JP5892764B2 - 結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体およびその製造方法 - Google Patents

結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体およびその製造方法に関する。特に、触媒活性に優れた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体とその製造方法に関する。
近年の排ガス規制強化の動きに伴って、排ガス浄化用触媒の開発が進められており、中でも、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)浄化用の有望な触媒として選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒という。)については数多くの研究がなされている。
排ガス浄化用の触媒はハニカム状に成型した担体に活性金属を担持することが一般的に知られている。排ガス触媒は高温下で長時間使用されるため、担体としては熱膨張係数の非常に小さいコーディエライトが用いられてきたが、コーディエライトは高温下の排ガスでの使用条件下において、共存するアルカリ土類金属に侵食されて劣化しやすく、クラックが発生するなどの問題があった。
そこで、コーディエライトに代わる担体として、特許文献1には、アルミナ、ジルコニア、チタニア、ゼオライト、SiC、SiN、ムライト、リチウムアルミニウムシリケート(LAS)、リン酸チタン、ペロブスカイト、スピネル、シャモット、無配向コージェライトなどをセル隔壁の主要構成材料とした排ガス浄化用ハニカム構造体が記載されている。
また、特許文献2には、ゼオライトの金属イオン交換をpH3付近で行い、その後、540℃以上の高温で水熱処理した、水熱的に安定な選択的NOx還元用金属処理ゼオライト触媒が開示されている。
また、特許文献3には鉄イオン交換したβ型ゼオライト担体に酸化第二鉄を担持した脱硝触媒が開示されている。
しかしながら、このような触媒の活性をさらに向上させることが求められていた。特に、エンジン始動開始直後などの低温条件下における触媒活性の向上については、従来からの課題となっていた。
また、前述したような担体を用いた触媒は、水分が生成する反応で、且つ700℃以上の高温で使用すると結晶性や比表面積が低下し、これに伴い活性が低下するなどの問題があった。そこで、このような問題を解決するために、水熱的に安定で、高い活性を長期にわたって維持することのできる触媒が求められていた。
一方、成型体材料として、分子篩化合物の一種であるシリコアルミノリン酸塩(SAPO)が知られている。シリコアルミノリン酸塩(SAPO)とは、アルミノリン酸塩モレキュラーシーブ(AlPO)のPを一部Siで置換した化合物であって、例えば特許文献4には、シリコアルミノリン酸塩をハニカム基材の材料とした炭化水素触媒について記載されている。また、該シリコアルミノリン酸塩が遷移金属などのイオンを含むことについても記載されている。
しかしながら、このような触媒の活性をさらに向上させる手段についてはいまだ知られていないのが現状であった。
特開2003−33664号公報 特表2009−519817号公報 再表2006−011575号公報 特開平07−166853号公報
本発明は、上記のような課題を解決するために、安定性が高く、かつ触媒活性、特に低温での触媒活性の高い結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明の結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体は、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子と結合材とを含む成型体であって、該結合材が金属成分を担持したアルミナを含み、かつ、該結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の平均粒子径が0.2〜7μmの範囲にあり、該成型体に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量が8〜40重量%の範囲にあることを特徴とする。
前記アルミナに担持された金属成分がMn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Mo,Ce,Sr,Nb,Pt,Au,Pd,Ru,Rh,Ag,Ir,および希土類から選ばれる1種または2種以上の金属元素を含むことが好ましく、特に、Cuを含むことが好ましい。
前記金属成分の担持量が前記アルミナに含まれるAlに対して金属換算基準で0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
前記アルミナの前駆体が下記性状を有するアルミナ水和物微粒子を含むことが好ましい。(a)ベーマイト型および/または擬ベーマイト型の結晶構造を有する
(b)結晶子径1〜10nm
(c)光散乱法で測定した平均二次粒子径が20〜300nm
(d)細孔径が1〜10nm
前記アルミナ水和物微粒子の細孔容積が0.1〜1cc/gの範囲にあることが好ましい。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の結晶度が10〜85%の範囲にあることが好ましい。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩が活性金属成分を含み、該活性金属成分が、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Znから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子がSAPO−5、SAPO−11、SAPO−34、SAPO−37から選ばれる1種以上であることが好ましい。
本発明の結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体の製造方法は、下記の工程(a)〜(d)および(f)を含むことを特徴とする。
(a)結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子と金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子と水とを混合する工程
(b)混合物を混練(捏和)する工程
(c)成型する工程
(d)乾燥する工程
(f)400〜800℃で加熱処理(焼成)する工程
前記工程(a)で用いられる、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子が、下記工程(I)〜(IV)を含む工程により製造されたものであることが好ましい。
(I)アンモニウムイオンを含み、pHが9〜12の範囲にあるアルミナ水和物微粒子の分散液を製造する工程、
(II)前記工程(I)より得られた分散液に無機酸および/または有機酸を添加してpH7.0〜8.5の範囲に調整し、50〜200℃の温度にて加熱して混合液を得る工程、および
(III)前記工程(II)より得られた混合液に無機酸および/または有機酸を加えてpH3.0〜6の範囲に調整し、50〜200℃の温度にて加熱することによりアルミナ水和物微粒子を含む分散体を得る工程、および
(IV)前記工程(III)より得られた分散体に含まれるアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる工程
前記工程(IV)が下記工程(i)〜(iii)のいずれか1種以上の工程を含むことが好ましい。
(i) 金属塩を溶解させ、pHを2〜4の範囲に調整した金属塩水溶液を前記工程(III)より得られたアルミナ水和物微粒子を含む分散体に添加することによりアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる工程
(ii) マイナス電荷に帯電した金属コロイドを含む金属コロイド分散液を、前記工程(III)で得られたアルミナ水和物微粒子を含む分散体に添加することによりアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる工程
(iii) 金属塩を溶解させpHを2〜4の範囲に調整した金属塩水溶液および/またはマイナス電荷に帯電した金属コロイドを含む金属コロイド分散液と前記工程(III)で得られたアルミナ水和物微粒子を含む分散液とを噴霧乾燥させることによりアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる工程
本発明のアルミナ結合材は、結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体のアルミナ結合材であって、該アルミナ結合材の前駆体がCu成分を担持したアルミナ水和物微粒子を含み、かつ、該アルミナ水和物微粒子はベーマイト型および/または擬ベーマイト型の結晶構造を有し、かつ結晶子径1〜10nmの範囲にあって、光散乱法で測定した平均二次粒子径が20〜300nm、細孔径が1〜10nmの範囲にあることを特徴とする。
本発明に係る結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体は、平均粒子径が0.2〜7μmの範囲にある結晶性シリコアルミノリン酸粒子の結合材として、金属成分を担持したアルミナを所定の範囲で用いているために、該成型体の触媒活性、特に、低温での触媒活性を向上させることができる。
また、本発明に係る前記成型体のうち、前記アルミナの前駆体がベーマイト型および/または擬ベーマイト型の結晶構造を有し、かつ結晶子径1〜10nm、光散乱法で測定した平均二次粒子径20〜300nm、細孔径1〜10nmの範囲にあるアルミナ水和物微粒子であるものは、触媒活性が高く、かつ、強度と耐クラック性に非常に優れている。
さらに、本発明に係る前記成型体のうち、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の結晶度が10〜85%の範囲にあるものは、触媒活性に優れるとともに非常に安定性が高く、クラックの発生を抑制する効果が非常に優れ、高い強度を発揮することができる。
1.結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体
本発明に係る結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体は、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子と結合材とを含み、該結合材が金属成分を担持したアルミナを含むものであって、かつ、該結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の平均粒子径が0.2〜7μmの範囲にあり、該成型体に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量が8〜40重量%の範囲にあることを特徴としている。
本発明に係る結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体は、平均粒子径が0.2〜7μmの範囲にある結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子を含む成型体の結合材として金属成分を担持したアルミナを8〜40重量%の範囲で含んでいるために、成型体の触媒活性を向上させることができ、特に低温での触媒活性を向上させる効果に優れている。また成型体の水熱的な安定性が高いため長期間活性を維持することができる。
前記金属成分を担持したアルミナが、結合材として成型体に含まれる量が8重量%未満の場合には、結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体にクラックが発生しやすいため好ましくない。
前記金属成分を担持したアルミナが、結合材として成型体に含まれる量が40重量%を超えると、結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体にクラックが発生し、また該成型体の低温での触媒活性を向上させる効果が低いため好ましくない。
本発明に係る成型体の形状は特に制限されるものではないが、その一例として、ハニカム状、ペレット状、コルゲート状、球状、板状、管状(パイプ状)、リング状、三つ葉状の成型体が挙げられる。なかでもハニカム状の成型体が好ましい。
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子
本発明に係る結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子は、ケイ素とアルミニウムとリンとを含む多孔質の結晶性複合酸化物粒子である。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(SAPO)は、アルミノリン酸塩粒子(AlPO)のリン原子をケイ素原子で置換したものであって、分子篩化合物の一種とされることがある。
このような結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子を成型体の材料として用いることによって、湿度や温度の変動に対する成型体の安定性を向上させることができ、成型体の触媒活性を長期的に高く維持することができる。
本発明に係る結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の一例としては、SAPO−5、SAPO−11、SAPO−34、SAPO−37から選ばれる1種以上が挙げられる。
なかでも、SAPO−34は高温での熱的安定性、特に水熱安定性に優れ、触媒、触媒担体として用いる場合、高い活性と選択性を示し、これを長く維持することができるので特に好ましい。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子に含まれるケイ素の含有量はSiO換算基準で1〜12重量%、アルミニウムの含有量はAl換算基準で35〜45重量%、リンの含有量はP換算基準で45〜55重量%の範囲にあることが好ましい。
また、前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の比表面積は250〜550m/gの範囲にあることが好ましい。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の平均粒子径は、用途によっても異なるが、触媒、触媒担体として用いる場合、平均粒子径が0.2〜7μm、さらには0.5〜3μmの範囲にあることが好ましい。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の平均粒子径が0.2μm未満の場合は、水熱安定性が不充分となる場合があるので好ましくない。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の平均粒子径が7μmを超えると、成型体として用いる場合、充分な強度、耐摩耗性等が得られない場合があるので好ましくない。
本発明に係る結晶性シリコアルミノリン酸塩の結晶度は10〜85%、さらには、20〜80%の範囲にあることが好ましい。
前記結晶度が前記範囲にあると、触媒活性が高く、かつ、強度および耐クラック性に優れた成型体を得ることができる。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩の結晶度が10%未満の場合には、成型体の触媒活性を向上させる効果が低下する場合があるので好ましくない。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩の結晶度が85%を越えると、クラックの発生を抑制する効果が低下する場合があるので好ましくない。
なお、本発明でいう「クラックの発生」とは、成型体製造工程における乾燥工程や、焼成工程で起こるクラックの発生、焼成後の成型体を大気環境下に放置した場合、さらにはこれを高温から低温へと繰り返し変動させた場合に起こるクラックの発生を含むものである。
本発明に係る結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の水分吸着量は20〜35重量%、さらには20〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の水分吸着量が20重量%未満の場合は成形体とし、高温で焼成してもクラックが発生することが少なく、発生しても極めて微細なクラックであるものの、結晶度が低下し、成型体の触媒活性が不充分となる場合がある。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の水分吸着量が35重量%を越えると成形体を高温で焼成した際に容易にクラックが発生する場合があり、強度、耐摩耗性等が低下する場合がある。
本発明に係る結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の製造方法の一例としては、ケイ素を含む化合物と、アルミニウムを含む化合物と、リンを含む化合物、およびテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド等の有機結晶化剤(テンプレートということがある)を含む混合物とを水熱処理し、その後、必要に応じて洗浄および乾燥、焼成させる方法が挙げられる。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の結晶化度や、水分吸着量を、より好ましいものとするためには、前記水熱処理を低温および/または短時間で行うことがより好ましい。
より具体的には、150〜175℃で8〜40時間、より好ましくは150〜175℃で8〜35時間、さらに好ましくは150〜175℃で8〜25時間、自生圧力下で水熱合成処理を行うことによって、結晶化度や水分吸着量が上述した範囲にあるような結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子を製造することができる。
また、前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子は、触媒活性能を有する活性金属成分を含んでいてもよい。
前記活性金属成分としては、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Znから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
このような活性金属成分の含有量は、触媒反応の種類によっても異なるが、前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子に対して金属換算基準で0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜8重量%の範囲で含まれることが好ましい。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子に含まれる活性金属成分の含有量が金属換算基準で0.1重量%未満の場合には、触媒活性が不充分となる場合があり、10重量%を越える場合には、活性金属成分の凝集が起こり500℃などの高温での活性が不十分となる場合がある。
前記活性金属成分を結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子に含ませる処理は、成型前に行っても成型後に行ってもよい。成型後に行う場合には、例えば含浸法などにより、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の成型体に、活性金属成分を担持すればよい。
