JP2007002219A - フイルム - Google Patents

フイルム Download PDF

Info

Publication number
JP2007002219A
JP2007002219A JP2006066312A JP2006066312A JP2007002219A JP 2007002219 A JP2007002219 A JP 2007002219A JP 2006066312 A JP2006066312 A JP 2006066312A JP 2006066312 A JP2006066312 A JP 2006066312A JP 2007002219 A JP2007002219 A JP 2007002219A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
weight
film
styrene
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006066312A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Yokoi
正之 横井
Hiroki Kurio
裕樹 栗生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gunze Ltd filed Critical Gunze Ltd
Priority to JP2006066312A priority Critical patent/JP2007002219A/ja
Publication of JP2007002219A publication Critical patent/JP2007002219A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、ポリ塩化ビニル(PVC)に代替し得る、優れた透明性及び真空成形性を同時に満足し得るフイルム材料を提供する。
【解決手段】(i)ガラス転移温度が40〜60℃でありスチレン比率が70〜90重量%のスチレン系エラストマー樹脂(SE樹脂A)100〜20重量%、及び(ii)ガラス転移温度が30℃以下でありスチレン比率が7〜80重量%のスチレン系エラストマー樹脂(SE樹脂B)0〜80重量%からなるスチレン系エラストマー樹脂組成物を含むフイルムに関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ塩化ビニル(PVC)に代替し得るスチレン系フイルムに関する。
近年、環境問題への関心の高まりから、種々の分野において脱ハロゲン化が技術課題となっている。特にポリ塩化ビニル 系樹脂については、高濃度の可塑剤による汚染や、燃焼時のダイオキシン発生の懸念があり、このため、ポリプロピレン系材料等のポリオレフィン系材料を代替品として用いることが検討されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、軟質ポリ塩化ビニル 系樹脂の持つ、優れた透明性、真空成形性等とを同時に満足するポリオレフィン系材料の開発は難しく、そのような材料の出現が望まれてきた。
特開2000-343654号公報
本発明は、ポリ塩化ビニル(PVC)に代替し得る、優れた透明性と真空成形性等とを同時に満足し得るフイルム材料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ガラス転移温度(Tg)が40〜60℃でありスチレン比率が70〜90重量%のスチレン系エラストマー樹脂100〜20重量%、及び、ガラス転移温度(Tg)が30℃以下でありスチレン比率が7〜80重量%のスチレン系エラストマー樹脂0〜80重量%からなるスチレン系エラストマー樹脂組成物を含むフイルムが、ポリ塩化ビニル(PVC)に匹敵する、優れた透明性、真空成形性等を有することを見出した。かかる知見に基づき、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記のフイルムを提供する。
項1.(i)ガラス転移温度が40〜60℃でありスチレン比率が70〜90重量%のスチレン系エラストマー樹脂(SE樹脂A)100〜20重量%、及び(ii)ガラス転移温度が30℃以下でありスチレン比率が7〜80重量%のスチレン系エラストマー樹脂(SE樹脂B)0〜80重量%からなるスチレン系エラストマー樹脂組成物を含むフイルム。
項2.前記スチレン系エラストマー樹脂組成物全体のスチレン比率が40〜90重量%である項1に記載のフイルム。
項3.前記スチレン系エラストマー樹脂組成物を含む層を少なくとも1層有する多層構成からなる項1又は2に記載のフイルム。
項4.前記フイルム上にさらに粘着剤層を有する項1〜3のいずれかに記載のフイルム。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフイルムは、(i)ガラス転移温度が40〜60℃でありスチレン比率が70〜90重量%のスチレン系エラストマー樹脂(以下、「SE樹脂A」とも呼ぶ)100〜20重量%と、(ii)ガラス転移温度が30℃以下でありスチレン比率が7〜80重量%のスチレン系エラストマー樹脂(以下、「SE樹脂B」とも呼ぶ)0〜80重量%からなるスチレン系エラストマー樹脂組成物(以下、「SE樹脂組成物」とも呼ぶ)を含むフイルムである。つまり、本発明のフイルムは、上記のスチレン系エラストマー樹脂組成物を含む単層或いは2層以上のフイルムである。
本発明のフイルムに含まれるSE樹脂組成物について説明する。該SE樹脂組成物は、SE樹脂A及びSE樹脂Bからなり、これらはスチレン系単量体とジエン系単量体との共重合体の水素添加物(以下、「水添共重合体」とも呼ぶ)からなる。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等があげられ、これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。特にスチレンが好適である。
また、ジエン系単量体は、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。特にブタジエンが好適である。
