JP2013117807A - 交通信号制御装置 - Google Patents

交通信号制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013117807A
JP2013117807A JP2011264279A JP2011264279A JP2013117807A JP 2013117807 A JP2013117807 A JP 2013117807A JP 2011264279 A JP2011264279 A JP 2011264279A JP 2011264279 A JP2011264279 A JP 2011264279A JP 2013117807 A JP2013117807 A JP 2013117807A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
vehicle
pedestrian
pedestrian crossing
traffic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011264279A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5999617B2 (ja
Inventor
Yohei Michitsuji
洋平 道辻
Masatoshi Otake
正俊 大竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibaraki University NUC
Original Assignee
Ibaraki University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibaraki University NUC filed Critical Ibaraki University NUC
Priority to JP2011264279A priority Critical patent/JP5999617B2/ja
Publication of JP2013117807A publication Critical patent/JP2013117807A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5999617B2 publication Critical patent/JP5999617B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Traffic Control Systems (AREA)

Abstract

【課題】交差点等の信号機の制御を改善し、交差点への進入車両と横断歩道の利用者との交通事故を抑制する。
【解決手段】車両122xの位置および車両速度に基づき、停止線108Aで停止できるかどうかに関する停止余裕度(MTS)、および交差点出口側横断歩道106Bの信号が「緑」信号に切り替わる前に上記出口側横断歩道106Bを通過できるかどうかに関する通過余裕度(MTP)を演算する。演算結果に基づき進入した車両122xが上記横断歩道106Bを通過する前に、上記横断歩道106Bの信号が「緑」信号に切り替わる場合、上記「緑」信号への切り替わりを遅らせる制御を行う。
【選択図】図4

Description

本発明は車両や歩行者のための信号を制御する制御技術に関する。
交通事故の防止や低減は以前から色々検討されており、社会生活における重要な課題である。しかし悲惨な事故がなくならないのが現状である。交通事故を低減するために、交差点の車両用信号機を制御しようとする考えが既に知られている。例えば特許第4036223号公報(特許文献1)には、交差点に進入する車両を検知して、前記車両用信号機の緑信号から黄信号への切り替えるタイミングを制御する技術が開示されている。また特開2008−250756号公報(特許文献2)には、最後尾の歩行者が横断歩道を渡りきるための時間を考慮して歩行者用信号機の緑信号の表示時間を長くする制御技術が開示されている。
特許第4036223号公報 特開2008−250756号公報
人と車あるいは自転車と車とが関係する交通事故がたいへん多く、特に横断歩道における交通事故が目に付く。その原因の一つは、学校の児童あるいは生徒は、信号に従って行動すれば絶対に安全であり、横断歩道の手前で信号に従って車が止まるものと信じ込んでいることである。このため子供達は歩行者用信号機の「赤」信号から「緑」信号への切り替わりに従って、走行車の有無を確認しないまま車道に飛び出し、事故に巻き込まれるケースが多い。
上記の例を含め、横断歩道の横断開始時に、交通事故に巻き込まれるケースがたいへん高い。上記特許文献1あるいは特許文献2は、横断歩道の歩行者に係わる交通事故の防止について何ら開示および示唆なされていない。
本発明の目的は、横断歩道利用者と車とが関係する交通事故を低減するための信号機の制御技術を提供することである。
上記課題を解決する第1の解決手段は、送受信部を介して入手した進入車両の走行状態に基づき、横断歩道を上記進入車両通過する前に、上記横断歩道の歩行者用信号機の信号が「通行許可(緑)」信号に切り替わるかどうかを演算し、「通行許可(緑)」信号に切り替わると判断したときに、上記歩行者用信号機の「通行不可(赤)」信号から「通行許可(緑)」信号への切り替わりを遅らせる制御を行う、ことである。
上記課題を解決する第2の解決手段は、上記第1の解決手段において、上記横断歩道用の信号機の「通行不可(赤)」信号から「通行許可(緑)」信号への切り替え時点を遅らせる上記制御に加え、上記歩行者用警報機から警報を発する制御を行う、ことである。
上記課題を解決する第3の解決手段は、上記第1あるいは第2の解決手段において、上記横断歩道用の信号機の「通行不可(赤)」信号から「通行許可(緑)」信号への切り替え時点を遅らせる上記制御に加え、車両用警報機を制御して車輛に警報を発する制御を行う、ことである。
上記課題を解決する第4の解決手段は、上記第1乃至第3の解決手段の内の一において、通過余裕度(MTP)を演算し、この演算結果に基づいて、上記横断歩道用の信号機の「通行不可(赤)」信号から「通行許可(緑)」信号への切り替え時点を遅らせる上記制御を行う、ことである。
上記課題を解決する第5の解決手段は、上記第1乃至第4の解決手段の内の一において、天候情報を入手し、天候情報に基づいて特定された特性により、進入車両が上記横断歩道を通過する前に、歩行者用信号機の信号が「通行不可(赤)」信号から「通行許可(緑)」信号に替わるかどうかの上記演算を行う、ことである。
上記課題を解決する第6の解決手段は、上記第5の解決手段において、車種情報に基づいて特定された特性により、進入車両が上記横断歩道を通過する前に、歩行者用信号機の信号が「通行不可(赤)」信号から「通行許可(緑)」信号に替わるかどうかの上記演算を行う、ことである。
上記課題を解決する第7の解決手段は、上記第1乃至第6の解決手段の内の一において、横断歩道利用者の危険度を演算し、上記危険度が所定レベルを超える場合に上記歩行者用警報機から警報を発する制御を行い、さらに通学時間帯であるかを判断し、通学時間帯である場合には上記所定レベルを下げ、上記危険度が上記下げられた所定レベルを超える場合に、上記歩行者用警報機から警報を発する制御を行う、ことである。
