JP2013133258A - 無機材料の結着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機材料を結着させることにおいて、優れた結着力を有する塩基性乳酸アルミニウム以上の結着力を有するアルミニウム系バインダーを結着剤として用いることを課題とする。
【解決手段】下記(a)〜(c)の要件を満たすアルミナコロイド含有水溶液を用いることを特徴とする無機材料の結着方法である。
(a)該アルミナコロイド含有水溶液のpHが5.5〜9の範囲である。
(b)該アルミナコロイド含有水溶液中の、有機酸のモル数と該有機酸中のカルボキシル基数との積(A)と、Al2O3のモル数(B)が、A/B=1.0〜2.0の範囲である。
(c)該アルミナコロイド含有水溶液を、分画分子量10000の限外ろ過膜でろ過した時のろ液中のAl2O3が、ろ過前の水溶液中のAl2O3に対して、5〜50質量%である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルミナコロイド含有水溶液を結着剤として用いることを特徴とする無機材料の結着方法および該アルミナコロイド含有水溶液を含有する無機材料用バインダーに関する。ここで、アルミナコロイド含有水溶液とは、アルミナ水和物等からなるコロイドとイオン性アルミニウム化合物とを含有したとみなせるものである。
アルミナゾルは、無機材料同士を結着させるためのバインダー用途として広く用いられており、例えば、自動車の排ガス浄化用触媒において、セラミックス基材と触媒担体または触媒担持体とを結着させるための用途に用いられている。また、ファインセラミックスをはじめ、耐火物、陶器、セメントなどを含むセラミックス分野において、粉体の無機材料同士を結着させる用途にも用いられている。
アルミウム系バインダーとしては、アルミナゾルの他、塩基性塩化アルミニウムや塩基性乳酸アルミニウムも上記用途において実用に供されている。
しかしながら、アルミナゾルによる結着力は、強固なものとは云い難いという問題がある。例えば、無機材料同士を結着させるために加熱、焼成を行うが、アルミナゾルでは低温加熱から高温焼成までの温度領域において十分な結着力が得られ難い。一方、塩基性塩化アルミニウムは優れた結合性を示すが、高温時に塩素ガスを発生するため作業上好ましくない。さらに、酸性のアルミナゾルや塩基性塩化アルミニウムは、陽イオン性のアルミニウム化合物で構成されているため、陰イオン性の微粒子で構成されたコロイダルシリカなどと混合すると激しく凝集を起こし、このため用途の限定や使用上の制約があった。
一方、本願出願人は、上記課題を解決するために、塩基性乳酸アルミニウムに関する技術を先に開示した(例えば、特許文献1、2、3)。
特公昭61−16745号公報 特公昭61−59263号公報 特公昭63−27302号公報
本発明者らは、無機材料を結着させることにおいて、優れた結着力を有する塩基性乳酸アルミニウム以上の結着力を有するアルミニウム系バインダーを結着剤として用いることを課題として検討を行った。
その結果、[1]アルミナ水和物等からなるコロイド(以下、アルミナコロイドと云う)とイオン性アルミニウム化合物とを含有したとみなせる特定のアルミナコロイド含有水溶液が無機材料同士の結着において優れた結着力を有すること、さらに、[2]水溶性金属硫酸塩を併用すると該アルミナコロイド含有水溶液単独よりも結着力が向上することを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成させたものである。
上記[1]、[2]は具体的には以下の通りである。
[1]下記(a)〜(c)の要件を満たすアルミナコロイド含有水溶液を用いることを特徴とする無機材料の結着方法。
(a)該アルミナコロイド含有水溶液のpHが5.5〜9の範囲である。
(b)該アルミナコロイド含有水溶液中の、有機酸のモル数と該有機酸中のカルボキシル基数との積(A)と、Al2O3のモル数(B)が、A/B=1.0〜2.0の範囲である。
(c)該アルミナコロイド含有水溶液を、分画分子量10000の限外ろ過膜でろ過した時のろ液中のAl2O3が、ろ過前の水溶液中のAl2O3に対して、5〜50質量%である。
[2]上記[1]記載のアルミナコロイド含有水溶液と、水溶性金属硫酸塩とを、アルミナコロイド含有水溶液由来のAl2O3に対し水溶性金属硫酸塩をモル比で0.01〜3の割合で用いる無機材料の結着方法。