成型前に活性金属成分を結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子に含ませる方法としては、特に制限されるものではないが、具体的な一例としては、下記工程(1)〜(3)を含む方法、または下記工程(1)〜(4)を含む方法、あるいは下記工程(1)〜(5)を含む方法を用いることが好ましい。
活性金属成分含有シリコアルミノリン酸塩粒子の製造方法
(1)結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子を調製する工程
(2)活性成分金属化合物水溶液を混合する工程
(3)噴霧乾燥する工程
(4)必要に応じて洗浄する工程
(5)400〜800℃で加熱処理(焼成)する工程
工程(1)
この工程では、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子を調製する。
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の分散液の調製方法の一例としては、ケイ素を含むケイ素化合物と、アルミニウムとを含むアルミニウム化合物と、リンを含むリン化合物との混合物を水熱合成処理したのち、必要に応じて洗浄および乾燥、焼成する方法が挙げられる。
前記ケイ素化合物の一例としては、シリカ、シリカゾル、シリカゲル、ケイ素のアルコキシド、ケイ酸、アルカリ金属ケイ酸塩などが挙げられる。
前記アルミ二ウム化合物の一例としては、アルミニウムのアルコキシド、擬ベーマイト型またはベーマイト型のアルミナ水和物、アルミノケイ酸塩などが挙げられる。
前記リン化合物の一例としては、リン酸、リン酸塩などが挙げられる。
また前記水熱合成処理の条件としては、公知の条件を用いることができ、特に制限されるものではないが、150〜220℃、5〜80時間の範囲で水熱処理されることが好ましい。
また、前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の分散液の調製方法として、前記ケイ素化合物と、アルミ二ウム化合物と、リン化合物との混合物に、さらに有機結晶化剤を含ませて水熱合成処理することが好ましい。前記有機結晶化剤を含有した結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子をそのまま用いると、理由は明らかではないが高温での水熱安定性が向上し、活性、選択性が向上することに加えて、有機結晶化剤を除去するための焼成工程がなくなることから生産性、経済性が向上する利点がある。
前記有機結晶化剤としては、公知のものを挙げることができ、その一例としては、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(TEAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム塩、シクロペンチルアミン、アミノメチルシクロヘキサン、ピペリジン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエチルヒドロキシエチルアミン、モルホリン、ジプロピルアミン、ピリジン、イソプロピルアミン、水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム(TPA)、ジ−n−プロピルアミン(DPA)などが挙げられる。
このような混合物の水熱合成処理物を、必要に応じてさらに洗浄、乾燥、焼成工程などに処してもよい。
工程(2)
この工程では、前記工程(1)で調製した結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子と、活性金属成分の金属化合物水溶液とを混合する。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子は、これが粉末状やゲル状である場合には、あらかじめこれを水に分散させて分散液あるいは懸濁液としておき、これを活性金属成分の金属化合物水溶液と混合することが好ましい。
前記活性金属成分としては、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Znから選ばれる1種または2種以上の元素の化合物が挙げられる。
このような活性金属成分の金属化合物としては、上記金属の金属塩、アルコキシドなどが挙げられる。具体的には例えば硝酸鉄、酢酸鉄、塩化鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硝酸ルテニウム、塩化ルテニム、硝酸コバルト、塩化コバルト、蓚酸コバルト、硫酸コバルト、硝酸ロジウム、硝酸イリジウム、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、炭酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸パラジウム、塩化白金酸、硝酸銀、塩化金酸、硝酸亜鉛、硝酸銅等が挙げられる。
前記金属化合物の水溶液を調製し、前記工程(1)で調製した結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の分散液または懸濁液と混合して、混合液を調製する。
なお、有機結晶化剤を含有した結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子をそのまま(有機結晶化剤を除去せず)用いた場合には、前記分散液または懸濁液のpHが高くなり、使用する金属化合物の種類によっては沈殿を生成し、結晶性シリコアルミノリン酸塩に活性金属を均一に担持できないために活性が不充分となる場合がある。
このため、金属化合物の種類によっても異なるが、前記混合液のpHは1〜6の範囲にあることが好ましい。
前記pHの調整は、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子と金属化合物の混合割合によって調整できない場合には、金属化合物の水溶液に酸を添加して調整することができる。
前記混合液に含まれる、前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子と前記金属化合物の混合割合は、最終的に得られる活性成分含有結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子に含まれる金属成分の含有量が、金属換算基準で0.1〜10重量%、さらには0.2〜8重量%の範囲となるように混合すればよい。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の分散液または懸濁液と、金属化合物の水溶液との混合液の濃度は、該結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の固形分濃度が1〜35重量%、より好ましくは2〜20重量%となる範囲にあることが好ましい。
前記混合液の濃度が、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の固形分濃度として1重量%未満の場合は、生産性、経済性が低下し、35重量%を超えると、理由は明らかではないが活性が不充分となる場合がある。
工程(3)
ついで、前記工程(2)で調製した混合液を噴霧乾燥することにより粉末を調製する。
噴霧乾燥方法としては、所定量の金属を担持できれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。
前記噴霧乾燥の一例としては、前記混合液を単ノズル、2流体ノズル、アトマイザー等により熱風中に噴霧する方法が挙げられる。
前記熱風の温度は80〜300℃、さらには120〜250℃の範囲にあることが好ましい。
熱風の温度が80℃未満の場合は、乾燥が不充分となり、金属成分を固定できず、再度、他の方法による乾燥を必要とし、この場合、金属成分の担持が不均一になるためか活性が不充分となる場合がある。また、金属化合物の濃縮が起きないためか、所望の金属担持量とならない場合があり、このため活性が不充分となる場合がある。さらに、後述する工程(4)で洗浄する場合、金属成分が除去される場合がある。
熱風の温度が300℃を超えても、金属成分の固定効果、他の担持方法に比して金属担持量を増加させる効果、細孔内に均一に担持できる効果等がさらに向上することもない。
工程(4)
必要に応じて、前記工程(3)で噴霧乾燥して得られた粉末を洗浄する工程である。具体的には、前記工程(2)で金属化合物として硫酸塩または塩酸塩等を用いた場合には、本工程(4)で洗浄を行うことが好ましい。前記粉末を洗浄工程に処することによって硫酸根、塩素等を選択的に除去することができ、結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体の活性を向上させることができる。
前記洗浄方法としては、特に金属化合物に含まれるアニオンを選択的に除去できれば特に制限されるものではなく、具体的な一例としては、前記噴霧乾燥により得られた粉末を水、あるいは温水に懸濁し、攪拌後、濾過する方法が挙げられる。
洗浄後、乾燥させる。乾燥方法は乾燥後の水分が概ね20重量%以下になれば特に制限はなく、従来公知の乾燥方法を採用することができる。
例えば、乾燥機中、100〜150℃で0.5〜2時間程度乾燥すればよい。
工程(5)
ついで、前記工程(4)で洗浄、乾燥して得られた粉末を加熱処理(焼成)する。
前記加熱処理温度は400〜800℃、さらには500〜700℃の範囲にあることが好ましい。
前記加熱処理温度が400℃未満の場合は、有機結晶化剤を除去できないために活性が不充分となる場合があり、加熱処理温度が800℃を超えると活性が不充分となる場合がある。
前記加熱処理する際の雰囲気は、酸化雰囲気下、好ましくは空気中で行うことが経済的で好ましい。
なお、本発明では、酸化雰囲気での加熱処理についで還元雰囲気下、例えば水素ガス雰囲気下で加熱処理してもよい。
例えば、通常300〜600℃で0.5〜5時間、水素ガスを供給しながら処理することができる。
本発明に係る成型体を形成するのに用いる結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子としては、金属成分を含まない結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子、すなわち、前記工程(1)より得られたような結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子を用いてもよく、前記工程(3)または前記工程(4)または前記工程(5)より得られたような、活性金属成分含有結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子を用いてもよい。
さらに、前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子または活性金属成分含有結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子は、リン酸アルミニウムで修飾されたものであってもよい。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子にリン酸アルミニウムを修飾させることによって、NOx除去反応において、活性、特に低温活性を向上させることができるので好ましい。
リン酸アルミニウムの修飾量は、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子または活性金属成分含有結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子に対してリン酸アルミニウムがAl+Pとして0.1〜40重量%、さらには1〜20重量%の範囲で修飾されたものであることが好ましい。
前記リン酸アルミニウム修飾量がAl+Pとして0.1重量%未満の場合は低温活性を向上させる効果が不充分となる場合があり、リン酸アルミニウムの含有量がAl+Pとして40重量%を越えてもさらに低温活性が向上することもなく、逆に活性点が被覆され、活性が低下する場合がある。
また、リン酸アルミニウムは、(Al)x・(POで表したときのxの値が0.1〜3、さらには0.5〜1.5の範囲にあることが好ましい。
前記xが前記範囲にない場合は、低温活性を向上させる効果が不充分となる場合がある。
リン酸アルミニウムの修飾方法の一例としては、下記工程(A)〜(D)を含む方法が挙げられる。
リン酸アルミニウムの修飾方法
(A)結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子または活性金属成分含有シリコアルミノリン酸塩粒子の分散液を調製する工程
(B)前記分散液とリン酸アルミニウム水溶液とを混合する工程
(C)前記工程(B)より得られた混合液を噴霧乾燥する工程
(D)前記工程(C)より得られた噴霧乾燥粉体を400〜700℃で加熱処理(焼成)する工程
工程(A)
この工程では、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子または活性金属成分含有結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の分散液を調製する。
具体的には、上記の工程(1)で得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子を水に分散させた分散液や、上記の工程(1)〜(3)または(1)〜(4)または(1)〜(5)より得られた活性金属含有結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子を水に分散させた分散液を用いればよい。前記分散液は懸濁液であってもよい。
前記分散液の濃度は、後述するリン酸アルミニウム水溶液と混合でき、後述する混合液の濃度に調整できれば特に制限はない。
工程(B)
前記工程(A)で調製した分散液と、リン酸アルミニウム水溶液を混合して、混合液(噴霧乾燥用の混合液ということがある)を調製する。
リン酸アルミニウムとしては、リン酸アルミニウムを(Al)x・(POで表したときのxの値が0.1〜3、さらには0.5〜1.5の範囲にある前記リン酸アルミニウムを用いることができる。
リン酸アルミニウムの使用量は、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子または活性金属含有結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子に対してリン酸アルミニウムをAl+Pとして0.1〜40重量%、さらには1〜20重量%の範囲となるように用いればよい。
前記噴霧乾燥用の混合液の濃度は、固形分として1〜50重量%、さらには5〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
前記混合液の濃度が固形分として1重量%未満の場合はリン酸アルミニウムの修飾率が低下し、前記混合液の濃度が固形分として50重量%を越えると、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子または活性金属成分含有結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子表面にリン酸アルミニウムを均一に修飾できないためか、低温活性を向上させる効果が不充分となる場合があり、また、前記混合液のpHが高くなり、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子または活性金属含有結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の結晶性が低下し、活性が不充分となる場合がある。
工程(C)
前記工程(B)で調製した混合液を噴霧乾燥する。噴霧乾燥方法としては、前記と同様の方法を採用することが好ましい。例えば、噴霧乾燥用混合分散液をノズル、アトマイザー等により熱風中に噴霧する。
熱風の温度は80〜450℃、さらには120〜400℃の範囲にあることが好ましい。
熱風の温度が前記範囲にあれば、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子に所望量のリン酸アルミニウムを担持することができ、本発明の低温活性に優れた触媒を得ることができる。
熱風の温度が80℃未満の場合は、乾燥が不充分となり、リン酸アルミニウムの濃縮が不充分なために所定量のリン酸アルミニウム修飾量とならない場合があり、熱風温度が450℃を越えると乾燥速度が速くなるためか、リン酸アルミニウムの微粒子ができる場合がある。いずれの場合も低温活性の向上が不充分となる場合がある。
工程(D)
前記工程(C)より得られた噴霧乾燥物を400〜700℃、好ましくは500〜600℃で加熱処理(焼成)する。
なお、工程(D)での加熱処理(焼成)は触媒として使用する際に加熱処理(焼成)することもできる。
前記加熱処理温度が400℃未満の場合は、水分が残存するためか活性が不充分となる場合があり、加熱処理温度が700℃を超えると金属成分の含有量、リン酸アルミニウムの修飾量等によっても異なるが、活性が不充分となる場合がある。
加熱処理する際の雰囲気は、酸化雰囲気下、好ましくは空気中で行うことが経済的で好ましい。
以上のようにして、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子あるいは活性金属成分含有結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の表面をリン酸アルミニウムで修飾することができる。
結合材
次に本発明に係る結合材について説明する。
本発明に係る結合材は、金属成分を担持したアルミナを含むことを特徴としている。
前記金属成分を担持したアルミナを結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体の結合材として用いることによって、該成型体の触媒活性、特に低温での触媒活性を向上させることができる。
前記アルミナに担持される金属成分は、Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Mo,Ce,Sr,Nb,Pt,Au,Pd,Ru,Rh,Ag,Ir,および希土類から選ばれる1種または2種以上の金属元素を含むことが好ましい。
より好ましくは、前記金属成分がCuを含むことが好ましい。Cuを含む金属成分を担持したアルミナを結合材として用いた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体は、触媒活性を向上させる効果に非常に優れ、かつ、クラックの発生が抑制され、強度が高いため、好ましい。
前記アルミナに担持される金属成分は、前記金属元素の金属、酸化物、複合酸化物、水酸化物より選ばれる1種または2種以上を含むものであることが好ましい。
前記金属成分の担持量は、前記アルミナに含まれるAlに対して金属換算基準で0.1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%の範囲にあることが好ましい。
前記金属成分の担持量が0.1重量%未満の場合には、成型体の低温活性を向上させる効果が充分発現しない場合があり、前記担持量が10重量%を超えると、金属成分が金属微粒子の場合には該微粒子の凝集やシンタリングが起こり成型体の触媒活性を向上させる効果が低下する場合があり、金属成分がイオンや酸化物である場合にもそれ以上活性を向上させる効果がなく、経済的にも非効率となる場合があるので、好ましくない。
