JP2013127018A - 樹脂組成物並びにこれを用いた多層構造体及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エチレン含有率20〜60モル%のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(A)、極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)、数平均分子量100〜3000であり且つ60℃以上170℃未満の軟化点を有している炭化水素系樹脂(D)、無機微粒子(E)を含有する樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし
Description
従って、このような仕様のフィルム容器では、耐久性の観点からも柔軟性が求められる。これらの場合に求められる柔軟性は、硬度、耐衝撃性、引張強度とは異なる特性である。
すなわち、成形用機械(溶融押出機)内での装置壁面と溶融状態のEVOH樹脂との滑り性、かかる成形時のロールや案内板等の装置とEVOH樹脂成形物との滑り性、更には、得られたフィルム状やシート状等の成形物をロール巻にして保存した場合にも成形物同士の滑り性(耐ブロッキング性)が求められる。
ここでは、樹脂中に無機微粒子を含有することにより、かかる成形時のロールや案内板等の装置と樹脂成形物間や成形物同士間の接触面積が減少する為、耐ブロッキング性が改善されることが考えられる。
本発明は上記実情に鑑み鋭意検討した結果、エチレン含有率20〜60モル%のEVOH樹脂(A)、極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)、数平均分子量が100〜3000であり、軟化点が60℃以上170℃未満である炭化水素系樹脂(D)に、さらに無機微粒子(E)を配合することにより、樹脂成分中に無機微粒子を均一分散させることによって、予想外にも柔軟性を損なうことのなく、かつ耐ブロッキング性を有することを見出し、本発明を完成した。
その結果、本発明の樹脂組成物を用いた成形品や、本発明の樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層構造体は、EVOH樹脂の特徴であるガスバリア性を保持しつつ、柔軟性、耐ブロッキング性の優れたフィルムを得ることが可能となる。
本発明の樹脂組成物は、エチレン含有率20〜60モル%のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(A)を主成分とし、ここに副成分として柔軟成分である極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)を分散したものである。そして、かかる(B)成分を分散させるにあたり、(A)成分と(B)成分の両方に親和性を有する、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)を分散剤として添加し、また、数平均分子量100〜3000であり且つ60℃以上170℃未満の軟化点を有している炭化水素系樹脂(D)を分散助剤として添加することにより、(B)成分が微細化して分散が非常に良好となる。さらに、添加剤として無機微粒子(E)が樹脂組成物中に均一に分散したものである。
以下、各成分について、順に説明する。
組成物の主成分となるEVOH樹脂(A)は、非水溶性の樹脂であり、エチレンとビニルエステル系モノマーとの共重合体をケン化することによって得られる公知の樹脂である。かかるビニルエステル系モノマーは、代表的には酢酸ビニルである。エチレン−ビニルエステル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチレン−ビニルエステル共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
また、本発明に用いられるEVOH樹脂としては、共重合体中に更に少量の共重合可能なモノマーを共重合してもよい。共重合可能なモノマーとしては例えばプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、3―ブテン―1,2―ジオール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類やそのエステル化物、アシル化物などのヒドロキシ基含有α−オレフィン誘導体、不飽和カルボン酸又はその塩・部分アルキルエステル・完全アルキルエステル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和スルホン酸又はその塩、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、スチレン等のコモノマーを共重合したものであっても差し支えない。さらに、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化等「後変性」されていても差し支えない。
特にヒドロキシ基含有α−オレフィン類を共重合したEVOH樹脂は、延伸加工や真空・圧空成形などの二次成形性が良好になる点で好ましく、中でも1,2−ジオールを側鎖に有するEVOH樹脂が好ましい。
これらのうち、特に、酢酸、ホウ酸およびその塩を含むホウ素化合物、酢酸塩、リン酸塩を添加することが好ましい。
本発明の効果をより顕著に得るためには、添加物の分散性に優れるi)、ii)の方法、有機酸およびその塩を含有させる場合はiv)の方法が好ましい。
