JP2013134346A - 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、半導体装置及び電子部品 - Google Patents

感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、半導体装置及び電子部品 Download PDF

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真吾 田原
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茂 野部
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Hiroshi Matsutani
寛 松谷
Masaru Aoki
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Takumi Ueno
巧 上野
Shigeki Katogi
茂樹 加藤木
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Abstract

【課題】
本発明は、現像時に残渣の発生を抑制することができ、つまり現像性に優れ、かつ、コントラストが良好な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記感光性樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法、及び、前記パターン硬化膜を有する電子部品を提供することを目的とする。
【解決手段】
(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂と、(B)光により酸を生成する化合物と、(C)熱架橋剤と、(D)フェノール性低分子化合物とを含有する感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、半導体装置及び電子部品に関する。
近年、半導体素子の高集積化、小型化に伴い、半導体素子の表面保護層、層間絶縁膜及び再配線層となる感光性樹脂組成物が、より優れた感度、解像度を併せ持ち、より微細で精密なパターン硬化膜が可能であることが求められている。このような特性を併せ持つ材料として、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性樹脂組成物が開発されている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−215802号公報 特開2007−079553号公報
一方、半導体素子のさらなる高集積化、小型化、微細化に伴い、感光性樹脂組成物は、より微細で精密なレジストパターン(以下、パターンともいう)を有するパターン硬化膜の形成が可能であることが求められている。パターン硬化膜を製造する方法は、一般的に、基板上に感光性樹脂組成物を塗布して形成した樹脂膜を乾燥する工程と、樹脂膜を露光する工程と、露光部又は未露光部を現像液により除去する現像する工程と、現像により得られたパターン樹脂膜を加熱により硬化する工程を含む。前記のような微細で精密なパターンを形成する場合、パターン樹脂膜を加熱により硬化する工程において、樹脂膜が溶け、パターンの形状が変化してしまう、パターンメルトという問題があった。
このような問題を解決するためにアルカリ可溶性樹脂と、エポキシ樹脂とを含有する感光性樹脂組成物を用いる方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかし、特許文献2のような樹脂を用いた場合、現像時にパターンの開口部に残渣が発生してしまう問題があった。パターンの開口部に残渣が発生すると、パターン硬化膜形成後に形成する配線の接続性の低下を引き起こす可能性がある。
現像時の残渣の抑制するためには、感光剤を減量する必要があるが、その場合、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解速度が上昇して膜減りが大きくなり、コントラストが低下する。つまり、現像時の残渣と膜減りの抑制を同時に両立させることは困難であった。
そこで本発明はこのような課題を解決すべく、現像時に残渣の発生を抑制することができ、つまり現像性に優れ、かつ、コントラストが良好な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記感光性樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法、及び、前記パターン硬化膜を有する電子部品を提供することを目的とする。
本発明は、次のものに関する。
[1](A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂と、(B)光により酸を生成する化合物と、(C)熱架橋剤と、(D)フェノール性低分子化合物とを含有する感光性樹脂組成物。
[2]前記(D)成分が下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物である、前記感光性樹脂組成物。
Figure 2013134346