前記アルミナの前駆体は、下記性状(a)〜(d)を有するアルミナ水和物微粒子であることが好ましい。
(a)ベーマイト型および/または擬ベーマイト型の結晶構造を有する
(b)結晶子径が1〜10nmの範囲にある
(c)光散乱法で測定した平均二次粒子径が20〜300nmの範囲にある
(d)細孔径が1〜10nmの範囲にある
以下に(a)〜(d)について具体的に説明する。
(a)前記アルミナ水和物微粒子がベーマイト型および/または擬ベーマイト型の結晶構造を有することが好ましい。
前記アルミナ水和物微粒子がベーマイト型および/または擬ベーマイト型の結晶構造を有する場合には、アルミナ水和物微粒子の比表面積が大きいため充分な量の金属成分を担持することができ、また該微粒子が水酸基(−OH基)を多く有し水への分散性、安定性および保水性に優れるため成型性が高く、成型体の強度が向上するので好ましい。
前記アルミナ水和物微粒子がベーマイト型および/または擬ベーマイト型の結晶構造を有さない場合には、アルミナ水和物微粒子の比表面積が小さいため、所望量の金属成分を担持できない場合があったり、また、水酸基含有量が少なく、収縮力が低下するので成型体の成型性や強度が低下する場合があるので好ましくない。
より好ましくは、前記アルミナ水和物微粒子が擬ベーマイトアルミナ水和物微粒子であることが好ましい。
擬ベーマイトアルミナ水和物微粒子(Al・nHO、n=0.5〜2.5)は結晶性アルミナ水和物微粒子の一種で、通常、繊維状の一次粒子が束になった繊維状の二次粒子を形成した微粒子である。
前記一次粒子の大きさは、特に制限されるものではないが、平均長さ(L)が1〜20nm、さらには2〜15nmの範囲にあることが好ましく、平均幅(W)が0.5〜10nm、さらには1〜8nmの範囲にあることが好ましい。また、この時、長さと径の比(L)/(W)(アスペクト比ということがある)は2〜40の範囲にあるようなものを使用することができる。前記一次粒子の大きさは、アルミナ水和物微粒子の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、100個の粒子について幅および長さを測定し、各々の平均値として求めることができる。
(b)前記アルミナ水和物微粒子の結晶子径は1〜10nm、より好ましくは2〜8nmの範囲にあることが好ましい。前記結晶子径が前記範囲にある場合には、比表面積が大きく充分な金属量を担持でき、水酸基量が多く水への分散安定性や保水性に優れるため成型性が高く、収縮性も高まるため成型体の強度を向上させる効果が高いので好ましい。前記結晶子径が1nm未満のものは、調製することが技術的に困難な場合があり、また、前記結晶子径が10nmを超えると、水酸基量が減少するため成型体の成型性や強度が低下する場合があるので好ましくない。
(c)前記アルミナ水和物微粒子の光散乱法で測定した平均二次粒子径が20〜300nm、より好ましくは30〜200nmの範囲にあることが好ましい。前記平均二次粒子径が前記範囲にある場合には、成型体の成形性が高く、クラックを抑制する効果が高く、該成型体の強度、耐摩耗性、耐エロージョン性などが向上するので好ましい。
前記平均二次粒子径が20nm未満の場合には、アルミナ水和物微粒子の収縮性が高くなりすぎ、成型体にクラックが発生する場合があるので好ましくない。前記平均二次粒子径が300nmを超えるとアルミナ水和物微粒子の分散性が低下し、成型体の成形性が低下したり、該成型体の強度、耐摩耗性、耐エロージョン性などが低下する場合があるので好ましくない。
(d)前記アルミナ水和物微粒子の細孔径が1〜10nm、より好ましくは2〜8nmの範囲にあることが好ましい。前記細孔径が前記範囲にある場合には、成型体のガス透過性が高く触媒性能が向上するので好ましい。
前記細孔径が1nm未満の場合には、成型体の触媒性能が低下する場合があるので好ましくない。前記細孔径が10nmを超えると、成型体の緻密性が低下し強度が低下する場合があるので好ましくない。
また、前記アルミナ水和物微粒子の細孔容積は、0.1〜1cc/g、より好ましくは0.2〜0.8cc/gの範囲にあることが好ましい。
前記細孔容積が0.1cc/g未満の場合には、成型体のガス透過性が低く、触媒性能が低下する場合があり、前記細孔容積が1cc/gを超えると、成型体の緻密性が低下し強度が低下する場合があるので、好ましくない。
なお、ここで、前記「アルミナの前駆体」の意味について説明する。
本発明に係る成型体は、後述するように、結晶性シリコアルミノリン酸塩微粒子と、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子と水とを含む混合物を混錬、成型、乾燥、焼成して製造される。
ここで、アルミナの前駆体とは、前記混合物に含まれる、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子を指すものであって、混錬や成型、乾燥、焼成といった工程に処される前のアルミナ成分(結合材としてのアルミナ成分)を意味するものである。
本発明に係る成型体に結合材として含まれる、前記金属成分を担持したアルミナの含有量は8〜40重量%、さらには15〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明に係る結合材には、成型体中に結合材として含まれる金属成分担持アルミナが前記範囲を満たす範囲において、さらにそれ以外の成分、例えばシリカ成分、グラスウールなどを含んでいてもよい。
前記成型体に含まれる結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の含有量は60〜90重量%、さらには70〜85重量%の範囲にあることが好ましい。
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の含有量が60重量%未満の場合は活性が不充分になる場合があり、90重量%を越えると結合材として含まれるアルミナの含有量が少なくなるために成型性が不充分となり、得られる成型体にはクラックが生じやすく、強度、耐摩耗性等が不充分となる場合がある。
本発明に係る成型体のうち、耐クラック性や成型体の強度に非常に優れるもの、すなわち、結晶度および/または水分吸着量が所定の範囲にある結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子を用いた成型体や結合材に含まれるアルミナの前駆体が所定の性状を有する成型体は、は、後述するように成型体材料の混合物を押出成型後、乾燥、焼成して製造されるが、このときのクラックの発生を抑制する効果に優れている。また、単に製造後のクラックの発生の抑制のみならず、その後該成型体を大気環境下にさらした場合、あるいは高温環境下と大気環境下(常温)に繰り返しさらした際のクラックを抑制する効果に特に優れている。
前記焼成した後にクラックを生じると、成形体の破壊の原因になったり、強度、耐摩耗性が低下、反応成績が低下する場合があり、前記大気環境下にさらした場合にクラックを生じると、成型体の破壊原因等になることに加えて、長期使用が困難になる場合がある。
なお、本発明に係る成型体のうち、前記シリコアルミノリン酸塩粒子の性状と、結合材に含まれるアルミナの前駆体の性状とを組み合わせたものについては上述した耐クラック性や成型体強度に非常に優れ、長期的に安定で、触媒活性についても長期的に維持することができる。
なお、本発明の成型体は、結晶度あるいは水分吸着量が必ずしも高くない結晶性シリコアルミノリン酸塩を用いる場合があるが、このような結晶性シリコアルミノリン酸塩を用いることによってクラックの発生が抑制される理由は明らかではないが、結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体の製造過程あるいはその後の熱履歴、水分吸着履歴を受けた場合に膨張、収縮等による応力を吸収できるか、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子自体の膨張、収縮等が小さいことが考えられる。
本発明の結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体は、前記したようにハニカム状、ペレット状、コルゲート状、球状、板状、管状(パイプ状)、リング状、三つ葉状等の成型体が挙げられるが、成型が困難で、クラックが生じやすいハニカム成型体として好適に用いることができる。
ハニカム成形体としては、通常、(1)外径が30〜300mm、(2)長さが100〜3000mm、(3)貫通孔(目開き)が1〜15mm、(4)隔壁厚が0.1〜2mm、開口率が60〜85%の範囲にあるが、これら仕様は用途によって適宜選択することができる。
2.結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体の製造方法
本発明に係る結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体の製造方法は、下記の工程(a)〜(d)および(f)を含むことを特徴としている。
(a)結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子と金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子と水とを混合する工程
(b)混合物を混練(捏和)する工程
(c)成型する工程
(d)乾燥する工程
(f)400〜800℃で加熱処理(焼成)する工程
工程(a)
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子と金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子と水とを混合する。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子は、活性金属成分を含む活性金属成分含有結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子や、リン酸アルミニウムを修飾した結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子であってもよい。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子は、噴霧乾燥法によって活性金属成分を含ませた結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子に、噴霧乾燥法によりリン酸アルミニウムを修飾したものを用いることが最も好ましい。
これらの性状や製造方法についてはすでに上述したものを用いることができる。
前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子に噴霧乾燥法によって活性金属成分を含ませると、活性金属成分を均一に担持できるためか活性が高く、また、他の方法に比して担持できる量が多くできるので活性を高くすることができる。
前記活性金属成分を含ませた結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子に噴霧乾燥法によってリン酸アルミニウムを修飾させると、該粒子表面にリン酸アルミニウムを均一に修飾でき、活性、特にNOx除去反応における低温活性に優れた触媒を得ることができる。
次に、前記金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子の製法について述べる。
まず、アルミナ水和物微粒子の調製方法について以下に述べる。
アルミナ水和物微粒子の製法の一例としては、アルカリ性アルミニウム塩水溶液と酸性物質とを反応させたのち、アンモニア源を添加する方法が挙げられる。
より具体的には、アルミン酸ナトリウム水溶液と、硫酸アルミニウムなどの酸性物質を反応させてアルミナ水和物のゲルを生成し、ついで該ゲルをアンモニア水で洗浄したのち、必要に応じて水で懸濁する方法を用いることが好ましい。
また、これらを必要に応じて酸で解膠してもよい。
このような製法の一例としては再公表WO01/016026号公報に記載のアルミナ水和物微粒子の製造方法などを挙げることができる。
このような方法で得られた分散液に含まれるアルミナ水和物の粒子は繊維状のベーマイト型または擬ベーマイト型の結晶構造を有しており、結合材に用いた際の成型体の強度を向上させることができるので好ましい。
このようなアルミナ水和物微粒子に、例えば中和反応によりアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる方法、ヘテロ凝集または電気的引力によりアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる方法、または噴霧乾燥法を用いてアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持する方法などにより、金属成分を担持することができる。
さらに、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子のより好ましい製法の一例として、下記工程(I)〜(IV)を含む製造方法を挙げることができる。
金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子の製造方法
(I)アンモニウムイオンを含み、pHが9〜12の範囲にあるアルミナ水和物微粒子の分散液を製造する工程、
(II)前記工程(I)より得られた分散液に無機酸および/有機酸を加えてpH7.0〜8.5の範囲に調整し、50〜200℃の温度にて加熱して混合液を得る工程、
(III)前記工程(II)より得られた混合液に無機酸および/または有機酸を加えてpH3.0〜6.0の範囲に調整し、50〜200℃の温度にて加熱することによりアルミナ水和物微粒子分散体を得る工程、および
(IV)前記工程(III)より得られた分散体に含まれるアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる工程
以下に各工程について具体的に説明する。
工程(I)
この工程ではアンモニウムイオンを含み、pHが9〜12の範囲にあるアルミナ水和物微粒子の分散液を製造する。
前記アルミナ水和物微粒子の製法としては、アルカリ性アルミニウム塩水溶液と酸性物質とを反応させたのち、アンモニア源を添加する方法が挙げられる。
さらに具体的には、アルミン酸ナトリウム水溶液と、硫酸アルミニウムなどの酸性物質を反応させてアルミナ水和物のゲルを生成し、ついで該ゲルをアンモニア水で洗浄したのち、必要に応じて水で懸濁する方法を用いることが好ましい。
このとき、アルミン酸ナトリウム水溶液と、硫酸アルミニウムなどの酸性物質のそれぞれの使用量は濃度によっても異なるが、アルミン酸ナトリウムの量を基準に、酸性物質が等モル〜1.2モル倍となるような範囲で反応させればよい。
さらに、前記アルミニウム塩水溶液と酸性物質を反応させる際に、ポリアクリル酸、ヒドロキシプロピルセルロース、およびシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、グルコン酸、フマル酸、フタル酸、クエン酸などの多価カルボン酸およびその塩の存在下で反応を行うことがより好ましい。
アンモニウムを含むアルミナ水和物微粒子を結合材となるアルミナの前駆体として用いると、成型体の強度が向上するので好ましい。
前記アンモニウムの量は特に制限されるものではないが、アルミナ水和物微粒子の分散液に含まれるアルミニウムとアンモニウムイオンの重量比はNH/Al換算基準で0.0005〜0.2の範囲となるように、前記アンモニア源の添加、あるいはアンモニア水による洗浄を行うことがより好ましい。
前記重量比が0.0005未満の場合にはセラミック成型体の強度が低下する場合があり、前記重量比が0.2を超えるとセラミック成型体の強度が低下する場合があるので好ましくない。
前記アルミナ水和物微粒子の分散液のpHは9〜12、より好ましくは9〜11の範囲にあることが好ましい。前記pHが9未満の場合には該分散液に含まれるアルミナゲルが小さくなり、その後の工程でフィルターに詰まり洗浄が困難となる場合があるので好ましくない。前記pHが12を超えるとアルミナ水和物微粒子の結晶構造がバイヤライト型となり、該アルミナ水和物微粒子を結合材の前駆体として用いて得られた成型体の強度が低下する場合があるので好ましくない。
前記pHはアンモニウムイオンの添加量やあるいはアルカリ性アルミニウム塩水溶液と酸性物質との反応量などにより調整すればよい。
工程(II)
この工程では、前記工程(I)で製造したアルミナ水和物微粒子の分散液を無機酸および/または有機酸を用いてpH7.0〜8.5の範囲に調整したのち、50〜200℃の温度にて加熱することにより混合液を得る。
前記無機酸としては硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、フッ化水素酸などが挙げられる。
前記有機酸としてはギ酸、酢酸、ブタン酸、プロピオン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、9-ヘキサデセン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、グリコール酸、クエン酸、りんご酸、乳酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、しゅう酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、フタル酸などが挙げられる。
最も好ましくは、本工程(II)で硝酸、塩酸、硫酸から選ばれる1種以上の無機酸を使用すると、最終的に得られるアルミナ水和物微粒子分散体に含まれるアルミナ水和物微粒子の保水性や安定性、分散性がより向上し、成型体の強度が向上するため好ましい。
前記無機酸および/有機酸を添加したときのpHは7〜8.5、より好ましくは7〜8の範囲にあることが好ましい。
前記pHが7未満の場合には、アルミナ水和物微粒子が不均一に解膠され、成型体の強度が低下するので好ましくない。
より具体的には、pH7未満の条件で1回のみ解膠させたアルミナ水和物微粒子は、二次粒子径が充分小さくならず、アルミナ水和物微粒子の保水性や分散性、安定性が低いため成型体の強度が低下する場合があり、pH7未満の条件で二回解膠させたアルミナ水和物微粒子は、溶媒中での粘度が高すぎるため成型体の強度が低下し、クラックが発生する場合があるためである。
また、前記pHが8.5を超えると解膠が不十分となり、アルミナ水和物微粒子の分散性や安定性、保水性が低く、成型体の強度が低下する場合があるので好ましくない。
前記加熱温度は50〜200℃、より好ましくは50〜100℃の範囲にあることが好ましい。
前記加熱温度が50℃未満の場合には解膠が不十分となり、アルミナ水和物微粒子の二次粒子径が大きくなり、前記加熱温度が200℃を超えるとアルミナ水和物微粒子の結晶径が大きくなりすぎるため好ましくない。
前記加熱時間は1〜10時間の範囲にあることが好ましい。前記加熱時間が1時間未満の場合には、解膠が不十分となる場合があり、アルミナ水和物微粒子の二次粒子径が増大して得られるセラミック成型体の強度が低下する場合があるので好ましくない。
また、前記加熱時間が10時間を越えると、アルミナ水和物微粒子は充分解膠されるのでそれ以上解膠する効果が少なく、生産性が低下する場合があるので好ましくない。
また、本工程において製造した混合液中のアルミニウム含有量はAl2O3換算基準の固形分濃度で1〜20重量%、より好ましくは3〜10重量%の範囲にあることが好ましい。前記アルミニウム含有量が1重量%未満の場合には生産効率が低下する場合があるので好ましくない。前記アルミニウム含有量が20重量%を超えると粘度が高くなり製造時の分散液の移動が煩雑となる場合があるため好ましくない。
