JP2013139739A - 可変動弁機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カムシャフト20に第一スプライン23,32どうしの噛み合いで係合して第一バルブ3を駆動する第一カムピース30と、カムシャフト20に第二スプライン24,42どうしの噛み合いで係合して第二バルブ4を駆動する第二カムピース40とを設けるとともに、両カムピース30,40を連結機構50で軸線方向L,Rには相対変位不能かつ周方向M,Nには相対回動可能に連結する。そして、切換装置60で両カムピース30,40を軸線方向L,Rに変位させることにより、両バルブ3,4を駆動する駆動状態と空振りする休止状態との間で切換を行う。また、可変装置90でカムシャフト20側の第一スプライン23及び第二スプライン24を軸線方向L,Rに変位させることにより、第一バルブ3に対する第二バルブ4の駆動タイミングを変更する。
【選択図】図2
Description
駆動シャフト10は、内燃機関の回転に従い回転する左右方向L,Rに延びるシャフトである。この駆動シャフト10の右端部には、右方Rに開口した有底円筒状の連結部12が設けられており、該連結部12の内周面には、左右方向L,Rに真っ直ぐ延びる複数本の溝状の内周側ストレートスプライン13が設けられている。
カムシャフト20は、駆動シャフト10の右方延長線上に延びるパイプ状のシャフトであって、駆動シャフト10によって第一カムピース30を介して回転駆動される。このカムシャフト20には、円筒状のスライダギア22が外嵌されており、該スライダギア22は、その内周面に凹設された左右方向L,Rに延びる係合溝25が、カムシャフト20の外周面に突設されて左右方向L,Rに延びる突条状のキー21に係合することによって、カムシャフト20に対して左右方向L,Rには相対変位可能かつ周方向(回転方向M及び反回転方向N)には相対回動不能に係合している。そのスライダギア22の左部の外周面には、左方Lに進むに従い回転方向Mにずれる一方向側の捩れの外周側第一ヘリカルスプライン23が設けられている。また、そのスライダギア22の右部の外周面には、左方Lに進むに従い反回転方向Nにずれる他方向側の捩れの外周側第二ヘリカルスプライン24が設けられている。また、カムシャフト20には、可変装置90の連結ピン95を挿通させるための左右方向L,Rに延びる長孔29,29が貫設されている。
第一カムピース30は、左部の外周面に駆動シャフト10の内周側ストレートスプライン13と噛み合う外周側ストレートスプライン31を備え、内周面にスライダギア22の外周側第一ヘリカルスプライン23と噛み合う内周側第一ヘリカルスプライン32を備えた円筒状の部材である。よって、この第一カムピース30は、駆動シャフト10に対しては、ストレートスプライン13,31どうしの噛み合いで左右方向L,Rに相対変位可能かつ周方向(回転方向M及び反回転方向N)に相対回動不能に係合している。また、カムシャフト20に対しては、ヘリカルスプライン23,32どうしの噛み合いで係合している。この第一カムピース30は、左右中間部の外周面に、第一ロッカアーム3rを介して第一バルブ3を駆動する第一駆動カム35を備え、その左方Lに、第一バルブ3を駆動しない側面視でみて真円形の第一休止カム36を備えている。
第二カムピース40は、内周面にスライダギア22の外周側第二ヘリカルスプライン24と噛み合う内周側第二ヘリカルスプライン42を備えた円筒状の部材である。よって、カムシャフト20に対しては、ヘリカルスプライン24,42どうしの噛み合いで係合している。この第二カムピース40は、左右中間部の外周面に、第二ロッカアーム4rを介して第二バルブ4を駆動する第二駆動カム45を備え、その左方Lに、第二バルブ4を駆動しない側面視でみて真円形の第二休止カム46を備えている。また、この第二カムピース40は、左部に第一カムピース30の右部に外周側から当接することにより該第二カムピース40に対して第一カムピース30が径方向にずれるのを防止する係合部43(インロー・アウトハイ部)を備えている。また、この第二カムピース40の右部の外周面には、切換装置60の被係入部61が設けられている。
連結機構50は、第一カムピース30と第二カムピース40とを左右方向L,Rには相対変位不能かつ周方向(回転方向M及び反回転方向N)には相対回動可能に連結した機構である。この連結機構50は、第二カムピース40の係合部43に貫設されて周方向に延びる連結孔54と、第一カムピース30の左端部の外周面に突設されて該連結孔54に係合した連結突起53とを含み構成されている。
切換装置60は、連結機構50を介して連結された両カムピース30,40を左右方向L,Rに変位させることによって、両方の駆動カム35,45で両方のバルブ3,4を駆動する駆動状態と、両方の駆動カム35,45でいずれのバルブも駆動しない休止状態との間で切換を行うための機構である。この切換装置60は、次に示す被係入部61と、係入部材71と、回動装置81とを含み構成されている。
