本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<A.課題および解決手段の概要>
本発明の実施の形態に従う画像形成装置および当該画像形成装置を含む画像形成システムについて、関連技術における課題とともにその概要を説明する。
図1は、本発明に関連する技術における課題を説明するための概略図である。図2は、本発明の実施の形態に従う解決手段を説明するための概略図である。
図1および図2を参照して、画像形成システムは、画像形成装置100と複数の携帯端末200−1,200−2,200−3,…(以下「携帯端末200」と総称することもある。)とを含む。画像形成装置100は、複数の携帯端末200から遠隔操作可能であるとする。
遠隔操作可能な内容としては、典型的には、画像形成装置100に搭載されている操作パネルを用いて操作できる内容と実質的に同一である。但し、本実施の形態においては、主として、画像形成装置100にセットされる原稿に対する処理に係る設定操作に着目する。この原稿に対する処理としては、原稿の複写画像を形成するコピー処理や、原稿に示す画像をデータ化するスキャン処理を含む。なお、スキャン処理には、データ化らされた画像を指定された場所へ転送するような処理を含む。
本実施の形態においては、複数のユーザーが各ユーザーの保持する携帯端末200を用いて画像形成装置100を遠隔操作する場合を考える。図1には、3名のユーザー(ユーザーA,ユーザーB,ユーザーC)がそれぞれ携帯端末200−1,200−2,200−3を用いて画像形成装置100を遠隔操作する場合の例を示す。このとき、各ユーザーは、処理対象の原稿をそれぞれ画像形成装置100にセットすることになる。図1の例では、読み取り順の早い方から、ユーザーAの原稿、ユーザーBの原稿、ユーザーCの原稿とセットされているとする。
各ユーザーは、画像形成装置100への原稿のセット後、自身が保持する携帯端末200を操作して、画像形成装置100における自身の原稿に対する処理に係る設定値を入力する。この設定値としては、コピー処理やスキャン処理に係るものが含まれ、典型的には、解像度設定情報、印字枚数設定情報、画像調整系設定情報、スキャン宛先等を含む。そして、この設定値を含む情報をJOB_Ticketとして、画像形成装置100へ送信する。画像形成装置100は、JOB_Ticketを受信すると、受信したJOB_Ticketに含まれる設定値に従って、セットされた原稿についての処理を開始する。
ここで、JOB_Ticketが原稿に対する処理に係る設定値のみを含む場合には、以下のような課題が生じ得る。すなわち、画像形成装置100にセットされたそれぞれのユーザーの原稿と、受信されるJOB_Ticketとが何ら対応付けられていないので、JOB_Ticketの受信順序がセットされた原稿の順序と一致しない場合には、ユーザーが指定した処理が行なわれないことになる。
例えば、図1には、ユーザーCが1番目にJOB_Ticketを送信し、ユーザーAが2番目にJOB_Ticketを送信する例を示す。この場合には、ユーザーCからのJOB_Ticketに含まれる設定値に従って、ユーザーAの原稿が処理されることになる。
本発明の実施の形態においては、このような課題を解決するために、以下のような解決手段を採用する。
図2に示すように、本実施の形態においては、携帯端末200から画像形成装置100へ送信されるJOB_Ticketは、ユーザーによる携帯端末200の操作によって設定される画像形成装置100における原稿に対する処理に係る設定値に加えて、対応する原稿の少なくとも一部を示す画像データ(原稿写真画像)を含む。
画像形成装置100は、携帯端末200にてコピー処理やスキャン処理等の設定が可能である。各携帯端末200から画像形成装置100へユーザーが設定した情報を送信する際に、当該ユーザーの原稿の少なくとも一部を撮像手段(カメラ)等を用いて撮像することで得られた原稿写真画像(カメラ撮像画像)が併せて送信される。この原稿写真画像(カメラ撮像画像)は、典型的には、原稿の先頭ページ(表紙)の画像を含む。さらに、原稿写真画像は、原稿の最終ページの画像を含んでいてもよい。
このように、原稿を撮像した原稿写真画像を設定値とともに送信することで、画像形成装置100の自動原稿送り装置に搭載された各ユーザーの原稿に対応する設定値を容易に検索することができ、これによって、原稿と対応する設定値との間に一対一の対応関係を決定することができる。
このように、本発明の実施の形態によれば、共通の画像形成装置100において複数のユーザーの原稿が自動原稿送り装置に順不同に積み上げられ、かつ複数の携帯端末200から順不同にJOB_Ticketが送付される場合であっても、JOB_Ticketに対応する原稿の少なくとも一部を示す画像データ(原稿写真画像)を添付することで、セットされた原稿とJOB_Ticketとの対応付けを自動的に行なう。これにより、複数の携帯端末200を用いた遠隔操作であっても、その待ち時間をなくしてより有効に活用できる。すなわち、携帯端末200を用いた画像形成装置100の遠隔操作の機能をより実用的にできる。
<B.装置構成>
(b1:画像形成装置100)
まず、本実施の形態に従う画像形成装置100の構成について説明する。
図3は、本実施の形態に従う画像形成装置100の概略断面図である。図4は、図3に示す画像形成装置100のシステムコントローラー6の構成を示す模式図である。後述する実施の形態1〜3においては、それらを互いに区別するため、それぞれを「画像形成装置100」、「画像形成装置100A」、「画像形成装置100B」と記載するが、基本的な装置構成については実質的に同一であるため、以下では「画像形成装置100」について例示的に説明する。
図3を参照して、画像形成装置100は、自動原稿送り装置2と、イメージスキャナー3と、プリントエンジン4と、給紙部5と、システムコントローラー6とを含む。
自動原稿送り装置2は、原稿の連続的なスキャンを行なうためのものであり、原稿給紙台21と、送出ローラー22と、レジストローラー23と、搬送ドラム24と、排紙台25とを含む。スキャン対象の原稿は、原稿給紙台21上にセットされ、送出ローラー22の作動により一枚ずつ送り出される。そして、この送り出された原稿は、レジストローラー23により一旦停止されて先端が整えられた後に、搬送ドラム24へ搬送される。さらに、この原稿は、搬送ドラム24のドラム面と一体に回転し、その過程において後述するイメージスキャナー3により画像面がスキャンされる。その後、原稿は、搬送ドラム24のドラム面を略半周した位置においてドラム面から分離されて排紙台25へ排出される。
イメージスキャナー3は、撮像デバイス33と、原稿台35とを含む。撮像デバイス33は、被写体である原稿に対する相対位置を時間的に変化させて、原稿の画像を読み取って画像データ(以下「スキャン画像」とも称す。)を生成する。撮像デバイス33は、主要な構成要素として、原稿に対して光を照射する光源と、光源から照射された光が原稿で反射して生じる画像を取得するイメージセンサーと、イメージセンサーから画像信号を出力するためのAD(Analog to Digital:アナログデジタル)変換器と、イメージセンサーの前段に配置された結像光学系とを含む。イメージセンサーとしては、典型的には、CCD(Coupled Charged Device)イメージセンサーや、密着イメージセンサー(Contact Image Sensor)が用いられる。なお、スキャン対象の原稿は、原稿台35にセットされることもできる。すなわち、イメージスキャナー3は、原稿を読み取ってスキャン画像を生成する画像読取部である。
プリントエンジン4は、一例として、電子写真方式の画像形成プロセスが実行される。具体的には、フルカラーのプリント出力が可能である。具体的には、プリントエンジン4は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を生成するイメージング(作像)ユニット44Y,44M,44C,44Kを含む。イメージングユニット44Y,44M,44C,44Kは、プリントエンジン4内に張架されて駆動される転写ベルト27に沿って、その順序に配置される。
イメージングユニット44Y,44M,44C,44Kは、それぞれ画像書込部43Y,43M,43C,43Kと、感光体ドラム41Y,41M,41C,41Kとを含む。画像書込部43Y,43M,43C,43Kの各々は、対象のプリントデータに含まれる各色イメージに応じたレーザ光を発するレーザダイオードと、このレーザ光を偏向して対応の感光体ドラム41Y,41M,41C,41Kの表面を主走査方向に露光させるポリゴンミラーとを含んでいる。
感光体ドラム41Y,41M,41C,41Kの表面には、上述のような画像書込部43Y,43M,43C,43Kによる露光によって静電潜像が形成され、この静電潜像がそれぞれ対応するトナーユニット441Y,441M,441C,441Kから供給されるトナー粒子によってトナー像として現像される。
感光体ドラム41Y,41M,41C,41Kの表面に現像された各色のトナー像は、転写ベルト27に順次転送される。さらに、この転写ベルト27上に重ねられたトナー像は、給紙部5からタイミングを合わせて供給される記録紙にさらに転写される。
この記録紙上に転写されたトナー像は、下流部に配置された定着部において定着された後、トレイ57に排出される。