本発明による無機材料の結着方法は、低温加熱から高温焼成までの温度領域において十分な結着力が得られるという利点を有する。また、本発明に用いるアルミナコロイド含有水溶液は、pHが5.5〜9、即ち弱酸性〜中性〜弱アルカリ性の範囲であるため、種々の金属塩やゾル、さらには陰イオン性の微粒子で構成されたコロイダルシリカなどと混合することが可能である。従って、結着対象の無機材料の選択幅が極めて大きく、その工業的意義は多大なものがある。特に、材料選択性が高い触媒分野においてその有用性が発揮される。また、アルミナセラミックス等のセラミックス成形体の作製における粉体原料のバインダーとしても有用である。
以下、本発明の無機材料の結着方法について詳細に説明する。
本発明の無機材料の結着方法は、下記(a)〜(c)の要件を満たすアルミナコロイド含有水溶液を用いることを特徴とするものである。
(a)該アルミナコロイド含有水溶液のpHが5.5〜9の範囲である。
(b)該アルミナコロイド含有水溶液中の、有機酸のモル数と該有機酸中のカルボキシル基数との積(A)と、Al2O3のモル数(B)が、A/B=1.0〜2.0の範囲である。
(c)該アルミナコロイド含有水溶液を、分画分子量10000の限外ろ過膜でろ過した時のろ液中のAl2O3が、ろ過前の水溶液中のAl2O3に対して、5〜50質量%である。
上記(c)について説明すると、上記ろ過操作により、該水溶液中に含有されるアルミニウム化合物を次のように分離することができたとみなせる。即ち、ろ過膜を通過したろ液側のものはイオン性アルミニウム化合物であり、ろ過膜を通過しなかったものはアルミナコロイドである。ろ液中のAl2O3が、ろ過前の水溶液中のAl2O3に対して、5〜50質量%であることより、イオン性アルミニウム化合物とアルミナコロイドがAl2O3として5:95〜50:50の質量比で存在するとみなすこともできる。
本発明の無機材料の結着方法は、上記アルミナコロイド含有水溶液によって無機材料同士が結着するのであれば特に制限は無い。例えば、上記アルミナコロイド含有水溶液を一方の無機材料の結着面に塗布、滴下等の手段によって付着させ、他方の無機材料を該結着面に接着させた後、乾燥、加熱または焼成により結着させてもよい。また、液状である一方の無機材料と上記アルミナコロイド含有水溶液とを混合して、他方の無機材料上に塗布、滴下等の手段によって該混合液を付着させた後、乾燥、加熱または焼成により結着させてもよい。さらに、粉状の無機材料と上記アルミナコロイド含有水溶液とを混合した後、乾燥、加熱または焼成により結着させて成形体としてもよい。
即ち、本発明においては、通常の無機材料の結着方法を全て利用することができる。
本発明における無機材料としては、セラミックス、金属材料、ケイ素材料等を挙げることができる。セラミックスの種類としては、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化アルミ、窒化珪素、サイアロン、ステアタイト等を例示できる。金属材料における金属元素としては、アルミニウム、白金、ロジウム、銀、チタン、鉄、ニッケル、マンガン、銅、亜鉛、パラジウム、マグネシウム、カルシウム等を例示できる。尚、金属材料には、有機溶媒やキレート化剤等のように金属材料の安定化に必要な有機化合物が含有されたものであっても構わない。また、金属材料として、各種の鋼、合金等も例示できる。
前記アルミナコロイド含有水溶液は、先に本願出願人が出願した特願2010-282908号に記載した方法によって製造できるものである。その第一の製法は、有機酸とアルミナ水和物とアルカリ剤とを混合、加熱するものである。また、その第二の製法は、塩基性有機酸アルミニウム水溶液とアルカリ剤とを混合するものである。
先ず、上記第一の製法について説明する。
有機酸としては、オキシカルボン酸が好ましい。具体的には、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸などが好例として挙げられ、このうち1種類だけでもあるいは2種類以上を用いてもよい。特に好ましくは乳酸である。
アルミナ水和物としては、一般に市販されている水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムの水和物、またはアルミニウム塩の中和等によって得られるアルミナ水和物ゲルなどが好適に使用できる。このうち、易溶解性のものが特に好ましい。