可変装置90は、スライダギア22を左右方向L,Rに変位させることによって、第一バルブ3の駆動タイミングに対する第二バルブ4の駆動タイミングを変更するための装置であって、次に示すコントロールシャフト92と、連結ピン95と、変位装置(図示略)とを含み構成されている。コントロールシャフト92は、パイプ状のカムシャフト20の内部に左右方向L,Rに変位可能に挿入された左右方向L,Rに延びるシャフトである。連結ピン95は、コントロールシャフト92に取り付けられて該コントロールシャフト92の径方向に突出したピンであって、カムシャフト20の長孔29,29を挿通してスライダギア22に係合することによって、コントロールシャフト92にスライダギア22を左右方向L,Rにも周方向(回転方向M及び反回転方向N)にも相対変位不能に連結している。変位装置(図示略)は、コントロールシャフト92を左右方向L,Rに変位させるための装置である。
駆動状態から休止状態に切り換える休止切換時には、図6(a)及び図7(a)に示すように、油圧室85の油圧を下げることにより、係入部材71をスプリング88の復元力で他方向Qに回動させるとともに油圧ピン83を上方に退入させる。それによって、第一係入部73を拘束溝65から退出されるとともに、第二係入部78を第二切換溝68に係入させる。その状態で、カムシャフト20が回転すると、第一カムピース30及び第二カムピース40が第二切換溝68に沿って右方Rに変位して、第一駆動カム35が第一ロッカアーム3rに当接し、第二駆動カム45が第二ロッカアーム4rに当接する駆動状態から、第一休止カム36が第一ロッカアーム3rに当接し、第二休止カム46が第二ロッカアーム4rに当接する休止状態に切り換わる。
休止状態から駆動状態に切り換える駆動切換時には、図6(b)及び図7(b)に示すように、油圧室85の油圧を上げることにより、油圧ピン83を下方に突出させて係入部材71をスプリング88の復元力に抗して一方向Pに回動させる。それによって、第一係入部73を第一切換溝63に係入させるとともに、第二係入部78を拘束溝65から退出させる。その状態で、カムシャフト20が回転すると、第一カムピース30及び第二カムピース40が第一切換溝63に沿って左方Lに変位して、上記とは反対に休止状態から駆動状態に切り換わる。
第二バルブ4の駆動タイミングを遅くする駆動繰下時は、図8(a)に示すように、コントロールシャフト92でスライダギア22を右方Rに変位させる。このとき、駆動シャフト10及び第一カムピース30に対して、スライダギア22及びカムシャフト20が、一方向側に捩れる内周側第一ヘリカルスプライン32及び外周側第一ヘリカルスプライン23の噛み合いで反回転方向Nに回動する。また、このとき、スライダギア22及びカムシャフト20に対して、第二カムピース40が、他方向側に捩れる内周側第二ヘリカルスプライン42及び外周側第二ヘリカルスプライン24の噛み合いで反回転方向Nに回動する。それらの2種類の反回転方向Nへの回動の和により、第二カムピース40の回転位相が反回転方向Nに変化する。これにより、第一バルブ3の駆動タイミングは変化することなく、第二バルブ4の駆動タイミングのみが遅くなり、第一カムピース30に対する第二カムピース40の回転位相差gが増大する。なお、図8に示す二重の矢印(→→)は、駆動シャフト10等に対するカムシャフト20等の回動と、そのカムシャフト20等に対する第二カムピース40の回動との和を示している。
第二バルブ4の駆動タイミングを早くする駆動繰上時は、図8(b)に示すように、コントロールシャフト92でスライダギア22を左方Lに変位させる。このとき、駆動シャフト10及び第一カムピース30に対して、スライダギア22及びカムシャフト20が、一方向側に捩れる内周側第一ヘリカルスプライン32及び外周側第一ヘリカルスプライン23の噛み合いで回転方向Mに回動する。また、このとき、スライダギア22及びカムシャフト20に対して、第二カムピース40が、他方向側に捩れる内周側第二ヘリカルスプライン42及び外周側第二ヘリカルスプライン24の噛み合いで回転方向Mに回動する。それらの2種類の回転方向Mへの回動の和により、第二カムピース40の回転位相が回転方向Mに変化する。これにより、第一バルブ3の駆動タイミングは変化することなく、第二バルブ4の駆動タイミングのみが早くなり、第一カムピース30に対する第二カムピース40の回転位相差gが減少する。
[A]切換装置60と可変装置90とがあるため、切換装置60で両バルブ3,4の駆動/休止の切換を行うとともに、駆動状態の時には可変装置90で第二バルブ4の駆動タイミングを変更することができる。
[A']切換装置60と可変装置90とがあるため、切換装置60で第二バルブ4の駆動/休止の切換を行うことができる。また、両バルブ3,4を駆動する駆動状態の時のみならず、第一バルブ3の駆動のみを休止する休止状態の時にも、可変装置90で第二バルブ4の駆動タイミングを変更することができる。
4 第二バルブ
9 可変動弁機構
9’ 可変動弁機構
10 駆動シャフト
20 カムシャフト
23 外周側第一ヘリカルスプライン(第一スプライン)