上述の感光体ドラム41Y,41M,41C,41Kにおける動作と並行して、記録紙を収容する給紙部5の給紙カセットにそれぞれ対応する送出ローラー52,53,54および手差給紙部26のうち、画像形成に用いられるべき記録紙に対応する部位が作動して記録紙を供給する。この供給された記録紙は、搬送ローラー55および56ならびにタイミングローラー51によって搬送され、感光体ドラム41上に形成されたトナー像に同期するように、感光体ドラム41に給紙される。
転写器45は、感光体ドラム41に反対極性の電圧を印加することで、感光体ドラム41上に形成されたトナー像を記録紙に転写する。そして、除電器46は、トナー像が転写された記録紙を除電することで、記録紙を感光体ドラム41から分離させる。その後、トナー像が転写された記録紙は定着装置47へ搬送される。なお、転写器45としては、図1に示すような転写ベルトを用いた転写方式に代えて、転写チャージャーまたは転写ローラーを用いた転写方式を採用してもよい。あるいは、感光体ドラム41から記録紙へトナー像を直接転写する直接転写方式に代えて、感光体ドラム41と記録紙との間に、転写ローラー、転写ベルトといった中間転写体を配置して、2段階以上のプロセスによって転写を行なうようにしてもよい。
定着装置47は、加熱ローラー471と加圧ローラー472とを含む。加熱ローラー471は、記録紙を加熱することで、その上に転写されたトナーを溶融するとともに、加熱ローラー471と加圧ローラー472との間の圧縮力により、溶融したトナーが記録紙上に定着される。そして、記録紙はトレイ57に排出される。なお、定着装置47としては、図1に示すような定着ベルトを用いた定着方式に代えて、定着ローラー等用いた定着方式、もしくは非接触の定着方式を採用してもよい。
一方、記録紙が分離された感光体ドラム41では、その残留電位が除去された後、クリーニング部48によって残留トナーが除去および清掃される。そして、次の画像形成処理が実行される。クリーニング部48は、一例として、クリーニングブレード、クリーニングブラシ、クリーニングローラー、またはこれらの組み合わせにより、残留トナーを除去および清掃する。あるいは、クリーニング部48に代えて、感光体ドラム41Y,41M,41C,41Kを用いて残留トナーを回収するクリーナーレス方式を採用してもよい。
IDCセンサー49は、感光体ドラム41上に形成されるトナー像の濃度を検出する。このIDCセンサー49は、代表的に反射型フォトセンサからなる光強度センサーであり、感光体ドラム41の表面からの反射光強度を検出する。
システムコントローラー6は、画像形成装置100における全体の制御を司る。
図4を参照して、システムコントローラー6は、主たる構成要素として、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)60と、RAM(Random Access Memory)61と、ROM(Read Only Memory)62と、入力インターフェイス(I/F)63と、出力インターフェイス(I/F)64と、通信インターフェイス(I/F)65と、ネットワークインターフェイス(I/F)66とを含む。これらの各部は、バス67を介して互いに通信可能に接続されている。
CPU60は、ROM62に予め格納されているプログラムを読み出して実行することで、後述するような各種動作を実行する。RAM61は、揮発性のメモリーであって、CPU60におけるプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。
入力インターフェイス63は、図示しない操作パネル等に配置されている操作キー群からのユーザー入力を受け付ける。出力インターフェイス64は、典型的には、CPU60からの内部コマンドに従って、各種の内部コマンドを発生する。通信インターフェイス65は、携帯端末200等との間で各種データを遣り取りする。ネットワークインターフェイス66は、図示しないパーソナルコンピューター等との間で各種データを遣り取りする。
(b2:携帯端末200)
次に、本実施の形態に従う携帯端末200の構成について説明する。
図5は、本実施の形態に従う携帯端末200の機能ブロック図である。後述する実施の形態1〜3においては、それらを互いに区別するため、それぞれを「携帯端末200」、「携帯端末200A」、「携帯端末200B」と記載するが、基本的な装置構成については実質的に同一であるため、以下では「携帯端末200」について例示的に説明する。
図5を参照して、携帯端末200は、CPU(Central Processing Unit)201と、RAM(Random Access Memory)202と、フラッシュメモリー203と、入力部204と、タッチパネル205と、カメラ206と、ネットワークインターフェイス(I/F)207と、通信インターフェイス(I/F)208とを含む。これらの各部は、バス209を介して互いに通信可能に接続されている。
CPU201は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムを実行する制御手段である。より具体的には、CPU201は、フラッシュメモリー203に格納された操作パネルアプリケーション210を含む各種プログラムを実行することで、後述するような機能を提供する。RAM202は、揮発性のメモリーであって、CPU201におけるプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。フラッシュメモリー203は、不揮発性メモリーであって、オペレーティングシステムや操作パネルアプリケーション210を格納する。なお、フラッシュメモリー203に代えて、ハードディスクなどを採用することもできる。
入力部204は、ユーザーからの操作を受け付けるインターフェイスであり、典型的には、各種の操作キーを含む。なお、入力部204の機能は、後述するタッチパネル205によって代替されてもよい。
タッチパネル205は、液晶などの表示部およびユーザー操作を受け付ける入力部とが一体化したデバイスである。タッチパネル205は、CPU201からの指令に従って画面表示を行なうとともに、ユーザーによるタッチ操作の情報をCPU201へ伝達する。
カメラ206は、CCD(Coupled Charged Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサーなどの撮像デバイスを含む撮像手段である。本実施の形態においては、典型的に、上述した原稿写真画像の生成に用いられる。
ネットワークインターフェイス207は、図示しないパーソナルコンピューターや他の携帯端末200等との間で各種データを遣り取りする。
通信インターフェイス208は、画像形成装置100等との間で各種データを遣り取りする。本実施の形態においては、主としてJOB_Ticketの送信に用いられる。
<C.実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置およびそれを含む画像形成システムについて説明する。
(c1:概要)
実施の形態1においては、JOB_Ticketに、対応するユーザーが処理しようとする原稿の先頭ページの画像(以下「原稿表紙写真画像」とも称す。)を含む。そして、画像形成装置100は、画像読取部であるイメージスキャナー3によって原稿が読み取られるたびに、当該読み取った原稿の内容を示す画像データであるスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketを検索する。対象のスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketが検索されると、対象のスキャン画像を含む以降生成されるスキャン画像について、当該検索されたJOB_Ticketに含まれる設定値に従った処理を行なう。これに対して、対象のスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketが検索されなければ、先に設定されている設定値に従って、生成されたスキャン画像についての処理を行なう。
すなわち、実施の形態1においては、原稿の先頭ページ(表紙)の画像のみがJOB_Ticketに含まれるので、対象の原稿が複数枚からなる場合には、当該JOB_Ticketが対象とする原稿の最終ページを特定することができない。そこで、原稿の内容が読み取られるたびに、いずれかのJOB_Ticketに含まれる原稿表紙写真画像と一致しているか否かを判断することで、新たなJOB_Ticketが適用されるべきタイミングを検出する。言い換えれば、生成されたスキャン画像がいずれかのJOB_Ticketに含まれる原稿表紙写真画像と一致しなければ、先に適用されているJOB_Ticketに内容がそのまま維持されるものと判断して、処理を続行する。
(c2:画像形成装置100における機能構成)
次に、実施の形態1に従う画像形成装置100における機能構成について説明する。
図6は、実施の形態1に従う画像形成装置100の機能構成を示す模式図である。図6を参照して、画像形成装置100は、その機能構成として、画像読取部152と、スキャン画像記憶部154と、JOB_Ticket検索部156と、JOB_Ticket受信部158と、JOB_Ticket記憶部160と、設定部162と、画像形成部164とを含む。これらの機能構成は、典型的には、システムコントローラー6のCPU60がプログラムを実行し、画像形成装置100の構成要素へ指令を与えることなどによって実現される。これらの機能構成の一部または全部をハードウェアで実現してもよい。
