JP2013122094A - 抄紙用ポリエステル繊維およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】高い水中分散性と高い強度を併せ持っており、抄紙することによって低目付・薄手化の湿式不織布を得ることができる抄紙用ポリエステル繊維を提供する。
【解決手段】抄紙用ポリエステル繊維は、単繊維繊度が0.4〜3.5dtex、単繊維強度が5.0cN/dtex以上、繊維長が5〜15mmのポリエステル繊維であって、アルキルホスフェート塩が繊維質量に対して0.002〜0.05質量%付着されてなる水中分散性の優れた繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、抄紙用に適した優れた水中分散性を持つ高強度のポリエステル繊維およびその製造方法に関するものである。
従来、抄紙用原料としては、天然セルロースやレーヨンなどの植物性繊維材料が主に使用されてきたが、これらと比べ、昨今、品質の安定したポリエステル繊維やポリアミド繊維に代表される合成繊維材料への置き換えが進んでいる。
また、抄紙用原料に合成繊維を原料として用いることにより、合成繊維の持つ優れた機械的特性、電気的特性ならび耐熱性などを有した抄紙を得ることもできる。このため、抄紙が展開できる用途と分野が飛躍的に拡大している。また、更なる用途と分野の拡大を図るため、原料繊維の品質ならび特性の高度化の要求が高まっている。
その中でも、様々な分野において進む製品の小型化に対応すべく、抄紙の低目付化と薄手化の要求は高く、低目付でも従来と同等以上の強度を保つことができる抄紙の開発が望まれている。
抄紙用に合成繊維を原料として用いる場合は、主体繊維とそれを結合させるバインダー繊維で構成されるのが一般的であり、バインダー繊維として用いられる繊維をポリエステルとポリオレフィンからなる芯鞘型複合原綿とすることにより、抄紙の高強度化を図っている提案がなされている(特許文献1参照。)。しかしながら、この提案において、主体繊維がポリエステル繊維やポリアミド繊維などの場合は、バインダー繊維は主体繊維との接着性が十分ではなく界面剥離が発生しやすく、主体繊維との組み合わせに限定がある。
また、低目付と薄手化のもう一つの手法として、主体繊維の高強度化があり、超高分子量ポリエチレンやポリアリレートを用いた高強力繊維が提案されている(特許文献2照。)。しかしながら、これらのポリマーは、非常に特殊なために組み合わせるバインダー繊維も特殊なものとなるため、得られる抄紙が非常に高価となり、汎用的な用途と分野に展開できるものではなかった。
最も汎用性の高いポリエステル繊維では、単繊維強度が4.0cN/dtex未満のものがほとんどであり、高強度の要求を満たすものではない(特許文献3照。)。また別に、単繊維強度が5.0cN/dtex以上の繊維も提案されているが(特許文献4照。)、この提案では高温での熱処理や高倍率での延伸を行っているため、工程中に融着や糸切れが発生しており、著しく水中分散性を悪化させている。このように、実用可能な抄紙用高強度ポリエステル繊維は得られていないのが実状である。
特開平11−279840号公報 特開2010−168702号公報 特開2010−209500号公報 特開昭61−258100号公報
そこで本発明の目的は、上記した従来技術における問題点を克服し、抄紙用に最適な水中分散性を保持した高強度のポリエステル繊維ならびにその製造方法を提供することにある。
本発明の抄紙用ポリエステル繊維は、単繊維繊度が0.4〜3.5dtex、強度が5.0cN/dtex以上、繊維長が5〜15mmのポリエステル繊維であって、アルキルホスフェート塩が、前記ポリエステル繊維質量に対して0.002〜0.05質量%付着されてなる抄紙用ポリエステル繊維である。
本発明の抄紙用ポリエステル繊維の好ましい態様によれば、さらに、分散性油剤としてポリエーテル・ポリエステル共重合物が、前記のポリエステル繊維に対して0.05〜0.6質量%付着されてなることである。
本発明の抄紙用ポリエステル繊維の好ましい態様によれば、前記のポリエステル繊維はポリエチレンテレフタレート繊維である。
また、本発明の抄紙用ポリエステル繊維の製造方法は、ポリエステルポリマーを溶融紡糸し、その未延伸糸の延伸時または延伸後にアルキルホスフェート塩を、繊維質量に対して0.002〜0.05質量%付着させ、その後に200〜220℃の温度で緊張熱処理を行い、次いでポリエーテル・ポリエステル共重合物を付着させる抄紙用ポリエステル繊維の製造方法である。
