JP2013134341A - 平版印刷版の製版方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)親水性表面を有する支持体上に、露光により硬化する画像形成層を含有するネガ型平版印刷版原版を画像様に露光する工程、(B)pH4〜10の現像液により、露光された前記ネガ型平版印刷版原版を現像する工程、(C)バーニング整面液により、現像済みの前記ネガ型平版印刷版原版を処理するバーニング整面液処理工程、および、(D)バーニング処理する工程、を含み、前記(B)現像工程と、前記(C)バーニング整面液処理工程との間隔が、1分以上10時間以下であり、且つその間に水洗工程及びガム引き工程を含まない。
【選択図】なし
Description
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(感光層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルムなどの原画を通した露光を行った後、画像部に対応する感光層を残存させ、非画像部に対応する不要な感光層をpH12以上の強アルカリ性現像液によって溶解除去し、親水性の支持体表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。こうして作成された平版印刷版をオフセット印刷機に取り付けて印刷すると多数枚の印刷物が得られる。
さらに紫外線硬化インキや低温乾燥インキなど、印刷版上の画像を溶解する成分を多く含む特殊な印刷インキで印刷した場合、バーニング処理を施さない通常の方法で製版された印刷版では画像部の溶出が激しく、耐刷枚数は普通のインキを使用した場合に比較して著しく低下するが、バーニング処理を施した場合には、画像部の耐溶剤性が極めて向上するので、上記の特殊印刷インキでも十分な枚数の印刷物を得ることができる。
このバーニング処理を行う場合、高温となった画像部から揮発、昇華などにより飛散した疎水性の有機物が非画像部(即ち、現像により親水性の支持体表面が露呈した部分)上に付着して、処理前には親水性であった印刷版の非画像部が親水性を失い、印刷インキを受容し汚れが生ずるようになるので、これを防ぐために、現像後〜バーニング処理の間に後述するような有機酸や界面活性剤を含有する整面液処理が通常行なわれる。この整面液処理は、アルカリ現像〜水洗〜ガム引きの工程を含む3浴型の自動現像機のガム工程ユニットにおいてガム液の代わりに整面液を用いて、現像直後に整面液処理を行ってもよいし、自動現像機から出てきた現像処理後の版をストッカーに集積しておいて翌日以降の印刷前に他の処理機にて整面液処理を行ってもよい。これによりその後のバーニング処理時に、疎水性の有機物が非画像部上に付着することを防ぐことができる。
上述したCTP技術に用いられるレーザー光源として、波長760〜1,200nmの赤外線を放射する半導体レーザーおよびYAGレーザー等の固体レーザーは、高出力かつ小型のものを安価に入手できるようになったことから、極めて有用である。また、UVレーザーも用いることができる。
これに対して、例えば、特許文献1には、親水性結合剤中に疎水性熱可塑性重合体粒子を分散させた感光層を親水性支持体上に設けた平版印刷版原版をガム液により現像する製版方法が記載されている。
特許文献2には、(i)親水性支持体、および(ii)ラジカル重合性エチレン性不飽和モノマー、ラジカル重合開始剤および増感色素を含有する感光層からなる平版印刷版原版を、バイオレットレーザーや赤外レーザーなどで画像様に露光した後、感光層の未硬化部分をガム液で除去する1浴処理の平版印刷版原版の処理方法が記載されている。
また、特許文献3には、ラジカル重合系感光層をバイオレットレーザーや赤外レーザーなどで画像様に露光した後、ガム液で現像するユニットを2つ以上連結して用い、かつ、バーニング整面液を現像ユニットに用いて現像し、その後連続してバーニング処理する製版方法が記載されている。
また、特許文献4には、ラジカル重合系感光層を赤外レーザー露光により硬化し、pH12未満、かつベンジルアルコールおよび特定構造の両性界面活性剤を含む溶剤含有現像液で未露光部を除去し、その後バーニング処理することからなる平版印刷版原版の製版方法が記載されている。
特許文献5には、ラジカル重合系感光層をレーザー露光により硬化し、アルカリ現像した後、水洗せずに整面液処理を行いバーニングする製版方法が記載されている。
しかし、このような微粒子の熱融着による画像形成を用いた平版印刷版原版をガム液で現像する方法は、現像性は極めて良好であるが感度や耐刷性が低く、かつ本技術を用いて1浴現像した版をバーニング処理して耐刷性を向上しようとしても、非画像部上にガム液と共に持ち出された熱融着微粒子が整面液処理で完全に取り切れず、その後のバーニング処理で非画像部上に融着してしまい著しく汚れ性に劣るという問題を有している。
特許文献2および3に記載された発明は、画像形成にラジカル重合を用いていることから感度、耐刷性は高く、1浴処理であるため水や薬品の使用量を大幅に削減可能であり、特許文献3にはさらに高耐刷とするためにバーニング処理することが開示されているが、これらに開示されている製版方法でバーニング処理を行うと、依然として非画像部の汚れ性が劣化してしまう問題が発生することがあった。
また、特許文献4に記載された発明では、感光層に水溶性または水分散性の低いバインダーポリマー等を用いていることから耐刷性がさらに高い。しかしながら、このような感光層を現像除去するために現像主剤として有機溶剤を含有しており、このためと思われるがこれに開示されている現像液を用いて1浴処理した場合、非画像部上に残存する現像液中の有機溶剤が揮発し現像除去成分が析出して基板上に付着し、印刷時の汚れ性が劣化してしまう問題があり、バーニング処理すると著しく汚れ性が劣化する問題を有している。
特許文献5に記載された発明は、アルカリ現像した後に水洗せずに整面液処理〜バーニング処理することが開示されているが、やはりアルカリ現像液と共に持ち出されたアルカリ可溶性のバインダーを整面液処理で完全には除去できず、依然として非画像部の汚れ性が劣化する問題を有している。
[1] 以下の工程、
(A)親水性表面を有する支持体上に、露光により硬化する画像形成層を含有するネガ型平版印刷版原版を画像様に露光する工程、
(B)pH4〜10の現像液により、露光された前記ネガ型平版印刷版原版を現像する工程、
(C)バーニング整面液により、現像済みの前記ネガ型平版印刷版原版を処理するバーニング整面液処理工程、および、
(D)バーニング処理する工程、
を含む平版印刷版の製版方法であって、
前記(B)現像する工程と、前記(C)バーニング整面液処理工程との間隔が、1分以上10時間以下であり、且つその間に水洗工程及びガム引き工程を含まないことを特徴とする平版印刷版の製版方法。
[2] 前記(B)現像工程と(C)バーニング整面液処理工程との間隔が、2分以上5時間以下である[1]の平版印刷版の製版方法。
[3] 前記(B)現像工程と(C)バーニング整面液処理工程との間隔が、3分以上3時間以下である[1]の平版印刷版の製版方法。
[4] 前記現像液が、pH6〜8である[1]〜[3]のいずれかの平版印刷版の製版方法。
[5] 前記画像形成層が、(i)ビニルカルバゾール化合物由来のモノマー単位を有するアクリル系重合体、および/またはウレタン‐アクリルハイブリッドポリマー、(ii)ブチラール樹脂、および(iii)疎水化前駆体の少なくともいずれかを含有する[1]〜[4]のいずれかの平版印刷版の製版方法。
[6] 前記画像形成層が、ブチラール樹脂を含有する[1]〜[4]のいずれかの平版印刷版の製版方法。
[7] 前記ブチラール樹脂が、トリメリット酸ビニルエステル由来のモノマー単位をさらに有する[6]の平版印刷版の製版方法。
[8] 前記画像形成層が、ビニルカルバゾール化合物由来のモノマー単位を有するアクリルポリマー、および/または、ウレタン−アクリルハイブリッドポリマーを含有する[1]〜[4]のいずれかの平版印刷版の製版方法。
[9] 前記アクリルポリマーが、アクリロニトリル由来のモノマー単位をさらに有する、[8]の平版印刷版の製版方法。
[10] 前記ウレタン−アクリルハイブリッドポリマーが、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、および、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートよりなる群から選ばれた化合物由来のモノマー単位を有する、[8]の平版印刷版の製版方法。
[11] 前記画像形成層が、疎水性熱可塑性ポリマー微粒子を含有する[1]〜[4]のいずれかの平版印刷版の製版方法。
[12] 前記疎水性熱可塑性ポリマー微粒子が、スチレンとアクリロニトリル由来のモノマー単位を有する共重合体である、[11]の平版印刷版の製版方法。
[13] 前記画像形成層が、350〜450nmの波長域に感光性を有し、前記(B)画像露光工程がバイオレットレーザー光の照射により行われる、[1]〜[12]のいずれかの平版印刷版の製版方法。
[14] 前記画像形成層が、750〜1400nmの波長域に感光性を有し、前記(B)画像露光工程が赤外レーザー光の照射により行われる、[1]〜[12]のいずれかの平版印刷版の製版方法。
(A)親水性表面を有する支持体上に画像形成層を有するネガ型平版印刷版原版を画像様に露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)、
(B)pH4〜10の現像液により露光された前記ネガ型平版印刷版原版を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう。)、
(C)現像された前記平版印刷版をバーニング整面液により処理する工程(以下、「バーニング整面液処理工程」ともいう。)、および、
(D)バーニングする工程、を含み、
現像工程〜バーニング整面液処理工程までの時間が1分以上10時間以下であって、かつその間に水洗工程やガム引き工程を含まないことを特徴とする。
なお、本明細書では、現像工程〜バーニング整面液処理工程までの時間とは、未露光部の画像形成層が除去される時点から、バーニング整面液が平版印刷版に接触するまでの時間のことを言う。
