JP2013071868A - コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子および該粒子を含んでなる成型体触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラックがなく、強度、耐摩耗性、エロージョン等に優れ、耐水熱性にも優れた成型体触媒を提供する。
【解決手段】コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の成型体触媒。コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子は、結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)を核(コア)とし、該粒子の外部表面に結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の被覆層(シェル)を有してなり、粒子中の結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の含有量が固形分として40〜90重量%の範囲にある。結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の平均粒子径は0.2〜7μmの範囲にあり、結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の平均粒子径は0.1〜2μmの範囲にある。
【選択図】なし

Description

本発明は、クラックがなく、強度、耐摩耗性、エロージョン等に優れた成型体触媒に好適に使用することのできるコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子、および、該コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子を用いた成型体触媒に関する。
さらに、詳しくは、線膨張率の大きい結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の外周部に、線膨張率が負であるか正であっても小さい結晶性アルミノフォスフェート粒子がシェル層を形成しているために線膨張率が小さく、高温で繰り返し水熱処理しても線膨張率が大きく変化することがないコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子、および、該粒子を用いているためにクラックの発生が抑制され、触媒、特に、内燃機関の排ガス処理触媒として好適に用いることのできるコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の成型体触媒に関する。
従来、結晶性シリコアルミノフォスフェートは、触媒担体として高温で使用しても比較的結晶性、比表面積の低下が小さく、安定であることが知られている。
結晶性シリコアルミノフォスフェートは粉体でそのまま使用することは多くなく、通常、成型体として用いられている。
具体的には、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスには、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)およびPM(Particulate Matter:パティキュレート)等の汚染物質が含まれる。これらの汚染物質の中でもNOxは、酸化触媒やガソリン自動車で実用化されている三元触媒では浄化が難しく、NOxを浄化することができる有望な触媒として選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒という。)の開発が行われている。
SCR触媒としては、TiO2あるいはSiO2−TiO2、WO3−TiO2、SiO2−TiO2などの二元系複合酸化物、または、WO3−SiO2−TiO2、Mo3−SiO2−TiO2などの三元系複合酸化物などの担体に、V,Cr,Mo,Mn,Fe,Ni,Cu,Ag,Au,Pd,Y,Ce,Nd,W,In,Irなどの活性成分を担持してなるハニカム構造を有し、アンモニアなどの還元剤の存在下でNOxを還元して窒素ガスに変換して浄化する触媒が知られている。
4NO+4NH3+O2 → 4N2+6H2O ・・・・(1)
NO+NO2+2NH3 → 2N2+3H2O ・・・・(2)
6NO2 + 8NH3 → 7N2+12H2O ・・・・(3)
また、モノリシス担体にゼオライト等の触媒活性を有する微粒子の担持層を形成した触媒も知られている。
さらに、特開2003−33664号公報(特許文献1)には、排ガス浄化用ハニカム触媒のセル隔壁の主要構成材料として、アルミナ、ジルコニア、チタニア、ゼオライト、SiC、SiN、ムライト、リチウムアルミニウムシリケート(LAS)、リン酸チタン、ペロブスカイト、スピネル、シャモット、無配向コージェライト等が使用でき、なかでも酸化チタン、ゼオライト、アルミナが好適に使用できることが記載されている。
ゼオライトとしては、X型、Y型、ZSM−5型、β型等のものを用いることができるが、耐熱性の観点から、アルカリ成分の含有量は極力押さえることが重要であり、SiO/Al比を25以上とすることが好ましく、また、AlPOやSAPO、メタロシリケート、層状化合物も好適に用いることができ、前述の触媒活性成分をイオン交換担持したものも、好適に用いられることが記載されている。
特表2009−519817号公報(特許文献2)には、ゼオライトの金属イオン交換をpH3付近で行い、その後、540℃以上の高温で水熱処理した、水熱的に安定な選択的NOx還元用金属処理ゼオライト触媒が開示されている。
また、再表2006−011575号公報(特許文献3)には鉄イオン交換したβ型ゼオライト担体に酸化第二鉄を担持した脱硝触媒が開示されている。
しかしながら、前記したゼオライトなどの従来の結晶質多孔性物質触媒は、水分が生成する反応で、且つ700℃以上の高温で使用すると結晶性、比表面積が低下し、これに伴い活性が低下することから、水熱的に安定で、高活性を長期にわたって維持することのできる触媒が求められている。
本発明者らは、結晶性シリコアルミノフォスフェートを触媒担体として用いると高温で使用しても比較的結晶性の低下、比表面積の低下が小さく、安定であることが判明し、これに活性成分金属を担持した触媒は選択還元型NOx触媒として優れていることを見出した。
しかしながら、金属担持結晶性シリコアルミノフォスフェートを成型体、特にハニカム成型体にすると、焼成後のハニカム成型体にクラックはないものの大気環境下で放置すると容易にクラックが生じ、高温下、大気環境下を繰り返すような用途には使用することができない場合があった。具体的には、自動車などのNOxの移動発生源で用いると、走行時は高温になり、停止後には常温になり大気に曝される。また、振動等によりハニカム成型体が容易に損傷し、使用が困難となる問題があった。
そこで、本発明者らはさらに検討した結果、結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子は線膨張率が大きく、これを用いたハニカム成型体は高温、常温の繰り返しにおいて、膨張、収縮を繰り返し、このためクラックが発生することを見出し、一方で結晶性アルミノフォスフェート粒子は線膨張率が負であるか正であっても小さいことを見出し、結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子と結晶性アルミノフォスフェート粒子とを混合して用いると成型体のクラックが抑制できることを見出した。しかしながら、この場合、高温で水熱処理した場合、線膨張率の低減効果が減少し、必ずしもクラックの発生を充分抑制できない場合があった。
さらに、検討した結果、結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の外周部に結晶性アルミノフォスフェート粒子が層を形成していると、高温で水熱処理した際のクラックを抑制できるとともに高温耐水熱性、活性に優れることを見出して本発明を完成するに至った。
特開2003−33664号公報 特表2009−519817号公報 再表2006−011575号公報
本発明は、クラックがなく、強度、耐摩耗性、エロージョン等に優れ、耐水熱性にも優れた成型体触媒および該成型体触媒に好適に使用することのできるコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子を提供することを目的としている。
本発明に係るコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子は、結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)を核(コア)とし、該粒子の外部表面に結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の被覆層(シェル)を有してなり、粒子中の結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の含有量が固形分として40〜90重量%の範囲にあることを特徴としている。
前記結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の平均粒子径が0.2〜7μmの範囲にあり、前記結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の平均粒子径が0.1〜2μmの範囲にあることが好ましい。
前記結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)がSAPO−5、SAPO−18、SAPO−20、SAPO−31、SAPO−34、SAPO−37、SAPO−40、SAPO−42、SAPO−43、SAPO−47、SAPO−56から撰ばれる1種以上であり、前記結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)がALPO−11、ALPO−14、ALPO−17、ALPO−21、ALPO−24、ALPO−25、ALPO−33、ALPO−35、ALPO−41、ALPO−53、ALPO−C、ALPO−D、ALPO−H2から撰ばれる1種以上であることが好ましい。
