JP2012051782A - 結晶性シリカアルミノフォスフェートおよびその合成方法 - Google Patents

結晶性シリカアルミノフォスフェートおよびその合成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】排ガス処理触媒の原料として有用な結晶性シリカアルミノフォスフェートおよびその合成方法の提供。
【解決手段】成型体としたときにクラックの発生が無く、排ガス処理触媒の原料として有用な結晶性シリカアルミノフォスフェート。シリカの含有量がSiOとして1〜15重量%の範囲にあり、アルミナの含有量がAlとして35〜45重量%の範囲にあり、酸化燐の含有量がPとして45〜55重量%の範囲にあり、Si、AlおよびP以外の元素(M)の酸化物を含み、該酸化物の含有量がMOV/2(但し、MはSi、AlおよびP以外の元素、Vは元素Mの価数であり、V/2はMの価数によって整数となるように調整する。)で表される酸化物として0.01〜5重量%の範囲にある。
【選択図】なし

Description

本発明は、排ガス処理触媒の原料として有用である、Si、AlおよびP以外の元素(M)の酸化物を含有する結晶性シリカアルミノフォスフェート(以下、SAPOと言うことがある。)およびその合成方法に関する。
ディーゼルエンジンから排出される排気ガスには、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)およびPM(Particulate Matter:パティキュレート)等の汚染物質が含まれる。これらの汚染物質の中でもNOxは、酸化触媒やガソリン自動車で実用化されている三元触媒では浄化が難しく、NOxを浄化することができる有望な触媒として選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒という。)の開発が行われている。
SCR触媒としては、TiO2あるいはSiO2−TiO2、WO3−TiO2、SiO2−TiO2などの二元系複合酸化物、または、WO3−SiO2−TiO2、MoO3−SiO2−TiO2などの三元系複合酸化物などの担体に、V,Cr,Mo,Mn,Fe,Ni,Cu,Ag,Au,Pd,Y,Ce,Nd,W,In,Irなどの活性成分を担持してなるハニカム構造を有する触媒が知られている。これらの排ガス処理触媒は次式に示すように、アンモニアなどの還元剤の存在下でNOxを還元して窒素ガスに変換して浄化するものである。
4NO+4NH3+O2 → 4N2+6H2O ・・・・(1)
NO+NO2+2NH3 → 2N2+3H2O ・・・・(2)
6NO2 + 8NH3 → 7N2+12H2O ・・・・(3)
また、モノリシス担体にゼオライト等の触媒活性を有する微粒子の担持層を形成した触媒も知られている。
さらに、特開2003−33664号公報(特許文献1)には、排ガス浄化用ハニカム触媒のセル隔壁の主要構成材料として、アルミナ、ジルコニア、チタニア、ゼオライト、SiC、SiN、ムライト、リチウムアルミニウムシリケート(LAS)、リン酸チタン、ペロブスカイト、スピネル、シャモット、無配向コージェライト等が使用でき、なかでも酸化チタン、ゼオライト、アルミナが好適に使用できることが記載されている。
ゼオライトとしては、X型、Y型、ZSM−5型、β型等のものを用いることができるが、耐熱性の観点から、アルカリ成分の含有量は極力押さえることが重要であり、SiO/Al比を25以上とすることが好ましく、また、AlPOやSAPO、メタロシリケート、層状化合物も好適に用いることができ、前述の触媒活性成分をイオン交換担持したものも、好適に用いられることが記載されている。
特表2009−519817号公報(特許文献2)には、ゼオライトの金属イオン交換をpH3付近で行い、その後、540℃以上の高温で水熱処理した、水熱的に安定な選択的NOx還元用金属処理ゼオライト触媒が開示されている。
また、再表2006−011575号公報(特許文献3)には鉄イオン交換したβ型ゼオライト担体に酸化第二鉄を担持した脱硝触媒が開示されている。
しかしながら、前記したゼオライトなどの従来の結晶質多孔性物質触媒は、水分が生成する反応で、且つ700℃以上の高温で使用すると結晶性、比表面積が低下し、これに伴い活性が低下することから、水熱的に安定で、高活性を長期にわたって維持することのできる触媒が求められている。
本発明者らは、結晶性シリカアルミノフォスフェートを触媒担体として用いると高温で使用しても比較的結晶性、比表面積の低下が小さく、安定であることが判明し、これに活性成分として銅を担持した触媒は選択還元型NOx触媒として優れていることを見出した。
しかしながら、結晶性シリカアルミノフォスフェートをハニカム成型体にすると、焼成後のハニカム成型体にクラックはないものの大気環境下で放置すると容易にクラックが生じ、高温下と大気環境下を繰り返すような用途には使用することができない場合があった。
具体的には、自動車などのNOxの移動発生源で用いると、走行時は高温になり、停止時には常温になり大気に曝される。また、振動等によりハニカム成型体が容易に損傷し、使用が困難となる問題があった。
本発明者らは鋭意検討した結果、酸化ホウ素を含有する結晶性シリカアルミノフォスフェートの成型体は前記したクラックの発生を抑制できることを見出して本発明を完成するに至った。
特開2003−33664号公報 特表2009−519817号公報 再表2006−011575号公報
本発明は、水熱安定性に優れ、長期にわたって高活性を維持することができ、成型体として用いる場合にクラックの発生が無く、特に内燃機関の排ガス処理に好適に用いることのできる結晶性シリカアルミノフォスフェート、その合成方法ならびに該結晶性シリカアルミノフォスフェートを用いた触媒を提供することを目的としている。
本発明の結晶性シリカアルミノフォスフェートは、シリカの含有量がSiOとして1〜15重量%の範囲にあり、アルミナの含有量がAlとして35〜45重量%の範囲にあり、酸化燐の含有量がPとして45〜55重量%の範囲にあり、Si、AlおよびP以外の元素(M)の酸化物を含み、該酸化物の含有量が下記式で表される酸化物として0.01〜5重量%の範囲にあることを特徴とする。
MOV/2
(但し、MはSi、AlおよびP以外の元素、Vは元素Mの価数であり、V/2はMの価数によって整数となるように調整する。)
前記アルミナのモル数(MAL)と元素(M)の酸化物のモル数(M)とのモル比(M)/(MAL)が0.00035〜0.04の範囲にあることが好ましい。
前記元素(M)の酸化物がBeO、B、Ga、GeO、TiO、Fe、ZnOおよびSnOから選ばれる1種または2種以上であることが好ましく、特に、Bであることが好ましい。
前記結晶性シリカアルミノフォスフェートは、乾燥および/または焼成後、水分の吸着によりX線回折ピークのいずれかが二つに分離することが好ましい。
前記結晶性シリカアルミノフォスフェートがSAPO−5、SAPO−11、SAPO−34、SAPO−37から選ばれる1種以上であることが好ましく、特に、SAPO−34であることが好ましい。
前記水分吸着により分離するX線回折ピークが(1.1.0)面に対応する2θ=12〜13°の回折ピークであることが好ましい。
前記結晶性シリカアルミノフォスフェートは、さらに活性金属成分を含み、該活性金属成分が周期律表第8族、第9族、第10族、第11族、第12族から選ばれる元素の金属またはこれらの混合物(合金を含む)であり、該金属の含有量が0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
前記結晶性シリカアルミノフォスフェートは、さらに、活性金属成分を含み、該活性金属成分が周期律表第8族、第9族、第10族、第11族、第12族から選ばれる元素の金属またはこれらの混合物(合金を含む)であり、該金属の含有量が0.1〜10重量%の範囲にある、元素(M)の酸化物を含まない結晶性シリカアルミノフォスフェートを含有することが好ましい。
前記結晶性シリカアルミノフォスフェートは、表面がリン酸アルミニウムで修飾されており、結晶性シリカアルミノフォスフェートあるいは金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェートに対するリン酸アルミニウムの修飾量がAl+Pとして0.1〜40重量%重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明の成型体は、前記いずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェートからなる。