該水添共重合体は、スチレン系単量体とジエン系単量体とのランダム共重合体の水素添加物(以下、「水添ランダム共重合体」とも呼ぶ)、及び、スチレン系単量体とジエン系単量体とのブロック共重合体の水素添加物(以下、「水添ブロック共重合体」とも呼ぶ)のいずれをも含むものである。
ここで、水添ランダム共重合体の具体例としては、式:−CH(C)CH−で示されるスチレン系単量体単位と、式:−CHCHCHCH−で示されるエチレン単位と、式:−CH(C)CH−で示されるブチレン単位とがランダムに結合している水添ランダム共重合体が挙げられる。
水添ランダム共重合体は、例えば、特開2004−59741号公報に記載の方法により、或いはこれに準じて製造することができる。
また、水添ブロック共重合体としては、該共重合体の一端又は両末端にスチレン系単量体由来のブロックセグメントを有しさらにジエン系単量体由来のブロックセグメントを有するもの、或いはこれらをブレンドしたもの等が挙げられる。
水添ブロック共重合体としては、例えば、該共重合体の一端に、式:−CH(C)CH−で示されるスチレン系単量体由来のブロックセグメントを有し、その中程に、式:−CHCHCHCH−で示されるエチレン単位、及び/又は、式:−CH(C)CH−で示されるブチレン単位を含むブロックセグメントを有し、該共重合体の他端に、式:−CHCHCHCH−で示されるエチレン単位を含むセグメントを有する水添ブロック共重合体が挙げられる。上記の様な水添ブロック共重合体の具体例としては、SEBCが例示される。
他の水添ブロック共重合体として、例えば、該共重合体の両末端に、スチレン系単量体由来のブロックセグメントを有し、その中程に、式:−CHCHCHCH−で示されるエチレン単位、及び/又は、式:−CH(C)CH−で示されるブチレン単位を含むブロックセグメントを有する水添ブロック共重合体が挙げられる。上記の様な水添ブロック共重合体の具体例としては、SEBSが例示される。
かかる水添共重合体のうち、柔軟性、透明性等の点から、水添ランダム共重合体が好適である。
SE樹脂Aは、かかる水添共重合体であって、スチレン系単量体単位の含有量(スチレン比率)が、通常70〜90重量%、好ましくは70〜80重量%、より好ましくは75〜80重量%であり、また、ジエン系単量体単位の含有量(ジエン比率)が、通常30〜10重量%、好ましくは30〜20重量%、より好ましくは25〜20重量%である。スチレン系単量体単位の含有量は、紫外分光光度計又は核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、ジエン系単量体単位の含有量は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定することができる。また、SE樹脂Aのガラス転移温度(Tg)は、40〜60℃程度、好ましくは40〜55℃程度である。ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定法(DSC法)により測定する。また、SE樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は、市販の標準ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定でき、例えば、10万〜50万程度、好ましくは15万〜30万程度である。
また、SE樹脂Bは、かかる水添共重合体であって、スチレン系単量体単位の含有量(スチレン比率)が、通常7〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜70重量%であり、また、ジエン系単量体単位の含有量(ジエン比率)が、通常20〜93重量%、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは30〜80重量%である。また、SE樹脂Bのガラス転移温度(Tg)は、30℃以下、好ましくは−40〜20℃程度である。また、SE樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は、GPC法により測定して、10万〜50万程度、好ましくは15万〜30万程度である。
さらに、SE樹脂A及びSE樹脂BからなるSE樹脂組成物は、その組成物全体中のスチレン比率が40〜90重量%、さらに50〜80重量%であることが好ましい。この範囲であると、真空成形性が良好となるためである。
本発明で使用するSE樹脂A又はSE樹脂Bは、スチレン系単量体とジエン系単量体からなる共重合物を、公知の方法により水素添加(例えば、ニッケル触媒等)した水素添加物である。これにより、耐熱性、耐薬品性、耐久性等に優れたより安定な樹脂になるからである。SE樹脂A又はSE樹脂Bの水添率は、共重合体中の共役ジエン化合物に基づく二重結合の85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。この水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定できる。
本発明におけるSE樹脂組成物中の、SE樹脂AとSE樹脂Bの含有割合は、上記したように、SE樹脂Aが100〜20重量%、SE樹脂Bが0〜80重量%であり、好ましくはSE樹脂Aが90〜30重量%、SE樹脂Bが10〜70重量%であり、より好ましくはSE樹脂Aが80〜40重量%、SE樹脂Bが20〜60重量%である。かかる範囲であれば、透明性と真空成形性に優れたフイルムとなる。SE樹脂Aが20重量%未満でSE樹脂Bが80重量%を越えると柔軟になりすぎるため好ましくない。
本発明において、水素添加前の共重合体は、例えば、スチレン系単量体とジエン系単量体を、n−ヘキサン等の炭化水素溶媒中で、有機アルカリ金属化合物(n−ブチルリチウム)等の開始剤を用いてアニオンリビング重合して製造できる。