本発明に係る成型体触媒は、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子と結合材とからなり、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の含有量が固形分として50〜90重量%の範囲にあり、結合材の含有量が固形分として10〜50重量%の範囲にあることを特徴としている。
前記結合材がアルミナであることが好ましい。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の含有量が固形分として50〜90重量%の範囲にあり、アルミナ結合材の含有量がAlとして10〜50重量%の範囲にあることが好ましい。
前記成型体触媒の線膨張率が−0.2〜0.25%の範囲にあることが好ましい。
前記コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子が活性金属成分を含み、該活性金属成分が、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Znから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
前記活性金属成分の含有量が、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート中に金属として0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明によれば、線膨張率の大きい結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の外周部に、線膨張率が負であるか正であっても小さい結晶性アルミノフォスフェート粒子がシェル層を形成しているために、線膨張率が小さく、しかも高温で繰り返し水熱処理しても線膨張率が大きく変化することがないコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子が得られる。また、該粒子を用いることにより、クラックの発生が抑制され、活性の低下の小さい、触媒、特に、内燃機関の排ガス処理触媒として好適に用いることのできる成型体触媒を提供することができる。
まず、本発明に係るコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子について説明する。
[コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子]
本発明に係るコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子は、結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)を核(コア)とし、該粒子の外部表面に結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の被覆層(シェル)を有してなり、粒子中の結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の含有量が固形分として40〜90重量%の範囲にあることを特徴としている。
結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)
結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)としては従来公知の結晶性シリコアルミノフォスフェートを用いることができる。
結晶性シリコアルミノフォスフェート(A)としてはSAPO−5、SAPO−18、SAPO−20、SAPO−31、SAPO−34、SAPO−37、SAPO−40、SAPO−42、SAPO−43、SAPO−47、SAPO−56から選ばれる1種以上であることが好ましい。なかでも、SAPO−34は高温での熱的安定性、特に水熱安定性に優れ、排ガス処理触媒に用いた場合、高い活性と選択性を示し、これを長く維持することができるので好適に用いることができる。
結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)は、シリカ、アルミナおよび酸化燐からなる多孔質の結晶性複合酸化物である。
SAPO−34の場合、シリカの含有量がSiOとして概ね1〜15重量%、アルミナの含有量がAlとして概ね35〜45重量%、酸化燐がPとして概ね45〜55重量%の範囲にあり、比表面積が概ね250〜550m/gの範囲にある。
結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)は、用途によっても異なるが、触媒、触媒担体に用いる場合、平均粒子径が0.2〜7μm、さらには0.5〜3μmの範囲にあることが好ましい。
結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の平均粒子径が0.2μm未満の場合は、水熱安定性が不充分となる場合がある。
結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の平均粒子径が7μmを超えると、成型体触媒として用いる場合、充分な強度、耐摩耗性等が得られない場合がある。
本発明での平均粒子径は、結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影し、任意の100個の粒子について粒子径を測定し、その平均値として求める。
本発明に用いる結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の線膨張率は0.001〜1.0%、さらには0.01〜0.5%の範囲にあることが好ましい。
結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の線膨張率が0.001%未満の場合は、合成することが困難であり、結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の線膨張率が1.0%を越えると、得られるコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の線膨張率も所定値(0.25%)を越えて大きくなる場合があり、成形体触媒の成型が困難であったり、クラックを抑制できない場合がある。
なお、本発明での結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の線膨張率は以下のようにして測定し、定義される。
結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)とアルミナ結合材前駆体を固形分として80:20の重量比で混合し、これに水を加えて混合物の固形分濃度を54重量%(水分濃度46重量%)とし、充分に混練し、ついで押出成型器(ノズル径3mmφ)にて成型した後、130℃で24時間乾燥し、長さ約5mmにカットし、ついで、600℃で2時間焼成して3mmΦ、長さ5mmのペレット状成型体を調製する。
この成型体3個について、相対湿度(RH)=60%、温度25℃の調湿機にて15時間吸湿させた後のペレットの長さ(LH2O)と、このペレットをさらに25℃から400℃まで昇温させたときのペレットの長さ(LCAL)をSHIMADZU社製:TMA−50により測定し、下記式により求めた値の平均値を線膨張率(%)とした。
線膨張率(%)=[(LCAL)−(LH2O)]/(LH2O)x100
なお、後述する結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)およびコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子を用いた成型体触媒の線膨張率の測定についても同様である。
結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)
結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)としては、ALPO−11、ALPO−14、ALPO−17、ALPO−21、ALPO−24、ALPO−25、ALPO−33、ALPO−35、ALPO−41、ALPO−53、ALPO−C、ALPO−D、ALPO−H2から撰ばれる1種以上であることが好ましい。
なかでもALPO−Dは負の線膨張率を有し、線膨張率が正で大きいSAPOとの組み合わせで好適に使用することができる。
これらの結晶性アルミノフォスフェート粒子は線膨張率が小さいか負であるため、前記結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の周縁部に層を形成したコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子としても線膨張率が小さくなり、これを成型体として用い、高温加熱、水分吸着を繰り返してもクラックの発生を抑制することができる。
結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の平均粒子径は0.1〜2μm、さらには0.2〜1μmの範囲にあることが好ましい。
結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の平均粒子径が0.1μm未満の場合は、結晶性が不充分となる場合があり、また後述する線膨張率特性が得られない場合があり、結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の含有量によっても異なるが、得られるコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の線膨張率も所定値(0.25%)を越えて大きくなる場合があり、クラックを抑制できない場合がある。