(式(1)〜(4)中、R〜Rは各々独立に水素基又はメチル基を示す。a〜c、h及びiは0〜3の整数を示し、d〜fは1〜3の整数を示し、aとdの合計は5以下であり、bとeの合計は5以下であり、cとfの合計は5以下であり、hとiの合計は4以下である。nは1又は2である。)
[3]前記(D)成分が、下記一般式(1)又は(3)で表される化合物である、前記感光性樹脂組成物。
[4]前記(A)成分100質量部に対し、前記(D)成分を5〜35質量部含有する、前記感光性樹脂組成物。
[5]前記(A)成分がフェノール樹脂である、前記感光性樹脂組成物。
[6]前記(A)成分が、不飽和炭化水素基を有しないフェノール樹脂(A1)と不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂(A2)を含むものである、前記感光性樹脂組成物。
[7]前記(A2)成分が、フェノール性水酸基と多塩基酸無水物との反応によって更に変性されているものである、前記感光性樹脂組成物。
[8]前記(B)成分がo−キノンジアジド化合物である、前記感光性樹脂組成物。
[9](E)アクリル樹脂を更に含有する、前記感光性樹脂組成物。
[10](F)熱酸発生剤を更に含有する、前記感光性樹脂組成物。
[11]前記感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、塗布された感光性樹脂組成物を乾燥して樹脂膜を形成する工程と、前記樹脂膜を露光する工程と、露光後の前記樹脂膜をアルカリ水溶液によって現像して、パターン樹脂膜を形成する工程と、前記パターン樹脂膜を加熱する工程と、を含有する、パターン硬化膜の製造方法。
[12]前記パターン樹脂膜を加熱する工程における加熱温度が200℃以下である、前記パターン硬化膜の製造方法。
[13]前記パターン硬化膜の製造方法により製造されるパターン硬化膜を層間絶縁層又は表面保護膜として有する電子部品。
[14]前記パターン硬化膜の製造方法により製造されるパターン硬化膜をカバーコート層、コア、カラー、又はアンダーフィルとして有する電子部品。
本発明によれば、現像時に残渣の発生を抑制することができ、つまり現像性に優れ、かつ、現像時の未露光部の膜減りが抑制され、良好なコントラストを有する感光性樹脂組成物を提供することができる。さらに、本発明の感光性樹脂組成物は、良好な感光特性(感度及び解像度)、及び機械特性(破断伸び及び弾性率)を有する。また、本発明は、前記感光性樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法、及び、前記パターン硬化膜を有する電子部品を提供することを目的とする。
半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。 電子部品(半導体装置)の一実施形態を示す概略断面図である。 電子部品(半導体装置)の一実施形態を示す概略断面図である。
以下、本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味する。
[感光性樹脂組成物]
本発明に係る感光性樹脂組成物は、(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂と、(B)光により酸を生成する化合物と、(C)熱架橋剤と、(D)フェノール性低分子化合物と、を含有する。
<(A)成分:フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂>
(A)成分は、分子中にフェノール性水酸基を有し、アルカリ現像液に対して可溶な樹脂である。
ここで、(A)成分がアルカリ水溶液に可溶であることの1つの基準を以下に説明する。(A)成分単独と任意の溶剤、又は(A)成分と、以下に順を追って説明する(B)成分、(C)成分、(D)成分と任意の溶剤とから得られた樹脂溶液を、シリコンウエハ等の基板上に回転塗布して膜厚5μm程度の樹脂膜を形成する。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液のいずれか一つに、20〜25℃において浸漬する。この結果、均一な溶液として溶解し得るとき、用いた(A)成分はアルカリ水溶液に可溶であると判断する。
(A)成分のフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂は、例えば、ポリヒドロキシスチレン及びヒドロキシスチレンを単量体単位として含む共重合体等のヒドロキシスチレン系樹脂、フェノール樹脂、ポリ(ヒドロキシアミド)等のポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリ(ヒドロキシフェニレン)エーテル、ポリナフトール等が挙げられる。
これらの中で、低価格であることや硬化時の体積収縮が小さいことから、フェノール樹脂が好ましく、ノボラック型フェノール樹脂がより好ましい。
フェノール樹脂は、フェノール又はその誘導体とアルデヒド類との重縮合生成物である。重縮合は酸又は塩基等の触媒存在下で行われる。酸触媒を用いた場合に得られるフェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂といわれる。ノボラック型フェノール樹脂の具体例としては、フェノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、キシリレノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、レゾルシノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂及びフェノール−ナフトール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂が挙げられる。
フェノール樹脂を得るために用いられるフェノール誘導体としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のアルキルフェノール、メトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール等のアルコキシフェノール、ビニルフェノール、アリルフェノール等のアルケニルフェノール、ベンジルフェノール等のアラルキルフェノール、メトキシカルボニルフェノール等のアルコキシカルボニルフェノール、ベンゾイルオキシフェノール等のアリールカルボニルフェノール、クロロフェノール等のハロゲン化フェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール等のポリヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール、α−又はβ−ナフトール等のナフトール誘導体;p−ヒドロキシフェニル−2−エタノール、p−ヒドロキシフェニル−3−プロパノール、p−ヒドロキシフェニル−4−ブタノール等のヒドロキシアルキルフェノール;ヒドロキシエチルクレゾール等のヒドロキシアルキルクレゾール;ビスフェノールのモノエチレンオキサイド付加物;ビスフェノールのモノプロピレンオキサイド付加物等のアルコール性水酸基含有フェノール誘導体;p−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、p−ヒドロキシフェニルブタン酸、p−ヒドロキシ桂皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル安息香酸、ヒドロキシフェノキシ安息香酸、ジフェノール等のカルボキシル基含有フェノール誘導体が挙げられる。また、ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール等の上記フェノール誘導体のメチロール化物をフェノール誘導体として用いてもよい。
さらにフェノール樹脂は、上述のフェノール又はフェノール誘導体をm−キシレンのようなフェノール以外の化合物とともにアルデヒド類と縮重合して得られる生成物であってもよい。この場合、縮重合に用いられるフェノール誘導体に対するフェノール以外の化合物のモル比は、0.5未満であると好ましい。上述のフェノール誘導体及びフェノール化合物以外の化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
フェノール樹脂を得るために用いられるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、メトキシフェニルアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、クロロフェニルアセトアルデヒド、グリセルアルデヒド、グリオキシル酸、グリオキシル酸メチル、グリオキシル酸フェニル、グリオキシル酸ヒドロキシフェニル、ホルミル酢酸、ホルミル酢酸メチル、2−ホルミルプロピオン酸、2−ホルミルプロピオン酸メチル等から選ばれる。また、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒドの前駆体、アセトン、ピルビン酸、レプリン酸、4−アセチルブチル酸、アセトンジカルボン酸、及び3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸等のケトン類を反応に用いてもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリ(ヒドロキシスチレン)系樹脂としては、例えば、保護基を導入したヒドロキシスチレンのエチレン性不飽和二重結合を触媒(ラジカル開始剤)の存在下で、重合(ビニル重合)させ、さらに、脱保護することにより得られるものを用いることができる。また、PHS−B(デュポン製、商品名)のような市販のブランチ型のポリ(ヒドロキシスチレン)を用いることもできる。
(A)成分の重量平均分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性や、感光特性及びパターン硬化膜の機械特性のバランスを考慮すると、500〜150,000であることが好ましく、500〜100,000であることがより好ましく、1000〜50,000であることがさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得られる値である。
本発明における(A)成分は、不飽和炭化水素基を有しないフェノール樹脂(A1)と不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂(A2)を含むものであることが好ましく、前記(A2)成分はフェノール性水酸基と多塩基酸無水物との反応によって更に変性されているものであることがより好ましい。
(A2)成分は、一般に、フェノール又はその誘導体と不飽和炭化水素基を有する化合物(好ましくは炭素数が4〜100のもの)(以下場合により単に「不飽和炭化水素基含有化合物」という。)との反応生成物(以下「不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体」という。)と、アルデヒド類との縮重合生成物、又は、フェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物との反応生成物である。
(A2)成分を得るために用いられるフェノール誘導体としては、フェノール樹脂を得るために用いられるフェノール誘導体及びアルデヒド類と同様のものを用いることができる。
不飽和炭化水素基含有化合物の不飽和炭化水素基は、パターン硬化膜の密着性及び耐熱衝撃性の観点から、2つ以上の不飽和結合を含むことが好ましく、樹脂組成物の保存安定性の観点から、不飽和結合は30以下であることが好ましい。また、樹脂組成物としたときの相溶性及び硬化膜の可とう性の観点からは、不飽和炭化水素基含有化合物は炭素数8〜80のものが好ましく、炭素数10〜60のものがより好ましい。
不飽和炭化水素基含有化合物としては、例えば、炭素数4〜100の不飽和炭化水素、カルボキシル基を有するポリブタジエン、エポキシ化ポリブタジエン、リノリルアルコール、オレイルアルコール、不飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸エステルである。好適な不飽和脂肪酸としては、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α−リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸及びドコサヘキサエン酸が挙げられる。これらの中でも特に、不飽和脂肪酸エステルである植物油が特に好ましい。
植物油は、一般にグリセリンと不飽和脂肪酸とのエステルであり、ヨウ素価が100以下の不乾性油、100を超えて130未満の半乾性油又は130以上の乾性油である。不乾性油として、例えば、オリーブ油、あさがお種子油、カシュウ実油、さざんか油、つばき油、ひまし油及び落花生油が挙げられる。半乾性油として、例えば、コーン油、綿実油及びごま油が挙げられる。乾性油としては、例えば、桐油、亜麻仁油、大豆油、胡桃油、サフラワー油、ひまわり油、荏の油及び芥子油が挙げられる。また、これらの植物油を加工して得られる加工植物油を用いてもよい。
これらの植物油の中では、パターン硬化膜の密着性、機械特性及び耐熱衝撃性が向上する観点から乾性油を用いることが好ましい。また、乾性油の中でも、本発明による効果をより有効かつ確実に発揮できることから、桐油、亜麻仁油、大豆油、胡桃油及びサフラワー油がより好ましく、桐油及び亜麻仁油がさらに好ましい。これら植物油は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(A2)成分を調製するにあたり、まず、上記フェノール誘導体と上記不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させ、不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体を調製する。上記反応は、通常50〜130℃で行うことが好ましい。フェノール誘導体と不飽和炭化水素基含有化合物との配合割合は、パターン硬化膜の可とう性を向上させることができる点から、フェノール誘導体100質量部に対し、不飽和炭化水素基含有化合物1〜100質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。上記反応は、必要に応じて、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を触媒として用いてもよい。
次いで、前記不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体と、アルデヒド類とを反応させ、(A2)成分である不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂を調製する。上記アルデヒド類と、上記不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体との反応は、重縮合反応であり、従来公知のフェノール樹脂の合成条件を用いることができる。また、(A2)成分は、上述のフェノール誘導体と不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得られる化合物と、m−キシレンのようなフェノール以外の化合物とを組み合わせて、アルデヒド類と重縮合することにより得ることもできる。なお(A2)成分の不飽和炭化水素基は、フェノール樹脂の有するフェノール性水酸基に対してオルト位又はパラ位に存在することが好ましく、パラ位に存在することがより好ましい。
また、(A2)成分は、上述のフェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得ることもできる。フェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物との反応は、通常50〜130℃で行うことが好ましい。また、フェノール誘導体と不飽和炭化水素基含有化合物との配合割合は、硬化膜の可とう性を向上させることができる点から、フェノール樹脂100質量部に対し、不飽和炭化水素基含有化合物1〜100質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。このとき、必要に応じて、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を触媒として用いてもよい。なお、反応にはトルエン、キシレン、メタノール、テトラヒドロフランなどの溶媒を用いることができる。
以上のような方法により生成する(A2)成分中に存在するフェノール性水酸基に、更に多塩基酸無水物を反応させることにより酸変性したフェノール樹脂を(A2)成分として用いることもできる。多塩基酸無水物で酸変性することにより、カルボキシ基が導入され、(A2)成分のアルカリ水溶液(現像液)に対する溶解性がより一層向上する。
多塩基酸無水物は、複数のカルボキシ基を有する多塩基酸のカルボキシ基が脱水縮合して形成された酸無水物基を有していれば、特に限定されない。多塩基酸無水物としては、例えば無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸及び無水トリメリット酸等の二塩基酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸及びベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族四塩基酸二無水物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、多塩基酸無水物は二塩基酸無水物であることが好ましく、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸及びヘキサヒドロ無水フタル酸からなる群より選ばれる1種以上であることがより好ましい。この場合、さらに良好な形状を有するパターン硬化膜を形成できるという利点がある。
フェノール性水酸基と多塩基酸無水物との反応は、50〜130℃で行うことができる。この反応において、多塩基酸無水物をフェノール性水酸基1モルに対して、0.1〜0.8モルを反応させることが好ましく、0.15〜0.6モル反応させることがより好ましく、0.2〜0.4モルを反応させることが更に好ましい。多塩基酸無水物が0.1モル未満では、現像性が低下する傾向にあり、0.8モルを超えると、未露光部の耐アルカリ性が低下する傾向にある。
なお、上記反応には、反応を迅速に行う観点から、必要に応じて、触媒を含有させてもよい。触媒としては、トリエチルアミン等の3級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルホスフィン等のリン化合物が挙げられる。
多塩基酸無水物で更に変性したフェノール樹脂の酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、40〜170mgKOH/gであることがより好ましく、50〜150mgKOH/gであることが更に好ましい。酸価が30mgKOH/g未満であると、酸価が上記範囲にある場合と比較して、アルカリ現像に長時間を要する傾向にあり、200mgKOH/gを超えると、酸価が上記範囲にある場合と比較して、未露光部の耐現像液性が低下する傾向にある。
(A2)成分の分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性や、感光特性と硬化膜物性とのバランスを考慮すると、重量平均分子量で1,000〜500,000が好ましく、2,000〜200,000がより好ましく、2,000〜100,000であることがさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。
感光性樹脂組成物は、パターン樹脂膜を形成する際の感度と解像性、及び硬化後のパターン硬化膜の密着性、機械特性及び耐熱衝撃性の点から、(A)成分として、不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂(A2)を混合して用いる場合、(A)成分中に、不飽和炭化水素基を有しないフェノール樹脂(A1)と、不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂(A2)の質量比が両者の合計量を100として前者:後者で5:95〜95:5で含まれることが好ましく、10:90〜90:10含まれることがより好ましく、15:85〜85:15含まれることが最も好ましい。
<(B)成分:光により酸を生成する化合物>
(B)成分である光により酸を生成する化合物は、感光剤として用いられる。(B)成分は、光照射により酸を生成させ、光照射した部分のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有する。(B)成分としては、一般に光酸発生剤と称される化合物を用いることができる。(B)成分の具体例としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。これらの中で、感度が高いことから、o−キノンジアジド化合物が好ましい。
o−キノンジアジド化合物は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物やアミノ化合物等とを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させる方法により得られる。
反応に用いられるo−キノンジアジドスルホニルクロリドとしては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドが挙げられる。
反応に用いられるヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンが挙げられる。
反応に用いられるアミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。
これらの中でも吸収波長範囲と反応性の点から、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られたものや、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン又はトリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られたものを用いることが好ましい。
反応に用いられる脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。また、反応溶媒としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等が用いられる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物とは、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基とのモル数の合計が0.5〜1になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい配合割合は、0.95/1モル当量〜1/0.95モル当量の範囲である。
上述の反応の好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間である。
(B)成分の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差が大きくなり、感度がより良好となる点から、(A)成分100質量部に対して3〜100質量部が好ましく、現像後の残渣を抑制する観点から、5〜50質量部がより好ましく、5〜30質量部がさらに好ましく、5〜15質量部とすることが特に好ましい。
<(C)成分:熱架橋剤>
(C)成分である熱架橋剤は、パターン形成後の感光性樹脂膜を加熱して硬化する際に、(A)成分と反応して橋架け構造を形成しうる構造を有する化合物である。これにより、膜の脆さや膜の溶融を防ぐことができる。熱架橋剤は、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物から選ばれるものが好ましい。
熱架橋剤として用いられるフェノール性水酸基を有する化合物は、(A)成分、(D)成分とは異なるものであり、(A)成分との架橋基を有する。具体的な構造は後述するものが挙げられる。このようなフェノール性水酸基を有する化合物は、熱架橋剤としてだけでなく、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度を向上させることができるので好ましい。このようなフェノール性水酸基を有する化合物の分子量は、好ましくは2,000以下である。また、フェノール性水酸基を有する化合物は分子内にベンゼン環を2個程度有するものが好ましい。アルカリ水溶液に対する溶解性、及び感光特性と硬化膜物性とのバランスを考慮して、数平均分子量で94〜2,000が好ましく、108〜2,000がより好ましく、108〜1,500がさらに好ましい。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができるが、下記一般式(5)で表される化合物が、露光部の溶解促進効果と感光性樹脂膜の硬化時の溶融を防止する効果のバランスに優れることから、特に好ましい。
Figure 2013134346