工程(III)
この工程では、前記工程(II)により得られた混合液に無機酸および/または有機酸を加えて、pH3〜6の範囲に調整し、50〜200℃の温度にて加熱することによりアルミナ水和物微粒子分散体を調製する。
前記pHは3〜6、より好ましくは3.5〜5.5の範囲にあることが好ましい。前記pHが3未満の場合にはアルミニウム水和物微粒子分散体に含まれるアルミナ水和物微粒子が溶解し、該アルミナ水和物微粒子を結合材前駆体として用いた成型体にクラックが発生する場合があり、前記pHが6を超えるとアルミナ水和物微粒子の2次粒子径が大きく分散性や安定性が低下し、成型体の強度が低下するので好ましくない。
前記加熱は50〜200℃、より好ましくは50〜100℃で加熱することにより行うことが好ましい。
前記温度が50℃未満の場合には解膠が不均一となり、アルミナ水和物微粒子の二次粒子径が大きくなり、前記加熱温度が200℃を超えるとアルミナ水和物微粒子が溶解しやすくなり、結合材とした際に成型体に過剰な収縮力がかかりクラックが発生しやすくなるため好ましくない。
前記加熱の時間は1〜10時間の範囲にあることが好ましい。前記加熱の時間が1時間未満の場合には、解膠が不十分となる場合があり、アルミナ水和物微粒子の二次粒子径が増大して得られるセラミック成型体の強度が低下する場合があるので好ましくない。
また、前記加熱の時間が10時間を越えると、アルミナ水和物微粒子は充分解膠されるのでそれ以上解膠する効果が少なく、生産性が低下する場合があるので好ましくない。
前記無機酸/および有機酸としては工程(II)に記載したものと同様のものを使用することができる。
また、最も好ましい形態としては、本工程にてギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸より選ばれた1種以上の有機酸を用いることが好ましい。
このような有機酸を用いて解膠したアルミナ水和物微粒子を結合材の前駆体として用いた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体は、成型体の細孔を閉塞することが少なく、成型体の活性が向上するのでより好ましい。
最も好ましい形態としては、前記工程(II)で無機酸、好ましくは硝酸を使用したのちに、本工程(III)にて有機酸、好ましくは乳酸を使用すると、保水性、分散性、安定性に最も優れたアルミナ水和物微粒子を含む分散体が得られるので好ましい。
このようにして得られたアルミナ水和物微粒子分散体は該分散体に含まれるアルミナ水和物微粒子の保水性、分散性、安定性が高く結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体用結合材の前駆体として用いれば高強度でクラックがなく、触媒活性の高い成型体を得ることができる。
前記アルミナ水和物微粒子分散体の濃度は、Al2O3換算基準での固形分濃度が4〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%であることが好ましい。
前記固形分濃度が4重量%未満の場合には成型体を調整する場合の持ち込み水分が多くなり、その結果、成型体の強度が低下する場合があり、前記固形分濃度が20量%を超えると結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子との混合の均一性が低下し成型体の強度が低下する場合があるので好ましくない。
また、前記工程(III)より得られた、アルミナ水和物微粒子分散体を、乾燥工程に処したのち、さらに純水等の溶媒に再分散させて分散体としてから次の金属成分担持工程に処してもよい。
このような操作は次の工程においてアルミナ水和物微粒子分散体を所望される濃度に調整する目的などに応じて必要に応じて行えば足りる。
工程(IV)
この工程では、前記工程(III)より得られたアルミナ水和物微粒子分散体に含まれるアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持する。
金属成分の担持方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば中和反応によりアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる方法、ヘテロ凝集または電気的引力によりアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる方法、または噴霧乾燥法を用いてアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持する方法などを用いることができる。
さらに、より具体的には、下記工程(i)〜(iii)のいずれか1種以上の方法により、アルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させることが好ましい。
(i)金属塩を溶解させ、pH2〜4の範囲に調整した金属塩溶液を、前記工程(III)より得られたアルミナ水和物微粒子分散体に添加することにより、アルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる工程。
(ii)マイナス電荷に帯電した金属コロイドを含む金属コロイド分散液を前記工程(III)より得られたアルミナ水和物微粒子分散体に添加することにより、アルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる工程。
なお、前記金属コロイド分散液は、例えば金属イオンと高分子との錯体を形成させ、アルコールやグリコール中で窒素気流下、加熱還流還元する方法や、必要に応じて水素や水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で還元する方法により製造することができ、また、特開平10−188681や特開20002−294301号公報に記載されたような方法に準じて製造することができる。
(iii) 金属塩を溶解させpHを2〜4の範囲に調整した金属塩水溶液および/またはマイナス電荷に帯電した金属コロイドを含む金属コロイド分散液と前記工程(III)で得られたアルミナ水和物微粒子を含む分散液とを噴霧乾燥させることによりアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる工程
またこれらの(i)〜(iii)の工程の後にそれぞれ乾燥処理などを行ってもよい。
前記金属塩の一例としては、Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Mo,Ce,Sr,Nb,Pt,Au,Pd,Ru,Rh,Ag,Ir,および希土類から選ばれる1種または2種以上の金属元素を含む酢酸マンガン(II)、塩化マンガン(II)、硝酸マンガン(II)、硫酸マンガン(II)、酢酸鉄(II)、塩化鉄(II)、硝酸鉄(II)、硫酸鉄(II)、クエン酸鉄(II)、酢酸コバルト(II)、ビス(2,4−ペンタンジオネート)コバルト(II)、トリス(2, 4−ペンタンジオネート)コバルト(III)、塩化コバルト(II)、硝酸コバルト(II)、酢酸ニッケル(II)、ビス(2,4−ペンタンジオネート)ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)、シュウ酸ニッケル(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0) 、テトラシアノニッケル(II)酸カリウム、酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、塩化銅(I)、塩化銅(II)、ヨウ化銅(I)、ヨウ化銅(II)、硝酸銅(II)、硫酸銅(II)、ビス(2,4−ペンタンジオネート)銅(II)、テトラクロロ銅(II)酸カリウム、酢酸亜鉛(II)、ビス(2,4−ペンタジオネート)亜鉛(II)、硝酸亜鉛(II)、硫酸亜鉛(II)、酢酸モリブデン(II)、塩化モリブデン(II)、硝酸モリブデン(II)、硫酸モリブデン(II)、酸化セリウム(II,IV)、水酸化セリウム(II)、塩化セリウム(II)、硝酸セリウム(II、IV)、塩化白金(II)、塩化白金(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)酸カリウム、ヘキサクロロ白金( I V)酸、テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金(0)、テトラクロロ白金(II)酸カリウム、ジニトロジアンミン白金(II)、塩化金(I)、塩化金(III)、臭化金(III)、テトラシアノ金(III)酸カリウム、テトラクロロ金(III)酸、塩化(トリフェニルホスフィン)金(I)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、炭酸パラジウム、ビス(2,4−ペンタンジオネート)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 、テトラクロロパラジウム(II)酸カリウム、塩化ルテニウム(III)、硝酸ルテニウム(III)、酢酸ロジウム(II)、塩化ロジウム(III)、硝酸ロジウム(III)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)−μ ,μ'−ジクロロロジウム、トリス( トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロリド、酢酸銀(I)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)、硝酸銀(I)、硫酸銀(I)、p-トルエンスルホン酸銀(I)、炭酸銀、塩化イリジウム(III)、塩化イリジウム(IV)、を用いることが好ましい。
前記金属コロイド分散液は、Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Mo,Ce,Sr,Nb,Pt,Au,Pd,Ru,Rh,Ag,Ir,および希土類から選ばれる1種または2種以上の金属元素のコロイド微粒子の分散液を用いることが好ましい。
また、前記金属成分の担持量は、前記アルミナ水和物微粒子に含まれるアルミニウムをAl換算基準で表したとき、これに対して0.1〜10重量%の範囲となるように担持することが好ましい。
前記金属成分の担持量が0.1重量%未満の場合には、結合材として成型体の活性を助ける機能が充分発現しない場合があるので好ましくない。
また、前記金属成分の担持量が10重量%を超える金属成分が凝集やシンタリングを起こし触媒活性を向上させる効果が低下したり、またはそれ以上活性が向上しない場合があるので、好ましくない。
このようにして得られたシリコアルミノリン酸塩粒子と、金属成分とを担持したアルミナ水和物微粒子と、水とを混合する。
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子と金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子の混合比は、全固形分中の結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子が固形分として60〜90重量%、好ましくは70〜85重量%となるように混合すればよい。
また、混合物中の水の量は、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子と金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子の混合比、両成分の粒子径、後述する成型助剤の有無、使用量等によっても異なるが、30〜60重量%、さらには40〜55重量%の範囲となるように混合する。
水の混合量が少ないと、成型性が低下するとともに、成型時、乾燥時にクラックが容易に発生する場合があり、得られる成型体の強度、耐摩耗性が不充分となる場合がある。
水の混合量が多すぎると、後述する工程(b)での混練効果が不充分となる場合があり、成型は容易になるが、乾燥時の不均一な収縮にともなうクラックが発生する場合がある。
さらに、混合物には成型助剤(可塑剤ということがある)を混合することができる。
成型助剤としては、結晶セルロース、メチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ポリビニルアルコール、澱粉、リグニン等が挙げられる。
このような成型助剤は、固形分の10重量%以下、さらには1〜5重量%の範囲で添加することが好ましい。
成型助剤を添加すると、前記水分の範囲を外れても成型性がよく、また、ダイス等との付着性が低下し(即ち、滑り性がよくなり)、成型性が向上する場合がある。
工程(b)
ついで、前記工程(a)より得られた混合物を混練(捏和)する。
混練(捏和ということがある)は、通常、ニーダー等によって行う。この時、必要に応じて加熱下、混練することもできる。
混練することによって、混合物が均一になるとともに可塑性が増大し、成型性が向上するとともに、得られる成型体の強度、硬度、耐摩耗性等が向上し、クラックも抑制される傾向にある。
工程(c)
ついで、前記工程(b)より得られた混練物を成型する。
本発明では、従来公知の押出成型機を用いてハニカム状、ペレット状、球状、板状、管状(パイプ状)、リング状、三つ葉状成型体等の形状の成型体を得ることができる。
押出成型機を適宜選択することによって種々形状の成型体を得ることができる。
工程(d)
ついで、前記工程(c)より得られた成型体を乾燥する。
乾燥は、従来公知の方法を採用することができるが、この時、成型体を均一に乾燥することが重要である。例えば、湿度をコントロールしたり、温度分布を均一にすることが好ましい。この条件下、通常30〜200℃、好ましくは50〜150℃で、1〜48時間、好ましくは2〜36時間乾燥する。乾燥後の成型体の水分含有量は概ね10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
工程(f)
ついで、前記工程(d)より得られた成型体を400〜800℃、好ましくは450〜700℃で加熱処理(焼成)する。
加熱処理温度が400℃未満の場合は、成型体の強度、耐摩耗性等が不充分となる場合がある。また、成型助剤を使用した場合は、成型助剤に由来する有機物が残存して性能を阻害する場合がある。
加熱処理温度が800℃を越えると、用いる結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の種類、結晶度によっては過度に構造崩壊が起こり、活性が不充分となる場合がある。
このようにして得られた成型体は、吸着剤に用いる場合はそのまま使用することができるが、触媒として用いる場合で、活性金属成分を担持してない結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子を用いた成型体では、工程(d)の後、成形体に活性金属成分を担持(工程(e))すればよい。
具体的には、成型体の細孔容積を測定し、細孔容積に相当する量の前記した活性金属化合物水溶液を成型体に吸収させ、乾燥し、ついで焼成する。
このようにして得られる結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の成型体は触媒性能に優れ、特に低温での触媒活性を非常に向上させることができる。
吸着剤としては、特に水の吸着性能に優れ、触媒としては、還元触媒として好適に用いることができ、例えば、CO還元触媒、NOx還元触媒等として好適に用いることができる。
[評価方法および測定方法]
次に、本発明の実施例その他で使用された測定方法および評価試験方法を具体的に述べれば、以下の通りである。
(1)結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の平均粒子径の測定方法
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影し、任意の100個の粒子について粒子径を測定し、その平均値として求めた。
(2)結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の結晶度の測定方法
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子のX線回折スペクトルの主ピーク(SAPO−5の場合は2θ=7.50°、SAPO−11の場合は2θ=21.95°、SAPO−34の場合は2θ=9.50°、SAPO−37の場合は、2θ=6.20°)のピーク高さを、後記する実施例12の結晶性シリコアルミノリン酸塩のピーク高を100%として対比して結晶度(%)とした。
(3)結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の水分吸着量の測定
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子を500℃で1時間焼成し、相対湿度80%、温度25℃で24時間水分を吸着させた時の重量を、該吸着した水分を焼成により除去した時の結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の重量で除して得られるものとする。
(4)アルミナ水和物微粒子の結晶構造の同定方法
アルミナ水和物微粒子分散体を噴霧乾燥して得られたアルミナ水和物微粒子粉末のX線回折パターンをX線回折装置(理学電機製、RINT−1400)にて測定し、JCPDSのハードを用いて結晶形の定性を行った。なお、擬ベーマイト構造は、完全なベーマイト構造と比べてピークがブロードであり、2θ=14.5°に相当するピークが14°近くの低角側にシフトしていることを目安として同定した。
(5)アルミナ水和物微粒子の結晶子径の測定方法
アルミナ水和物微粒子分散体を噴霧乾燥して得られたアルミナ水和物微粒子粉末のX線回折パターンをX線回折装置(理学電機製、RINT−1400)で測定し、2θ=14.5°のピークに相当するベーマイト水和物(あるいは、14°付近にシフトした擬ベーマイト水和物)のピーク半値幅からデバイ・シェラーの式を用いて結晶径を算出した。
(6)アルミナ水和物微粒子の二次粒子径の測定方法
アルミナ水和物微粒子分散体を噴霧乾燥して得られたアルミナ水和物微粒子粉末をイオン交換水に分散させて固形分濃度0.5質量%の分散体を調製し、粒子径分布測定装置(大塚電子株式会社製:PAR-III)を用いて、動的光散乱法によりこの分散体に含まれるアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径を測定した。
また銅微粒子が分散したコロイド溶液に含まれる銅微粒子の二次粒子径についても、同様の濃度および測定装置にて測定した。
(7)平均細孔容積および比表面積の測定方法
粉末若しくは成型物10gをルツボに取り、300℃で1時間乾燥後、デシケーターに入れて室温まで冷却した。次いで、よく洗浄したセルに1gの粉末若しくは成型物を取り、窒素吸着装置(日本ベル製 BELSORP mini−II)にて窒素を吸着させ、比表面積を測定し、また以下の式から細孔容積およびを算出した。
細孔容積(ml/g)=0.001567×(V−Vc)/w
但し、0.001567: 窒素ガスと液体窒素の密度の比、
V: 圧力735mmHgでの標準状態の吸着量(ml)、
Vc: 圧力735mmHgでのセルブランク(ml)、
W: 試料質量(g) である。
(8)アルミナ水和物微粒子の平均細孔径の測定方法