本発明によれば横断歩道利用者と車とが関係する交通事故を低減するための制御技術を提供できる。
横断歩道を有する道路の交通制御システムを示すシステム図である。 横断歩道を有する四叉路の交通制御システムを示すシステム図である。 「通行許可(緑)」信号から「停止(黄)」信号に切り替わった時点の停止余裕度(MTS)の概念を説明する説明図である。 進入車両の余裕度を説明するための説明図であり、(A)は停止余裕度(MTS)を説明する説明図、(B)は進入余裕度(MTE)を説明する説明図、(C)は通過余裕度(MTP)を説明する説明図である。 交通信号制御装置の基本的な機能を示す機能図である。 交通信号制御装置のメモリ部の記憶内容を示す説明図である。 交通信号制御装置のメモリ部の記憶内容を示す説明図である。 車種別の余裕度を説明するための特性図である。 天候状態に基づき路面状態を演算するための動作手順を示すフローチャートである。 進入車両計測機能を実現するための動作手順を示すフローチャートである。 歩行者有無計測機能を実現するための動作手順を示すフローチャートである。 停止余裕度や通過余裕度の演算するための動作手順を示すフローチャートである。 歩行者用信号機の制御機能を実現するための動作手順を示すフローチャートである。 歩行者用警報機警報機能の操作手順を示すフローチャートである。 警報機能の具体的な手順を示すフローチャートである。 学習機能の具体的な手順を示すフローチャートである。
以下に記載する一実施例は、上述の「発明が解決しようとする課題」の欄に記載した発明の課題を解決するだけでなく、他の課題も解決することができる。さらに以下に記載する実施例は、上記本発明の効果の欄に記載した効果に止まるものではなく、上記本発明の効果以外に、色々な効果を奏することができる。これらの効果について、実施例の説明の中で具体的に述べる。
以下図面を用いて本発明を適用した一実施例を説明する。
1.交通制御システムの説明
図1および図2を用いて、横断歩道を利用する歩行者あるいは自転車横断帯を利用する利用者を交通事故から護るための交通制御システムの概要を説明する。図1は、横断歩道を有する一般道路に本発明を適用した場合の交通制御システムの一例を示すシステム図であり、後述する図2は、2つの道路が交わる一般的な四叉路交差点に本発明を適用した場合の交通制御システムの一例である。図1や図2を用いて説明する色々な技術思想は、狭い道路あるいは広い道路における横断歩道を備えた交通制御システム、さらには三叉路交差点あるいは五叉路交差点等、さらに他の色々な形式の交差点における交通制御システムにも適用できる。さらに図1や図2を用いた説明における色々な課題の解決および色々な効果は、上述した色々な形式の交差点における課題を同様に解決でき、また同様に効果を奏する。また自転車横断帯については、横断歩道を用いた説明と略同じ技術内容となるので、自転車横断帯および横断歩道への本発明の適用例を代表して、横断歩道への適用例で説明する。
図1では、一例として2車線道路への本発明の適用例を示しており、車道の両側に車両外側帯102が、さらに中央にセンターライン104が設けられている。2車線の一方および他方の車道を走行する車両122が関係する交通事故を防止するために、車両用信号機162が設けられており、これら車両用信号機は道路交通法に基づく「通行許可(緑)」あるいは「停止(黄)」、「通行不可(赤)」の信号を表示し、さらに必要に応じ点滅などのその他信号を表示する。各車道には車両用信号機162の「停止(黄)」や「通行不可(赤)」の信号に基づき車両122が停止するための停止線108が設けられている。
横断歩道106を利用する歩行者132のために設けられている歩行者用信号機142は、道路交通法に基づく「通行許可(緑)」あるいは「通行不可(赤)」の信号を表示する。歩行者用信号機142とは別に自転車走行のために自転車用信号機が設けられている場合には、自転車用信号機は道路交通法に基づく「通行許可(緑)」あるいは「通行不可(赤)」の信号を表示し、これらの動作や作用、効果は上述した如く歩行者用信号機と略同様と考えることができる。本システムでは、車両用信号機162に加え、さらに車両用警報機164が設けられ、また歩行者用信号機142に加え、さらに歩行者用警報機144が設けられている。
横断歩道106および停止線108に近づく車両122は、車検知器124により検知され、車毎にその車の位置や走行速度が短い周期で繰り返し計測され、後述する交通信号制御装置202に測定結果が保持される。横断歩道106を利用するために横断歩道106の両側で待機している歩行者132は、歩行者検知器136により検知され、歩行者の有無や、歩行者が多いか少ないか、等が計測され、交通信号制御装置202に計測結果が保持される。
交通信号制御装置202と車検知器124、歩行者検知器136、歩行者用信号機142、歩行者用警報機144、車両用信号機162、車両用警報機164、等は、互いに通信回線222を介して情報伝達が可能な状態に繋がっている。通信回線222は、有線回線でも無線回線でも良く、情報伝達が可能なデータバスとしての機能を有している。
天候検知器232は、本システムが置かれている場所の天候を検知するための装置で、青天か、雨か、豪雨か、雪か、さらには気温や風速等を計測し、通信回線222を介して交通信号制御装置202に計測結果を送信する。通信装置234は交通機関の管理センタとの送受信を行うための装置である。交通機関の管理センタは特定範囲内の交通状態を総合的に制御し、交通事故の低減や渋滞の緩和、緊急事態発生時の対応を行う機関であり、上記交通状態の総合的な制御のために、交通信号制御装置202に必要な指令を含む情報を提供する。通信装置234は管理センタからの情報や指令を受信して通信回線222を介して交通信号制御装置202に伝達する。また管理センタからの要求に応じ、交通信号制御装置202からの情報を管理センタへ伝達する。上述した天候検知器232により天候状態を計測する代わりに、天候に関する情報を、通信装置234を介して受け取るようにしても良い。また交通機関の管理センタへ天候検知器232で計測した天候に関する情報を、通信装置234を介して送信するようにしても良い。
交通信号制御装置202は通信回線222を介して情報のやり取りを行うための送受信部208や、演算処理を行うと共に上述の色々な検知器からの計測結果に基づき制御信号を発生する演算部210や、データや指令などを直接入出力するための表示装置206を備えた入出力部204を、備えている。交通信号制御装置202は例えばマイクロプロセッサで構成されており、図に開示していない不揮発性メモリに保持されている制御プログラムを繰り返し実行することにより、演算部210や送受信部208として動作する。交通信号制御装置202はさらに設定値を含むいろいろなデータを直接入力しあるいは出力するための入出力部204を備えており、入出力部204は表示装置206を備えている。通信装置234や入出力部204から入力するプログラムや情報に基づき、上述の制御プログラムの内容や動作条件を決めるための設定値を変更することができる。また交通信号制御装置202に保持されていた履歴データや学習動作の状態を入出力部204あるいは通信装置234から外部へ出力することが可能である。