(式(5)中、Xは単結合又は2価の有機基を示し、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、s及びtはそれぞれ独立に1〜3の整数を示し、u及びvはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
一般式(5)において、Xが単結合である化合物は、ビフェノール(ジヒドロキシビフェニル)誘導体である。また、Xで示される2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数が1〜10のアルキレン基、エチリデン基等の炭素数が2〜10のアルキリデン基、フェニレン基等の炭素数が6〜30のアリーレン基、これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基、スルホニル基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合等が挙げられる。
ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物としては、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)メラミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)グリコールウリル、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)ベンゾグアナミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)尿素等の活性メチロール基の全部又は一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物が挙げられる。ここで、アルキルエーテルのアルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基、又はこれらを混合したものを挙げられ、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含有していてもよい。具体的には、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサキス(ブトキシメチル)メラミン、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(メトキシメチル)尿素が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができる。その具体例として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン、複素環式エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルを挙げられる。
(C)成分として、上述した以外に、ビス[3,4−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル]エーテルや1,3,5−トリス(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ベンゼンなどのヒドロキシメチル基を有する芳香族化合物、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンや2,2−ビス[4−(4’−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどのマレイミド基を有する化合物、ノルボルネン骨格を有する化合物、多官能アクリレート化合物、オキセタニル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物、ブロック化イソシアナート化合物を用いることができる。
上述した(C)成分の中で、感度と耐熱性をより向上できる点から、フェノール性水酸基を有する化合物及びヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましく、解像度及び塗膜の伸びもより向上できる点から、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物がより好ましく、ヒドロキシメチルアミノ基の全部又は一部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物が特に好ましく、ヒドロキシメチルアミノ基の全部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物が最も好ましい。
上記ヒドロキシメチルアミノ基の全部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物の中でも特に、下記一般式(6)で表される化合物が好ましい。
Figure 2013134346

(式(6)中、R31〜R36は、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
(C)成分の配合量は、露光部と未露光部の溶解速度差が大きくなり、感度がより良好となる点、及び、硬化膜の特性の点から、(A)成分100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましく、3〜25質量部がさらに好ましい。また、上述した熱架橋剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
<(D)成分:フェノール性低分子化合物>
本発明では、(D)成分としてフェノール性低分子化合物を含有する。樹脂膜のアルカリ現像液に対する溶解速度を促進する目的で、(D)成分を加えた。(D)成分としては、分子内にベンゼン環を3〜4個程度有するものが好ましく、重量平均分子量が200〜990であることが好ましい。ここで(D)成分は(A)成分又は(C)成分とは異なるものである。
アルカリ現像液に対する溶解速度の観点から、(D)成分としては下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013134346

