JP2013123888A - 熱転写受像シートと、印画物及びその印画物の製造方法 - Google Patents

熱転写受像シートと、印画物及びその印画物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 印刷された画像、文字等の耐擦過性などの耐久性が高く、鮮明な写真なイラストなどを有した、光沢性も有するトレーディングカードとして利用可能で、また効率的に作製できる熱転写受像シートと、印画物及びその印画物の製造方法を提供する。
【解決手段】 第一の基材2と、前記第一の基材2の一方の面に形成された受容層4と、前記第一の基材2の他方の面に接着層5を介して設けられた第二の基材3を有する熱転写受像シート1において、前記第二の基材3は、第一の基材2側の面の少なくとも一部に絵柄層6が形成され、前記絵柄層6は、前記第二の基材3の第一の基材2側と反対面側から、第二の基材3を通して視認できる。この構成の熱転写受像シートは、鮮明な熱転写画像を形成でき、またサーマルヘッド等への信号を変えるだけで、つまりオンデマンドで異なる種類の画像を簡単に形成できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱転写受像シートに関し、特に受容層を有する第一の基材と、絵柄層を有する第二の基材が積層されたもので、トレーディングカードとして利用することが可能な熱転写受像シートと、印画物及びその印画物の製造方法に関するものである。
現在、人気漫画のキャラクター、サッカーや野球などのスポーツ選手、アイドルタレント、また競走馬などの写真やイラストを印刷したカードが、愛好家の人たちの間で、収集や観賞を楽しむものとして、いわゆるトレーディングカードとして流行している。また、そのトレーディングカードは、そのカードに印刷された対象物に関する情報が表示されていて、一般的なトランプゲームと同様に、2人(あるいはそれ以上)のプレイヤーが手持ちのトレーディングカードを場に出し合うことにより勝敗を競う対戦ゲーム(いわゆる、トレーディングカードゲーム)を行なうなど、多種多様な方法で楽しんでいる。
トレーディングカードは、写真やイラストをオフセット印刷等で形成して、作成されていて、また特許文献1、2にあるように、そのトレーディングカードに表示されている対象者が使用した被服や小物などを窓孔が見えるようにしたものがある。また、特許文献3にあるように、クジの機能を有するトレーディングカードもある。このような従来のトレーディングカードは、上記に説明したような多様な方法で利用されるが、カード表面が擦れて、キズが生じて、重要な印刷した画像、文字に欠陥が生じる問題がある。トレーディングカードは、特に印刷されている画像の鮮明性や光沢性が重要な要素であり、それが損なわれることは致命的となる。
また、トレーディングカードは、印刷される写真やイラストなどは、1枚ずつ固有なものを、その場で印刷して、販売されるものとすることが求められている。この異なる絵柄となる印刷を行なうには、オフセット印刷用の印刷版を、絵柄の種類毎に用意して作製することが必要であり、非常に手間がかかる問題がある。
実用新案登録第3067342号公報 実用新案登録第3074389号公報 特許第4518356号公報
したがって、上記の問題を解決するために本発明の目的は、印刷された画像、文字等の耐擦過性などの耐久性が高く、鮮明な写真なイラストなどを有した、光沢性も有するトレーディングカードとして利用可能で、また効率的に作製できる熱転写受像シートと、印画物及びその印画物の製造方法を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、請求項1として、第一の基材と、前記第一の基材の一方の面に形成された受容層と、前記第一の基材の他方の面に接着層を介して設けられた第二の基材を有する熱転写受像シートにおいて、前記第二の基材は、第一の基材側の面の少なくとも一部に絵柄層が形成され、前記絵柄層は、前記第二の基材の第一の基材側と反対面側から、第二の基材を通して視認できることを特徴とするものである。この構成の熱転写受像シートは、鮮明な熱転写画像を形成でき、またサーマルヘッド等への信号を変えるだけで、つまりオンデマンドで異なる種類の画像を簡単に形成できる。
請求項2として、前記の受容層が、断熱層を介して第一の基材に形成されていることを特徴とするものである。これにより、熱転写画像の際の転写感度が向上し、印画濃度の濃淡の再現性により優れた画像が形成できる。また、請求項3として、前記の第二の基材に形成された絵柄層と、接着層との間に、バリア層が設けられたことを特徴とするものである。これにより、絵柄層が接着層の成分の影響で、ニジミ等の欠陥が生じることを防止することができる。
請求項4として、請求項1〜3のいずれか1項に記載する熱転写受像シートの受容層に熱転写画像が形成され、該受容層を覆うように保護層が設けられたことを特徴とする印画物としたものである。これにより、受容層に形成された画像、文字等は、耐擦過性などの耐久性が高く、また鮮明な熱転写画像であり、光沢性も高い印画物である。また、サーマルヘッド等への信号を変えるだけで、つまりオンデマンドで簡単に異なる種類の画像が形成できる。
また請求項5として、請求項1〜3のいずれか1項に記載する熱転写受像シートを準備する工程と、受容層に溶融型及び/又は昇華型の熱転写方式で、画像を形成する工程と、該形成された画像を有する受容層上に、保護層を転写する工程を、順次行なって印画物を製造することを特徴とする印画物の製造方法である。これにより、印画物を効率的に作製することができる。