スチレン系単量体とジエン系単量体との共重合体は、公知の方法を採用して調整することができ、例えば、調整剤としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の第3級アミン化合物、又はエーテル化合物を添加することができる。共重合する方法は、バッチ重合であっても連続重合であってもよい。重合温度は、一般に0℃乃至180℃、好ましくは30℃乃至150℃である。重合に要する時間は条件によって異なるが、通常は48時間以内であり、特に好適には0.1乃至10時間である。又、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液相に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特に限定されるものではない。なお、ランダム共重合体とブロック共重合体は、原料の添加のタイミングを制御するなどして、公知の方法により容易に製造できる。例えば、ブロック共重合体の場合は、スチレン系単量体及びジエン系単量体のそれぞれのセグメントを段階的に重合すればよく、また、ランダム共重合体の場合は、スチレン系単量体及びジエン系単量体を一度に共重合させればよい。
上記で得られた共重合体を水素添加することにより、本発明の水添共重合体等が得られる。水添触媒としては、特に制限されず、従来から公知である、例えば、(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニュウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。
水添反応は一般的に30〜150℃程度の温度範囲で実施される。水添反応に使用される水素の圧力は0.1から15MPaが推奨される。また、水添反応時間は通常3分〜10時間程度である。水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、或いはそれらの組み合わせのいずれでも用いることができる。かくして、本発明の水添共重合体(SE樹脂)が製造される。本発明の水添共重合体等には、各種フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定剤等の安定剤を添加することができる。
なお、「SE樹脂A」と「SE樹脂B」の作り分けは、重合させる際のスチレン系単量体の含有量、ジエン系単量体の含有量等を上記範囲に調節することにより、また製造条件を適宜選択することにより可能である。
本発明のフイルムは、PVCのように燃焼処理時に有害物質の発生がなく、しかもPVCが有する、優れた透明性、真空成形性等を備えたフイルムである。
本発明のフイルムの透明性(ヘイズ値;JIS−Z−8741)は、5〜30%程度、好ましくは10〜30%程度である。また、100℃に予備加熱した後に真空成形した場合に、厚みが均一に成形できしかも成形不足や破れなどが発生しない。
また、本発明のフイルムは、非晶質のSE樹脂であるため、結晶質であるポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレン(PE)樹脂に比べて、成形(特に、真空成形)し易いという特徴を有している。
特に、本発明のフイルムを、ブリスターパック等の剛性が必要とされる用途に用いる場合には、SE樹脂Aを40重量%以上、特に50〜90重量%用いるのが好適であり、また、保護フイルム、床材等の柔軟性が必要とされる用途に用いる場合には、SE樹脂Bを40〜80重量%、特に50〜80重量%用いるのが好適である。
本発明のフイルムの全厚は、その用途に応じて適宜選択することができるが、ロ−ル状に巻くことができる程度であれば良く、例えば、約0.03〜3mm、好ましくは約0.04〜2mmが例示できる。
以上のように、SE樹脂組成物を含む単層のフイルムについて述べてきたが、同種又は異種の複数のSE樹脂組成物を積層して多層フイルムとすることも可能である。あるいは、本発明のフイルムの作用効果に悪影響を与えない範囲で、SE樹脂組成物層(単層又は多層)に他の樹脂を積層した多層のダイシング用基体フイルムとしても良い。他の樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが例示され、特にポリエチレン系樹脂が好適である。なお、フイルムの多層化はいずれも公知の方法を用いて行うことができる。
この場合も、フイルムの全厚は、その用途に応じて適宜選択することができるが、ロ−ル状に巻くことができる程度であれば良く、例えば、約0.03〜3mm、好ましくは約0.04〜2mmが例示できる。
添加剤
また、前記した単層乃至多層のフイルムは、その用途に応じて、フイルムの透明性に悪影響を与えない範囲で、例えば、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、着色剤、酸化防止剤、耐候剤等の添加剤を含んでいても良い。
前記した単層乃至多層のフイルムは、基本的には電気絶縁性である。そのため、例えば、保護フイルム、文具、包装材料等の用途に用いる場合は、低湿度下での作業や取り扱い方により発生するフイルムからの静電気を抑制する必要がある。
この静電気の発生を抑制するために、本発明フイルムには、帯電防止剤を含んでいても良い。帯電防止剤を含む場合、各層におけるその含有量は、各層の重量に対して0.05〜40重量%程度、好ましくは0.1〜30重量%程度であればよい。
帯電防止剤としては、アニオン系,カチオン系、ノニオン系等の公知の界面活性剤を選択できるが、とりわけ持続性,耐久性の点から、ポリエーテルエステルアミド樹脂(以下、PEEA樹脂と呼ぶ。)、親水性ポリオレフィン樹脂(以下、親水性PO樹脂と呼ぶ。)等のノニオン系界面活性剤が好適である。
前記PEEA樹脂は、親水性付与の主たるユニット成分であるポリエーテルエステルと、ポリアミドユニットとから構成されるポリマであり、市販されているか或いは公知の方法で容易に製造することができる。PEEA樹脂として、例えば、三洋化成工業(株)のペレスタットNC6321等が例示される。また、特開昭64−45429号公報、特開平6−287547号公報等にその製法が記載されており、これによれば、例えば、主鎖中にエーテル基を有するポリジオ−ル成分にジカルボン酸成分を反応させて末端エステルに変え、これにアミノカルボン酸又はラクタムを反応させて製造できる。PEEA樹脂は、前記いずれの層の樹脂とも相溶性が良く、ブリードアウトするような現象は一切ない。
親水性PO樹脂としては、例えば、親水性ポリエチレン(以下、親水性PE樹脂と呼ぶ。)又は親水性ポリプロピレン(以下、親水性PP樹脂と呼ぶ。)が例示される。
