JP5693423B2 - 排ガス処理用結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体およびその合成方法 - Google Patents

排ガス処理用結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体およびその合成方法 Download PDF

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本発明は、クラックがなく、強度、耐摩耗性、エロージョン等に優れた結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体およびその製造方法に関する。
特に、内燃機関の排ガス処理に好適に用いることのできる結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体およびその製造方法に関する。
従来、結晶性シリカアルミノフォスフェートは、触媒担体として高温で使用しても比較的結晶性、比表面積の低下が小さく、安定であることが知られている。
結晶性シリカアルミノフォスフェートは粉体でそのまま使用することは多くなく、通常、成型体として用いられている。
具体的には、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスには、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)およびPM(Particulate Matter:パティキュレート)等の汚染物質が含まれる。これらの汚染物質の中でもNOxは、酸化触媒やガソリン自動車で実用化されている三元触媒では浄化が難しく、NOxを浄化することができる有望な触媒として選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒という。)の開発が行われている。
SCR触媒としては、TiO2あるいはSiO2−TiO2、WO3−TiO2、SiO2−TiO2などの二元系複合酸化物、または、WO3−SiO2−TiO2、MoO3−SiO2−TiO2などの三元系複合酸化物などの担体に、V,Cr,Mo,Mn,Fe,Ni,Cu,Ag,Au,Pd,Y,Ce,Nd,W,In,Irなどの活性成分を担持してなるハニカム構造を有する触媒が知られている。これらの排ガス処理触媒は次式に示すように、アンモニアなどの還元剤の存在下でNOxを還元して窒素ガスに変換して浄化するものである。
4NO+4NH3+O2 → 4N2+6H2O ・・・・(1)
NO+NO2+2NH3 → 2N2+3H2O ・・・・(2)
6NO2 + 8NH3 → 7N2+12H2O ・・・・(3)
また、モノリシス担体にゼオライト等の触媒活性を有する微粒子の担持層を形成した触媒も知られている。
さらに、特開2003−33664号公報(特許文献1)には、排ガス浄化用ハニカム触媒のセル隔壁の主要構成材料として、アルミナ、ジルコニア、チタニア、ゼオライト、SiC、SiN、ムライト、リチウムアルミニウムシリケート(LAS)、リン酸チタン、ペロブスカイト、スピネル、シャモット、無配向コージェライト等が使用でき、なかでも酸化チタン、ゼオライト、アルミナが好適に使用できることが記載されている。
ゼオライトとしては、X型、Y型、ZSM−5型、β型等のものを用いることができるが、耐熱性の観点から、アルカリ成分の含有量は極力押さえることが重要であり、SiO/Al比を25以上とすることが好ましく、また、AlPOやSAPO、メタロシリケート、層状化合物も好適に用いることができ、前述の触媒活性成分をイオン交換担持したものも、好適に用いられることが記載されている。
特表2009−519817号公報(特許文献2)には、ゼオライトの金属イオン交換をpH3付近で行い、その後、540℃以上の高温で水熱処理した、水熱的に安定な選択的NOx還元用金属処理ゼオライト触媒が開示されている。
また、再表2006−011575号公報(特許文献3)には鉄イオン交換したβ型ゼオライト担体に酸化第二鉄を担持した脱硝触媒が開示されている。
しかしながら、前記したゼオライトなどの従来の結晶質多孔性物質触媒は、水分が生成する反応で、且つ700℃以上の高温で使用すると結晶性、比表面積が低下し、これに伴い活性が低下することから、水熱的に安定で、高活性を長期にわたって維持することのできる触媒が求められている。
本発明者らは、結晶性シリカアルミノフォスフェートを触媒担体として用いると高温で使用しても比較的結晶性、比表面積の低下が小さく、安定であることが判明し、これに活性成分として銅を担持した触媒は選択還元型NOx触媒として優れていることを見出した。
しかしながら、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェートを成型体、特にハニカム成型体にすると、焼成後のハニカム成型体にクラックはないものの、大気環境下で放置すると容易にクラックが生じ、高温下、大気環境下を繰り返すような用途には使用することができない場合があった。具体的には、自動車などのNOxの移動発生源で用いると、走行時は高温になり、停止後には常温になり大気に曝される。また、振動等によりハニカム成型体が容易に損傷し、使用が困難となる問題があった。
そこで、本発明者らはさらに検討した結果、従来の高い結晶度あるいは高い水分吸着量よりも低い結晶性、水分吸着量を有する結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を用いると、高温で焼成してもクラックの発生がなく、大気下で放置し、これを繰り返してもクラックの発生を抑制できることを見出して本発明を完成するに至った。
特開2003−33664号公報 特表2009−519817号公報 再表2006−011575号公報
本発明は、アルミナ結合材と所定範囲の結晶度を有する結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を用いることにより、クラックの発生が抑制され、強度、耐摩耗性、エロージョン等に優れた結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、アルミナを結合材とする結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の成型体であって、該結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒子径が0.2〜7μmの範囲にあり、結晶度が10〜85%の範囲にあり、アルミナ結合材の含有量が10〜40重量%の範囲にあることを特徴とする。
前記成型体の形状が、ハニカム状、ペレット状、コルゲート状、球状、板状、管状(パイプ状)、リング状、三つ葉状であることが好ましい。
前記成型体がハニカム状成型体であることが好ましい。
前記結晶性シリカアルミノフォスフェートが活性金属成分を含み、該活性金属成分が、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Znから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
前記活性金属成分の含有量が、結晶性シリカアルミノフォスフェート中に金属として0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子がSAPO−5、SAPO−11、SAPO−34、SAPO−37から選ばれる1種以上であることが好ましく、特に、SAPO−34であることが好ましい。
前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の水分吸着量が20〜35重量%の範囲にあることが好ましい。
前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子がリン酸アルミニウムで修飾されていることが好ましい。
本発明の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の製造方法は、下記の工程(a)〜(d)および(f)からなることを特徴とする。
(a)結晶度が10〜85%の範囲にある結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子とアルミナ水和物微粒子と水とを混合する工程
(b)混合物を混練(捏和)する工程
(c)成型する工程
(d)乾燥する工程
(f)400〜800℃で加熱処理(焼成)する工程
前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子が予め金属化合物を担持されたものであるか、または、前記工程(d)の後、下記の工程(e)を行うことが好ましい。
(e)金属化合物を吸収させて担持する工程
前記金属化合物の担持量が、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子中に金属として0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
前記金属化合物が、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Znから選ばれる1種または2種以上の元素の化合物であることが好ましい。
前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子がSAPO−5、SAPO−11、SAPO−34、SAPO−37から選ばれる1種以上であることが好ましく、特に、SAPO−34であることが好ましい。
