JP2013127018A - 樹脂組成物並びにこれを用いた多層構造体及び成形品 - Google Patents

樹脂組成物並びにこれを用いた多層構造体及び成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】柔軟性を損なうことのなく、かつ耐ブロッキング性を有する樹脂組成物を提供する。
【解決手段】エチレン含有率20〜60モル%のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(A)、極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)、数平均分子量100〜3000であり且つ60℃以上170℃未満の軟化点を有している炭化水素系樹脂(D)、無機微粒子(E)を含有する樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物を主成分とする樹脂組成物に関し、さらに詳しくは柔軟性、耐ブロッキング性に優れた樹脂組成物に関する。
エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体ケン化物(以下、「EVOH樹脂」と称することがある)は、高分子側鎖に存在する水酸基同士の水素結合のため、非常に強い分子間力を有する。それゆえに、結晶性が高く、非晶部分においても分子間力が高いため、気体分子等はEVOH樹脂フィルムを通過することができない。このようなことから、EVOH樹脂を用いたフィルムは優れたガスバリア性を示し、水、飲食料品の包装用フィルム、包装容器素材として利用されている。一方、EVOH樹脂成形品は、その高結晶性故に、柔軟性に欠けるという短所がある。
近年、バッグインボックス用バッグなどの液体を充填するフィルム容器として利用する場合、そのフィルムには、容器を折り畳んだり、中身の液体の変形や減量にしたがって不規則に折れ曲がったりする動きに対応可能な柔軟性が求められる。不定形物である液体等が充填された状態で長時間かけて輸送されるなどの環境においては、液体の変形に伴うフィルムの折れ曲がりが長時間繰り返されることで、フィルム容器に疲労が蓄積してピンホールが生じたりする場合もある。
従って、このような仕様のフィルム容器では、耐久性の観点からも柔軟性が求められる。これらの場合に求められる柔軟性は、硬度、耐衝撃性、引張強度とは異なる特性である。
従来、エチレン含有率20〜60モル%のEVOH樹脂(A)をマトリックスとし、柔軟成分として極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)、分散剤として極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)、分散助剤として数平均分子量100〜3000であり且つ60℃以上170℃未満の軟化点を有している炭化水素系樹脂(D)を含有するEVOH樹脂組成物が提案されている。(例えば、特許文献1)。
一方で、EVOH樹脂はその透明性、ガスバリア性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れており、かかる特性を生かして、食品包装材料、医薬品包装材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等のフィルムやシート、或いはボトル等の容器等に成形されて利用されている。かかる成形にあたっては、通常溶融成形によりフィルム状やシート状等に成形されるのであるが、このときには該EVOH樹脂に対して、滑り性が求められる。
すなわち、成形用機械(溶融押出機)内での装置壁面と溶融状態のEVOH樹脂との滑り性、かかる成形時のロールや案内板等の装置とEVOH樹脂成形物との滑り性、更には、得られたフィルム状やシート状等の成形物をロール巻にして保存した場合にも成形物同士の滑り性(耐ブロッキング性)が求められる。
従来、かかるブロッキング性を改善する目的で、EVOH樹脂(A)、無機微粒子(B)およびホウ素化合物(C)を含有するEVOH樹脂組成物が提案されている。(例えば、特許文献2)。
ここでは、樹脂中に無機微粒子を含有することにより、かかる成形時のロールや案内板等の装置と樹脂成形物間や成形物同士間の接触面積が減少する為、耐ブロッキング性が改善されることが考えられる。
特開2011−6673号公報 特開2000−265024号公報
しかしながら、上記特許文献1で提案されているようなEVOH樹脂組成物は、耐ブロッキング性については不十分である。また、上記特許文献2で提案されているようなEVOH樹脂組成物は、柔軟性については不十分である。そこで、本発明は、耐ブロッキング性と柔軟性の問題を解決し、柔軟性を損なうことのなく、かつ耐ブロッキング性を有する樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
一般に、樹脂中に無機微粒子を配合した樹脂組成物により得られた成形物に屈曲を与えた際、屈曲による応力が無機微粒子と樹脂との間の界面に集中することによるクラックの発生が懸念される為、柔軟性を求める樹脂組成物に無機微粒子を配合することは好ましくないとされていた。
本発明は上記実情に鑑み鋭意検討した結果、エチレン含有率20〜60モル%のEVOH樹脂(A)、極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)、数平均分子量が100〜3000であり、軟化点が60℃以上170℃未満である炭化水素系樹脂(D)に、さらに無機微粒子(E)を配合することにより、樹脂成分中に無機微粒子を均一分散させることによって、予想外にも柔軟性を損なうことのなく、かつ耐ブロッキング性を有することを見出し、本発明を完成した。
本発明の樹脂組成物は、エチレン含有率20〜60モル%のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(A)をマトリックスとし、ここに柔軟成分である極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)を分散したものである。そして、かかる(B)成分を分散させるにあたり、(A)成分と(B)成分の両方に親和性を有する、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)を分散剤として用い、また、数平均分子量100〜3000であり且つ60℃以上170℃未満の軟化点を有している炭化水素系樹脂(D)を分散助剤として併用することにより、(B)成分が微細化して分散が非常に良好となる。さらに、無機微粒子(E)が樹脂組成物中に均一に分散したものである。
その結果、本発明の樹脂組成物を用いた成形品や、本発明の樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層構造体は、EVOH樹脂の特徴であるガスバリア性を保持しつつ、柔軟性、耐ブロッキング性の優れたフィルムを得ることが可能となる。
本発明においては、無機微粒子(E)を使用することが特徴の一つであり、これによって、樹脂組成物の柔軟性を損なうことのなく、かつ耐ブロッキング性を有するという予想外の効果が得られたものである。
以下、本発明の構成につき詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、これらの内容に特定されるものではない。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、エチレン含有率20〜60モル%のエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物(A)を主成分とし、ここに副成分として柔軟成分である極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)を分散したものである。そして、かかる(B)成分を分散させるにあたり、(A)成分と(B)成分の両方に親和性を有する、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)を分散剤として添加し、また、数平均分子量100〜3000であり且つ60℃以上170℃未満の軟化点を有している炭化水素系樹脂(D)を分散助剤として添加することにより、(B)成分が微細化して分散が非常に良好となる。さらに、添加剤として無機微粒子(E)が樹脂組成物中に均一に分散したものである。