結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の平均粒子径が2μmを越えると、核粒子である結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)との単なる混合物と変わらず、得られるコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の耐水熱性向上効果が不充分となる場合がある。
結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の平均粒子径は、結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影し、任意の100個の粒子について粒子径を測定し、その平均値として求める。
本発明に用いる結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の線膨張率は−1.0〜−0.001%、さらには−0.7〜−0.1%の範囲にあることが好ましい。
結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の線膨張率が−1.0%未満の場合は、結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の含有量によっても異なるが、得られるコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の収縮率が大きく、これを用いた成形体触媒のクラックの発生を抑制することができない場合がある。
結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の線膨張率が−0.001%を越えると、結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の含有量によっても異なるが、得られるコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の線膨張率が大きくなり、これを用いた成形体触媒のクラックの発生を抑制することができない場合がある。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子中のコアである結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の含有量は固形分として40〜90重量%、さらには50〜90重量%の範囲にあることが好ましい。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子中の結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の含有量が固形分として40重量%未満の場合は活性が不十分となる場合がある。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子中の結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の含有量が固形分として90重量%を越えると、線膨張率の大きい結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)が多すぎるために成型体触媒のクラックを抑制できない場合がある。
前記コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の平均粒子径は0.3〜8μm、好ましくは0.7〜5.0μmの範囲である。
本発明に係るコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の線膨張率は−0.2〜0.25%、さらには−0.1〜0.1%の範囲にあることが好ましい。
成型体触媒の線膨張率が前記範囲にない場合は、クラックが発生しやすく、特に、成型体触媒を自動車等のNOxの移動発生源で用いた場合、走行時は高温になり、停止後には常温になって大気に曝されると同時に水分を吸着し、この繰り返しにより容易にクラックが発生するようになり、また、振動等も加わり成型体が容易に損傷し、使用が困難となる場合がある。
また、本発明に係るコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子は、前記した範囲の平均粒子径、線膨張率を有する結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)と結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)とがコア・シェル構造を有しているので、これを用いた成型体触媒の線膨張率は−0.2〜0.25%、好ましく−0.1〜0.1%の範囲にある。
結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)と結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)との単なる混合物では、高温(概ね800℃以上)で数十時間の水熱処理後、線膨張率が増加し、成型体触媒にクラックを生じるが、一方、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子は、同様の水熱処理後も線膨張率が変化せず、成型体触媒のクラックを抑制することができ、また、高い活性を保持することができる。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の製造方法
本発明に用いるコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の製造方法は前記コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子が得られれば特に制限はないが、本発明では、下記の方法が例示される。
まず、下記の酸化物モル比範囲の結晶性アルミノフォスフェート合成用スラリーを調製する。
Alを1モルとしたとき、
=0.25〜2.0、好ましくは0.5〜1.5
有機構造規制剤=0.25〜1.5、好ましくは0.5〜1.0
O=50〜1000、好ましくは150〜750
酸化物モル比が前記範囲となるようにアルミナ源としてアルミナ粉末、好ましくは擬ベーマイトアルミナ粉末あるいはこれらの分散液(スラリー)とリン酸水溶液とを混合し、これにジ−n−プロピルアミン、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド等の有機構造規制剤(有機結晶化剤ということもある)を添加し、必要に応じて水を添加し、必要に応じて熟成して結晶性アルミノフォスフェート合成用スラリーを調製する。
なお、このスラリーを圧力釜中、自圧下、概ね140〜170℃で水熱処理した場合、結晶性アルミノフォスフェートを合成することができる。
ついで、結晶性アルミノフォスフェート合成用スラリーに結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子を混合して分散させ、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリーを調製する。
別の方法としては、上記において、アルミナ粉末、好ましくは擬ベーマイトアルミナ粉末あるいはスラリーとリン酸水溶液とを混合し、この混合分散液に結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子を混合し、ついで、有機構造規制剤を添加し、必要に応じて水を添加し、必要に応じて熟成してコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリーを調製することもできる。
この時の結晶性アルミノフォスフェート合成用スラリーと結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の混合割合は、結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子のAl1モルに対して結晶性アルミノフォスフェート合成用スラリーのAlのモル数が0.01〜5、さらには0.5〜2の範囲にあることが好ましい。
前記結晶性アルミノフォスフェート合成用スラリーのAlのモル数が0.01未満の場合は、結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の含有量は多くなり、活性は維持できるものの、結晶性アルミノフォスフェート(B)の被覆量が少ないため、得られるコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の線膨張率が抑制できず、これを用いた成形体触媒はクラックが生じやすく、強度、耐摩耗性等が不充分となる場合がある。
前記結晶性アルミノフォスフェート合成用スラリーのAlのモル数が5を越えると、結晶性アルミノフォスフェート(B)の被覆量が多く、一方活性に大きく寄与する結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の含有量が少なくなるために活性が不充分となる場合がある。
ついで、混合スラリーを圧力釜中、自圧下、130〜200℃、好ましくは140〜170℃で水熱処理することによってコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子を合成することができる。
つぎに、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子はそのまま用いることもできるが、触媒に使用する活性金属成分を予め含んでいてもよい。
活性金属成分としては、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Znから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
このような活性金属成分の含有量は、反応の種類によっても異なるが、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子中に金属として0.1〜10重量%、さらには、0.2〜8重量%の範囲にあることが好ましい。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート中の活性金属成分の含有量が金属として0.1重量%未満の場合は、通常、活性が不充分となる場合があり、10重量%を越えては、有効な活性金属成分が増加することはなく、200℃などの低温での活性が向上することはない。また、500℃などの高温での活性が不十分となる場合がある。