本発明の熱転写受像シートにより、鮮明な熱転写画像を形成でき、またサーマルヘッド等への信号を変えるだけで、つまりオンデマンドで異なる種類の画像を簡単に形成できる。また、本発明の印画物は、その表面に形成された画像、文字等の耐擦過性などの耐久性が高く、鮮明な熱転写画像をもち、さらに光沢性の高いものである。
また、本発明の印画物の製造方法により、印画物を効率的に、また簡単に作製することができる。
本発明の熱転写受像シートである一つの実施形態を示す概略図である。 本発明の熱転写受像シートである他の実施形態を示す概略図である。 本発明の熱転写受像シートである他の実施形態を示す概略図である。 本発明の印画物である一つの実施形態を示す概略図である。 本発明の印画物の製造方法を説明する概略図である。 本発明の印画物の製造方法を説明する概略図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1に本発明の熱転写受像シートである一つの実施形態を示す。図示した熱転写受像シート1は、第二の基材3の上に、絵柄層6、接着層5、第一の基材2、受容層4を順次、積層した構成である。上記の絵柄層6は、第二の基材3の第一の基材2側と反対面側から、第二の基材3を通して視認できるものである。
図2に、本発明の熱転写受像シートの他の実施形態を示す。図示した熱転写受像シート1は、第二の基材3の上に、絵柄層6、接着層5、第一の基材2、断熱層7、受容層4を順次、積層した構成である。この熱転写受像シート1は、図1に示した熱転写受像シートの構成で、第一の基材2と受容層4との間に、断熱層7を設けたもので、受容層への熱転写画像の際の転写感度が向上し、印画濃度の濃淡等の再現性に優れた画像が形成できる
また、図3に、本発明の熱転写受像シートの他の実施形態を示す。図示した熱転写受像シート1は、第二の基材3の上に、絵柄層6、バリア層8、接着層5、第一の基材2、受容層4を順次、積層した構成である。この熱転写受像シート1は、図1に示した熱転写受像シートの構成で、絵柄層6と接着層との間に、バリア層8を設けたもので、絵柄層6が接着層5の成分の影響で、ニジミ等の欠陥が生じることを防止することができる。
上記の断熱層7とバリア層8を、それぞれ別々に設けたものを示したが、これに限らずに、断熱層7とバリア層8を両方形成することも可能であり、その形態の熱転写受像シートを用いて、印画物を形成した一つの形態を、図4に示した。すなわち、図示した印画物10は、第二の基材3の上に、絵柄層6、バリア層8、接着層5、第一の基材2、断熱層7、受容層4、保護層9を順次、積層した構成である。但し、その受容層4には、基材に昇華転写可能な染料を含有する染料層、熱により溶融転写可能な溶融転写層を設けた熱転写シートにより、熱転写画像11が形成されている。その熱転写画像11の形成された受容層4の全面を覆うように保護層9が積層されている。その保護層9は、基材に熱により転写可能な保護層を設けた保護層転写シートにより、受容層4上に、熱転写されたものである。
以下、本発明の熱転写受像シートを構成する各層について、詳細に説明する。
(第一の基材)
受容層を保持する第一の基材2は、例えば、紙類、プラスチックフィルム等が使用できる。上記紙類では、各種紙単体であってもよいし、合成紙であってもよく、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、樹脂エマルジョンや合成ゴムラテックス等の含浸紙、合成樹脂内添紙等が挙げられる。上記合成紙としては、ポリスチレン系合成紙やポリオレフィン系合成紙が好ましい。
上記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂フィルム;ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム;硬質ポリ塩化ビニルフィルム;ポリアルキルフィルム;ポリスチレンフィルム;ポリアミドフィルム;ポリアクリロニトリルフィルム;ポリメタクリレートフィルム;ポリエーテルエーテルケトンフィルム;ポリエーテルスルフォンフィルム;ポリアリレートフィルム等が挙げられる。
上記プラスチックフィルムは、透明なフィルムであってもよいが、本発明の熱転写受像シートでは、第二の基材側から、絵柄層を視認する際に、絵柄層の奥にある第一の基材は不透明性であることが好ましい。それは、絵柄層を視認する際の背景が不透明になって、絵柄層が際立つからである。したがって、上記プラスチックフィルムに、白色顔料や、充填剤等を加えて成膜した白色不透明のフィルムや、発泡させたフィルムが好ましい。これらの材料は、それぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた(貼り合せた)積層体として使用してもよい。また、上記第一の基材は、表面及び又は裏面に易接着処理がなされていてもよい。第一の基材とその上に設ける層との密着性が乏しい場合には、その表面に易接着処理やコロナ放電処理を施すことが好ましい。上記第一の基材の厚みは、通常3〜300μm程度であり機械的適性等を考慮し、75〜175μmであることが好ましい。
(第二の基材)
絵柄層を形成する第二の基材3は、その第二の基材を通して、絵柄層を視認するため、透過性を有したものが好ましい。具体的には、プラスチックフィルムとして、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂フィルム;ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム;硬質ポリ塩化ビニルフィルム;ポリアルキルフィルム;ポリスチレンフィルム;ポリアミドフィルム;ポリアクリロニトリルフィルム;ポリメタクリレートフィルム;ポリエーテルエーテルケトンフィルム;ポリエーテルスルフォンフィルム;ポリアリレートフィルム等が挙げられる。これらのプラスチックフィルムで透明性を有したものが特に好ましい。