該結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体は、乾燥および/または焼成後、水分の吸着による線膨張率が−0.5〜0.1%の範囲にあることが好ましい。
本発明の排ガス処理用NOx還元触媒は、前記いずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体からなる。
本発明の結晶性シリカアルミノフォスフェートの合成方法は、シリカ源、アルミナ源、酸化燐源、元素(M)の酸化物源、有機結晶化剤および水を、Alのモル数を1としたときに、下記のモル比となるように混合し、ついで、水熱処理することを特徴とする。
0.038〜0.72SiO:Al:0.73〜1.14P:0.01〜0.2MOV/2:0.4〜0.9有機結晶化剤:40〜80H
前記水熱処理の水熱処理温度が120〜250℃、水熱処理時間が5〜100時間の範囲あることが好ましい。
前記元素(M)の酸化物源がホウ酸、酸化ホウ素、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸アンモニウムから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
前記有機結晶化剤がテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、イソプロピルアンモニウムハイドロオキサイドから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
本発明の結晶性シリカアルミノフォスフェートは、成型体として水を吸着した際の線膨張率が小さいか、または収縮する特性を有するので、成型体にクラックが発生する虞が極めて低い。また、本発明の結晶性シリカアルミノフォスフェートは、金属を含有させることによって優れた触媒活性を発現し、特に内燃機関の排ガス処理に好適である。
実施例1において各種操作をした後の結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)のX線回折チャートである。
1.結晶性シリカアルミノフォスフェート
本発明に係る結晶性シリカアルミノフォスフェートは、シリカの含有量がSiOとして1〜15重量%の範囲にあり、アルミナの含有量がAlとして35〜45重量%の範囲にあり、酸化燐の含有量がPとして45〜55重量%の範囲にあり、Si、AlおよびP以外の元素(M)の酸化物を含み、該酸化物の含有量が下記式で表される酸化物として0.01〜5重量%の範囲にあることを特徴としている。
MOV/2
(但し、MはSi、AlおよびP以外の元素、Vは元素Mの価数であり、V/2はMの価数によって整数となるように調整する。)
前記Si、AlおよびP以外の元素(M)の酸化物としては、BeO、B、Ga、GeO、TiO、Fe、ZnOおよびSnOから選ばれる1種または2種以上を例示することができ、特に、Bが好ましい。
本発明の結晶性シリカアルミノフォスフェートは、元素(M)の酸化物をMOV/2として0.01〜5重量%、好ましくは0.02〜3重量%の範囲で含有している。
元素(M)の酸化物の含有量がMOV/2として0.01重量%未満の場合は、従来公知の結晶性シリカアルミノフォスフェートと同様に、成型体の線膨張率が大きく、クラックが発生する場合がある。元素(M)の酸化物の含有量がMOV/2として5重量%を越えると、結晶性が不十分であり、成型体の収縮率が大きくなり、クラック発生の原因となる場合がある。
元素(M)の酸化物以外の酸化物としては、従来公知の結晶性シリカアルミノフォスフェートと同様にシリカ、アルミナ、酸化燐を含み、その含有量の範囲も大きく変わらず、シリカの含有量がSiOとして1〜15重量%、好ましくは2〜13重量%の範囲にあり、アルミナの含有量がAlとして35〜45重量%、好ましくは37〜43重量%の範囲にあり、酸化燐がPとして45〜55重量%、好ましくは47〜53重量%の範囲にある。
前記アルミナのモル数(MAL)と元素(M)の酸化物のモル数(M)とのモル比(M)/(MAL)は0.00035〜0.04、さらには0.0007〜0.03の範囲にあることが好ましい。
(M)/(MAL)が0.00035未満の場合は従来公知の結晶性シリカアルミノフォスフェートと同様に、成型体の線膨張率が大きくなり、(M)/(MAL)が0.04を越えると結晶性が不十分であり、成型体の収縮率が大きくなり、クラック生成の原因となる場合がある。
結晶性シリカアルミノフォスフェートは、基本的な結晶構造、結晶型としてはSAPO−5、SAPO−11、SAPO−34、SAPO−37から選ばれる1種以上であることが好ましく、さらにSAPO−34であることであることが好ましい。SAPO−34は、内燃機関の排ガス処理に用いた場合、高温での耐熱性、耐水熱性に優れているので特に好適に用いることができる。
結晶性シリカアルミノフォスフェートは粒子として得られるが、平均粒子径が0.2〜10μm、さらには0.5〜7μmの範囲にあることが好ましい。
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒子径が0.2μm未満の場合は、水熱安定性が不充分となる場合がある。
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒子径が10μmを超えると、ハニカム成型体として用いる場合、充分な強度、耐摩耗性等が得られない場合がある。
本発明での平均粒子径は、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影し、任意の100個の粒子について粒子径を測定し、その平均値として求める。
また、本発明の結晶性シリカアルミノフォスフェートの比表面積は、SAPO−34の場合、概ね150〜750m2/g、さらには200〜700m2/gの範囲にあることが好ましい。
本発明の結晶性シリカアルミノフォスフェートは、水分を吸着させると(1.1.0)面に対応する2θ=12〜13°の回折ピークが二つに分離することを特徴としている。
結晶性シリカアルミノフォスフェートは、焼成した後は2θ=12〜13°にシャープな1つのピークを有しているが、水分を吸着させると、このピークがブロードになるととともに分離する。
このようなピーク分離は、焼成、水分吸着を繰り返し行っても同様に分離し、これは、結晶学的な理由は明らかではないが、明らかに元素(M)の酸化物の存在に起因しているものと考えられる。
本発明に係る結晶性シリカアルミノフォスフェートは、さらに活性金属成分を含み、該活性金属成分が周期律表第8族、第9族、第10族、第11族、第12族から選ばれる元素の金属またはこれらの混合物(合金を含む)であり、該金属の含有量が0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
活性金属成分として、具体的には、周期律表第8族の金属としてFe、Ru、周期律表第9族の金属としてはCo、Rh、Ir、周期律表第10族の金属としてはNi、Pd、Pt、周期律表第11族の金属としてはCu、Ag、Au、周期律表第12族の金属としてはZn、Cd等が挙げられる。
活性金属成分の種類は、触媒反応の種類によっても異なるが、排ガスのNOx除去処理に用いる場合はCuおよび/またはFeを含むことが好ましい。
活性金属成分の含有量は金属として0.1〜10重量%、さらには0.2〜8重量%の範囲にあることが好ましい。
活性金属成分の含有量が金属として0.1重量%未満の場合は、NOxの還元反応に用いた場合、通常の反応温度範囲である100〜500℃において低温域(100〜250℃)での活性が不十分となる場合があり、また、本発明の方法によらずとも同様の性能を有する触媒を得ることができる。
活性金属成分の含有量が金属として10重量%を越えると、さらに活性が向上することもなく、金属成分によっては耐熱性、耐水熱性を低下させる場合があり、さらに担持が困難な場合がある。
活性金属成分を含む結晶性シリカアルミノフォスフェートは、イオン交換法、含浸法等従来公知の方法で製造することができるが、本発明では結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子に予め以下の方法で活性金属成分を担持した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を用いることが好ましい。
具体的には下記の工程からからなる製造方法が好ましい。
(1)結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液を調製する工程
(2)活性成分金属化合物水溶液を混合する工程