車両用信号機162は予め設定された時間間隔に従って「緑」、「黄」、「赤」の信号が切り替わり、道路交通法に従った信号の表示動作を繰り返す。歩行者用信号機142は、車両用信号機162の表示動作と連携して、道路交通法に従った「緑」信号あるいは「赤」信号の表示動作を行う。すなわち車両用信号機162の「黄」信号から「赤」信号への切り替わりに関係付けられて、歩行者用信号機142は「赤」信号から「緑」信号に切り替わる。このような制御は、歩行者用信号機142や車両用信号機162、歩行者用警報機144、車両用警報機164にそれぞれ設けられた制御装置で互いに連携しながら個別に制御しても良いし、複数の信号機や警報機を共通の制御装置で制御しても良い。図1に示すシステムでは、代表例として1個の制御装置である交通信号制御装置202で交通システム全体を制御する。図1に示すシステムとは異なり、それぞれの信号機や警報装置に個別に交通信号制御装置202の機能を持たせ、各信号機や警報装置が互いに連携して動作するようにしても良い。この場合には、一部の制御装置に異常が発生した場合には、あらかじめ決められた他の各信号機あるいは警報装置でバックアップすることが容易となる。但し、制御装置が重複することとなり、交通システム全体の制御系が複雑となり、またシステム全体としてはコストアップとなり易いデメリットがある。
歩行者と車とが関係する交通事故が、歩行者用信号機142が、「赤」信号から「緑」信号に切り替わる時点の前後で発生することが多い。事故原因として、車両122が車両用信号機162の「黄」信号に基づき停止線で停止すべきであるのに、無理に横断歩道106を通過するケースがある。さらに運転者の中には、車両用信号機162の「黄」信号に基づき、減速および停止運転を行うべきところを、逆に加速運転を行い無理に横断歩道106を通過する者がいる。さらに歩行者132が、歩行者用信号機142が「赤」信号から「緑」信号に切り替わる前に、横断を開始するケースである。朝夕の通勤時間帯あるいは通学時間帯は、歩行者の人数が多く、また急いで横断しようとする人が多い。さらに横断歩道106は一般に歩行者だけでなく、自転車利用者が利用するケースが多い。このようなことから歩行者と車、あるいは自転車と車が関係する交通事故が跡を絶たない。
図2は、2つの道路が交わる四叉路交差点に本発明を適用した場合の交通制御システムの1実施例である。システム全体は図1の実施例と同様、交通信号制御装置202により制御され、通信回線222を介して、歩行者用信号機142や歩行者用警報機144、車両用信号機162、車両用警報機164、車検知器124、歩行者検知器136、天候検知器232,通信装置234が、それぞれ交通信号制御装置202と接続され、計測値の情報や制御情報等がそれぞれ送受信される。なお図では、通信回線222と、歩行者用信号機142や歩行者用警報機144、車両用信号機162、車両用警報機164、車検知器124、歩行者検知器136、との接続を図示した場合の煩雑さを避けるために、それぞれの機器と通信回線222との接続を開示されていないが、これらは図1と同様に接続されている。
2.信号切り替わりに伴うリスクの説明
交通信号制御装置202の動作を説明する前に、制御の背景となるリスクを評価するための指標を、図3や図4を用いて説明する。車両用信号機162が「緑」信号から「黄」信号に切り替わったときに、運転者が考慮しなければならないリスクは、停止線108で安全に停止できるか、交差点に安全に進入できるか、交差点を安全に通過できるか、である。これらのリスクを評価のために、停止余裕度MTS(Margin To Stop)と進入余裕度MTE(Margin To Enter)、通過余裕度MTP(Margin To Pass)の概念を導入する。なお、図4Aは停止余裕度(MTS)の概念を説明する説明図であり、図4Bは進入余裕度(MTE)の概念を説明する説明図であり、図4Cは通過余裕度(MTP)の概念を説明する説明図である。
先ず停止余裕度(MTS)の概念を説明する。図3は、車両用信号機162が「緑」信号から「黄」信号に切り替わった時点の停止余裕度(MTS)の概念を説明する説明図であり、図4に示す、交差点の進入側の停止線を停止線108Aで停止できるかどうかを表している。図3および図4(A)において、車両用信号機162が「緑」信号から「黄」信号に切り替わった時点での車両122と停止線108Aとの間の距離Lを横軸とし、車両122の速度Vを縦軸とした場合に、安全な減速度の下に停止線108Aで停止できるかどうかを、特性1は表している。特性1より車速が遅い領域Aでは、車両122は停止線108Aで安全に停止することができる。一方領域Bでは、車両122が停止線108Aで停止するには急減速が必要となる。
上記車両122が「黄」信号に切り替わった時点での車速で、「赤」信号に切り替わる前に交差点に進入できるかどうかを特性2で表す。特性2より早い速度であれば「黄」信号の状態で車両122は交差点に進入することが可能であるが、特性2より遅い領域であれば交差点―の進入時には「赤」信号に切り替わっていることとなる。赤信号で交差点に進入することとなり、たいへん危険である。領域Cに位置する車両は、急減速しないと停止線108Aで停止することが困難であり、さらに停止線108Aで停止できない場合に「赤」信号の状態で交差点に進入することとなり、非常に危険な状態である。
以上の説明は、車両用信号機162が「緑」信号から「黄」信号に切り替わった時点のリスク状態を説明したが、車両用信号機162が「緑」信号から「黄」信号に切り替わった時点だけでなく、切り替わりの前および切り替わった後についてもリスクを考慮することが望ましい。特に図4に示す交差点出口側に位置する横断歩道106Bを横断する歩行者の安全性を確保する観点からのリスクを検討することが望ましい。次にこれらのリスクを停止余裕度(MTS)や進入余裕度(MTE)、通過余裕度(MTP)の指標に基づいて検討する。
2.1停止余裕度(MTS)の説明
図4(A)において、車両122Zは安全な減速度dで減速したときに進入側停止線108Aで停止する状態にある車両を示している。ここでDは速度V(t)の状態で、減速度dで運転したときの制動距離である。制動距離Dは次の式(1)で表される。
D=V(t)/2d ・・・(1)
ここでV(t)は現時点の車両122の速度であり、tは車両用信号機162が「緑」信号から「黄」信号に切り替わった時点をt=0とする時間経過である。現在の車速V(t)による制動距離Dより、現在の車の位置から進入側停止線108Aまでの距離L(t)が長い場合には、進入側停止線108Aで停止するのに余裕があることになる。現在の車両と進入側停止線108Aとの間の距離をL(t)とすると、停止余裕度(MTS)は次式(2)となる。
MTS=L(t)/{V(t)/2d} ・・・(2)
MTSが1以上であれば安全に停止線108Aに停止できる。逆にMTSが1未満であれば、進入側停止線108Aで停止するためには減速度dを通常以上の減速度とすることが必要となる。なお、通常の安全な減速状態は、0.3(G)程度である。
2.2 進入余裕度(MTE)の説明
図4(B)は「黄」信号の状態で交差点に進入できるか、あるいは交差点に進入するときに「赤」信号に切り替わっているかを表す指標である、進入余裕度(MTE)を説明する説明図である。Y(t)は現時点から「黄」信号が「赤」信号に切り替わるまでの時間を表す。一方時間T(t)は、現在の車両122xの位置から進入側停止線108Aに到達するまでにかかる時間を表す。tは「黄」信号に切り替わった時点からの経過時間を表す。時間T(t)は次の式(3)で表される。
T(t)=L(t)/V(t) ・・・(3)