活性金属成分は、成型体を調製した後、活性金属成分を担持して、例えば含浸法で担持して用いることもできるが、本発明ではコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子に予め以下の方法で活性金属成分を担持した結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子を用いることが好ましい。
具体的には、本願出願人が特開2011−125793号公報において開示した下記の工程からなる製造方法が好ましい。
(1)コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子分散液を調製する工程
(2)活性成分金属化合物水溶液を混合する工程
(3)噴霧乾燥する工程
(4)洗浄する工程
(5)400〜800℃で加熱処理(焼成)する工程
本発明の成型体触媒には、工程(4)で得た金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子を用いることもできるが、さらに工程(5)を経た金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子を用いることもできる。
さらに、本発明では、前記コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子あるいは活性金属成分を含むコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子をオルト燐酸、オルト燐酸3アンモニウム、オルト燐酸水素2アンモニウム、オルト燐酸2水素アンモニウム、ピロリン酸、ピロ燐酸アンモニウム、ピロ燐酸2水素2アンモニウムオルトリン酸、リン酸アルミニウム等のリン酸化合物で修飾して用いることができる。
例えば、リン酸アルミニウムで修飾して用いるとNOx除去反応において、活性、特に低温活性を向上させることができる。
リン酸アルミニウムの修飾量は、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子あるいは金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子に対してリン酸アルミニウムをAl+Pとして0.1〜40重量%、さらには1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
リン酸アルミニウム修飾量がAl+Pとして0.1重量%未満の場合は低温活性を向上させる効果が不充分となる場合があり、リン酸アルミニウムの含有量がAl+Pとして40重量%を越えてもさらに低温活性が向上することもなく、逆に活性点が被覆され、活性が低下する場合がある。
また、リン酸アルミニウムは、(Al)x・(POで表したときのxの値が0.1〜3、さらには0.5〜1.5の範囲にあることが好ましい。
前記xが前記範囲にない場合は、低温活性を向上させる効果が不充分となる場合がある。
金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェートをリン酸アルミニウムで修飾するには、本願出願人が特開2011−177676号公報において開示した下記の工程(A)〜(D)からなる製造方法を採用することが好ましい。
(A)金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子分散液を調製する工程
(B)リン酸アルミニウム水溶液を混合する工程
(C)噴霧乾燥する工程
(D)400〜700℃で加熱処理(焼成)する工程
つぎに、本発明に係る成型体触媒について説明する。
[成型体触媒]
本発明に係る成型体触媒は、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子と結合材とからなり、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の含有量が固形分として50〜90重量%の範囲にあり、結合材の含有量が固形分として10〜50重量%の範囲にあることを特徴としている。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子としては前記したコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子、金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子、リン酸化合物修飾金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子が用いられる。
結合材
結合材としては、前記コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の結合材として機能し、活性を損なうことなく強度、耐摩耗性等に優れた成型体触媒が得られれば特に制限はなく、従来公知の結合材を用いることができる。
例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の酸化物、これらの複合酸化物が好適に用いられる。なお、成型体触媒を調製する場合にはこれらのゾルを用いることが好ましい。
本発明では、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の結合材として、特に、排ガス処理用触媒成型体に用いる場合、アルミナを用いることが好ましく、製造過程ではアルミナ水和物微粒子を用いることが好ましい。
アルミナ水和物微粒子としては擬ベーマイトアルミナ水和物微粒子が好ましい。
擬ベーマイトアルミナ水和物(Al・nHO、n=0.5〜2.5)は結晶性アルミナ水和物の一種で、通常、繊維状の一次粒子が束になった繊維状の二次粒子である。
アルミナ水和物微粒子の形状、大きさ等については特に制限はないが下記のものが好適に用いられる。
擬ベーマイトアルミナ水和物微粒子の一次粒子の大きさは、平均長さ(L)が1〜20nm、さらには2〜15nmの範囲にあることが好ましく、平均幅(W)が0.5〜10nm、さらには1〜8nmの範囲にあることが好ましい。また、この時、長さと径の比(L)/(W)(アスペクト比ということがある)は2〜40の範囲にあることが好ましい。一次粒子の大きさのは、アルミナ水和物微粒子の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、100個の粒子について幅および長さを測定し、各々の平均値として求めることができる。
また、アルミナ水和物微粒子の二次粒子の大きさは、2〜500nm、さらには5〜300nmの範囲にあることが好ましい。
アルミナ水和物微粒子の二次粒子の大きさが前記範囲にあれば、クラックがなく、強度、耐摩耗性、耐エロージョン等に優れたハニカム成型体触媒を得ることができる。
本発明では、二次粒子の大きさはレーザー法粒子径分布測定装置(HORIBA(株)製:LA−950v2)により測定した。
成型体触媒中のアルミナ含有量は10〜50重量%、さらには15〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
成型体触媒中のアルミナ含有量が10重量%未満の場合は、成型性が不充分となり、得られる成型体触媒にはクラックが生じやすく、強度、耐摩耗性等が不充分となる場合があり、50重量%を越えると活性が不充分となる場合がある。
成型体触媒中のアルミナ結合材以外のコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子、活性金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子、さらにはこれらをリン酸化合物修飾した金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の含有量は50〜90重量%、さらには60〜85重量%の範囲にあることが好ましい。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子等の含有量が50重量%未満の場合は活性が不充分になる場合があり、90重量%を越えるとアルミナ結合材が少なくなるために成型性が不充分となり、得られる成型体触媒にはクラックが生じやすく、強度、耐摩耗性等が不充分となる場合がある。
成型体触媒の製造方法については後述するが、押出成型後、乾燥、焼成した後、成型体にクラックがなく、その後大気環境下にさらした場合にもクラックが生じにくい特徴を有している。
前記焼成した後にクラックを生じると、成形体触媒の破壊の原因になったり、強度、耐摩耗性が低下、反応成績が低下する場合があり、前記大気環境下にさらした場合にクラックを生じると、成型体触媒の破壊原因等になることに加えて、長期使用が困難になる場合がある。
なお、本発明の成型体触媒は、前記した線膨張率の高い結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の外周部に線膨張率の小さい結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)が被覆層(シェル)を形成した線膨張率の小さいコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の成型体であるため成型体触媒の製造過程あるいはその後の熱履歴、水分吸着履歴を受けた場合の膨張、収縮が小さく、このためクラックの発生を抑制することができる。
成型体触媒の線膨張率は−0.2〜0.25%、さらには−0.1〜0.1%の範囲にあることが好ましい。
成型体触媒の線膨張率が前記範囲にない場合は、クラックが発生しやすく、特に、成型体触媒を自動車等のNOxの移動発生源で用いた場合、走行時は高温になり、停止後には常温になり大気に曝されると同時に水分を吸着し、この繰り返しにより容易にクラックが発生するようになり、また、振動等も加わり成型体が容易に損傷し、使用が困難となる場合がある。