本発明で用いられる、極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)は、通常ハードセグメントとなるビニル芳香族モノマーのポリマーブロック(b1)と、通常ソフトセグメントとなるゴム成分たる不飽和炭化水素化合物のポリマーブロック及び/又はその水添ブロック(b2)とを有するもので、一般にスチレン系熱可塑性エラストマーとして知られているものを用いることができる。(本発明においては、かかる極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)を「ブロック共重合体(B)」と称することがある。なお、極性基とは、後述する極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)における極性基を示す。)
上記共役ジエン化合物としては、例えば、イソプレン、ブタジエン、ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。上記ジエンとしては、ヘキサジエンなどが挙げられる。なおジエン化合物からなる上記脂肪族炭化水素ポリマーブロック(b2)は、上記共役ジエン化合物からなるポリマーブロックの水素添加の結果、得られたものであってもよい。上記アルケンとしては、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレンなどが挙げられる。これらのアルケンからなる上記脂肪族炭化水素ポリマーブロック(b2)は、上記共役ジエン又はジエンからなるポリマーブロックの水素添加の結果、得られたものであってもよい。
ただし、他の共重合性モノマーを含む場合、各ポリマーブロックにおける他の共重合性モノマーの含有率は、各ポリマーブロック重量の10重量%以下とすることが好ましく、5重量%以下とすることがより好ましい。
EVOH樹脂(A)の溶融粘度とブロック共重合体(B)との溶融粘度が近い程、溶融混練が容易になり、ブロック共重合体(B)がEVOH樹脂中に均一に分散した樹脂組成物が得られやすく、ひいては耐屈曲性、透明性に優れた樹脂組成物が得られやすい。具体的には、230℃、荷重2160g条件下で測定したMFR比(EVOH樹脂(A)/ブロック共重合体(B))が、通常0.1〜10、好ましくは0.5〜4、より好ましくは0.7〜3である。
本発明で用いられる極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)は、芳香族ビニルモノマー単位からなるポリマーブロック(c1)と、不飽和炭化水素化合物を重合してなるポリマーブロック又はその水素添加ブロック(c2)とを有するブロック共重合体であり、さらに極性基を有するブロック共重合体である。
変性ブロック共重合体(C)は、EVOH樹脂(A)と適度な反応性を有することが好ましく、この点から、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の極性基を有する変性ブロック共重合体(C)が好ましく、より好ましくはカルボキシル基を有する変性ブロック共重合体(C)である。
変性ブロック共重合体(C)のブロック共重合体と、ブロック共重合体(B)の各ポリマーブロックのモノマー構成(すなわちb1とc1、b2とc2)やブロック構造は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
かかる酸価が高すぎると、EVOH樹脂との反応点が多くなるため、高重合度化物が発生しやすくなり、樹脂組成物のMFRが低下して成形加工性が不足しやすい傾向にある。また、高重合度化物が発生することで、樹脂組成物内で粘度の偏りが発生し、樹脂組成物をフィルムとしたときにスジが発生しやすくなり、耐屈曲性が低下する傾向がある。
EVOH樹脂(A)の溶融粘度と変性ブロック共重合体(C)との溶融粘度が近いほど、溶融混練が容易になり、耐屈曲性、透明性に優れた樹脂組成物が得られやすい。具体的には、230℃、荷重2160g条件下で測定したMFR比(EVOH樹脂(A)/変性ブロック共重合体(C))が、通常0.1〜10、好ましくは0.5〜4.0、より好ましくは0.7〜3.0である。
また、ブロック共重合体(B)の溶融粘度と変性ブロック共重合体(C)との溶融粘度比は例えば具体的には、230℃、荷重2160g条件下で測定したMFR比(ブロック共重合体(B)/変性ブロック共重合体(C))が、通常0.1〜10、好ましくは0.5〜4.0、より好ましくは0.7〜3.0である。
本発明で用いるD成分たる炭化水素系樹脂は、分散助剤として添加されるもので、炭化水素系の数平均分子量が100から3000で且つ軟化点が60℃以上170℃未満の炭化水素系樹脂である(以下、単に「炭化水素系樹脂(D)」ということがある)。このような炭化水素系樹脂は、通常、常温で液体又は固体の熱可塑性樹脂に属する。
中でも上記の芳香族系石油樹脂、または脂肪族/芳香族系石油樹脂を水素添加して得られた水添系石油樹脂が代表的であり、具体例としては、アルコン(荒川化学工業社製)、アイマーブ(出光興産社製)、エスコレッツ5000シリーズ(エクソンモービル社製)などが挙げられる。 かかる水添系石油樹脂の場合には、水添率によって樹脂の極性が異なり、主に水添率90%以上の完全水添型と水添率90%未満の部分水添型に2種類に分類される。前者の具体例としては、アルコンPグレード(荒川化学工業社製)、アイマーブPタイプ(出光興産社製)などが挙げられ、後者の具体例としては、アルコンMグレード(荒川化学工業社製)、アイマーブSタイプ(出光興産社製)などが挙げられる。
また、水添系石油樹脂の水添率については、特に限定されないが、極性が低いSEBS、SEPSなどの水添されたブロック共重合体(B)との親和性を考慮すると、完全水添型の水添系石油樹脂を用いることが好ましい。
上記数平均分子量は、ゲルバーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定で得られるポリスチレン換算値により算出することができる。
また、水添系石油樹脂の場合には、ハーゼンナンバーが通常200以下好ましくは150以下、特に好ましくは100以下である。ハーゼンナンバーが200以下のものを用いると、外観特性に優れた無色透明な樹脂組成物を得ることができる。