第二の基材は、熱転写受像シート、あるいは印画物の最表面に位置するので、絵柄層等の保護をする機能を十分に発揮させることが必要である。したがって、上記プラスチックフィルムで、厚さは、15〜100μm程度が好ましい。
(受容層)
本発明における熱転写受像シートにおける受容層4は、熱転写シートの染料層から移行してくる昇華染料を受容し、形成された画像を維持する。また、熱転写シートの溶融転写層から熱転写する転写層を定着して維持する。その受容層を形成するための樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートは、熱転写シートとの離型性を向上させるために受容層中に離型剤を含有することができる。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、各種シリコーン樹脂などが挙げられるが、シリコーンオイルが好ましい。上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いることができるが、硬化型のものが好ましい。硬化型シリコーンオイルとしては反応硬化型、光硬化型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型、触媒硬化型のシリコーンオイルが特に好ましい。
反応型シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルとを反応硬化させたものが好ましく、アミノ変性シリコーンオイルとしては、KF−393、KF−857、KF−858、X−22−3680、X−22−3801C(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられ、エポキシ変性シリコーンオイルとしてはKF−100T、KF−101、KF−60−164、KF−103(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。触媒硬化型シリコーンオイルとしてはKS−705、FKS−770、X−22−1212(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
これら硬化型シリコーンオイルの添加量は受容層を構成する樹脂の0.5〜30質量%が好ましい。また、受容層の表面の一部に上記離型剤を適当な溶媒に溶解あるいは分散させて塗布した後、乾燥させることにより離型剤層を設けることもできる。離型剤層を構成する離型剤としては前記したアミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルとの反応硬化物が特に好ましく、離型剤層の厚さは、0.01〜5.0μm、特に0.05〜2.0μmが好ましい。なお、受容層を形成する際にシリコーンオイルを添加して形成すると、塗布後に表面にブリードアウトしたシリコーンオイルを硬化させても離型剤層を形成することができる。なお、上記受容層の形成に際しては、受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や充填剤を添加することができる。また、フタル酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、リン酸エステル化合物等の可塑剤を添加してもよい。
前記の第一の基材の一方の面に上記の如き熱可塑性樹脂及び他の必要な添加剤、例えば、離型剤、可塑剤、充填剤、架橋剤、硬化剤、触媒、熱離型剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等を加えたものを、適当な有機溶剤に溶解した、或いは有機溶剤や水に分散した分散体を、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗布及び乾燥して受容層を形成することができる。このように形成される受容層の塗布量は、通常、乾燥状態で0.5〜50g/m2程度、好ましくは2〜10g/m2である。また、このような受容層は連続被覆であることが好ましいが、不連続の被覆として形成してもよい。
(接着層)
本発明で第一の基材と第二の基材とを貼り合わせるために、接着層5を使用する。その基材同士を貼り合せる方法としては、例えば、ドライラミネーション、ノンソルベント(ホットメルト)ラミネーション、ECラミネーション方法等の公知の接着層を用いて積層する方法が使用できる。その接着層で用いる接着剤としては、接着機能を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、ウレタン系樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウリア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シアノアクリレート系樹脂等が使用できる。また、アクリル系樹脂の反応型のものや、変性したもの等も使用することができる。接着剤を硬化剤を用いて硬化させると、接着力も向上し、耐熱性も上がるため好ましい。硬化剤としては、イソシアネート化合物が一般的であるが、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を使用することができる。接着層の厚さは、通常、乾燥状態で2g/m2〜10g/m2程度である。