親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂は、基本的にはポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖とポリオキシアルキレン鎖とがブロック結合したものであり、高い除電作用が発揮され静電気の蓄積をなくす。この結合は、エステル基、アミド基、エーテル基、ウレタン基等によって行われている。フイルム樹脂との相溶性の点から、この結合はエステル基又はエーテル基であるのが好ましい。
親水性PP樹脂として、例えば、三洋化成工業(株)社のペレスタット300等が例示される。
親水性PO樹脂又は親水性PE樹脂におけるポリエチレン鎖又はポリプロピレン鎖の分子量は、例えば1200〜6000程度である。この分子量範囲であると、ポリオキシアルキレン鎖にポリエチレン又はポリプロピレンをブロック結合させる前段階の、ポリエチレン又はポリプロピレンの酸変性化が容易であるためである。
また、親水性PO樹脂又は親水性PE樹脂におけるポリオキシアルキレン鎖の分子量は、耐熱性及び酸変性後のポリエチレン又はポリプロピレンとの反応性の点から、1000〜15000程度であるのが良い。なお、上記した分子量は、GPCを用いて測定した値である。
親水性PE樹脂又は親水性PP樹脂は、例えば、前記した分子量を有するポリエチレン又はポリプロピレンを酸変性し、これにポリアルキレングリコールを反応させて製造することができる。より詳細については、例えば、特開2001−278985号公報、特開2003−48990号公報に記載されている。
PEEA樹脂又は親水性PO樹脂は、上記したいずれかの層、或いは全ての層に含まれていても良く、各層におけるその含有量は、各層の重量に対して5〜40重量%程度、好ましくは10〜30重量%程度である。かかる範囲であれば、本発明のフイルムの特性を損なうことなく有効に半導電性が付与されるため、発生する静電気をすばやく除電することができる。例えば、上記した範囲で本発明のフイルムに帯電防止剤を含有させた場合、表面抵抗率は、10〜1012Ω/□程度となる。
また、前記した単層乃至多層フイルムを、例えば、包装材料、文具,雑貨等の用途に用いる場合は、適度な滑性やアンチブロッキング性を有する必要がある。その場合、フイルムの最外層には、滑剤やアンチブロッキング剤を含有させても良い。
かかる滑剤や、アンチブロッキング剤をフイルムの最外層の樹脂に含有させることにより、シーラント面にパウダーを散布することなく、シーラント押出工程、スリット工程、製袋工程、または内容物充填工程等において、シーラント面とフイルム面とのブロッキングを防止し、充填機械のロールやガイド、フォーマーと積層体のシーラント面とのスリップ性を向上させることができる。
滑剤としては、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン、石油系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、炭素数が8〜22の高級脂肪酸;、高級脂肪酸アルミニウム、高級脂肪酸カルシウム、高級脂肪酸マグネシウム、高級脂肪酸亜鉛、高級脂肪酸リチウムなどの高級脂肪酸の金属塩;炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコールや;グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、トリエチレングリコールなどの脂肪族アルコール;炭素数が4〜22の高級脂肪酸と炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコールとのエステル;アセチルクエン酸トリブチル、アジピン酸ジー2エチルーヘキシル、アゼライン酸−n−ヘキシル、エタンジオールモンタン酸エステル、ポリ(1,3ブタンジオールアジピン酸)エステル、アセチルリシノール酸メチル、ポリ(1,3ーブチレングリコール、1,4ーブチレングリコール、アジピン酸オクチルアルコール)エステル、糠ろうなどのアルコールと脂肪酸とのエステル;水添食用油脂、ひまし油、スパームアセチワックス、アセチル化モノグリセライドなどのグリセライド;炭素数が16〜18の例えばエチレンビスオレイルアマイドに代表されるエチレンビス脂肪酸アマイド、炭素数が8〜22の高級脂肪酸アマイド、ステアリルエルカアマイド、エルカ酸アマイド、オレイルパルミトアマイドなどの高級脂肪酸アマイド;メチルヒドロジエンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン油;ロジンやマレイン酸変性ロジンのグリセリンエステル;フッ素樹脂 エラストマー等が挙げられる。中でも、脂肪酸のアミド誘導体を主成分とする滑剤は、透明性が高く、良好な成形性を有するため好ましい。
本発明のフイルムの最外層における滑剤の含有量としては、最外層の重量に対して、0.01〜1重量%程度であればよい。
また、アンチブロッキング剤としては、無機化合物の微粒子、有機化合物の微粒子などを使用できるが、フイルムの透明性を損なわずに、良好な成形性を有するものが好ましい。
無機化合物の微粒子としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛などの酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸リチウムなどの炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸バリウムなどの硫酸塩;ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸塩、ケイ酸アルミニウムなどのケイ酸塩;カオリン、タルク、けいそう土などの無機化合物などが挙げられる。中でも、シリカ微粒子では、透明性を損なわずに、また、ブロッキングを防止できるため好ましい。
