JP2013174028A - 抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維 - Google Patents

抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維 Download PDF

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Abstract

【課題】高い流動性と高い水中分散性とを併せ持っており、抄紙することによって低目付・薄手化の湿式不織布を得ることができる、抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維を提供する。
【解決手段】本発明の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維は、固有粘度が0.50〜0.60、単繊維繊度が1.0〜2.0dtex、繊維長が3〜15mmのポリエステル繊維であって、アルキルホスフェート塩が繊維質量に対して0.002〜0.05質量%付着されてなるものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、抄紙用に適した優れた水中分散性を持つ、未延伸ポリエステルバインダー繊維に関するものである。
従来、抄紙用原料としては、天然セルロースやレーヨンなどの植物性繊維材料が主に使用されてきたが、これらと比べ、昨今、品質の安定したポリエステル繊維やポリアミド繊維に代表される合成繊維材料への置き換えが進んでいる。
また、抄紙用原料に合成繊維を用いることにより、合成繊維の持つ優れた機械的特性、電気的特性ならびに耐熱性などを有した抄紙を得ることもできる。このため、抄紙が展開できる用途ならびに分野は飛躍的に拡大している。また、更なる用途と分野の拡大を図るため、原料繊維の品質ならびに特性の高度化の要求が高まっている。
その中でも、様々な分野において進む製品の小型化に対応すべく、抄紙の低目付化と薄手化の要求は高く、低目付でも従来と同等以上の強度を保つことができる抄紙の開発が望まれている。
抄紙用に合成繊維を原料として用いる場合は、主体繊維とそれ自体が溶融して主体繊維同士を結合させるバインダー繊維で構成されるのが一般的であり、バインダー繊維として用いられる繊維を、ポリエステルとポリオレフィンからなる芯鞘型複合繊維とすることにより、抄紙の高強度化を図る提案がなされている(特許文献1参照)。しかしながら、この提案において、主体繊維がポリエステル繊維やポリアミド繊維などの場合は、バインダー繊維は主体繊維との接着性が十分ではなく、界面剥離が発生しやすく、主体繊維との組み合わせに限定がある。
また、最も汎用性の高いポリエステル繊維に対して、上記課題を解決するために鞘成分を低融点の共重合ポリエステルを用いたバインダー繊維が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、このような複合繊維は複数種のポリエステル、複雑な紡糸設備および高度な運転管理が必要であり、非常に高価なバインダー繊維となる。さらにこれら複合繊維では、溶融する鞘成分は芯成分に拘束されているため、流動性が非常に低く、広範囲に渡って均一かつ強固に繊維間を接着させるためには、バインダー繊維を増量する必要がある。このため、主体繊維の混率を下げざるを得ないため、高強度化を図ることができない。
一方、バインダー繊維として未延伸ポリエステル繊維を使用する方法が提案されている(特許文献3)。しかしながら、該文献で用いられているポリエステルの固有粘度では流動性が低いため、上記の芯鞘型バインダーと同様の理由から、高強度化を図ることができない。また、流動性を高めるため、固有粘度0.50〜0.58のポリエステルを用いる方法が提案されている(特許文献4参照)。確かに、該提案における繊維の流動性は高いが、その一方で固有粘度を下げたことにより、耐熱性が低下しており、製糸中の熱や圧力により融着が起こるため、抄紙加工にて最も重要である水中分散性に劣るものであった。
特開平11−279840号公報 特開2011−208323号公報 特開2002−339287号公報 特開平1−104823号公報
そこで本発明の技術的課題は、上記した従来技術における問題点を克服し、高強度抄紙を得ることができる、未延伸ポリエステルバインダー繊維を提供することにある。
本発明の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維は、固有粘度が0.50〜0.60、単繊維繊度が1.0〜2.0dtex、繊維長が3〜15mmの抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維であって、アルキルホスフェート塩が、前記抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維に対して0.002〜0.05質量%付与されてなる抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維である。
本発明の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維の好ましい態様によれば、さらに、分散性油剤としてポリエーテル・ポリエステル共重合物が、前記の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維に対して0.05〜0.60質量%付着されてなるものである。