上記の貼合する方法で、好ましい方法はドライラミネーション及びノンソルベントラミネーション方法である。ノンソルベントラミネーション方法に好適な接着剤としては、例えば、武田薬品工業株式会社製のタケネートA−720Lが挙げられ、ドライラミネーションに好適な接着剤としては、例えば、武田薬品工業株式会社製のタケラックA969/タケネートA−5(3/1)等が挙げられる。これらの接着剤の使用量としては、固形分で約2〜8g/m2の範囲である。
(絵柄層)
第二の基材の一方の面に、形成される絵柄層6は、絵柄層を印刷する方法にもよるが、通常の、平版、グラビア版を含む凹版、孔版、凸版の印刷用の溶剤乾燥型インキや反応硬化型インキにより形成することができる。絵柄層は、その得られる印画物として、共通した情報である、地紋やロゴマーク、説明文や注意書きなどの固定情報を印刷形成できる。
(断熱層)
第一の基材と受容層との間に、断熱層7を形成し、熱転写画像の際の転写感度を向上させ、印画濃度の濃淡の再現性に優れた画像が形成できる。断熱層は、断熱性を有した層として、種々の方法によって形成できる。例えば、断熱層はバインダーに無機微粒子を含有させる、または中空粒子を含有させて形成することができる。
上記の無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタニア(二酸化チタン)、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。本発明に係る無機微粒子としては、上記で挙げた各無機微粒子の中でも、コストパフォーマンスの観点から、シリカ、アルミナまたはチタニア、あるいはこれらの組み合わせであることが好ましい。また、一次粒子の平均粒径としては、断熱機能の高い多孔質構造を形成しやすいという観点から、3〜100nmであることが好ましい。
また、上記の中空粒子としては、例えば、粒子内部の液体が加熱により揮発して中空になるタイプ、あるいは加熱する前から既に中空になっているタイプ、粒子内部の液体が気化膨張して中空になるタイプ等が知られており、いずれのタイプも用いることはできるが、優れた平滑性を持たせる観点からは、気化膨張によって中空になるタイプ以外のものを用いることが好ましい。中空粒子の平均粒径は、断熱機能、平滑性の観点から0.1〜5.0μmであることが好ましい。
断熱層で用いることのできるバインダーは、親水性であっても疎水性であってもよいし、これらの併用であっても構わないが、水酸基を含む高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂または親水性バインダーであることが好ましい。疎水性バインダーである水酸基を含む高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂において、高分子分散剤としては、ポリビニルアルコールであることが特に好ましい。親水性バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩などが挙げられる。
断熱層は、上記に説明した材料により、上記受容層で説明した方法と同様に形成でき、乾燥時5〜50g/m2の厚さで設けることが好ましい。厚みが5g/m2未満では所望の断熱性が得られず、印字感度向上の効果が低い。また、厚みが50g/m2を超えると、塗工乾燥後の表面の平滑性が低下するため、サーマルヘッド等との密着性が低下し、印字感度を向上させる効果が低下する。
(バリア層)
本発明の熱転写受像シートでは、絵柄層と接着層の間に、バリア層8を設けることができ、絵柄層が接着層の成分の影響で、ニジミ等の欠陥が生じることを防止することができる。バリア層として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、或いは官能基を有する熱可塑性樹脂を、各種の硬化剤その他の手法を用いて硬化させた層を用いることができる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、アイオノマー、単官能及び/又は多官能水酸基含有のプレポリマーをイソシアネート等で硬化させた樹脂等を使用することができる。
接着層は、有機溶剤を使用した塗工液により形成することが多く、バリア層は水溶性樹脂で形成することが好ましい。水溶性樹脂としては、セルロース系樹脂(特にカルボキシメチルセルロース)、でんぷん等多糖類系樹脂、蛋白質(特にカゼイン)、ゼラチン、寒天、またポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル(メタ)アクリル共重合体、酢酸ビニルベオバ共重合体、(メタ)アクリル樹脂、スチレン(メタ)アクリル共重合体、スチレン樹脂等のビニル系樹脂、またメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等ポリアミド系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等が挙げられる。
上記の水溶性樹脂とは、水を主体とする溶媒に完全溶解(粒径0.01μm以下)、またはコロイダルディスパージョン(0.01〜0.1μm)、またはエマルジョン(0.1から1μm)、またはスラリー(1μm以上)の状態になる樹脂のことである。
バリア層は上記に説明した材料により、上記受容層で説明した方法と同様に形成でき、その厚みは乾燥状態で0.5〜30g/m2程度が好ましい。
以上、熱転写受像シートについて説明したが、本発明の印画物について、以下に説明する。
(印画物)