以下、各成分について、順に説明する。
〔EVOH樹脂(A)〕
組成物の主成分となるEVOH樹脂(A)は、非水溶性の樹脂であり、エチレンとビニルエステル系モノマーとの共重合体をケン化することによって得られる公知の樹脂である。かかるビニルエステル系モノマーは、代表的には酢酸ビニルである。エチレン−ビニルエステル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチレン−ビニルエステル共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
本発明の樹脂組成物に用いられるEVOH樹脂(A)は、ISO14663に基づいて測定したエチレン構造単位の含有量が通常20〜60モル%であり、好ましくは25〜50モル%、さらに好ましくは27〜35モル%である。エチレン構造単位の含有率が少なすぎると、樹脂組成物の成形加工性や耐屈曲性が低下する傾向にある。一方、エチレン構造単位の含有率が高くなりすぎると、必然的にポリマー鎖中に含まれるOH基の割合が低下しすぎ、ガスバリア性が低下する傾向にある。特に、本発明の樹脂組成物では、EVOH樹脂に基づく高いガスバリア性を確保する必要性から、エチレン含有率を上記範囲に設定する必要がある。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、市場入手性や製造時の不純物処理効率がよい点から、代表的には酢酸ビニルが用いられる。この他、例えば、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等が挙げられ、通常、炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜10、特に好ましくは4〜7の脂肪族ビニルエステルである。これらは通常単独で用いられるが、必要に応じて、2種以上混合して用いてもよい。
また、ビニルエステル成分のケン化度は、JIS K6726(ただし、EVOH樹脂は水/メタノール溶媒に均一に溶解した溶液にて)に基づいて測定した値で、通常95モル%以上であり、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%である。ケン化度が低くなると、ガスバリア性が低下する傾向にあるからである。
さらに、EVOH樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)においては、230℃、荷重2160g条件下で、通常0.1〜200g/10分であり、好ましくは0.5〜100g/10分であり、特に好ましくは1〜40g/10分である。MFRの値が小さすぎる場合、すなわち溶融粘度が高い場合、ブロック共重合体(B)との均一な溶融混練が困難になり、ブロック共重合体(B)の分散性低下の原因となる。一方、MFRの値が大きすぎる場合、溶融粘度が低くなり、安定した溶融押出が困難となる傾向がある。
本発明の樹脂組成物に用いられるEVOH樹脂(A)としては、上記要件を充足するEVOH樹脂であれば、エチレン含有率、ケン化度、MFRが異なる2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明に用いられるEVOH樹脂としては、共重合体中に更に少量の共重合可能なモノマーを共重合してもよい。共重合可能なモノマーとしては例えばプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、3―ブテン―1,2―ジオール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類やそのエステル化物、アシル化物などのヒドロキシ基含有α−オレフィン誘導体、不飽和カルボン酸又はその塩・部分アルキルエステル・完全アルキルエステル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和スルホン酸又はその塩、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、スチレン等のコモノマーを共重合したものであっても差し支えない。さらに、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化等「後変性」されていても差し支えない。
特にヒドロキシ基含有α−オレフィン類を共重合したEVOH樹脂は、延伸加工や真空・圧空成形などの二次成形性が良好になる点で好ましく、中でも1,2−ジオールを側鎖に有するEVOH樹脂が好ましい。
本発明で用いられるEVOH樹脂(A)には、本発明の効果を阻害しない範囲において、一般にEVOH樹脂に配合する配合剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤などが含有されていてもよい。
上記熱安定剤としては、溶融成形時の熱安定性等の各種物性を向上させる目的で、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の有機酸類またはこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム、マグネシウム等)、亜鉛塩などの塩;または、硫酸、亜硫酸、炭酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸類、またはこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム、マグネシウム等)、亜鉛塩などの塩等の添加剤を添加してもよい。
これらのうち、特に、酢酸、ホウ酸およびその塩を含むホウ素化合物、酢酸塩、リン酸塩を添加することが好ましい。
酢酸を添加する場合、その添加量は、EVOH樹脂(A)100重量部に対して通常0.001〜1重量部、好ましくは0.005〜0.2重量部、特に好ましくは0.010〜0.1重量部である。酢酸の添加量が少なすぎると、酢酸の含有効果が十分に得られない傾向があり、逆に多すぎると均一なフィルムを得ることが難しくなる傾向がある。
また、ホウ素化合物を添加する場合、その添加量は、EVOH樹脂(A)100重量部に対してホウ素換算(灰化後、ICP発光分析法にて分析)で通常0.001〜1重量部であり、好ましくは0.002〜0.2重量部であり、特に好ましくは0.005〜0.1重量部である。ホウ素化合物の添加量が少なすぎると、ホウ素化合物の添加効果が十分に得られないことがあり、逆に多すぎると均一なフィルムを得るのが困難となる傾向がある。
また、酢酸塩、リン酸塩(リン酸水素塩を含む)の添加量としては、EVOH樹脂(A)100重量部に対して金属換算(灰化後、ICP発光分析法にて分析)で通常0.0005〜0.1重量部、好ましくは0.001〜0.05重量部、特に好ましくは0.002〜0.03重量部である。かかる添加量が少なすぎるとその含有効果が十分に得られないことがあり、逆に多すぎると均一なフィルムを得るのが困難となる傾向がある。尚、EVOH樹脂(A)に2種以上の塩を添加する場合は、その総量が上記の添加量の範囲にあることが好ましい。
EVOH樹脂(A)に酢酸、ホウ素化合物、酢酸塩、リン酸塩を添加する方法については、特に限定されず、i)含水率20〜80重量%のEVOH樹脂(A)の多孔性析出物を、添加物の水溶液と接触させて、前記多孔性EVOH樹脂に添加物を含有させてから乾燥する方法;ii)EVOH樹脂(A)の均一溶液(水/アルコール溶液等)に添加物を含有させた後、凝固液中にストランド状に押し出し、次いで得られたストランドを切断してペレットとして、さらに乾燥処理をする方法;iii)EVOH樹脂(A)と添加物を一括して混合してから押出機等で溶融混練する方法;iv)EVOH樹脂(A)の製造時において、ケン化工程で使用したアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)を酢酸等の有機酸類で中和して、残存する酢酸等の有機酸類や副生成する塩の量を水洗処理により調整したりする方法等を挙げることができる。
本発明の効果をより顕著に得るためには、添加物の分散性に優れるi)、ii)の方法、有機酸およびその塩を含有させる場合はiv)の方法が好ましい。
〔極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)〕