また、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限および下限を含む数値範囲を表す。
また、本発明において、特に断りの無い限り、「基」とは、置換および無置換の双方を意味するものであり、例えば、「アルキル基」は無置換のアルキル基のみならず、置換アルキル基をも意味するものである。
本発明の平版印刷版の製版方法は、支持体上に画像形成層を有するネガ型平版印刷版原版を画像様に露光する工程(露光工程)を含む。
後述する現像工程に先立って、前記露光工程を行う。前記露光工程においては、前記原版作製工程において得られたネガ型平版印刷版原版を、線画像、網点画像等を有する透明原画を通して露光するかデジタルデータによるレーザー光走査等で画像様に露光することが好ましい。
なお、本発明における「画像」とは、図形、絵写真などのような狭義の画像のほか、文字、数字、記号などをも含む概念であり、それらが混在しているものも含むものとする。
露光に好適な光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタルハイラドランプ、ストロボ、LED、レーザー光線などが挙げられる。特にレーザー光線が好ましく、760〜1,200nmの赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザー、350〜450nmの光を放射する紫外〜可視光半導体レーザー、可視光を放射するアルゴンイオンレーザー、FD−YAGレーザー、バイオレットレーザーなどが挙げられる。
望ましい光源の波長は350nmから450nmであり、具体的にはInGaN系半導体レーザーが波長特性、コストの面で好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。また、350nm〜450nmの入手可能なレーザー光源としては、特開2007−58170号公報に記載のものを利用することができる。
また、製版の簡易化の点からは、白灯または黄色灯下で作業を行うことができる赤外線を放射するレーザーを用いることも好ましい。赤外レーザーに関しては、出力は100mW以上であることが好ましく、1画素当たりの露光時間は20μs以内であることが好ましく、また、照射エネルギー量は10〜300mJ/cm2であることが好ましい。露光時間を短縮するためマルチビームレーザーデバイスを用いることが好ましい。
本発明に用いられる平版印刷版原版は、画像露光した領域が硬化して画像部となり、未露光部が前述のような現像処理によって除去されることにより非画像部を形成するネガ型の画像形成能を有する。なお、本発明において、「支持体上に画像形成層を有する」とは、支持体上に画像形成層が直接接して設けられていても、支持体と画像形成層との間に他の層が設けられていてもよく、平版印刷版原版において所望により設けられる保護層、下塗り層、中間層、バックコート層など任意の層の存在を否定するものではない。
本発明に用いられる平版印刷版原版の画像形成層の代表的な画像形成機構としては、(1)(A)増感色素、(B)ラジカル重合開始剤、および(C)重合性化合物を含有し、露光領域がラジカル重合により硬化して画像部を形成する態様、および、(2)(A)増感色素、および、(D)疎水化前駆体を含有して、疎水化前駆体の熱融着や熱反応を利用して疎水性領域(画像部)を形成する態様を挙げることができる。これら(1)(2)の態様はさらに(E)バインダーポリマーを含有することができる。また、上記二つの態様が混合したものでもよい。
このうち、前記画像形成層は(1)のラジカル重合系画像形成層に(E)バインダーポリマーを含有する態様が好ましい。
以下に、画像形成層に含まれる各成分について、順次説明する。
本発明の画像形成層は、増感色素を含有することが好ましい。増感色素は、画像露光時の光を吸収して励起状態となり、後述する重合開始剤に電子移動、エネルギー移動または発熱などでエネルギーを供与し、重合開始機能を向上させるものであれば特に限定せず用いることができる。特に、300〜450nmまたは750〜1400nmに極大吸収を有する増感色素が好ましく用いられる。
式(VI)中、R15〜R32は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。但し、R15〜R24の少なくとも一つは炭素数2以上のアルコキシ基を表す。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。さらに、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい例として下記一般式(a)で示されるシアニン色素が挙げられる。
本発明における画像形成層は、重合開始剤(以下、開始剤化合物とも称する)を含有する。本発明においては、ラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物は、300〜450nmに極大吸収を有する増感色素と併用して用いられることが特に好ましい。
本発明における画像形成層中の重合開始剤の使用量は画像形成層全固形分の重量に対し、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.1〜15重量%である。さらに好ましくは1.0重量%〜10重量%である。
本発明における画像形成層に用いる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物などの化学的形態をもつ。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらにハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
(ただし、R4およびR5は、HまたはCH3を示す。)
本発明における疎水性化前駆体としては、熱が加えられたときに画像形成層を疎水性に変換できる微粒子が挙げられる。この微粒子としては、疎水性熱可塑性ポリマー微粒子、および熱反応性ポリマー微粒子から選ばれる少なくともひとつの粒子が好ましく、疎水性熱可塑性ポリマー微粒子がより好ましい。
詳細なメカニズムについては不明であるが、疎水性熱可塑性ポリマー微粒子を画像形成層に含ませることで、現像後1分以上10時間(好ましくは、2分以上5時間以下、より好ましくは3分以上3時間以下)の間にバーニング整面液処理を行えば、現像除去成分の版面再付着は発生せず、バーニング時の疎水性有機物の固着を回避でき、高耐刷が望めるバーニング処理を行う際も、水や薬品の使用量削減の効果が大きい1液処理が可能となる。
このようなポリマー微粒子を構成するポリマーの具体例としては、エチレン、スチレン、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ビニルカルバゾールなどのモノマーのホモポリマーもしくはコポリマーまたはそれらの混合物を挙げることができる。その中で、より好適なものとして、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリルを挙げることができる。
疎水化前駆体として用いうる前記粒子サイズ分布の極大値が0.01〜2.0μmの疎水性熱可塑性ポリマー微粒子の合成方法としては、乳化重合法、懸濁重合法が挙げられ、その他に、これら化合物を非水溶性の有機溶剤に溶解し、これを分散剤が入った水溶液と混合乳化し、さらに熱をかけて、有機溶剤を飛ばしながら微粒子状に固化させる方法(溶解分散法)がある。
熱硬化性ポリマーとしては、フェノール骨格を有する樹脂、尿素系樹脂(例えば、尿素またはメトキシメチル化尿素など尿素誘導体をホルムアルデヒドなどのアルデヒド類により樹脂化したもの)、メラミン系樹脂(例えば、メラミンまたはその誘導体をホルムアルデヒドなどのアルデヒド類により樹脂化したもの)、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。なかでも、特に好ましいのは、フェノール骨格を有する樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびエポキシ樹脂である。
このような熱硬化性ポリマー微粒子は、公知の溶解分散法で容易に得られるが、熱硬化性ポリマーを合成する際に微粒子の形態をとるようにして作製することも可能である。熱硬化性ポリマー微粒子の製造方法はこれらに限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。
重合時に導入する場合は、上記の官能基を有するモノマーを乳化重合または懸濁重合ることが好ましい。上記の官能基を有するモノマーの具体例として、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、2−(ビニルオキシ)エチルメタクリレート、p−ビニルオキシスチレン、p−{2−(ビニルオキシ)エチル}スチレン、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、2−イソシアナートエチルメタクリレートまたはそのアルコールなどによるブロックイソシアナート、2−イソシアナートエチルアクリレートまたはそのアルコールなどによるブロックイソシアナート、2−アミノエチルメタクリレート、2−アミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、2官能アクリレート、2官能メタクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の画像形成層はバインダーポリマーを好ましく有することができる。バインダーポリマーとしては、画像形成層成分を支持体上に担持可能であり、現像液により除去可能であるものが用いられる。バインダーポリマーとしては、(メタ)アクリル系重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが用いられる。特に、(メタ)アクリル系重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が好ましく用いられる。
本発明の画像形成層は、(i)ビニルカルバゾール化合物由来のモノマー単位を有するアクリル系重合体、および/またはウレタン‐アクリルハイブリッドポリマー、(ii)ブチラール樹脂、および(iii)疎水化前駆体の少なくともいずれかを含有することが好ましい。