また、有機化合物の微粒子としては、例えば、高密度ポリエチレン、分子量が300000以上の超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアマイド、ポリエステル、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル系樹脂などの微粉末を単独あるいは上記の無機系の微粒子と混合して使用できる。
本発明のフイルムの最外層におけるアンチブロッキング剤の含有量は、最外層の重量に対して、0.01〜1重量%程度であればよい。
着色剤としては、一般的な有機及び無機顔料が挙げられ、通常の成形温度である150〜250℃程度で耐熱性を有するものであれば適宜選択可能であり、例えば、(ポリ)アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系、キナクリドン系、ジオキサジン系などの各種有機顔料、酸化チタンなどの酸化物系、クロム酸モリブデン酸系、硫化物・セレン化物系、フェロシアン化物系、炭酸カルシウム、カーボンブラックなどの各種無機顔料が挙げられる。本発明のフイルムの各層における着色剤の含有量は、各層の重量に対して、1〜30重量%程度であればよい。
また、フイルムが少なくとも内層、中間層及び外層を有する多層構造からなる場合は、着色剤を中間層に配合するのが、フイルムの成形加工時に着色剤が成形加工機内面への堆積とブリードアウトもし難く、フイルムの外観が損なわれることがなく、またフイルムの色相が安定するので好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、サルファイド系、リン系、イソシアヌレート系酸化防止剤等が挙げられる。中でも、フェノール系酸化防止剤が酸化防止効果に優れるので好ましく、更にフェノール系とリン系酸化防止剤を併用すると熱安定性が良好となるので特に好ましい。本発明のフイルムの各層における酸化防止剤の含有量は、各層の重量に対して、0.01〜1重量%程度であればよい。
耐候剤としては、紫外線吸収剤、光安定剤、消光剤などが知られており、これらの中でもヒンダードアミン系光安定剤が好適である。ヒンダードアミン系耐候剤としては、分子量が250以上のものが好ましく、4−位に置換基を有する2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン誘導体であり、その4−位の置換基としては、例えばカルボン酸残基、アルコキシ基、アルキルアミノ基等が挙げられる。またN−位にはアルキル基が置換していても良い。
また、本発明のフイルムは、その用途に応じて、フイルム片面又は両面上に公知の粘着剤をコートして粘着剤層を形成してもよく、さらに該粘着剤層上に離型層を形成しても良い。これら粘着剤層及び離型層の形成方法は、公知の方法を用いることができる。
粘着剤層で用いられる粘着剤成分としては、公知のものを用いることができる。
具体的には、粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。その中でも、アクリル系粘着剤が好ましい。
例えば、粘着剤 がアクリル系粘着剤である場合、かかる粘着剤は、粘着性を与える主モノマー成分、接着性や凝集力を与えるコモノマー成分、架橋点や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体または共重合体から構成することができる。
主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸メトキシエチル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
コモノマー成分としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
これらの各成分を含むことにより、粘着剤組成物の粘着力、凝集力が向上する。また、このようなアクリル系樹脂は、通常、分子中に不飽和結合を有しないため、光や酸素に対する安定性の向上を図ることができる。さらに、モノマーの種類や分子量を適宜選択することにより、用途に応じた品質、特性を備える粘着剤組成物を得ることができる。
このような粘着剤組成物には、架橋処理を施す架橋型および架橋処理を施さない非架橋型のいずれのものを用いてもよいが、架橋型のものがより好ましい。架橋型のものを用いると、凝集力のより優れた粘着剤層を形成することができる。架橋型粘着剤組成物に用いる架橋剤としては、エポキシ系化合物、イソシアナート化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド系化合物等が挙げられる。
本発明に用いられる粘着剤組成物中には、必要に応じて、帯電防止剤や、可塑剤、粘着付与剤、安定剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
また、離型剤層に用いられる離型剤としては、例えば、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、テトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、これらの混合物などが挙げられる。
上記のようにアクリル系粘着剤を含む粘着剤層を設ける場合は、フイルムと粘着剤層との接着性の点から、フイルムとの接着する層にアクリル系樹脂を含有させるのが好ましい。アクリル系樹脂としては、特に限定はなく、例えば、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂等が例示される。中でも、良好なフイルムの透明性、真空成形性、接着性等を得るためには、軟質のアクリル系樹脂が好ましい。軟質アクリル系樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が40〜70℃程度、デュロメータ-A硬度が40〜95度であるものが好ましく、具体例として、(株)クラレ製の軟質アクリル樹脂「パラペットSA」等が例示される。
フイルムに含まれるアクリル系樹脂の含有量は、フイルムが単層の場合は、例えば、該単層中のSE樹脂組成物100重量部に対し5〜50重量部程度、好ましくは5〜30重量部程度のアクリル系樹脂が含まれていることが好ましい。アクリル系樹脂の含有量が多すぎると、フイルムの透明性が低下する傾向があるため、上記の範囲とすることが好ましい。