本発明の印画物10は、上記に説明した熱転写受像シートの受容層に熱転写画像11が形成され、該受容層を覆うように保護層9が設けられた構成である。その受容層に形成される熱転写画像は、基材に昇華転写可能な染料を含有する染料層、熱により溶融転写可能な溶融転写層を設けた熱転写シートを用いて、サーマルヘッドなどの加熱手段により、画像状に加熱して、染料層、溶融転写層から転写されて形成される。この熱転写シートは従来から用いられているものが使用でき、限定されるものではない。さらに、熱転写画像は、従来から知られたホログラム転写シート(特開昭62−106485号公報など参照)を用いて、受容層にホログラムを転写して画像(パターン)を形成することも可能である。
本発明の印画物は、トレーディングカードとして利用することが好ましいが、熱転写による画像は、フルカラーの画像や、金色や銀色などの金属光沢を有したパターンなどを形成する場合があり、上記の染料層はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの染料層を用いることが好ましく、また溶融転写層はブラックや、白色、蛍光色などが挙げられ、また特開平9−58141号公報、特開平7−314915号公報などに記載されているような熱転写シートを用いて、金属光沢のパターンを転写して形成することができる。
さらに、保護層については、印画物の製造方法で詳細に説明するが、基材上に、加熱により転写可能な保護層を設けた、従来から知られた保護層転写シートを用いて、熱転写画像の形成された受容層の全面を覆うように、保護層を転写して形成することができる。また、特開2011−101960号公報などに記載の基材上に剥離可能に保護層、受容層を設けた中間転写記録媒体を用いて、受容層に熱転写画像を形成し、その後にその熱転写画像の形成された受容層と保護層を、中間転写記録媒体から、第一の基材に転写することにより、本発明の印画物を作製することも可能である。
以上、印画物について説明したが、本発明の印画物の製造方法について、以下に説明する。
(印画物の製造方法)
印画物の製造方法を説明する概略図である図5を参照して説明する。
上記の熱転写受像シートの巻取りが、巻出部23に設置され、その巻出部23から、巻き出されて、ガイドロールなどを経由して、サーマルヘッドとプラテンロールによる画像形成手段21に入る。その画像形成手段21には、基材上に、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層、ブラック溶融転写層、保護層を面順次に繰り返し設けた熱転写シート15が、巻取りとして、巻出部25から巻き出されて、ガイドロールなどを経由して、画像形成手段21に入る。その画像形成手段21には、上記の熱転写シート15と熱転写受像シート1が、重なって、熱転写受像シートの受容層に、染料層による昇華転写の画像が形成され、また溶融転写層による溶融転写の画像が形成される。
次に、その熱転写画像が形成された受容層を有する熱転写受像シート1が、搬送されて、保護層転写手段22に入る。また、熱転写画像形成に使用した熱転写シート15も、画像形成手段21から、保護層転写手段22の位置に入る。その保護層転写手段22には、上記の熱転写シート15と熱転写受像シート1が、重なって、熱転写受像シートの画像が形成された受容層上に、熱転写シート15から保護層が転写される。その保護層が転写された熱転写受像シートは、搬送されて、シートカット手段27で切断されて、排出部24に積載され、本発明の印画物として製造されたものが得られる。上記の熱転写画像の形成と、保護層を転写した後の熱転写シート15は、保護層転写手段22から、ガイドロールなどを経由して、巻取部26で巻上げられる。
このように、本発明の印画物の製造方法は、熱転写受像シートを準備する工程と、受容層に溶融型及び/又は昇華型の熱転写方式で、画像を形成する工程と、該形成された画像を有する受容層上に、保護層を転写する工程を、順次行なって印画物を製造する方法である。
また図6に示すような概略図で説明した方法で印画物を製造することも可能である。基材上に、少なくとも保護層、受容層を順に積層した中間転写記録媒体33を用い、その中間転写記録媒体33の巻取りが、巻出部30に設置され、その巻出部30から、巻き出されて、ガイドロールなどを経由して、サーマルヘッドとプラテンロールによる画像形成手段28に入る。また画像形成手段28には、巻出部36に熱転写シート34が巻取りで設置されて、巻き出された熱転写シート34から、各種色相の染料層、溶融転写層が中間転写記録媒体33の受容層に転写されて、画像が形成される。その熱転写シート34は、熱転写画像を形成した後に、巻取部37で巻上げられる。
上記の熱転写画像の形成された中間転写記録媒体33は、搬送されて、ヒートローラーとプラテンローラーによる転写手段29に入る。また、上記に記載した本発明の熱転写受像シートの構成で、受容層のみが設けられていない積層体35が巻取りで、巻出部32に設置され、その巻出部32から巻き出されて、ガイドロールなどを経由して、ヒートローラーとプラテンローラーによる転写手段29に入る。その転写手段29には、上記の熱転写画像が形成された中間転写記録媒体33と、積層体35が、重なって、ヒートローラーとプラテンローラーとで加熱及び加圧して、その積層体の第一の基材上に、熱転写画像の形成された受容層、保護層が順に積層した状態で、転写される。その受容層、保護層が転写された積層体は、本発明の印画物の構成となり、ガイドロールなどを経由して、搬送され、シートカット手段38で切断されて、排出部39に積載され、本発明の印画物として製造されたものが得られる。上記の画像形成手段28と、転写手段29が実行された後の中間転写記録媒体33は、転写手段29から、ガイドロールなどを経由して、巻取部31で巻上げられる。