本発明によれば、優れた水中分散性と高い強度を併せ持つ実用化可能な抄紙用ポリエステル繊維を製造することができ、これにより展開可能な分野を飛躍的に広げることができる。
本発明の抄紙用ポリエステル繊維を用いることにより、得られる抄紙の高強度化を図ることができるため、低目付化や薄手化しても十分な強度を保つことが可能となる。
図1は、アルキルホスフェート塩の付着の有無のサンプル(繊維)を容器中水中で分散させ、それを上方から撮影した図面代用写真である。
本発明の抄紙用ポリエステル繊維は、単繊維繊度が0.4〜3.5dtex、強度が5.0cN/dtex以上、繊維長が5〜15mmのポリエステル繊維であって、アルキルホスフェート塩が、前記ポリエステル繊維に対して0.002〜0.05質量%付着されてなるものである。
本発明の抄紙用ポリエステル繊維を構成するポリエステルとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主なるグリコール成分として得られるポリエチレンテレフタレート、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリトリメチレンテレフタレート、1,4−ブタンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル、ならびに乳酸を繰り返し単位とするポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルなどが例示される。中でも、その汎用性や品質の面からは、ポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
また、前記のポリエステルは、他のポリエステル結合を形成可能な共重合成分を含むポリエステルであってもよい。共重合可能な化合物としては、例えば、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸およびセバシン酸などのジカルボン酸類や、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよびポリエチレングリコールなどのグリコール類などを挙げることができる。
また、前記のポリエステルには、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤となるシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤となるヒンダードフェノール誘導体、着色顔料、安定剤、蛍光剤、抗菌剤、消臭剤、強化剤および難燃剤などを添加してもよい。
本発明の抄紙用ポリエステル繊維の単繊維繊度は、0.4〜3.5dtexであり、好ましくは0.6〜3.0dtexである。単繊維繊度が0.4dtex未満では溶融紡糸時の繊度分布斑が生じるため、熱処理時の熱収縮もまばらとなり、糸切れが発生するために水中分散性を悪化させる。また、単繊維繊度が3.5dtexを超える場合は、得られる抄紙の低目付化と薄手化を図ることができない。
本発明の抄紙用ポリエステル繊維の単繊維の強度は5.0cN/dtex以上であり、好ましくは5.5cN/dtex以上である。単繊維強度が5.0cN/dtex未満では強度が十分ではないため、得られる抄紙の低目付化と薄手化を図ることができない。単繊維強度は、高ければ高いほど好ましいが、実質的なレベルで言えば、上限値は6.5cN/dtex程度である。
本発明の抄紙用ポリエステル繊維の溶融紡糸工程については、例えば、あらかじめ乾燥したポリエステルチップを、プレッシャーメルター型またはエクストルーダー型の紡糸機を用いて溶融紡糸する方法や、未乾燥のポリエステルチップを、ベント式エクストルーダー型の紡糸機を用いて溶融紡糸する方法など挙げられる。
本発明の抄紙用ポリエステル繊維は、従来技術では不可能な優れた水中分散性と高い強度を両立させるために、延伸時または延伸後にアルキルホスフェート塩を付与し、その後緊張熱処理を行うことが重要である。