本発明で用いられる、極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)は、通常ハードセグメントとなるビニル芳香族モノマーのポリマーブロック(b1)と、通常ソフトセグメントとなるゴム成分たる不飽和炭化水素化合物のポリマーブロック及び/又はその水添ブロック(b2)とを有するもので、一般にスチレン系熱可塑性エラストマーとして知られているものを用いることができる。(本発明においては、かかる極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)を「ブロック共重合体(B)」と称することがある。なお、極性基とは、後述する極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)における極性基を示す。)
本発明で用いる極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)は、ビニル芳香族モノマー重合体ブロック(b1)と不飽和炭化水素化合物重合体ブロック又はその水添ブロック(b2)とを含有していればよく、b1−b2で表されるジブロック構造、b1−b2−b1またはb2−b1−b2で表されるトリブロック構造、b1−b2−b1−b2で表されるテトラブロック構造、あるいはb1とb2が5個以上直鎖状に結合しているポリブロック構造であってもよい。これらのうち、b1−b2で表されるジブロック構造、またはb1−b2−b1で表されるトリブロック構造、b1−b2−b1−b2で表わされるテトラブロック構造が、柔軟性および力学特性の点から好ましい。
上記ビニル芳香族のポリマーブロック(b1)を構成するモノマーとしては、例えば、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン等のスチレン誘導体;ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレンなどのビニル芳香族化合物が挙げられる。さらに、必要に応じて、これらのビニル芳香族モノマーとともに、1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテル等の他の共重合性モノマーを用いてもよい。
このようなポリマーブロック(b1)を構成するモノマーのうち、好ましくはスチレン及びスチレン誘導体であり、特に好ましくはスチレンである。
ビニル芳香族モノマーのポリマーブロック(b1)は、上記ビニル芳香族モノマーのホモポリマーブロックであってもよいし、2種以上のビニル芳香族モノマーのコポリマーブロックであってもよい。
上記不飽和炭化水素化合物のポリマーブロック(b2)を構成する不飽和炭化水素化合物としては、通常、炭素数2〜10の不飽和脂肪族炭化水素化合物であり、具体的には、炭素数2〜6のアルケン、炭素数4〜6のジエン、共役ジエンが挙げられ、これらのうち、炭素数4〜6の共役ジエンが好ましく用いられる。
上記共役ジエン化合物としては、例えば、イソプレン、ブタジエン、ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。上記ジエンとしては、ヘキサジエンなどが挙げられる。なおジエン化合物からなる上記脂肪族炭化水素ポリマーブロック(b2)は、上記共役ジエン化合物からなるポリマーブロックの水素添加の結果、得られたものであってもよい。上記アルケンとしては、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレンなどが挙げられる。これらのアルケンからなる上記脂肪族炭化水素ポリマーブロック(b2)は、上記共役ジエン又はジエンからなるポリマーブロックの水素添加の結果、得られたものであってもよい。
脂肪族炭化水素ポリマーブロック(b2)は、上記不飽和脂肪族炭化水素モノマーの1種からなるホモポリマーブロックであってもよいし、2種以上の不飽和脂肪族炭化水素モノマーからなるランダムコポリマーブロックであってもよい。ソフトセグメントとしては、共役ジエンのポリマーブロック又はその水素添加ブロックが好ましい。
脂肪族炭化水素ポリマーブロックの水添ブロックとは、ジエン及び/又は共役ジエンのポリマーブロック中の不飽和結合の一部又は全部が水素添加されることにより形成されるものである。例えば、ポリブタジエンブロックは水素添加により、エチレン・ブチレンポリマーブロックやブタジエン・ブチレンポリマーブロック等になる。また、ポリイソプレンブロックは、水素添加により、エチレン・プロピレンポリマーブロック等になる。水素添加は公知の方法で行うことができ、特定のビニル結合部分を選択的に水素添加したものであってもよい。
本発明で用いられるブロック共重合体(B)は、上記ビニル芳香族モノマーのポリマーブロック(b1)と不飽和炭化水素化合物のポリマーブロック(b2)とが結合したもので、ブロック構造は特に限定せず、例えば、ラジアルテレブロックコポリマー、マルチブロックコポリマー、バイモダルコポリマー、テーパーブロックコポリマーなどが挙げられる。
ブロック共重合体(B)におけるビニル芳香族構成単位(ポリマーブロックb1)の含有率は、通常5〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは10〜35重量%である。ビニル芳香族構成単位の含有率が適度に大きい場合、EVOH樹脂(A)との屈折率の差が小さくなり、透明性が向上する傾向がある。しかし、ビニル芳香族構成単位の含有率が大きすぎる場合、ブロック共重合体(B)自体の柔軟性が低下し、樹脂組成物の耐屈曲性改善効果が得られにくくなるという傾向がある。ビニル芳香族構成単位の含有率が小さい方が耐屈曲性が優れる傾向にあるが、逆に小さくなりすぎると、フィルムの透明性が低下し、またEVOH樹脂(A)との相溶性が低下して、ひいては耐屈曲性改善効果が得られにくくなる。
また、ブロック共重合体(B)における、不飽和炭化水素化合物重合体ブロック及び/又はその水添ブロック(ポリマーブロックb2)の含有率は、通常50〜95重量%であり、好ましくは60〜90重量%、より好ましくは65〜90重量%である。
また、上記ポリマーブロック(b1)及び(b2)は、それぞれ必要に応じて他の共重合性モノマーを共重合したランダムコポリマーブロックであってもよい。他の共重合モノマーとは、例えばエチレンやプロピレン等の炭素数2〜3の不飽和炭化水素等である。
ただし、他の共重合性モノマーを含む場合、各ポリマーブロックにおける他の共重合性モノマーの含有率は、各ポリマーブロック重量の10重量%以下とすることが好ましく、5重量%以下とすることがより好ましい。
以上のような構成を有するブロック共重合体(B)の具体例としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、SBSの水素添加ブロック共重合体(SEBS)、SISの水素添加ブロック共重合体(SEPS)、SBSのブタジエンブロックのビニル結合部分を水素添加したブロック共重合体(SBBS)、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−結晶ポリオレフィンブロック共重合体(SEBC)などが挙げられる。これらのうち、熱安定性、耐候性で優れているSEBSが好ましく用いられる。SEBSは、ポリブタジエンブロックが水素添加によりエチレン・ブチレンのコポリマーブロックとなっている。
また、ブロック共重合体(B)のメルトフローレート(MFR)においては、230℃、荷重2160g条件下で、通常0.01〜200g/10分であり、好ましくは0.1〜100g/10分であり、好ましくは1〜50g/10分であり、特に好ましくは3〜15g/10分である。
EVOH樹脂(A)の溶融粘度とブロック共重合体(B)との溶融粘度が近い程、溶融混練が容易になり、ブロック共重合体(B)がEVOH樹脂中に均一に分散した樹脂組成物が得られやすく、ひいては耐屈曲性、透明性に優れた樹脂組成物が得られやすい。具体的には、230℃、荷重2160g条件下で測定したMFR比(EVOH樹脂(A)/ブロック共重合体(B))が、通常0.1〜10、好ましくは0.5〜4、より好ましくは0.7〜3である。
このようなブロック共重合体(B)としては、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、JSR社製の「ダイナロン」、「JSR−TR」、「JSR−SIS」;クラレ社製の「セプトン」、「ハイプラー」;日本ゼオン社製の「クインタック」、旭化成社製の「タフテック」「タフプレン」;クレイトンポリマー社製の「KratonG」「KratonD」「Cariflex TR」;電気化学社製の「電化STR」;日本エラストマー社製の「アサプレンT」等が挙げられる。