ここでL(t)は現在の車両位置から交差点入口までの距離であり、V(t)は現在の車速である。T(t)≦Y(t)の場合は現在の速度であれば、「黄」信号の状態で交差点に進入することとなり、T(t)>Y(t)であれば、交差点への進入時は「赤」信号に切り替わっていることになる。進入余裕度(MTE)は次に示す式(4)で表される。
(MTE)=Y(t)/T(t)=Y(t)・V(t)/L(t)・・・(4)
進入余裕度(MTE)が1以上の状態では、「黄」信号の状態で進入側停止線108Aを通過することとなり、進入余裕度(MTE)が1未満であれば加速しなければ「赤」信号に切り替わった後に進入側停止線108Aを通過することとなる。「赤」信号で交差点に進入する場合は、交通事故を起こすリスクが高く、たいへん危険な状態である。
2.3 通過余裕度(MTP)の説明
図4(C)は通過余裕度(MTP)を説明するための説明図である。交差点の信号は安全性を確保するために、一般的には、「黄」信号の後関係する信号が全て「赤」信号状態となり、次に横断歩道の信号が「緑」信号に替わる。車両122xが「黄」信号の状態で交差点に進入しても、全赤信号で交差点を通過できなければ、横断歩道106Aや106Bの歩行者用信号機が通行許可(緑)」信号となり、出口側の横断歩道106Bで歩行者と接触事故を起こす恐れがある。全赤信号で交差点を通過できるかどうかを表す指標として通過余裕度(MTP)を次に説明する。通過余裕度(MTP)は次の式(5)で表される。
MTP={Y(t)+AR(t)}/{(L(t)+Li)/V(t)}…(5)
ここでAR(t)は現時点から全赤信号の時間が終了するための時間である。またLiは交差点の入口側停止線108Aと出口側停止線108B間の距離である。MTPが1以上の状態であれば、信号が全赤状態で出口側停止線108Bを通過することができる。一方MTPが1未満の状態であれば、現在の速度では出口側停止線108Bに到達する前に全赤信号の時間が終了し、横断歩道106Bの歩行者用信号機142が緑信号となり、歩行者と接触事故を起こす可能性が高くなる。
3.交通信号制御装置202の制御機能の説明
図3および図4を用いて説明した停止余裕度(MTS)や進入余裕度(MTE)、通過余裕度(MTP)の指標を背景として、図1や図2に代表される信号システムが制御される。図5は、図1あるいは図2に示す道路に設置された信号システムを制御するための交通信号制御装置202の機能(以下交通信号制御機能300と記す)を示す機能図である。交通信号制御機能300により、図1や図2に代表される横断歩道の歩行者用信号機142や歩行者用警報機144を含む信号機や警報機などを制御し、歩行者が関係する交通事故の低減を図る。これらの制御機能の背景には図3および図4を用いて説明したリスク評価指標である、停止余裕度(MTS)や進入余裕度(MTE)、通過余裕度(MTP)の考え方が反映されている。
図6と図7は、交通信号制御装置202のメモリ部212に記憶されているデータを示しており、図5に示す交通信号制御機能300を実行するために必要なデータが記憶されている。これらのデータは、各検知器に基づく計測データあるいは制御を行うために使用する設定値、また交通信号制御機能300の実行に基づき求められた制御のための演算出力である。次に交通信号制御機能300の各機能について説明する。
4.路面状態計測機能の説明
図1あるいは図2に記載の横断歩道あるいは交差点(以下これらを交差点などと記す)で、進入車両122が交差点などの停止線108Aで安全に停止できるかどうかは、車両122から上記停止線までの距離Lおよび車速Sの関係により定まることは、図3および図4(A)を用いて、停止余裕度(MTS)として既に説明した。停止余裕度(MTS)の概念は上述の通りであるが、実際の制御においてはこれらの関係だけでなく例えば路面の状態が異なるとその結果は異なってしまう。交通信号制御装置202の制御の信頼性を向上するには、天候状態により変化する路面状態を考慮した制御を行うが望ましい。例えば道路が凍結していると同じ車速であっても停止までの距離が長くなる。積雪の状態や雨天の状態でも同様である。
路面状態計測機能310は天候により変化する路面の状態を推定する機能であり、天候検知器232あるいは通信装置234から天候情報を受け、得られた天候情報に基づき路面の状態を求める。天候検知器232あるいは通信装置234などから得られた天候情報は、図6に示すメモリ部212の領域M12に記憶され、この情報に基づき路面状態計測機能310により路面状態を求め、結果を領域M14に記憶する。図6のM12には記憶例としていろいろな天候状態を記載しているが、実際には天候の状態は幾つも天候状態が同時に存在することは無く一種類であり、路面の状態も一種類である。路面状態計測機能310により求められた路面の状態は、図4に記載の停止の停止余裕度(MTS)や進入余裕度(MTE)、通過余裕度(MTP)を演算処理する上での各余裕度を補正するために使用される。
図9は、路面状態計測機能310の具体的な動作手順を示すフローチャートである。このフローチャートの実行周期は他の進入車両計測機能340や歩行者計測機能370、演算処理機能400の実行周期より長い周期、例えば数秒または数分毎の実行で十分高い精度を確保できる。すなわち、路面の状態が変化する時定数は非常に長く、長い周期で実行しても精度が低下する心配が無いからである。ステップS310で路面状態計測機能310の実行が開始され、ステップS3102で天候検知器232の出力である雨量や積雪、さらに外気温などの天候に関する情報を取り込み、これらの情報をメモリ部212の領域M12に記憶する。これら領域M12に記憶させた情報に基づき、ステップS3104で路面状態を演算処理により求め、演算結果を領域M14に記憶する。路面状態の演算は、例えば天候状態と外気温とを検索条件とする記憶テーブルに予め路面状態を記憶しておき、記憶しておいた路面状態を上記領域M12の記憶値をパラメータとして検索等による演算処理を行い求めることができる。
次に領域M14に記憶されていた路面状態からステップS3106により停止余裕度やその他の余裕度を補正する補正データADを求め、この補正値をM16に保持する。路面状態と補正値との関係は予め実験などで求め、記憶しており、路面状態をパラメータとして検索して求めることが可能である。これらの処理を行い、路面状態計測機能310の実行をS3198により終了する。
路面上位に基づく補正データADは、後述する停止余裕度(MTS)や進入余裕度(MTE)、通過余裕度(MTP)を演算するときの補正データとして使用される。また補正データを使用するのではなく、それぞれの路面状態に対応した停止余裕度(MTS)や進入余裕度(MTE)、通過余裕度(MTP)を予め記憶しており、路面状態を検索パラメータとし適切な特性を検索するようにしても良い。このように路面状態を計測することにより、演算処理により最適な停止余裕度(MTS)や進入余裕度(MTE)、通過余裕度(MTP)を得ることができる。
5.進入車両計測機能340の説明