「ポリビニルブチラール樹脂」は、ポリ酢酸ビニルを一部または全てを鹸化して得られるポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを酸性条件下で反応(アセタール化反応)させて合成されるポリマーのことを言い、さらに、残存したヒドロキシ基と酸基等有する化合物を反応させ方法等により、酸基等を導入したポリマーも含まれる。
本発明においては、下記のようなブチラール樹脂が好ましく用いられる。その中でも酸基を導入したポリビニルブチラール樹脂が最も好ましく用いられる。詳細なメカニズムについては不明であるが、ブチラール樹脂を画像形成層に含ませることで、現像後1分以上10時間(好ましくは、2分以上5時間以下、より好ましくは3分以上3時間以下)の間にバーニング整面液処理を行えば、現像除去成分の版面再付着は発生せず、バーニング時の疎水性有機物の固着を回避でき、高耐刷が望めるバーニング処理を行う際も、水や薬品の使用量削減の効果が大きい1液処理が可能となる。
Ra,Rb,Rc,Rd,Re,Rfの好ましい置換基としては、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアリール基が挙げられる。さらに好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基などの直鎖アルキル基、カルボン酸が置換したアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、カルボン酸が置換したフェニル基が挙げられる。RcおよびRd、ReおよびRfはそれぞれ環構造を形成することができる。Rc,とReの結合する炭素原子およびRdとRfの結合する炭素原子間の結合は、単結合または二重結合または芳香族性二重結合であり、二重結合または芳香族性二重結合の場合、Rc‐RdまたはRe−RfまたはRc−RfまたはRe−Rdはそれぞれ結合して単結合を形成する。
置換基としては、水素原子を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アシル基、カルボキシル基およびその共役塩基基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
本発明の画像形成層は、1種または2種以上のビニルカルバゾール化合物由来のモノマー単位を有するアクリルポリマー(ビニルカルバゾールポリマー)および/またはウレタン−アクリルハイブリッドポリマーを含むことが特に好ましい。詳細なメカニズムについては不明であるが、これらポリマーを画像形成層に含ませることで、現像後1分以上10時間(好ましくは、2分以上5時間以下、より好ましくは3分以上3時間以下)の間にバーニング整面液処理を行えば、現像除去成分の版面再付着は発生せず、バーニング時の疎水性有機物の固着を回避でき、高耐刷が望めるバーニング処理を行う際も、水や薬品の使用量削減の効果が大きい1液処理が可能となる。
ビニルカルバゾールポリマーにおけるビニルカルバゾール由来のモノマー単位の含有量は、全モノマー単位中、2〜50モル%であることが好ましく、より好ましくは5〜30モル%であり、さらに好ましくは8〜15モル%である。
また、前記画像形成層中には、層中に均一に分散される、ウレタン−アクリルハイブリッドポリマーを含むことも好ましい。このハイブリッドポリマーは、粒子形状であることがさらに好ましい。このハイブリッドポリマーの重量平均分子量は、5万〜50万であることが好ましく、その粒子の面積分布の平均直径が、10〜10000nmであることが好ましく、100〜1000nmであることがより好ましく、300〜500nmであることがさらに好ましい。
これらのハイブリッドポリマーは、製造原料の構造により、芳香族であってもよく、脂肪族であってもよい。また、2つ以上のウレタン−アクリルハイブリッドポリマー粒子を混合して用いてもよい。例えば、Hybridur 570ポリマー分散物と、Hybridur 870ポリマー分散物を混合して使用可能である。
a)疎水性骨格に直接結合したペンダントシアノ基を有する反復単位、および、
b)ポリ(アルキレンオキシド)セグメントを含んでなるペンダント基を有する反復単位。
これらのバインダーポリマーは、ポリ(アルキレンオキシド)セグメント、好ましくはポリ(エチレンオキシド)セグメントを含んでなる。これらのバインダーポリマーは、主鎖ポリマーおよびポリ(アルキレンオキシド)側鎖を有するグラフトコポリマーでも、(アルキレンオキシド)含有構成繰り返し単位のブロックと非(アルキレンオキシド)含有反復単位のブロックとを有するブロックコポリマーでもよい。グラフトコポリマーおよびブロックコポリマーのどちらも、さらに、疎水性骨格に直接結合したペンダントシアノ基を有していてもよい。アルキレンオキシド構成単位は、炭素数1〜6のアルキレンオキシド基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキレンオキシド基であることがより好ましい。アルキレン部分は、直鎖状でも、分岐状でも、それらの置換体でもよい。ポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)セグメントが好ましく、ポリ(エチレンオキシド)セグメントが最も好ましい。
A)アクリロニトリル、メタクリロニトリルまたはこれらの組み合わせ、
B)アクリル酸またはメタクリル酸のポリ(アルキレンオキシド)エステル、例えばポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエステルメタクリレートまたはこれらの組み合わせ、および、
C)必要に応じて、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、ヒドロキシスチレン、アクレートエステル、メタクリレートエステル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのモノマー、または、かかるモノマーの組み合わせ。
バインダーポリマーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。バインダーポリマーの含有量は、良好な画像部の強度と画像形成性の観点から、画像形成層の全固形分に対して、5〜75重量%が好ましく、10〜70重量%がより好ましく、10〜60重量%であるのがさらに好ましい。
また、重合性化合物およびバインダーポリマーの合計含有量は、画像形成層の全固形分に対して、80重量%以下であることが好ましい。80重量%を超えると、感度の低下、現像性の低下を引き起こす場合がある。より好ましくは35〜75重量%である。
画像形成層は、さらに連鎖移動剤を含有することが好ましい。連鎖移動剤としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。
画像形成層には、特に、チオール化合物(例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類、2−メルカプトベンズチアゾール類、2−メルカプトベンズオキサゾール類、3−メルカプトトリアゾール類、5−メルカプトテトラゾール類、等)を連鎖移動剤として好ましく用いることができる。
画像形成層には、さらに、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、現像性の促進および塗布面状を向上させるための界面活性剤、現像性と耐刷性両立の為のマイクロカプセル、現像性の向上やマイクロカプセルの分散安定性向上などのための親水性ポリマー、画像部と非画像部を視認するための着色剤や焼き出し剤、画像形成層の製造中または保存中のラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するための重合禁止剤、酸素による重合阻害を防止するための高級脂肪誘導体、画像部の硬化皮膜強度向上のための無機微粒子、現像性向上のための親水性低分子化合物、感度向上の為の共増感剤や連鎖移動剤、可塑性向上のための可塑剤等を添加することができる。これの化合物はいずれも公知のものを使用でき、例えば、特開2007−206217〔0161〕〜〔0215〕に記載の化合物を使用することができる。
画像形成層は、必要な上記各成分を溶剤に分散または溶解して塗布液を調製し、塗布して形成される。ここで使用する溶剤としては、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、γ−ブチルラクトン等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独または混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50重量%である。
本発明の平版印刷版原版には、露光時の重合反応を妨害する酸素の拡散侵入を遮断するため、画像形成層上に保護層(酸素遮断層)が設けられることが好ましい。保護層に使用できる材料としては例えば、比較的結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状な親水性支持体であればよい。特に、アルミニウム板が好ましい。アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。これらの処理については、特開2007−206217号公報〔0241〕〜〔0245〕に記載された方法を好ましく用いることができる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜 1.2μmであるのが好ましい。この範囲内で、画像形成層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲内で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましく、0.2〜0.3mmであるのがさらに好ましい。
本発明の平版印刷版原版においては、非画像部領域の親水性を向上させ印刷汚れを防止するために、支持体表面の親水化処理を行ったり、支持体と画像形成層との間に下塗り層を設けることも好適である。