このように、本発明の印画物の製造方法は、基材上に、少なくとも保護層、受容層を順に積層した中間転写記録媒体を準備する工程と、受容層に溶融型及び/又は昇華型の熱転写方式で、画像を形成する工程と、第一の基材と、第二の基材を接着層により貼り合わせた積層体で、第二の基材が、該基材の一方の面に、絵柄層が形成され、前記接着層と絵柄層とが接するように積層された積層体を準備する工程と、第一の基材上に、中間転写記録媒体の画像形成された受容層と保護層を転写する工程を、順次行なって印画物を製造する方法である。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(実施例1)
<熱転写受像シートの作成>
第一の基材として、コート紙(157.0g/m2)を用い、その第一の基材の受容層塗布する側の面に、下記組成のプライマー層塗工液をワイヤーバーコーティングにより、乾燥塗布量が2.0g/m2になるように塗布、乾燥して、プライマー層を形成した。
そのプライマー層の上に、下記組成の受容層塗工液をワイヤーバーコーティングにより、乾燥塗布量が5.0g/m2になるように塗布、乾燥して、受容層を形成した。
<接着層塗工液>
多官能ポリオール(タケラックA−969V、三井化学ポリウレタン(株)製)30部
イソシアネート(タケネートA−5、三井化学ポリウレタン(株)製) 10部
酢酸エチル 60部
<プライマー層塗工液>
ポリエステルポリオール(東洋モートン(株)製、アドコート) 20.0部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80.0部
<受容層塗工液>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ソルバインC、日信化学工業(株)製) 12部
エポキシ変性シリコーン(X−22−3000T、信越化学工業(株)製) 1.2部
メチルスチル変性シリコーン(24−510、信越化学工業社製) 0.6部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 50部
第二の基材として、25μmの透明PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用い、その第二の基材の一方の面に、絵柄層として、地紋と説明文を、グラビア印刷にて形成しておいた。但し、その絵柄層は、鏡像で印刷して、印刷面と反対面の第二の基材から視認して、判読できるものとする。その絵柄層付きの第二の基材と、上記の受容層などを設けた第一の基材を、下記組成の接着層塗工液で、乾燥後塗布量が5g/m2になるように、塗布、乾燥して、貼り合わせた。但し、絵柄層と、第一の基材の受容層の設けられた面と反対面が接するように、貼り合わせて、巻取りで巻き取った形態で、熱転写受像シートを作製して、実施例1の熱転写受像シートとした。
<接着層塗工液>
多官能ポリオール(タケラックA−969V、三井化学ポリウレタン(株)製)30部
イソシアネート(タケネートA−5、三井化学ポリウレタン(株)製) 10部
酢酸エチル 60部
<熱転写シートの作成>
背面に、下記塗工液で0.7g/m2の乾燥時の厚さで耐熱滑性層が形成されている、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(基材)の耐熱滑性層を形成していない側の面に、下記の離型層用塗布液を塗布後乾燥して離型層を形成した。次に、上記で形成した離型層の上に、下記の保護層用塗布液を塗布後、乾燥して保護層を形成した。更に、上記で形成した保護層の上に、熱接着性樹脂層用塗布液を塗布後、乾燥して、熱接着性樹脂層用を形成し、図5に示す保護層の配置の位置に、熱接着性樹脂層/保護層/離型層を形成した。
<耐熱滑性層形成用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 2.0部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3部
(プライサーフA208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.3部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・ポリイソシアネート 9.2部
(バーノックD750−45 大日本インキ化学工業(株))
・メチルエチルケトン 43.6部
・トルエン 43.6部
<離型層用塗布液>
シリコーン変性アクリル系樹脂 16部
(ダイセル化学工業(株)製 セルトップ226 固形分50%)
アルミニウム触媒 3部
(ダイセル化学工業(株)製 セルトップCAT−A 固形分10%)
メチルエチルケトン 8部
トルエン 8部
<保護層用塗布液>
アクリル樹脂(BR−87、三菱レイヨン社製) 100部
メチルエチルケトン 210部
トルエン 210部
<熱接着性樹脂層用塗布液>
ポリエステル樹脂(RV700、東洋紡績(株)製) 100部
メチルエチルケトン 200部
トルエン 200部
上記の保護層を形成した基材に対し、図5に示す配置で、バーコーター法で、下記組成の塗工液により、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層、ブラック溶融転写層を各々0.8g/m2(乾燥時)の厚さで形成して、巻取り状の熱転写シート15を作製した。
<イエロー染料層形成用塗工液>
・イエロー分散染料 5.5部
(Macrolex Yellow 6G、バイエル製)
・ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学製) 4.5部
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90.0部
<マゼンタ染料層形成用塗工液>
イエロー分散染料の代わりにマゼンタ分散染料(Disperse Red60)を使用した以外はイエロー染料形成用塗工液と同じとした。
<シアン染料層形成用塗工液>
イエロー分散染料の代わりにシアン分散染料(Solvent Blue63)を使用した以外はイエロー染料形成用塗工液と同じとした。
<シアン染料層形成用塗工液>
イエロー分散染料の代わりにシアン分散染料(Solvent Blue63)を使用した以外はイエロー染料形成用塗工液と同じとした。
<ブラック溶融転写層形成用塗工液>
・カーボンブラック(MA−8、三菱化学(株)製) 15.0部
・ポリエステル樹脂 15.0部
(ダイアクロンER1002、三菱レイヨン製)
・メチルエチルケトン 35.0部
・トルエン 35.0部
上記の巻取り状の熱転写受像シートを巻出部に準備する工程と、その熱転写受像シートの受容層に、上記の熱転写シート15を用いて、溶融型及び/又は昇華型の熱転写方式で、画像形成手段21にて画像を形成する工程と、該形成された画像を有する受容層上に、保護層転写手段22にて保護層を転写する工程を、順次行なって、連続状の熱転写受像シートをシートカット手段27で切断して、実施例1の印画物を製造した。(図5の印画物製造装置参照)
上記の製造方法で使用した画像形成手段21は、記録密度が300dpiのサーマルヘッドを搭載した256階調制御が可能であり、写真画像を色分解して得た電気信号に連結した条件で使用した。印字条件は、印字スピードが5ms/lineで、その最大階調時の印加エネルギーが0.65mJ/dotである。熱転写画像として、漫画のキャラクターになるように設定した。また、保護層転写手段は、1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式の条件で、各分割パルスのDuty比を90%に固定し、保護層をパルス数120個((階調)の条件で、加熱して、熱転写受像シートの受容層上に保護層を形成した。
その結果、製造された印画物は、鮮明な熱転写画像を有し、その画像は耐擦過性などの耐久性が高く、また光沢性も高いものであった。またサーマルヘッド等への信号を変えるだけで、すなわちオンデマンドで異なる種類の画像を簡単に形成できるものであった。さらに、上記の製造方法により、印画物を効率的に作製することができた。
(実施例2)
上記の実施例1の熱転写受像シートを用意する際、第1の基材と受容層との間に、下記組成の断熱層塗工液で、ワイヤーバーコーティングにより、乾燥塗布量が5.0g/m2になるように塗布、乾燥して、断熱層を形成した以外は、実施例1と同様に実施例2の熱転写受像シートを作製した。また、巻取り状の熱転写受像シートを巻出部に準備する工程と、その熱転写受像シートの受容層に、熱転写シート15を用いて、溶融型及び/又は昇華型の熱転写方式で、画像形成手段21にて画像を形成する工程と、該形成された画像を有する受容層上に、保護層転写手段22にて保護層を転写する工程を、順次行なって、印画物を製造する方法は、実施例1と同様にして、実施例2の印画物を製造した。
<断熱層塗工液>
中空粒子 100部
(粒子内部の液体が加熱により揮発し、中空になるタイプで、スチレン−アクリル系樹脂の中空粒子、中空率55%、平均粒子径1μm;ロームアンドハース社製 ローペイク HP−1055)
ポリビニルアルコール樹脂の15%溶液 19部
(日本合成化学工業(株)製 KM−11)
水 40部
上記の製造された印画物は、鮮明な熱転写画像を有し、さらに熱転写画像の際の転写感度が高く、印画濃度の濃淡の再現性が実施例1よりも優れたものであった。またその画像は耐擦過性などの耐久性が高く、また光沢性も高いものであった。またサーマルヘッド等への信号を変えるだけで、すなわちオンデマンドで異なる種類の画像を簡単に形成できるものであった。さらに、上記の製造方法により、印画物を効率的に作製することができた。
(実施例3)
上記の実施例1の熱転写受像シートを用意する際、第2の基材上の絵柄層の上で、全面を覆うように、下記組成のバリア層塗工液で、ワイヤーバーコーティングにより、乾燥塗布量が2.0g/m2になるように塗布、乾燥して、バリア層を形成した以外は、実施例1と同様に実施例3の熱転写受像シートを作製した。また、巻取り状の熱転写受像シートを巻出部に準備する工程と、その熱転写受像シートの受容層に、熱転写シート15を用いて、溶融型及び/又は昇華型の熱転写方式で、画像形成手段21にて画像を形成する工程と、該形成された画像を有する受容層上に、保護層転写手段22にて保護層を転写する工程を、順次行なって、印画物を製造する方法は、実施例1と同様にして、実施例3の印画物を製造した。
<バリア層塗工液>
・ポリエステル樹脂(WR−905、日本合成化学(株)製) 15部
・水/イソプロピルアルコール〔IPA〕(質量比2/1) 85部
上記の製造された印画物は、鮮明な熱転写画像を有し、さらに絵柄層が接着層の成分の影響で、ニジミ等の欠陥が全く生じないものであった。またその画像は耐擦過性などの耐久性が高く、また光沢性も高いものであった。またサーマルヘッド等への信号を変えるだけで、すなわちオンデマンドで異なる種類の画像を簡単に形成できるものであった。さらに、上記の製造方法により、印画物を効率的に作製することができた。
(実施例4)
第一の基材として、コート紙(157.0g/m2を使用した。