次に進入車両122の走行状態の測定について説明する。交通信号制御装置202は、車検知器124からの車両の検知情報を時々刻々、短周期で繰り返し受け取り、交差点や横断歩道への進入車両を進入車両計測機能340により検知し、走行車両毎に車種や車の走行状態を計測する。走行状態としてこの実施例では、車の位置と速度、さらに加減速を計測を計測する。検知した各進入車両の車種や走行状態を図7のメモリ部212の領域M30に、車毎に記憶する。ここで車の位置は基準位置からの距離であり、例えば横断歩道や交差点などの停止線108からの距離で表される。なお、以下に説明の図10では制御が複雑になるのを避けるため、車両用信号機162が「緑」信号で進入する車両は対象から外し、「黄」信号あるいは「赤」信号で進入してくる車を対象としている。
図10は、進入車両計測機能340の具体的な動作の一例を示すフローチャートである。進入車両計測機能340は各車両122に関する停止余裕度(MTS)や進入余裕度(MTE)あるいは通過余裕度(MTP)を短期間に演算処理するために用いられる走行情報を計測する機能であり、極めて短い周期例えば数ミリセック以下の周期で繰り返し実行されることが望ましい。ステップS340で進入車両計測機能340の実行が開始されると、ステップS3406で交差点の進入路の内、関係する進入路が選択され、選択された進入路の進入車両122を計測する車検知器124が選択される。選択された車検知器124が受け持つ範囲の進入車両が計測対象となり、最も停止線に近い車両122がステップS3412により特定され、特定された車両122の位置や車速、車種がステップS3414により計測され、メモリ部212のM30に記憶される。
ステップS3416で検知した車種や車両位置あるいは車速を記憶した後、前回の計測結果を利用し、特定された車両122の加減速の状態をステップS3416で計測する。計測した加減速の状態は領域M32に記憶される。ステップS3418で、選択された車検知器124が担当している範囲に存在する全ての車両122ついて計測が完了したかを判断し、完了していなければステップS3422で次の車両を選択する。一方選択された車検知器124が担当する範囲の全車両の計測が完了すると、ステップS3498に実行が移り、進入車両計測機能340の実行が終了する。最も停止線に近い車から計測し、もし緊急状態であれば、停止線から遠い位置の車両の検知を省略して、緊急対応することが可能となる。このため、最も停止線に近い車から計測することが望ましい。
6.歩行者有無計測機能370の説明
上述のように、進入車両122が無理に横断歩道106を通過しようとしたことに起因する、車と歩行者の交通事故が多い。このような事故を防止するために歩行者用信号機142や歩行者用警報機144を、単に一定時間間隔で動作させるのではなく、進入車両の状況に応じて、より適切に制御することが望ましい。しかし進入車両122に基づくだけでなく、横断歩道106を利用する歩行者の状況を踏まえてより適切に制御できればさらに交通事故低減の効果が向上する。またもし横断歩道106の利用者がいない場合、上述の交通事故の発生原因がなくなることになる。この場合、複雑な制御を避け、シンプルな制御を行う方が、車両がスムーズに流れることに繋がる。これらのことから横断歩道106の利用者である歩行者の状況を計測し、信号機の制御に利用することが有意義となる。
歩行者有無計測機能370により横断歩道106を利用する利用者の状況を検知し、上述のように歩行者用信号機142や歩行者用警報機144の制御に反映することが望ましい場合がある。また横断歩道106の利用者が多い場合には、より適切な制御を行うことが望ましい。必要に応じ横断歩道106の利用者の有無や利用者が多いか少ないかの情報を、交通制御システムに利用できるように、歩行者有無計測機能370により横断歩道106の利用者の状態を計測する。
図11は歩行者有無計測機能370を実行するための具体的なフローチャートの一例である。この機能は計測対象者が横断歩道106を利用する人であるため、進入車両計測機能340より長い周期で実行しても十分に高い精度が得られる。なお、横断歩道を利用する自転車がいても、車両122に比べ通常は走行速度が遅いため、進入車両計測機能340の実行周期より長い周期で実行しても十分な信頼性を確保できる。ステップS370で実行を開始すると、対象となる横断歩道106が複数個ある場合に、ステップS3702で計測を開始する横断歩道106を特定する。次にステップS3704で特定した横断歩道106の利用者の有無や利用者が多いか少ないかを検知し、メモリ部212の領域M18に記憶する。ここで横断歩道106の利用者とは横断歩道の手前で待機している人であり、信号機の切り替わりにより横断歩道106を利用できる状態となった場合に横断を開始すると思われる人である。
ステップS3704で横断歩道106の両側で待機して信号の切り替わりを待つ人達の有無や多数かどうかの検知が終わると、次のステップS3712で、すべての横断歩道について利用者の検知が終了したかを確認し、終了していない場合には、ステップS3714に遷移し次の検知対象となる横断歩道を特定する。特定された横断歩道の利用者の状況を上述のようにステップS3704で検知し、メモリ部212の記憶領域M18に記憶する。このようにして対象となる全ての横断歩道について利用者状態を調べ、ステップS3798で実行を終了する。図2に示す交差点では、進入車の入口側横断歩道と出口側横断歩道が検知対象となる。このような動作が定められた周期で繰り返し実行される。
7.各種余裕度を背景とした演算処理機能400の説明
進入車両計測機能340の計測結果である車両毎の車両位置および車速の計測データを用い、停止余裕度を含む各種余裕度を演算処理機能410に演算する。交差点や横断歩道(以下交差点など)の進入側停止線で車両が停止できる状態かどうか、交差点の通過時に出口側横断歩道が緑信号の状態になっていないかどうか、などを判断し、歩行者用信号機142や歩行者用警報機144の制御に反映する。
停止余裕度(MTS)の余裕度などについて図3を用いて説明したが、図3の特性1は車種などにより、色々ことなる。従って図8に示すように、車種により異なる特性となる。また図8に示す特性は、車の種類により異なるだけでなく、同じ車が同じ位置で同じ車速の状態であっても、路面の状態で停止するために必要な距離が異なる。このため上述の如く本実施例では、図9に示すフローチャートにより路面の状態を演算処理により求め制御に反映する。図3や図8の余裕度判定特性を路面の状態に基づき補正しても良いし、予め路面状態に合うようにそれぞれに対応した特性を記憶しておき、路面状態に基づき最適な特性を検索しても良い。このような方法により交通制御システムの安全性に関する信頼性を向上させることができる。
図10に、停止余裕度(MTS)や通過余裕度(MTP)などを演算する演算機能410を実施するための具体的な動作手順であるフローチャートを示す。進入車両計測機能340により計測された各進入車両の計測結果が図7の記憶領域M30に保持されており、このデータに基づき、各種余裕度が演算される。例えば停止余裕度(MTS)の場合は、図8に示す複数の余裕度判定特性から車種などにより該当する特性が選定され、さらに検知された停止線からの距離Lと速度Sとに基づき、選定され余裕度判定特性と車速とをから、選定された特性1に比べ車速が早いか遅いか、すなわち領域Aに位置するのか領域Bに位置するのかが判断される。対象車両が停止線108Aの手前で停止できるかどうかが時々刻々演算処理される。図8の領域Aに位置する場合は対象車両が安全に停止できると判断され、領域Bに位置する場合は停止線で停止できないので、通過余裕度(MTP)の演算処理が行われ、歩行者の安全確保の処理が必要かどうかが判断される。