本発明のコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の成型体触媒は、ハニカム状、ペレット状、コルゲート状、球状、板状、管状(パイプ状)、リング状、三つ葉状等の形状の成型体が挙げられるが、通常では成型が困難で、クラックが生じやすいハニカム成型体として好適に用いることができる。
また、ハニカム状の金属基材、あるいはセラミックス基材表面にウオッシュコート法等でコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(これに前記金属を担持した粒子、さらにリン酸化合物を修飾した粒子を含む)とアルミナ結合材とからなる触媒層を形成した成型体触媒であってもよい。
成型体触媒によるNOxの還元
本発明に係る成型体触媒は、アンモニアなどの還元剤の存在下でNOxを還元して窒素ガスに変換して浄化する触媒として好適に用いることができる。
つぎに、前記成型体触媒の製造方法について説明する。
[成型体触媒の製造方法]
本発明に係る成型体触媒の製造方法は、下記の工程(a)〜(e)からなることを特徴としている。
(a)コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子等(これには前記金属を担持した粒子、さらにリン酸化合物を修飾した粒子を含む。)とアルミナ結合材とを混合する工程
(b)混合物の固形分濃度を10〜55重量%に調整する工程
(c)成型する工程
(d)乾燥する工程
(e)400〜800℃で焼成する工程
工程(a)
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子等とアルミナ結合材とを混合する。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子等とは、前記したコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子、活性金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子、さらにはこれらをリン酸化合物修飾した金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子を含んで意味している。
アルミナ結合材としては前記したアルミナ水和物粒子が用いられる。
工程(b)
混合物の固形分濃度を10〜55重量%に調整する。
この時、(1)混合物の固形分濃度が10〜30重量%の場合はハニカム状の金属基材、あるいはコージェライト等セラミックス基材表面にウオッシュコート法等による触媒層を形成した成型体触媒の調製に好適に用いることができる。
また、(2)混合物の固形分濃度が30〜55重量%の場合は押し出し成型等により、各種形状の成型体触媒の調製に好適に用いることができる。このとき、水が少ないと、成型性が低下するとともに、成型時、乾燥時にクラックが容易に発生する場合があり、得られる成型体触媒の強度、耐摩耗性が不充分となる場合がある。水が多すぎると、成型は容易になるが、乾燥時の不均一な収縮にともなうクラックが発生する場合がある。
水分調整は水を加えたり、あるいは脱水することにより行うことができる。
なお、前記(1)の場合は、触媒層の剥離を防止あるいは抑制するために従来公知の剥離抑制剤を使用することができる。例えば結晶性アルミノフォスフェートの一種であるAlPO−D等が挙げられる。
また、(2)の場合は従来公知の成型助剤(可塑剤ということがある)を添加することもできる。
成型助剤としては、結晶セルロース、メチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、澱粉、リグニン等が挙げられる。このような成型助剤は、固形分の概ね10重量%以下、さらには1〜5重量%の範囲で添加することが好ましい。
さらに、(1)、(2)いずれの場合においても、前記アルミナ結合材以外に、従来公知の結合材、粒度配合剤あるいは増量剤、その他クラック抑制剤等の機能性材料を使用することができる。
例えば、カオリン、ベントナイト等の粘土鉱物、結晶性アルミノフォスフェート、結晶性アルミノシリケート等が挙げられる。
水分調整した混合物は、さらに、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子等とアルミナ結合材とをより均一に分散させるために、あるいは、成形性を高めるために、成型体触媒の強度、耐摩耗性を高めるために、混練(捏和)、必要に応じて加温下で混練(捏和)することができる。
工程(c)
ついで、成型する。
本発明では、コージェライト等セラミックス基材にウオッシュコート法により成型体触媒を調製する場合は、前記した(1)固形分濃度が10〜30重量%のコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子等とアルミナ結合材の混合物に基材を浸漬したり、基材に混合物を塗布するなど従来公知の方法を採用することができる。
また、前記した(2)混合物の固形分濃度が30〜55重量%のコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子等とアルミナ結合材の混合物を用い、従来公知の押出成型機を用いてハニカム状、ペレット状、球状、板状、管状(パイプ状)、リング状、三つ葉状成型体等の形状の成型体触媒を得ることができる。
押出成型機、用いるダイスを適宜選択することによって種々形状の成型体触媒を得ることができる。
工程(d)
ついで、乾燥する。
乾燥は、従来公知の方法を採用することができるが、この時、成型体を均一に乾燥することが重要である。例えば、湿度をコントロールしたり、温度分布を均一にすることが好ましい。この条件下、通常30〜200℃、好ましくは50〜150℃で、1〜48時間、好ましくは2〜36時間乾燥する。乾燥後の成型体の水分含有量は概ね10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
工程(e)
ついで、400〜800℃、好ましくは450〜700℃で焼成する。
焼成温度が400℃未満の場合は、成型体の強度、耐摩耗性等が不充分となる場合がある。また、成型助剤を使用した場合は、成型助剤に由来する有機物が残存して性能を阻害する場合がある。
焼成温度が800℃を越えると、用いるコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子等の種類、含有量等によっては、低温水熱処理安定性、低温活性等が不充分となる場合がある。
このようにして得られた成型体触媒は、例えば、アンモニアなどの還元剤の存在下でNOxを還元して窒素ガスに変換して浄化する触媒として好適に用いることができる。
以下、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A1)の合成
濃度75重量%のリン酸水溶液807.3gと純水2060.7gとを混合して、濃度21.1重量%のリン酸水溶液2868gを調製した。これに、濃度35重量%のテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(TEAH)974.9gを混合し、ついで、アルミナ源として擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)440.5gを10分程度で分散させ、分散液を15分間攪拌した。
ついで、分散液にシリカ源としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SI−30、SiO濃度30重量%)216.5gを約10分間で添加して、結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリー(1)を調製した。
ついで、結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリー(1)をオートクレーブに充填し、1時間攪拌後、自生圧にて170℃に昇温し48時間水熱処理した。その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して結晶性シリコアルミノフォスフェート(A1)を合成した。
結晶性シリコアルミノフォスフェート(A1)はX線回折によりSAPO−34であった。また、平均粒子径、比表面積を測定し、結果を表に示す。
結晶性シリコアルミノフォスフェート(A1)の線膨張率の測定
成型体の調製
結晶性シリコアルミノフォスフェート(A1)の粉末40gと、擬ベーマイト型構造のアルミナ粉末(日揮触媒化成(株)製:AP−1、Al含有量74重量%)10gおよび水40gを混合して充分に混練し、ついで押出成型器(ノズル径3mmφ)にて成型した後、130℃で24時間乾燥し、長さ約5mmにカットし、ついで、600℃で2時間焼成して3mmΦ、長さ5mmのペレット状の成型体(A1)を調製した。
成型体(A1)の線膨張率を測定し、結晶性シリコアルミノフォスフェート(A1)の線膨張率として結果を表に示す。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(1)の合成
純水6265gに擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)367.7gを5分程度で分散させ、分散液を調製した。これに、濃度75重量%のリン酸水溶液673.8gを約10分程度で添加し、40℃で3時間攪拌した。
別途、純水1500gに結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)1500gを5分程度で分散させ、ついで、ジ−n−プロピルアミン193.1gを添加した。
両者を混合し、40℃で1時間攪拌後、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリー(1)を調製した。
ついで、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリー(1)をオートクレーブに充填し、自生圧にて150℃に昇温し3時間水熱処理した。その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)を合成した。