前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の水分吸着量が20〜35重量%の範囲にあることが好ましい。
前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子がリン酸アルミニウムで修飾されていることが好ましい。
本発明によれば、クラックの発生が抑制され、吸着材、乾燥剤、触媒担体、触媒等として好適に用いることのできる結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の成型体およびその製造方法を提供することができる。
1.結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体
本発明に係る結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体は、アルミナを結合材とする結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の成型体であって、該結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒子径が0.2〜7μmの範囲にあり、結晶度が10〜85%の範囲にあり、アルミナ結合材の含有量が10〜40重量%の範囲にあることを特徴としている。
本発明に係る成型体としてはハニカム状、ペレット状、コルゲート状、球状、板状、管状(パイプ状)、リング状、三つ葉状成型体であることが好ましい。なかでもハニカム成型体であることが好ましい。
結晶性シリカアルミノフォスフェート
結晶性シリカアルミノフォスフェートとしては、SAPO−5、SAPO−11、SAPO−34、SAPO−37から選ばれる1種以上であることが好ましい。
なかでも、SAPO−34は高温での熱的安定性、特に水熱安定性に優れ、触媒、触媒担体として用いる場合、高い活性と選択性を示し、これを長く維持することができるので好適に用いることができる。
結晶性シリカアルミノフォスフェートは、シリカ、アルミナおよび酸化燐からなる多孔質の結晶性複合酸化物である。
SAPO−34の場合、シリカの含有量がSiOとして概ね1〜12重量%、アルミナの含有量がAlとして概ね35〜45重量%、酸化燐がPとして概ね45〜55重量%の範囲にあり、比表面積が概ね250〜550m/gの範囲にある。
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子は、用途によっても異なるが、触媒、触媒担体として用いる場合、平均粒子径が0.2〜7μm、さらには0.5〜3μmの範囲にあることが好ましい。
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒子径が0.2μm未満の場合は、水熱安定性が不充分となる場合がある。
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒子径が7μmを超えると、成型体として用いる場合、充分な強度、耐摩耗性等が得られない場合がある。
本発明での平均粒子径は、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影し、任意の100個の粒子について粒子径を測定し、その平均値として求める。
本発明に用いる結晶性シリカアルミノフォスフェートの結晶度は10〜85%、さらには、20〜80%の範囲にあることが好ましい。
結晶度が前記範囲にあるとクラックの無い成型体を得ることができる。
結晶性シリカアルミノフォスフェートの結晶度が10%未満の場合は、成型性がさらに向上したり、クラックがさらに低減することもなく、活性が不充分となる場合がある。
結晶性シリカアルミノフォスフェートの結晶度が85%を越えると、クラックの発生を抑制する効果が得られない場合がある。
なお、本発明でいう「クラックの発生」とは、押出成型した後の乾燥、焼成工程でのクラック発生に加えて、特に焼成後の大気環境下に放置した場合、さらには焼成、大気環境下に放置を繰り返した場合のクラックの発生を含んで意味している。
本発明における結晶度とは、結晶性シリカアルミノフォスフェートのX線回折スペクトルの主ピーク(SAPO−5の場合は2θ=7.50°、SAPO−11の場合は2θ=21.95°、SAPO−34の場合は2θ=9.50°、SAPO−37の場合は、2θ=6.20°)のピーク高さを、後記する比較例1の結晶性シリカアルミノフォスフェートのピーク高を100%として対比して結晶度(%)としたものである。
また、本発明に用いる結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の水分吸着量は20〜35重量%、さらには20〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の水分吸着量が20重量%未満の場合は成形体とし、高温で焼成してもクラックが発生することが少なく、発生しても極めて微細なクラックであるものの、結晶度も低く、活性が不充分になる場合がある。
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の水分吸着量が35重量%を越えるとハニカム成形体とし、高温で焼成すると容易にクラックが発生し、充分な強度、耐摩耗性等が得られない場合がある。
この水分吸着量は、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を500℃で1時間焼成し、相対湿度80%、温度25℃で24時間水分を吸着させ、吸着水分重量を焼成した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の重量で除して得られる。
本発明に用いる所定範囲の結晶度、水分吸着量を有する結晶性シリカアルミノフォスフェートは、通常、シリカ源、アルミナ源、酸化燐源およびテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド等の有機結晶化剤(テンプレートということがある)の混合物を水熱処理して合成する際に、温度および/または時間を調整することによって合成することができる。具体的に例示すると、温度であれば低く、時間であれば短くする。
つぎに、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子はそのまま用いることもできるが、触媒に使用する活性金属成分を予め含んでいてもよい。
活性金属成分としては、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Znから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
このような活性金属成分の含有量は、反応の種類によっても異なるが、結晶性シリカアルミノフォスフェート中に金属として0.1〜10重量%、さらには、0.2〜8重量%の範囲にあることが好ましい。
結晶性シリカアルミノフォスフェート中の活性金属成分の含有量が金属として0.1重量%未満の場合は、通常、活性が不充分となる場合があり、10重量%を越えては、有効な活性金属成分が増加することはなく、200℃などの低温での活性が向上することはない。また、500℃などの高温での活性が不十分となる場合がある。
活性金属成分は、成型体を調製した後、活性金属成分を担持して、例えば含浸法で担持して用いることもできるが、本発明では結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子に予め以下の方法で活性金属成分を担持した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を用いることが好ましい。
具体的には下記の工程からからなる製造方法が好ましい。
(1)結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液を調製する工程
(2)活性成分金属化合物水溶液を混合する工程
(3)噴霧乾燥する工程
(4)必要に応じて洗浄する工程
(5)400〜800℃で加熱処理(焼成)する工程
工程(1)
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液を調製する。
本発明では、有機結晶化剤を含有した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子をそのまま用いると、理由は明らかではないが高温での水熱安定性が向上し、活性、選択性が向上することに加えて、有機結晶化剤を除去するための焼成工程がなくなることから生産性、経済性が向上する利点がある。
工程(2)
活性成分金属化合物水溶液を混合する。
活性金属化合物としては、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Znから選ばれる1種または2種以上の元素の化合物が用いられ、例えば硝酸鉄、酢酸鉄、塩化鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硝酸ルテニウム、塩化ルテニム、硝酸コバルト、塩化コバルト、蓚酸コバルト、硫酸コバルト、硝酸ロジウム、硝酸イリジウム、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、炭酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸パラジウム、塩化白金酸、硝酸銀、塩化金酸、硝酸亜鉛等が挙げられる。