アルカリ剤としては、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、炭酸塩、重炭酸塩、アンモニア、アンモニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、アミン類、尿素のいずれでも使用できる。これらのうち、乾燥処理や焼成処理の処理中に除去することができるアンモニア、炭酸水素アンモニウム、尿素、あるいはアミン類を使用することが特に好ましい。前記アルカリ剤は、1種類だけでもあるいは2種類以上を用いてもよい。アルカリ剤を水溶液として用いる場合の濃度は、アルカリ剤の種類により異なるが、一般的には0.2〜30質量%程度の濃度であることが好ましい。
第一の製法では、上記の有機酸とアルミナ水和物とアルカリ剤とを混合、加熱するが、混合、加熱方法については、特に制限されるものではない。例えば、水に溶解させた有機酸とアルミナ水和物の水溶液とアルカリ剤とを混合した溶液を加熱してもよいし、有機酸の水溶液にアルミナ水和物を添加して加熱した後、その加熱状態の温度が下がらないように維持しながら、アルカリ剤を添加しても良い。添加の態様は、連続的であっても間欠的であってもよく、添加速度も特に制限はないが、一度に多量に添加することは避けることが望ましい。また、混合の態様は、通常の撹拌方法であればよく、混合時間は適宜設定すればよい。本発明における加熱の目的は、アルミナ水和物の溶解であり、加熱温度は50〜200℃が好ましく、より好ましくは70〜140℃、さらに好ましくは、90〜120℃である。加熱方法に特に制限はなく、通常の加熱方法やオートクレーブ等が例示できる。
ここで上記製法によって得られるアルミナコロイド含有水溶液のA/B値について云えば、A/B=1.0〜2.0の範囲のものが塩基性塩としての安定性が高いために、本発明に好適に使用できる。A/B値が1.0未満の場合は、未反応のアルミニウム成分が残存するため均一な溶液状態が得られ難くなる。一方、A/B値が2.0を上廻ると、一旦溶液が得られても数日程度の保管で沈殿物の発生やゲル化が生じて不安定な溶液となり易く、さらに、イオン性のアルミニウム成分が過剰量に生成するためバインダー性能が低下する傾向がみられる。
次に、上記第二の製法について説明する。
塩基性有機酸アルミニウム水溶液は、イオン性アルミニウム化合物を含有した水溶液であり、例えば、塩基性乳酸アルミニウム水溶液が挙げられる。これらは、市販の工業薬品を使用してもよいし、公知の製造方法により得られるものを使用してもよい。例えば、市販の工業薬品としては、塩基性乳酸アルミニウム水溶液(タキセラム(登録商標):多木化学(株)製。pH4〜5、A/B=1.5〜1.6、Al2O3濃度:8〜9質量%)がある。公知の製造方法としては、塩基性乳酸アルミニウムの製造方法を開示した特公昭58-5174号公報及び特公昭59-40381号公報が例示できる。これらのうちA/B=1.0〜2.0の範囲のものが塩基性塩としての安定性が高いために、本発明に好適に使用できる。尚、最終製品であるアルミナコロイド含有水溶液のA/B値が2.0を上廻る場合は、上記第一の製法で記載したのと同様の現象が起きる。尚、塩基性有機酸アルミニウム水溶液中に、製造原料に由来する無機酸根、あるいは塩基性有機酸アルミニウム水溶液の安定化のために添加される無機酸根が含有されていても構わない。アルカリ剤の種類については、上記第一の製法と同様である。また、添加の態様と混合の態様も上記第一の製法と同様である。
さらに、前記アルミナコロイド含有水溶液として、上記第一の製法または第二の製法によって得られたアルミナコロイド含有水溶液を70〜200℃で加熱したものを用いることもできる。該加熱により、アルミナコロイドを更に粒成長させることができる。加熱温度は所望する粒子の大きさにより上記範囲内で適宜設定すればよい。また、加熱時間も同様に、所望する粒子の大きさにより適宜設定すればよい。一般的に、加熱温度が高い程粒成長は速く、加熱時間が長い程粒は大きくなる。加熱方法は特に限定されることなく、通常の加熱方法やオートクレーブ等を用いればよい。尚、加熱によってpHが低下するので、加熱する場合は、加熱後のpHが5.5〜9の範囲内となるように加熱前のpH値を調整することが望ましい。
また、本発明の無機材料の結着方法においては、前記いずれかのアルミナコロイド含有水溶液に加えて、水溶性金属硫酸塩を結着剤として用いてもよい。但し、アルミナコロイド含有水溶液と水溶性金属硫酸塩の量比は、アルミナコロイド含有水溶液由来のAl2O3に対し水溶性金属硫酸塩がモル比で0.01〜3の割合であることが好ましい。前記割合の範囲内において、水溶性金属硫酸塩による結着性向上効果が高くなる。前記割合は、0.5〜2であることがさらに好ましい。