前記(7)と同様の処理で窒素吸着装置(日本ベル製 BELSORP mini−II)にて測定した吸着等温線からBJH法により求めた細孔分布曲線(ここでは、細孔直径Dを横軸とし、これに対して縦軸に細孔容積Vを細孔直径Dで微分した値dV/dDをプロットした曲線)のピークの頂点に相当する細孔直径の値を平均細孔径とした。
(9)アルミナ水和物微粒子分散体の粘度の測定方法
アルミナ水和物微粒子分散体を噴霧乾燥して得られたアルミナ水和物微粒子粉末をイオン交換水に分散させて、Al2O3換算基準の固形分濃度が7.5%のアルミナ水和物微粒子分散体を調製し、これを攪拌速度200rpsで5時間攪拌したのち、粘度計(東機産業株式会社製:TVB-10)を用いて粘度を測定した。
(10)アルミナ水和物微粒子分散体のヘーズの測定方法
アルミナ水和物微粒子分散体を噴霧乾燥して得られたアルミナ水和物微粒子粉末をイオン交換水に分散させてなる分散液(Al濃度7.5%)を調整し、1cm幅のガラスセルに入れて、ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製:NDH2000)を用いて、ヘーズを測定した。
なお、ここで、ヘーズが高いほど分散体の透明性が低く、ヘーズが低いほど分散体の透明性が高いことを意味する。
(11)金属元素含有量の組成分析
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子、あるいはアルミナ水和物微粒子に含まれる金属元素の組成はICP誘導結合プラズマ発光分光分析装置SPS1200A(セイコー電子株式会社製)により測定した。
(12)成型体の強度の評価
ペレット状の成型体15個について、強度測定機((株)木屋製作所製:木屋式硬度計20kg計)にて圧壊強度を測定し、その平均値を強度(A)とした。
さらに、別のペレット状の成型体15個について、相対湿度(RH)=60%、温度25℃の調湿機にて15Hr吸湿させ、ついで、180℃で1Hr乾燥した後、同様に圧壊強度を測定し、その平均値を強度(B)とした。
強度(A)、強度(B)とともに強度比(B)/(A)x100(%)を表に示した。
(13)耐クラック性の評価
実施例および比較例の、「成型体の調製」の工程で、押出成型機(理研精機(株)製;デジプレッシャーDPS−700S、ダイス穴径3mmΦ)を用いる代わりに、押出成型機(理研精機(株)製:デジプレッシャーDPS-700S、ダイス穴径10mmΦ)を用いて成型し、50mmの長さにカットし、ついで、130℃で2時間乾燥し、ついで、600℃で2時間焼成して得られたペレット状の成型体についてクラックの有無を観察し、以下の基準で評価し、クラック(A)として結果を表に示した。
また、この成型体を相対湿度(RH)=60%、温度25℃の調湿機にて15Hr吸湿させ、ついで、180℃で1Hr乾燥した後、同様にクラックの有無を観察し、以下の基準で評価し、クラック(B)として結果を表に示した。
クラックが全く認められなかった。 : ◎
微細なクラックが僅かに認められた。: ○
微細なクラックが多く認められた。 : △
大きなクラックが認められた。 : ×
(14)線膨張率の測定
ペレット状の成型体(1) 3個について、相対湿度(RH)=60%、温度25℃の調湿機にて15時間吸湿させた後のペレットの長さ(LH2O)と、このペレットをさらに25℃から400℃まで昇温させたときのペレットの長さ(LCAL)をSHIMADZU社製:TMA−50により測定し、下記式により求めた値の平均値を線膨張率(%)とした。
線膨張率(%)=[(LCAL)−(LH2O)]/(LH2O)x100
この線膨張率が低いほど、成型体の耐クラック性が高いとして評価した。
(15)触媒活性評価
ペレット状の成型体10ccを常圧固定床流通式反応管に充填し、反応ガス(NO:500ppm、NH:500ppm、O:10vol%、N:バランス)を6000cc/minで流通させながら、反応温度150℃、200℃、300℃、400℃の各温度で定常状態になった時点でのNOx除去率を下記式によって求め、結果を表に示した。
X=[({NOx}in−{NOx}out)/{NOx}in]X100
ここで、XはNOx除去率(%)、{NOx}inは入り口の窒素酸化物ガス濃度、{NOx}outは出口の窒素酸化物ガス濃度を示す。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。しかし、本発明は、これらの実施例に記載された範囲に限定されるものではない。
[実施例1]
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の調製
濃度75重量%のリン酸水溶液807.3gと純水2060.7gとを混合して、濃度21.1重量%のリン酸水溶液2868gを調製した。これに、濃度35重量%のテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(TEAH)974.9gを混合し、ついで、アルミナ源として擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)440.5gを10分程度で分散させ、分散液を15分間攪拌した。
ついで、分散液にシリカ源としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SI−30、SiO濃度30重量%)216.5gを約10分間で添加して、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子合成用スラリー(1)を調製した。
ついで、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子合成用スラリー(1)をオートクレーブに充填し、1時間攪拌後、170℃に昇温し、12時間、自生圧にて水熱処理した。
その後、得られた水熱処理物を濾過分離し、これに60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)のケイ素含有量はSiO換算基準で8重量%、アルミニウム含有量はAl換算基準で39重量%、リン含有量はP換算基準で50重量%であって、結晶度は45%、比表面積は430m/g、水分吸着量は30重量%、平均粒子径は3μmであった。
金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の調製
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)500gを水2500gに分散させ、コロイドミル処理して結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子分散液(1)を調製した。
別途、硝酸第二銅3水和物58.8gを水2500gに溶解して硝酸銅水溶液を調製した。
この硝酸銅水溶液に、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子分散液(1)を混合して噴霧乾燥用混合液を調製した。この時、混合液のpHは3.5であった。
ついで、噴霧乾燥用混合液を熱風温度230℃の噴霧乾燥機中に回転数7000rpmのアトマイザーにて噴霧し、得られた粉末を600℃で2時間焼成して金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)を調製した。
この時の結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)に対する銅の担持量は、金属換算基準で3重量%であった。
また、このようにして得られた金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の比表面積は378m/gであった。
金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)の調製
ついで、結合材の前駆体となる、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子を調製した。
(工程I)
アルミン酸ソーダ水溶液(Al23としての濃度3質量%)12.7kgを撹拌しながら、これに濃度26質量%のグルコン酸ソーダ水溶液500gを添加し、硫酸アルミニウム水溶液(Al23としての濃度1.5質量%)28kgを5分間かけて添加してアルミナヒドロゲルを調製した。このアルミナヒドロゲルの温度は60℃で、pHは9.5であった。その後、撹拌を停止し、60℃で90分間熟成を行った。 次いで、フィルターにて、生成したアルミナヒドロゲルを濾過し、濃度1.5%のアンモニア水によって洗浄した。得られたアルミナヒドロゲル中のアルカリおよび硫酸根の残存量は、Na2Oとして0.022質量%、SO4として0.062質量%(いずれも乾燥したアルミナヒドロゲル粉末基準)であった。洗浄したアルミナヒドロゲルに水を加えてAl23として8.0質量%に調整し、これに濃度15%のアンモニア水を加えてpHを11.2に調整し、得られた分散液をアルミナ水和物微粒子の分散液とした。
(工程II)
ついでこの分散液を95℃に加熱し、濃度10%の硝酸を添加してpH7.5に調整し、分散液の温度を95℃に維持しながら5時間攪拌を行い混合液を作成した。
(工程III)
その後、この混合液に濃度20%の酢酸を添加してpH4.0に調整し、95℃の温度に維持しながら5時間攪拌を行い、アルミナ水和物微粒子を含むアルミナ水和物微粒子分散体を得た。
(乾燥工程)
このアルミナ水和物微粒子分散体を35℃に冷却し、純水を加えてAl23としての濃度5.0質量%のアルミナ水和物微粒子分散体を調製した。次に、噴霧乾燥器により、噴霧乾燥域に供給する熱風の温度が250℃、乾燥域からの排出ガスの温度が100±10℃の範囲に調整しながら、5質量%のアルミナ水和物微粒子分散体を供給して噴霧乾燥し、アルミナ水和物微粒子(1)を含む粉末を得た。この粉末に含まれるアルミナ水和物微粒子(1)は繊維状で、擬ベーマイト型の結晶構造を有するアルミナ水和物微粒子であった。
このアルミナ水和物微粒子の結晶子径は3nmで、平均二次粒子径は100nm、細孔径は5nmで、細孔容積は0.36ml/gであった。
また、このアルミナ水和物微粒子(1)の粉末を水に固形分濃度7重量%で分散させ、300分攪拌したのちの粘度は7000mPa・sで、ヘーズは48%であった。
工程(IV)
上記で得られたアルミナ水和物微粒子(1)を純水に分散させて固形分濃度5.0重量%のアルミナ水和物微粒子(1)の水分散液を得た。ついで、29%濃度のアンモニア水と純水を用いてpH3.0の5.0%硝酸銅水溶液を調製し、アルミナ水和物微粒子(1)の水分散液に含まれるアルミニウムをAl換算としたときに、これに対して銅成分が金属換算基準で5重量%となるように添加して混合液を調製し、30分攪拌した。次に、この混合液を噴霧乾燥器により、噴霧乾燥域に供給する熱風の温度が250℃、乾燥域からの排出ガスの温度が100±10℃の範囲に調整しながら、噴霧し、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)を得た。このとき、該金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)に含まれる金属成分の組成を上述した測定法で測定したところ、銅の含有量は金属換算基準で3.6重量%であり、アルミニウムの含有量はAl換算基準で72重量%であった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製
金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末40gと金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gと水47gとを混合して、固形分濃度49.6重量%の混合物を調製した。
ついで、得られた混合物を混練機((株)入江商会製:BENCH KNEADER PBU-03)にて、温度30℃で1時間混練した。
ついで、得られた混練物を押出成型機(理研精機(株)製:デジプレッシャーDPS-700S、ダイス穴径3mmΦ)にて成型し、5〜10mmの長さにカットし、ついで、130℃で2時間乾燥し、ついで、600℃で2時間焼成してペレット状の結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は20重量%であった。なお、前記含有量は、銅換算基準で含まれる銅成分とAl換算基準で含まれるアルミニウム成分の固形分重量の合計量が、成型体中の固形分重量に占める割合とした。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の細孔容積は0.35ml/gであって、比表面積は333m/gであり、線膨張率は0.18%であった。
また、この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した。上記実施例1の結果と結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体の調製条件を、以下に示す実施例と比較例と共に表1〜表4に示す。
なお、この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)のNOx除去試験における触媒活性は150℃で25%、200℃で55%、300℃で78%、400℃で76%であった。
さらに、成型体の長期的な活性耐久性や、水熱安定性を評価するため、本実施例で調製した結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)10ccを水熱処理反応管に充填し、700℃に昇温した後、水分を10vol%含む空気を50cc/minで供給しながら20時間水熱処理したのちのNOx除去試験に対する触媒活性について、上述の方法で測定したところ、NOx除去率は150℃で30%、200℃で60%、300℃で80%、400℃で80%であった。
[実施例2]
金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(2)の調製
実施例1の「金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)の調製」の工程(IV)で、アルミナ水和物微粒子(1)の水分散液に5.0%硝酸銅水溶液を添加して混合液を調製する際に、アルミナ水和物微粒子(1)の水分散液に含まれるアルミニウムをAl換算基準としたときに、これに対して銅成分が金属換算基準で2重量%となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法にて、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(2)を得た。
このとき、該金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(2)に含まれる銅の含有量は金属換算基準で1.4重量%であって、アルミニウムの含有量は72重量%であった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(2)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gの代わりに、本実施例で調製した金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(2)13.6gを用いた以外は実施例1に記載された方法と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(2)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(2)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は20重量%であった。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(2)の細孔容積は0.34ml/gであって、比表面積は325m/gであり、線膨張率は0.19%であった。
また、この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(2)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
[実施例3]
金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(3)の調製
実施例1の「金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)の調製」の工程(IV)で、アルミナ水和物微粒子(1)の水分散液に5.0%硝酸銅水溶液を添加して混合液を調製する際に、アルミナ水和物微粒子(1)の水分散液に含まれるアルミニウムをAl換算基準としたときに、これに対して銅成分が金属換算基準で8重量%となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法にて、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(3)を得た。
このとき、該金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(3)に含まれる銅の含有量は金属換算基準で5.8重量%であって、アルミニウムの含有量は72重量%であった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(3)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gの代わりに、本実施例で調製した金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(3)12.9gを用いた以外は実施例1に記載された方法と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(3)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(3)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は20重量%であった。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(3)の細孔容積は0.38ml/gであって、比表面積は351m/gであり、線膨張率は0.17%であった。
また、この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(3)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
[実施例4]
銅コロイドを含む銅コロイド分散液の調製
硝酸銅(II)3水和物25.5g( 銅金属換算で9g)を純水50gに溶解して得られた金属塩水溶液に、濃度5.0 重量%のポリビニルピロリドン(関東化学製 K-30 分子量40000)水溶液50gと溶剤としてモノエチレングリコール200gを加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間攪拌混合して、銅コロイドの微粒子が分散した銅コロイド溶液を得た。次いで銅コロイド溶液を両性イオン交換樹脂(三菱化学製SMNUPB)20g添加して脱イオンを行い遠心分離機を用いて10000G 30分の条件で遠心分離し、純水を用いて銅濃度が5%になるように固形分を回収し、超音波分散機で分散した。