本発明の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維の好ましい態様によれば、前記の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維はポリエチレンテレフタレート繊維である。
本発明によれば、高強度抄紙を得るために好適な流動性を持ち、加工性にも優れた抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維を製造することができ、これにより展開可能な分野を飛躍的に広げることができる。
アルキルホスフェート塩の付着の有無のサンプル(繊維)を容器内の水中で分散させ、それを上方から撮影した図面代用写真である。
本発明の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維は、固有粘度が0.50〜0.60、単繊維繊度が1.0〜2.0dtex、繊維長が3〜15mmのポリエステル繊維であって、アルキルホスフェート塩が、前記ポリエステル繊維に対して0.002〜0.05質量%付着されてなるものである。
本発明の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維を構成するポリエステルとしては、テレフタル酸を主たる酸成分として、エチレングリコールを主たるグリコール成分として得られるポリエチレンテレフタレート、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリトリメチレンテレフタレート、1,4−ブタンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステルならびに乳酸を繰り返し単位とするポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルなどが例示される。中でも、その汎用性や品質の面からは、ポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
また、前記のポリエステルは、他のポリエステル結合を形成可能な共重合成分を含むポリエステルであってもよい。共重合可能な化合物としては、例えば、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸およびセバシン酸などのジカルボン酸類や、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよびポリエチレングリコールなどのグリコール類などを挙げることができる。
また、前記のポリエステルには、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤となるシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤となるヒンダードフェノール誘導体、着色顔料、安定剤、蛍光剤、抗菌剤、消臭剤、強化剤および難燃剤などを、任意に選択し或いは組み合わせて添加してもよい。
本発明の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維の固有粘度は0.50〜0.60であり、好ましくは0.52〜0.58である。固有粘度が0.50未満では、単繊維強度が低く、糸切れが多発し、水中分散性が悪化する。また、固有粘度が0.60を超える場合は、ポリマーの流動性が低いため、高強度抄紙を得ることができない。
本発明の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維の単繊維繊度は1.0〜2.0dtexであり、好ましくは1.0〜1.5dtexである。単繊維繊度が1.0dtex未満では、単繊維強力が低いため、糸切れが多発し、水中分散性が悪化する。また、単繊維繊度が2.0dtexを超える場合は、抄紙を構成するバインダー繊維の繊維数が少なくなるため、抄紙全体を均一かつ強固に接着することができず、高強度化を図ることができない。
本発明の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維は、従来技術では不可能な優れた水中分散性を持たせるために、アルキルホスフェート塩を付与することが重要である。
本発明の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維は延伸を行わないため、繊維構造としては、非晶体となっている。従って、製糸工程中の僅かな張力、圧力、摩擦、熱などの外力により、容易に微視的な圧着や融着が発生する。抄紙用途以外の乾式不織布用途や紡績用途などでは、カードや開繊機などを用いて強制的に梳く工程があるため、これら圧着・融着した繊維は乖離させることができる。一方、抄紙用途では繊維を水中に拡散・分散させるだけであり、これらを強制的に乖離させることができないため、そのまま製品の欠点につながる。
これに対し、本発明では、アルキルホスフェート塩を付与することにより、上記圧着・融着の解消に至っている。即ち、製糸工程中にアルキルホスフェート塩を付与し、繊維表面に油膜を形成させることが重要であり、本発明者らは、その油膜を形成させることにより繊維間の直接的な接触を阻害し、圧着・融着の発生を妨げることを見出した。
すなわち、図1に示すように、単繊維繊度1.5dtex、繊維長6mmの未延伸ポリエステル繊維を水中に分散させた場合、アルキルホスフェート塩を付着させていない場合は繊維同士が付着した状態となりやすく、充分に分散できなかった。これに対し、所定量(繊維質量に対し0.01質量%)のアルキルホスフェート塩を付着させた場合は、繊維同士の付着がみられず、繊維が良好に分散していた。