これを透過型電子顕微鏡写真で観察したところ、結晶性シリコアルミノフォスフェート(A1)の周縁部に微細な結晶性アルミノフォスフェート(B1)が被覆層(シェル)を形成していた。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)の平均粒子径は4.5μmであった。
結晶性アルミノフォスフェート(B1)の線膨張率の測定
結晶性アルミノフォスフェート(B1)の合成
純水6265gに擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)367.7gを5分程度で分散させ、分散液を調製した。これに、濃度75重量%のリン酸水溶液673.8gを約10分程度で添加し、40℃で3時間攪拌した。
ついで、ジ−n−プロピルアミン193.1gを添加した後、40℃で1時間攪拌して結晶性アルミノフォスフェート合成用スラリー(B1)を調製した。
ついで、結晶性アルミノフォスフェート合成用スラリー(B1)をオートクレーブに充填し、自生圧にて150℃に昇温し、3時間水熱処理した。その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して、結晶性アルミノフォスフェート(B1)を合成した。
結晶性アルミノフォスフェート(B1)はX線回折によりALPO−Dであった。
結晶性アルミノフォスフェート(B1)の平均粒子径を測定し、結果を表に示す。
成型体の調製
結晶性アルミノフォスフェート(B1)の粉末40gと、擬ベーマイト型構造のアルミナ粉末(日揮触媒化成(株)製:AP−1、Al含有量74重量%)10gおよび水40gを混合して充分に混練し、ついで押出成型器(ノズル径3mmφ)にて成型した後、130℃で24時間乾燥し、長さ約5mmにカットし、ついで、600℃で2時間焼成して3mmΦ、長さ5mmのペレット状の成型体(B1)を調製した。
成型体(B1)の線膨張率を測定し、結晶性アルミノフォスフェート(B1)の線膨張率として結果を表に示す。
金属担持コアシェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)の調製
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)1.5kgを水5kgに分散させ、コロイドミル処理してコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)分散液を調製した。
別途、硝酸第二銅水溶液(Cuとしての濃度13.15重量%)54.4gを水5kgに加え、Cuとしての濃度0.143重量%の硝酸第二銅水溶液を調製した。
この硝酸銅水溶液にコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)分散液を混合して噴霧乾燥用混合分散液を調製した。この時、分散液のpHは3.8であった。
ついで、噴霧乾燥用混合分散液を熱風温度230℃の噴霧乾燥機中に回転数7000rpmのアトマイザーにて噴霧し、得られた粉末を600℃で2時間焼成して金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)粒子を調製した。
成型体触媒(1)の調製
金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)の粉末40gと、擬ベーマイト型構造のアルミナ粉末(日揮触媒化成(株)製:AP−1、Al含有量74重量%)10gおよび水40gを混合して充分に混練し、ついで押出成型器(ノズル径3mmφ)にて成型した後、130℃で24時間乾燥し、長さ約5mmにカットし、ついで、600℃で2時間焼成して3mmΦ、長さ5mmのペレット状の成型体触媒(1)を調製した。
成型体触媒(1)の細孔容積、比表面積および線膨張率を前記した方法にて測定し、結果を表に示す。
また、このペレット状の成型体触媒(1)の耐クラック性を下記の方法、基準で評価し、結果を表に示す。
クラックの観察
上記成型体触媒(1)の成型において、押出成型機(理研精機(株)製:デジプレッシャーDPS-700S、ダイス穴径10mmΦ)にて成型し、50mmの長さにカットし、ついで、130℃で2時間乾燥し、ついで、600℃で2時間焼成してペレット状の成型体触媒(1-2)を調製した。
成型体触媒(1-2)についてクラックの有無を観察し、以下の基準で評価し、クラック(A)として結果を表に示した。
また、別の成型体触媒(1-2)について、相対湿度(RH)=60%、温度25℃の調湿機にて15Hr吸湿させ、ついで、180℃で1Hr乾燥した後、同様にクラックの有無を観察し、以下の基準で評価し、クラック(B)として結果を表に示した。
クラックが全く認められなかった。 : ◎
微細なクラックが僅かに認められた。: ○
微細なクラックが多く認められた。 : △
大きなクラックが認められた。 : ×
NOx除去試験
ペレット状の成型体触媒(1)10ccを常圧固定床流通式反応管に充填し、反応ガス(NO:500ppm、NH:500ppm、O:10vol%、N:バランス)を6000cc/minで流通させながら、反応温度150℃、200℃、300℃、400℃の各温度で定常状態になった時点でのNOx除去率を下記式によって求め、結果を表に示した。
X=[({NOx}in−{NOx}out)/{NOx}in]X100
ここで、XはNOx除去率(%)、{NOx}inは入り口の窒素酸化物ガス濃度、{NOx}outは出口の窒素酸化物ガス濃度を示す。
[実施例2]
成型体触媒(2)の調製
実施例1と同様にして調製した金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)の粉末25gと、擬ベーマイト型構造のアルミナ粉末(日揮触媒化成(株)製:AP−1、Al含有量74重量%)25gおよび水40gを混合して充分に混練し、ついで押出成型器(ノズル径3mmφ)にて成型した後、130℃で24時間乾燥し、長さ約5mmにカットし、ついで、600℃で2時間焼成して3mmΦ、長さ5mmのペレット状の成型体触媒(2)を調製した。
成型体触媒(2)の細孔容積、比表面積、線膨張率、耐クラック性およびNOx除去試験の結果を表に示す。
[実施例3]
成型体触媒(3)の調製
実施例1と同様にして調製した金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)の粉末42.5gと、擬ベーマイト型構造のアルミナ粉末(日揮触媒化成(株)製:AP−1、Al含有量74重量%)7.5gおよび水40gを混合して充分に混練し、ついで押出成型器(ノズル径3mmφ)にて成型した後、130℃で24時間乾燥し、長さ約5mmにカットし、ついで、600℃で2時間焼成して3mmΦ、長さ5mmのペレット状の成型体触媒(3)を調製した。
成型体触媒(3)の細孔容積、比表面積、線膨張率、耐クラック性およびNOx除去試験の結果を表に示す。
[実施例4]
結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A2)の合成
実施例1において、結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリー(1)をオートクレーブに充填し、160℃で30時間水熱処理した以外は同様にして結晶性シリコアルミノフォスフェート(A2)を調製した。
結晶性シリコアルミノフォスフェート(A2)はX線回折によりSAPO−34であった。また、平均粒子径、比表面積および線膨張率を測定し、結果を表に示す。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(2)の合成
実施例1において、結晶性シリコアルミノフォスフェート(A1)1500gの代わりに結晶性シリコアルミノフォスフェート(A2)1500gを用いた以外は同様にしてコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(2)を合成した。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(2)の平均粒子径および線膨張率を測定し結果を表に示す。
金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(2)の調製
実施例1において、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(2)を用いた以外は同様にして金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(2)を調製した。
成型体触媒(4)の調製
実施例1において、金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(2)を用いた以外は同様にして成型体触媒(4)を調製した。
成型体触媒(4)の細孔容積、比表面積、線膨張率、耐クラック性およびNOx除去試験の結果を表に示す。
[実施例5]
結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A3)の合成
濃度75重量%のリン酸水溶液671.0gと純水2666.6gとを混合して、濃度15.1重量%のリン酸水溶液3337.6gを調製した。これに、濃度98重量%のモルホリン571.1gを混合し、ついで、アルミナ源として擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)366.5gを10分程度で分散させ、分散液を15分間攪拌した。
ついで、分散液にシリカ源としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SI−30、SiO濃度30重量%)257.0gを約10分間で添加して、結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリー(3)を調製した。
ついで、結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリー(3)をオートクレーブに充填し、1時間攪拌後、170℃に昇温し、12時間水熱処理した。
その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して結晶性シリコアルミノフォスフェート(A3)を調製した。