このような金属化合物の水溶液を調製し、工程(1)で調製した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液と混合して、噴霧乾燥用の結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子と金属化合物との混合分散液を調製する。
本発明では、有機結晶化剤を含有した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子をそのまま用いた場合、分散液のpHが高くなり、使用する金属化合物の種類によっては沈殿を生成し、結晶性シリカアルミノフォスフェートに活性金属を均一に担持できないために活性が不充分となる場合がある。
このため、金属化合物の種類によっても異なるが、混合分散液のpHを概ね1〜6に調整しておくことが好ましい。
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子と金属化合物の混合割合は、最終的に得られる金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子中の金属の含有量が0.1〜10重量%、さらには0.2〜8重量%の範囲となるように混合する。
噴霧乾燥用混合分散液の濃度は、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の固形分濃度として1〜35重量%、さらには2〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
噴霧乾燥用混合分散液の濃度が、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の固形分濃度として1重量%未満の場合は、生産性、経済性が低下し、35重量%を超えると、理由は明らかではないが活性が不充分となる場合がある。
工程(3)
ついで、噴霧乾燥する。
噴霧乾燥方法としては、所定量の金属を担持できれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。
例えば、噴霧乾燥用混合分散液を単ノズル、2流体ノズル、アトマイザー等により熱風中に噴霧する。
熱風の温度は80〜300℃、さらには120〜250℃の範囲にあることが好ましい。
熱風の温度が80℃未満の場合は、乾燥が不充分となり、金属成分を固定できず、再度、他の方法による乾燥を必要とし、この場合、金属成分の担持が不均一になるためか活性が不充分となる場合がある。また、金属化合物の濃縮が起きないためか、所望の金属担持量とならない場合があり、このため活性が不充分となる場合がある。さらに、後述する工程(4)で洗浄する場合、金属成分が除去される場合がある。
熱風の温度が300℃を超えても、金属成分の固定効果、他の担持方法に比して金属担持量を増加させる効果、細孔内に均一に担持できる効果等がさらに向上することもない。
工程(4)
噴霧乾燥して得た粉末は、洗浄することができる。特に前記工程(2)で金属化合物として硝酸塩以外の硫酸塩、塩酸塩等を用いた場合は、本工程(4)で洗浄することが好ましい。噴霧乾燥後、洗浄することによって硫酸根、塩素等を選択的に除去することができ、除去しない場合に比して活性に優れた触媒を得ることができる。

洗浄方法としては、特に金属化合物のアニオンを選択的に除去できれば特に制限はなく、例えば、噴霧乾燥して得た粉末を水、あるいは温水に懸濁し、攪拌後、濾過することにより洗浄することができる。
洗浄後、乾燥する。乾燥方法は乾燥後の水分が概ね20重量%以下になれば特に制限はなく、従来公知の乾燥方法を採用することができる。
例えば、乾燥機中、100〜150℃で0.5〜2時間程度乾燥すればよい。
工程(5)
ついで、加熱処理(焼成)する。
加熱処理温度は400〜800℃、さらには500〜700℃の範囲にあることが好ましい。
加熱処理温度が400℃未満の場合は、有機結晶化剤を除去できないために活性が不充分となる場合があり、加熱処理温度が800℃を超えると活性が不充分となる場合がある。
加熱処理する際の雰囲気は、酸化雰囲気下、好ましくは空気中で行うことが経済的で好ましい。
なお、本発明では、酸化雰囲気での加熱処理についで還元雰囲気下、例えば水素ガス雰囲気下で加熱処理してもよい。
例えば、通常300〜600℃で0.5〜5時間、水素ガスを供給しながら処理する。
本発明の成型体には、工程(3)または(4)で得た金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を用いることもできるが、さらに工程(5)を経た金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を用いることもできる。
さらに、本発明では、前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子あるいは活性金属成分を含む結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子をリン酸アルミニウムで修飾して用いることができる。リン酸アルミニウムで修飾して用いるとNOx除去反応において、活性、特に低温活性を向上させることができる。
リン酸アルミニウムの修飾量は、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子あるいは金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子に対してリン酸アルミニウムをAl+Pとして0.1〜40重量%、さらには1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
リン酸アルミニウム修飾量がAl+Pとして0.1重量%未満の場合は低温活性を向上させる効果が不充分となる場合があり、リン酸アルミニウムの含有量がAl+Pとして40重量%を越えてもさらに低温活性が向上することもなく、逆に活性点が被覆され、活性が低下する場合がある。
また、リン酸アルミニウムは、(Al)x・(POで表したときのxの値が0.1〜3、さらには0.5〜1.5の範囲にあることが好ましい。
前記xが前記範囲にない場合は、低温活性を向上させる効果が不充分となる場合がある。
リン酸アルミニウムの修飾方法について、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェートをリン酸アルミニウムで修飾する場合を例に説明する。
リン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェートの製造方法は、下記の工程(A)〜(D)からなる。
(A)金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液を調製する工程
(B)リン酸アルミニウム水溶液を混合する工程
(C)噴霧乾燥する工程
(D)400〜700℃で加熱処理(焼成)する工程
工程(A)
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液を調製する。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子としては前記金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を用いる。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液の濃度は、後述するリン酸アルミニウム水溶液と混合でき、後述する噴霧乾燥用混合分散液の濃度に調整できれば特に制限はない。
工程(B)
リン酸アルミニウム水溶液を混合する。
リン酸アルミニウムとしては、リン酸アルミニウムを(Al)x・(POで表したときのxの値が0.1〜3、さらには0.5〜1.5の範囲にある前記リン酸アルミニウムを用いる。
リン酸アルミニウムの使用量は、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子に対してリン酸アルミニウムをAl+Pとして0.1〜40重量%、さらには1〜20重量%の範囲となるように用いる。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液にリン酸アルミニウム水溶液を混合した分散液の濃度は固形分として1〜50重量%、さらには5〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
混合分散液の濃度が固形分として1重量%未満の場合はリン酸アルミニウムの修飾率が低下し、混合分散液の濃度が固形分として50重量%を越えると、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子表面に均一に修飾できないためか、低温活性を向上させる効果が不充分となる場合があり、また、混合分散液のpHが高くなり、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェートの結晶性が低下し、活性が不充分となる場合がある。
工程(C)
噴霧乾燥する。噴霧乾燥方法としては、前記と同様の方法を採用することが好ましい。例えば、噴霧乾燥用混合分散液をノズル、アトマイザー等により熱風中に噴霧する。
熱風の温度は80〜450℃、さらには120〜400℃の範囲にあることが好ましい。
熱風の温度が前記範囲にあれば、所望量のリン酸アルミニウムを担持することができ、本発明の低温活性に優れた触媒を得ることができる。
熱風の温度が80℃未満の場合は、乾燥が不充分となり、リン酸アルミニウムの濃縮が不充分なために所定量のリン酸アルミニウム修飾量とならない場合があり、熱風温度が450℃を越えると乾燥速度が速くなるためか、リン酸アルミニウムの微粒子ができる場合がある。いずれの場合も低温活性の向上が不充分となる場合がある。