〔極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)〕
本発明で用いられる極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)は、芳香族ビニルモノマー単位からなるポリマーブロック(c1)と、不飽和炭化水素化合物を重合してなるポリマーブロック又はその水素添加ブロック(c2)とを有するブロック共重合体であり、さらに極性基を有するブロック共重合体である。
かかる極性基とは、例えば具体的には、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシル基、水酸基、アミド基、エポキシ基などが挙げられる。前記カルボキシル基には、カルボキシル基の誘導体である酸無水物基も含まれる。(本発明においては、かかる極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)を、「変性ブロック共重合体(C)」と称することがある。)
変性ブロック共重合体(C)は、EVOH樹脂(A)と適度な反応性を有することが好ましく、この点から、カルボキシル基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の極性基を有する変性ブロック共重合体(C)が好ましく、より好ましくはカルボキシル基を有する変性ブロック共重合体(C)である。
変性ブロック共重合体(C)のブロック共重合体を構成する芳香族ビニルのポリマーブロックに用いられる芳香族ビニル、不飽和炭化水素化合物のポリマーブロックに用いられる不飽和炭化水素化合物としては、上記ブロック共重合体(B)で用いたものを使用することができる。
変性ブロック共重合体(C)のブロック共重合体と、ブロック共重合体(B)の各ポリマーブロックのモノマー構成(すなわちb1とc1、b2とc2)やブロック構造は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
極性基を有する変性ブロック共重合体(C)は、極性基である水酸基を有するEVOH樹脂(A)との親和性を有する。一方、変性ブロック共重合体(C)のブロック共重合体部分がブロック共重合体(B)と親和性を有することから、変性ブロック共重合体(C)は、EVOH樹脂(A)とブロック共重合体(B)の相溶化剤としての役割を果たすことができる。
カルボキシル基変性の場合、変性に用いられる化合物としては、不飽和カルボン酸又はその誘導体が挙げられ、例えば具体的には、α,β−不飽和カルボン酸やα,β−不飽和カルボン酸無水物が好ましく、例えば具体的には、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート等のα,β−不飽和モノカルボン酸エステル;無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物などを挙げることができる。
アミノ基変性の場合、変性に用いられる化合物としては、3−リチオ−1−〔N,N−ビス(トリメチルシリル)〕アミノプロパン、2−リチオ−1−〔N,N−ビス(トリメチルシリル)〕アミノエタン、3−リチオ−2,2−ジメチル−1−〔N,N−ビス(トリメチルシリル)〕アミノプロパン等が挙げられ、例えば不飽和アミン又はその誘導体としては、ビニルアミン等が挙げられる。
アルコキシル基変性の場合、変性に用いられる化合物としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン等のアルコキシシランが挙げられ、例えば不飽和アルコキシド又はその誘導体としては、具体的にはメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
水酸基変性の場合、変性に用いられる化合物としては、例えば不飽和アルコール又はその誘導体が挙げられ、例えば具体的には3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール等が挙げられる。
アミド基変性の場合、変性に用いられる化合物としては、例えば不飽和アミド又はその誘導体が挙げられ、例えば具体的にはN−ビニルホルムアミド 、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
エポキシ基変性の場合、変性に用いられる化合物としては、例えば不飽和エポキシド又はその誘導体が挙げられ、例えばビニルエポキシド等が挙げられる。
以上のような極性基含有化合物を用いる変性は、例えば、上記ブロック共重合体の構成モノマーの一部を極性基含有化合物に代えて共重合する方法、側鎖の一部に極性基含有化合物をラジカル付加等で導入する方法、あるいは上記ブロック共重合体を後変性する方法等により行われる。
変性ブロック共重合体(C)における上記極性基の含有量は、通常1.0×10-3〜1ミリモル/g、好ましくは5.0×10-3〜0.5ミリモル/g、より好ましくは1.0×10-2〜0.2ミリモル/g、更に好ましくは1.0×10-2〜0.1ミリモル/gである。極性基含有量が多くなりすぎると、EVOH樹脂との親和性が高くなりすぎて、高重合度化物が発生しやすくなり、樹脂組成物のMFRが低下して成形加工性が不足しやすい傾向にある。また、樹脂組成物内で粘度の偏りが発生し、樹脂組成物をフィルムとしたときにスジが発生しやすくなり、耐屈曲性が低下する傾向にある。
特に変性ブロック共重合体(C)がカルボキシル基を有するものである場合、該カルボキシル基の含有量は、滴定法で測定した酸価が通常20mgCH3ONa/g以下であり、好ましくは1〜15mgCH3ONa/g、更に好ましくは1〜5mgCH3ONa/gである。
かかる酸価が高すぎると、EVOH樹脂との反応点が多くなるため、高重合度化物が発生しやすくなり、樹脂組成物のMFRが低下して成形加工性が不足しやすい傾向にある。また、高重合度化物が発生することで、樹脂組成物内で粘度の偏りが発生し、樹脂組成物をフィルムとしたときにスジが発生しやすくなり、耐屈曲性が低下する傾向がある。
また、変性ブロック共重合体(C)のメルトフローレート(MFR)においては、230℃、荷重2160g条件下で、通常0.01〜200g/10分であり、好ましくは0.1〜100g/10分であり、好ましくは1〜50g/10分であり、より好ましくは2〜15g/10分である。
EVOH樹脂(A)の溶融粘度と変性ブロック共重合体(C)との溶融粘度が近いほど、溶融混練が容易になり、耐屈曲性、透明性に優れた樹脂組成物が得られやすい。具体的には、230℃、荷重2160g条件下で測定したMFR比(EVOH樹脂(A)/変性ブロック共重合体(C))が、通常0.1〜10、好ましくは0.5〜4.0、より好ましくは0.7〜3.0である。
また、ブロック共重合体(B)の溶融粘度と変性ブロック共重合体(C)との溶融粘度比は例えば具体的には、230℃、荷重2160g条件下で測定したMFR比(ブロック共重合体(B)/変性ブロック共重合体(C))が、通常0.1〜10、好ましくは0.5〜4.0、より好ましくは0.7〜3.0である。
かかる変性ブロック共重合体(C)としては市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば旭化成社製の「タフテック」Mシリーズ、クレイトンポリマー社の「Kraton」FGシリーズ、JSR社製の「f−ダイナロン」シリーズが挙げられる。
〔炭化水素系樹脂(D)〕
本発明で用いるD成分たる炭化水素系樹脂は、分散助剤として添加されるもので、炭化水素系の数平均分子量が100から3000で且つ軟化点が60℃以上170℃未満の炭化水素系樹脂である(以下、単に「炭化水素系樹脂(D)」ということがある)。このような炭化水素系樹脂は、通常、常温で液体又は固体の熱可塑性樹脂に属する。