ポリエステル繊維は、常法で緊張熱処理を行うと、処理温度が融点以下の温度であっても非晶部同士の融着などによる微視的な融着が発生する。抄紙用途以外の乾式不織布用途や紡績用途では、カードや開繊機などを用いて強制的に梳く工程があるため、これらの融着は乖離することができる。一方、抄紙用途では繊維を水中に拡散・分散させるだけであり、融着を強制的に乖離することができずに製品の欠点につながる。このため、抄紙用途向けに対しては、緊張熱処理を行うことができなかった。
これに対し、本発明では、延伸時または延伸後にアルキルホスフェート塩を付与させることにより、上記融着の解消に至っている。即ち、延伸時または延伸後にアルキルホスフェート塩を付与し、繊維表面に油膜を形成させることが重要であり、本発明者らは、その油膜を形成させることにより緊張熱処理時各繊維同士の直接的な接触を阻害し、融着の発生を妨げることを見出した。
繊維の製造方法において、紡糸性や延伸性を改善させる処理剤としては、低分子体のポリエステル、ポリエーテルおよびアルキルエーテルなどが挙げられるが、本発明では緊張熱処理に耐えうる耐熱性と油膜強度を併せ持つことが重要であり、これらからアルキルホスフェート塩を用いることが重要である。また、本発明で用いられるアルキルホスフェート塩としては、炭素数が12〜20のアルキル基を有するアルキルホスフェート塩が好ましく、ラウリルホスフェートカリウム塩、セチルホスフェートカリウム塩およびステアリルホスフェートカリウム塩などが挙げられる。炭素数が11以下では、油膜強度が不足するため、緊張熱処理時に油膜を保持することが難しくなる。また、炭素数が20を超えると油剤の粘性が高くなり、繊維同士が擬似的な接着状態となることがある。
アルキルホスフェート塩の付着量は、繊維質量に対し、0.002〜0.05質量%であり、好ましくは0.005%〜0.03%である。付着量が0.002%以下では、繊維表面全体に油膜を形成させることができないため、緊張熱処理時に融着が発生する。また、付着量が0.05%を超えると油剤の粘性により繊維同士が擬似的な接着状態となる上に、アルキルホスフェート塩は湿潤時の繊維/繊維間の摩擦を高くする働きがあるため、水中分散性を著しく悪化させる。
図1は、アルキルホスフェート塩の付着の有無のサンプル(繊維)を容器中水中で分散させ、それを上方から撮影した図面代用写真である。図1左側は、アルキルホスフェート塩処理を施したもので、繊維表面全体に油膜を形成されているのに対し、図1右側は、アルキルホスフェート塩処理を施さないもので、繊維表面全体に油膜を形成されていない。
アルキルホスフェート塩の付与方法としては、ポリエステル繊維の延伸時の延伸液中にアルキルホスフェート塩を混合する方法や、延伸後にスプレー方式、ディップ方式またはオイリングタッチ方法でアルキルホスフェート塩を付与する方法などが挙げられるが、均一付与性の面から、延伸液中にアルキルホスフェート塩を混合させる方法が最も好ましい態様である。
延伸方法としては、液浴延伸やスチーム延伸および熱ローラーによる延伸方法が挙げられるが、アルキルホスフェート塩の付与を考慮すると、液浴延伸法が最も好ましい態様である。
延伸倍率は、好ましくは3.0〜4.0倍であり、より好ましくは3.0〜3.6倍である。延伸倍率が3.0倍未満では、延伸による配向が十分ではないため、高強度の繊維を得ることが難しくなる。また、延伸倍率が4.0倍を超えると、延伸中に糸切れが発生し、分散異常を発生させることがある。
また、本発明において、緊張熱処理における熱処理温度は200℃〜220℃であり、好ましくは200〜210℃である。熱処理温度が200℃未満では、十分な強度を得るためには、非常に高い倍率での延伸が必要となり、延伸時の糸切れが発生し、これによる水中分散性の悪化を招く。また、熱処理温度が220℃を超えると、アルキルホスフェート塩の分解などにより局所的に油膜を保持できなくなるために融着が発生し、水中分散性を悪化させる。
また、本発明に係る抄紙用ポリエステル繊維には、水中分散性を向上させるために、当該機能を有する油剤を付与することが好ましい。また、分散中に繊維表面から油剤が脱離すると分散性が低下するため、繊維との親和性も高い油剤を選択することが望ましい。これらの機能を併せ持つ油剤として、ポリエーテルや脂肪族ポリエステルなどが挙げられるが、ポリエーテル・ポリエステル共重合体が好ましく用いられる。用いられるポリエーテル・ポリエステル共重合体としては、テレフタル酸および/またはイソフタル酸、低級アルキレングリコールならびにポリアルキレングリコールおよび/またはそのモノエーテルからなるものが挙げられる。特に、ポリエチレングリコールとテレフタル酸・ポリプロピレングリコールの共重合体が好ましく用いられる。