(3)噴霧乾燥する工程
(4)必要に応じて洗浄する工程
(5)400〜700℃で加熱処理(焼成)する工程
工程(1)
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液を調製する。結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子としては前記した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子、後述する本発明に係る結晶性シリカアルミノフォスフェートの製造方法によって得られる結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を用いる。
本発明では、有機結晶化剤を含有した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子をそのまま用いると、理由は明らかではないが高温での水熱安定性が向上し、活性、選択性が向上することに加えて、有機結晶化剤を除去するための焼成工程がなくなることから生産性、経済性が向上する利点がある。
工程(2)
活性成分の金属化合物水溶液を混合する。
活性金属化合物としては、前記したFe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cdから選ばれる1種または2種以上の元素の化合物が用いられ、例えば硝酸鉄、酢酸鉄、塩化鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硝酸ルテニウム、塩化ルテニム、硝酸コバルト、塩化コバルト、蓚酸コバルト、硫酸コバルト、硝酸ロジウム、硝酸イリジウム、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、炭酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸パラジウム、塩化白金酸、硝酸銀、塩化金酸、硝酸亜鉛等が挙げられる。
このような金属化合物の水溶液を調製し、工程(1)で調製した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液と混合して、噴霧乾燥用の結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子と金属化合物との混合分散液を調製する。
本発明では、有機結晶化剤を含有した結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子をそのまま用いた場合、分散液のpHが高くなり、使用する金属化合物の種類によっては沈殿を生成し、結晶性シリカアルミノフォスフェートに活性金属を均一に担持できないために活性が不充分となる場合がある。
このため、金属化合物の種類によっても異なるが、混合分散液のpHを概ね1〜6に調整しておくことが好ましい。
結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子と金属化合物の混合割合は、最終的に得られる金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子中の金属の含有量が0.1〜10重量%、さらには0.2〜8重量%の範囲となるように混合する。
噴霧乾燥用混合分散液の濃度は、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の固形分濃度として1〜35重量%、さらには2〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
噴霧乾燥用混合分散液の濃度が、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の固形分濃度として1重量%未満の場合は、生産性、経済性が低下し、35重量%を超えると、理由は明らかではないが活性が不充分となる場合がある。
工程(3)
ついで、噴霧乾燥する。
噴霧乾燥方法としては、所定量の金属を担持できれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。
例えば、噴霧乾燥用混合分散液を単ノズル、2流体ノズル、アトマイザー等により熱風中に噴霧する。
熱風の温度は80〜300℃、さらには120〜250℃の範囲にあることが好ましい。
熱風の温度が80℃未満の場合は、乾燥が不充分となり、金属成分を固定できず、再度、他の方法による乾燥を必要とし、この場合、金属成分の担持が不均一になるためか活性が不充分となる場合がある。また、金属化合物の濃縮が起きないためか、所望の金属担持量とならない場合があり、このため活性が不充分となる場合がある。さらに、後述する工程(4)で洗浄する場合、金属成分が除去される場合がある。
熱風の温度が300℃を超えても、金属成分の固定効果、他の担持方法に比して金属担持量を増加させる効果、細孔内に均一に担持できる効果等がさらに向上することもない。
工程(4)
噴霧乾燥して得た粉末は、洗浄することができる。特に前記工程(2)で金属化合物として硝酸塩以外の硫酸塩、塩酸塩等を用いた場合は、本工程(4)で洗浄することが好ましい。噴霧乾燥後、洗浄することによって硫酸根、塩素等を選択的に除去することができ、除去しない場合に比して活性に優れた触媒を得ることができる。
洗浄方法としては、特に金属化合物のアニオンを選択的に除去できれば特に制限はなく、例えば、噴霧乾燥して得た粉末を水、あるいは温水に懸濁し、攪拌後、濾過することにより洗浄することができる。
洗浄後、乾燥する。乾燥方法は乾燥後の水分が概ね20重量%以下になれば特に制限はなく、従来公知の乾燥方法を採用することができる。
例えば、乾燥機中、100〜150℃で0.5〜2時間程度乾燥すればよい。
工程(5)
ついで、加熱処理(焼成)する。
加熱処理温度は400〜700℃、さらには500〜600℃の範囲にあることが好ましい。
加熱処理温度が400℃未満の場合は、有機結晶化剤を除去できないために活性が不充分となる場合があり、加熱処理温度が700℃を超えると活性が不充分となる場合がある。
加熱処理する際の雰囲気は、酸化雰囲気下、好ましくは空気中で行うことが経済的で好ましい。
上記方法で得られる活性金属成分を含む結晶性シリカアルミノフォスフェートは、他の方法に比して金属成分を多く担持できる、他の方法では金属成分によって耐熱性、耐水熱性を低下させる場合があるが、このような耐熱性、耐水熱性の低下を抑制できる等の特徴を有している。
活性金属成分を含む結晶性シリカアルミノフォスフェート、特にCuおよび/またはFeを含む結晶性シリカアルミノフォスフェートは、排ガス処理用NOx還元触媒として好適に用いることができる。
排ガス処理用NOx還元触媒として用いる場合、成型体として用いるが、その形状は、ハニカム状、ペレット状、コルゲート状、球状、板状、管状(パイプ状)、リング状、三つ葉状等が挙げられるが、ハニカム状成型体であることが好ましい。
ハニカム成形体の形状は特に制限はないが、通常、(1)外径が30〜300)mm、(2)長さが100〜3000mm、(3)貫通孔(目開き)が1〜15mm、(4)隔壁厚が0.1〜2mm、開口率が60〜85%の範囲にある。
さらに、排ガス処理用NOx還元ハニカム成型体触媒には、従来の元素(M)の酸化物を含有しない結晶性シリカアルミノフォスフェート、即ち、活性金属成分を含み、該活性金属成分が周期律表第8族、第9族、第10族、第11族、第12族から選ばれる元素の金属またはこれらの混合物(合金を含む)であり、該金属の含有量が0.1〜10重量%の範囲にある元素(M)の酸化物を含まない結晶性シリカアルミノフォスフェートを混合して使用することができる。
このような元素(M)の酸化物を含有しない結晶性シリカアルミノフォスフェート(B)と本発明に係る元素(M)の酸化物を含有する結晶性シリカアルミノフォスフェート(A)とを混合して用いると、前記したように成型体での水分吸着時の線膨張率が異なり、成型体の線膨張率を小さく調整することができる、即ち、膨張、収縮を低減できるのでクラックの発生を抑制することができる。
この時の、元素(M)の酸化物を含有する結晶性シリカアルミノフォスフェート(A)と元素(M)の酸化物を含有しない結晶性シリカアルミノフォスフェート(B)との混合比率は、クラックの発生を抑制できれば特に制限は無いが、固形分重量比で20:80〜100:0、さらには40:60〜100:0の範囲にあることが好ましい。
固形分重量比が20:80未満と元素(M)の酸化物を含有する結晶性シリカアルミノフォスフェート(A)が少ない場合は、水分吸着による線膨張率が大きく、クラックの発生を抑制できない場合がある。