D成分としては、具体的には、ロジン系樹脂(ロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等の変性ロジン、変性ロジンのグリセリンエステルやペンタエリスリトールエステル等のロジンエステル等)やテルペン系樹脂(テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂)等の天然炭化水素樹脂;石油樹脂、クマロンインデン樹脂、フェノール系樹脂(アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、等)、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂等の合成炭化水素樹脂が挙げられる。
上記石油樹脂とは、石油ナフサ等の熱分解により副生する不飽和炭化水素モノマーを含有する留分を重合したものを意味し、具体的には、脂肪族系石油樹脂(C5系石油樹脂)、芳香族系石油樹脂(C9系石油樹脂)、脂肪族/芳香族系石油樹脂(C5/C9系石油樹脂)、脂環族系石油樹脂(水添系石油樹脂)に分類される。
脂肪族系石油樹脂(C5系石油樹脂)とは、石油ナフサ分解油のC5留分の精製成分を重合して得られた合成樹脂であり、具体例としては、クイントン100シリーズ(日本ゼオン社製)、エスコレッツ1000シリーズ(エクソンモービル社製)などが挙げられる。
芳香族系石油樹脂(C9系石油樹脂)とは、石油ナフサ分解油のC9留分の精製成分を重合して得られた合成樹脂であり、具体例としては、ペトコール(東ソー社製)、日石ネオポリマー(新日本石油社製)などが挙げられる。
脂肪族/芳香族系石油樹脂(C5/C9系石油樹脂)とは、上記C5留分とC9留分をブレンドした原料を共重合して得られた合成樹脂であり、具体例としては、ペトロタック(東ソー社製)、トーホーハイレジン(東邦化学工業社製)、クイントン100シリーズ(日本ゼオン社製)、エスコレッツ2000シリーズ(エクソンモービル社製)などが挙げられる。
脂環族系石油樹脂には、上記の芳香族系石油樹脂、または脂肪族/芳香族系石油樹脂を水素添加して得られた水添系石油樹脂およびC5留分から抽出されたジシクロペンタジエンを主原料に合成して得られた合成樹脂がある。
中でも上記の芳香族系石油樹脂、または脂肪族/芳香族系石油樹脂を水素添加して得られた水添系石油樹脂が代表的であり、具体例としては、アルコン(荒川化学工業社製)、アイマーブ(出光興産社製)、エスコレッツ5000シリーズ(エクソンモービル社製)などが挙げられる。 かかる水添系石油樹脂の場合には、水添率によって樹脂の極性が異なり、主に水添率90%以上の完全水添型と水添率90%未満の部分水添型に2種類に分類される。前者の具体例としては、アルコンPグレード(荒川化学工業社製)、アイマーブPタイプ(出光興産社製)などが挙げられ、後者の具体例としては、アルコンMグレード(荒川化学工業社製)、アイマーブSタイプ(出光興産社製)などが挙げられる。
また、水素添加以外の方法で得られる脂環族系石油樹脂としてはC5留分から抽出されたジシクロペンタジエンを主原料に合成して得られた合成樹脂の具体例としては、クイントン1000シリーズ(日本ゼオン社製),マルカレッツMシリーズ(丸善石油化学製)が挙げられる。
本発明においては、樹脂組成物の透明性や色調などの外観や無臭性を向上させる点で、石油樹脂を用いることが好ましく、さらには脂環族系石油樹脂を用いることが好ましく、特には水添系石油樹脂を用いることが好ましい。
また、水添系石油樹脂の水添率については、特に限定されないが、極性が低いSEBS、SEPSなどの水添されたブロック共重合体(B)との親和性を考慮すると、完全水添型の水添系石油樹脂を用いることが好ましい。
D成分の数平均分子量としては、通常100〜3000、好ましくは300以上1500未満、特に好ましくは400以上1000未満である。数平均分子量が小さすぎる場合、溶融混合の際に原料投入部で液体になりやすく、特に粘度が低い液体になると、混合不良をおこしやすくなり、分散不良によってフィルム透明性が低下するおそれや、D成分が成形品から溶出しやすくなるおそれがある。また、数平均分子量が大きすぎる場合、溶融混練時に流体としてB成分の凝集体内に侵入しにくくなる傾向があり、親油性というD成分の特性から、EVOH樹脂と分離しやすくなり、ひいては成形品において、目ヤニやスジなど外観不良の原因となるおそれがある。
上記数平均分子量は、ゲルバーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定で得られるポリスチレン換算値により算出することができる。
D成分の軟化点としては、通常60℃以上170℃未満、好ましくは95℃以上160℃未満、特に好ましくは120℃以上150℃未満である。軟化点が低すぎる場合、溶融混合の際に原料投入部で粘度の低い液状になりやすく、D成分の分散助剤としての役割を十分に果たせない。ひいては、B成分の分散不良によって、耐屈曲性、透明性の改善効果が十分得られにくい。また、D成分が成形品から溶出しやすくなるといった問題も生じやすい。軟化点が高すぎる場合は、溶融混合の際にD成分の未溶融部分が残存して、分散助剤としての機能が低下し、十分な耐屈曲性や透明性が得られないおそれがあり、さらには残存した未溶融部分によってフィルム成形物にフィッシュアイなどの異物が発生するおそれがある。
なお、軟化点の測定方法としては、JIS K2207(環球法)に準拠した方法を用いることができる。
D成分の色相としては、ガードナーナンバーが通常3以下好ましくは2以下、特に好ましくは1以下である。ガードナーナンバーが3を超えると、樹脂組成物の黄色度が強くなり外観特性が低下する恐れがある。
また、水添系石油樹脂の場合には、ハーゼンナンバーが通常200以下好ましくは150以下、特に好ましくは100以下である。ハーゼンナンバーが200以下のものを用いると、外観特性に優れた無色透明な樹脂組成物を得ることができる。
なお、色相の測定方法としては、JIS K0071−1(ハーゼンナンバー)、JIS K0071−2(ガードナーナンバー)に準拠した方法を用いることができる。
D成分の常温での形態としては、例えば粉末状、塊状、フレーク状、ペレット状(粒状)、液状などが挙げられるが、特に限定しない。混合時の作業性や計量性の観点からは、フレーク状、ペレット状が好ましく、特にペレット状が好ましい。
以上のようなD成分は、B成分がEVOH樹脂の海中に微分散化できるように作用するという効果だけでなく、溶融成形時には液体化しているので、溶融時における組成物の粘度を減少(MFR値を増加)させることも可能となる。このことは、以下のような効果をもたらすと考えられる。すなわち、C成分である極性基変性ビニル系ポリマーに用いた極性基含有化合物、特にカルボキシル基とEVOH樹脂中の水酸基とは反応可能であるため、溶融混練過程において、両官能基が反応し、高重合度化物が生成される場合がある。この高重合度化物の生成によって溶融粘度が増加して、押出機内でのせん断発熱が発生しやすくなり、高重合度化物がさらに増加して、フィルム成形物においてスジやフィッシュアイなどの外観不良などを招くおそれがある。しかしながら、D成分の配合により溶融時の組成物の粘度を減少させることが可能になると、せん断発熱の抑制、高重合度化物の生成が抑制され、ひいては品質改善の観点でも有効に寄与できると考えられる。
本発明で用いられる無機微粒子(E)は、特に限定されないが、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化モリブデンおよびこれらの複合体等を挙げることができ、これらの中から少なくとも1種以上を選ぶことができる。また、これら無機微粒子の粒子径は0.1〜10μmが好ましく、更には0.5〜5μmが好ましく、かかる粒子径が0.1μm未満では耐ブロッキング性の改善効果に乏しく、逆に10μmを越えると成形物中にゲルやフィッシュアイ等が発生して外観不良となって好ましくない。また、上記の無機微粒子の中では、酸化ケイ素(ケイ酸)や酸化ケイ素−酸化マグネシウム(ケイ酸マグネシウム)を用いることがEVOH樹脂との相溶性の点で好ましい。
〔配合比率〕
本発明の特徴の一つは、上記(A)〜(E)成分が特定割合で配合されている点であり、特にEVOH樹脂(A)がマトリックスとして存在することが重要である。
EVOH樹脂は主成分であり、その樹脂組成物全体における含有率は通常60〜99重
量%であり、好ましくは65〜90重量%、より好ましくは65〜85重量%、さらに好
ましくは70〜80重量%である。
EVOH樹脂(A)に対する(B)成分と(C)成分の和の総量は、重量比率(A)/〔(B)+(C)〕として通常50/50より大きく99/1以下、好ましくは60/40〜90/10、特に好ましくは70/30〜85/15である。