工程(D)
400〜700℃、好ましくは500〜600℃で加熱処理(焼成)する。
なお、工程(D)での加熱処理(焼成)は触媒として使用する際に加熱処理(焼成)することもできる。
加熱処理温度が400℃未満の場合は、水分が残存するためか活性が不充分となる場合があり、加熱処理温度が700℃を超えると金属成分の含有量、リン酸アルミニウムの修飾量等によっても異なるが、活性が不充分となる場合がある。
加熱処理する際の雰囲気は、酸化雰囲気下、好ましくは空気中で行うことが経済的で好ましい。
以上のようにして、結晶性シリカアルミノフォスフェートあるいは金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェートの粒子表面をリン酸アルミニウムで修飾することができる。
アルミナ結合材
結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の結合材としては、アルミナを用いる。製造過程ではアルミナ水和物微粒子を用いる。
アルミナ水和物微粒子としては擬ベーマイトアルミナ水和物微粒子が好ましい。
擬ベーマイトアルミナ水和物(Al・nHO、n=0.5〜2.5)は結晶性アルミナ水和物の一種で、通常、繊維状の一次粒子が束になった繊維状の二次粒子である。
アルミナ水和物微粒子の形状、大きさ等については特に制限はないが下記のものが好適に用いられる。
擬ベーマイトアルミナ水和物微粒子の一次粒子の大きさは、平均長さ(L)が1〜20nm、さらには2〜15nmの範囲にあることが好ましく、平均幅(W)が0.5〜10nm、さらには1〜8nmの範囲にあることが好ましい。また、この時、長さと径の比(L)/(W)(アスペクト比ということがある)は2〜40の範囲にあることが好ましい。一次粒子の大きさは、アルミナ水和物微粒子の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、100個の粒子について幅および長さを測定し、各々の平均値として求めることができる。
また、アルミナ水和物微粒子の二次粒子の大きさは、2〜500nm、さらには5〜300nmの範囲にあることが好ましい。
アルミナ水和物微粒子の二次粒子の大きさが前記範囲にあれば、クラックがなく、強度、耐摩耗性、耐エロージョン等に優れたハニカム成型体触媒を得ることができる。
本発明では、二次粒子の大きさを動的光散乱法により測定した。即ち、アルミナ水和物微粒子分散体を噴霧乾燥して得られたアルミナ水和物微粒子粉末をイオン交換水に分散させて、固形分濃度0.5質量%の分散体を調製し、粒子径分布測定装置(大塚電子株式会社製:PAR-III)を用いて、動的光散乱法によりこの分散体に含まれるアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径を測定した。
成型体中のアルミナ含有量は10〜40重量%、さらには15〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
成型体中のアルミナ含有量が10重量%未満の場合は、成型性が不充分となり、得られる成型体にはクラックが生じやすく、強度、耐摩耗性等が不充分となる場合があり、40重量%を越えると活性が不充分となる場合がある。
成型体中のアルミナ結合材以外の結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子、活性金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子、さらにはこれらをリン酸アルミニウム修飾した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の含有量は60〜90重量%、さらには70〜85重量%の範囲にあることが好ましい。
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の含有量が60重量%未満の場合は活性が不充分になる場合があり、90重量%を越えるとアルミナ結合材が少なくなるために成型性が不充分となり、得られる成型体にはクラックが生じやすく、強度、耐摩耗性等が不充分となる場合がある。
結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の製造方法については後述するが、押出成型後、乾燥、焼成した後、成型体にクラックがなく、その後大気環境下にさらした場合にもクラックが生じにくい特徴を有している。
前記焼成した後にクラックを生じると、成形体の破壊の原因になったり、強度、耐摩耗性が低下、反応成績が低下する場合があり、前記大気環境下にさらした場合にクラックを生じると、成型体の破壊原因等になることに加えて、長期使用が困難になる場合がある。
なお、本発明の成型体は、結晶度あるいは水分吸着量が必ずしも高くない結晶性シリカアルミノフォスフェートを用いるが、このような結晶性シリカアルミノフォスフェートを用いることによってクラックが発生しなくなる理由は明らかではないが、結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の製造過程あるいはその後の熱履歴、水分吸着履歴を受けた場合に膨張、収縮等による応力を吸収できるか、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子自体の膨張、収縮等が小さいことが考えられる。
本発明の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体は、前記したようにハニカム状、ペレット状、コルゲート状、球状、板状、管状(パイプ状)、リング状、三つ葉状等の成型体が挙げられるが、成型が困難で、クラックが生じやすいハニカム成型体として好適に用いることができる。
ハニカム成形体としては、通常、(1)外径が30〜300mm、(2)長さが100〜3000mm、(3)貫通孔(目開き)が1〜15mm、(4)隔壁厚が0.1〜2mm、開口率が60〜85%の範囲にあるが、これら仕様は用途によって適宜選択することができる。
2.結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の製造方法
本発明に係る結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の製造方法は、下記の工程(a)〜(d)および(f)からなることを特徴としている。
(a)結晶度が10〜85%の範囲にある結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子とアルミナ水和物微粒子と水とを混合する工程
(b)混合物を混練(捏和)する工程
(c)成型する工程
(d)乾燥する工程
(f)400〜800℃で加熱処理(焼成)する工程
工程(a)
結晶度が10〜85%の範囲にある結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子とアルミナ水和物微粒子と水とを混合する。
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子は合成して得られた粒子を洗浄し、乾燥した粉末であってもよく、前記した活性金属成分を担持した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子であってもよく、さらには前記したリン酸アルミニウム修飾した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子であってもよいが、触媒と用いる場合は前記した噴霧乾燥法によって活性金属成分を担持した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子、さらには、リン酸アルミニウム修飾した金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子が好ましい。
噴霧乾燥法によって調製すると活性金属成分を均一に担持できるためか活性が高く、また、他の方法に比して担持できる量が多くできるので活性を高くすることができる。
また、噴霧乾燥法によって調製すると粒子表面にリン酸アルミニウムを均一に修飾でき、活性、特にNOx除去反応における低温活性に優れた触媒を得ることができる。
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子とアルミナ水和物微粒子の混合比は、全固形分中の結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子が固形分として60〜90重量%、好ましくは70〜85重量%となるように混合する。
また、混合物中の水の量は、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子とアルミナ水和物微粒子の混合比、両成分の粒子径、後述する成型助剤の有無、使用量等によっても異なるが、30〜60重量%、さらには40〜55重量%の範囲となるように混合する。
水の混合量が少ないと、成型性が低下するとともに、成型時、乾燥時にクラックが容易に発生する場合があり、得られる成型体の強度、耐摩耗性が不充分となる場合がある。
水の混合量が多すぎると、後述する工程(b)での混練効果が不充分となる場合があり、成型は容易になるが、乾燥時の不均一な収縮にともなうクラックが発生する場合がある。
さらに、混合物には成型助剤(可塑剤ということがある)を混合することができる。