好ましく用いられる低級アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびテトラメチレングリコール等が挙げられる。一方、ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等が挙げられる。さらに、ポリアルキレングリコールのモノエーテルとしては、ポリエチレングリコールなどのモノメチルエーテルやモノエチルエーテルなどが挙げられる。
また、ポリエーテル・ポリエステル共重合物の付着量は、繊維質量に対し、0.1〜0.6質量%であり、好ましくは、0.2〜0.4%である。付着量が0.05%未満では、付着量が十分ではなく、水中分散性が悪化する。付着量が0.6%を超えると、水中分散性は頭打ちの状態となり、経済性を考慮すると好ましくない。
また、ポリエーテル・ポリエステル共重合物の付着方法としては、スプレー方式、ディッピング方式およびローラータッチ方式が挙げられるが、均一付着性や付着量管理の観点からローラータッチ方式が好ましい。
本発明の抄紙用ポリエステル繊維の繊維長は、5〜15mmであり、好ましくは5〜10mmである。繊維長が5mm未満では、カットする時の摩擦熱で繊維同士の融着が発生するため、水中分散性が悪化する。また、繊維長が15mmを超えると繊維同士が絡まるため水中分散性が悪化する。
本発明の抄紙用ポリエステル繊維を用いることにより、得られる抄紙の高強度化を可能とし、従来技術より低目付・薄手化を図ることができるので、例えば、集塵機のフィルターや膜支持体などに用いると構成紙数を増やすことができ、効率アップを図ることができる。
次に、実施例により、本発明の抄紙用ポリエステル繊維とその製造方法をより具体的に説明する。実施例で用いた特性の測定方法は、次のとおりである。
[単繊維繊度、繊維長、単繊維強度、単繊維伸度]
JIS L−1015(1999年改正)に示される方法により、単繊維繊度(dtex)、繊維長(mm)、単繊維強度(cN/dtex)および単繊維伸度(%)を測定した。
[水中分散性の評価]
300mlビーカーに150mlの水を入れ、このビーカーに0.05gの繊維を投入し、その後回転速度1000rpmで1分間撹拌した後、吸引濾過を行い、未分散状繊維の数を測定した。未分散状繊維が4本未満である場合を分散性良好(○)、4本以上の場合は分散性不良と判断した。
[抄紙強度]
JIS P8133(2006年改正)に示される方法により、得られた抄紙の強度(N/15mm)を測定した。なお、試長は50mm、幅は15mmとした。
(実施例1)
固有粘度(IV)が0.65で、融点が260℃のポリエチレンテレフタレートを、160℃の温度に設定した熱風乾燥機を用いて8.0時間乾燥した。乾燥したチップをプレッシャーメルター型紡糸機を用いて、紡糸温度300℃で溶融紡糸し、得られたこの紡糸糸条を冷却し集束して、単繊維繊度4.5dtexの未延伸糸を製造した。得られた未延伸糸を複数集合させて総繊度約80ktexのトウとし、ステアリルホスフェートカリウム塩を加えた溶液中で3.2倍に延伸すると共に、ステアリルホスフェート塩を繊維質量に対し0.05質量%を付与させた。その後、処理温度210℃で緊張熱処理し、次いでポリエチレングリコールとテレフタル酸とプロピレングリコールからなるポリエーテル・ポリエステル共重合物を、繊維質量に対し0.30質量%となるように付与した後、6mmに切断し、抄紙用ポリエステル繊維を製造した。得られた抄紙用ポリエステル繊維を、単繊維繊度1.5dtex未延伸ポリエステル繊維と質量比50:50の割合で混抄し、80g/mの抄紙を製造した。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様に、同設備を用い単繊維繊度2.4dtexの未延伸糸を製造した。得られた未延伸糸条を複数集合させて総繊度約80ktexのトウとし、ステアリルホスフェートカリウム塩を加えた溶液中で2.9倍に延伸すると共に、ステアリルホスフェート塩を繊維質量に対し0.05質量%を付与させた。