画像読取部152は、イメージスキャナー3に対して指令を与えることで実現される。画像読取部152は、原稿500を読み取って第1の画像データであるスキャン画像を生成する。なお、スキャン画像に対して、JOB_Ticket400に含まれる設定値に従った画像処理が行なわれて、最終的な画像が出力されるので、イメージスキャナー3によって読み取られた生信号であってもよい。実施の形態1においては、画像読取部152は、原稿500の1枚毎にスキャン画像を生成する。
スキャン画像記憶部154は、画像読取部152によって読み取られたスキャン画像を格納する。
JOB_Ticket受信部158は、携帯端末200から送信されるJOB_Ticket400を受信する。
JOB_Ticket記憶部160は、JOB_Ticket受信部158によって受信されたJOB_Ticket400を格納する。JOB_Ticket受信部158によって受信されるJOB_Ticket400は、ユーザーによる携帯端末200の操作によって設定される画像形成装置100における原稿500に対する処理に係る設定値と、対応する原稿500の少なくとも一部を示す第2の画像データである原稿表紙写真画像とを含む。
JOB_Ticket400に含まれる設定値は、携帯端末200の操作パネルアプリケーションによって設定される値を含む。この設定値は、コピー処理やスキャン処理に係るものを含み、典型的には、解像度設定情報、印字枚数設定情報、画像調整系設定情報、スキャン宛先等を含む。また、原稿表紙写真画像は、携帯端末200に搭載された撮像手段であるカメラ206を用いて、ユーザーが、当該ユーザーが処理しようとする原稿500を撮像することで得られるものである。原稿表紙写真画像は、典型的には、ユーザーが処理しようとする原稿500の先頭ページの画像を含む。
JOB_Ticket検索部156は、画像読取部152によって生成されたスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticket400を検索する。すなわち、JOB_Ticket検索部156は、JOB_Ticket記憶部160に格納されているJOB_Ticket400に含まれる原稿表紙写真画像から対象のスキャン画像と一致する。
設定部162は、JOB_Ticket検索部156によって検索されたJOB_Ticket400に含まれる設定値を画像形成部164へ出力する。
画像形成部164は、JOB_Ticket検索部156によって対応付けられたJOB_Ticket400に含まれる設定値に従って、対応するスキャン画像についての処理を実行する。すなわち、画像形成部164は、原稿読取部152によって読み取られたスキャン画像に対して、ユーザーが操作パネルアプリケーションによって設定した画像処理(色変換や画像補正等)を実行するとともに、設定した枚数のプリントまたは設定した宛先へのスキャン等を実行する。画像形成部164によって生成された画像が出力される。
(c3:JOB_Ticket送信に係る処理手順)
次に、実施の形態1に従う携帯端末200から画像形成装置100へのJOB_Ticketの送信に係る処理手順について説明する。
図7は、実施の形態1に従う携帯端末200から画像形成装置100へのJOB_Ticketの送信に係る処理手順を示すシーケンス図である。図8は、実施の形態1に従う携帯端末200が提供するユーザーインターフェイスの一例を示す図である。
図7を参照して、ユーザーが携帯端末200に対してユーザー操作を行なう(ステップS2)と、携帯端末200において操作パネルアプリケーション210が起動する(ステップS4)。まず、操作パネルアプリケーション210は、ユーザーに対して、カメラ206を用いて原稿の先頭ページ(表紙)を撮像するように促す(ステップS6)。このときのユーザーインターフェイスの一例を図8(A)に示す。このユーザーインターフェイス画面300は、「コピー/スキャンする原稿の表紙を撮像して下さい。」といった撮像を促すメッセージ301とともに、撮像を開始するボタン302を含む。
このユーザーインターフェイス画面300に応答して、ユーザーが原稿の表紙を撮像する(ステップS8)。より具体的には、ユーザーがボタン302を選択することで、カメラ206が有効化され、ユーザーは原稿の表紙がその視野範囲に含まれるように調整することで、原稿の表紙を示す原稿表紙写真画像が生成される。
原稿の撮像が完了すると、操作パネルアプリケーション210は、ユーザーに対して、設定値の入力を促す(ステップS10)。このときのユーザーインターフェイスの一例を図8(B)に示す。このユーザーインターフェイス画面310は、解像度設定情報を入力する入力ボックス311と、画像調整系設定情報を入力する入力ボックス312、印字枚数設定情報を入力する入力ボックス313と、スキャン宛先を入力する入力ボックス314とを含む。ユーザーは、ユーザーインターフェイス画面310上で所望する設定値を入力し(ステップS12)、入力完了を示すボタン315(OKボタン)を選択すると、入力が完了する。
設定値の入力が完了すると、操作パネルアプリケーション210は、ユーザーに対して、原稿の画像形成装置100へのセットを促す(ステップS14)。ユーザーは、ステップS12の実行後、いずれも原稿を画像形成装置100の自動原稿送り装置上にセットすることができる。このときのユーザーインターフェイスの一例を図8(C)に示す。ユーザーインターフェイス画面320は、「JOB_Ticketを送信します。MFPの上に原稿をセットして下さい。」といった撮像を促すメッセージ321とともに、原稿のセットの完了を通知するボタン322を含む。ユーザーは、画像形成装置100の自動原稿送り装置上に原稿をセットし(ステップS16)、入力完了を示すボタン315(OKボタン)を選択する(ユーザー確認)(ステップS18)。このボタン315は、携帯端末200から画像形成装置100へのJOB_Ticketの送信を指示するボタンに相当する。このように、携帯端末200には、原稿が画像形成装置100にセットできていることを確認するための画面を表示し、ユーザーが原稿を既にセットしていることを確認するボタン315を選択すると、ここではじめてJOB_Ticketの画像形成装置100への送信が開始される(ステップS20)。
続いて、画像形成装置100のシステムコントローラー6は、携帯端末200からJOB_Ticketを受信すると、既に格納されているJOB_Ticketの数を確認する(ステップS22)。既に格納されているJOB_Ticketが所定数を超えている場合(ステップS22においてYESの場合)には、システムコントローラー6は、受信したJOB_Ticketを送信した携帯端末200に対して、「しばらく待ってから送信ください」というメッセージを送信する(ステップS24)。このメッセージは、携帯端末200を介してユーザーへ通知される。
これに対して、既に格納されているJOB_Ticketが所定数以内である場合(ステップS22においてNOの場合)には、システムコントローラー6は、受信したJOB_Ticketを格納する(ステップS26)。
(c4:画像形成装置100側の処理手順)
次に、実施の形態1に従う画像形成装置100における処理手順について説明する。
図9は、実施の形態1に従う画像形成装置100における処理手順を示すフローチャートである。図9に示す各ステップは、画像形成装置100のシステムコントローラー6がプログラムを実行することによって実現される。
図9を参照して、まず、システムコントローラー6は、自動原稿送り装置上に原稿がセットされているか否かを判断する(ステップS100)。自動原稿送り装置上に原稿がセットされていない場合(ステップS100においてNOの場合)には、処理は終了する。
自動原稿送り装置上に原稿がセットされている場合(ステップS100においてYESの場合)には、システムコントローラー6は、何らかのJOB_Ticketが格納されているか否かを判断する(ステップS102)。何らのJOB_Ticketも格納されていない場合(ステップS102においてNOの場合)には、ステップS102の処理が繰り返される。
何らかのJOB_Ticketが格納されている場合(ステップS102においてYESの場合)には、システムコントローラー6は、イメージスキャナー3に対して起動指令を与え、自動原稿送り装置上にセットされている原稿を1枚だけスキャンさせる(ステップS104)。すなわち、画像読取部152が原稿を読み取ってスキャン画像を生成する。システムコントローラー6(スキャン画像記憶部154)は、読み取られたスキャン画像を格納する(ステップS106)。システムコントローラー6は、原稿1枚のスキャンが完了した時点で、イメージスキャナー3に対して起動指令を与えて、スキャン動作を一旦停止させる(ステップS108)。
続いて、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketを検索する(ステップS110)。この検索処理において、スキャン画像に対して各種の画像変換処理を行なってもよい。また、イメージスキャナー3によって読み取られた画像と携帯端末200のカメラ206によって撮像された画像とは完全に一致しないので、各種の画像マッチング処理を用いて、スキャン画像と原稿表紙写真画像とを対応付けてもよい。すなわち、JOB_Ticket検索部156は、スキャン画像記憶部154に記憶されたスキャン画像と、JOB_Ticket記憶部160に記憶されている複数のJOB_Ticketに含まれている原稿表紙写真画像とを比較し、一致するものを検索する。
システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketが検索できたか否かを判断する(ステップS112)。スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketが検索できた場合(ステップS112においてYESの場合)には、システムコントローラー6(設定部162)は、検索されたJOB_Ticketに含まれる設定値を設定する(ステップS114)。すなわち、画像形成部164に対して、選択されたJOB_Ticketに含まれる設定値がセットされる。このとき、直前に選択されていたJOB_Ticketについては、JOB_Ticket記憶部160から削除されてもよい。すなわち、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、新たなJOB_Ticketが検索された場合には、直前に検索したJOB_Ticketを削除する。
これに対して、スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketが検索できなかった場合(ステップS112においてNOの場合)には、ステップS112の処理がスキップされて、ステップS116へ進む。すなわち、既にセットされている設定値がそのまま維持される。
続いて、システムコントローラー6(画像形成部164)は、選択されたJOB_Ticketに含まれる設定値に従って、対象のスキャン画像についての処理を実行し、出力画像を生成する(ステップS116)。
その後、システムコントローラー6は、自動原稿送り装置上に原稿がセットされているか否かを判断する(ステップS118)。自動原稿送り装置上に原稿がセットされていない場合(ステップS118においてNOの場合)には、処理は終了する。これに対して、自動原稿送り装置上に原稿がセットされている場合(ステップS118においてYESの場合)には、ステップS104以下の処理が繰り返される。
上述のような処理によって、JOB_Ticketの検索処理において、スキャン画像に対応する別のJOB_Ticketが検索された場合には、当該新規に検索された別のJOB_Ticketに含まれる設定値に従ってスキャン画像に対する処理が実行される。これに対して、スキャン画像に対応するJOB_Ticketが検索されなかった場合には、当該スキャン画像は原稿の2枚目以降に対応するものであると推定し、先に設定されている設定値をそのまま維持して処理を継続する。
上述の一連の処理は、格納されているJOB_Ticketおよび自動原稿送り装置上にセットされた原稿がなくなるまで繰り返される。
このように、実施の形態1においては、JOB_Ticket検索部156は、画像読取部152が原稿を1枚読み取るたびにJOB_Ticketの検索処理を実行するとともに、新たなJOB_Ticketが検索された場合には、当該新たに検索されたJOB_Ticketに含まれる設定値に更新する。
(c5:利点)
実施の形態1によれば、複数の携帯端末200を用いた遠隔操作であっても、その待ち時間をなくしてより有効に活用できる。これにより、携帯端末200を用いた画像形成装置100の遠隔操作の機能をより実用的にできる。
<D.実施の形態2>
以下、本発明の実施の形態2に従う画像形成装置およびそれを含む画像形成システムについて説明する。
(d1:概要)
上述の実施の形態1においては、別のJOB_Ticketに含まれる原稿表紙写真画像と一致するスキャン画像が取得されるまで先に選択されたJOB_Ticketに含まれる設定値が有効化される。これに対して、実施の形態2においては、JOB_Ticketに、対応するユーザーが処理しようとする原稿の先頭ページの画像(原稿表紙写真画像)、および、対応するユーザーが処理しようとする原稿の最終ページの画像(以下「原稿最終写真画像」とも称す。)を含む。そして、実施の形態2に従う画像形成装置100Aは、画像読取部であるイメージスキャナー3によって、いずれかの原稿表紙写真画像と一致する原稿が読み取られと、対応する原稿最終写真画像がイメージスキャナー3によって読み取られるまで、一連のJOBであるとして処理する。すなわち、いずれかの原稿表紙写真画像と一致するスキャン画像が取得されると、対応する原稿最終写真画像と一致するスキャン画像が取得されるまでの一連のスキャン画像について、対応するJOB_Ticketに含まれる設定値に従って処理を行なう。
すなわち、実施の形態2においては、JOB_Ticketが原稿の先頭ページ(表紙)の画像および原稿の最終ページの画像を含むので、当該JOB_Ticketに対応する原稿の開始位置から終了位置までをこれらの画像を用いて特定する。このようにして、対象のJOB_Ticketが適用されるべき範囲を検出する。
(d2:画像形成装置100Aにおける機能構成)
次に、実施の形態2に従う画像形成装置100Aにおける機能構成について説明する。
図10は、実施の形態2に従う画像形成装置100Aの機能構成を示す模式図である。図10を参照して、実施の形態2に従う画像形成装置100Aは、実施の形態1に従う画像形成装置100に比較して、最終ページ画像比較部166が付加されている点、および、JOB_Ticket400Aが設定値および原稿表紙写真画像に加えて、原稿最終写真画像を含む点が異なっている。
より詳細には、画像形成装置100Aは、その機能構成として、画像読取部152と、スキャン画像記憶部154と、JOB_Ticket検索部156と、JOB_Ticket受信部158と、JOB_Ticket記憶部160と、設定部162と、画像形成部164と、最終ページ画像比較部166とを含む。これらの機能構成は、典型的には、システムコントローラー6のCPU60がプログラムを実行し、画像形成装置100Aの構成要素へ指令を与えることなどによって実現される。これらの機能構成の一部または全部をハードウェアで実現してもよい。
画像読取部152は、イメージスキャナー3に対して指令を与えることで実現される。画像読取部152は、原稿500を読み取って第1の画像データであるスキャン画像を生成する。なお、スキャン画像に対して、JOB_Ticket400Aに含まれる設定値に従った画像処理が行なわれて、最終的な画像が出力されるので、イメージスキャナー3によって読み取られた生信号であってもよい。実施の形態2においては、画像読取部152は、原稿500の1枚毎にスキャン画像を生成する。
スキャン画像記憶部154は、画像読取部152によって読み取られたスキャン画像を格納する。
JOB_Ticket受信部158は、携帯端末200Aから送信されるJOB_Ticket400Aを受信する。
JOB_Ticket記憶部160は、JOB_Ticket受信部158によって受信されたJOB_Ticket400Aを格納する。JOB_Ticket受信部158によって受信されるJOB_Ticket400Aは、ユーザーによる携帯端末200Aの操作によって設定される画像形成装置100Aにおける原稿500に対する処理に係る設定値と、対応する原稿500の少なくとも一部を示す第2の画像データである原稿表紙写真画像とを含む。
JOB_Ticket400Aに含まれる設定値は、携帯端末200Aの操作パネルアプリケーションによって設定される値を含む。この設定値は、コピー処理やスキャン処理に係るものを含み、典型的には、解像度設定情報、印字枚数設定情報、画像調整系設定情報、スキャン宛先等を含む。また、原稿表紙写真画像は、携帯端末200Aに搭載された撮像手段であるカメラ206を用いて、ユーザーが、当該ユーザーが処理しようとする原稿500を撮像することで得られるものである。原稿表紙写真画像は、典型的には、ユーザーが処理しようとする原稿500の先頭ページの画像(原稿表紙写真画像)、および、ユーザーが処理しようとする原稿500の最終ページの画像(原稿最終写真画像)を含む。
JOB_Ticket検索部156は、画像読取部152によって生成されたスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticket400Aを検索する。すなわち、JOB_Ticket検索部156は、JOB_Ticket記憶部160に格納されているJOB_Ticket400Aに含まれる原稿表紙写真画像から対象のスキャン画像と一致するものを検索する。
設定部162は、JOB_Ticket検索部156によって検索されたJOB_Ticket400Aに含まれる設定値を画像形成部164へ出力する。
画像形成部164は、JOB_Ticket検索部156によって対応付けられたJOB_Ticket400Aに含まれる設定値に従って、対応するスキャン画像についての処理を実行する。すなわち、画像形成部164は、原稿読取部152によって読み取られたスキャン画像に対して、ユーザーが操作パネルアプリケーションによって設定した画像処理(色変換や画像補正等)を実行するとともに、設定した枚数のプリントまたは設定した宛先へのスキャン等を実行する。画像形成部164によって生成された画像が出力される。
最終ページ画像比較部166は、選択されたJOB_Ticket400Aに含まれる原稿最終写真とスキャン画像との一致を判断し、読み取られたスキャン画像が対象の原稿最終写真と一致した場合には、現在処理中のJOBが終了したと判断し、次のJOBへの遷移を指示する。