この銅コロイドの微粒子の一次粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で確認したところ5nmであった。またこの銅コロイド溶液のpHは3.5でありゼータ電位測定装置(シスメックス(株)製 ゼータサイザー3000SH)で測定したゼータ電位は-20mVであった。またこの銅コロイドの微粒子の二次粒子径は15nmであった。
金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(4)の調製
実施例1の「金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)の調製」の工程(I)〜(乾燥工程)で得られたアルミナ水和物微粒子(1)を純水に分散させて固形分濃度5.0重量%のアルミナ水和物微粒子(1)の水分散液を得た。この水分散液のpHは4.1であった。この水分散液に含まれるアルミニウムをAl2O3換算基準としたときに、これに対して銀成分が金属換算基準で5重量%となるように、本実施例で調製した銅コロイド分散液を添加して、得られた混合液を30分混合した。次に、噴霧乾燥器により、噴霧乾燥域に供給する熱風の温度が250℃、乾燥域からの排出ガスの温度が100±10℃の範囲に調整しながら、前記混合液を噴霧して、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(4)を得た。このとき、該金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(4)に含まれる銅の含有量は金属換算基準で3.6重量%であって、アルミニウムの含有量は72重量%であった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(4)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gの代わりに、本実施例で調製した、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(4)13.2gを用いた以外は実施例1に記載された方法と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(4)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(4)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は20重量%であった。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(4)の細孔容積は0.38ml/gであって、比表面積は330m/gであり、線膨張率は0.16%であった。
また、この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(4)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
[実施例5]
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(2)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の調製」において、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子合成用スラリー(1)をオートクレーブに充填し、1時間攪拌後、170℃で12時間水熱処理するかわりに、170℃で11時間水熱処理した以外は実施例1と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(2)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(2)のケイ素含有量はSiO換算基準で9重量%、アルミニウム含有量はAl換算基準で38重量%、リン含有量はP換算基準で51重量%であって、結晶度は25%、比表面積は295m/g、水分吸着量は29重量%、平均粒子径は3μmであった。
金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(2)の調製
実施例1の「金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の調製」において、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)500gのかわりに本実施例で調製した結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(2)500gを用いた以外は実施例1と同様にして金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(2)を調製した。
この時の結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(2)に対する銅成分の担持量は金属換算基準で3重量%であった。
また、このようにして得られた金属担持シリコアルミノリン酸塩粒子(2)の比表面積は260m/gであった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(5)の調製
実施例1「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)を用いるかわりに本実施例で調製した金属担持シリコアルミノリン酸塩粒子(2)を用いた以外は実施例1と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(5)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(5)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は20重量%であった。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(5)の細孔容積は0.39ml/gであって、比表面積は238m/gであり、線膨張率は0.14%であった。
また、この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(5)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した。結果を表に示す。
なお、この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(5)のNOx除去試験における触媒活性は150℃で20%、200℃で48%、300℃で72%、400℃で72%であった。
さらに、成型体の長期的な活性耐久性や、水熱安定性を評価するため、本実施例で調製した結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(5)10ccを水熱処理反応管に充填し、700℃に昇温した後、水分を10vol%含む空気を50cc/minで供給しながら20時間水熱処理したのちのNOx除去試験に対する触媒活性について、上述の方法で測定したところ、NOx除去率は150℃で26%、200℃で55%、300℃で78%、400℃で77%であった。
[実施例6]
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(3)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の調製」において、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子合成用スラリー(1)をオートクレーブに充填し、1時間攪拌後、170℃で12時間水熱処理するかわりに、170℃で16時間水熱処理した以外は実施例1と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(3)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(3)のケイ素含有量はSiO換算基準で8重量%、アルミニウム含有量はAl換算基準で37重量%、リン含有量はP換算基準で51重量%であって、結晶度は75%、比表面積は520m/g、水分吸着量は32重量%、平均粒子径は3μmであった。
金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(3)の調製
実施例1の「金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の調製」において、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)500gのかわりに本実施例で調製した結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(3)500gを用いた以外は実施例1と同様にして金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(3)を調製した。
この時の結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(3)に対する銅成分の担持量は金属換算基準で3重量%であった。
また、このようにして得られた金属担持シリコアルミノリン酸塩粒子(3)の比表面積は458m/gであった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(6)の調製
実施例1「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)を用いるかわりに本実施例で調製した金属担持シリコアルミノリン酸塩粒子(3)を用いた以外は実施例1と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(6)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(6)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は20重量%であった。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(6)の細孔容積は0.30ml/gであって、比表面積は396m/gであり、線膨張率は0.26%であった。
また、この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(6)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した。結果を表に示す。
[実施例7]
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(7)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属担持シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末40gと金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gと水47gを混合するかわりに、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末47.5gと金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)6.6gと水45.9gを混合した以外は実施例1と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(7)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(7)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は10重量%であった。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(7)の細孔容積は0.32ml/gであって、比表面積は333m/gであり、線膨張率は0.21%であった。
また、この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(7)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した。結果を表に示す。
[実施例8]
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(8)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属担持シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末40gと金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gと水47gを混合するかわりに、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末30.0gと金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)19.8gと水63.4gを混合した以外は実施例1と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(8)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(8)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は30重量%であった。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(8)の細孔容積は0.40ml/gであって、比表面積は333m/gであり、線膨張率は0.17%であった。
また、この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(8)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した。結果を表に示す。
[実施例9]
リン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の調製
実施例1で調製した金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)600gを水2000gに分散させ、コロイドミル処理して金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の分散液を調製した。
ついで、第一リン酸アルミニウム(多木化学(株)製:100L、x値=1、固形分濃度50重量%)を用いて固形分濃度5重量%の第一リン酸アルミニウム水溶液1334gを調製し、これに金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の分散液を混合して噴霧乾燥用混合液を調製した。この時、混合液のpHは2.7であった。
ついで、噴霧乾燥用混合液を熱風温度230℃の噴霧乾燥機中に回転数7000rpmのアトマイザーにて噴霧し、得られた粉末を600℃で2時間焼成してリン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子 (1)を調製した。
この時のリン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子 (1)に含まれる結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)に対する銅の担持量は、金属換算基準で3.0重量%であった。
またこのようにして得られたリン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子 (1)の比表面積は378m/gであった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(9)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属担持シリコアルミノリン酸塩粒子(1)のかわりに本実施例で調製したリン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)を用いた以外は実施例1と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(9)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(9)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は20重量%であった。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(9)の細孔容積は0.36ml/gであって、比表面積は333m/gであり、線膨張率は0.23であった。
また、この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(9)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した。その結果を表に示す。
[実施例10]
金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(4)の調製
(工程I)
アルミン酸ソーダ水溶液(Al23としての濃度3質量%)12.7kgを撹拌しながら、これに濃度26質量%のグルコン酸ソーダ水溶液500gを添加し、硫酸アルミニウム水溶液(Al23としての濃度1.5質量%)28kgを5分間かけて添加してアルミナヒドロゲルを調製した。このアルミナヒドロゲルの温度は60℃で、pHは9.5であった。その後、撹拌を停止し、90℃で600分間熟成を行った。 次いで、フィルターにて、生成したアルミナヒドロゲルを濾過し、濃度1.5%のアンモニア水によって洗浄した。得られたアルミナヒドロゲル中のアルカリおよび硫酸根の残存量は、Na2Oとして0.022質量%、SO4として0.062質量%(いずれも乾燥したアルミナヒドロゲル粉末基準)であった。洗浄したアルミナヒドロゲルに水を加えてAl23として8.0質量%に調整し、これに濃度15%のアンモニア水を加えてpHを11.2に調整し、得られた分散液をアルミナ水和物微粒子の分散液とした。
(工程II)
ついでこの分散液を95℃に加熱し、濃度10%の硝酸を添加してpH7.5に調整し、分散液の温度を95℃に維持しながら5時間攪拌を行い混合液を作成した。
(工程III)
その後、この混合液に濃度20%の酢酸を添加してpH4.0に調整し、95℃の温度に維持しながら5時間攪拌を行い、アルミナ水和物微粒子を含むアルミナ水和物微粒子分散体を得た。
(乾燥工程)
このアルミナ水和物微粒子分散体を35℃に冷却し、純水を加えてAl23としての濃度5.0質量%のアルミナ水和物微粒子分散体を調製した。次に、噴霧乾燥器により、噴霧乾燥域に供給する熱風の温度が250℃、乾燥域からの排出ガスの温度が100±10℃の範囲に調整しながら、5質量%のアルミナ水和物微粒子分散体を供給して噴霧乾燥し、アルミナ水和物微粒子(2)を含むアルミナ水和物微粒子の粉末を得た。得られたアルミナ水和物微粒子の粉末に含まれるアルミナ水和物微粒子は繊維状で、擬ベーマイト型の結晶構造を有するアルミナ水和物微粒子であった。