また、フイルムが多層の場合は、粘着剤層と接する層中に、アクリル系樹脂を含有させればよい。該基体フイルムの透明性を考慮して、該粘着剤層と接する層中に含まれるSE樹脂組成物100重量部に対し5〜65重量部程度、好ましくは5〜50重量部程度のアクリル系樹脂が含まれていることが好ましい。なお、フイルムの透明性を損なわない範囲で、必要に応じて、アクリル系樹脂を多層の全層に含んでいても良い。
本発明のフイルムは、化ビニル樹脂を代替するのに最適であり、ポリ塩化ビニル(PVC)に匹敵する、優れた透明性、真空成形性等を有している。
そのため、本発明のフイルムは、ブリスターパック等の包装材料、保護フイルム等の粘着テープ、床材等の建築材料、自動車内外層、文具、雑貨、自動車用フロアマット、壁紙、建材用遮音シート、防音材、制振材、カーペット裏打ち材、防水シート、容器、電気及び電子機器部品、絶縁電線、ハウジングなどの家電部品、中空容器、各種工業材料等広い分野で使用することができる。
以下に、本発明を、実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
製造例1(SE樹脂B)
内容積が10Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を2基使用して連続重合を行った。1基目の反応器の底部から、ブタジエン濃度が24重量%のシクロヘキサン溶液を4.51L/hrの供給速度で、スチレン濃度が24重量%のシクロヘキサン溶液を5.97L/hrの供給速度で,またn−ブチルリチウムをモノマ−100gに対して0.077gになるような濃度に調整したシクロヘキサン溶液を2.0L/hrの供給速度で、更にN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのシクロヘキサン溶液をn−ブチルリチウム1モルに対して0.44モルになるような供給速度でそれぞれ供給し、90℃で連続重合した。反応温度はジャケット温度で調整し、反応器の底部付近の温度は約88℃、反応器の上部付近の温度は約90℃であった。重合反応器における平均滞留時間は、約45分であり、ブタジエンの転化率はほぼ100%,スチレンの転化率は99%であった。
1基目から出たポリマー溶液を2基目の底部から供給し、同時に,スチレン濃度が24重量%のシクロヘキサン溶液を2.38L/hrの供給速度で2基目の底部に供給し,90℃で連続重合してランダム共重合体を得た。2基目出口でのスチレンの転化率は98%であった。
連続重合で得られたポリマーをNMRを用いて分析したところ,スチレン含有量は65重量%であった。
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させて、水添反応に用いる水添触媒を調製した。
次に、連続重合で得られたポリマーに、上記水添触媒をポリマー100重量部当たりTiとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。
その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。
得られた水添共重合体は、水添率99%、重量平均分子量19万、分子量分布1.4であった。また,DSCで求めたガラス転移温度(Tg)は,15℃であった。得られた水添重合体(SE樹脂Bに相当)の特性を表1に示す。
製造例2(SE樹脂A)
1基目と2基目に供給するスチレンの供給量を変えること以外は、製造例1と同様に処理して、水添ランダム重合体(SE樹脂Aに相当)を製造した。スチレン含有量は75重量%、水添率99%、重量平均分子量21万、分子量分布1.9であった。また,DSCで求めたガラス転移温度(Tg)は,50℃であった。得られた水添重合体(SE樹脂Aに相当)の特性を表1に示す。
製造例3(SE樹脂B)
内容積が10Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器にスチレン33.5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を投入した。次いでn−ブチルリチウムとN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを添加し、70℃で1時間重合した後、ブタジエン33質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で1時間重合し、さらにスチレン33.5質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で1時間重合した。得られた共重合体は、スチレン含有量は65重量%のSBS構造のブロック共重合体であった。
次に得られたポリマーに、上記水添触媒をポリマー100重量部当たりTiとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行って、水添ブロック重合体(SE樹脂Bに相当)を製造した。得られた水添重合体の水添率は98%、重量平均分子量は17万であった。また、DSCで求めたガラス転移温度(Tg)は−40℃であった。得られた水添重合体(SE樹脂Bに相当)の特性を表1に示す。
Figure 2007002219
実施例1(単層フイルム)
製造例2で得られた水添共重合体50重量部、及び製造例1で得られた水添共重合体50重量部とをドライブレンドし、バレル温度180〜220℃のスクリュー式押出機に供給して、220℃の単層Tダイから押出し、60℃冷却ロ−ルを通しながら冷却固化して、無延伸状態で巻き取り、本発明のフイルムを製造した。
得られたフイルムの厚さは、100μmであり、フイルム全体のスチレン比率は70%であった。
実施例2(単層フイルム)
製造例2で得られた水添共重合体80重量部、及び製造例3で得られた水添共重合体20重量部をドライブレンドし、バレル温度180〜220℃のスクリュー式押出機に供給して、220℃の単層Tダイから押出し、60℃冷却ロ−ルを通しながら冷却固化して、無延伸状態で巻き取り、本発明のフイルムを製造した。
得られたフイルムの厚さは、100μmであり、フイルム全体のスチレン比率は73%であった。
実施例3(多層フイルム)