(式(1)〜(4)中、R〜Rは各々独立に水素基又はメチル基を示す。a〜c、h及びiは0〜3の整数を示し、d〜fは1〜3の整数を示し、aとdの合計は5以下であり、bとeの合計は5以下であり、cとfの合計は5以下であり、hとiの合計は4以下である。nは1又は2である。)
例えば、一般式(1)で表される化合物として以下の化合物が挙げられる。
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4,6−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,4,6−トリメチル−2−ヒドロキシフェニル)−1−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(3,4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4,6−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,4,6−トリメチル−2−ヒドロキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,4,6−トリメチル−2−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,4,6−トリメチル−2−ヒドロキシフェニル)−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(5−メチル−2,3−ジヒドロキシフェニル)−1−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ベンジルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ベンジルメタン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−ベンジルエタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−ベンジルエタン、1,1−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−ベンジルメタン、1,1−ビス(2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−メチルベンジル)メタン、1,1−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−メチルベンジル)メタン。これらの化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
例えば、一般式(2)で表される化合物として以下の化合物が挙げられる。2,6−ビス[(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチル−1−ヒドロキシベンゼン、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、2,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチル−1−ヒドロキシベンゼン、2,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチル−1−ヒドロキシベンゼン、2,4−ビス[(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−6−メチル−1−ヒドロキシベンゼン、2,6−ビス[(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチル−1−ヒドロキシベンゼン、2,6−ビス[(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチル−1−ヒドロキシベンゼン、2,6−ビス[(4,6−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチル−1−ヒドロキシベンゼン、2,6−ビス[(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−3,4−ジメチル−1−ヒドロキシベンゼン、2,6−ビス[(2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチル−1−ヒドロキシベンゼン、3,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2−ジヒドロキシベンゼン、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−3,4−ジメチル−1−ヒドロキシベンゼン、1,1−ビス[3−{ (5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル}−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル]メタン、1,1−ビス[3−{ (3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル}−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル]メタン、1,1−ビス[3−{ (2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル}−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル]メタン、1,1−ビス[3−{ (2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル}−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル]メタン、1,1−ビス[3−{ (2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル}−2,5−メチル−4−ヒドロキシフェニル]メタン、1,1−ビス[3−{ (3−メチル−2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル}−2,5−メチル−4−ヒドロキシフェニル]メタン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、4,6−ビス[(3,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−メチル−1−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ビス[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(2,4,5−トリメチル−3−ヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、1,3−ビス[1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン。これらの化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
例えば、一般式(3)で表される化合物として以下の化合物が挙げられる。1,1−ビス(4-ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン。これらの化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
例えば、一般式(4)で表される化合物として以下の化合物が挙げられる。1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン。これらの化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は(D)成分として、アルカリ現像液に対する溶解性が高すぎず、未露光部の膜減りを抑制することができるため、一般式(1)又は(3)で表される化合物を含有することが好ましい。
現像後の残渣を抑制するために、例えば(B)成分の含有量を減らすと、樹脂膜の未露光部の溶解を阻害する効果が低下し、現像後の膜減りが大きくなったが、一般式(1)又は(3)で表される化合物を含有することで、効果的に膜減りを抑制することができた。これは、一般式(1)又は(3)で表される化合物のアルカリ現像液に対する溶解速度が高すぎず、その結果、樹脂膜の未露光部の溶解性が一般式(2)又は(4)を加えた場合と比較して低下したためだと考えられる。
さらに、(D)成分として、パターンメルトがより抑制できる観点から、一般式(3)で表される化合物がより好ましい。これは、一般式(3)のガラス転移温度が高いためだと考えられる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、5〜35質量部含有することが好ましい。5〜35質量部とすることで、現像後の残渣を抑制することができ、かつ加熱硬化時のパターンメルトの抑制ができる。5〜30質量部であることがより好ましく、10〜28質量部であることがさらに好ましく、15〜25質量部であることが特に好ましい。
<(E)成分:アクリル樹脂>
本発明の感光性樹脂組成物は(E)成分としてアクリル樹脂を含有していてもよい。アクリル樹脂としては、下記一般式(7)又は(8)で表される構造単位を有するアクリル樹脂であることが好ましい。感光性樹脂組成物が一般式(7)又は(8)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を含有することにより、良好な感光特性を維持しつつ、耐熱衝撃性を向上することができる。(E)成分は、上記アクリル樹脂の1種のみからなるものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。
Figure 2013134346

Figure 2013134346

(式(7)及び(8)中、Rは炭素数4〜20のアルキル基を表し、R10は水素原子又はメチル基を表す。)
また、上記一般式(7)中、感度、解像度及び耐熱衝撃を向上できる観点から、Rが炭素数4〜16のアルキル基が好ましく、炭素数4のアルキル基、中でもn−ブチル基がより好ましい。
一般式(7)で表される構造単位を与える重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、下記一般式(9)で表される化合物などが挙げられる。
CH=C(R11)−COOR12 …(9)
ここで、上記一般式(9)中、R11は水素原子又はメチル基を示し、R12は炭素数4〜20のアルキル基を示す。また、R12で示される炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。上記一般式(9)で表される重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル、(メタ)アクリル酸トリデシルエステル、(メタ)アクリル酸テトラデシルエステル、(メタ)アクリル酸ペンタデシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシルエステル、(メタ)アクリル酸オクタデシルエステル、(メタ)アクリル酸ノナデシルエステル、(メタ)アクリル酸エイコシルエステル等が挙げられる。これらの重合性単量体は一種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
また、一般式(8)で表される構造単位を与える重合性単量体としては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。
(E)成分において、上記一般式(7)で表される構造単位の組成比は、(E)成分の総量に対して、50〜95モル%であることが好ましく、60〜90モル%であることがより好ましく、70〜85モル%であることが特に好ましい。上記一般式(7)で表される構造単位の組成比が50〜95モル%であることにより、感光性樹脂組成物の硬化膜の耐熱衝撃性をより向上することができる。
また、(E)成分であるアクリル樹脂において、上記一般式(8)で表される構造単位の組成比は、(E)成分の総量に対して、5〜35モル%であることが好ましく、10〜30モル%であることがより好ましく、15〜25モル%であることがさらに好ましい。上記一般式(8)で表される構造単位の組成比が5〜35モル%であることにより、(A)成分との相溶性、及び感光性樹脂組成物の現像性をより向上することができる。
また、(A)成分との相溶性、パターン硬化膜の基板への密着性、機械特性及び耐熱衝撃性をより向上できる観点から、(E)成分は、上記一般式(7)で表される構造単位、上記(8)で表される構造単位及び下記一般式(10)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を含有することがより好ましい。(E)成分が当該アクリル樹脂であることにより、(E)成分と(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂との相互作用が良好になり、相溶性がより向上する。
Figure 2013134346

(式(10)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、R13は1級、2級又は3級アミノ基を有する1価の有機基を表す。)
一般式(10)で表される構造単位を与える重合性単量体としては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1−メチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−(ピペリジン−4−イル)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの重合性単量体は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも特に、レジストパターンの基板への密着性、機械特性及び耐熱衝撃性をより向上できる観点から、一般式(10)中、R13が下記一般式(11)で表される1価の有機基であることが特に好ましい。
Figure 2013134346

(一般式(11)中、Xは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R14〜R18はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、mは0〜10の整数である)
一般式(10)中、R13が上記一般式(11)で表される1価の有機基で表される構造単位を与える重合性単量体としては、例えば、ピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1−メチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−(ピペリジン−4−イル)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中で、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレートはFA−711MMとして、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルメタクリレートはFA−712HMとして(いずれも日立化成工業(株)社製)、それぞれ商業的に入手可能である。
(E)成分であるアクリル樹脂において、上記一般式(10)で表される構造単位の組成比は、(E)成分の総量に対して、0.3〜10モル%であることが好ましく、0.4〜8モル%であることがより好ましく、0.5〜7モル%であることがさらに好ましい。
また、(E)成分は、感度をより向上できる観点から、上記一般式(7)で表される構造単位、上記一般式(8)で表される構造単位及び下記一般式(12)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を含有することが好ましい。かかるアクリル樹脂は上記一般式(10)で表される構造単位を更に有していてもよい。
Figure 2013134346