このアルミナ水和物微粒子の結晶子径は5nmで、平均二次粒子径は150nm、細孔径は7nmで、細孔容積は0.45ml/gであった。また、このアルミナ水和物微粒子の粉末を水に固形分濃度7重量%で分散させ、300分攪拌したのちの粘度5000mPa・sで、ヘーズは55%であった。
工程(IV)
上記で得られたアルミナ水和物微粒子(2)を純水に分散させて固形分濃度5.0重量%のアルミナ水和物微粒子(2)の分散液を得た。に希釈した。ついで硝酸銅を純水に溶解させアンモニア水を用いてpH調整してpH3.0の5.0%硝酸銅水溶液を調製し、これをアルミナ水和物微粒子(2)に含まれるAlに対して銅の添加量が金属換算基準で5重量%となるように前記アルミナ水和物微粒子(2)の分散液に添加して混合液を調製し、30分攪拌した。次に、噴霧乾燥器により、噴霧乾燥域に供給する熱風の温度が250℃、乾燥域からの排出ガスの温度が100±10℃の範囲に調整しながら、前記混合液を噴霧して、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(4)を得た。
このとき、該金属担持アルミナ水和物微粒子に含まれる銅の含有量は金属換算基準で3.8重量%であり、アルミニウムの含有量はAl換算基準で76重量%であった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(10)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末40gと金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gと水47gとを混合するかわりに、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末40gと本実施例で調製した金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(4)を12.5gと水47.5gを混合した以外は実施例1と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(10)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(10)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は20重量%であった。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(10)の細孔容積は0.35ml/gであって、比表面積は333m/gであり、線膨張率は0.21%であった。
またこの結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(10)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
参考例11]
金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(4)の調製
実施例1で調製した結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)500gを水2500gに分散させ、コロイドミル処理して結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子分散液(1)を調製した。
別途、硫酸第一鉄7水和物74.5gを水2500gに溶解して硫酸第一鉄水溶液を調製した。
この硫酸第一鉄水溶液に結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子分散液(1)を混合して噴霧乾燥用混合液を調製した。この時、混合液のpHは3.3であった。
ついで、噴霧乾燥用混合分散液を熱風温度230℃の噴霧乾燥機中に回転数7000rpmのアトマイザーにて噴霧し、得られた粉末を600℃で2時間焼成して金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(4)を調製した。
この時の結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)に対する鉄成分の担持量は、金属換算基準で3.0重量%であった。
また、このようにして得られた金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(4)の比表面積は430m/gであった。
金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(5)の調製
実施例1で調製したアルミナ水和物微粒子(1)を純水に分散させて固形分濃度5.0%のアルミナ水和物微粒子(1)の水分散液を得た。このときのpHは4.1であった。ついで、29%濃度のアンモニア水でpH3.0に調整した5.0%硫酸水溶液を調製し、これをアルミナ水和物微粒子(1)の水分散液に含まれるAlに対して鉄成分が金属換算基準で5重量%となるように添加して混合液を調製し、30分混合した。次に、噴霧乾燥器により、噴霧乾燥域に供給する熱風の温度が250℃、乾燥域からの排出ガスの温度が100±10℃の範囲に調整しながら、この混合液を噴霧し、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(5)を得た。この金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(5)に含まれる鉄成分の含有量は金属換算基準で3.6重量%であり、アルミニウムの含有量は72重量%であった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(11)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末40gと金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gと水47gとを混合するかわりに、本参考例で調製した金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(4)の粉末40gと本参考例で調製した金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(5)を13.2gと水46.8gを混合した以外は実施例1と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(11)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(11)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は20重量%であった。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(11)の細孔容積は0.35ml/gであって、比表面積は452m/gであり、線膨張率は0.30%であった。
またこの結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(11)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
[実施例12]
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(4)の調製
濃度75重量%のリン酸水溶液807.3gと純水2060.7gとを混合して、濃度21.1重量%のリン酸水溶液2868gを調製した。これに、濃度35重量%のテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(TEAH)974.9gを混合し、ついで、アルミナ源として擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)440.5gを10分程度で分散させ、分散液を15分間攪拌した。
ついで、分散液にシリカ源としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SI−30、SiO濃度30重量%)216.5gを約10分間で添加して、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子合成用スラリー(4)を調製した。
ついで、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子合成用スラリー(4)をオートクレーブに充填し、1時間攪拌後、170℃に昇温し、48時間水熱処理した。
その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(4)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(4)のケイ素含有量はSiO2換算基準で10重量%、アルミニウム含有量はAl換算基準で40重量%、リン含有量はP換算基準で50重量%であって、結晶度は100%、比表面積は600m/g、水分吸着量は34重量%、平均粒子径は3μmであった。
金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(5)の調製
実施例1の「金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の調製」において、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)のかわりに本実施例で調製した結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(4)500gを用いた以外は実施例1と同様にして金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(5)を調製した。
この時の結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(4)に対する銅の担持量は金属換算基準で3.0重量%であった。
また、このようにして得られた金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(5)の比表面積は528m/gであった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(12)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)40gと金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gと水47gとを混合するかわりに、本実施例で調製した金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(5)の粉末40gと実施例1で調製した金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)を13.2gと水46.8gを混合した以外は実施例1と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(12)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(12)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は20重量%であった。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(12)の細孔容積は0.35ml/gであって、比表面積は452m/gであり、線膨張率は0.30%であった。
またこの結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(12)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
[実施例13]
結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(5)の調製
濃度75重量%のリン酸水溶液807.3gと純水2060.7gとを混合して、濃度21.1重量%のリン酸水溶液2868gを調製した。これに、濃度35重量%のテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(TEAH)974.9gを混合し、ついで、アルミナ源として擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)440.5gを10分程度で分散させ、分散液を15分間攪拌した。
ついで、分散液にシリカ源としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SI−30、SiO濃度30重量%)216.5gを約10分間で添加して、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子合成用スラリー(5)を調製した。
ついで、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子合成用スラリー(5)をオートクレーブに充填し、1時間攪拌後、170℃に昇温し、36時間水熱処理した。
その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(5)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(5)のケイ素含有量はSiO換算基準で10重量%であって、アルミニウム含有量はAl換算基準で40重量%であって、リン含有量はP換算基準で50重量%であって、結晶度は90%、比表面積は560m/g、水分吸着量は33重量%、平均粒子径は3μmであった。
金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(6)の調製
実施例1の「金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の調製」において、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)のかわりに本実施例で調製した結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(5)500gを用いた以外は実施例1と同様にして金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(6)を調製した。
この時の結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(5)に対する銅成分の担持量は、金属換算基準で3.0重量%であった。
また、このようにして得られた金属担持シリコアルミノリン酸塩粒子(6)の比表面積は493m/gであった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(13)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)のかわりに、本実施例で調製した金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(6)の粉末40gを用いた以外は実施例1と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(13)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(13)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は20重量%であった。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(13)の細孔容積は0.27ml/gであって、比表面積は424m/gであり、線膨張率は0.28%であった。
またこの結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(13)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
[実施例14]
金属成分を担持したγ―アルミナの調製
実施例1の「金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)の調製」の(工程I)〜(乾燥工程)により得られた擬ベーマイト型のアルミナ水和物微粒子(1)を、600℃で6時間焼成してγ型の結晶構造を有するγ−アルミナの粉末を得た。
得られたγ−アルミナ粉末40gとφ0.3mmのガラスメジア100gと純水360gを混合し、サンドミルにて12時間粉砕した。その後ガラスメジアを分離してアルミナスラリーを得た。このスラリーに含まれるγ−アルミナ粒子は針状であった。
このアルミナスラリーを純水にて5.0%に希釈し、アンモニア水でpH3.0となるように調整した後5.0%硝酸銅水溶液をアルミナスラリーに含まれるAlに対する銅成分の添加量が金属換算基準で3重量%となるように添加して混合液を調製し、30分混合した。次に、噴霧乾燥器により、噴霧乾燥域に供給する熱風の温度が250℃、乾燥域からの排出ガスの温度が100±10℃の範囲に調整しながら、この混合液を噴霧し、金属担持γ−アルミナを得た。得られた金属担持γ−アルミナに含まれる銅の含有量は金属換算基準で4.7重量%であって、アルミニウムの含有量はAl換算基準で93重量%であった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(14)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)と金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gと水47gとを混合するかわりに、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末40gと本実施例で調製した金属成分を担持したγ―アルミナを10.2gと水46.8gを混合した以外は実施例1と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(14)を調製した。
この結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(14)に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量は20重量%であった。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(14)の細孔容積は0.30ml/gであって、比表面積は305m/gであり、線膨張率は0.25%であった。
またこの結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(14)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
[実施例15]
金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(6)の調製
(工程I)