成型助剤としては、結晶セルロース、メチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ポリビニルアルコール、澱粉、リグニン等が挙げられる。
このような成型助剤は、固形分の10重量%以下、さらには1〜5重量%の範囲で添加することが好ましい。
成型助剤を添加すると、前記水分の範囲を外れても成型性がよく、また、ダイス等との付着性が低下し(即ち、滑り性がよくなり)、成型性が向上する場合がある。
工程(b)
ついで、混合物を混練(捏和)する。
混練(捏和ということがある)は、通常、ニーダー等によって行う。この時、必要に応じて加熱下、混練することもできる。
混練することによって、混合物が均一になるとともに可塑性が増大し、成型性が向上するとともに、得られる成型体の強度、硬度、耐摩耗性等が向上し、クラックも抑制される傾向にある。
工程(c)
ついで、成型する。
本発明では、従来公知の押出成型機を用いてハニカム状、ペレット状、球状、板状、管状(パイプ状)、リング状、三つ葉状成型体等の形状の成型体を得ることができる。
押出成型機を適宜選択することによって種々形状の成型体を得ることができる。
工程(d)
ついで、乾燥する。
乾燥は、従来公知の方法を採用することができるが、この時、成型体を均一に乾燥することが重要である。例えば、湿度をコントロールしたり、温度分布を均一にすることが好ましい。この条件下、通常30〜200℃、好ましくは50〜150℃で、1〜48時間、好ましくは2〜36時間乾燥する。乾燥後の成型体の水分含有量は概ね10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
工程(f)
ついで、400〜800℃、好ましくは450〜700℃で加熱処理(焼成)する。
加熱処理温度が400℃未満の場合は、成型体の強度、耐摩耗性等が不充分となる場合がある。また、成型助剤を使用した場合は、成型助剤に由来する有機物が残存して性能を阻害する場合がある。
加熱処理温度が800℃を越えると、用いる結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の種類、結晶度によっては過度に構造崩壊が起こり、活性が不充分となる場合がある。
このようにして得られた成型体は、吸着剤に用いる場合はそのまま使用することができるが、触媒として用いる場合で、活性金属成分を担持してない結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を用いた成型体では、工程(d)の後、成形体に活性金属成分を担持(工程(e))すればよい。
具体的には、成型体の細孔容積を測定し、細孔容積に相当する量の前記した活性金属化合物水溶液を成型体に吸収させ、乾燥し、ついで焼成する。
このようにして得られる結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の成型体は、成型、焼成後にクラックが無く、強度、耐摩耗性、耐エロージョン性等に優れている。さらに、焼成後の成型体を大気環境下にさらしてもクラックの発生がなく、強度、耐摩耗性、耐エロージョン性等の性能を維持している。
さらに、このようにして得られる結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の成型体は線膨張率が小さいという特長を有している。
この時の線膨張率は、まず、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子とアルミナ水和物微粒子を固形分として80:20の重量比で混合し、これに水を加えて混合物の固形分濃度を54重量%(水分濃度46重量%)とし、充分に混練し、ついで押出成型器(ノズル径3mmφ)にて成型した後、130℃で24時間乾燥し、長さ約5mmにカットし、ついで、600℃で2時間焼成して3mmΦ、長さ5mmのペレット状成型体を調製する。
この成型体3個について、相対湿度(RH)=60%、温度25℃の調湿機にて15時間吸湿させた後のペレットの長さ(LH2O)と、このペレットをさらに25℃から400℃まで昇温させたときのペレットの長さ(LCAL)をSHIMADZU社製:TMA−50により測定し、下記式により求めた値の平均値を線膨張率(%)とした。
線膨張率(%)=[(LCAL)−(LH2O)]/(LH2O)x100
また、触媒性能は大きく低下することなく、結晶度が高い場合と同様の性能を有している。
吸着剤としては、特に水の吸着性能に優れ、触媒としては、還元触媒として好適に用いることができ、例えば、CO還元触媒、NOx還元触媒等として好適に用いることができる。
以下、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)の調製
濃度75重量%のリン酸水溶液807.3gと純水2060.7gとを混合して、濃度21.1重量%のリン酸水溶液2868gを調製した。これに、濃度35重量%のテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(TEAH)974.9gを混合し、ついで、アルミナ源として擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)440.5gを10分程度で分散させ、分散液を15分間攪拌した。
ついで、分散液にシリカ源としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SI−30、SiO濃度30重量%)216.5gを約10分間で添加して、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリー(1)を調製した。
ついで、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリー(1)をオートクレーブに充填し、1時間攪拌後、170℃に昇温し、12時間水熱処理した。
その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)の組成、平均粒子径および結晶度、水分吸着量、アンモニア吸着量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
なお、アンモニア吸着量の測定は以下のように行った。
上記で調製した、130℃で24時間乾燥した結晶性シリカアルミノフォスフェートを固形分として50mgをアンモニア吸着量測定装置(日本ベル社製:BELCAT)のカラムに充填し、アルゴンガスを供給しながら500℃に昇温し、1時間前処理した。ついで、50℃に降温し、アルゴンガスで稀釈した濃度1体積%のアンモニアガスを30cc/minで1時間供給してアンモニアを吸着させた。ついで、アルゴンガスを供給しながら200℃に昇温し、1時間、過剰のアンモニアの脱離を行い、ついで、200〜700℃に、10℃/minの速度で昇温し、その間に脱離したアンモニアの量をThermal Conductivity Detector(TCD)で検出し、結晶性シリカアルミノフォスフェート1g当たりのアンモニアの脱離量を算出して表に示す。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)の調製
得られた結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)500gを水2500gに分散させ、コロイドミル処理して結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)分散液を調製した。
別途、硝酸第二銅3水和物58.8gを水2500gに溶解して硝酸銅水溶液を調製した。
硝酸銅水溶液に結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)分散液を混合して噴霧乾燥用混合分散液を調製した。この時、分散液のpHは3.5であった。
ついで、噴霧乾燥用混合分散液を熱風温度230℃の噴霧乾燥機中に回転数7000rpmのアトマイザーにて噴霧し、得られた粉末を600℃で2時間焼成して金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)を調製した。
得られた金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)中の銅のCuとしての含有量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
成型体(1)の調製
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)粉末40gとアルミナ水和物微粒子粉体(日揮触媒化成(株)製:AP−1、Al含有量72重量%、平均粒子径200nm)13.9gと水47gとを混合して、固形分濃度49.6重量%の混合物を調製した。
ついで、混練機((株)入江商会製:BENCH KNEADER PBU-03)にて、温度30℃で1時間混練した。
ついで、押出成型機(理研精機(株)製:デジプレッシャーDPS-700S、ダイス穴径3mmΦ)にて成型し、5〜10mmの長さにカットし、ついで、130℃で2時間乾燥し、ついで、600℃で2時間焼成してペレット状の成型体(1)を調製した。
得られた成型体(1)について、強度、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
強度
成型体(1)のペレット15個について、強度測定機(株)木屋製作所製:木屋式硬度計20kg計)にて圧壊強度を測定し、その平均値を強度(A)とした。
別の成型体(1)のペレット15個について、相対湿度(RH)=60%、温度25℃の調湿機にて15Hr吸湿させ、ついで、180℃で1Hr乾燥した後、同様に圧壊強度を測定し、その平均値を強度(B)とした。