(d3:JOB_Ticket送信に係る処理手順)
次に、実施の形態2に従う携帯端末200Aから画像形成装置100AへのJOB_Ticketの送信に係る処理手順について説明する。実施の形態2に従う携帯端末200Aから画像形成装置100AへのJOB_Ticketの送信に係る処理手順は、図7に示す実施の形態1に従うシーケンス図とほぼ同様である。但し、JOB_Ticket400Aが原稿表紙写真画像および原稿最終写真画像を含むため、これらの両方の画像の撮像を支援するためのユーザーインターフェイス画面が提供される。
図11は、実施の形態2に従う携帯端末200Aから画像形成装置100AへのJOB_Ticketの送信に係る処理手順を示すシーケンス図である。図12は、実施の形態2に従う携帯端末200Aが提供するユーザーインターフェイスの一例を示す図である。
図11を参照して、ユーザーが携帯端末200Aに対してユーザー操作を行なう(ステップS2)と、携帯端末200Aにおいて操作パネルアプリケーション210が起動する(ステップS4)。まず、操作パネルアプリケーション210は、ユーザーに対して、カメラ206を用いて原稿の先頭ページ(表紙)および原稿の最終ページ(表紙)を撮像するように促す(ステップS6)。このときのユーザーインターフェイスの一例を図12(A)に示す。このユーザーインターフェイス画面300Aは、「コピー/スキャンする原稿の表紙を撮像して下さい。」といった撮像を促すメッセージ301とともに、原稿の先頭ページ(表紙)の撮像を開始するボタン302を含む。さらに、ユーザーインターフェイス画面300Aは、「コピー/スキャンする原稿の最終ページを撮像して下さい。」といった撮像を促すメッセージ303とともに、原稿の最終ページの撮像を開始するボタン304を含む。
このユーザーインターフェイス画面300Aに応答して、ユーザーは、原稿の表紙を撮像する(ステップS8A)とともに、原稿の最終ページを撮像する(ステップS8B)。より具体的には、ユーザーがボタン302または304を選択することで、カメラ206が有効化され、ユーザーは原稿の表紙または最終ページがその視野範囲に含まれるように調整することで、原稿の表紙を示す原稿表紙写真画像および原稿の最終ページを示す原稿最終写真画像がそれぞれ生成される。
原稿の撮像が完了すると、操作パネルアプリケーション210は、ユーザーに対して、設定値の入力を促す(ステップS10)。このときのユーザーインターフェイスの一例を図12(B)に示す。このユーザーインターフェイス画面310は、解像度設定情報を入力する入力ボックス311と、画像調整系設定情報を入力する入力ボックス312、印字枚数設定情報を入力する入力ボックス313と、スキャン宛先を入力する入力ボックス314とを含む。ユーザーは、ユーザーインターフェイス画面310上で所望する設定値を入力し(ステップS12)、入力完了を示すボタン315(OKボタン)を選択すると、入力が完了する。
設定値の入力が完了すると、操作パネルアプリケーション210は、ユーザーに対して、原稿の画像形成装置100Aへのセットを促す(ステップS14)。ユーザーは、ステップS12の実行後、いずれも原稿を画像形成装置100Aの自動原稿送り装置上にセットすることができる。このときのユーザーインターフェイスの一例を図12(C)に示す。ユーザーインターフェイス画面320は、「JOB_Ticketを送信します。MFPの上に原稿をセットして下さい。」といった撮像を促すメッセージ321とともに、原稿のセットの完了を通知するボタン322を含む。ユーザーは、画像形成装置100Aの自動原稿送り装置上に原稿をセットし(ステップS16)、入力完了を示すボタン315(OKボタン)を選択する(ユーザー確認)(ステップS18)。このボタン315は、携帯端末200Aから画像形成装置100AへのJOB_Ticketの送信を指示するボタンに相当する。このように、携帯端末200Aには、原稿が画像形成装置100Aにセットできていることを確認するための画面を表示し、ユーザーが原稿を既にセットしていることを確認するボタン315を選択すると、ここではじめてJOB_Ticketの画像形成装置100Aへの送信が開始される(ステップS20)。
続いて、画像形成装置100Aのシステムコントローラー6は、携帯端末200AからJOB_Ticketを受信すると、既に格納されているJOB_Ticketの数を確認する(ステップS22)。既に格納されているJOB_Ticketが所定数を超えている場合(ステップS22においてYESの場合)には、システムコントローラー6は、受信したJOB_Ticketを送信した携帯端末200Aに対して、「しばらく待ってから送信ください」というメッセージを送信する(ステップS24)。このメッセージは、携帯端末200Aを介してユーザーへ通知される。
これに対して、既に格納されているJOB_Ticketが所定数以内である場合(ステップS22においてNOの場合)には、システムコントローラー6は、受信したJOB_Ticketを格納する(ステップS26)。
(d4:画像形成装置100A側の処理手順)
次に、実施の形態2に従う画像形成装置100Aにおける処理手順について説明する。
図13は、実施の形態2に従う画像形成装置100Aにおける処理手順を示すフローチャートである。図13に示す各ステップは、画像形成装置100Aのシステムコントローラー6がプログラムを実行することによって実現される。
図13を参照して、まず、システムコントローラー6は、自動原稿送り装置上に原稿がセットされているか否かを判断する(ステップS200)。自動原稿送り装置上に原稿がセットされていない場合(ステップS200においてNOの場合)には、処理は終了する。
自動原稿送り装置上に原稿がセットされている場合(ステップS200においてYESの場合)には、システムコントローラー6は、何らかのJOB_Ticketが格納されているか否かを判断する(ステップS202)。何らのJOB_Ticketも格納されていない場合(ステップS202においてNOの場合)には、ステップS202の処理が繰り返される。
何らかのJOB_Ticketが格納されている場合(ステップS202においてYESの場合)には、システムコントローラー6は、イメージスキャナー3に対して起動指令を与え、自動原稿送り装置上にセットされている原稿を1枚だけスキャンさせる(ステップS204)。すなわち、画像読取部152が原稿を読み取ってスキャン画像を生成する。システムコントローラー6(スキャン画像記憶部154)は、読み取られたスキャン画像を格納する(ステップS206)。システムコントローラー6は、原稿1枚のスキャンが完了した時点で、イメージスキャナー3に対して起動指令を与えて、スキャン動作を一旦停止させる(ステップS208)。
続いて、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketを検索する(ステップS210)。この検索処理において、スキャン画像に対して各種の画像変換処理を行なってもよい。また、イメージスキャナー3によって読み取られた画像と携帯端末200のカメラ206によって撮像された画像とは完全に一致しないので、各種の画像マッチング処理を用いて、スキャン画像と原稿表紙写真画像とを対応付けてもよい。すなわち、JOB_Ticket検索部156は、スキャン画像記憶部154に記憶されたスキャン画像と、JOB_Ticket記憶部160に記憶されている複数のJOB_Ticketに含まれている原稿表紙写真画像とを比較し、一致するものを検索する。
システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketが検索できたか否かを判断する(ステップS212)。
スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketが検索できなかった場合(ステップS212においてNOの場合)には、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、受信待タイマーを起動する(ステップS214)。続いて、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、何らかのJOB_Ticketを受信したか否かを判断する(ステップS216)。何らかのJOB_Ticketを受信した場合(ステップS216においてYESの場合)には、ステップS210以下の処理が繰り返される。
何らのJOB_Ticketも受信しなかった場合(ステップS216においてNOの場合)には、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、ステップS214において起動した受信待タイマーが所定時間に到達したか否かを判断する(ステップS218)。受信待タイマーが所定時間に到達していない場合(ステップS218においてNOの場合)には、ステップS216以下の処理が繰り返される。これに対して、受信待タイマーが所定時間に到達している場合(ステップS218においてYESの場合)には、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像を破棄する(ステップS220)。そして、処理は終了する。すなわち、スキャン画像が取得されてから受信待タイマーが所定時間に到達するまでに、JOB_Ticketが受信されなかった場合には、取得されたスキャン画像は所有者不明のデータとして取り扱いそれを破棄するとともに、次の原稿の読み込みを開始する。これによって、特定のユーザーによって画像形成装置100Aが占有されることを防止する。