2.結晶性シリカアルミノフォスフェートの合成方法
本発明に係る結晶性シリカアルミノフォスフェートの合成方法は、シリカ源、アルミナ源、酸化燐源、元素(M)の酸化物源、有機結晶化剤および水を、Alのモル数を1としたときに、下記のモル比となるように混合し、ついで、水熱処理することを特徴としている。
0.038〜0.72SiO:Al:0.73〜1.14P:0.01〜0.2MOV/2:0.4〜0.9有機結晶化剤:40〜80H
[シリカ源]
シリカ源としては、特に制限はなく従来公知のシリカ源を使用することができ、例えばシリカゾル、シリカ微粉末、珪酸、シリカ・アルミナゾル等が挙げられる。
[アルミナ源]
アルミナ源としては、特に制限はなく従来公知のアルミナ源を使用することができ、例えばアルミナゾル、アルミナ微粉末、リン酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウム化合物が挙げられる。
[酸化燐源]
酸化燐源としては、リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸アルミニウム等が挙げられる。
[元素(M)の酸化物源]
元素(M)の酸化物源としてはBeO、B、Ga、GeO、TiO、Fe、ZnOおよびSnOから選ばれる1種または2種以上の酸化物を含有し、所定の線膨張率を有する結晶性シリカアルミノフォスフェートが得られれば特に制限はなく用いることができる。
酸化ベリリウム源としては、酸化ベリリウム、ベリリウム水酸化物、ベリリウム酸素酸塩、ベリリウム有機酸塩等のベリリウム化合物が挙げられる。
酸化ホウ素源としては、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸アンモニウム等のホウ素化合物が挙げられる。
酸化ガリウム源としては、酸化ガリウム、水酸化ガリウム、硝酸ガリウム、硫酸ガリウム、塩素酸塩等のガリウム化合物が挙げられる。
酸化ゲルマニウム源としては、酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニウム酸塩等のゲルマニウム化合物が挙げられる。
酸化チタン源としては、酸化チタン、水酸化チタン、塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニル、有機酸チタン等のチタン化合物が挙げられる。
酸化鉄源としては、酸化鉄、水酸化鉄、硝酸鉄、塩化鉄、硫酸鉄などの鉄化合物が挙げられる。
酸化亜鉛源としては、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛等の亜鉛化合物が挙げられる。
酸化錫源としては、酸化錫、水酸化錫、硝酸錫、塩化錫等の錫化合物が挙げられる。
[有機結晶化剤]
有機結晶化剤(有機テンプレート等と言うことがある)としては、従来公知の有機結晶化剤を使用することができるが、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、イソプロピルアンモニウムハイドロオキサイドから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
上記シリカ源、アルミナ源、酸化燐源、元素(M)の酸化物源、有機結晶化剤および水を混合するが、Alのモル数を1としたときに、SiOのモル数は0.038〜0.72、さらには0.1〜0.7の範囲にあることが好ましい。
Alのモル数を1としたときのSiOのモル数が0.038未満の場合は、得られる結晶性シリカアルミノフォスフェート中のアンモニア吸着量(酸量ということがある)が少なく、活性が不十分な場合がある。
Alのモル数を1としたときのSiOのモル数が0.72を越えると、Pと置換しない余剰のシリカが生成するためか、結晶性シリカアルミノフォスフェートの結晶性が低下し活性が低下する場合がある。また、結晶性シリカアルミノフォスフェートの収率が減少する傾向にある。
Alのモル数を1としたときに、Pのモル数は0.73〜1.14、さらには0.75〜1.0の範囲にあることが好ましい。
Alのモル数を1としたときのPのモル数が0.73未満の場合は、結晶性シリカアルミノフォスフェートのPの割合が小さくなるため、置換されるSi量が少なく、活性が不十分な場合がある。
Alのモル数を1としたときのPのモル数が1.14を越えてもさらに結晶化度、活性が向上することもなく、場合によっては結晶化度、活性が低下する場合がある。
Alのモル数を1としたときに、元素(M)の酸化物MOV/2のモル数が0.01〜0.2、さらには0.02〜0.18の範囲にあることが好ましい。
Alのモル数を1としたときのMOV/2のモル数が0.01未満の場合は、得られる結晶性シリカアルミノフォスフェート中のMOV/2の含有量が0.01重量%未満となる場合があり、(110)面の回折ピークが二つに分離せず、従来公知の結晶性シリカアルミノフォスフェートと同様に、成型体の線膨張率が大きくなる。
Alのモル数を1としたときのMOV/2のモル数が0.2を越えると、得られる結晶性シリカアルミノフォスフェート中のMOV/2の含有量が5重量%を越える場合があり、結晶性が不十分であり、成型体の収縮率が大きくなり、クラック発生の原因となる場合がある。
Alのモル数を1としたときに、有機結晶化剤のモル数が0.4〜0.9さらには0.6〜0.8の範囲にあることが好ましい。
Alのモル数を1としたときの有機結晶化剤のモル数が0.4未満の場合は、結晶性シリカアルミノフォスフェートの結晶化に時間を要したり、結晶化度が不充分となったり、SAPOが得られない場合がある。
Alのモル数を1としたときの有機結晶化剤のモル数が0.9を越えると、さらに結晶化時間が短縮されたり、結晶化度が向上することもなく、有機結晶化剤が高価であるので経済性が問題となる。
Alのモル数を1としたときに、水のモル数が40〜80、さらには55〜65の範囲にあることが好ましい。
Alのモル数を1としたときの水のモル数が40未満の場合は、大きな塊状の粒子あるいは凝集体粒子となり、前記した平均粒子径が0.2〜10μmの結晶性シリカアルミノフォスフェートが得られない場合がある。また、結晶性シリカアルミノフォスフェートの収率が低下する場合がある。
Alのモル数を1としたときの水のモル数が80を越えると、結晶性シリカアルミノフォスフェートの結晶化に時間を要したり、結晶化度が不十分となる場合がある。
[熟成]
上記、各原料を混合した後、必要に応じて熟成することができる。
熟成条件は、常温〜50℃程度の温度で、0.5〜10時間程度撹拌する。このような熟成をすることによって、結晶化時間が短縮できたり、得られる結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の粒子径分布を均一にすることができ、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を用いた成型体の強度、耐摩耗性等が向上する場合がある。
[水熱処理]
ついで、水熱処理する。
水熱処理温度は120〜250℃、さらには130〜220℃の範囲にあることが好ましい。
水熱処理温度が120℃未満の場合は、結晶化に長時間を要したり、結晶性が不充分になる場合がある。
水熱処理温度が250℃を越えると、結晶化時間がさらに短くなることもなく、粒子径が大きくなりすぎて活性、耐熱性等が不充分となる場合がある。
この時、水熱処理時間は、水熱処理温度によっても異なるが、5〜100時間、さらには10〜80時間の範囲あることが好ましい。
水熱処理条件が上記範囲にあれば、結晶性に優れた酸化ホウ素を含む結晶性シリカアルミノフォスフェートを合成することができる。
水熱処理後、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を濾過等によって分離し、純水、温水等によって洗浄することによって本発明に係る酸化ホウ素を含む結晶性シリカアルミノフォスフェートを得ることができる。
ついで、前記した活性金属成分を含む結晶性シリカアルミノフォスフェートの製造に供することができるが、洗浄後、乾燥、必要に応じて焼成した後、活性金属成分を含む結晶性シリカアルミノフォスフェートを製造することもできる。
このようにして得られる結晶性シリカアルミノフォスフェートは、シリカの含有量がSiOとして1〜15重量%の範囲にあり、アルミナの含有量がAlとして35〜45重量%の範囲にあり、酸化燐の含有量がPとして45〜55重量%の範囲にあり、元素(M)の酸化物の含有量がMOV/2として0.01〜5重量%の範囲にある。