強度(A)、強度(B)とともに強度比(B)/(A)x100(%)を表に示した。
クラック
上記成型体(1)の成型において、押出成型機(理研精機(株)製:デジプレッシャーDPS-700S、ダイス穴径10mmΦ)にて成型し、50mmの長さにカットし、ついで、130℃で2時間乾燥し、ついで、600℃で2時間焼成してペレット状の成型体(1-2)を調製した。
成型体(1-2)についてクラックの有無を観察し、以下の基準で評価し、クラック(A)として結果を表に示した。
また、別の成型体(1-2)について、相対湿度(RH)=60%、温度25℃の調湿機にて15Hr吸湿させ、ついで、180℃で1Hr乾燥した後、同様にクラックの有無を観察し、以下の基準で評価し、クラック(B)として結果を表に示した。
クラックが全く認められなかった。 : ◎
微細なクラックが僅かに認められた。: ○
微細なクラックが多く認められた。 : △
大きなクラックが認められた。 : ×
線膨張率の測定
この成型体(1)3個について、相対湿度(RH)=60%、温度25℃の調湿機にて15時間吸湿させた後のペレットの長さ(LH2O)と、このペレットをさらに25℃から400℃まで昇温させたときのペレットの長さ(LCAL)をSHIMADZU社製:TMA−50により測定し、下記式により求めた値の平均値を線膨張率(%)とした。
線膨張率(%)=[(LCAL)−(LH2O)]/(LH2O)x100
NOx除去試験
ペレット成型体(1)10ccを常圧固定床流通式反応管に充填し、反応ガス(NO:500ppm、NH:500ppm、O:10vol%、N:バランス)を6000cc/minで流通させながら、反応温度150℃、200℃、300℃、400℃の各温度で定常状態になった時点でのNOx除去率を下記式によって求め、結果を表に示した。
X=[({NOx}in−{NOx}out)/{NOx}in]X100
ここで、XはNOx除去率(%)、{NOx}inは入り口の窒素酸化物ガス濃度、{NOx}outは出口の窒素酸化物ガス濃度を示す。
[実施例2]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(2)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリー(1)をオートクレーブに充填し、10時間水熱処理した以外は同様にして結晶性シリカアルミノフォスフェート(2)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(2)の組成、平均粒子径および結晶度、水分吸着量、アンモニア吸着量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(2)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(2)500gを用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(2)を調製した。
得られた金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(2)中の銅のCuとしての含有量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
成型体(2)の調製
実施例1において、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(2)を用いた以外は同様にして成型体(2)を調製した。
得られた成型体(2)について、強度、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例3]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(3)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリー(1)をオートクレーブに充填し、15時間水熱処理した以外は同様にして結晶性シリカアルミノフォスフェート(3)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(3)の組成、平均粒子径および結晶度、水分吸着量、アンモニア吸着量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(3)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(3)500gを用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(3)を調製した。
得られた金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(3)中の銅のCuとしての含有量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
成型体(3)の調製
実施例1において、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(3)を用いた以外は同様にして成型体(3)を調製した。
得られた成型体(3)について、強度、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例4]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(4)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリー(1)をオートクレーブに充填し、160℃で30時間水熱処理した以外は同様にして結晶性シリカアルミノフォスフェート(4)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(4)の組成、平均粒子径および結晶度、水分吸着量、アンモニア吸着量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(4)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(4)500gを用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(4)を調製した。
得られた金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(4)中の銅のCuとしての含有量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
成型体(4)の調製
実施例1において、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(4)を用いた以外は同様にして成型体(4)を調製した。
得られた成型体(4)について、強度、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例5]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(5)の調製
濃度75重量%のリン酸水溶液671.0gと純水2666.6gとを混合して、濃度15.1重量%のリン酸水溶液3337.6gを調製した。これに、濃度98重量%のモルホリン571.1gを混合し、ついで、アルミナ源として擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)366.5gを10分程度で分散させ、分散液を15分間攪拌した。
ついで、分散液にシリカ源としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SI−30、SiO濃度30重量%)257.0gを約10分間で添加して、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリー(5)を調製した。
ついで、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリー(5)をオートクレーブに充填し、1時間攪拌後、170℃に昇温し、12時間水熱処理した。
その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して結晶性シリカアルミノフォスフェート(5)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(5)の組成、平均粒子径および結晶度、水分吸着量、アンモニア吸着量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(5)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(5)500gを用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(5)を調製した。
得られた金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(5)中の銅のCuとしての含有量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
成型体(5)の調製
実施例1において、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(5)を用いた以外は同様にして成型体(5)を調製した。