これに対して、スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketが検索できた場合(ステップS212においてYESの場合)には、システムコントローラー6(設定部162)は、検索されたJOB_Ticketに含まれる設定値を設定する(ステップS222)。すなわち、画像形成部164に対して、選択されたJOB_Ticketに含まれる設定値がセットされる。あわせて、システムコントローラー6(最終ページ画像比較部166)は、検索されたJOB_Ticketに含まれる原稿最終写真画像を設定する(ステップS224)。
続いて、システムコントローラー6(画像形成部164)は、選択されたJOB_Ticketに含まれる設定値に従って、対象のスキャン画像についての処理を実行し、出力画像を生成する(ステップS226)。
その後、システムコントローラー6は、自動原稿送り装置上に原稿がセットされているか否かを判断する(ステップS228)。自動原稿送り装置上に原稿がセットされていない場合(ステップS228においてNOの場合)には、処理は終了する。これに対して、自動原稿送り装置上に原稿がセットされている場合(ステップS228においてYESの場合)には、システムコントローラー6は、イメージスキャナー3に対して起動指令を与え、自動原稿送り装置上にセットされている原稿を1枚だけスキャンさせる(ステップS230)。すなわち、画像読取部152が原稿を読み取ってスキャン画像を生成する。システムコントローラー6(スキャン画像記憶部154)は、読み取られたスキャン画像を格納する(ステップS232)。システムコントローラー6は、原稿1枚のスキャンが完了した時点で、イメージスキャナー3に対して起動指令を与えて、スキャン動作を一旦停止させる(ステップS234)。
続いて、システムコントローラー6(最終ページ画像比較部166)は、ステップS234において設定された原稿最終写真画像が取得されたスキャン画像が一致するか否かを判断する(ステップS236)。設定されている原稿最終写真画像が取得されたスキャン画像と一致しない場合(ステップS236においてNOの場合)には、ステップS226以下の処理が繰り返される。
これに対して、設定されている原稿最終写真画像が取得されたスキャン画像と一致した場合(ステップS236においてYESの場合)には、システムコントローラー6(画像形成部164)は、現在の設定値に従って、対象のスキャン画像についての処理を実行し、出力画像を生成する(ステップS238)。続いて、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、現在選択されているJOB_Ticketを破棄する(ステップS240)。すなわち、現在のJOBの実行が完了したと判断されると、直前に検索したJOB_Ticketが削除される。すなわち、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、現在のJOBの実行が完了して、新たなJOB_Ticketが検索されることになる場合には、直前に検索したJOB_Ticketを削除する。続いて、システムコントローラー6(設定部162)は、現在の設定値を解除する(ステップS242)。そして、処理は終了する。
上述のような処理によって、JOB_Ticketに含まれる原稿表紙写真画像に対応するスキャン画像から、原稿最終写真画像に対応するスキャン画像までの一連のスキャン画像に対して、対応するJOB_Ticketに含まれる設定値が適用される。
上述の一連の処理は、格納されているJOB_Ticketおよび自動原稿送り装置上にセットされた原稿がなくなるまで繰り返される。
このように、実施の形態2においては、JOB_Ticket検索部156は、画像読取部152が原稿を1枚読み取るたびにJOB_Ticketの検索処理を実行する。
(d5:利点)
実施の形態2によれば、複数の携帯端末200Aを用いた遠隔操作であっても、その待ち時間をなくしてより有効に活用できる。これにより、携帯端末200Aを用いた画像形成装置100Aの遠隔操作の機能をより実用的にできる。
<E.実施の形態3>
以下、本発明の実施の形態3に従う画像形成装置およびそれを含む画像形成システムについて説明する。
以下、本発明の実施の形態2に従う画像形成装置およびそれを含む画像形成システムについて説明する。
(e1:概要)
上述の実施の形態1においては、別のJOB_Ticketに含まれる原稿表紙写真画像と一致するスキャン画像が取得されるまで先に選択されたJOB_Ticketに含まれる設定値が有効化される。これに対して、実施の形態3においては、JOB_Ticketに、対応するユーザーが処理しようとする原稿の枚数の情報を含む。そして、実施の形態3に従う画像形成装置100Bは、画像読取部であるイメージスキャナー3によって、いずれかの原稿表紙写真画像と一致する原稿が読み取られと、対応する原稿の枚数になるまでイメージスキャナー3によって原稿を読み取る。すなわち、いずれかの原稿表紙写真画像と一致するスキャン画像が取得されると、対応する枚数からなる一連のスキャン画像について、対応するJOB_Ticketに含まれる設定値に従って処理を行なう。
すなわち、実施の形態3においては、JOB_Ticketが原稿の先頭ページ(表紙)の画像および対応する原稿の枚数の情報を含むので、当該JOB_Ticketに対応する原稿の開始位置から終了位置までをこれらの情報を用いて特定する。このようにして、対象のJOB_Ticketが適用されるべき範囲を検出する。
(e2:画像形成装置100Bにおける機能構成)
次に、実施の形態3に従う画像形成装置100Bにおける機能構成について説明する。
図14は、実施の形態3に従う画像形成装置100Bの機能構成を示す模式図である。図14を参照して、実施の形態3に従う画像形成装置100Bは、実施の形態1に従う画像形成装置100に比較して、スキャン枚数比較部168が付加されている点、および、JOB_Ticket400Bが設定値および原稿表紙写真画像に加えて、対応する原稿の枚数の情報を含む点が異なっている。
より詳細には、画像形成装置100Bは、その機能構成として、画像読取部152と、スキャン画像記憶部154と、JOB_Ticket検索部156と、JOB_Ticket受信部158と、JOB_Ticket記憶部160と、設定部162と、画像形成部164と、スキャン枚数比較部168とを含む。これらの機能構成は、典型的には、システムコントローラー6のCPU60がプログラムを実行し、画像形成装置100Bの構成要素へ指令を与えることなどによって実現される。これらの機能構成の一部または全部をハードウェアで実現してもよい。
画像読取部152は、イメージスキャナー3に対して指令を与えることで実現される。画像読取部152は、原稿500を読み取って第1の画像データであるスキャン画像を生成する。なお、スキャン画像に対して、JOB_Ticket400Bに含まれる設定値に従った画像処理が行なわれて、最終的な画像が出力されるので、イメージスキャナー3によって読み取られた生信号であってもよい。実施の形態3においては、画像読取部152は、原稿500の1枚毎にスキャン画像を生成する。
スキャン画像記憶部154は、画像読取部152によって読み取られたスキャン画像を格納する。
JOB_Ticket受信部158は、携帯端末200Bから送信されるJOB_Ticket400Bを受信する。
JOB_Ticket記憶部160は、JOB_Ticket受信部158によって受信されたJOB_Ticket400Bを格納する。JOB_Ticket受信部158によって受信されるJOB_Ticket400Bは、ユーザーによる携帯端末200Bの操作によって設定される画像形成装置100Bにおける原稿500に対する処理に係る設定値と、対応する原稿500の少なくとも一部を示す第2の画像データである原稿表紙写真画像とを含む。
JOB_Ticket400Bに含まれる設定値は、携帯端末200Bの操作パネルアプリケーションによって設定される値を含む。この設定値は、コピー処理やスキャン処理に係るものを含み、典型的には、解像度設定情報、印字枚数設定情報、画像調整系設定情報、スキャン宛先等を含む。また、原稿表紙写真画像は、携帯端末200Bに搭載された撮像手段であるカメラ206を用いて、ユーザーが、当該ユーザーが処理しようとする原稿500を撮像することで得られるものである。原稿表紙写真画像は、典型的には、ユーザーが処理しようとする原稿500の先頭ページの画像(原稿表紙写真画像)を含む。さらに、JOB_Ticket400Bは、対応する原稿の枚数の情報を含む。
JOB_Ticket検索部156は、画像読取部152によって生成されたスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticket400Bを検索する。すなわち、JOB_Ticket検索部156は、JOB_Ticket記憶部160に格納されているJOB_Ticket400Bに含まれる原稿表紙写真画像から対象のスキャン画像と一致する。
設定部162は、JOB_Ticket検索部156によって検索されたJOB_Ticket400Bに含まれる設定値を画像形成部164へ出力する。