これらの化合物は低分子でも高分子ポリマーであってもよい。特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物などが好適に挙げられる。
最も好ましい下塗り層としては、特開2005−238816号、特開2005−125749号、特開2006−239867号、特開2006−215263号の各公報記載の架橋性基(好ましくは、エチレン性不飽和結合基)、支持体表面に相互作用する官能基および親水性基を有する低分子または高分子化合物を含有するものが挙げられる。
支持体に表面処理を施した後または下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si(OC4H9)4等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
本発明の平版印刷版の製版方法は、pH4〜10である現像液により、露光された前記ネガ型平版印刷版原版を現像する工程(現像工程)を含み、現像後の水洗工程やガム引き工程を含まない。
本発明の平版印刷版の製版方法に使用される現像液は、pH4〜10に調整されていれば、いかなる現像液でも使用可能である。具体的には、欧州特許第1342568号明細書、国際公開第05/111727号パンフレット、国際公開第07/057349号パンフレット、に記載されているような界面活性剤や親水性ポリマーの水溶液、米国特許出願公開第2010/0216067号明細書、国際公開第08/027227号パンフレット、に記載されているような有機溶剤を界面活性剤で可溶化させた水溶液、特開2009−086344号公報、に記載されているような炭酸塩水溶液、などが挙げられる。
本発明の現像液は、以下の界面活性剤(アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性等)を含有してもよい。
特に、置換基を有してもよいアルキルジメチルアミンオキシド、置換基を有してもよいアルキルカルボキシベタイン、置換基を有してもよいアルキルスルホベタインが好ましく用いられる。これらの具体例は、特開2008−203359号公報〔0255〕〜〔0278〕、特開2008−276166号公報〔0028〕〜〔0052〕等に記載されているものを用いることができる。
これらは、花王(株)製「アンヒトール」シリーズ、川研ファインケミカル(株)製「ソフタゾリン」シリーズ、竹本油脂(株)製「パイオニンC」シリーズ、東邦化学工業(株)製「ソフタミン」シリーズ、「オバゾリン」シリーズ、などの市販品として入手可能である。
界面活性剤の現像液中における含有量は、0.5〜20重量%以下であることが好ましい。1重量%以上であると非画像部画像形成層の現像性が良好となり、20重量%以下であると現像後の平版印刷版表面のベタツキが許容となる。1〜15重量%含有することがより好ましく、現像液中に3〜10重量%含有することが最も好ましい。
画像形成層現像除去後の非画像部表面保護などの目的で、前記現像液には、水溶性高分子化合物を含有してもよい。
本発明に用いることができる水溶性高分子化合物としては、大豆多糖類、澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)およびその変性体、プルラン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
水溶性高分子化合物の好ましい酸価は、0〜3.0meq/gである。
変性澱粉は、酸または酵素等で1分子当たりグルコース残基数5〜30の範囲で分解し、さらにアルカリ中でオキシプロピレンを付加する方法等で作製することができる。
澱粉誘導体としては、ブリティッシュガム等の焙焼澱粉、酵素デキストリンおよびシャーディンガーデキストリン等の酵素変成デキストリン、可溶化澱粉に示される酸化澱粉、変成アルファー化澱粉および無変成アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、燐酸澱粉、脂肪澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン酸澱粉およびカルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、カルボキシアルキル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、スルホアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉、ジアルキルアミノ澱粉等のエーテル化澱粉、メチロール架橋澱粉、ヒドロキシアルキル架橋澱粉、燐酸架橋澱粉、ジカルボン酸架橋澱粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリロアミド共重合体、澱粉ポリアクリル酸共重合体、澱粉ポリ酢酸ビニル共重合体、澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、カオチン性澱粉ポリアクリル酸エステル共重合体、カオチン性澱粉ビニルポリマー共重合体、澱粉ポリスチレンマレイン酸共重合体、澱粉ポリエチレンオキサイド共重合体、澱粉ポリプロピレン共重合体等の澱粉グラフト重合体が好ましい。
水溶性高分子化合物は、2種以上を併用することもできる。
水溶性高分子化合物の現像液中における含有量は、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。
pHの調整、非画像部画像形成層の溶解を補助する目的で、補足的にアルカリ剤を含有してもよい。アルカリ剤としては、例えば炭酸塩または炭酸水素塩や、有機アルカリ剤を挙げることができる。炭酸塩および炭酸水素塩は、特に限定されないが、アルカリ金属塩であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。また、有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。これらのアルカリ剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明においては、現像性を補助する目的で現像液中に有機溶剤を含んでも良い。
有機溶剤を含むことによって現像性がさらに良好となるが、一方で有機溶剤によって可溶化していた現像除去成分は、現像後の非画像部上に付着した現像液の有機溶剤が揮発すると、印刷汚れの発生原因となる。従って、現像性が問題なければ、有機溶剤は含有量が少ない方が品質上も環境上も好ましい。好ましい含有量は、3重量%以下であり、さらに好ましくは1重量%以下、最も好ましくは実質的に含有しないことである。
本発明に使用可能な有機溶剤として具体的には、1−ペンタノール(2.7g/100ml)、2−ペンタノール(4.5g/100ml)、3−ペンタノール(5.2g/100ml)、2−メチル−1−ブタノール(3.0g/100ml)、3−メチル−1−ブタノール(2.7g/100ml)、3−メチル−2−ブタノール(5.6g/100ml)、ネオペンチルアルコール(3.5g/100ml)、4−メチル−2−ペンタノール(2.0g/100ml)、ベンジルアルコール(4.0g/100ml)、エチレングリコールモノフェニルエーテル(2.7g/100ml)、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル(4.4g/100ml)、酢酸プロピル(1.6g/100ml)、酢酸イソプロピル(4.3g/100ml)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(6.5g/100ml)、ジエチルケトン(1.7g/100ml)、2−ペンタノン(4.0g/100ml)、メチルイソブチルケトン(1.9g/100ml)である。これらは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
湿潤剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等が好適に用いられる。
湿潤剤は1種単独で用いてもよいが、2種以上併用してもよい。
湿潤剤は、前記現像液の全重量に対し、0.1〜5重量%の量で使用されることが好ましい。
防腐剤としては、フェノールまたはその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、第四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール等が好ましく使用できる。種々のカビ、殺菌に対して効力のあるように2種以上の防腐剤を併用することが好ましい。
防腐剤の含有量は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、現像液に対して0.01〜4重量%の範囲が好ましい。
キレート化合物としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることができる。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。
キレート剤は現像液中に安定に存在し、印刷性を阻害しないものが好ましく選ばれる。
キレート剤の含有量は、現像液の全重量に対して、0.001〜1.0重量%であることが好ましい。
消泡剤としては、一般的なシリコーン系の自己乳化タイプ、乳化タイプ、ノニオン系のHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)の5以下等の化合物を使用することができる。シリコーン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型および可溶化等がいずれも使用できる。
消泡剤の含有量は、現像液の全重量に対して、0.001〜1.0重量%の範囲が好ましい。
有機酸としては、クエン酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、サリチル酸、カプリル酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸などが挙げられる。有機酸は、そのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の形で用いることもできる。