得られた成型体(5)について、強度、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例6]
成型体(6)の調製
実施例1において、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)粉末45gとアルミナ水和物微粒子粉末(日揮触媒化成(株)製:AP−1、Al含有量72重量%、平均粒子径200nm) 6.9gと水 53gとを混合して、固形分濃度47.7重量%の混合物を調製した。
ついで、混練機((株)入江商会製:BENCH KNEADER PBU-03)にて、温度30℃で1時間混練した。
ついで、押出成型機(理研精機(株)製:デジプレッシャーDPS-700S、ダイス穴径3mmΦ)にて、成型し、5〜10mmにカットし、ついで、130℃で2時間乾燥し、ついで、600℃で2時間焼成してペレット状の成型体(6)を調製した。
得られた成型体(6)について、強度、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例7]
成型体(7)の調製
実施例1において、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)粉末35gとアルミナ水和物微粒子粉末(日揮触媒化成(株)製:AP−1、Al含有量72重量%、平均粒子径200nm)20.8gと水 41.1gとを混合して、固形分濃度51.6重量%の混合物を調製した。
ついで、混練機((株)入江商会製:BENCH KNEADER PBU-03)にて、温度30℃で1時間混練した。
ついで、押出成型機(理研精機(株)製:デジプレッシャーDPS-700S、ダイス穴径3mmΦ)にて、成型し、5〜10mmにカットし、ついで、130℃で2時間乾燥し、ついで、600℃で2時間焼成してペレット状の成型体(7)を調製した。
得られた成型体(7)について、強度、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例8]
リン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート触媒(8)の調製
実施例1と同様にして調製した金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子(1)600gを水2000gに分散させ、コロイドミル処理して金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子(1)分散液を調製した。
ついで、第一リン酸アルミニウム(多木化学(株)製:100L、x値=1、固形分濃度50重量%)を用いて固形分濃度5重量%の第一リン酸アルミニウム水溶液1334gを調製し、これに金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子(1)分散液を混合して噴霧乾燥用混合分散液を調製した。この時、分散液のpHは2.7であった。
ついで、噴霧乾燥用混合分散液を熱風温度230℃の噴霧乾燥機中に回転数7000rpmのアトマイザーにて噴霧し、得られた粉末を600℃で2時間焼成してリン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート触媒(8)を調製した。
得られたリン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(8)中の銅のCuとしての含有量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
成型体(8)の調製
実施例1において、リン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(8)を用いた以外は同様にして成型体(8)を調製した。
得られた成型体(8)について、強度、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例9]
リン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート触媒(9)の調製
実施例2と同様にして調製した金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子(2)を用いた以外は実施例8と同様にしてリン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート触媒(9)を調製した。
得られたリン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(9)中の銅のCuとしての含有量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
成型体(9)の調製
実施例1において、リン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(9)を用いた以外は同様にして成型体(9)を調製した。
得られた成型体(9)について、強度、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[比較例1]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)の調製
濃度75重量%のリン酸水溶液807.3gと純水2060.7gとを混合して、濃度21.1重量%のリン酸水溶液2868gを調製した。これに、濃度35重量%のテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(TEAH)974.9gを混合し、ついで、アルミナ源として擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)440.5gを10分程度で分散させ、分散液を15分間攪拌した。
ついで、分散液にシリカ源としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SI−30、SiO濃度30重量%)216.5gを約10分間で添加して、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリー(R1)を調製した。
ついで、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリー(R1)をオートクレーブに充填し、1時間攪拌後、170℃に昇温し、48時間水熱処理した。
その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)の組成、平均粒子径および結晶度、水分吸着量、アンモニア吸着量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)500gを用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)を調製した。
得られた金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)中の銅のCuとしての含有量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
成型体(R1)の調製
実施例1において、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)を用いた以外は同様にして成型体(R1)を調製した。
得られた成型体(R1)について、強度、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[比較例2]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(R2)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリー(1)をオートクレーブに充填し、170℃で6時間水熱処理した以外は同様にして結晶性シリカアルミノフォスフェート(R2)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(R2)の組成、平均粒粒子径および結晶度、水分吸着量、アンモニア吸着量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R2)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(R2)500gを用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R2)を調製した。
得られた金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R2)中の銅のCuとしての含有量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
成型体(R2)の調製
実施例1において、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R2)を用いた以外は同様にして成型体(R2)を調製した。
得られた成型体(R2)について、強度、耐摩耗性、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[比較例3]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(R3)の調製