上述したように、路面状態を考慮することが望ましく、実際には天候の状態から路面状態を推測して、余裕度判定特性を補正あるいは路面にあった特性が検索され、これらにより決定された特性に基づいて判断がなされる。このため停止余裕度の判定機能410の実行周期は、進入車両計測機能340と同様非常に短い周期に設定され、繰り返し実行する。
図12に示すステップS4102で余裕度の演算対象車両が選定される。この選定は最も停止線に近い車両から順に行われ、進入車両計測機能340で最も停止線に近い車両から順に走行状態を計測しており、この計測順に従い停止余裕度の判定する対象車両が選定される。このことにより、事故防止のための安全性が向上する。停止余裕度(MTS)を含む各余裕度の演算処理は、ステップS4112からステップS4116およびステップS4132で行われる。これらの演算処理を行う前に、特性の選定や緊急車両の対応等が行われる。
ステップS4106で対象進入車両がパトロールカーや消防車に代表される緊急車両かどうかをメモリ部212のM30の保持データに基づいて判断する。進入車両が緊急車両である場合は停止線で停止することなく通過することが明らかなため、ステップS4132乃至ステップS4134の処理を行い、横断歩道106利用者の安全確保の処理がなされる。
対象進入車両が緊急車両で無い場合は、ステップS4112でメモリ部212の領域M30に記憶されている対象進入車両の車種データに基づき該当する余裕度特性を選択し、さらに選択された余裕度特性を図6に示すメモリ部212の領域M16に保持されている補正データに基づき補正して特定する。勿論補正の変わりに路面状態をパラメータとして検索して特性を特定しても良い。ステップS4114で特定された特性に基づいて、対象車両の走行状態が停止余裕度(MTS)の領域Bか領域Aかを判断し、特定された特性に対して対象車両の走行状態危険な方向に大きくずれているかどうかが演算される。演算結果はメモリ部212の領域M34に記憶される。対象車両の走行状態が特定された特性に対して領域Aであれば停止線で停止できる状態と判断する。この場合はステップS4120に移り、余裕度判定特性に対して大きく離れている場合は危険度無あるいは危険度小、あまり離れていない場合は危険度中など、危険度の度合いをメモリ部212の領域M38に保持する。危険度を大、中、小の表現ではなく、数値で表現しても良い。なお、危険度と特性との関係は一例であり、特性の定義との関係で異なってくる。危険度を段階的に判断することが好ましい。
ステップS4106で緊急車両と判断された場合や交差点などの手前で減速運転ではなく加速運転を行った場合、さらに対象車両の走行速度が特定された特性の速度を超えている場合、交差点などの停止線で停止しないで交差点を横切り、出口側横断歩道106を通過する可能性が高いと判定する。横断歩道106を対象車両が通過する場合、ステップS4132やステップS4134で横断歩道利用者の危険性の程度を判断する。対象横断歩道の通過時期をステップS4132で演算し、さらに歩行者用信号機142の表示内容と関係を演算する。対象車両が横断歩道を通過する時期が、歩行者用信号機142の表示が赤で切り替わり時期に対して時間的な余裕がある場合(横断歩道106通過状態A)はステップS4134で安全と判断し、ステップS4150に移る。一方対象車両が横断歩道を通過する時期が、歩行者用信号機142の表示が赤から青への切り替わり直前である場合(横断歩道106通過状態B)、あるいは歩行者用信号機142の表示が青に切り替わる後である場合(横断歩道106通過状態C)は、危険な状態と判断し、ステップS4136に移り、危険度が大きいことを意味する情報をメモリ部212の記憶領域M38に記憶する。危険度大は上述した通過余裕度(MTP)が1未満に該当する。
ステップS4150で全ての進入車両に対して上述の演算処理が終了したかを判断し、終了していない場合に、ステップS4152で次の進入車両が選択され、ステップS4104に戻り上述の演算処理を繰り返す。全ての進入車両に対して上述の演算処理を終了すると、ステップS4150からステップS4498に実行が移り、停止余裕度の判定機能410の動作が終了する。ただし、短時間後再び図10のフローチャートの実行が開始される。
8.演算処理機能400に記載の運転意思の判定機能460に関する説明
図5に示す演算処理機能400に記載の運転意思の判定機能460は、図10に示すステップS3416や図12に示すステップS4108による加速運転から判断でき、進入側の停止線108で停止する意思が無く、交差点を通過すると判断される。この場合は上述のとおり、通過余裕度(MTP)の演算から横断歩道106の利用者の危険度が演算され、後述するように、危険性が高い場合は歩行者用警報機144を動作させる。また通過余裕度(MTP)の演算により、歩行者用信号機142が「緑」信号に切り替わった後通過する可能性がある場合に、「緑」信号への切り替えを遅らせる制御を行う。
9.演算処理機能400に記載の緊急車両対応機能490に関する説明
図5に示す演算処理機能400に記載の緊急車両対応機能490は、図10に示すステップS3414による車種の計測や図12に示すステップS4106、ステップS4132、ステップS4134、ステップS4136により行われる。緊急車両は車両用信号機162や歩行者用信号機142の信号に関係なく走行できる車両であり、横断歩道106の利用者に注意を喚起すべき危険度の大きい状況を作り出す場合がある。図12に示すステップS4136で危険度大を設定することで、後述する歩行者用信号機142の「緑」信号への切り替えを遅らせる制御ができ、また歩行者用警報機144を動作させるなどの制御が可能となる。このことは交通事故の防止につながる効果がある。
10.歩行者用信号機142の制御機能600に関する説明
上述のように、対象車両の走行速度が速く、停止余裕度(MTS)の速度を超えている場合、車両用信号機162の黄信号あるいは緑信号で進入した車両は、停止しないで横断歩道を通過する判断される。通過余裕度(MTP)の演算により、歩行者用信号機142が「緑」信号に切り替わる場合は、歩行者にとってたいへん危険であり、図12のフローチャートの実行により停止余裕度(MTS)や通過余裕度(MTP)の演算を行い、さらに危険度の演算を行い、図7に示すメモリ部212の領域M38に危険度を記憶する。危険が無ければ、歩行者用信号機142は予め定められた順に予め定められた時間間隔で、「赤」信号あるいは「緑」信号の切り替えが行われる。危険な状態である、車両の横断歩道の通過時点が「赤」信号から「緑」信号への切り替え間近の状態あるいは「緑」表示への切り替え後の状態であれば、歩行者用信号機142の「赤」信号から「緑」信号への切り替えのタイミングを遅らせる制御を行う。さらに歩行者に危険を知らせる意味で歩行者用警報機の警報機能800により、歩行者用警報機144を制御して、横断歩道の利用者に対して危険を知らせる警報を光あるいは音により行う。また車への警報機能900により車両用警報機164を制御し、対象車両に危険運転である旨の警報を光あるいは音声により、あるいは対象者の車両内機器であるナビゲーション装置あるいはラジオを利用して行う。