アルミン酸ソーダ水溶液(Al23としての濃度3質量%)12.7kgを撹拌しながら、これに濃度26質量%のグルコン酸ソーダ水溶液500gを添加し、硫酸アルミニウム水溶液(Al23としての濃度1.5質量%)28kgを5分間かけて添加してアルミナヒドロゲルを調製した。このアルミナヒドロゲルの温度は60℃で、pHは9.5であった。その後、撹拌を停止し、90℃で72時間熟成を行った。 次いで、フィルターにて、生成したアルミナヒドロゲルを濾過し、濃度1.5%のアンモニア水によって洗浄した。得られたアルミナヒドロゲル中のアルカリおよび硫酸根の残存量は、Na2Oとして0.022質量%、SO4として0.062質量%(いずれも乾燥したアルミナヒドロゲル粉末基準)であった。洗浄したアルミナヒドロゲルに水を加えてAl23として8.0質量%に調整し、これに濃度15%のアンモニア水を加えてpHを11.2に調整し、得られた分散液をアルミナ水和物微粒子の分散液とした。
(工程II)
ついでこの分散液を95℃に加熱し、濃度10%の硝酸を添加してpH7.5に調整し、分散液の温度を95℃に維持しながら5時間攪拌を行い混合液を作成した。
(工程III)
その後、この混合液に濃度20%の酢酸を添加してpH4.0に調整し、95℃の温度に維持しながら5時間攪拌を行い、アルミナ水和物微粒子を含むアルミナ水和物微粒子分散体を得た。
(乾燥工程)
このアルミナ水和物微粒子分散体を35℃に冷却し、純水を加えてAl23としての濃度5.0質量%のアルミナ水和物微粒子分散体を調製した。次に、噴霧乾燥器により、噴霧乾燥域に供給する熱風の温度が250℃、乾燥域からの排出ガスの温度が100±10℃の範囲に調整しながら、5質量%のアルミナ水和物微粒子分散体を供給して噴霧乾燥し、アルミナ水和物微粒子(3)を含むアルミナ水和物微粒子の粉末を得た。得られたアルミナ水和物微粒子の粉末に含まれるアルミナ水和物微粒子(3)は繊維状で、擬ベーマイト型の結晶構造を有するアルミナ水和物微粒子であった。このアルミナ水和物微粒子(3)の結晶子径は20nmで、平均二次粒子径は120nmであり、細孔径は20nmであって、細孔容積は0.85ml/gであった。
(工程IV)
上記で得られたアルミナ水和物微粒子(3)を純水にて固形分濃度5.0重量%に希釈し分散液を得た。このときのpHは4.3であった。その後29%アンモニア水と純水を用いて調製したpH3.0の5.0%硝酸銅水溶液を、アルミナ水和物微粒子(3)の分散液に対して、該分散液に含まれるアルミニウムをAl換算基準としたときこれに対する銅成分の添加量が金属換算基準で5重量%となるように添加して混合液を調製し、30分混合した。次に、噴霧乾燥器により、噴霧乾燥域に供給する熱風の温度が250℃、乾燥域からの排出ガスの温度が100±10℃の範囲に調整しながら、この混合液を噴霧し、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(6)を得た。
この金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(6)に含まれる銅成分は金属換算基準で3.9重量%であって、アルミニウムはAl換算基準で78重量%であった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(15)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」の工程において、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gを用いるかわりに本実施例で調製した金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(6)12.2gを用いた以外は実施例1と同様にして結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(15)を調製した。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(15)の細孔容積は0.56ml/gであって、比表面積は288m/gであり、線膨張率は0.18であった。
またこの結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(15)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
[比較例1]
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R1)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gのかわりにアルミナ水和物微粒子(1)(すなわち、金属成分を担持していないアルミナ水和物微粒子)13.9gを用いた以外は実施例1と同様の方法で結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R3)を調製した。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R1)の細孔容積は0.33ml/gであって、比表面積は330m/gであり、線膨張率は0.27であった。
またこの結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R1)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
[比較例2]
金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(7)の調製
実施例1で調製した、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)500gを水2500gに分散させ、コロイドミル処理して結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)分散液を調製した。
別途、硝酸第二銅3水和物98.0gを水2500gに溶解して硝酸銅水溶液を調製した。
硝酸銅水溶液に結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)分散液を混合して噴霧乾燥用混合液を調製した。この時、混合液のpHは3.1であった。
ついで、噴霧乾燥用混合分散液を熱風温度230℃の噴霧乾燥機中に回転数7000rpmのアトマイザーにて噴霧し、得られた粉末を600℃で2時間焼成して金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(7)を調製した。
この時の結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)に対する銅の担持量は、金属換算基準で5重量%であった。
また、このようにして得られた金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(7)の比表面積は378m/gであった。
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R2)の調製
実施例の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末40gと金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gを用いるかわりに本比較例で調製した金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(7)40gと実施例1で調製したアルミナ水和物微粒子(1)(すなわち、金属成分を担持していないアルミナ水和物微粒子)13.9gを用いた以外は実施例1と同様の方法で結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R2)を調製した。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R2)の細孔容積は0.33ml/gであって、比表面積は331m/gであり、線膨張率は0.27であった。
またこの結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R2)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
[比較例3]
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R3)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末40gと金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gと水47gとを混合するかわりに、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末47.5gと金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)3.3gと水49.2gとを混合した以外は、実施例1と同様の方法で、結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R3)を得た。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R3)の細孔容積は0.33ml/gであって、比表面積は331m/gであり、線膨張率は0.20であった。
またこの結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R3)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
[比較例4]
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R4)の調製
実施例1の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(1)の調製」において、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末40gと金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)13.2gと水47gとを混合するかわりに、金属担持結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子(1)の粉末25.0gと金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(1)33.1gと水41.9gとを混合した以外は、実施例1と同様の方法で、結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R4)を得た。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R4)の細孔容積は0.25ml/gであって、比表面積は287m/gであり、線膨張率は0.17であった。
またこの結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R4)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
[比較例5]
結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R5)の調製
参考例11の「結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(11)の調製」において、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子(5)13.2gのかわりに実施例1で調製したアルミナ水和物微粒子(1)13.9gを用いた以外は参考例11と同様の方法で結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R5)を調製した。
得られた結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R5)の細孔容積は0.33ml/gであって、比表面積は333m/gであり、線膨張率は0.18であった。
またこの結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体(R5)の耐クラック性、強度、触媒活性性能を上述した測定方法により評価した結果を表に示す。
表4から示されるように、実施例の成型体、すなわち、結合材に金属成分が担持されたアルミナを8〜40重量%の範囲で含む結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体は触媒活性が高く、特に、従来、向上させることが困難であった、150℃や200℃の低温での触媒活性を向上させる効果が高いことがわかる。
また、例えば実施例1と比較例2との比較から、結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の金属担持量を増やすより、結合材であるアルミナに金属成分を担持したもののほうが成型体の触媒活性が向上することがわかる。
さらに、本実施例のうち、金属成分を担持したアルミナの前駆体として所定の性状範囲にあるアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持したものを使用した場合、あるいは結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の結晶度が所定範囲にあるものを使用した場合には、触媒活性の向上と共に、耐クラック性、成型体強度および水熱的な安定性が非常に高い成型体が得られることが示された。
Figure 0005892764
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Claims (12)

  1. 結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子と結合材とを含む成型体であって、該結合材が金属成分を担持したアルミナを含み、かつ、該結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の平均粒子径が0.2〜7μmの範囲にあり、該成型体に含まれる金属成分を担持したアルミナの含有量が8〜40重量%の範囲にあり、前記金属成分がCuを含むことを特徴とする結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体。
  2. 前記アルミナに担持された金属成分がCu以外にMn,Fe,Co,Ni,Zn,Mo,Ce,Sr,Nb,Pt,Au,Pd,Ru,Rh,Ag,Ir,および希土類から選ばれる1種または2種以上の金属元素を含むことを特徴とする請求項1に記載の結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体。
  3. 前記金属成分が該金属元素の金属、酸化物、複合酸化物、水酸化物より選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体。
  4. 前記金属成分の担持量が前記アルミナに含まれるAlに対して金属換算基準で0.1〜10重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体。
  5. 前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子の結晶度が10〜85%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体。
  6. 前記結晶性シリコアルミノリン酸塩が活性金属成分を含み、該活性金属成分が、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Znから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体。
  7. 前記結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子がSAPO−5、SAPO−11、SAPO−34、SAPO−37から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体。
  8. 下記の工程(a)〜(d)および(f)を含むことを特徴とする結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体の製造方法。
    (a)結晶性シリコアルミノリン酸塩粒子と金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子と水とを混合する工程
    (b)混合物を混練する工程
    (c)成型する工程
    (d)乾燥する工程
    (f)400〜800℃で加熱処理する工程
  9. 前記アルミナ水和物微粒子が下記性状を有する請求項8に記載の結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体の製造方法
    (a)ベーマイト型および/または擬ベーマイト型の結晶構造を有する
    (b)結晶子径1〜10nm
    (c)光散乱法で測定した平均二次粒子径が20〜300nm
    (d)細孔径が1〜10nm
  10. 前記アルミナ水和物微粒子の細孔容積が0.1〜1cc/gの範囲にあることを特徴とする請求項8または9に記載の結晶性シリカアルミノフィスフェート成型体の製造方法
  11. 前記工程(a)で用いられる、金属成分を担持したアルミナ水和物微粒子が、下記工程(I)〜(IV)を含む工程により製造されたものであることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体の製造方法。
    (I)アンモニウムイオンを含み、pHが9〜12の範囲にあるアルミナ水和物微粒子の分散液を製造する工程、
    (II)前記工程(I)より得られた分散液に無機酸および/または有機酸を添加してpH7.0〜8.5の範囲に調整し、50〜200℃の温度にて加熱して混合液を得る工程、および
    (III)前記工程(II)より得られた混合液に無機酸および/または有機酸を加えてpH3.0〜6の範囲に調整し、50〜200℃の温度にて加熱することによりアルミナ水和物微粒子を含む分散体を得る工程、および
    (IV)前記工程(III)より得られた分散体に含まれるアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる工程
  12. 前記工程(IV)が下記工程(i)〜(iii)のいずれか1種以上の工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の結晶性シリコアルミノリン酸塩成型体の製造方法。
    (i) 金属塩を溶解させ、pHを2〜4の範囲に調整した金属塩水溶液を前記工程(III)より得られたアルミナ水和物微粒子を含む分散体に添加することによりアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる工程
    (ii) マイナス電荷に帯電した金属コロイドを含む金属コロイド分散液を、前記工程(III)で得られたアルミナ水和物微粒子を含む分散体に添加することによりアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる工程
    (iii) 金属塩を溶解させpHを2〜4の範囲に調整した金属塩水溶液および/またはマイナス電荷に帯電した金属コロイドを含む金属コロイド分散液と前記工程(III)で得られたアルミナ水和物微粒子を含む分散液とを噴霧乾燥させることによりアルミナ水和物微粒子に金属成分を担持させる工程
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