水溶性金属硫酸塩の金属種としては、Mg、Fe、Al、Ti、Na、K、Cu、Zn、MnおよびZrからなる群より選ばれた1種以上であることが好ましく、これらのうちMg、Fe、Alが好ましく、さらに好ましくはMgである。
本発明の一態様として、前記いずれかのアルミナコロイド含有水溶液を含有した無機材料用バインダーとすることもできる。また、前記無機材料用バインダーが、さらに、水溶性金属硫酸塩を、アルミナコロイド含有水溶液由来のAl2O3に対し水溶性金属硫酸塩をモル比で0.01〜3の割合で含有することも好ましい態様の一つである。上記以外に無機材料用バインダーに含有させる成分としては、結着力が損なわれるものでなければ特に制限は無く、好例として、シリカゾル、炭酸ジルコニウムアンモニウム溶液等を挙げることができる。尚、無機材料用バインダーは、前記いずれかのアルミナコロイド含有水溶液を主成分として含有することが好ましく、具体的には、無機材料用バインダー中の前記いずれかのアルミナコロイド含有水溶液の含有量が50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上である。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。尚、実施例において%は、特に断らない限り全て質量%を示す。
実施例に用いた原料は、試薬あるいは工業薬品として入手できるものを用いた。
〈ろ過漏れ率〉
ろ過漏れ率は、分画分子量10000の限外ろ過膜(ADVANTEC製 ウルトラフィルターユニット USY-1)でろ過した時の、ろ過前のAl2O3の質量に対するろ液中のAl2O3の質量の百分率により算出した。
〔実施例1〕(アルミナコロイド含有水溶液)
アルミナコロイド含有水溶液は、特願2010-282908号の実施例4に準じ次の手順で作製した。即ち、硫酸アルミニウム水溶液(Al2O3として8%)に炭酸水素アンモニウム水溶液(NH3として5%)をpHが8.0になるまでゆっくり添加して反応させた後、限外洗浄によってAl2O3として10%のアルミナ水和物ゲルを得た。このゲル100質量部に対し88%乳酸10質量部を反応させて、塩基性乳酸アルミニウム水溶液(Al2O3濃度=8.6%、乳酸/Al2O3のモル比=1.6、pH4.5)を作製した。
この塩基性乳酸アルミニウム水溶液100質量部に対し20%アンモニア水2質量部を撹拌下で徐々に添加した後、140℃で3時間の水熱処理を行い、pH7.5のアルミナコロイド含有水溶液を得た。得られた水溶液のA/B値は1.6であり、Al2O3濃度は8.0%、平均粒子径は31nmであった。ろ過漏れ率は、10%であった。尚、この水溶液の100℃乾燥物の粉末X線回折(島津製作所 X線回折装置XRD-7000)による結晶構造は、擬ベーマイトの回折パターンを示した。
〔実施例2〕(硫酸マグネシウム添加のアルミナコロイド含有水溶液)
実施例1によって得られたアルミナコロイド含有水溶液に、MgSO4/Al2O3(モル比)=1.2の割合で硫酸マグネシウム(無水)を添加し、硫酸マグネシウム添加のアルミナコロイド含有水溶液(Al2O3濃度=7.2%、MgSO4濃度=10%)を得た。
〔比較例1〕(塩基性乳酸アルミニウム水溶液)
塩基性乳酸アルミニウム水溶液として、上記実施例1のアルミナコロイド含有水溶液の作製途中で得られたものを用いた。ろ過漏れ率は、65%であった。また、実施例1と同様にして解析した結晶構造は、アモルファスの回折パターンを示した。
〔比較例2〕(硝酸分散型アルミナゾル)
硝酸アルミニウム水溶液(Al2O3として1%)に炭酸アンモニウム水溶液(NH3として1%)をpHが8.0になるまでゆっくり添加して反応させた後、限外洗浄によってAl2O3として10%のアルミナ水和物ゲルを得た。このゲルに10%硝酸をpH4.0になるまで添加し、120℃で5hの水熱処理を行ってアルミナゾルを得た。その後、エバポレーターで濃縮し、硝酸分散型アルミナゾル(Al2O3濃度=8.0%、pH4.0)を作製した。また、実施例1と同様にして解析した結晶構造は、ベーマイトの回折パターンを示した。
〔結着性試験〕
上記実施例1、2、比較例1、2の水溶液またはゾルのAl2O3濃度をそれぞれ7.2%に調製したものを結着剤として用いた。
アルミナ骨材として、伊藤忠セラテック製のアルミナイトA-S 28メッシュ及び325メッシュを用いた。