有機酸の含有量は、現像液の全重量に対して、0.01〜0.5重量%が好ましい。
無機酸および無機塩としては、リン酸、メタリン酸、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケルなどが挙げられる。
無機酸および無機塩の含有量は、現像液の全重量に対して、0.01〜0.5重量%が好ましい。
本発明の現像液は上記成分を水中に溶解、または可溶化して用いる。
ここで水とは、純水、蒸留水、イオン交換水、水道水などを指し、また如何なる硬度の水でも使用可能である。
本現像液における水の含有量は、50重量%以上であることが好ましい。
回転ブラシロールとしては、ブラシ素材をプラスチックまたは金属のロールに植え付けて形成された公知のものが使用できる。例えば、特開昭58−159533号公報、特開平3−100554号公報に記載のものや、実公昭62−167253号公報に記載されているような、ブラシ素材を列状に植え込んだ金属またはプラスチックの溝型材を芯となるプラスチックまたは金属のロールに隙間なく放射状に巻き付けたブラシロールが使用できる。
ブラシ素材としては、プラスチック繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6.6、ナイロン6.10等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリアクリル系、および、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系の合成繊維)を使用することができ、例えば、繊維の毛の直径は、20〜400μm、毛の長さは、5〜30mmのものが好適に使用できる。
回転ブラシロールの外径は、30〜200mmが好ましく、版面を擦るブラシの先端の周速は、0.1〜5m/secが好ましい。
入手可能なフィルターとして、アドバンテック東洋(株)製のカートリッジフィルター「TCWタイプ」、「TCPタイプ」、「TCSタイプ」などが好ましく用いられる。
フィルターのメッシュ径としては、5〜500μmが好ましく、10〜200μmがより好ましく、20〜100μmがさらに好ましい。
ここで言う水洗工程、ガム引き工程とは、一般的な3浴現像システムにおいて、現像工程の後に行われているものを指す。水洗工程は、一般に現像除去成分の版面再付着に起因する印刷汚れを抑制するため、またバーニング時にこれらの版面再付着成分が非画像部上に固着することに起因する印刷汚れを抑制するために行われる工程である。一般の水道水、井水、イオン交換水、蒸留水など如何なる水を使用することが公知であり、また、前記水洗工程に用いられる水は、常に新鮮水を使用するか、水洗工程で使用された水を、前述のようなフィルターを通して循環させて再使用することも公知である。
一方でこのガム引き工程によって、画像部表面が不感脂化されてインキ着肉性が劣化する問題も散見されている。
前記乾燥工程は、ローラーニップで現像液のほとんどを除去した後に、任意の温度の乾燥風を吹き付けることにより行われることが好ましい。
本発明の平版印刷版の製版方法は、バーニング整面液により、現像済みのネガ型平版印刷版原版を処理する工程を含む。
界面活性剤は、本発明に使用されるバーニング整面液が平版印刷版の表面に均一に塗布されるのを助けると共に、バーニング処理による非画像部の汚れ発生を抑える作用も一部有している。好ましい界面活性剤はアニオン界面活性剤であり、中でもアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のアルデヒド縮合物、α−オレフィンスルホネート等のスルホン酸基含有界面活性剤や、ラウリル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル系界面活性剤が特に好ましい。界面活性剤はバーニング整面液中に0.05〜10重量%の範囲で含有させるのが適しており、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
本発明のバーニング整面液には必要に応じて酸、アルカリまたは塩を、pH調整用として使用できる。酸としては鉱酸および有機酸を使用することができる。たとえば硝酸、硫酸、リン酸のような鉱酸、クエン酸、コハク酸、蓚酸、酒石酸、酢酸、リンゴ酸のような有機酸、これらの酸のカリウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩またはアンモニウム塩、あるいはアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等が挙げられる。
これらの酸、塩、およびアルカリはバーニング整面液のpHを2〜10、好ましくはpH3〜8の範囲となる量で含有させることができる。
さらに、バーニング整面液には微量のアラビアゴム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、並びにポリアクリル酸、ポリメタクリル酸およびこれらの塩(例えばナトリウム塩など)のような水溶性高分子物質、色素、消泡剤、湿潤剤、防腐剤などを添加することもできる。
本発明の平版印刷版の製版方法は、ネガ型平版印刷版原版をバーニング整面液で処理した後バーニング処理する工程を含む。
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
・PEGMA:Sigma-Aldrich社(St. Louis, Missouri)から入手可能なポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレートの50重量%水溶液、数平均分子量(Mn)〜2,080
・Hybridur 580:Air Products and Chemicals社より入手可能なウレタン−アクリルハイブリッドポリマー分散液(40%)
・Hybridur 870:Air Products and Chemicals社より入手可能なウレタン−アクリルハイブリッドポリマー分散液(40%)
・SR399:サートマー・ジャパン(株)から入手可能なジペンタエリスリトールペンタアクリレート
・NK−Ester A−DPH:中村合成化学工業(株)から入手可能なジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・CD9053:サートマー・ジャパン(株)から入手可能な3官能有機酸のエステル化合物
・Fluor N2900:Cytnix社より入手可能な界面活性剤
・Masurf FS−1520:Mason Chemical社から入手可能なフッ化アルキル基含有両性界面活性剤
マグネチックスターラー、ウォーターバス、およびN2入口を備えた三口フラスコ内に、AIBN(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、Vazo−64、Du Pont社製、1.6部)、メチルメタクリレート(20部)、アクリロニトリル(24部)、N−ビニルカルバゾール(20部、Polymer Dajac社製)、メタクリル酸(16部)、および、ジメチルアセトアミド(DMAC、320部)を入れた。反応混合物を60℃まで加熱し、そしてN2保護下で一晩(16時間)にわたって撹拌した。これにより、バインダーポリマー3のDMAC20%溶液を得た。
バインダーポリマー3の組成は、メチルメタクリレート/アクリロニトリル/N−ビニルカルバゾール/メタクリル酸=21/48/11/20(モル比)であり、テトラヒドロフラン中で、ゲル透過クロマトグラフィを用いて分子量を測定したところ、Mw(重量平均分子量)は約52,000であった。
上記のようにして合成したバインダーポリマー3のDMAC溶液を200部量り取り、これに、水(20部)中の水酸化カリウム(2.6部)をゆっくりと添加し、粘性液体を形成した。混合物を10分間にわたって撹拌した後、臭化アリル(6.7部)を添加し、そして混合物を3時間にわたって55℃で撹拌した。DMAC(20部)中の36%濃塩酸(6部)をフラスコに添加し、そして反応混合物をさらに3時間にわたって撹拌した。結果として生じた反応混合物を次いで、12,000部の氷水と20部の濃塩酸との混合物中に、撹拌しながらゆっくりと滴下した。結果として生じた沈殿物を濾過し、1,608部のプロパノールで洗浄し、これに続いて2,000部の水で洗浄した。濾過後に白い粉末を得た。粉末を室温(10〜25℃)で一晩にわたって、次いで50℃で3時間にわたって乾燥させることにより、約40部のバインダーポリマー4の固形物を得た。
バインダーポリマー4の組成は、メチルメタクリレート/アクリロニトリル/N−ビニルカルバゾール/メタクリル酸アリル=21/48/11/20(モル比)であり、前記と同様にして測定したMwは約57,000であった。
アクリロニトリルを使用せず、メチルメタクリレートの量を65部にし、DMACの量を400部にした以外は、上記のバインダーポリマー3の合成と同様にして、バインダーポリマー5のDMAC20%溶液を得た。
バインダーポリマー5の組成は、メチルメタクリレート/N−ビニルカルバゾール/メタクリル酸=69/11/20(モル比)であり、前記と同様にして測定したMwは約55,000であった。
N−ビニルカルバゾールを使用せず、メチルメタクリレートの量を30部にし、DMACの量を280部にした以外は、上記のバインダーポリマー3の合成と同様にして、バインダーポリマー6のDMAC20%溶液を得た。
バインダーポリマー6の組成は、メチルメタクリレート/アクリロニトリル/メタクリル酸=32/48/20(モル比)であり、前記と同様にして測定したMwは約50,000であった。
加熱マントル、温度調節器、メカニカルスターラー、還流冷却器、滴下ロート、窒素供給口を備えた4口スリガラスフラスコに、DMAC(100.7部)とPEGMA(50%水溶液、20部)を入れ、窒素気流下で反応混合物を80℃まで加熱した。予め混合した、DMAC(125部)、ビニルカルバゾール(25部)、アクリロニトリル(35部)、スチレン(20部)、メタクリル酸(10部)、および、AIBN(0.5部、Vazo−64)を2時間掛けて80℃で添加し、その後、1.25部のVazo−64を添加しながら続けて15時間反応を行った。不揮発分の定量測定からモノマー反応率は99%以上であった。得られたポリマー溶液を、高速で撹拌している6,000部の水/氷(3:1)を用いて再沈させ、沈殿したポリマー粉末をろ過し、その後室温で24時間、43℃で2日間乾燥させ、バインダーポリマー7の粉末を得た。収率は95%で、酸価は69mgKOH/g(理論値:65)であった。