(一般式(12)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Yは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R19〜R23はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表し、pは1〜100の整数である)
一般式(12)で表される構造単位を与える重合性単量体としては、例えば、メタクリル変性シリコーンオイルが挙げられ、X−22−174DX、X−22−2426、X−22−2475(いずれも信越化学工業(株)社製)として、それぞれ商業的に入手可能である。
(E)成分であるアクリル樹脂において、上記一般式(12)で表される構造単位の組成比は、(E)成分の総量に対して、1〜10モル%であることが好ましく、2〜5モル%であることがより好ましく、3〜5モル%であることがさらに好ましい。
また、(E)成分を構成するアクリル樹脂の合成に用いられる重合性単量体は、一般式(7)、(8)、(10)、(11)、(12)で表される各構造単位を与える重合性単量体以外の重合性単量体を更に含んでいてもよい。そのような重合性単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸4−メチルベンジルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテルなどのビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピルなどのマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸等が挙げられる。これらの重合性単量体は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
(E)成分の重量平均分子量は、2,000〜100,000であることが好ましく、3,000〜60,000であることがより好ましく、4,000〜50,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が2,000未満では硬化膜の耐熱衝撃性が低下する傾向があり、100,000を超えると(A)成分との相溶性及び現像性が低下する傾向がある。
(E)成分を含有する場合の含有量は、密着性、機械特性、耐熱衝撃性、及び感光特性の観点から、(A)成分の総量100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましく、5〜20質量部が特に好ましい。
<その他の成分>
本発明の感光性樹脂組成物は必要に応じ、熱酸発生剤、エラストマー、溶剤、溶解促進剤、溶解阻害剤、界面活性剤又はレベリング剤、接着助剤等のその他の成分を含有することができる。
<その他の成分(F):熱酸発生剤>
本発明の感光性樹脂組成物は(F)熱酸発生剤を含有していても良い。(F)成分は熱により酸を生成する化合物でアリ、パターンメルトをより抑制することができる。これは、現像後の感光性樹脂膜を加熱する際に酸を発生させることが可能となり、(A)成分と(C)成分との反応、すなわち熱架橋反応がより低温から開始するため、熱によるパターンのメルトがより抑制されるためである。また、(F)成分は光照射によっても酸を発生することができるものが多いため、このようなものを用いると露光部のアルカリ水溶液への溶解性を増大することもできる。よって、未露光部と露光部とのアルカリ水溶液に対する溶解性の差が更に大きくなり解像度が向上する。ただし、本発明においては前記(B)成分とは異なる化合物を(F)成分として用いる。
このような熱により酸を生成する化合物は、例えば、50〜200℃の温度に加熱することにより酸を生成するものであることが好ましい。熱により酸を生成する化合物の具体例としては、前記(B)成分の光により酸を生成する化合物とは異なる化合物であって、熱により酸を生成する機能を有するオニウム塩等の強酸と塩基とから形成される塩や、イミドスルホナートが挙げられる。
このようなオニウム塩としては、例えば、アリールジアゾニウム塩、ジフェニルヨードニウム塩のようなジアリールヨードニウム塩;ジアリールヨードニウム塩、ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩のようなジ(アルキルアリール)ヨードニウム塩;トリメチルスルホニウム塩のようなトリアルキルスルホニウム塩;ジメチルフェニルスルホニウム塩のようなジアルキルモノアリールスルホニウム塩;ジフェニルメチルスルホニウム塩のようなジアリールモノアルキルヨードニウム塩;トリアリールスルホニウム塩が挙げられる。これらの中で、パラトルエンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のトリメチルスルホニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩、ノナフルオロブタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、カンファースルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、エタンスルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、ベンゼンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩、トルエンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩等を好ましいものとして挙げることができる。
これらの中で、下記一般式(13)で示すようなスルホニウム塩が好ましく、メタンスルホン酸のトリアルキルスルホニウム塩がより好ましく、特にトリメチルスルホニウム塩が好ましい。
これらの中で、下記一般式(13)で示すようなスルホニウム塩が好ましく、メタンスルホン酸のトリアルキルスルホニウム塩がより好ましく、特にトリメチルスルホニウム塩が好ましい。
Figure 2013134346

(式(13)中、R24、R25及びR26は各々独立にアルキル基又はアリール基を表し、R27は水素又はフッ素を表す。)前記アリール基としては、フェニル基又は置換基を有するフェニル基が好ましい。
イミドスルホナートとしては、例えば、ナフトイルイミドスルホナートやフタルイミドスルホナートを用いることができる。
(F)熱酸発生剤を含有する場合の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.2〜20質量部がより好ましく、0.3〜10質量部がさらに好ましい。
<その他の成分(G):エラストマー>
本発明においては、さらにエラストマーを併用することができる。これにより、得られるレジストパターンは柔軟性の点でさらに優れるものとなり、レジストパターンの機械特性及び耐熱衝撃性をより一層向上させることができる。エラストマーとしては、従来公知のものを用いることができるが、エラストマーを構成する重合体のガラス転移温度(Tg)が20℃以下であることが好ましい。
このようなエラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーが挙げられる。また、前記エラストマーは、微粒子状のエラストマーであってもよい。これらのエラストマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<(H)成分:シラン化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、基板との密着性を向上させる観点から、(H)成分として、一般式(14)で表されるエポキシ基を有するシラン化合物を含有していてもよい。
Figure 2013134346