製造例2で得られた水添共重合体50重量部、及び製造例1で得られた水添共重合体50重量部とをドライブレンドした樹脂を、層(A)用樹脂とした。
製造例1で得られた水添共重合体100重量部を、層(B)用樹脂とした。
また、メチルメタアクリレ−ト約9.5重量%結合のポリエチレン系樹脂(アルケマ株式会社製、品種ロトリル9MA02、融点99℃、を層(C)用樹脂とした。
上記の3種の樹脂を使って、3層共押出し成形した。つまり、各層用樹脂を3台のスクリュー式押出機に供給して、3層Tダイから(A)/(B)/(C)となるように共押出しを行い、冷却して無延伸で引き取った。尚、この時の各押出機のバレル温度は180〜220℃、3層Tダイ温度は220℃、冷却ロ−ル温度は60℃であった。
得られた3層フイルムの全厚は100μmで、層(A)は10μm、層(B)は85μm、層(C)は5μmであり、フイルム全体のスチレン比率は62%であった。
実施例4(多層フイルム)
製造例2で得られた水添共重合体50重量部、及び製造例1で得られた水添共重合体50重量部とをドライブレンドした樹脂を、層(A)用樹脂とした。
製造例1で得られた水添共重合体100重量部を、層(B)用樹脂とした。
また、メチルメタアクリレ−ト約9.5重量%結合のポリエチレン系樹脂(アルケマ株式会社製、品種ロトリル9MA02、融点99℃、を層(C)用樹脂とした。
上記の3種の樹脂を使って、3層共押出し成形した。つまり、各層用樹脂を3台のスクリュー式押出機に供給して、3層Tダイから(A)/(B)/(C)となるように共押出しを行い、冷却して無延伸で引き取った。尚、この時の各押出機のバレル温度は180〜220℃、3層Tダイ温度は220℃、冷却ロ−ル温度は60℃であった。
得られた3層フイルムの全厚は100μmで、層(A)は10μm、層(B)は85μm、層(C)は5μmであり、フイルム全体のスチレン比率は62%であった。
さらに、得られたダイシング用基体フイルムは、その層(C)上にアクリル系粘着剤を含む粘着剤層を設けた場合、該粘着剤層と十分な接着性を有することを確認した。
比較例1
製造例2で得られた水添共重合体10重量部、及び製造例1で得られた水添共重合体90重量部をドライブレンドし、バレル温度180〜220℃のスクリュー式押出機に供給して、220℃の単層Tダイから押出し、60℃冷却ロ−ルを通しながら冷却固化して、無延伸状態で巻き取り、フイルムを製造した。
得られたフイルムの厚さは、100μmであり、フイルム全体のスチレン比率は66%であった。
比較例2
製造例2で得られた水添共重合体に代えてMS2元樹脂(MMA/スチレン)(電気化学工業社製、品種TX600S、Tg99℃)を使用する以外は、実施例1と同じ条件でフイルムを得た。
得られたフイルムの厚さは、100μmであり、フイルム全体のスチレン比率は53%であった。
試験例1
実施例及び比較例で得られたフイルムの、透明性及び真空成形性の評価は、次の様にして行った。その結果を表1にまとめた。
<透明性(Haze,%)>
JIS−Z−8741により測定した。30%以下を「○」とし、30%を越えると「×」とした。許容できるHazeの上限を20%としたのは、半導体ウエハチップの目視検査を容易にするために、必要とされる透明性であるからである。
<真空成形性>
山崎機械株式会社製真空成形機(TVF−Y−1)を使用した。直径107mm,深さ12mm,R=1mmの型を用い、100℃予備加熱後のフイルムを真空成形した(図1を参照)。厚みが均一のまま正常に成型できたものを「○」とし、成型不足、破れ又は厚み不均一となったものを「×」とした。
Figure 2007002219
表1で示すように、実施例1〜3のフイルムは、高い透明性、良好な真空成形性を有していることが分かった。
真空成形機の型の模式図である。

Claims (4)

  1. (i)ガラス転移温度が40〜60℃でありスチレン比率が70〜90重量%のスチレン系エラストマー樹脂(SE樹脂A)100〜20重量%、及び(ii)ガラス転移温度が30℃以下でありスチレン比率が7〜80重量%のスチレン系エラストマー樹脂(SE樹脂B)0〜80重量%からなるスチレン系エラストマー樹脂組成物を含むフイルム。
  2. 前記スチレン系エラストマー樹脂組成物全体のスチレン比率が40〜90重量%である請求項1に記載のフイルム。
  3. 前記スチレン系エラストマー樹脂組成物を含む層を少なくとも1層有する多層構成からなる請求項1又は2に記載のフイルム。
  4. 前記フイルム上にさらに粘着剤層を有する請求項1〜3のいずれかに記載のフイルム。
JP2006066312A 2005-05-24 2006-03-10 フイルム Pending JP2007002219A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006066312A JP2007002219A (ja) 2005-05-24 2006-03-10 フイルム

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005151592 2005-05-24
JP2006066312A JP2007002219A (ja) 2005-05-24 2006-03-10 フイルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007002219A true JP2007002219A (ja) 2007-01-11

Family

ID=37688107

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006066312A Pending JP2007002219A (ja) 2005-05-24 2006-03-10 フイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007002219A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007002218A (ja) * 2005-05-24 2007-01-11 Gunze Ltd ダイシング用基体フイルム