図6に示すメモリ部212の記憶領域M1は、危険状態でない場合の歩行者用信号機142の「赤」信号の表示間隔TPRや「緑」信号の表示間隔TPBをデータとして保持している。また図6に示すメモリ部212の記憶領域M2には、車両用信号機162の赤信号表示時間TCRや緑信号表示時間TCBあるいは黄信号表示時間TCBが記憶されている。さらに図6に示すメモリ部212の記憶領域M18には、歩行者有無計測機能370により計測した横断歩道の利用者の有無や、利用者が多いか少ないかの情報が保持されている。また記憶領域M4には、地域の生活環境に関係する横断歩道利用の特殊事情に関する情報が保持されている。この実施例では横断歩道が通学路に利用されている例を示しており、児童の交通事故防止の観点から通学路の時間帯が記憶されている。この時間帯は特に安全性を重視する制御が行われる。
図13は、図5に示す歩行者用信号機の制御機能600を実施するための具体的なフローチャートである。図10に示すフローチャートの実行周期と略同じ周期で繰り返し実行される。なお図11は複数個ある横断歩道106の内のある特定された横断歩道106の両側に設けられた歩行者用信号機142の制御を示している。全ての横断歩道106に対して歩行者用信号機142の制御を行う場合には、図13に示すフローチャートを各横断歩道106毎に順に実行することで対応可能である。一つの横断歩道106に対して両側にそれぞれ歩行者用信号機142が設置されているが、本実施例ではこれらには同じ制御が行われる。
ステップS600は一定時間間隔で実行されるものとする。ステップS6012で現在の表示が「赤」信号か「緑」信号かを判断し、フラグDNがゼロであれば「赤」信号、DNが1であれば「緑」信号を意味する。「赤」信号の場合はステップS6022で「赤」信号の経過時間を計数し、ステップS6024で経過時間が規定の時間に達したかを判断する。規定の時間は予め図6に示す記憶領域M1に記憶されている時間TPRである。「赤」信号の経過時間が規定の時間TPRに達した場合には通常は「緑」信号への切り替えを行うのであるが、本実施例ではステップS6026で、車両用信号機162が赤表示に切り替わってから規定の時間が経過したかどうかを調べ、さらにステップS6028で横断歩道106を通過する車両の有無あるいは通過車両の危険度を通過余裕度(MTP)の観点から確認する。ステップS6026で、車両用信号機162が「黄」信号の場合や、「赤」信号での経過時間が規定時間に達していない場合は、車両用信号機162を「赤」信号状態に維持し、「緑」信号への切り替えを行わない。
横断歩道106を通過しようとする車両がある場合に、危険度が大きい場合には、ステップS6028により「赤」信号を維持し、歩行者用信号機142の「緑」信号への切り替えは行わない。危険が無い状態であればステップS6028の実行からステップS6032の実行に移り、信号表示を「緑」信号に切り替えるために、DNの値を1にする。また表示継続を表す計数TPNをゼロにリセットする。ステップS6062で「緑」信号に信号を切り替えると、「緑」信号に切り替えるための出力を該当する歩行者用信号機142に出力し、ステップS6098で実行を終了する。
図12のステップS4132で、通過余裕度(MTP)の演算から車両が横断歩道106を通過する時点で、既に歩行者用信号機142が「緑」信号に切り替わると予測された場合は、図12のステップS4136で危険度大と判断され、図13で「緑」信号への切り替わりが遅延される。対象車両が横断歩道106を通過した後は、図12のステップS4136が実行されないために危険度大の記憶が消え、「緑」信号への切り替わりが行われる。
また図6の記憶領域M4に記憶された通学時間帯では、図13のステップ6028で、危険度中や危険度小であっても「緑」信号への切り替わりを遅延するようにしても良い。さらに横断歩道の利用者がたいへん多い場合も「緑」信号への切り替わりを遅延するようにしても良い。このような制御により、通学路の安全が確保できる。また横断歩道の利用者が非常に多い特別な状況での安全性を高めることが可能となる。
図13に示すフローチャートの実行開始時の信号が「緑」信号の場合は、ステップS6012から実行がステップS6044に移り、「緑」信号の継続時間を計測するための計数を行う。「緑」信号の継続時間TPNが規定時間TPBに達していない場合は原則的に青表示を継続するが、前の赤信号表示が長く続き、他の車両用信号機162などの関係で緑信号の表示を継続することが危険な場合には、ステップS6048から赤信号への切り替えを行うため実行がステップS6056に移る。ただ歩行者用信号機142の「緑」信号を短くすると利用者が横断歩道106を渡りきれない事態が生じ危険なので、上記の場合青表示の継続時間TPNがTPBに達していなくても十分大きな値になっていることが望ましい。
ステップS6056では表示を赤信号に切り替えるためにDNを0にし、緑信号の継続時間TPNをゼロにする。DNの値に基づき歩行者用信号機142を制御し、ステップS6098で実行を終了する。
この実施例では「赤」信号の表示時間TNPが規定の継続時間TPRに達しても横断歩道を無理に通過しようとする車両の有無に基づいて通過余裕度(MTP)に基づき危険度を演算し、この演算結果に基づき「緑」信号への切り替えを遅らせる制御を行うことで、事故の発生を低減する効果がある。
図14は歩行者用警報機144を制御する歩行者用警報機の警報機能800を実現するための操作手順を示すフローチャートである。この実施例ではメモリ部212の記憶領域M38に記憶されている危険度に基づいて歩行者用警報機144を制御する。ステップS8012で例えば危険度が大あるいは中であるかを判断し、危険度が大あるいは中の条件でステップS8024を実行し、歩行者用警報機144から光あるいは音による警報を発する。これにより横断歩道106の利用者に注意を喚起することができる。なお、ステップS8022は横断歩道106の利用者がいない場合に歩行者用警報機144の警報動作を止めるための動作であり、横断歩道106の利用者がいない場合に警報動作を止めるようにしても良い。この場合は不要な警報を発することによる騒音を低減することができる。
また通学時間帯は、通学児童を交通事故の危険から護るために危険度が小であってもステップS8014およびステップS8016により、歩行者用警報機144を動作させるようにしている。さらに路面凍結や積雪の状態では、ステップS8018により歩行者用警報機144の警報動作を動作させる。凍結や積雪の場合に歩行者の転倒や車両のスリップが考えられ、大事故につながる心配がある。このためステップS8018による警報の発信は交通事故を未然に防ぐ観点で大きい効果が期待できる。
11.対象進入車両への警報機能900に関する説明
危険な運転に対して警報を発することは交通事故防止の上でたいへん有効である。またうっかりして信号を見落としている可能性があり、警報は運転者に事前に注意を喚起し事故を未然に防ぐ上で大きな効果がある。以下図面を用いて警報機能900について説明する。
図15は警報機能900の具体的な手順を示すフローチャートであり、短周期で繰り返し実行される。ステップS900で実行が開始されると、ステップS9012で対象車両が選定される。ステップS9014で選定された車両に関する停止余裕度(MTS)が演算される。なお、選定車両が既に停止線108で停止している場合や停止線108を超えて交差点に進入してしまった状態の場合には、次のステップS9016に進みこのステップで判断が「NO」となり、ステップS9022に実行が移る。さらに選定車両が既に交差点に進入してしまった状態の場合には、ステップS9042に実行が移る。