実施例5において、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリー(5)をオートクレーブに充填し、170℃で20時間水熱処理した以外は同様にして結晶性シリカアルミノフォスフェート(R3)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(R3)の組成、平均粒粒子径および結晶度、水分吸着量、アンモニア吸着量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R3)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(R3)500gを用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R3)を調製した。
得られた金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R3)中の銅のCuとしての含有量、比表面積を測定し、結果を表に示した。
成型体(R3)の調製
実施例1において、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R3)を用いた以外は同様にして成型体(R3)を調製した。
得られた成型体(R3)について、強度、耐摩耗性、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[比較例4]
成型体(R4)の調製
実施例1において、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)粉末47.5gとアルミナ水和物微粒子粉末(日揮触媒化成(株)製:AP−1、Al含有量72重量%、平均粒子径200nm)3.5gと水55.8gとを混合して、固形分濃度47.3重量%の混合物を調製した。
ついで、混練機((株)入江商会製:BENCH KNEADER PBU-03)にて、温度30℃で1時間混練した。
ついで、押出成型機(理研精機(株)製:デジプレッシャーDPS-700S、ダイス穴径3mmΦ)にて、成型し、5〜10mmにカットし、ついで、130℃で2時間乾燥し、ついで、600℃で2時間焼成してペレット状の成型体(R4)を調製した。
得られた成型体(R4)について、強度、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[比較例5]
成型体(R5)の調製
実施例1において、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)粉末25gとアルミナ水和物微粒子粉末(日揮触媒化成(株)製:AP−1、Al含有量72重量%、平均粒子径200nm)34.7gと水29.4gとを混合して、固形分濃度63.0重量%の混合物を調製した。
ついで、混練機((株)入江商会製:BENCH KNEADER PBU-03)にて、温度30℃で1時間混練した。
ついで、押出成型機(理研精機(株)製:デジプレッシャーDPS-700S、ダイス穴径3mmΦ)にて、成型し、5〜10mmにカットし、ついで、130℃で2時間乾燥し、ついで、600℃で2時間焼成してペレット状の成型体(R5)を調製した。
得られた成型体(R5)について、強度、細孔容積、比表面積、線膨張率およびクラックの有無を目視観察し、結果を表に示す。また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
Figure 0005693423
Figure 0005693423

Claims (17)

  1. アルミナを結合材とする結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の成型体であって、該結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒子径が0.2〜7μmの範囲にあり、結晶度が10〜85%の範囲にあり、アルミナ結合材の含有量が10〜40重量%の範囲にあることを特徴とする排ガス処理用結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体。
  2. 前記成型体の形状が、ハニカム状、ペレット状、コルゲート状、球状、板状、管状(パイプ状)、リング状、三つ葉状であることを特徴とする請求項1に記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体。
  3. 前記成型体がハニカム状成型体であることを特徴とする請求項1または2に記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体。
  4. 前記結晶性シリカアルミノフォスフェートが活性金属成分を含み、該活性金属成分が、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Znから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体。
  5. 前記活性金属成分の含有量が、結晶性シリカアルミノフォスフェート中に金属として0.1〜10重量%の範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体。
  6. 前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子がSAPO−5、SAPO−11、SAPO−34、SAPO−37から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体。
  7. 前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子がSAPO−34であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体。
  8. 前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の水分吸着量が20〜35重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体。
  9. 前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子がリン酸アルミニウムで修飾されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体。
  10. 下記の工程(a)〜(d)および(f)からなることを特徴とする排ガス処理用結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の製造方法。
    (a)結晶度が10〜85%の範囲にある結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子とアルミナ水和物微粒子と水とを混合する工程
    (b)混合物を混練(捏和)する工程
    (c)成型する工程
    (d)乾燥する工程
    (f)400〜800℃で加熱処理(焼成)する工程
  11. 前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子が予め金属化合物を担持されたものであるか、または、前記工程(d)の後、下記の工程(e)を行うことを特徴とする請求項10に記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の製造方法。
    (e)金属化合物を吸収させて担持する工程
  12. 前記金属化合物の担持量が、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子中に金属として0.1〜10重量%の範囲にあることを特徴とする請求項10または11に記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の製造方法。
  13. 前記金属化合物が、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Znから選ばれる1種または2種以上の元素の化合物であることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の製造方法。
  14. 前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子がSAPO−5、SAPO−11、SAPO−34、SAPO−37から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の製造方法。
  15. 前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子がSAPO−34であることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の製造方法。
  16. 前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の水分吸着量が20〜35重量%の範囲にあることを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の製造方法。
  17. 前記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子がリン酸アルミニウムで修飾されていることを特徴とする請求項10〜16のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体の製造方法。
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