(式(14)中、Rは2価の有機基を表し、R基は1価の有機基を表す)
一般式(14)において、Rは2価の有機基であるものであれば特に制限はない。感度及び解像度の向上という観点から、Rは−(CH−(n=1〜6の整数)で示される直鎖のアルキル基であることが好ましい。また、一般式(14)において、Rは有機基であるものであれば特に制限はない。感度及び解像度の向上という観点から、Rはアルコキシ基又はアルコキシアルキル基を含有すること好ましい。その中でも特に、安価で手に入りやすいことや、基板への接着性の向上という観点から、メトキシ基又はエトキシ基のようなアルコキシ基を含有することが特に好ましい。このような化合物としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は一般式(14)で示されるエポキシ基を有するシラン化合物の他に、シラン化合物を更に含んでいてもよい。そのようなシラン化合物としては、例えば、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルシフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン等が挙げられる。これらのシラン化合物は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
(H)成分を用いる場合の含有量は配線への接着性と感光性樹脂組成物の保存安定性の観点から、(A)成分100質量部に対して、(H)成分と(H)成分以外のシラン化合物の総量が0.1〜20質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましい。
<その他の成分(I):溶媒>
本発明の感光性樹脂組成物は、基板上への塗布性、及び均一な厚さの樹脂膜を形成できるという観点から、(I)溶剤を含有していてもよい。溶剤の具体例としては、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオナート、3−メチルメトキシプロピオナート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(I)成分を含有させる場合の含有量は、特に限定されないが、感光性樹脂組成物中の溶剤の割合が20〜90質量%となるように調整されることが好ましい。
<その他の成分(J):溶解促進剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(J)溶解促進剤を含有していても良い。(J)溶解促進剤を含有することで、パターン樹脂膜をアルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度及び解像性を向上させることができる。溶解促進剤としては従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、カルボキシル基、スルホン酸、スルホンアミド基を有する化合物が挙げられる。
このような溶解促進剤を含有させる場合の含有量は、パターン樹脂膜のアルカリ水溶液に対する溶解速度によって決めることができるが、例えば、(A)成分の100質量部に対して、0.01〜30質量部とすることが好ましい。
<その他の成分(K):溶解阻害剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(K)溶解阻害剤を含有していても良い。(K)溶解阻害剤は(A)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物であり、残膜厚、現像時間やコントラストをコントロールするために用いられる。その具体例としては、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨージド等である。溶解阻害剤を含有する場合の含有量は、感度と現像時間の許容幅の点から、(A)成分の合計量100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましく、0.01〜15質量部がより好ましく、0.05〜10質量部がさらに好ましい。
<その他の成分(L):界面活性剤又はレベリング剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、(L)界面活性剤又はレベリング剤を含有していても良い。感光性樹脂組成物が(L)成分を含有することによって、塗布性、例えばストリエーション(膜厚のムラ)を防いだり、現像性を向上させたりすることができる。このような界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテルが挙げられる。市販品としては、メガファックスF171、F173、R−08(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム株式会社、商品名)、オルガノシロキサンポリマーKP341、KBM303、KBM803(信越化学工業社製、商品名)がある。
(L)成分を含有する場合、その含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液を用いて現像することが可能である。さらに、上述の感光性樹脂組成物を用いることにより、良好な密着性及び熱衝撃サイクルにおける耐クラック性を有するパターン硬化膜を形成することが可能となる。また、本発明の感光性樹脂組成物からなるパターン硬化膜は、良好な感光特性(感度及び解像度)を有し、また十分な機械特性(破断伸び及び弾性率)を有する。
本発明の感光性樹脂組成物は一般的にはポジ型の感光性樹脂組成物であるが、これに限定されるものではない。
[パターン硬化膜の製造方法]
本発明の感光性樹脂組成物からなるパターン硬化膜の製造方法は、通常、感光性樹脂組成物を支基板上に塗布及び乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程(成膜工程)と、感光性樹脂膜を露光する工程(露光工程)と、露光後の感光性樹脂膜をアルカリ水溶液によって用いて現像して、パターン樹脂膜を形成する工程(現像工程)と、パターン樹脂膜を加熱する工程(加熱工程)とを含有する。
<成膜工程>
成膜工程では、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO、SiO等)、窒化ケイ素などの支持基板上に、上述した感光性樹脂組成物を、スピンナーなどを用いて回転塗布する。塗布された感光性樹脂組成物をホットプレート、オーブンなどを用いた加熱により乾燥する。これにより、基板上に感光性樹脂組成物の被膜(感光性樹脂膜)が形成される。
<露光工程>
露光工程では、基板上に形成された感光性樹脂膜に対して、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線等の活性光線を照射する。(A)成分はi線に対する透明性が高いので、i線の照射を好適に用いることができる。なお、露光後、必要に応じて露光後加熱(PEB)を行うこともできる。露光後加熱の温度は70℃〜140℃、露光後加熱の時間は1分〜5分が好ましい。
<現像工程>
現像工程では、露光工程後の感光性樹脂膜の露光部を現像液で除去することにより、感光性樹脂膜がパターン化される。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液が好適に用いられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10質量%とすることが好ましい。さらに、上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で配合することができる。パターン化された感光性樹脂膜をパターン樹脂膜という。
<加熱工程>
加熱処理工程では、パターン樹脂膜を加熱することにより、感光性樹脂組成物を硬化する。パターン樹脂膜を硬化して得られた膜を、パターン硬化膜という。加熱温度は、電子デバイスに対する熱によるダメージを十分に防止する点から、好ましくは250℃以下、より好ましくは225℃以下であり、さらに好ましくは140〜200℃である。加熱処理は、例えば、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、及びマイクロ波硬化炉等のオーブンを用いて行うことができる。また、大気中、又は窒素等の不活性雰囲気中いずれを選択することもできるが、窒素下で行う方がパターンの酸化を防ぐことができるので望ましい。上述の望ましい加熱温度の範囲は従来の加熱温度よりも低いため、支持基板や電子デバイスへのダメージを小さく抑えることができる。従って、本実施形態のレジストパターンの製造方法を用いることによって、電子デバイスを歩留まり良く製造することができる。また、プロセスの省エネルギー化につながる。さらに、本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、感光性ポリイミド樹脂等に見られる加熱処理工程における体積収縮(硬化収縮)が小さいため、寸法精度の低下を防ぐことができる。
加熱工程における加熱時間は、感光性樹脂組成物が硬化するのに十分な時間であればよいが、作業効率との兼ね合いから概ね5時間以下が好ましい。また、加熱は、上述のオーブンの他、マイクロ波硬化装置や周波数可変マイクロ波硬化装置を用いて行うこともできる。これらの装置を用いることにより、基板や電子デバイスの温度を例えば200℃以下に保ったままで、感光性樹脂膜のみを効果的に加熱することが可能である。
周波数可変マイクロ波硬化装置においては、マイクロ波がその周波数を変化させながらパルス状に照射されるので、定在波を防ぐことができ、基板面を均一に加熱することができる点で好ましい。また、基板として後述する電子デバイスのように金属配線を含む場合、マイクロ波を周波数を変化させながらパルス状に照射すると、金属からの放電等の発生を防ぐことができ、電子デバイスを破壊から守ることができるので好ましい。さらに、周波数可変マイクロ波を用いて加熱すると、オーブンを用いる場合に比べて硬化温度を下げても硬化膜物性が低下しないので好ましい(J.Photopolym.Sci.Technol.,18,327−332(2005)参照)。
周波数可変マイクロ波の周波数は一般に0.5〜20GHzの範囲であるが、実用的には1〜10GHzの範囲が好ましく、さらに2〜9GHzの範囲がより好ましい。また、照射するマイクロ波の周波数は連続的に変化させることが望ましいが、実際は周波数を階段状に変化させて照射する。その際、単一周波数のマイクロ波を照射する時間はできるだけ短い方が定在波や金属からの放電等が生じにくいため、照射時間は1ミリ秒以下が好ましく、100マイクロ秒以下が特に好ましい。
照射するマイクロ波の出力は、装置の大きさや被加熱体の量によっても異なるが、概ね10〜2000Wの範囲であり、実用上は100〜1000Wがより好ましく、100〜700Wがさらに好ましく、100〜500Wが最も好ましい。出力が10W未満では被加熱体を短時間で加熱することが難しく、2000Wを超えると急激な温度上昇が起こりやすい。
マイクロ波は、パルス状に入/切させて照射することが好ましい。マイクロ波をパルス状に照射することにより、設定した加熱温度を保持することができ、また、硬化膜や基材へのダメージを避けることができる点で好ましい。パルス状のマイクロ波を1回に照射する時間は条件によって異なるが、概ね10秒以下が好ましい。
上述のパターン硬化膜の製造方法によれば、良好な感光特性を有する感光性樹脂組成物を得ることができ、また良好なパターン形状を有するパターン硬化膜が得られる。本実施形態に係る感光性樹脂組成物を使用することにより、従来は300℃以上を必要としていた上記の加熱工程において、200℃以下の低温でも硬化が可能である。さらに、本発明の感光性樹脂組成物から形成されるパターン硬化膜は、高いガラス転移温度を有する。従って、耐熱性に優れたパターン硬化膜となる。この結果、信頼性に優れた半導体装置等の電子デバイスを歩留まり良く高収率で得ることができる。
[半導体装置の製造工程]
次に、本発明のパターン硬化膜の製造方法の一例として、半導体装置の製造工程を図面に基づいて説明する。図1〜5は、多層配線構造を有する半導体装置の製造工程の一実施形態を示す概略断面図である。
まず、図1に示す構造体100を準備する。構造体100は、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1と、回路素子が露出する所定のパターンを有し半導体基板1を被覆するシリコン酸化膜等の保護層2と、露出した回路素子上に形成された第1導体層3と、保護層2及び第1導体層3上にスピンコート法等により成膜されたポリイミド樹脂等からなる層間絶縁層4とを備える。
次に、層間絶縁層4上に窓部6Aを有する感光性樹脂層5を形成することにより、図2に示す構造体200を得る。感光性樹脂層5は、例えば、塩化ゴム系、フェノールノボラック系、ポリヒドロキシスチレン系、ポリアクリル酸エステル系等の感光性樹脂を、スピンコート法により塗布することにより形成される。窓部6Aは、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁層4が露出するように形成される。
層間絶縁層4をエッチングして窓部6Bを形成した後に、感光性樹脂層5を除去し、図3に示す構造体300を得る。層間絶縁層4のエッチングには、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段を用いることができる。このエッチングにより、窓部6Aに対応する部分の層間絶縁層4が選択的に除去され、第1導体層3が露出するように窓部6Bが設けられた層間絶縁層4が得られる。次いで、窓部6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光性樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光性樹脂層5を除去する。
さらに、窓部6Bに対応する部分に第2導体層7を形成し、図4に示す構造体400を得る。第2導体層7の形成には、公知の写真食刻技術を用いることができる。これにより、第2導体層7と第1導体層3との電気的接続が行われる。
最後に、層間絶縁層4及び第2導体層7上に表面保護層8を形成し、図5に示す半導体装置500を得る。本実施形態では、表面保護層8は次のようにして形成する。まず、上述の実施形態に係る感光性樹脂組成物をスピンコート法により層間絶縁層4及び第2導体層7上に塗布し、乾燥して感光性樹脂膜を形成する。次に、所定部分に窓部6Cに対応するパターンを描いたマスクを介して光照射した後、アルカリ水溶液にて現像して感光性樹脂膜をパターン化する。その後、感光性樹脂膜を加熱により硬化して、表面保護層8としての膜を形成する。この表面保護層8は、第1導体層3及び第2導体層7を外部からの応力、α線等から保護するものであり、得られる半導体装置500は信頼性に優れる。