24 外周側第二ヘリカルスプライン(第二スプライン)
30 第一カムピース
32 内周側第一ヘリカルスプライン(第一スプライン)
40 第二カムピース
42 外周側第二ヘリカルスプライン(第二スプライン)
50 連結機構
60 切換装置
61 被係入部
63 第一切換溝
63b 第一螺旋部
65 拘束溝
68 第二切換溝
68b 第二螺旋部
71 係入部材
72 第一ア−ム
73 第一係入部
77 第二アーム
78 第二係入部
81 回動装置
90 可変装置
L 左方(軸線方向の一方)
R 右方(軸線方向の他方)
M 回転方向(周方向の一方)
N 反回転方向(周方向の他方)
P 一方向
Q 他方向
Claims (3)
- カムシャフト(20)と、
前記カムシャフト(20)に第一スプライン(23,32)どうしの噛み合いで係合して第一バルブ(3)を駆動する第一カムピース(30)と、
前記カムシャフト(20)に前記第一スプライン(23,32)とは角度の異なる第二スプライン(24,42)どうしの噛み合いで係合して第二バルブ(4)を駆動する第二カムピース(40)と、
前記第一カムピース(30)と前記第二カムピース(40)との両カムピース(30,40)を、前記カムシャフト(20)の軸線方向(L,R)には相対変位不能、かつ周方向(M,N)には相対回動可能に連結した連結機構(50)と、
前記両カムピース(30,40)を前記軸線方向(L,R)に変位させることにより、前記両カムピース(30,40)で前記第一バルブ(3)と前記第二バルブ(4)との両バルブ(3,4)を駆動する駆動状態と、前記両カムピース(30,40)のうちの少なくともいずれか一方は前記バルブ(3,4)を駆動せずに空振りする休止状態との間で切換を行うとともに、前記駆動状態の時及び前記休止状態の時には前記両カムピース(30,40)を前記軸線方向(L,R)に変位不能に拘束し、前記切換を行う切換時には前記拘束を解除する切換装置(60)と、
前記駆動状態の時に、前記カムシャフト(20)側の前記第一スプライン(23)と前記第二スプライン(24)との両スプライン(23,24)を前記軸線方向(L,R)に変位させることにより、前記第一バルブ(3)の駆動タイミングに対する前記第二バルブ(4)の駆動タイミングを変更する可変装置(90)とを含み構成された可変動弁機構。 - 前記カムシャフト(20)の延長線上に延びるとともに内燃機関の回転に従い回転する駆動シャフト(10)を備え、前記第一カムピース(30)は前記駆動シャフト(10)に前記軸線方向(L,R)には相対変位可能かつ前記周方向(M,N)には相対回動不能に係合し、
前記第一スプライン(23,32)どうしの噛み合いは、前記軸線方向の一方(L)に進むに従い前記周方向の一方(M)にずれる一方向側の捩れの第一ヘリカルスプライン(23,32)どうしの噛み合いであって、
前記第二スプライン(24,42)どうしの噛み合いは、前記軸線方向の一方(L)に進むに従い前記周方向の他方(N)にずれる他方向側の捩れの第二ヘリカルスプライン(24,42)どうしの噛み合いであって、
前記可変装置(90)は、前記駆動シャフト(10)及び前記第一カムピース(30)に対する前記カムシャフト(20)の回動と、該カムシャフト(20)に対する前記第二カムピース(40)の回動との和で、前記駆動シャフト(10)及び前記第一カムピース(30)に対して前記第二カムピース(40)を回動させる請求項1記載の可変動弁機構。 - 前記切換装置(60)は、一方のカムピース(40)の外周面に凹設されて周方向(M,N)に環状に延びる拘束溝(65)と、前記外周面における前記拘束溝(65)よりも前記軸線方向の一方(L)側に凹設されるとともに、回転方向の反対方向(N)に進むに従い前記軸線方向の他方(R)にずれて前記拘束溝(65)に合流する第一螺旋部(63b)を備えた第一切換溝(63)と、前記外周面における前記拘束溝(65)よりも前記軸線方向の他方(R)側に凹設されるとともに、回転方向の反対方向(N)に進むに従い前記軸線方向の一方(L)にずれて前記拘束溝(65)に合流する第二螺旋部(68b)を備えた第二切換溝(68)とを含み構成された被係入部(61)と、
回動可能かつ前記軸線方向(L,R)に変位不能に設けられるとともに、前記被係入部(61)を間隙をおいて挟む第一アーム(72)と第二アーム(77)とをV字状に備え、前記第一アーム(72)の先端部内側に、一方向(P)への回動により前記第一切換溝(63)に係入し、他方向(Q)への回動により前記拘束溝(65)から退出する第一係入部(73)を備え、前記第二アーム(77)の先端部内側に、前記一方向(P)への回動により前記拘束溝(65)から退出し、前記他方向(Q)への回動により前記第二切換溝(68)に係入する第二係入部(78)を備えた係入部材(71)と、
前記係入部材(71)を前記一方向(P)及び前記他方向(Q)に回動させる回動装置(81)とを含み構成された請求項1又は2記載の可変動弁機構。
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