第二の基材として、25μmの透明PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用い、その第二の基材の一方の面に、絵柄層として、地紋と受容層に形成する漫画のキャラクターに関わる説明文を、グラビア印刷にて形成しておいた。その絵柄層付きの第二の基材と、上記の第一の基材を、上記の実施例1で貼り合せる際に使用した接着層塗工液で、乾燥後塗布量が5g/m2になるように、塗布、乾燥して、貼り合わせた。但し、絵柄層と、第一の基材が接するように、貼り合わせて、巻取りで巻き取った形態で、積層体35を作製して、用意した。
<中間転写記録媒体の作成>
基材として厚さ12μmのPETフィルムを用い、該基材の一方の面へ、バーコーター法で、下記組成の剥離層形成用塗工液を、乾燥後0.8g/m2になるように塗布し乾燥して剥離層を形成した。次いで、この剥離層上に、バーコーター法で、下記組成の保護層形成用塗工液を、乾燥後10.0g/m2になるように塗布し乾燥して保護層を形成した。次いで、保護層上に、バーコーター法で、下記組成の受容層形成用塗工液を、乾燥後2.5g/m2になるように塗布し乾燥して受容層を形成して、巻取り状の中間転写記録媒体を作製した。
(剥離層形成用塗工液)
・アクリル樹脂 100部
(BR−87、三菱レイヨン(株)製)
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(保護層形成用塗工液)
・ポリエステル樹脂 20部
(バイロン270、東洋紡(株)製 数平均分子量23000、Tg=67℃)
・トルエン 40部・MEK 40部
(受容層形成用塗工液)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 98部
(CNL、日信化学工業(株)製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーンオイル 1.5部
(KF−410 信越化学工業(株)製)
・側鎖型エポキシ変性シリコーンオイル 0.5部
(X−22−3000T 信越化学工業(株)製)
・トルエン 200部・MEK 200部
HDP−600(HID社製)プリンター用専用インクリボンを熱転写シート34として、巻取りで用意し、上記の中間転写記録媒体の受容層へ、図6に示すような画像形成手段28にて、テストパターンを印画し、受容層に画像を印画し、その熱転写の画像形成された中間転写記録媒体33と、上記に作製した積層体35を重ねて、ヒートローラーとプラテンローラーによる転写手段29にて、積層体35の第一の基材表面に、熱転写画像の形成された受容層と保護層、剥離層を転写して、実施例4の印画物を製造した。但し、ヒートローラーの表面温度は180℃の条件とした。(図6の印画物製造装置参照)
上記の画像形成手段28は、実施例1の画像形成手段21と同様の条件で行なった。
上記の製造された印画物は、鮮明な熱転写画像を有し、その画像は耐擦過性などの耐久性が高く、また光沢性も高いものであった。またサーマルヘッド等への信号を変えるだけで、すなわちオンデマンドで異なる種類の画像を簡単に形成できるものであった。さらに、上記の製造方法により、印画物を効率的に作製することができた。
(比較例1)
両面コート紙(180g/m2)を用い、一方の面に漫画のキャラクターをオフセット印刷により形成し、さらに両面コート紙の他方の面に、地紋と説明文を、グラビア印刷にて形成して、印画物を作製した。その印画物は、耐擦過性などの耐久性が低く、取り扱っているうちに、印画物の表面が擦れて、キズが生じ、印刷されている画像などに欠陥が生じた。また、漫画のキャラクターなど異なる種類の画像を印刷するには、オフセット印刷版をその種類ごとに作製して、印刷するものであり、印画物を製造する手間が、非常にかかり問題であった。
1 熱転写受像シート
2 第一の基材
3 第二の基材
4 受容層
5 接着層
6 絵柄層
7 断熱層
8 バリア層
9 保護層
10 印画物
11 熱転写画像
15 熱転写シート
20 印画物製造装置

Claims (5)

  1. 第一の基材と、前記第一の基材の一方の面に形成された受容層と、前記第一の基材の他方の面に接着層を介して設けられた第二の基材を有する熱転写受像シートにおいて、前記第二の基材は、第一の基材側の面の少なくとも一部に絵柄層が形成され、前記絵柄層は、前記第二の基材の第一の基材側と反対面側から、第二の基材を通して視認できることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記の受容層が、断熱層を介して第一の基材に形成されていることを特徴とする請求項1に記載する熱転写受像シート。
  3. 前記の第二の基材に形成された絵柄層と、接着層との間に、バリア層が設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載する熱転写受像シート。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載する熱転写受像シートの受容層に熱転写画像が形成され、該受容層を覆うように保護層が設けられたことを特徴とする印画物。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載する熱転写受像シートを準備する工程と、受容層に溶融型及び/又は昇華型の熱転写方式で、画像を形成する工程と、該形成された画像を有する受容層上に、保護層を転写する工程を、順次行なって印画物を製造することを特徴とする印画物の製造方法。
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