また、本発明の樹脂組成物の総重量に対する、ブロック共重合体(B)および変性ブロック共重合体(C)が有する芳香族ビニル部位の総含有量は、通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは2〜20重量%、殊に好ましくは2〜15重量%である。
本発明の樹脂組成物において、EVOH樹脂(A)とブロック共重合体(B)との重量比率(A/B)が通常70/30〜99/1、好ましくは70/30〜85/15、より好ましくは75/25〜85/15である。EVOH樹脂(A)を主成分とし、ブロック共重合体(B)の2倍以上の比率で配合することにより、EVOH樹脂(A)がマトリックスとして存在するとともに、EVOH樹脂(A)が本来有するガスバリア性を保持することができる。
ブロック共重合体(B)に対する変性ブロック共重合体(C)の重量比率(C/B)は、変性ブロック共重合体(C)の変性率にもよるが、通常0.01〜10であり、好ましくは0.01〜1であり、より好ましくは0.05〜0.8、更に好ましくは0.1〜0.5であり、特に好ましくは0.1〜0.25、殊に好ましくは0.12〜0.23である。
本発明の樹脂組成物では、変性ブロック共重合体(C)を、EVOH樹脂(A)とブロック共重合体(B)との相溶化剤として用いており、配合比率を上記のように調節することにより、マトリックスであるEVOH樹脂(A)中にブロック共重合体(B)の小さな島を全体にわたって多数分散させることが可能となる。
かかる配合比率(C/B)が低くなりすぎると、EVOH樹脂(A)成分とブロック共重合体(B)成分間との相溶性が不足することによって、主成分であるEVOH樹脂(A)成分マトリックスの連続層形成が不完全となり、フィルム靱性不足による耐屈曲性低下やEVOH樹脂連続層の欠陥によるガスバリア性低下を生ずる恐れがある。
かかる配合比率(C/B)が高くなりすぎると、耐屈曲性の改善効果が得られにくい反面、EVOH樹脂(A)と変性ブロック共重合体(C)の親和性が高くなることによって高重合度化物が発生しやすくなり、樹脂組成物のMFRが低下して成形加工性が低下しやすい傾向がある。また、高重合度化物の発生は、樹脂組成物内での粘度の偏りの原因となり、成形により得られるフィルムにスジが発生しやすくなり、結果として耐屈曲性改善効果を損なう
傾向がある。さらに、樹脂組成物が黄色に着色しやすくなる原因ともなる。
また、本発明においては(A)成分、(B)成分、(C)成分が存在する系に対して(D)成分、(E)成分を特定少量配合することも特徴の一つである。
(D)成分の含有量は、(A)〜(D)成分の合計量に対して、通常0.5〜7.5重量%、好ましくは1〜6重量%であり、より好ましくは2〜5重量%である。分散助剤たるD成分の配合量が少なすぎる場合、(D)の配合効果が得られにくくなる。一方、多すぎる場合、過剰な炭化水素系樹脂(D)が排斥されることで、フィルムスジ、目ヤニなどの外観不良が発生するおそれがある。
(E)成分の含有量は、(A)〜(E)成分の合計量に対して、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.05〜1重量%である。E成分の配合量が少なすぎる場合、耐ブロッキング性の効果が得られにくくなる。一方、多すぎる場合、柔軟性が低下するおそれがある。
以上のような配合比率で配合した本発明の樹脂組成物は、EVOH樹脂(A)をマトリックスとして、ブロック共重合体(B)が均一に分散されており、溶融成形性に優れている。具体的には、210℃、2160gにおけるメルトフローレート(MFR)が、通常0.5〜30g/10分であり、好ましくは2〜20g/10分であり、特に好ましくは2.5〜15g/10分であり、殊に好ましくは3.0〜5g/10分である。樹脂組成物としてのMFRが上記範囲となることにより、押出機に供給した場合に、溶融成型に適した吐出量となり、スジの発生が少ない、外観的にも優れたフィルムを得ることができる。
〔その他の成分〕
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲(例えば樹脂組成物の2重量%以下)にて、上記EVOH樹脂(A)、ブロック共重合体(B)、変性ブロック共重合体(C)の他に、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤等の添加剤を適宜含有してもよい。
〔樹脂組成物の調製及びその成形品(単層フィルム)〕
本発明の樹脂組成物は、以上のような成分を混合することによって調製できる。かかる混合方法としては、ドライブレンド、溶融混合法、溶液混合法等が挙げられる。生産性の点からは溶融混合法が好ましい。
溶融混合方法としては、各成分をドライブレンドした後に溶融して混合する方法や、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、プラストミルなどの公知の混練装置を使用して行うことができるが、通常は単軸又は二軸の押出機を用いることが工業上好ましく、また、必要に応じて、ベント吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置等を設けることも好ましい。
溶融混練温度としては、通常、押出機及びダイの設定温度として170〜250℃の範囲であり、好ましくは180〜240℃、特に好ましくは180〜230℃である。かかる温度が低すぎた場合には、樹脂が未溶融状態となり、加工状態が不安定になる傾向があり、高すぎた場合には、樹脂組成物が熱劣化して、得られる成形品の品質が低下する傾向にある。
以上のような組成を有する本発明の樹脂組成物は、EVOH樹脂(A)が本来有するガスバリア性を保持しつつ、しかも耐屈曲性に優れている。具体的には、厚み30μmのフィルムでの酸素ガス透過量は、23℃、65%RHにて、通常10cc/m2・day・atm以下であり、ゲルボフレックステスターで500回捻じっても、面積476cm2中のピンホールの発生量を通常10個以下、MFR(210℃、2160g)を通常0.5〜30g/10分にすることが可能である。
つまり、本発明でいう耐屈曲性とは、衝撃のような瞬間的外力に対する耐性ではなく、長時間をかけて徐々に蓄積される疲労に対する耐性である。このような耐性は、1つは、屈曲によって生じるエネルギーを吸収して、蓄積される疲労を軽減することにより得られるものである。
本発明の樹脂組成物では柔軟成分であるブロック共重合体(B)が、疲労吸収の役割を果たしており、さらに極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)と、数平均分子量100〜3000であり且つ60℃以上170℃未満の軟化点を有している炭化水素系樹脂(D)を併用することにより、(B)成分が均一かつ微細に分散することでさらにガスバリア性、成形加工性、透明性に優れるという効果が得られると考えられる。
<多層構造体>
本発明の多層構造体は、上記本発明の樹脂組成物からなる層(以下、単に「樹脂組成物層」という)を少なくとも1層有する多層構造体である。
本発明の多層構造体を構成する樹脂組成物層以外の層を構成する樹脂としては、特に限定しないが、EVOH樹脂以外の熱可塑性樹脂が挙げられる。例えば具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、環状ポリオレフィン、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したもの等の広義のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂で構成される層が挙げられる。これらの樹脂の他に、紙、金属箔、1軸又は2軸延伸プラスチックフイルム又はシート、織布、不織布、金属綿条、木質面、アルミやシリカ蒸着と組み合わせた多層構造体であってもよい。中でも機械的強度や成形加工性の点で、好ましくはポリオレフィン系樹脂であり、特に好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンである。
これらのうち、水のバリア性に優れた熱可塑性樹脂層を外表面層として、樹脂組成物層を中間層とする構成の多層構造体が、ガスバリア性を有する包装フィルム、包装容器用途として好ましく用いられる。かかる水のバリア性に優れた熱可塑性樹脂として好ましくはポリオレフィン系樹脂であり、特に好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンである。