本発明では、前記結晶性シリカアルミノフォスフェートあるいは活性金属成分を含む結晶性シリカアルミノフォスフェートの粒子表面をリン酸アルミニウムで修飾して用いることができる。リン酸アルミニウムで修飾して用いるとNOx除去反応において、活性、特に低温活性を向上させることができる。
表面にあるリン酸アルミニウムの含有量は、結晶性シリカアルミノフォスフェートあるいは金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子に対してリン酸アルミニウムをAl+Pとして0.1〜40重量%、さらには1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
リン酸アルミニウム修飾量がAl+Pとして0.1重量%未満の場合は低温活性を向上させる効果が不充分となる場合があり、リン酸アルミニウムの含有量がAl+Pとして40重量%を越えてもさらに低温活性が向上することもなく、逆に活性点が被覆され、活性が低下する場合がある。
また、リン酸アルミニウムを(Al)x・(POで表したときのxの値が0.1〜3、さらには0.5〜1.5の範囲にあることが好ましい。
前記xが前記範囲にない場合は、低温活性を向上させる効果が不充分となる場合がある。
リン酸アルミニウムの修飾方法について、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェートをリン酸アルミニウムで修飾する場合を例に説明する。
リン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェートの製造方法は、下記の工程(a)〜(d)からなる。
(a)金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液を調製する工程
(b)リン酸アルミニウム水溶液を混合する工程
(c)噴霧乾燥する工程
(d)400〜700℃で加熱処理(焼成)する工程
工程(a)
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液を調製する。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子としては前記金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を用いる。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液の濃度は、後述するリン酸アルミニウム水溶液と混合でき、後述する噴霧乾燥用混合分散液の濃度に調整できれば特に制限はない。
工程(b)
リン酸アルミニウム水溶液を混合する。
リン酸アルミニウムとしては、リン酸アルミニウムを(Al2)x・(PO4)3で表したときのxの値が0.1〜3、さらには0.5〜1.5の範囲にある前記リン酸アルミニウムを用いる。
リン酸アルミニウムの使用量は、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子に対してリン酸アルミニウムをAl2O3+P2O5として0.1〜40重量%、さらには1〜20重量%の範囲となるように用いる。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子分散液にリン酸アルミニウム水溶液を混合した分散液の濃度は固形分として1〜50重量%、さらには5〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
混合分散液の濃度が固形分として1重量%未満の場合はリン酸アルミニウムの修飾率が低下し、混合分散液の濃度が固形分として50重量%を越えると、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子表面に均一に修飾できないためか、低温活性を向上させる効果が不充分となる場合があり、また、混合分散液のpHが高くなり、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェートの結晶性が低下し、活性が不充分となる場合がある。
工程(c)
噴霧乾燥する。
噴霧乾燥方法としては、前記と同様の方法を採用することが好ましい。
例えば、噴霧乾燥用混合分散液をノズル、アトマイザー等により熱風中に噴霧する。
熱風の温度は80〜450℃、さらには120〜400℃の範囲にあることが好ましい。
熱風の温度が前記範囲にあれば、所望量のリン酸アルミニウムを担持することができ、本発明の低温活性に優れた触媒を得ることができる。
熱風の温度が80℃未満の場合は、乾燥が不充分となり、リン酸アルミニウムの濃縮が不充分なために所定量のリン酸アルミニウム修飾量とならない場合があり、熱風温度が450℃を越えると乾燥速度が速くなるためか、リン酸アルミニウムの微粒子ができる場合がある。いずれの場合も低温活性の向上が不充分となる場合がある。
工程(d)
400〜700℃、好ましくは500〜600℃で加熱処理(焼成)する。
なお、工程(d)での加熱処理(焼成)は触媒として使用する際に加熱処理(焼成)することもできる。
加熱処理温度が400℃未満の場合は、水分が残存するためか活性が不充分となる場合があり、加熱処理温度が700℃を超えると金属成分の含有量、リン酸アルミニウムの修飾量等によっても異なるが、活性が不充分となる場合がある。
加熱処理する際の雰囲気は、酸化雰囲気下、好ましくは空気中で行うことが経済的で好ましい。
以上のようにして、結晶性シリカアルミノフォスフェートあるいは金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェートの粒子表面をリン酸アルミニウムで修飾することができる。
3.結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体
本発明の結晶性シリカアルミノフォスフェートは、アルミナをバインダーとして常法により成型体とし、焼成した後、水分を吸着させると、元素(M)の酸化物の含有量によっても異なるが膨張率が小さくなるか、線膨張率が負になる、即ち、収縮する特性を有している。これに対して、元素(M)の酸化物を含まない従来の結晶性シリカアルミノフォスフェートは、線膨張率で0.2%以上膨張する。
本発明において線膨張率は、まず、結晶性無機酸化物粒子とアルミナ結合材前駆体を固形分として80:20の重量比で混合し、これに水を加えて混合物の固形分濃度を54重量%(水分濃度46重量%)とし、充分に混練し、ついで押出成型器(ノズル径3mmΦ)にて成型した後、130℃で24時間乾燥し、長さ約5mmにカットし、ついで、600℃で2時間焼成して3mmΦ、長さ5mmのペレット状成型体を調製する。
この成型体3個について、相対湿度(RH)=60%、温度25℃の調湿機にて15時間吸湿させた後のペレットの長さ(LH2O)と、このペレットをさらに25℃から400℃まで昇温させたときのペレットの長さ(LCAL)をSHIMADZU社製:TMA−50により測定し、下記式により求めた値の平均値を線膨張率(%)とした。
線膨張率(%)=[(LCAL)−(LH2O)]/(LH2O)x100
結晶性シリカアルミノフォスフェートを成型体とし、600℃で焼成した後、25℃で吸湿させ、ついで400℃まで昇温したときの成型体の線膨張率は−0.5〜0.1%、さらには−0.2〜0.05%の範囲にあることが好ましい。
線膨張率が−0.5%未満の場合は、収縮、膨張を繰り返すことによって成型体にクラックを生じる場合があり、線膨張率が0.1%を超えるものは、従来の元素(M)の酸化物を含有しない結晶性シリカアルミノフォスフェートと同様に成型体にクラックを生じるので、内燃機関の排ガス処理に用いるには不向きである。
4.排ガス処理用NOx還元触媒
本発明に係る結晶性シリカアルミノフォスフェートは、アンモニアなどの還元剤の存在下でNOxを還元して窒素ガスに変換して排ガスを浄化する触媒として好適に用いることができる。
以下、実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)の調製
濃度75重量%のリン酸水溶液16.08kgと純水40.01kgとを混合して、濃度21.5重量%のリン酸水溶液56.09kgを調製した。これに、濃度35重量%のテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(TEAH)19.42kgを混合し、ついで、酸化ホウ素源としてホウ酸粉末(B含有量57%)754.4gを5分程度で添加した。これに、アルミナ源として擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)7.90kgを10分程度で分散させ、分散液を15分間攪拌し、ついで、分散液にシリカ源としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SI−30、SiO濃度30重量%)6.16kgを約10分間で添加して、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリーを調製した。