バインダーポリマー7の組成は、PEGMA/アクリロニトリル/ビニルカルバゾール/スチレン/メタクリル酸=0.5/60/12/17/11(モル比)であり、前記同様にして測定したMwは約100,000であった。
Formrez55〜56(Witco Chemical社から入手可能なポリオールであるポリ(ネオペンチルアジペート)、Mw約2,000)(100部)を窒素パージした反応器に充填した。これにメチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(90.6部)、および、スズ触媒の10%DABCO T−12(Air Products and Chemicals社から入手可能なジブチルスズジラウレート)(0.25部)を添加した。この混合物を92℃で3時間撹拌した。一定に撹拌しながら、ジメチロールプロピオン酸(14.8部)を添加し、次いで、1−メチル−2−ピロリジノン(54.6部)を添加した。混合物を92℃でさらに5時間保持した。
プレポリマーを75℃に冷却し、ブチルメタクリレート(141.6部)、および、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(0.88部)を添加した。混合物を15分撹拌した後、遊離NCO%を測定したところ、NCO量はほぼ0%であった。次に、混合物を25℃に冷却し、トリエチルアミン(10.66部)を添加し、1時間反応させた。中和した後、プレポリマー/モノマー混合物を脱イオン水(489.97部)中に分散した。連鎖延長するために、エチレンジアミン(8.97部)を脱イオン水(16.67部)に溶解し、反応器に添加し、2時間反応させた。次いで、1−メチル−2−ピロリジノン(6.93部)中に溶解したフリーラジカル開始剤Vazo−64(Du Pont社から入手可能なAIBN)(0.88部)を添加し、ブチルメタクリレート(31.44部)、および、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(29.12部)の混合物も添加した。5分後、ディスパージョンを75℃に加熱し、そこで2時間保持した。
重合が完了した後、ディスパージョンをフィルターに通して濾過し、ウレタン−アクリルハイブリッドポリマー1を得た。
得られたウレタン−アクリルハイブリッドポリマー1のMwは、約150,000であった。また、その粒子サイズを、(株)堀場製作所製のレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910を使用して測定したところ、ma(面積分布の平均直径)が360nmであった。
Formrez55〜56(Witco Chemical社から入手可能なポリオールであるポリ(ネオペンチルアジペート)、Mw約2,000)(200.1部)を窒素パージした反応器に充填した。これにメチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(105.3部)、および、スズ触媒の10%DABCO T−12(Air Products and Chemicals社から入手可能なジブチルスズジラウレート)(0.52部)を添加した。この混合物を92℃で3時間撹拌した。一定に撹拌しながら、ジメチロールプロピオン酸(26.8部)を添加し、次いで、1−メチル−2−ピロリジノン(110部)を添加した。混合物を92℃でさらに5時間保持した。
プレポリマーを75℃に冷却し、メチルメタクリレート(199.7部)を添加した。混合物を15分撹拌した後、遊離NCO%を測定したところ、NCO量は約1〜1.5%であり、混合物を25℃に冷却し、トリエチルアミン(19.5部)を添加し、1時間反応させた。中和した後、メチルメタクリレート(64.2部)、および、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(64.2部)を添加し、5分間撹拌した。次いで、プレポリマーを脱イオン水(800.2部)中に分散した。連鎖を停止するために、ジエタノールアミン(18.6部)を脱イオン水(32.5部)に溶解し、反応器に添加し、2時間反応させた。次いで、1−メチル−2−ピロリジノン(13.52部)中に溶解したフリーラジカル開始剤Vazo−67(Du Pont社から入手可能な2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))(3.94部)およびチオール連鎖移動剤1−ドデシルチオール(20.2部)を添加した。5分後、ディスパージョンを75℃に加熱し、そこで2時間保持し、ウレタン−アクリルハイブリッドポリマー2を得た。
得られたウレタン−アクリルハイブリッドポリマー2のMwは、約30,000であった。前記方法で測定した粒子サイズは、ma=230nmであった。
使用したジイソシアネート化合物を、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネートからジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)に置き換えた以外は、上記ウレタン−アクリルハイブリッドポリマー1の合成と同様にして、ウレタン−アクリルハイブリッドポリマー3を合成した。
得られたウレタン−アクリルハイブリッドポリマー3のMwは、約100,000であった。前記方法で測定した粒子サイズは、ma=300nmであった。
使用したジイソシアネート化合物を、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネートからm−トリレンジイソシアネート(TDI)に置き換えた以外は、上記ウレタン−アクリルハイブリッドポリマー1の合成と同様にして、ウレタン−アクリルハイブリッドポリマー4を合成した。
得られたウレタン−アクリルハイブリッドポリマー4のMwは、約130,000であった。前記方法で測定した粒子サイズは、ma=320nmであった。
使用したジイソシアネート化合物を、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネートからイソホロンジイソシアネート(IpDI)に置き換えた以外は、上記ウレタン−アクリルハイブリッドポリマー1の合成と同様にして、ウレタン−アクリルハイブリッドポリマー5を合成した。
得られたウレタン−アクリルハイブリッドポリマー5のMwは、約150,000であった。前記方法で測定した粒子サイズは、ma=340nmであった。
使用したジイソシアネート化合物を、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネートからヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)に置き換えた以外は、上記ウレタン−アクリルハイブリッドポリマー1の合成と同様にして、ウレタン−アクリルハイブリッドポリマー6を合成した。
得られたウレタン−アクリルハイブリッドポリマー6のMwは、約180,000であった。前記方法で測定した粒子サイズは、ma=420nmであった。
〔平版印刷版原版(1)の作成〕
<支持体1の作製>
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板を、0.3重量%の塩酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dm2の条件下に交流電流により60秒間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、15%硫酸水溶液溶液中で、25℃、電流密度10A/dm2、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い、さらに1%ポリビニルホスホン酸水溶液を用いて75℃で親水化処理を行って支持体を作製した。その表面粗さを測定したところ、0.44μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
前記支持体上に、下記組成の画像形成層塗布液(1)をバー塗布した後、90℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.3g/m2の画像形成層を形成した。
・表1に記載のバインダーポリマー (固形分として)0.50部
・下記重合性化合物(1) 0.17部
(PLEX6661−O、デグサジャパン製)
・下記重合性化合物(2) 0.51部
・下記増感色素(1) 0.06部
・下記重合開始剤(1) 0.13部
・連鎖移動剤:メルカプトベンゾチアゾール 0.01部
・ε―フタロシアニン顔料の分散物 0.40部
(顔料:15質量部、分散剤(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(質量平均分子量:6万、共重合モル比:83/17)):10質量部、シクロヘキサノン:15質量部)
・熱重合禁止剤 0.01部
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・下記水溶性フッ素系界面活性剤(1) 0.001部
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5部
・メチルエチルケトン 8.0部
前記画像形成層上に、下記組成よりなる保護層塗布液(1)を、乾燥塗布量が1.2g/m2となるようにバーを用いて塗布した後、125℃、70秒で間乾燥して保護層を形成し、平版印刷版原版(1)を得た。
・PVA−205 0.658部
(部分加水分解ポリビニルアルコール、クラレ(株)製、鹸化度=86.5−89.5モル%、粘度=4.6−5.4Pa・s(20℃、4質量%水溶液中))
・PVA−105 0.142部
(完全加水分解ポリビニルアルコール、クラレ(株)製、鹸化度=98.0−99.0モル%、粘度=5.2−6.0mPa・s(20℃、4質量%水溶液中))
・ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))(分子量7万)0.001部
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.002部
・水 13部
前記の平版印刷版原版を、FUJIFILM Electronic Imaging Ltd 製Violet半導体レーザープレートセッターVx9600(InGaN系半導体レーザー405nm±10nm発光/出力30mWを搭載)により画像露光を実施した。画像描画は、解像度2438dpiで、富士フイルム(株)製FMスクリーン(TAFFETA 20)を用い、50%の平網を、版面露光量0.05mJ/cm2で実施した。
次いで、表1に記載の現像液を用い、図1に示す構造の自動現像処理機にて、プレヒート100℃、10秒、現像液中への浸漬時間(現像時間)が、20秒となる搬送速度にて現像処理を実施した(実施例1)。
また、このとき、比較例において現像後の水洗、ガム引き工程を行う場合には、図1に示す構造の自動現像処理機にて、プレヒートまでを上記と同条件で行った後途中で取り出し、図2に示す3浴構造の自動現像処理機を用いて、2浴目で水道水での水洗、3浴目で富士フイルム社製フィニッシングガム液FN−6でのガム引きを行った以外は、実施例1と同様にして現像処理を実施した。
さらに、現像後の平版印刷版を、表1に記載の時間間隔で、整面液処理を行った。整面液処理は、ニップロールを備えたディップコーターで、表1に記載のバーニング整面液を用いて行った。
上記の整面液処理後の平版印刷版を、ツルミ社製バーニングプロセッサーを用いて、前加熱150℃、後加熱240℃の温度で、炉の通過時間3分で処理を行った。
水 88.6部
ノニオン系界面活性剤(W−1) 2.4部
ノニオン系界面活性剤(W−2) 2.4部
ノニオン系界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)1.0部
フェノキシプロパノール 1.0部
オクタノール 0.6部
N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン 1.0部
トリエタノールアミン 0.5部
グルコン酸ナトリウム 1.0部
クエン酸3ナトリウム 0.5部
エチレンジアミンテトラアセテート4ナトリウム塩 0.05部
ポリスチレンスルホン酸(Versa TL77(30%溶液)、Alco chemical社 製) 1.0部
*上記組成の現像液に、リン酸を添加し、pHを7.0に調整した。
・水 他成分と合わせ10,000部となる量
・炭酸ナトリウム 130部
・炭酸水素ナトリウム 70部
・両性界面活性剤(W−3) 500部
・アラビアガム 250部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学(株)製:ペノンJE66) 700部
・燐酸第一アンモニウム 20部
・2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール 0.1部
・2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.1部
*pH:9.8
・SP−200:KODAK社製中性現像液。ベンジルアルコール5〜10%含有
*pH:7.0
・DV−3:富士フイルム社製シリケート含有アルカリ現像液
*pH:12.3
・BC−7:富士フイルム社製バーニング整面液
・RC510:アグファ社製バーニング整面液
・804:コダック社製バーニング整面液
・Pre−Bake Solution:Allied社製バーニング整面液
(1)汚れ性
上記のようにして製版した平版印刷版を、(株)小森コーポレーション製印刷機LITHRONE26の版胴に取り付けた。Ecolity−2(富士フイルム(株)製)/水道水=2/98(容量比)の湿し水とValues−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、LITHRONE26の標準自動印刷スタート方法で湿し水とインキとを供給して印刷を開始し、毎時10,000枚の印刷速度で、特菱アート(76.5kg)紙に印刷を500枚行った。その後、印刷を継続しながら印刷機の水目盛りを絞って網画像に絡みが発生するまで給水量を徐々に少なくした。このときの絡み汚れの発生程度を下記の指標で評価した。結果を表2に示す。
A:絡みが発生しにくく充分な水/インキバランスを有し良好。
B:若干の絡みが発生するが許容レベル。
C:絡み発生し網点シャドー側がつぶれた状態でNGレベル。
D:少し水絞っただけで劣悪な絡み発生。
上述した汚れ性の評価を行った後、約5,000枚おきにマルチクリーナーE(富士フイルム(株)製プレートクリーナー)で版面を洗浄しながら、さらに印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に画像記録層が磨耗するため印刷物上のインキ濃度が低下した。印刷物における20μmFMスクリーン5%網点の網点面積率をグレタグ濃度計で計測した値が印刷100枚目の計測値よりも0.5%低下したときを刷了と判断し、そのときの印刷枚数を耐刷枚数として評価した。結果を表2に示す。
〔平版印刷版原版(2)の作製〕
<支持体2の作製>
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質JIS A 1050)の表面の圧延油を除去するため、10重量%アルミン酸ナトリウム水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミ表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25重量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20重量%硝酸水溶液に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
さらに、100℃の水蒸気を1.033×105Paの圧力で上記の陽極酸化皮膜に8秒間吹き付けて、封孔処理を行った。
その後、非画像部の親水性を確保するため、2.5重量%3号ケイ酸ナトリウム水溶液を用いて75℃で6秒間、シリケート処理を施した。Siの付着量は10mg/m2であった。その後、水洗して、支持体2を得た。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
次に、上記支持体2上に、下記下塗り層用塗布液(1)を乾燥塗布量が20mg/m2になるよう塗布して、下塗り層を有する支持体を作製した。
・下記構造の下塗り層用化合物(1) 0.18部
・メタノール 55.24部
・水 6.15部
上記下塗り層上に、下記組成の画像形成層塗布液(2)をバー塗布した後、100℃60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の画像形成層を形成した。
・表3に記載のポリマー 固形分量として0.540部
・下記赤外線吸収剤(1) 0.030部
・下記重合開始剤(A) 0.162部
・重合性化合物(トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート)
(NKエステルA−9300、新中村化学工業(株)製) 0.192部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 0.062部
・パイオニンA−20(竹本油脂(株)製) 0.055部
・ベンジル−ジメチル−オクチルアンモニウム・PF6塩 0.018部
・下記フッ素系界面活性剤(1) 0.008部
・メチルエチルケトン 1.091部
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.609部
上記画像形成層上に、下記組成の保護層塗布液(2)をバー塗布した後、120℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.15g/m2の保護層を形成して平版印刷版原版(2)を得た。
・下記無機質層状化合物分散液(1) 1.5部
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製CKS50、スルホン酸変性、
ケン化度99モル%以上、重合度300)6重量%水溶液 0.55部
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA−405、ケン化度81.5モル%、
重合度500)6重量%水溶液 0.03部
・日本エマルジョン(株)製界面活性剤
(エマレックス710)1重量%水溶液 0.86部
・イオン交換水 6.0部
イオン交換水193.6部に合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4部を添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒子サイズ(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた分散粒子のアスペクト比は100以上であった。
<支持体3の作製>
支持体2の作製において電気化学的粗面化処理までを行ったアルミニウム板を、2.5Mリン酸を電解液として、電圧50V、最大電流密度2A/dm2で1.5g/m2の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥した。
続いて、100℃の水蒸気を1.033×105Paの圧力で上記の陽極酸化皮膜に15秒間吹き付けて、封孔処理を行った。
その後、液温50℃、0.4重量%のポリビニルホスホン酸水溶液に10秒間浸漬し、水洗、乾燥して支持体3を得た。
上記支持体3を用いて、下塗り層を設けることなく、画像形成層塗布液(2)を下記の画像形成層塗布液(3)に変更してバー塗布し、82℃90秒オーブン乾燥して乾燥塗布量1.2g/m2の画像形成層を設け、かつ保護層塗布液(2)を下記の保護層塗布液(3)に変更してバー塗布し、乾燥塗布量0.4g/m2の保護層を設けた以外は、平版印刷版原版(2)の場合と同様にして、平版印刷版原版(3)を得た。