なお、上述の実施形態では2層の配線構造を有する半導体装置の製造方法を示したが、3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上述の工程を繰り返して行い、各層を形成することができる。すなわち、層間絶縁層4を形成する各工程、及び表面保護層8を形成する各工程を繰り返すことによって、多層のパターンを形成することが可能である。また、上記例において、表面保護層8のみでなく、層間絶縁層4も本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することが可能である。
[電子部品]
次に、本発明の電子部品について説明する。本発明の電子部品は、上述の製造方法によって形成されるパターン硬化膜を層間絶縁層又は表面保護層として有する。上記パターン硬化膜は、具体的には、半導体装置の表面保護層や層間絶縁層、多層配線板の層間絶縁層等として使用することができる。本発明の電子部品は、上述の感光性樹脂組成物を用いて形成される表面保護層や層間絶縁層を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
また、上述の感光性樹脂組成物は、応力緩和性、接着性等にも優れるため、近年開発された各種構造のパッケージにおける各種の構造材としても使用することができる。図6及び図7にそのような半導体装置の一例の断面構造を示す。
図6は、半導体装置の一実施形態としての配線構造を示す概略断面図である。図6に示す半導体装置600は、シリコンチップ23と、シリコンチップ23の一方面側に設けられた層間絶縁層11と、層間絶縁層11上に形成された、パッド部15を含むパターンを有するAl配線層12と、パッド部15上に開口を形成しながら層間絶縁層11及びAl配線層12上に順次積層された絶縁層13(例えばP−SiN層)及び表面保護層14と、表面保護層14上で開口近傍に配された島状のコア18と、絶縁層13及び表面保護層14の開口内でパッド部15と接するとともにコア18の表面保護層14とは反対側の面に接するように表面保護層14上に延在する再配線層16とを備える。さらに、半導体装置600は、表面保護層14、コア18及び再配線層16を覆って形成され、コア18上の再配線層16の部分に開口が形成されているカバーコート層19と、カバーコート層19の開口においてバリアメタル20を間に挟んで再配線層16と接続された導電性ボール17と、導電性ボールを保持するカラー21と、導電性ボール17周囲のカバーコート層19上に設けられたアンダーフィル22とを備える。導電性ボール17は外部接続端子として用いられ、ハンダ、金等から形成される。アンダーフィル22は、半導体装置600を実装する際に応力を緩和するために設けられている。
図7は、半導体装置の一実施形態としての配線構造を示す概略断面図である。図7の半導体装置700においては、シリコンチップ23上にAl配線層(図示せず)及びAl配線層のパッド部15が形成されており、その上部には絶縁層13が形成され、さらに素子の表面保護層14が形成されている。パッド部15上には、再配線層16が形成され、この再配線層16は、導電性ボール17との接続部24の上部まで伸びている。さらに、表面保護層14の上には、カバーコート層19が形成されている。再配線層16は、バリアメタル20を介して導電性ボール17に接続されている。
図6及び図7の半導体装置において、上述の感光性樹脂組成物は、層間絶縁層11や表面保護層14ばかりではなく、カバーコート層19、コア18、カラー21、アンダーフィル22等を形成するための材料として使用することができる。上述の感光性樹脂組成物を用いた硬化体は、Al配線層12や再配線層16等のメタル層(例えばCu、Au、Ni、Ti等)や封止剤等との接着性に優れ、応力緩和効果も高いため、この硬化体を表面保護層14、カバーコート層19、コア18、半田等のカラー21、フリップチップ等で用いられるアンダーフィル22等に用いた半導体装置は、極めて信頼性に優れるものとなる。
本発明の感光性樹脂組成物は、図6及び図7における再配線層16を有する半導体装置の表面保護層14及び/又はカバーコート層19に用いることが特に好適である。
前記表面保護層又は前記カバーコート層の膜厚は、3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。
以上のように、上述の感光性樹脂組成物を使用することにより、従来は300℃以上を必要としていた上記の加熱処理工程において、200℃以下の低温加熱を用いた硬化が可能である。前記加熱処理工程において、加熱温度は、100℃〜200℃が好ましく、150℃〜200℃がより好ましい。さらに、本発明の感光性樹脂組成物は、感光性ポリイミド等に見られた加熱処理工程における体積収縮(硬化収縮)が小さいため、寸法精度の低下を防ぐことができる。本発明の感光性樹脂組成物からなるパターン硬化膜は、高いガラス転移温度を有する。従って、耐熱性に優れた表面保護層及び層間絶縁層となる。この結果、信頼性に優れた半導体装置等の電子部品を歩留まり良く高収率で得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<感光性樹脂組成物の調製>
まず、(A)成分として下記A1及びA2を準備した。
A1:クレゾールノボラック樹脂(クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、m−クレゾール/p−クレゾール(モル比)=60/40、ポリスチレン換算重量平均分子量=13000、旭有機材工業社製、商品名「EP4020G」)を準備した。
A2:下記合成例1に記載の方法で準備した。
合成例1:炭素数4〜100の不飽和炭化水素基を有する化合物で変性されたフェノール樹脂(A2)の合成
フェノール100質量部、亜麻仁油43質量部及びトリフロオロメタンスルホン酸0.1質量部を混合し、120℃で2時間撹拌し、植物油変性フェノール誘導体(a)を得た。次いで、植物油変性フェノール誘導体(a)130g、パラホルムアルデヒド16.3g及びシュウ酸1.0gを混合し、90℃で3時間撹拌した。次いで、120℃に昇温して減圧下で3時間撹拌した後、反応液に無水コハク酸29g及びトリエチルアミン0.3gを加え、大気圧下、100℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応生成物である炭素数4〜100の不飽和炭化水素基を有する化合物で変性されたフェノール樹脂(以下、A2という。)を得た(酸価120mgKOH/g)。このA2のGPC法の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は約25,000であった。
(B)成分として、下記B1を準備した。
B1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約90%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名「TPPA528」)
(C)成分として、下記C1の熱架橋剤を準備した。
C1:ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン((株)三和ケミカル製、商品名「ニカラックMW−30HM」)
Figure 2013134346
(D)成分として、下記D1〜D4及びD’1の化合物を準備した。
D1:1,1−ビス(4-ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン
D2:1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン
D3:2,6−ビス[(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチル−1−ヒドロキシベンゼン
D4:1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン
D’1:ノボラック型フェノール樹脂
(E)成分として、E1のアクリル樹脂を用意した。
合成例2:アクリル樹脂E1の合成
攪拌機、窒素導入管及び温度計を備えた500mlの三口フラスコに、トルエン75g、イソプロパノール(IPA)75gを秤取し、別途に秤取したアクリル酸ブチル(BA)85g、ラウリルアクリレート(DDA)24g、アクリル酸(AA)14g、及び1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(商品名:FA−711MM、日立化成工業(株)社製)7.9gの重合性単量体、並びにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.13gを加えた。室温にて約270rpmの攪拌回転数で攪拌しながら、窒素ガスを400ml/分の流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、窒素ガスの流入を停止し、フラスコを密閉し、恒温水槽にて約25分で65℃まで昇温した。同温度を14時間保持して重合反応を行い、アクリル樹脂E1を得た。この際の重合率は98%であった。また、このE1のGPC法の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量(MW)を表1に示す。
Figure 2013134346
FA−711MM:1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(日立化成工業(株)製)
BA:アクリル酸n−ブチル
DDA:ラウリルアクリレート
AA:アクリル酸
(F)成分として(F1):トリメチルスルホニウムメチルスルフェート(フルオロケム製)を用意した。
Figure 2013134346
(H)成分として、H1のシラン化合物を準備した。
H1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン製、商品名「KBM−403」)
Figure 2013134346
(I)成分として、I1:乳酸エチルを準備した。
(実施例1〜7、比較例1〜3)
(A)〜(I)成分を表2に表示した所定の割合で配合した。この溶液を3μm孔のテフロン(登録商標)フィルターを用いて加圧ろ過して、実施例1〜7、比較例1〜3の感光性樹脂組成物の溶液を調製した。表2において、特に記載がない場合、単位は質量部である。
<感光特性(感度、解像度、現像性及び現像後の残渣)の評価>
実施例1〜7、比較例1〜3で得られた感光性樹脂組成物をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約12〜14μmの塗膜を形成した。次いで、i線ステッパー(キャノン製、商品名「FPA−3000i」)を用いて、マスクを介してi線(365nm)での縮小投影露光を行った。露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2.38%水溶液にて現像を行い、残膜厚が初期膜厚の80〜95%程度となるように現像を行った。その後、水でリンスし、パターン樹脂膜を得た。パターン形成に必要な最小露光量を感度として評価した。
また、現像性(現像後の残渣)の評価については、SEMを用いて開口部の残渣の有無を観察した。残渣が開口部の端面から0.5μm以内の場合をA、0.5〜1μmの場合をB、1μm以上の場合をCとした。
また、現像後の膜減りの評価については、現像後の未露光部の残膜率が95%以上をA、95%未満90%以上をB、それ90%未満をCとした。
以上の感光特性の結果は表2に示した。
<パターンメルトの評価>
上述の方法でパターン樹脂膜を縦型拡散炉(光洋サーモシステム製、商品名「μ−TF」)を用い、窒素中、温度175℃(昇温時間1.5時間)で2時間、塗膜を加熱処理(硬化)し、膜厚約10μmの硬化膜を得た。結果を表2に示した。
また、パターンメルトの評価については、加熱硬化後の最小開口径が15μm未満のものをA、15μm以上30μm未満のものをB、30μm以上のものをCとした。
<硬化膜物性(破断伸び及び弾性率)の評価>
実施例1〜7、比較例1〜3で得られた感光性樹脂組成物をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約12〜14μmの塗膜を形成した。前記の塗膜をプロキシミティ露光機(キャノン製、商品名「PLA−600FA」)を用いて、マスクを介して全波長で露光を行った。露光後、TMAHの2.38%水溶液を用いて現像を行い、10mm幅の矩形パターンを得た。その後、矩形パターンを縦型拡散炉(光洋サーモシステム製、商品名「μ−TF」)を用い、窒素中、温度175℃(昇温時間1.5時間)で2時間、塗膜を加熱処理(硬化)し、膜厚約10μmの硬化膜を得た。前記の方法で得た膜厚約10μmの硬化膜をシリコン基板から剥離し、剥離した膜の破断伸び(EL)及び弾性率(YM)を島津製作所社製「オートグラフAGS−H100N」によって測定した。試料の幅は10mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は20mmとした。引っ張り速度は5mm/分で、測定温度は室温(20℃〜25℃)程度とした。同一条件で得た硬化膜から得た5本以上の試験片の測定値の平均を「破断伸び(EL)」及び「弾性率(YM)」とした。得られた結果を表2に示す。
Figure 2013134346
実施例1〜7では現像後の残渣、膜減りが同時に抑制できた。さらに(D1)成分を用いた実施例1〜4では現像後の残渣、膜減りに加えて、パターンメルトも同時に抑制できる感光性樹脂組成物を提供することができた。実施例(D)成分を用いなかった比較例1では樹脂膜のアルカリ現像液に対する溶解性が低いため、感度が大幅に低下してしまった。また(D)成分の代わりにD’1を用いた比較例2及び3では現像後の残渣と膜減りの抑制を両立させることはできなかった。
本発明の感光性樹脂組成物は、電子デバイスに搭載される半導体素子の表面保護層及び層間絶縁膜や、半導体パッケージの再配線層の形成に用いることができる。
1…半導体基板、2…保護層、3…第1導体層、4…層間絶縁層、5…感光性樹脂層、6A,6B,6C…窓部、7…第2導体層、8…表面保護層、11…層間絶縁層、12…配線層、13…絶縁層、14…表面保護層、15…パッド部、16…再配線層、17…導電性ボール、18…コア、19…カバーコート層、20…バリアメタル、21…カラー、22…アンダーフィル、23…シリコンチップ、24…接続部、100,200,300,400…構造体、500,600,700…半導体装置。