該多層構造体の製造方法としては、樹脂組成物を溶融した状態で成形する方法(溶融成形法)と、樹脂組成物を溶媒に溶解して成形する方法(例えば溶液コート法)等に大別される。中でも生産性の観点から、溶融成形法が好ましい。
具体的には、例えば、EVOH樹脂組成物の成形品(例えばフィルムやシート)に熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、熱可塑性樹脂等の基材に樹脂組成物層を溶融押出する方法、樹脂組成物層と熱可塑性樹脂層とを共押出する方法が挙げられ、詳細にはT−ダイ押出、インフレーション押出、ブロー成形、異型押出等が採用される。
さらには、EVOH樹脂組成物フィルムと熱可塑性樹脂フィルム等の基材とを、有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエチレンイミン系化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン系化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法、接着性樹脂層を介層させてラミネートする方法等が採用される。
また、場合によっては共射出法も採用可能である。
接着性樹脂層を構成する接着性樹脂としては特に限定されず、種々のものを使用することができるが、一般的には、不飽和カルボン酸またはその無水物をオレフィン系重合体(前述の広義のポリオレフィン系樹脂)に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られるカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体を挙げることができ、具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物が好適なものとして挙げられる。
以上のように、本発明の多層構造体は、本発明に係る樹脂組成物層を少なくとも1層含むものであればよく、その構成は特に限定しないが、水分による樹脂組成物のガスバリア性能の低下を防ぐ目的で、樹脂組成物層が中間層であることが好ましい。
多層構造体の層構成は、樹脂組成物層をa(a1、a2、・・・)、EVOH樹脂以外の熱可塑性樹脂層をb(b1、b2、・・・)とするとき、通常3〜20層、好ましくは3〜15層、特に好ましくは3〜10層である。例えば具体的には、b/a/b、a/b/a、a1/a2/b、a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2、b2/b1/a/b1/a/b1/b2等任意の組み合わせが可能である。
また、該多層構造体を製造する過程で発生する端部や不良品等を再溶融成形して得られる、樹脂組成物とEVOH樹脂以外の熱可塑性樹脂の混合物を含むリサイクル層をRとするとき、b/a/R、R/b/a、b/R/a/b、b/R/a/R/b、b/a/R/a/b、b/R/a/R/a/R/b等とすることも可能である。
さらに上記した多層構造体の層間には公知の接着性樹脂を用いても良い。
中でも、樹脂組成物層のガスバリア性能の低下防止のために、樹脂組成物層への水分の透過を防止できるように、樹脂組成物層が中間層となるような多層構造が最も好ましい。例えば、具体的には、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/樹脂組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層を構成単位とする多層構造体が最も好ましい。
本発明の多層構造体の厚みは、通常1〜1500μm、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜700μmである。また、多層構造体中の熱可塑性樹脂層の厚みは、特に限定しないが、通常0.1〜1000μm、1〜500μmが好ましい。樹脂組成物層の厚みは、特に限定しないが、通常0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmである。接着性樹脂層の厚みは、特に限定しないが、通常0.1〜250μm、好ましくは0.1〜100μmである。
また、熱可塑性樹脂層/樹脂組成物層の厚み比は、各層が複数ある場合は、最も厚みの厚い層同士の比で、通常1超〜30であり、好ましくは2〜30であり、接着性樹脂層/樹脂組成物層の厚み比は、通常0.1〜2であり、好ましくは0.1〜1である。
本発明の多層構造体は、上記のように、他の熱可塑性樹脂や基材と積層しただけの多層構造体であるが、延伸処理されていてもよい。
延伸については、公知の延伸方法を用いることができる。例えば、一軸延伸、二軸延伸等が挙げられる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は、多層構造体の温度(多層構造体近傍温度)で、通常40〜170℃、好ましくは60〜160℃程度の範囲から選ばれる。延伸倍率は、面積比にて、通常2〜50倍、好ましくは2〜20倍である。さらに、延伸処理後に、熱固定を行ってもよい。これにより、延伸フィルムの寸法安定性を向上させることができる。熱固定は周知の手段で実施可能であり、例えば、上記延伸フィルムの緊張状態を保ちながら通常80〜180℃、好ましくは100〜165℃で通常2〜600秒間程度、加熱することにより行う。
かくして得られた本発明の多層構造体は、例えばチューブ状や袋状などの形態に加工され、みりん、醤油、ソース、麺つゆ、食用油等の食品、ワイン、ジュース、牛乳、ミネラルウォーター、日本酒、焼酎、コーヒー、紅茶等の飲料、医薬品、化粧品、次亜塩素酸ソーダ、現像液、バッテリー液等の工業用薬品、液体肥料等の農薬、洗剤等各種の液体の包装材料として広範囲の用途に使用することが可能である。なかでも液体容器として袋状の容器として用いることが好ましく、特にはバッグインボックス用バッグに用いることが好ましい。
該バッグインボックスとは、折り畳み可能なプラスチックの薄肉内容器と、積み重ね性、持ち運び性、内容器保護性、印刷適性を有する外装箱(バッグインボックス)とを組み合わせた容器のことである。
外装の基材としては紙やダンボールの他にプラスチックや金属であってもよく、形状についても例えばボックスやカートン(正方形、直方体)、ドラム(円柱)が挙げられる。
また、場合によっては、本発明の多層構造体からカップやトレイ状の多層容器を得ることも可能である。その場合は、通常絞り成形法が採用され、具体的には真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法、プラグアシスト式真空圧空成形法等が挙げられる。更に多層パリソン(ブロー前の中空管状の予備成形物)からチューブやボトル状の多層容器を得る場合はブロー成形法が採用され、具体的には押出ブロー成形法(双頭式、金型移動式、パリソンシフト式、ロータリー式、アキュムレーター式、水平パリソン式等)、コールドパリソン式ブロー成形法、射出ブロー成形法、二軸延伸ブロー成形法(押出式コールドパリソン二軸延伸ブロー成形法、射出式コールドパリソン二軸延伸ブロー成形法、射出成形インライン式二軸延伸ブロー成形法等)などが挙げられる。得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例の記載に限定されるものではない。
尚、実施例中「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1
[樹脂組成物ペレット及びフィルムの製造]
(EVOH樹脂組成物1)
EVOH樹脂(A)として、EVOH(エチレン含有率29モル%、ケン化度=99.6モル%、MFR=4g/10分(210℃、2160g)である日本合成化学社製ソアノール『DT2904RB』)を用いた。
ブロック共重合体(B)として、SEBS(スチレン含有量 30 重量% 、MFR = 5 (230℃、2160g)、旭化成ケミカルズ社製タフテック『H1041』)を用い、及び変性ブロック共重合体(C)として、変性SEBS(スチレン含有量 30 重量% 、MFR = 4.5 (230℃、2160g)、極性基変性量1.9×10-2 ( ミリモル/g )、旭化成ケミカルズ社製タフテック『M1911』を用いた。SEBSとは、SBSの水素添加ブロック共重合体である。
また、変性SEBSは、SEBSにおいて極性基としてカルボキシル基を含有するものである。