・表5に記載のポリマー 固形分量として4.10部
・SR399 2.66部
・NK−Ester A−DPH 2.66部
・CD9053 0.53部
・ビス−tert−ブチルフェニルヨードニウム テトラフェニルボレート
0.96部
・Fluor N2900 0.11部
・Pigment1 0.73部
・下記赤外線吸収剤(2) 0.27部
・イオン交換水 13.77部
・1−メトキシ−2−プロパノール 48.18部
・2−ブチロラクトン 13.77部
・2−ブタノン 61.94部
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA−405、ケン化度81.5モル%、
重合度500)6重量%水溶液 66.33部
・Masurf1520 0.02部
・イオン交換水 8.65部
<支持体4の作製>
支持体3の作製におけるポリアクリル酸処理をポリビニルホスホン酸処理に変更した。すなわち、支持体3の作製におけるポリビニルホスホン酸処理の手前までの処理を完了したアルミニウム板を、液温25℃、1.0重量%のポリアクリル酸水溶液に8秒間浸漬し、水洗し、乾燥して支持体4を得た。
上記支持体4に、下塗り層を設けることなく、画像形成層塗布液(1)を下記の画像形成層塗布液(4)に変更してバー塗布し、70℃60秒オーブン乾燥して乾燥塗布量0.6g/m2の画像形成層4を設け、保護層は設けなかった以外は、平版印刷版原版(2)の場合と同様にして、平版印刷版原版(4)を得た。
・下記ポリマー微粒子(疎水化前駆体)水分散液〔(D)成分〕 33.0g
・赤外線吸収剤(3) 1.0g
・低分子親水性化合物 1,5−ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム 0.1g
・メタノール 16.0g
1000mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入して脱酸素を行いつつ蒸留水350mLを加えて内温が80℃となるまで加熱した。分散剤としてドデシル硫酸ナトリウムを1.5g添加し、さらに開始剤として過硫化アンモニウム0.45gを添加し、次いでアクリロニトリル45.0gとスチレン45.0gとの混合物を滴下ロートから約1時間かけて滴下した。滴下終了後5時間そのまま反応を続けた後、水蒸気蒸留で未反応単量体を除去した。その後冷却しアンモニア水でpH6に調整し、最後に不揮発分が15重量%となるように純水を添加してポリマー微粒子(疎水化前駆体)水分散液を得た。このポリマー微粒子の粒子サイズ分布は、粒子サイズ60nmに極大値を有していた。
平版印刷版原版(2)および(3)をそれぞれ、赤外線半導体レーザー搭載の富士フイルム(株)製Luxel PLATESETTER T−6000IIIにて、外面ドラム回転数1,000rpm、レーザー出力70%、解像度2,400dpiの条件で露光した。
他方、平版印刷版原版(4)を赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力10Wで外面ドラム回転数150rpm、解像度2,400dpiの条件で露光した。露光画像にはそれぞれベタ画像および細線画像を含むようにした。
次いで、表3,5,7に記載の現像液を用い、図3に示す構造の1浴自動現像処理機にて、現像液中への浸漬時間(現像時間)が、20秒となる搬送速度にて現像処理を実施した(実施例28、実施例55、実施例82)。
また、このとき、比較例において現像後の水洗、ガム引き工程を行う場合には、図2に示す3浴構造の自動現像処理機を用いて、2浴目で水道水での水洗、3浴目で富士フイルム社製フィニッシングガム液FN−6でのガム引きを行った以外は、実施例28と同様にして現像処理を実施した。
さらに、現像後の平版印刷版を、表3,5,7に記載の時間間隔で、整面液処理を行った。整面液処理は、ニップロールを備えたディップコーターで、表3,5,7に記載のバーニング整面液を用いて行った。
上記の整面液処理後の平版印刷版を、ツルミ社製バーニングプロセッサーを用いて、前加熱150℃、後加熱240℃の温度で、炉の通過時間3分で処理を行った。
上記の製版工程により作製した平版印刷版の汚れ性、耐刷性を実施例1と同様の要領で評価した。評価結果を表4,6,8に示す。
200 前加熱(プレヒート)部
300 現像部
400 乾燥部
202 機枠
204 加熱部
208 加熱室
210 串型ローラー
212 搬入口
214 ヒーター
216 循環ファン
302 挿入部
304 挿入ローラー対
306 処理タンク
306a 処理タンクの縁部
308 現像槽(現像液で満たされている)
310 外板パネル
312 スリット状挿入口
316 液中ローラー対
318 搬出ローラー対
322 ブラシローラー対
324 遮蔽蓋
326 ブラシローラー対
330 スプレーパイプ(*図示されていないポンプによって吸引した現像槽308内の現像液が供給されるようになっており、スプレーパイプ330からこの現像液を現像槽308内へ噴出する。)
334 スリット状挿通口
336 液温センサー
338 液面レベル計
332 仕切り板
342 ガイド部材
344 ガイドローラー
402 支持ローラー
404 排出口
406 搬送ローラー対
408 搬送ローラー対
410、412 ダクト
414 スリット孔
50 外部タンク(現像液収納)
51 オーバーフロー口
52 上限液レベル計
53 下限液レベル系
54 フィルター部
55 現像液供給ポンプ
C1 第1の循環用配管
C2 第2の循環用配管
71 補充用水タンク(水貯留)
72 水補充ポンプ
C3 水補充用配管
1 自動現像装置
10 現像処理部
12 印刷版
14 現像部
16 水洗部
18 不感脂化処理部
20 乾燥部
24 現像槽
141,142 ブラシローラ(擦り部材)
200 前処理部
61 回転ブラシロール
62 受けロール
63 搬送ロール
64 搬送ガイド板
65 スプレーパイプ
66 管路
67 フィルター
68 給版台
69 排版台
70 現像液タンク
71 循環ポンプ
72 版
Claims (14)
- 以下の工程、
(A)親水性表面を有する支持体上に、露光により硬化する画像形成層を含有するネガ型平版印刷版原版を画像様に露光する工程、
(B)pH4〜10の現像液により、露光された前記ネガ型平版印刷版原版を現像する工程、
(C)バーニング整面液により、現像済みの前記ネガ型平版印刷版原版を処理するバーニング整面液処理工程、および、
(D)バーニング処理する工程、
を含む平版印刷版の製版方法であって、
前記(B)現像する工程と、前記(C)バーニング整面液処理工程との間隔が、1分以上10時間以下であり、且つその間に水洗工程及びガム引き工程を含まないことを特徴とする平版印刷版の製版方法。 - 前記(B)現像工程と(C)バーニング整面液処理工程との間隔が、2分以上5時間以下である請求項1に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記(B)現像工程と(C)バーニング整面液処理工程との間隔が、3分以上3時間以下である請求項1に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記現像液が、pH6〜8である請求項1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記画像形成層が、(i)ビニルカルバゾール化合物由来のモノマー単位を有するアクリル系重合体、および/またはウレタン‐アクリルハイブリッドポリマー、(ii)ブチラール樹脂、および(iii)疎水化前駆体の少なくともいずれかを含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記画像形成層が、ブチラール樹脂を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記ブチラール樹脂が、トリメリット酸ビニルエステル由来のモノマー単位をさらに有する請求項6に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記画像形成層が、ビニルカルバゾール化合物由来のモノマー単位を有するアクリルポリマー、および/または、ウレタン−アクリルハイブリッドポリマーを含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記アクリルポリマーが、アクリロニトリル由来のモノマー単位をさらに有する、請求項8に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記ウレタン−アクリルハイブリッドポリマーが、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、および、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートよりなる群から選ばれた化合物由来のモノマー単位を有する、請求項8に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記画像形成層が、疎水性熱可塑性ポリマー微粒子を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記疎水性熱可塑性ポリマー微粒子が、スチレンとアクリロニトリル由来のモノマー単位を有する共重合体である、請求項11に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記画像形成層が、350〜450nmの波長域に感光性を有し、前記(B)画像露光工程がバイオレットレーザー光の照射により行われる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の平版印刷版の製版方法。
- 前記画像形成層が、750〜1400nmの波長域に感光性を有し、前記(B)画像露光工程が赤外レーザー光の照射により行われる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の平版印刷版の製版方法。
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