画像形成部164は、JOB_Ticket検索部156によって対応付けられたJOB_Ticket400Bに含まれる設定値に従って、対応するスキャン画像についての処理を実行する。すなわち、画像形成部164は、原稿読取部152によって読み取られたスキャン画像に対して、ユーザーが操作パネルアプリケーションによって設定した画像処理(色変換や画像補正等)を実行するとともに、設定した枚数のプリントまたは設定した宛先へのスキャン等を実行する。画像形成部164によって生成された画像が出力される。
スキャン枚数比較部168は、選択されたJOB_Ticket400Bに含まれる原稿の枚数の情報と読み取られたスキャン画像の枚数との一致を判断し、読み取られたスキャン画像の枚数が指定された原稿の枚数と一致した場合には、現在処理中のJOBが終了したと判断し、次のJOBへの遷移を指示する。
(e3:JOB_Ticket送信に係る処理手順)
次に、実施の形態3に従う携帯端末200Bから画像形成装置100BへのJOB_Ticketの送信に係る処理手順について説明する。実施の形態3に従う携帯端末200Bから画像形成装置100BへのJOB_Ticketの送信に係る処理手順は、図7に示す実施の形態1に従うシーケンス図とほぼ同様である。但し、JOB_Ticket400Bが原稿表紙写真画像および原稿の枚数の情報を含むため、これらの情報の入力を支援するためのユーザーインターフェイス画面が提供される。
図15は、実施の形態3に従う携帯端末200Bから画像形成装置100BへのJOB_Ticketの送信に係る処理手順を示すシーケンス図である。図16は、実施の形態3に従う携帯端末200Bが提供するユーザーインターフェイスの一例を示す図である。
図15を参照して、ユーザーが携帯端末200Bに対してユーザー操作を行なう(ステップS2)と、携帯端末200Bにおいて操作パネルアプリケーション210が起動する(ステップS4)。まず、操作パネルアプリケーション210は、ユーザーに対して、カメラ206を用いて原稿の先頭ページ(表紙)を撮像するように促すとともに、対応する原稿の枚数の入力を促す(ステップS7)。このときのユーザーインターフェイスの一例を図16(A)に示す。このユーザーインターフェイス画面300Bは、「コピー/スキャンする原稿の表紙を撮像して下さい。」といった撮像を促すメッセージ301とともに、原稿の先頭ページ(表紙)の撮像を開始するボタン302を含む。さらに、ユーザーインターフェイス画面300Bは、「コピー/スキャンする原稿の枚数を入力して下さい。」といった撮像を促すメッセージ305とともに、原稿の枚数を入力する入力ボックス306を含む。
このユーザーインターフェイス画面300Bに応答して、ユーザーは、原稿の表紙を撮像する(ステップS8)とともに、対応する原稿の枚数を入力する(ステップS9)。より具体的には、ユーザーがボタン302を選択することで、カメラ206が有効化され、ユーザーは原稿の表紙がその視野範囲に含まれるように調整することで、原稿の表紙を示す原稿表紙写真画像が生成される。また、ユーザーは、入力ボックス306に対する操作を行なうことで、処理対象の原稿の枚数を入力する。
原稿の撮像および枚数の入力が完了すると、操作パネルアプリケーション210は、ユーザーに対して、設定値の入力を促す(ステップS10)。このときのユーザーインターフェイスの一例を図16(B)に示す。このユーザーインターフェイス画面310は、解像度設定情報を入力する入力ボックス311と、画像調整系設定情報を入力する入力ボックス312、印字枚数設定情報を入力する入力ボックス313と、スキャン宛先を入力する入力ボックス314とを含む。ユーザーは、ユーザーインターフェイス画面310上で所望する設定値を入力し(ステップS12)、入力完了を示すボタン315(OKボタン)を選択すると、入力が完了する。
設定値の入力が完了すると、操作パネルアプリケーション210は、ユーザーに対して、原稿の画像形成装置100Bへのセットを促す(ステップS14)。ユーザーは、ステップS12の実行後、いずれも原稿を画像形成装置100Bの自動原稿送り装置上にセットすることができる。このときのユーザーインターフェイスの一例を図16(C)に示す。ユーザーインターフェイス画面320は、「JOB_Ticketを送信します。MFPの上に原稿をセットして下さい。」といった撮像を促すメッセージ321とともに、原稿のセットの完了を通知するボタン322を含む。ユーザーは、画像形成装置100Bの自動原稿送り装置上に原稿をセットし(ステップS16)、入力完了を示すボタン315(OKボタン)を選択する(ユーザー確認)(ステップS18)。このボタン315は、携帯端末200Bから画像形成装置100BへのJOB_Ticketの送信を指示するボタンに相当する。このように、携帯端末200Bには、原稿が画像形成装置100Bにセットできていることを確認するための画面を表示し、ユーザーが原稿を既にセットしていることを確認するボタン315を選択すると、ここではじめてJOB_Ticketの画像形成装置100Bへの送信が開始される(ステップS20)。
続いて、画像形成装置100Bのシステムコントローラー6は、携帯端末200BからJOB_Ticketを受信すると、既に格納されているJOB_Ticketの数を確認する(ステップS22)。既に格納されているJOB_Ticketが所定数を超えている場合(ステップS22においてYESの場合)には、システムコントローラー6は、受信したJOB_Ticketを送信した携帯端末200Bに対して、「しばらく待ってから送信ください」というメッセージを送信する(ステップS24)。このメッセージは、携帯端末200Bを介してユーザーへ通知される。
これに対して、既に格納されているJOB_Ticketが所定数以内である場合(ステップS22においてNOの場合)には、システムコントローラー6は、受信したJOB_Ticketを格納する(ステップS26)。
(e4:画像形成装置100B側の処理手順)
次に、実施の形態3に従う画像形成装置100Bにおける処理手順について説明する。
図17は、実施の形態3に従う画像形成装置100Bにおける処理手順を示すフローチャートである。図17に示す各ステップは、画像形成装置100Bのシステムコントローラー6がプログラムを実行することによって実現される。
図17を参照して、まず、システムコントローラー6は、自動原稿送り装置上に原稿がセットされているか否かを判断する(ステップS300)。自動原稿送り装置上に原稿がセットされていない場合(ステップS300においてNOの場合)には、処理は終了する。
自動原稿送り装置上に原稿がセットされている場合(ステップS300においてYESの場合)には、システムコントローラー6は、何らかのJOB_Ticketが格納されているか否かを判断する(ステップS302)。何らのJOB_Ticketも格納されていない場合(ステップS302においてNOの場合)には、ステップS302の処理が繰り返される。
何らかのJOB_Ticketが格納されている場合(ステップS302においてYESの場合)には、システムコントローラー6は、イメージスキャナー3に対して起動指令を与え、自動原稿送り装置上にセットされている原稿を1枚だけスキャンさせる(ステップS304)。すなわち、画像読取部152が原稿を読み取ってスキャン画像を生成する。システムコントローラー6(スキャン画像記憶部154)は、読み取られたスキャン画像を格納する(ステップS306)。システムコントローラー6は、原稿1枚のスキャンが完了した時点で、イメージスキャナー3に対して起動指令を与えて、スキャン動作を一旦停止させる(ステップS308)。
続いて、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketを検索する(ステップS310)。この検索処理において、スキャン画像に対して各種の画像変換処理を行なってもよい。また、イメージスキャナー3によって読み取られた画像と携帯端末200のカメラ206によって撮像された画像とは完全に一致しないので、各種の画像マッチング処理を用いて、スキャン画像と原稿表紙写真画像とを対応付けてもよい。すなわち、JOB_Ticket検索部156は、スキャン画像記憶部154に記憶されたスキャン画像と、JOB_Ticket記憶部160に記憶されている複数のJOB_Ticketに含まれている原稿表紙写真画像とを比較し、一致するものを検索する。
システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketが検索できたか否かを判断する(ステップS312)。
スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketが検索できなかった場合(ステップS312においてNOの場合)には、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、受信待タイマーを起動する(ステップS314)。続いて、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、何らかのJOB_Ticketを受信したか否かを判断する(ステップS316)。何らかのJOB_Ticketを受信した場合(ステップS316においてYESの場合)には、ステップS310以下の処理が繰り返される。