結晶性シリコアルミノフォスフェート(A3)はX線回折によりSAPO−34であった。また、平均粒子径、比表面積および線膨張率を測定し、結果を表に示す。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(3)の合成
実施例1において、結晶性シリコアルミノフォスフェート(A1)1500gの代わりに結晶性シリコアルミノフォスフェート(A3)1500gを用いた以外は同様にしてコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(3)を合成した。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(3)の平均粒子径および線膨張率を測定し結果を表に示す。
金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(3)の調製
実施例1において、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(3)を用いた以外は同様にして金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(3)を調製した。
成型体触媒(5)の調製
実施例1において、金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(3)を用いた以外は同様にして成型体触媒(5)を調製した。
成型体触媒(5)の細孔容積、比表面積、線膨張率、耐クラック性およびNOx除去試験の結果を表に示す。
[実施例6]
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(4)の合成
純水6265gに擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)367.7gを5分程度で分散させ、分散液を調製した。これに、濃度75重量%のリン酸水溶液673.8gを約10分程度で添加し、25℃で3時間攪拌した。
別途、純水1500gに、実施例1と同様にして調製した結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)1500gを5分程度で分散させ、ついで、ジ−n−プロピルアミン193.1gを添加した。
両者を混合し、25℃で1時間攪拌後、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリー(4)を調製した。
ついで、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリー(4)をオートクレーブに充填し、自生圧にて150℃に昇温し3時間水熱処理した。その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(4)を合成した。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(4)の平均粒子径および線膨張率を測定し結果を表に示す。
金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(4)の調製
実施例1において、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(4)を用いた以外は同様にして金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(4)を調製した。
成型体触媒(6)の調製
実施例1において、金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(4)を用いた以外は同様にして成型体触媒(6)を調製した。
成型体触媒(6)の細孔容積、比表面積、線膨張率、耐クラック性およびNOx除去試験の結果を表に示す。
[実施例7]
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(5)の合成
純水6265gに擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)367.7gを5分程度で分散させ、分散液を調製した。これに、濃度75重量%のリン酸水溶液673.8gを約10分程度で添加し、40℃で3時間攪拌した。
別途、純水1500gに、実施例1と同様にして調製した結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)1500gを5分程度で分散させ、ついで、ジ−n−プロピルアミン193.1gを添加した。
両者を混合し、40℃で1時間攪拌後、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリー(5)を調製した。
ついで、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリー(5)をオートクレーブに充填し、自生圧にて150℃に昇温し、10時間水熱処理した。その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(5)を合成した。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(5)の平均粒子径および線膨張率を測定し結果を表に示す。
金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(5)の調製
実施例1において、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(5)を用いた以外は同様にして金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(5)を調製した。
成型体触媒(7)の調製
実施例1において、金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(5)を用いた以外は同様にして成型体触媒(7)を調製した。
成型体触媒(7)の細孔容積、比表面積、線膨張率、耐クラック性およびNOx除去試験の結果を表に示す。
[実施例8]
結晶性アルミノフォスフェート(B6)の合成
純水3604.4gに擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)196.1gを5分程度で分散させ、分散液を調製した。これに、濃度75重量%のリン酸水溶液449.1gを約10分程度で添加し、25℃で3時間攪拌した。
ついで、ジ−n−プロピルアミン250.5gを添加した後、25℃で2時間攪拌して結晶性アルミノフォスフェート合成用スラリー(B6)を調製した。
ついで、結晶性アルミノフォスフェート合成用スラリー(B6)をオートクレーブに充填し、自生圧にて145℃に昇温し、16時間水熱処理した。その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥し、結晶性アルミノフォスフェート(B6)を合成した。
結晶性アルミノフォスフェート(B6)はX線回折によりALPO−11であった。
また、平均粒子径、比表面積および線膨張率を測定し、結果を表に示す。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(6)の合成
純水5584gに擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)385.3gを5分程度で分散させ、分散液を調製した。これに、濃度75重量%のリン酸水溶液882.3gを約10分程度で添加し、25℃で3時間攪拌した。
別途、純水1500gに、実施例1と同様にして調製した結晶性シリコアルミノフォスフェート(1)1500gを5分程度で分散させ、ついで、ジ−n−プロピルアミン648.1gを添加した。
両者を混合し、25℃で2時間攪拌後、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリー(6)を調製した。
ついで、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート合成用スラリー(6)をオートクレーブに充填し、自生圧にて145℃に昇温し18時間水熱処理した。その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(6)を合成した。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(6)の平均粒子径および線膨張率を測定し結果を表に示す。
金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(6)の調製
実施例1において、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(6)を用いた以外は同様にして金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(6)を調製した。
成型体触媒(8)の調製
実施例1において、金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(6)を用いた以外は同様にして成型体触媒(8)を調製した。
成型体触媒(8)の細孔容積、比表面積、線膨張率、耐クラック性およびNOx除去試験の結果を表に示す。
[実施例9]
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(7)の合成
実施例1において、結晶性シリコアルミノフォスフェート642.8gを5分程度で分散させた以外は同様にしてコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(7)を合成した。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(7)の平均粒子径および線膨張率を測定し結果を表に示す。
金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(7)の調製