ついで、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリーをオートクレーブに充填し、1時間攪拌後、170℃に昇温し72時間水熱処理した。
その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)を調製した。結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)の組成は、SiO:8重量%、Al:40重量%、P:50重量%、B:0.08重量%であった。また、平均粒粒子径は2.5μmであり、比表面積は250m/g、細孔容積は0.25ml/g、結晶度は0.85%であった。
なお、結晶度は2θ=9.50°のピーク高さを、後記する比較例1の結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)と対比し、結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)を1とした相対値で示した。
つぎに、結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)のX線回折チャート(1-1)、これに水分15重量%を吸着させた結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)のX線回折チャート(1-2)、これを再び空気中600℃で2時間焼成した結晶性シリカアルミノフォスフェート(1) のX線回折チャート(1-3)、これに再び水分15重量%を吸着させた結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)のX線回折チャート(1-4)を図1に示す。
水分吸着させた場合、(1.1.0)面に対応する2θ=12〜13°の回折ピークが二つに分離することが認められた。また、X線回折チャートから同定した基本的結晶型を表に示した。
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)の調製
結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)3kgを水10kgに分散させ、コロイドミル処理して結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)分散液を調製した。
別途、硝酸第二銅水溶液(Cu含有量13.15重量%)827.4gを水9.6kgに加え、希釈した。
硝酸銅水溶液に結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)分散液を混合して噴霧乾燥用混合分散液を調製した。この時、分散液のpHは3.5であった。
ついで、噴霧乾燥用混合分散液を熱風温度230℃の噴霧乾燥機中に回転数7000rpmのアトマイザーにて噴霧し、得られた粉末を600℃で2時間焼成して金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)粒子を調製した。
成型体(1)の調製
金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)粒子30g、擬ベーマイトアルミナ粉末(日揮触媒化成(株)製:AP−1、Al含有量74重量%)10gおよび水40gを混合して充分に混練し、ついで押出成型器(ノズル径3mmφ)にて成型した後、130℃で24時間乾燥し、長さ約5mmにカットし、ついで、600℃で2時間焼成して3mmΦ、長さ(LCAL)5mmのペレット成型体(1)を調製した。
線膨張率の測定
この成型体(1)3個について、相対湿度(RH)=60%、温度25℃の調湿機にて15時間吸湿させた後のペレットの長さ(LH2O)と、このペレットをさらに25℃から400℃まで昇温させたときのペレットの長さ(LCAL)をSHIMADZU社製:TMA−50により測定し、下記式により求めた値の平均値を線膨張率(%)とした。
線膨張率(%)=[(LCAL)−(LH2O)]/(LH2O)x100
なお、この時のペレット成型体(1)の1つの水分吸着量は25重量%であった。
クラックの観察
ペレット成型体(1)15個について、相対湿度(RH)=60%、温度25℃の調湿機にて15Hr吸湿させ、ついで、180℃で1Hr焼成した。この操作を10回繰り返した後、クラックの有無、程度について目視観察し、以下の基準で評価し結果を表に示す。
クラックが全く認められなかった。 : ◎
微細なクラックが僅かに認められた。: ○
微細なクラックが多く認められた。 : △
大きなクラックが認められた。 : ×
NOx除去試験
ペレット成型体(1)10ccを常圧固定床流通式反応管に充填し、反応ガス(NO:500ppm、NH:500ppm、O:10vol%、N:バランス)を6000cc/minで流通させながら、反応温度150℃、200℃、300℃、400℃の各温度で定常状態になった時点でのNOx除去率を下記式によって求め、結果を表に示した。
X=[({NOx}in−{NOx}out)/{NOx}in]X100
ここで、XはNOx除去率(%)、{NOx}inは入り口の窒素酸化物ガス濃度、{NOx}outは出口の窒素酸化物ガス濃度を示す。
[実施例2]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(2)の調製
実施例1において、ホウ酸粉末(B含有量57%)376.8gを用いた以外は同様にして結晶性シリカアルミノフォスフェート(2)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(2)の組成、平均粒粒子径、比表面積、細孔容積および結晶度、結晶型を測定し、結果を表に示す。
実施例1と同様に、水分吸着によるピーク分離の有無を観察し、結果を表に示す。
成型体(2)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(2)を用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(2)を調製し、ついで、成型体(2)を調製した。
成型体(2)について、線膨張率の測定およびクラックの有無を観察し、結果を表に示す。
また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例3]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(3)の調製
実施例1において、ホウ酸粉末(B含有量57%)1284.5gを用いた以外は同様にして結晶性シリカアルミノフォスフェート(3)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(3)の組成、平均粒粒子径、比表面積、細孔容積および結晶度、結晶型を測定し、結果を表に示す。
実施例1と同様に、水分吸着によるピーク分離の有無を観察し、結果を表に示す。
成型体(3)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(3)を用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(3)を調製し、ついで、成型体(3)を調製した。
成型体(3)について、線膨張率の測定およびクラックの有無を観察し、結果を表に示す。
また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例4]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(4)の調製
実施例1において、170℃に昇温し、100時間水熱処理した以外は同様にして結晶性シリカアルミノフォスフェート(4)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(4)の組成、平均粒粒子径、比表面積、細孔容積および結晶度、結晶型を測定し、結果を表に示す。
実施例1と同様に、水分吸着によるピーク分離の有無を観察し、結果を表に示す。