なお、色相の測定方法としては、JIS K0071−1(ハーゼンナンバー)、JIS K0071−2(ガードナーナンバー)に準拠した方法を用いることができる。
本発明の特徴の一つは、上記(A)〜(E)成分が特定割合で配合されている点であり、特にEVOH樹脂(A)がマトリックスとして存在することが重要である。
EVOH樹脂は主成分であり、その樹脂組成物全体における含有率は通常60〜99重
量%であり、好ましくは65〜90重量%、より好ましくは65〜85重量%、さらに好
ましくは70〜80重量%である。
また、本発明の樹脂組成物の総重量に対する、ブロック共重合体(B)および変性ブロック共重合体(C)が有する芳香族ビニル部位の総含有量は、通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは2〜20重量%、殊に好ましくは2〜15重量%である。
本発明の樹脂組成物では、変性ブロック共重合体(C)を、EVOH樹脂(A)とブロック共重合体(B)との相溶化剤として用いており、配合比率を上記のように調節することにより、マトリックスであるEVOH樹脂(A)中にブロック共重合体(B)の小さな島を全体にわたって多数分散させることが可能となる。
かかる配合比率(C/B)が高くなりすぎると、耐屈曲性の改善効果が得られにくい反面、EVOH樹脂(A)と変性ブロック共重合体(C)の親和性が高くなることによって高重合度化物が発生しやすくなり、樹脂組成物のMFRが低下して成形加工性が低下しやすい傾向がある。また、高重合度化物の発生は、樹脂組成物内での粘度の偏りの原因となり、成形により得られるフィルムにスジが発生しやすくなり、結果として耐屈曲性改善効果を損なう
傾向がある。さらに、樹脂組成物が黄色に着色しやすくなる原因ともなる。
(D)成分の含有量は、(A)〜(D)成分の合計量に対して、通常0.5〜7.5重量%、好ましくは1〜6重量%であり、より好ましくは2〜5重量%である。分散助剤たるD成分の配合量が少なすぎる場合、(D)の配合効果が得られにくくなる。一方、多すぎる場合、過剰な炭化水素系樹脂(D)が排斥されることで、フィルムスジ、目ヤニなどの外観不良が発生するおそれがある。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲(例えば樹脂組成物の2重量%以下)にて、上記EVOH樹脂(A)、ブロック共重合体(B)、変性ブロック共重合体(C)の他に、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤等の添加剤を適宜含有してもよい。
本発明の樹脂組成物は、以上のような成分を混合することによって調製できる。かかる混合方法としては、ドライブレンド、溶融混合法、溶液混合法等が挙げられる。生産性の点からは溶融混合法が好ましい。
溶融混合方法としては、各成分をドライブレンドした後に溶融して混合する方法や、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、プラストミルなどの公知の混練装置を使用して行うことができるが、通常は単軸又は二軸の押出機を用いることが工業上好ましく、また、必要に応じて、ベント吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置等を設けることも好ましい。
本発明の樹脂組成物では柔軟成分であるブロック共重合体(B)が、疲労吸収の役割を果たしており、さらに極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)と、数平均分子量100〜3000であり且つ60℃以上170℃未満の軟化点を有している炭化水素系樹脂(D)を併用することにより、(B)成分が均一かつ微細に分散することでさらにガスバリア性、成形加工性、透明性に優れるという効果が得られると考えられる。
本発明の多層構造体は、上記本発明の樹脂組成物からなる層(以下、単に「樹脂組成物層」という)を少なくとも1層有する多層構造体である。
本発明の多層構造体を構成する樹脂組成物層以外の層を構成する樹脂としては、特に限定しないが、EVOH樹脂以外の熱可塑性樹脂が挙げられる。例えば具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、環状ポリオレフィン、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したもの等の広義のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂で構成される層が挙げられる。これらの樹脂の他に、紙、金属箔、1軸又は2軸延伸プラスチックフイルム又はシート、織布、不織布、金属綿条、木質面、アルミやシリカ蒸着と組み合わせた多層構造体であってもよい。中でも機械的強度や成形加工性の点で、好ましくはポリオレフィン系樹脂であり、特に好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンである。
具体的には、例えば、EVOH樹脂組成物の成形品(例えばフィルムやシート)に熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、熱可塑性樹脂等の基材に樹脂組成物層を溶融押出する方法、樹脂組成物層と熱可塑性樹脂層とを共押出する方法が挙げられ、詳細にはT−ダイ押出、インフレーション押出、ブロー成形、異型押出等が採用される。
さらには、EVOH樹脂組成物フィルムと熱可塑性樹脂フィルム等の基材とを、有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエチレンイミン系化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン系化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法、接着性樹脂層を介層させてラミネートする方法等が採用される。