実施例1において、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(7)を用いた以外は同様にして金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(7)を調製した。
成型体触媒(9)の調製
実施例1において、金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(7)を用いた以外は同様にして成型体触媒(9)を調製した。
成型体触媒(9)の細孔容積、比表面積、線膨張率、耐クラック性およびNOx除去試験の結果を表に示す。
[実施例10]
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(8)の合成
実施例1において、結晶性シリコアルミノフォスフェート2250gを5分程度で分散させた以外は同様にしてコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(8)を合成した。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(8)の平均粒子径および線膨張率を測定し結果を表に示す。
金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(8)の調製
実施例1において、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(8)を用いた以外は同様にして金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(8)を調製した。
成型体触媒(10)の調製
実施例1において、金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(8)を用いた以外は同様にして成型体触媒(10)を調製した。
成型体触媒(10)の細孔容積、比表面積、線膨張率、耐クラック性およびNOx除去試験の結果を表に示す。
[比較例1]
金属担持結晶性シリコアルミノフォスフェート(R1)の調製
実施例1において、実施例1と同様にして調製した結晶性シリコアルミノフォスフェート(A1)1.5kgを用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリコアルミノフォスフェート(R1)粒子を調製した。
成型体触媒(R1)の調製
実施例1において、金属担持結晶性シリコアルミノフォスフェート(R1)を用いた以外は同様にして成型体触媒(R1)を調製した。
成型体触媒(R1)の細孔容積、比表面積、線膨張率、耐クラック性およびNOx除去試験の結果を表に示す。
[比較例2]
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(R2)の合成
実施例1において、結晶性シリコアルミノフォスフェート160.7gを5分程度で分散させた以外は同様にしてコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(R2)を合成した。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(R2)の平均粒子径および線膨張率を測定し結果を表に示す。
金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(R2)の調製
実施例1において、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(R2)を用いた以外は同様にして金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(R2)粒子を調製した。
成型体触媒(R2)の調製
実施例1において、金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(R2)を用いた以外は同様にして成型体触媒(R2)を調製した。
成型体触媒(R2)の細孔容積、比表面積、線膨張率、耐クラック性およびNOx除去試験の結果を表に示す。
[比較例3]
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(R3)の合成
実施例1において、結晶性シリコアルミノフォスフェート4821.4gを5分程度で分散させた以外は同様にしてコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(R3)を合成した。
コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(R3)の平均粒子径および線膨張率を測定し結果を表に示す。
金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(R3)の調製
実施例1において、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(R3)を用いた以外は同様にして金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(R3)粒子を調製した。
成型体触媒(R3)の調製
実施例1において、金属担持コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート(R3)を用いた以外は同様にして成型体触媒(R3)を調製した。
成型体触媒(R3)の細孔容積、比表面積、線膨張率、耐クラック性およびNOx除去試験の結果を表に示す。
[比較例4]
金属担持結晶性アルミノフォスフェート(B1)の調製
実施例1において、実施例1と同様にして調製した結晶性アルミノフォスフェート(B1)を用いた以外は同様にして金属担持結晶性アルミノフォスフェート(B1)粒子を調製した。
成型体触媒(R4)の調製
比較例1と同様にして調製した金属担持結晶性シリコアルミノフォスフェート(R1)の粉末20gと、上記で調製した金属担持結晶性アルミノフォスフェート(B1)の粉末20gと、擬ベーマイト型構造のアルミナ粉末(日揮触媒化成(株)製:AP−1、Al含有量74重量%)10gおよび水40gを混合して充分に混練し、ついで押出成型器(ノズル径3mmφ)にて成型した後、130℃で24時間乾燥し、長さ約5mmにカットし、ついで、600℃で2時間焼成して3mmΦ、長さ5mmのペレット状の成型体触媒(R4)を調製した。
成型体触媒(R4)の細孔容積、比表面積、線膨張率、耐クラック性およびNOx除去試験の結果を表に示す。
Figure 2013071868
Figure 2013071868

Claims (8)

  1. 結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)を核(コア)とし、該粒子の外部表面に結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の被覆層(シェル)を有してなり、粒子中の結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の含有量が固形分として40〜90重量%の範囲にあることを特徴とするコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子。
  2. 前記結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)の平均粒子径が0.2〜7μmの範囲にあり、前記結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)の平均粒子径が0.1〜2μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子。
  3. 前記結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子(A)がSAPO−5、SAPO−18、SAPO−20、SAPO−31、SAPO−34、SAPO−37、SAPO−40、SAPO−42、SAPO−43、SAPO−47、SAPO−56から選ばれる1種以上であり、前記結晶性アルミノフォスフェート粒子(B)がALPO−11、ALPO−14、ALPO−17、ALPO−21、ALPO−24、ALPO−25、ALPO−33、ALPO−35、ALPO−41、ALPO−53、ALPO−C、ALPO−D、ALPO−H2から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のコア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子。
  4. コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子と結合材とからなり、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子の含有量が固形分として50〜90重量%の範囲にあり、結合材の含有量が固形分として10〜50重量%の範囲にあることを特徴とする成型体触媒。
  5. 前記結合材がアルミナであることを特徴とする請求項4に記載の成型体触媒。
  6. 線膨張率が−0.2〜0.25%の範囲にあることを特徴とする請求項4または5に記載の成型体触媒。
  7. 前記コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート粒子が活性金属成分を含み、該活性金属成分が、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Znから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の成型体触媒。
  8. 前記活性金属成分の含有量が、コア・シェル型結晶性シリコアルミノフォスフェート中に金属として0.1〜10重量%の範囲にあることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の成型体触媒。
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