JP2013127018A (ja) * 2011-12-16 2013-06-27 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂組成物並びにこれを用いた多層構造体及び成形品
JP2014162888A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Ricoh Co Ltd 樹脂組成物、シームレスベルト及び画像形成装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0452129A (ja) * 1990-06-19 1992-02-20 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリスチレン系熱収縮フィルム
JP2003246021A (ja) * 2002-02-26 2003-09-02 Asahi Kasei Corp 多層フィルム・シート
JP2004059741A (ja) * 2002-07-29 2004-02-26 Asahi Kasei Chemicals Corp 共重合体及びその組成物
JP2006291128A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Asahi Kasei Chemicals Corp 共重合体組成物及びそのフィルム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0452129A (ja) * 1990-06-19 1992-02-20 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリスチレン系熱収縮フィルム
JP2003246021A (ja) * 2002-02-26 2003-09-02 Asahi Kasei Corp 多層フィルム・シート
JP2004059741A (ja) * 2002-07-29 2004-02-26 Asahi Kasei Chemicals Corp 共重合体及びその組成物
JP2006291128A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Asahi Kasei Chemicals Corp 共重合体組成物及びそのフィルム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007002218A (ja) * 2005-05-24 2007-01-11 Gunze Ltd ダイシング用基体フイルム
JP4619309B2 (ja) * 2005-05-24 2011-01-26 グンゼ株式会社 ダイシング用基体フイルム
JP2013127018A (ja) * 2011-12-16 2013-06-27 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂組成物並びにこれを用いた多層構造体及び成形品
JP2014162888A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Ricoh Co Ltd 樹脂組成物、シームレスベルト及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5317385B2 (ja) フイルム
KR100976312B1 (ko) 열수축성 필름의 제조 방법
TW200303335A (en) Thermoplastic polyurethane composition and process for producing the same
JP6094217B2 (ja) ブロック共重合体
JP2019157067A (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる部材
JP7485000B2 (ja) 粘着性樹脂組成物、及びそれからなる積層フィルム
JP2007002219A (ja) フイルム
JP5439987B2 (ja) ラミネートフィルム
JPWO2019044637A1 (ja) 粘着性樹脂組成物、及びそれを用いた保護フィルム
KR20200014382A (ko) 다층 필름 및 그 제조 방법
JP2007039662A (ja) ブロック共重合体水添物組成物、そのシート・フィルム及び熱収縮性フィルム
JP5159045B2 (ja) ダイシング用基体フイルム
JP5133289B2 (ja) 熱収縮性フィルム
WO2022186038A1 (ja) 接着用樹脂組成物及びその製造方法、熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法、接着シート、積層体並びに合成樹脂製成形体
JP2009274349A (ja) 多層フィルム
WO2003089512A1 (fr) Composition elastomere thermoplastique, feuilles et lamines correspondants
JP6841642B2 (ja) 耐熱粘着フィルム、表面保護フィルム及び耐熱粘着フィルムの製造方法
JP4619309B2 (ja) ダイシング用基体フイルム
JP2021116380A (ja) 樹脂組成物、成形体及び積層体
JP5277951B2 (ja) ラミネート用樹脂組成物およびラミネートフィルム
JP6428426B2 (ja) 樹脂組成物及び複合成形体
JP4363203B2 (ja) 多層積層体及びその製造方法
JP7393126B2 (ja) 粘着テープ
JP2000143932A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP5294417B2 (ja) 熱収縮性積層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110902

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111101

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120508