繊維の製造方法において、紡糸性や延伸性を改善させる処理剤としては、低分子量体のポリエステル、ポリエーテルおよびアルキルエーテルなどが挙げられるが、本発明では、繊維間の直接的な接触を妨げることのできる油膜強度ならびに保持力を持ち、かつ水中分散性を阻害しないことが重要であり、これらからアルキルホスフェート塩を用いることが重要である。
ここで、本発明で用いられるアルキルホスフェート塩としては、炭素数が12〜20のアルキル基を有するアルキルホスフェート塩が好ましく、ラウリルホスフェートカリウム塩、セチルホスフェートカリウム塩およびステアリルホスフェートカリウム塩などが挙げられる。炭素数11以下では油膜強度が低いため、製糸工程中に油膜を保持し続けることが難しくなる。また、炭素数が20を超えると油剤の粘性が高くなり、繊維同士が擬似的な接着状態となることがある。
アルキルホスフェート塩の付着量は、繊維質量に対し、0.002〜0.05質量%であり、好ましくは0.005〜0.03質量%である。付着量が0.002質量%未満では、繊維表面全体に油膜を形成させることができない。また、付着量が0.05質量%を超えると油剤の粘性により繊維同士が擬似的な接着状態となる上に、アルキルホスフェート塩は湿潤時の繊維/繊維間の摩擦を高くする働きがあるため、水中分散性を悪化させる。
また、アルキルホスフェート塩の付着方法としては、シャワー方式、スプレー方式、ディッピング方式およびローラータッチ方式などが挙げられるが、アルキルホスフェート塩は紡出された糸条に直ちに付与させることが好ましく、走行糸条への付与性からローラータッチ方式が好ましい。
また、本発明に係る抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維には、水中分散性を向上させるために、当該機能を有する油剤を付与することが好ましく、水ならびにポリエステルとの高い親和性を両立する油剤を選択することが望ましい。これらの機能を併せ持つ油剤として、ポリエーテルや脂肪族ポリエステルなどが挙げられるが、ポリエーテル・ポリエステル共重合体が好ましく用いられる。用いられるポリエーテル・ポリエステル共重合体としては、テレフタル酸および/またはイソフタル酸、低級アルキレングリコールならびにポリアルキレングリコールおよび/またはそのモノエーテルからなるものが挙げられる。
好ましく用いられる低級アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびテトラメチレングリコールなどが挙げられる。一方、ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどが挙げられる。さらに、ポリアルキレングリコールのモノエーテルとしては、ポリエチレングリコールなどのモノメチルエーテルやモノエチルエーテルなどが挙げられる。
また、ポリエーテル・ポリエステル共重合物の付着量は、繊維質量に対し、0.05〜0.6質量%であり、好ましくは0.2〜0.4質量%である。付着量が0.05質量%未満では、付着量が十分ではなく、繊維に水中分散性を十分付与させることができない。また、0.60質量%を超えると、水中分散後も油剤が繊維表面に多量に残存し、該油剤が接着時に繊維同士の接着を阻害するため、十分な接着強度を得ることができず、高強度の抄紙を得ることができない。
また、ポリエーテル・ポリエステル共重合物の付着方法としては、シャワー方式、スプレー方式、ディッピング方式およびローラータッチ方式などが挙げられるが、均一付着性からディッピング方式やローラータッチ方式が好ましい。
本発明の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維の繊維長は5〜15mmであり、好ましくは5〜10mmである。繊維長5mm未満では、カットする時の摩擦熱で繊維同士の融着が発生するため、水中分散性が悪化する。また、繊維長15mmを超えると繊維同士が絡まりやすく、水中分散性が悪化する。
本発明の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維を用いることにより、得られる抄紙の高強度化を可能とし、従来技術より低目付・薄手化を図ることができるので、例えば、集塵機のフィルターや膜支持体などに用いると構成枚数を増やすことができ、効率アップを図ることができる。
次に、実施例により本発明の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維をより具体的に説明する。実施例で用いた特性の評価方法は、次の通りである。
[固有粘度]
オルソクロロフェノールを溶媒として、35℃の温度でウベローデ粘度計にて測定した。
[単繊維繊度、繊維長、単繊維強度、単繊維伸度]
JIS L1015(2010年改正)に示される方法により、単繊維繊度(dtex)、繊維長(mm)、単繊維強度(cN/dtex)および単繊維伸度(%)を測定した。
[水中分散性の評価]
300mlビーカーに150mlの水を入れ、このビーカーに0.05gの繊維を投入し、その後回転速度1000rpmで1分間確認した後、吸引濾過を行い、未分散状繊維の数を測定した。未分散状繊維が4本未満である場合を分散性良好(○)とし、4本以上の場合は分散性不良(×)とした。
[抄紙強度]
JIS P8113(2006年改正)に示される方法により、得られた抄紙の強度(N/15mm)を測定した。なお、試料長は50mm、幅は15mmとした。
(実施例1)