何らのJOB_Ticketも受信しなかった場合(ステップS316においてNOの場合)には、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、ステップS314において起動した受信待タイマーが所定時間に到達したか否かを判断する(ステップS318)。受信待タイマーが所定時間に到達していない場合(ステップS318においてNOの場合)には、ステップS316以下の処理が繰り返される。これに対して、受信待タイマーが所定時間に到達している場合(ステップS318においてYESの場合)には、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像を破棄する(ステップS320)。そして、処理は終了する。すなわち、スキャン画像が取得されてから受信待タイマーが所定時間に到達するまでに、JOB_Ticketが受信されなかった場合には、取得されたスキャン画像は所有者不明のデータとして取り扱いそれを破棄するとともに、次の原稿の読み込みを開始する。これによって、特定のユーザーによって画像形成装置100Bが占有されることを防止する。
これに対して、スキャン画像記憶部154に格納されているスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含むJOB_Ticketが検索できた場合(ステップS312においてYESの場合)には、システムコントローラー6(設定部162)は、検索されたJOB_Ticketに含まれる設定値を設定する(ステップS322)。すなわち、画像形成部164に対して、選択されたJOB_Ticketに含まれる設定値がセットされる。あわせて、システムコントローラー6(スキャン枚数比較部168)は、検索されたJOB_Ticketに含まれる原稿の枚数を設定する(ステップS324)。
続いて、システムコントローラー6(画像形成部164)は、選択されたJOB_Ticketに含まれる設定値に従って、対象のスキャン画像についての処理を実行し、出力画像を生成する(ステップS326)。
その後、システムコントローラー6は、自動原稿送り装置上に原稿がセットされているか否かを判断する(ステップS328)。自動原稿送り装置上に原稿がセットされていない場合(ステップS328においてNOの場合)には、処理は終了する。これに対して、自動原稿送り装置上に原稿がセットされている場合(ステップS328においてYESの場合)には、システムコントローラー6は、イメージスキャナー3に対して起動指令を与え、自動原稿送り装置上にセットされている原稿を1枚だけスキャンさせる(ステップS330)。すなわち、画像読取部152が原稿を読み取ってスキャン画像を生成する。システムコントローラー6(スキャン画像記憶部154)は、読み取られたスキャン画像を格納する(ステップS332)。
続いて、システムコントローラー6(スキャン枚数比較部168)は、読み取られたスキャン画像の枚数がステップS334において設定されている枚数に到達したか否かを判断する(ステップS336)。スキャン画像の枚数が設定されている枚数に到達していない場合(ステップS336においてNOの場合)には、ステップS326以下の処理が繰り返される。
これに対して、スキャン画像の枚数が設定されている枚数に到達している場合(ステップS336においてYESの場合)には、システムコントローラー6(画像形成部164)は、現在の設定値に従って、対象のスキャン画像についての処理を実行し、出力画像を生成する(ステップS338)。続いて、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、現在選択されているJOB_Ticketを破棄する(ステップS340)。すなわち、現在のJOBの実行が完了したと判断されると、直前に検索したJOB_Ticketが削除される。すなわち、システムコントローラー6(JOB_Ticket検索部156)は、現在のJOBの実行が完了して、新たなJOB_Ticketが検索されることになる場合には、直前に検索したJOB_Ticketを削除する。続いて、システムコントローラー6(設定部162)は、現在の設定値を解除する(ステップS342)。そして、処理は終了する。
上述のような処理によって、JOB_Ticketに含まれる原稿表紙写真画像に対応するスキャン画像から、指定された枚数に到達するまでの一連のスキャン画像に対して、対応するJOB_Ticketに含まれる設定値が適用される。
上述の一連の処理は、格納されているJOB_Ticketおよび自動原稿送り装置上にセットされた原稿がなくなるまで繰り返される。
このように、実施の形態2においては、JOB_Ticket検索部156は、画像読取部152が原稿を1枚読み取るたびにJOB_Ticketの検索処理を実行する。
(e5:利点)
実施の形態3によれば、複数の携帯端末200Bを用いた遠隔操作であっても、その待ち時間をなくしてより有効に活用できる。これにより、携帯端末200Bを用いた画像形成装置100Bの遠隔操作の機能をより実用的にできる。
<F.変形例>
上述の実施の形態1〜3においては、ユーザーは、携帯端末200(200A,200B)を操作して、コピー処理やスキャン処理等などの設定および実行を指示するだけであるが、これらの指定された処理の実行が完了した時点で、当該指示を行ったユーザーに処理の実行の完了を通知してもよい。以下のようなJOBの実行完了を報告する変形例について説明する。
このようなJOBの実行完了を報告するために、JOB_Ticketは、当該JOB_Ticketの送信元の携帯端末200を示す識別情報を含む。このような識別情報としては、携帯端末200を一意に特定できればよく、任意のものを採用することができる。典型的には、識別情報としては、携帯端末200に割り当てられているネットワークアドレス(IPアドレス)、MACアドレス、製造者が割り当てた固有情報などを含む。
そして、画像形成装置100は、処理対象のJOB_Ticketに係る原稿に対する処理の完了の判断に応答して、当該JOB_Ticketの送信元の携帯端末200へ対応する識別情報に基づいてJOBの完了を報告する。この完了報告のタイミングとしては、実施の形態1においては、いずれかのスキャン画像に対応する原稿表紙写真画像を含む新たなJOB_Ticketが検索されると、そのタイミングで先に選択されたJOB_Ticketに係る処理が完了したと判断できるので、画像形成装置100は、この完了の判断をもって、完了報告を送信する。
実施の形態2および3においては、それぞれ原稿最終写真画像および原稿の枚数に基づいてJOBの実行完了を判断できるので、その実行完了が判断されたタイミングで、画像形成装置100は、完了報告を送信する。
<G.付記>
本発明は、別の局面として、さらに以下のように表現することができる。
本発明の別の局面に従えば、携帯端末をコピー/スキャン時の操作パネルとして使用可能な構成の画像形成装置(MFP)が提供される。画像形成装置は、原稿に形成されている画像を読み取って画像データを取得する画像読取部と、携帯端末側で設定されるコピー/スキャンの操作パネル画面設定(解像度設定/プリント枚数設定/画像調整系設定等)を受信する際に、携帯端末搭載のカメラ機能で撮像した「原稿の表紙写真画像データ」をともにJOB_Ticketとして受信する、JOB_Ticket受信部と、JOB_Ticket受信部で受信したJOB_Ticketを記憶するJOB_Ticket記憶部と、画像読取部で読み取られた画像データを1枚ずつ記憶するスキャン画像記憶部と、スキャン画像記憶部に記憶されている「スキャン画像」と同じ「原稿の表紙写真画像」を保有するJOB_Ticketを、JOB_Ticket記憶部に記憶された複数のJOB_Ticketの中から検索するJOB_Ticket検索部と、JOB_Ticket検索部で、検出されたJOB_Ticketの設定値を画像形成装置に設定するJOB_Ticket設定部と、JOB_Ticket設定部で設定された、設定値を基に画像処理を実施する画像形成部とを含む。
好ましくは、画像形成装置は、JOB_Ticket検索を毎スキャン実施し、別JOB_Ticketの「原稿の表紙写真画像」がスキャン画像と一致した場合に、新たに検出したJOB_Ticketに置き換えて上記の処理を実施する。
好ましくは、自動原稿送り装置に原稿が載置されており、携帯端末から原稿のJOB_Ticketが送信されていない場合に、直前に載置されていた原稿の設定値でスキャンおよびコピーされてしまうことを回避するために、JOB_Ticketに「原稿の最終ページ撮像画像」が添付される。
好ましくは、自動原稿送り装置に原稿が載置されており、携帯端末から原稿のJOB_Ticketが送信されていない場合に、直前に載置されていた原稿の設定値でスキャンおよびコピーされてしまうことを回避するために、JOB_Ticketに原稿枚数情報を含ませる。
好ましくは、JOB_Ticket検索部は、新しいJOB_Ticketの検索を実施する前に、直前に設定されていたJOB_Ticketを送信してきた携帯端末へJOB_Ticketに含まれる「携帯端末を認識する認識データ」に従ってJOBの完了を報告する。
好ましくは、JOB_Ticket検索部は、次のJOB_Ticketを検索した場合に、JOB_Ticket記憶部から直前に選択されていたJOB_Ticketを削除する。
<H.まとめ>
本実施の形態によれば、複数の携帯端末上で操作パネルアプリケーションを使用した場合であっても、原稿と対応する操作パネルアプリケーションによる設定との関連付けを簡単かつ正確に実施できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。