数平均分子量100〜3000であり且つ60℃以上170℃未満の軟化点を有している炭化水素系樹脂(D)として、炭化水素系樹脂(軟化点125℃、ハーゼンナンバー30、数平均分子量 750、荒川化学工業社製 『アルコンP125』)を用いた。軟化点はJIS K2207(環球法)に準拠した測定値であり、ハーゼンナンバーはJIS K0071−1に準拠した測定値であり、ガードナーナンバーはJIS K0071−2に準拠した測定値であり、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定で得られるポリスチレン換算値である。炭化水素系樹脂(D)は、荒川化学工業株式会社製の「アルコン」、及び日本ゼオン株式会社製の「クイントン」1000シリーズを用いた。
EVOH樹脂 75部、SEBS 19部、変性SEBS 3部、炭化水素系樹脂 3部をドライブレンドし、得られた樹脂組成物を下記条件で溶融混練してストランド状に押し出し、ペレタイザーでカットして、円柱形ペレットのEVOH樹脂組成物1を得た。
押出機:直径(D)30mm、二軸押出機、L/D=42
スクリーンパック:90/90メッシュ
スクリュ回転数 :160rpm
設定温度:C1/C2/C3/C4/C5/C6−D=150/200/220/220/220/220
−℃
(EVOH樹脂組成物2)
EVOH樹脂(A)として、EVOH(エチレン含有率29モル%、ケン化度=99.6モル%、MFR=6g/10分(210℃、2160g)である日本合成化学社製ソアノール『AT4406EB』)を用いた。
無機微粒子(E)として、板状含水ケイ酸マグネシウム(二酸化ケイ素―酸化マグネシウム主成分、平均粒子径1.4μm、林化成社製、『ミセルトン』)を用いた。
EVOH樹脂 96.7部、板状含水ケイ酸マグネシウム 2.3部、滑剤としてエチレンビスステアリン酸アミド『日本油脂社製『アルフローH50FP』) 1.0部をドライブレンドし、得られた樹脂組成物を下記条件で溶融混練してストランド状に押し出し、ペレタイザーでカットして、円柱形ペレットのEVOH樹脂組成物2を得た。
押出機:直径(D)30mm、二軸押出機、L/D=42
スクリーンパック:90/90メッシュ
スクリュ回転数 :130rpm
設定温度:C1/C2/C3/C4/C5/C6−D=180/200/210/210/210/210−℃
EVOH樹脂組成物1を90部、EVOH樹脂組成物2を10部の割合でドライブレンドして、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を、下記条件で製膜(厚み30μm)した。
押出機:直径(D)40mm、L/D=28
スクリュ:フルフライトタイプ、圧縮比:3.5
スクリーンパック:90/120/90メッシュ
ダイ:幅450mm、コートハンガータイプ
設定温度:C1/C2/C3/C4/A/D=180/200/220/220/220/220℃
スクリュ回転数:10 rpm
引取り速度: 3 m/min
ロール温度:80 ℃
樹脂組成物から得られたフィルムについて、下記評価方法に基づいて、耐ブロッキング性、耐屈曲性を評価した。
〔測定評価方法〕
(1)耐ブロッキング性
調整した樹脂組成物で作製した厚み30μmの単層フィルムについて、20℃、50%RH条件下で、島津製作所社製オートグラフを用いて、JIS K7312に準じて摩擦係数を測定した。
(2)耐屈曲性
調整した樹脂組成物で作製した乾燥状態でA4サイズ、厚み30μmの単層フィルムについて、23℃、50%RHの条件下で、理学工業社のゲルボフレックステスターを用いて、捻じり試験を行った。なお、かかるゲルボフレックステスターの条件は、捻り:440°,3.5インチ、水平方向:2.5インチである。
上記捻じり試験を500回(40サイクル/分)加えた後、該単層フィルムの中央部28cm×17cmあたりのピンホール発生数を数えた。かかるテストを5回試行し、ピンホールの発生状況(発生個数)を目視観察して以下の通り評価した。
○ ―――発生個数の平均値が0〜5個未満
× ―――発生個数の平均値が5個以上
実施例2 実施例1において、EVOH樹脂組成物1を80部、EVOH樹脂組成物2を20部とした以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を作製し、同様に評価した。
比較例1 実施例1において、EVOH樹脂組成物1を100部とした以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を作製し、同様に評価した。
実施例及び比較例の評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 2013127018
実施例1にて得られた樹脂組成物は、比較例1と同様に優れた耐屈曲性を保持していた。また、比較例1よりも耐ブロッキング性に優れていることがわかる。
実施例2は、実施例1に対して、無機微粒子(E)成分の割合を増加したものであるが、かかる樹脂組成物は、実施例1と同等に優れた耐屈曲性を保持していた。また、実施例1よりもさらに耐ブロッキング性に優れていることがわかる。
比較例1は、無機微粒子(E)を配合しなかった比較例である。無機微粒子(E)が共存しない場合には、溶融成形したフィルムの耐ブロッキング性が大幅に劣る結果となった。
本発明の樹脂組成物から得られる成形品は、柔軟性、耐ブロッキング性に優れている為、液体の包装材料として広範囲の用途に非常に有用である。

































Claims (7)

  1. エチレン含有率20〜60モル%のエチレンービニルエステル共重合体ケン化物(A)、極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)、数平均分子量が100〜3000であり、軟化点が60℃以上170℃未満である炭化水素系樹脂(D)、および無機微粒子(E)を含有する樹脂組成物。
  2. 極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)と極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)の合計量に対する、エチレン含有率20〜60モル%のエチレンービニルエステル共重合体ケン化物(A)の含有比(A)/〔(B)+(C)〕が、50/50より大きく、99/1以下(重量)である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)に対する、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)の含有比(C)/(B)が、0.01〜10(重量)である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. エチレン含有率20〜60モル%のエチレンービニルエステル共重合体ケン化物(A)、極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)、及び数平均分子量が100〜3000であり、軟化点が60℃以上170℃未満である炭化水素系樹脂(D)の合計量に対する、数平均分子量が100〜3000であり、軟化点が60℃以上170℃未満である炭化水素系樹脂(D)の含有量が、0.5〜7.5重量%である請求項1〜3いずれかに記載の樹脂組成物。
  5. エチレン含有率20〜60モル%のエチレンービニルエステル共重合体ケン化物(A)、極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマー(B)、極性基を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー(C)、及び数平均分子量が100〜3000であり、軟化点が60℃以上170℃未満である炭化水素系樹脂(D)、無機微粒子(E)の合計量に対する、無機微粒子(E)の含有量が、0.001〜5重量%である請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の樹脂組成物を含有する層を少なくとも一層有する多層構造体。
  7. 請求項1〜5いずれかに記載の樹脂組成物を含有する成形品。


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