Claims (14)

  1. (A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂と、
    (B)光により酸を生成する化合物と、
    (C)熱架橋剤と、
    (D)フェノール性低分子化合物とを含有する感光性樹脂組成物。
  2. (D)成分が一般式(1)〜(4)のいずれかで表される化合物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2013134346

    (式(1)〜(4)中、R〜Rは各々独立に水素基又はメチル基を示す。a〜c、h及びiは0〜3の整数を示し、d〜fは1〜3の整数を示し、aとdの合計は5以下であり、bとeの合計は5以下であり、cとfの合計は5以下であり、hとiの合計は4以下である。nは1又は2である。)
  3. (D)成分が、一般式(1)又は(3)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. (A)成分100質量部に対し、(D)成分を5〜35質量部含有する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. (A)成分がフェノール樹脂である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. (A)成分が、不飽和炭化水素基を有しないフェノール樹脂(A1)と不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂(A2)を含むものである、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. (A2)成分が、フェノール性水酸基と多塩基酸無水物との反応によって更に変性されているものである、請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. (B)成分がo−キノンジアジド化合物である、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. (E)アクリル樹脂を更に含有する、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. (F)熱酸発生剤を更に含有する、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 請求項1ないし10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、塗布された感光性樹脂組成物を乾燥して樹脂膜を形成する工程と、前記樹脂膜を露光する工程と、露光後の前記樹脂膜をアルカリ水溶液によって現像して、パターン樹脂膜を形成する工程と、前記パターン樹脂膜を加熱する工程と、を含有する、パターン硬化膜の製造方法。
  12. 前記パターン樹脂膜を加熱する工程における加熱温度が200℃以下である、請求項11に記載のパターン硬化膜の製造方法。
  13. 請求項11に記載のパターン硬化膜の製造方法により製造されるパターン硬化膜を層間絶縁層又は表面保護膜として有する電子部品。
  14. 請求項11に記載のパターン硬化膜の製造方法により製造されるパターン硬化膜をカバーコート層、コア、カラー、又はアンダーフィルとして有する電子部品。
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