また、場合によっては共射出法も採用可能である。
また、該多層構造体を製造する過程で発生する端部や不良品等を再溶融成形して得られる、樹脂組成物とEVOH樹脂以外の熱可塑性樹脂の混合物を含むリサイクル層をRとするとき、b/a/R、R/b/a、b/R/a/b、b/R/a/R/b、b/a/R/a/b、b/R/a/R/a/R/b等とすることも可能である。
さらに上記した多層構造体の層間には公知の接着性樹脂を用いても良い。
外装の基材としては紙やダンボールの他にプラスチックや金属であってもよく、形状についても例えばボックスやカートン(正方形、直方体)、ドラム(円柱)が挙げられる。
尚、実施例中「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
[樹脂組成物ペレット及びフィルムの製造]
(EVOH樹脂組成物1)
EVOH樹脂(A)として、EVOH(エチレン含有率29モル%、ケン化度=99.6モル%、MFR=4g/10分(210℃、2160g)である日本合成化学社製ソアノール『DT2904RB』)を用いた。
また、変性SEBSは、SEBSにおいて極性基としてカルボキシル基を含有するものである。
押出機:直径(D)30mm、二軸押出機、L/D=42
スクリーンパック:90/90メッシュ
スクリュ回転数 :160rpm
設定温度:C1/C2/C3/C4/C5/C6−D=150/200/220/220/220/220
−℃
EVOH樹脂(A)として、EVOH(エチレン含有率29モル%、ケン化度=99.6モル%、MFR=6g/10分(210℃、2160g)である日本合成化学社製ソアノール『AT4406EB』)を用いた。
押出機:直径(D)30mm、二軸押出機、L/D=42
スクリーンパック:90/90メッシュ
スクリュ回転数 :130rpm
設定温度:C1/C2/C3/C4/C5/C6−D=180/200/210/210/210/210−℃
押出機:直径(D)40mm、L/D=28
スクリュ:フルフライトタイプ、圧縮比:3.5
スクリーンパック:90/120/90メッシュ
ダイ:幅450mm、コートハンガータイプ
設定温度:C1/C2/C3/C4/A/D=180/200/220/220/220/220℃
スクリュ回転数:10 rpm
引取り速度: 3 m/min
ロール温度:80 ℃
(1)耐ブロッキング性
調整した樹脂組成物で作製した厚み30μmの単層フィルムについて、20℃、50%RH条件下で、島津製作所社製オートグラフを用いて、JIS K7312に準じて摩擦係数を測定した。
調整した樹脂組成物で作製した乾燥状態でA4サイズ、厚み30μmの単層フィルムについて、23℃、50%RHの条件下で、理学工業社のゲルボフレックステスターを用いて、捻じり試験を行った。なお、かかるゲルボフレックステスターの条件は、捻り:440°,3.5インチ、水平方向:2.5インチである。
上記捻じり試験を500回(40サイクル/分)加えた後、該単層フィルムの中央部28cm×17cmあたりのピンホール発生数を数えた。かかるテストを5回試行し、ピンホールの発生状況(発生個数)を目視観察して以下の通り評価した。
○ ―――発生個数の平均値が0〜5個未満
× ―――発生個数の平均値が5個以上
Claims (7)
- エチレン含有率20〜60モル%のエチレンービニルエステル共重合体ケン化物(A)、極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)、数平均分子量が100〜3000であり、軟化点が60℃以上170℃未満である炭化水素系樹脂(D)、および無機微粒子(E)を含有する樹脂組成物。
- 極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)と極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)の合計量に対する、エチレン含有率20〜60モル%のエチレンービニルエステル共重合体ケン化物(A)の含有比(A)/〔(B)+(C)〕が、50/50より大きく、99/1以下(重量)である請求項1記載の樹脂組成物。
- 極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)に対する、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)の含有比(C)/(B)が、0.01〜10(重量)である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- エチレン含有率20〜60モル%のエチレンービニルエステル共重合体ケン化物(A)、極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)、及び数平均分子量が100〜3000であり、軟化点が60℃以上170℃未満である炭化水素系樹脂(D)の合計量に対する、数平均分子量が100〜3000であり、軟化点が60℃以上170℃未満である炭化水素系樹脂(D)の含有量が、0.5〜7.5重量%である請求項1〜3いずれかに記載の樹脂組成物。
- エチレン含有率20〜60モル%のエチレンービニルエステル共重合体ケン化物(A)、極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)、及び数平均分子量が100〜3000であり、軟化点が60℃以上170℃未満である炭化水素系樹脂(D)、無機微粒子(E)の合計量に対する、無機微粒子(E)の含有量が、0.001〜5重量%である請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5いずれかに記載の樹脂組成物を含有する層を少なくとも一層有する多層構造体。
- 請求項1〜5いずれかに記載の樹脂組成物を含有する成形品。
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