評価基準
ブルームまたはグレインがなく良好: ○
ややくすんでいる程度で問題なし: △
ブルームまたはグレインが全面に見られる: ×
<チョコロールパンの製造>
以下の製造手順に従って、実施例1〜5及び比較例1〜4の油脂組成物をそれぞれ使用したチョコロールパンを製造した。

製造手順
1.強力粉(90質量部)、生イースト(2.4質量部)、水(44質量部)、上白糖(15質量部)、食塩(1.6質量部)、脱脂粉乳(3.0質量部)、および全卵(20質量部)を配合し、ミキサー(TYPE SK−20:エスケーミキサー株式会社製)を用いて、低速3分間、中速5分間のミキシングを行った。捏上温度を28℃とした。
2.冷蔵状態で切り取った油脂組成物(20.0質量部)及びバター(5.0質量部)を投入した後、低速3分間、中速6分間のミキシングを行った(捏上温度を28℃とした)。
3.2.の生地を、28℃、湿度75%にて70分間発酵させた。
4.3.の生地を、50gに分割した。
5.4.の生地を、室温で20分間休ませた。
6.5.の生地を、バターロール成形した。
7.6.の生地を、ホイロ装置(トクトロールパルテPDD-S2:戸倉商事株式会社製)を用い、38℃、湿度75%にて、50分間ホイロを行った。
8.固定釜(型式TOU−431SUUU−SPP−S66−M−NDR−N:戸倉商事株式会社製)を使用し、上火180℃、下火180℃にて14分間焼成を行った。
<パン生地への練り込み評価>
上記チョコロールパン製造の手順2における、実施例1〜5及び比較例1〜4の油脂組成物それぞれの、パン生地への練り込みの作業性評価を以下の基準に従って行い、結果を表1〜2に示した。

評価基準
スムーズに練り込まれ良好: ○
通常の作業性である: △
硬過ぎて練り込みにくく好ましくない: ×
<チョコロールパンの風味評価>
上記焼成したチョコロールパンの風味評価を以下の基準に従って行い、結果を表1〜2に示した。

評価基準
チョコレート風味が豊かで良好: ○
チョコレート風味が良好:: △
チョコレート風味に乏しい: ×
Figure 2013143926
Figure 2013143926

Claims (7)

  1. ココアバターを5〜20質量%、ラウリン系油脂を5〜20質量%、非ラウリン系液状油を15〜35質量%及び無脂カカオ固形分を35〜65質量%含有することを特徴とする生地練り込み用油脂組成物。
  2. 前記ココアバターの含量と前記ラウリン系油脂の含量との質量比が3:7〜7:3であることを特徴とする請求項1に記載の生地練り込み用油脂組成物。
  3. さらに、非ラウリン系油脂の極度硬化油を0.1〜2.5質量%含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生地練り込み用油脂組成物。
  4. 15℃以下で保存することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の生地練り込み用油脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の生地練り込み用油脂組成物と穀粉を使用した穀粉含有生地。
  6. 請求項5に記載の穀粉生地を加熱調理した穀粉含有食品。
  7. ココアバターを5〜20質量%、ラウリン系油脂を5〜20質量%、非ラウリン系液状油を15〜35質量%及び無脂カカオ固形分を35〜65質量%含有する原料を混合した後、原料混合物にリファイニング、コンチングを行い、テンパリングは行わずに冷却固化することを特徴とする生地練り込み用油脂組成物の製造方法。
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