成型体(4)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(4)を用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(4)を調製し、ついで、成型体(4)を調製した。
成型体(4)について、線膨張率の測定およびクラックの有無を観察し、結果を表に示す。
また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例5]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(5)の調製
実施例1において、170℃に昇温し、24時間水熱処理した以外は同様にして結晶性シリカアルミノフォスフェート(5)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(5)の組成、平均粒粒子径、比表面積、細孔容積および結晶度、結晶型を測定し、結果を表に示す。
実施例1と同様に、水分吸着によるピーク分離の有無を観察し、結果を表に示す。
成型体(5)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(5)を用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(5)を調製し、ついで、成型体(5)を調製した。
成型体(5)について、線膨張率の測定およびクラックの有無を観察し、結果を表に示す。
また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例6]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(6)の調製
実施例1において、150℃に昇温し、72時間水熱処理した以外は同様にして結晶性シリカアルミノフォスフェート(6)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(6)の組成、平均粒粒子径、比表面積、細孔容積および結晶度、結晶型を測定し、結果を表に示す。
実施例1と同様に、水分吸着によるピーク分離の有無を観察し、結果を表に示す。
成型体(6)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(6)を用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(6)を調製し、ついで、成型体(6)を調製した。
成型体(6)について、線膨張率の測定およびクラックの有無を観察し、結果を表に示す。
また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例7]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(7)の調製
実施例1において、200℃に昇温し、72時間水熱処理した以外は同様にして結晶性シリカアルミノフォスフェート(7)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(7)の組成、平均粒粒子径、比表面積、細孔容積および結晶度、結晶型を測定し、結果を表に示す。
実施例1と同様に、水分吸着によるピーク分離の有無を観察し、結果を表に示す。
成型体(7)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(7)を用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(7)を調製し、ついで、成型体(7)を調製した。
成型体(7)について、線膨張率の測定およびクラックの有無を観察し、結果を表に示す。
また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[比較例1]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)の調製
濃度75重量%のリン酸水溶液16.08kgと純水40.01kgとを混合して、濃度21.5重量%のリン酸水溶液56.09kgを調製した。これに、濃度35重量%のテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(TEAH)19.42kgを混合し、これに、アルミナ源として擬ベーマイトアルミナ粉末(Al含有量74重量%)7.90kgを10分程度で分散させ、分散液を15分間攪拌し、ついで、分散液にシリカ源としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SI−30、SiO濃度30重量%)6.16kgを約10分間で添加して、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリーを調製した。
ついで、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリーをオートクレーブに充填し、1時間攪拌後、170℃に昇温し、72時間水熱処理した。
その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(7)の組成、平均粒粒子径、比表面積、細孔容積および結晶度、結晶型を測定し、結果を表に示す。
なお、結晶度は結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)の2θ=9.50°のピーク高さを基準値1とした。
また、実施例1と同様に、水分吸着によるピーク分離の有無を観察し、結果を表に示す。
成型体(R1)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)を用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)を調製し、ついで、成型体(R1)を調製した。
成型体(R1)について、線膨張率の測定およびクラックの有無を観察し、結果を表に示す。
また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[比較例2]
結晶性シリカアルミノフォスフェート(R2)の調製
濃度75重量%のリン酸水溶液16.08kgと純水40.01kgとを混合して、濃度21.5重量%のリン酸水溶液56.09kgを調製した。これに、濃度35重量%のテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(TEAH)19.42kgを混合し、ついで、酸化ホウ素源としてホウ酸粉末(B含有量57%)2273.1gを5分程度で添加した。これに、アルミナ源として擬ベーマイト粉末(Al含有量74重量%)7.90kgを10分程度で分散させ、分散液を15分間攪拌し、ついで、分散液にシリカ源としてシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:SI−30、SiO濃度30重量%)6.16kgを約10分間で添加して、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリーを調製した。
ついで、結晶性シリカアルミノフォスフェート合成用スラリーをオートクレーブに充填し、1時間攪拌後、170℃に昇温し、72時間水熱処理した。
その後、濾過分離し、60℃の温水を十分掛け水して洗浄し、130℃で24時間乾燥した。ついで、空気中600℃で2時間焼成して結晶性シリカアルミノフォスフェート(R2)を調製した。
結晶性シリカアルミノフォスフェート(R2)の組成、平均粒粒子径、比表面積、細孔容積および結晶度、結晶型を測定し、結果を表に示す。
また、実施例1と同様に、水分吸着によるピーク分離の有無を観察し、結果を表に示す。
成型体(R2)の調製
実施例1において、結晶性シリカアルミノフォスフェート(R2)を用いた以外は同様にして金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R2)を調製し、ついで、成型体(R2)を調製した。
成型体(R2)について、線膨張率の測定およびクラックの有無を観察し、結果を表に示す。
また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例8]
成型体(8)の調製
実施例1と同様にして調製した金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(1)粒子