アルミナ骨材と結着剤は、28メッシュ:325メッシュ:結着剤=135:165:43の質量比で混合した。次に、これを2cm×2cm×8cmの直方体に成形した後、100℃で乾燥させた。次に、前記乾燥品を表1の200℃以上の温度でそれぞれ乾燥または焼成した。乾燥品または焼成品は、丸菱科学機械製作所製三点曲げ試験機(支点幅50mm)によって曲げ強度(kgf/cm2)を測定した。
Figure 2013133258
表1の結果より、全ての乾燥または焼成温度において、実施例1は、比較例1及び比較例2よりも曲げ強度が格段に大きかったことが分かる。また、実施例2より、試験した全ての乾燥または焼成温度において、硫酸マグネシウム添加によって実施例1よりもさらに曲げ強度が大きくなったことが分かる。
以下、実施例1と比較例1、2の比較を主として、表1の結果を概説する。
100℃および200℃においては、実施例1、実施例2及び比較例1が、比較例2よりも曲げ強度が大きいことが分かる。これは、乳酸がまだ焼失していない温度領域であるため、乳酸による増粘作用が結着性に大きく寄与したと考えられる。
そして、実施例1は、比較例1よりも、100℃においては1.5倍、200℃においては2.8倍も曲げ強度が大きくなっている。この理由は定かではないが、アルミナの焼結がまだ起きない温度領域ではイオン性アルミニウム化合物の割合が少ない方が曲げ強度の向上に寄与した可能性が考えられる。
400℃以上の温度領域においては、実施例1の曲げ強度は、比較例1及び比較例2よりも少なくとも1.6倍以上、平均では約3倍も大きくなっている。
実施例1において曲げ強度が大きくなった理由は定かではないが、400℃以上の温度領域では乳酸の焼失が進行するため、曲げ強度の大きさは、各溶液中のアルミニウム化合物の存在形態(例えば、結晶構造、あるいは、イオン状態とコロイド状態)の違いに依拠した可能性が考えられる。
以上より、アルミナコロイド含有水溶液を結着剤として用いることにより、アルミナ骨材の結着力が向上することが示された。さらに、硫酸マグネシウムの併用により結着力の向上効果が増幅された。
本発明による無機材料の結着方法は、例えば、自動車の排ガス浄化用触媒のようにセラミックス基材と触媒担体や触媒担持体等の無機材料とを強固に結着させるバインダーとして有用であり、また、セラミックスファイバーの結着や各種セラミックスなどの成形体を形成させるためのバインダーとしても有用である。

Claims (6)

  1. 下記(a)〜(c)の要件を満たすアルミナコロイド含有水溶液を用いることを特徴とする無機材料の結着方法。
    (a)該アルミナコロイド含有水溶液のpHが5.5〜9の範囲である。
    (b)該アルミナコロイド含有水溶液中の、有機酸のモル数と該有機酸中のカルボキシル基数との積(A)と、Al2O3のモル数(B)が、A/B=1.0〜2.0の範囲である。
    (c)該アルミナコロイド含有水溶液を、分画分子量10000の限外ろ過膜でろ過した時のろ液中のAl2O3が、ろ過前の水溶液中のAl2O3に対して、5〜50質量%である。
  2. 請求項1記載のアルミナコロイド含有水溶液が、有機酸とアルミナ水和物とアルカリ剤とを混合、加熱する方法、または、塩基性有機酸アルミニウム水溶液とアルカリ剤とを混合する方法のいずれかによって製造されたものである請求項1記載の無機材料の結着方法。
  3. 請求項1記載のアルミナコロイド含有水溶液が、請求項2記載の製造方法によって得られたアルミナコロイド含有水溶液を、さらに70〜200℃で加熱することによって製造されたアルミナコロイド含有水溶液である請求項1記載の無機材料の結着方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のアルミナコロイド含有水溶液と、水溶性金属硫酸塩とを、アルミナコロイド含有水溶液由来のAl2O3に対し水溶性金属硫酸塩をモル比で0.01〜3の割合で用いる無機材料の結着方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項記載のアルミナコロイド含有水溶液を含有することを特徴とする無機材料用バインダー。
  6. 請求項5記載の無機材料用バインダーが、さらに、水溶性金属硫酸塩を、アルミナコロイド含有水溶液由来のAl2O3に対し水溶性金属硫酸塩をモル比で0.01〜3の割合で含有する請求項5記載の無機材料用バインダー。
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