その後、処理温度220℃で緊張熱処理し、ポリエチレングリコールとテレフタル酸とプロピレングリコールからなるポリエーテル・ポリエステル共重合物を繊維質量に対し、0.40質量%となるように付与した後、6mmに切断し、抄紙用ポリエステル繊維を製造した得られた抄紙用ポリエステル繊維を、単繊維繊度1.5dtex未延伸ポリエステル繊維と質量比50:50の割合で混抄し、80g/mの抄紙を製造した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同様に、同設備を用い単繊維繊度11.0dtexの未延伸糸を製造した。得られた未延伸糸条を複数集合させて総繊度約80ktexのトウとし、ステアリルホスフェートカリウム塩を加えた溶液中で3.5倍に延伸すると共に、ステアリルホスフェート塩を繊維質量に対し0.05%を付与させた。その後、処理温度200℃で緊張熱処理し、ポリエチレングリコールとテレフタル酸とプロピレングリコールからなるポリエーテル・ポリエステル共重合物を繊維質量に対し、0.25質量%となるように付与した後、6mmに切断し、抄紙用ポリエステル繊維を製造した。得られた抄紙用ポリエステル繊維を、単繊維繊度1.5dtex未延伸ポリエステル繊維と質量比50:50の割合で混抄し、80g/mの抄紙を製造した。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1で得られた未延伸糸を用い、繊維長を12mmに変更したこと以外は、実施例1と同じ方法で抄紙用ポリエステル繊維ならび抄紙を製造した。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1で得られた未延伸糸を用い、ステアリルホスフェート塩を繊維質量に対し0.005質量%を付与させたこと以外は、実施例1と同じ方法で抄紙用ポリエステル繊維ならび抄紙を製造した。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1で得られた未延伸糸を用い、ポリエーテル・ポリエステル共重合物を、繊維質量に対し0.1質量%となるように付与したこと以外は、実施例1と同じ方法で抄紙用ポリエステル繊維ならび抄紙を製造した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で得られた未延伸糸を用い、延伸に用いられる溶液を温水に変更したこと以外は、実施例1と同じ方法で抄紙用ポリエステル繊維を製造した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で得られた未延伸糸を用い、緊張熱処理時の温度を180℃に変更したこと以外は、実施例1と同じ方法で抄紙用ポリエステル繊維を製造した。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1で得られた未延伸糸を用い、緊張熱処理温度を230℃に変更したこと以外は、実施例1と同じ方法で抄紙用ポリエステル繊維を製造した。結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1で得られた未延伸糸を用い、繊維長を20mmに変更したこと以外は、実施例1と同じ方法で抄紙用ポリエステル繊維を製造した。結果を表1に示す。

Claims (4)

  1. 単繊維繊度が0.4〜3.5dtex、単繊維強度が5.0cN/dtex以上、繊維長が5〜15mmのポリエステル繊維であって、アルキルホスフェート塩が繊維質量に対して0.002〜0.05質量%付着されてなることを特徴とする抄紙用ポリエステル繊維。
  2. さらに、分散性油剤としてポリエーテル・ポリエステル共重合物が繊維質量に対して0.05〜0.6質量%付着されてなることを特徴とする請求項1記載の抄紙用ポリエステル繊維。
  3. ポリエステル繊維がポリエチレンテレフタレート繊維であることを特徴とする請求項1または2記載の抄紙用ポリエステル繊維。
  4. ポリエステルポリマーを溶融紡糸して未延伸糸とし、その未延伸糸の延伸時または延伸後にアルキルホスフェート塩を、繊維質量に対して0.002〜0.05質量%付着させ、その後に200〜220℃の温度で緊張熱処理を行い、次いでポリエーテル・ポリエステル共重合物を付着させることを特徴とする抄紙用ポリエステル繊維の製造方法。
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