30g、比較例1と同様にして調製した金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(R1)粒子10g、擬ベーマイトアルミナ粉末(日揮触媒化成(株)製:AP−1、Al含有量74重量%)10gおよび水40gを混合して充分に混練し、ついで押出成型器(ノズル径3mmφ)にて成型した後、130℃で24時間乾燥し、長さ約5mmにカットし、ついで、600℃で2時間焼成して3mmΦ、長さ(LCAL)5mmのペレット成型体(8)を調製した。
成型体(R8)について、線膨張率の測定およびクラックの有無を観察し、結果を表に示す。
また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
[実施例9]
リン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート(9)の調製
実施例1と同様にして調製した金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子(1)600gを水2400gに分散させ、コロイドミル処理して金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子(1)分散液を調製した。
ついで、第一リン酸アルミニウム(多木化学(株)製:100L、x値=1、固形分濃度50重量%)を用いて固形分濃度10重量%の第一リン酸アルミニウム水溶液745gを調製し、これに金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子(1)分散液を混合して噴霧乾燥用混合分散液を調製した。この時、分散液のpHは2.7であった。
ついで、噴霧乾燥用混合分散液を熱風温度230℃の噴霧乾燥機中に回転数7000rpmのアトマイザーにて噴霧し、リン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート触媒(9)を調製した。
成型体(9)の調製
実施例1において、リン酸アルミニウム修飾金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート触媒(9)を用いた以外は同様にして成型体(9)を調製した。
成型体(9)について、線膨張率の測定およびクラックの有無を観察し、結果を表に示す。
また、NOx除去試験を行い、結果を表に示す。
Figure 2012051782
Figure 2012051782
Figure 2012051782

Claims (18)

  1. シリカの含有量がSiOとして1〜15重量%の範囲にあり、アルミナの含有量がAlとして35〜45重量%の範囲にあり、酸化燐の含有量がPとして45〜55重量%の範囲にあり、Si、AlおよびP以外の元素(M)の酸化物を含み、該酸化物の含有量が下記式で表される酸化物として0.01〜5重量%の範囲にあることを特徴とする結晶性シリカアルミノフォスフェート。
    MOV/2
    (但し、MはSi、AlおよびP以外の元素、Vは元素Mの価数であり、V/2はMの価数によって整数となるように調整する。)
  2. 前記アルミナのモル数(MAL)と元素(M)の酸化物のモル数(M)とのモル比(M)/(MAL)が0.00035〜0.04の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート。
  3. 前記元素(M)の酸化物がBeO、B、Ga、GeO、TiO、Fe、ZnOおよびSnOから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート。
  4. 前記元素(M)の酸化物がBであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート。
  5. 乾燥および/または焼成後、水分の吸着によりX線回折ピークのいずれかが二つに分離することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート。
  6. 前記結晶性シリカアルミノフォスフェートがSAPO−5、SAPO−11、SAPO−34、SAPO−37から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート。
  7. 前記結晶性シリカアルミノフォスフェートがSAPO−34であることであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート。
  8. 前記水分吸着により分離するX線回折ピークが(1.1.0)面に対応する2θ=12〜13°の回折ピークであることを特徴とする請求項7に記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート。
  9. さらに活性金属成分を含み、該活性金属成分が周期律表第8族、第9族、第10族、第11族、第12族から選ばれる元素の金属またはこれらの混合物(合金を含む)であり、該金属の含有量が0.1〜10重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート。
  10. さらに、活性金属成分を含み、該活性金属成分が周期律表第8族、第9族、第10族、第11族、第12族から選ばれる元素の金属またはこれらの混合物(合金を含む)であり、該金属の含有量が0.1〜10重量%の範囲にある、元素(M)の酸化物を含まない結晶性シリカアルミノフォスフェートを含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート。
  11. 表面がリン酸アルミニウムで修飾されており、結晶性シリカアルミノフォスフェートあるいは金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェートに対するリン酸アルミニウムの修飾量がAl+Pとして0.1〜40重量%重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート。
  12. 成型体であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート。
  13. 乾燥および/または焼成後、水分の吸着による線膨張率が−0.5〜0.1%の範囲にあることを特徴とする請求項12記載の結晶性シリカアルミノフォスフェート成型体。
  14. 請求項12または13からなる排ガス処理用NOx還元触媒。
  15. シリカ源、アルミナ源、酸化燐源、元素(M)の酸化物源、有機結晶化剤および水を、Alのモル数を1としたときに、下記のモル比となるように混合し、ついで、水熱処理することを特徴とする結晶性シリカアルミノフォスフェートの合成方法。
    0.038〜0.72SiO:Al:0.73〜1.14P:0.01〜0.2MOV/2:0.4〜0.9有機結晶化剤:40〜80H
  16. 前記水熱処理の水熱処理温度が120〜250℃、水熱処理時間が5〜100時間の範囲あることを特徴とする請求項15に記載の結晶性シリカアルミノフォスフェートの合成方法。
  17. 前記元素(M)の酸化物源がホウ酸、酸化ホウ素、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸アンモニウムから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項15または16に記載の結晶性シリカアルミノフォスフェートの合成方法。
  18. 前記有機結晶化剤がテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、イソプロピルアンモニウムハイドロオキサイドから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載の結晶性シリカアルミノフォスフェートの合成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101555128B1 (ko) 2014-01-21 2015-09-23 포항공과대학교 산학협력단 알루미노포스페이트 pst-5, pst-6 및 그 제조방법
CN113748087A (zh) * 2019-04-19 2021-12-03 Ifp新能源公司 用八面沸石源快速合成afx结构沸石的方法
CN114195171A (zh) * 2021-12-28 2022-03-18 山西大学 一种针状off分子筛的制备方法

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