固有粘度が0.55で融点が260℃のポリエチレンテレフタレートを、160℃の温度に設定した熱風乾燥機を用いて、8.0時間乾燥した。乾燥したチップをプレッシャーメルター型紡糸機を用いて、紡糸温度300℃で溶融紡糸し、得られた紡糸糸条を冷却した後にステアリルホスフェートカリウム塩を繊維質量に対し、0.05質量%付与させ、単繊維繊度1.5dtexの未延伸糸を得た。その後、得られた未延伸糸を複数集合させて、総繊度約60ktexのトウとし、次いでポリエチレングリコールとテレフタル酸とプロピレングリコールからなるポリエーテル・ポリエステル共重合物を繊維質量に対して0.30質量%となるように付与した後、6mmの繊維長に切断し、実施例1の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維を製造した。得られた抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維を、単繊維繊度1.5dtexのポリエステル繊維と質量比50:50の割合で混抄し、目付が80g/mの抄紙を製造した。各特性の測定結果を表1に示す。
(実施例2)
固有粘度が0.52で融点が260℃のポリエチレンテレフタレートを、160℃の温度に設定した熱風乾燥機を用いて、8.0時間乾燥した。乾燥したチップをプレッシャーメルター型紡糸機を用いて、紡糸温度300℃で溶融紡糸し、得られた紡糸糸条を冷却した後にステアリルホスフェートカリウム塩を繊維質量に対し、0.05質量%付与させ、単繊維繊度1.0dtexの未延伸糸を得た。その後、得られた未延伸糸を複数集合させて、総繊度約60ktexのトウとし、次いでポリエチレングリコールとテレフタル酸とプロピレングリコールからなるポリエーテル・ポリエステル共重合物を繊維質量に対して0.40質量%となるように付与した後、6mmの繊維長に切断し、実施例2の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維を製造した。得られた抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維を、単繊維繊度1.5dtexのポリエステル繊維と質量比50:50の割合で混抄し、目付が80g/mの抄紙を製造した。各特性の測定結果を表1に示す。
(実施例3)
固有粘度が0.58のポリエチレンテレフタレートを用いる以外は、実施例1と同じ方法で、実施例3の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維ならびに抄紙を製造した。各特性の測定結果を表1に示す。
(実施例4)
繊維長を15mmとする以外は、実施例1と同じ方法で、実施例4の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維ならびに抄紙を製造した。各特性の測定結果を表1に示す。
(実施例5)
ステアリルホスフェートカリウム塩を繊維質量に対し、0.005質量%付与させる以外は実施例1と同じ方法で、実施例5の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維ならびに抄紙を製造した。各特性の測定結果を表1に示す。
(実施例6)
ポリエーテル・ポリエステル共重合物を繊維質量に対し、0.10質量%付与させる以外は実施例1と同じ方法で、実施例6の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維ならびに抄紙を製造した。各特性の測定結果を表1に示す。
(比較例1)
固有粘度が0.48のポリエチレンテレフタレートを用いる以外は、実施例1と同じ方法で、比較例1の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維ならびに抄紙を製造した。各特性の測定結果を表1に示す。
(比較例2)
固有粘度が0.65のポリエチレンテレフタレートを用いる以外は、実施例1と同じ方法で、比較例2の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維ならびに抄紙を製造した。各特性の測定結果を表1に示す。
(比較例3)
ステアリルホスフェートカリウム塩を繊維質量に対し、0.001質量%付与させる以外は実施例1と同じ方法で、比較例3の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維ならびに抄紙を製造した。各特性の測定結果を表1に示す。
(比較例4)
繊維長を20mmとする以外は、実施例1と同じ方法で、比較例4の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維ならびに抄紙を製造した。各特性の測定結果を表1に示す。
上記の測定結果から明らかなように、比較例1、3、4では水中の分散性が良好ではなかった。また比較例2は分散性が良好であるものの、抄紙強度を高めることができなかった。これに対し本発明の実施例1〜6は、いずれも水中分散性が良好であり、しかも高い抄紙強度を発揮することができた。

Claims (3)

  1. 固有粘度が0.50〜0.60、単繊維繊度が1.0〜2.0dtex、繊維長が3〜15mmのポリエステル繊維であって、アルキルホスフェート塩が繊維質量に対して0.002〜0.05質量%付着されてなることを特徴とする、抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維。
  2. さらに、分散性油剤としてポリエーテル・ポリエステル共重合物が繊維質量に対して0.05〜0.60質量%付着されてなることを特徴とする、請求項1記載の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維。
  3. ポリエステル繊維がポリエチレンテレフタレート繊維であることを特徴とする、請求項1または2記載の抄紙用未延伸ポリエステルバインダー繊維。
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