ステップS9014による停止余裕度(MTS)の演算結果に基づき、ステップS9016で、安全な減速条件で停止線108の位置で対象車両が停止できるかどうかを判断する。停止が困難な場合には車両に対して、ステップS9018で注意警報の発信を無線送信で行う。対象車両はラジオあるいはナビゲーションシステムなどの受信機で、あるいは他の受信機器で、上記注意警報を受信し、運転者に注意を喚起できる。
次にステップS9022で進入余裕度(MTE)を演算する。進入余裕度(MTE)の演算結果に基づき、ステップS9024で、交差点への進入時点である入口側停止線108の通過時点での車両用信号機162の信号が、「黄」信号から「赤」信号に替わっていないかどうかを判断する。もし「赤」で交差点に進入する状態であれば、ステップS9026に実行が移り、対象車両に対して警告が発せられる。また周辺の車に注意を喚起する目的で車両用警報機164が動作し、対象車両以外の車両に対しても音や光により危険が伝えられる。
さらに交差点出口側に設けられた横断歩道106の利用者の危険性を考慮して、ステップS9032で通学時間帯かどうかを判断し、通学時間帯であればステップS9034で歩行者用警報機144を動作させ、歩行者に注意を喚起する。なお、ステップS9034による歩行者用警報機144の制御は、既に述べた図12に示す歩行者用警報機の警報機能800の代案である。このような制御により、横断歩道106の利用者の安全性が向上する。
次にステップS9042が実行される。既に交差点内に対象車両進入している場合は、上述のとおり、ステップS9022やステップS9024を通過して実行がステップS9042に移る。なお、既に交差点に進入している車両は、交差点進入前にこの図に示す演算処理が繰り返し行われ、その演算処理により既にステップS9016やステップS9024の判断が行われ、必要があれば警報処理が既に行われていることになる。
ステップS9042で通過余裕度(MTP)の演算を行う。次のステップS9044で、交差点出口を通過する前に歩行者用信号機142が「赤」信号から「緑」信号に切り替わることにならないかどうかを判断する。歩行者用信号機142が「赤」信号から「緑」信号に切り替わる場合は、たいへん危険であり、ステップS9046で対象車両に対して無線で警告し、運転者に注意を喚起する。また横断歩道106を利用する歩行者に対しても警告を発するために歩行者用警報機144を動作させる。なお、歩行者用警報機144の動作は図12に示す歩行者用警報機の警報機能800説明した制御の代案である。さらに歩行者が「緑」信号への切り替わりに基づき横断動作を開始するとたいへん危険であり、「緑」信号への切り替わりを遅らせる制御が行われる。この結果次のS900の再実行まで歩行者用信号機142は「赤」信号を継続することとなる。次のS900の実行でもし安全と判断された場合には、ステップS9044の後ステップS9054が実行され、「緑」信号への切り替わりが行われる。すなわち「赤」信号の延長が終了する。ステップS9052やステップS9054は、図11のステップ6028やステップ6032の手順の代案であり、歩行者用信号機142の動作は略同じである。
ステップ9062で全ての進入車両に対する処理が終了したかを判断し、ステップ9064で次の進入車両が選択される。なお、全ての進入車両に対する処理が終了した場合には、ステップ9098に実行が移り、図示しないタスク管理プログラムに対して、終了報告がなされる。
対象進入車両への警報機能900により、運転者に注意や警告が喚起され、車両の事故の低減に繋がる効果がある。さらに横断歩道の歩行者が巻き込まれる事故の低減に対しても大きな効果がある。
12.学習機能510に関する説明
図16は、図5に示す学習機能の具体的な動作手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、他のフローチャートの実行周期に比べ非常に長い周期で実行される。あるいはバックグランド処理の一つとして実行しても十分である。信号機の制御はその土地の環境を考慮して行うことが効率的であり、安全性向上の点でも望ましい。例えば交差点などを利用する車や人の状態が、交差点毎にことなる。このようなことから設置されている環境に応じた制御を学習し、実行することが望ましい。
上述した色々なプログラムの実行に基づき、車両の状態を計測した結果が、停止余裕度(MTS)や進入余裕度(MTE)、通過余裕度(MTP)の演算結果に一致したかどうかの内容を、図7に示す領域M40にその都度保持する。例えば複雑さを避けるために、「緑」信号から「赤」信号への切り替わり時で計算された上記各余裕度が対象車両のその後の走行状態と一致した数、一致しなかった数を上記領域にその都度記憶する。
ステップS5112で、使用した停止余裕度(MTS)と実際の走行との一致率(以下ヒット率と記す)を演算する。ステップS5114でヒット率が所定の値、例えば50%に対して低いかどうかを判断し、所定の値に達しない場合は、ステップS5116でヒット率を高める方向に判断特性を所定量だけ補正する。
同様にステップS5122で、使用した進入余裕度(MTE)と実際の走行とのヒット率を演算する。ステップS5124でヒット率が所定の値、例えば50%に対して低いかどうかを判断し、所定の値に達しない場合は、ステップS5126でヒット率を高める方向に判断特性を所定量だけ補正する。
さらにステップS5133で、使用した通過余裕度(MTP)と実際の走行とのヒット率を演算する。ステップS5134でヒット率が所定の値、例えば50%に対して低いかどうかを判断し、所定の値に達しない場合は、ステップS5136でヒット率を高める方向に判断特性を所定量だけ補正する。
以上のような補正を行うことで、例えば安全な減速度を0.3Gとして余裕度を演算していたが、実際は0.2Gであったなど、また進入方向による車量の差が大きく、交差点の通過時間に進入方向での差が生じるなど、交差点後との個別の条件の違いを検知することができ、対応することができる。これにより個別の交差点の特徴を考慮した精度の高い余裕度の演算が可能となり、各信号機の制御の信頼性向上、しいては交通事故低減に繋がる。
106・・・横断歩道、108・・・停止線、122・・・車両、124・・・車検知器、132・・・歩行者、136・・・歩行者検知器、142・・・歩行者用信号機、144・・・歩行者用警報機、162・・・車両用信号機、164・・・車両用警報機、202・・・交通信号制御装置、222・・・通信回線、232・・・天候検知器、234・・・通信装置、300・・・交通信号制御機能、310・・・路面状態計測機能、340・・・進入車両計測機能、370・・・歩行者有無計測機能、400・・・演算処理機能。

Claims (7)

  1. 入力情報を受信すると共に横断歩道用の信号機を制御するための制御信号を送信する送受信部と、上記送受信部で受信した入力情報に基づいて上記制御信号を発生することにより上記横断歩道用の信号機を制御する演算部と、情報を記憶する記憶部とを備え、
    上記送受信部を介して交差点あるいは横断歩道に近づく進入車両の走行状態を表す走行情報を上記入力情報として受信し、
    上記演算部は、上記進入車両が上記横断歩道あるいは上記交差点に設けられた横断歩道を通過する前に、上記横断歩道あるいは上記交差点に設けられた横断歩道の歩行者用信号機の信号が通行許可である緑信号に替わるかどうかを演算し、上記緑信号に切り替わると判断したときに、上記歩行者用信号機の信号が通行不可である赤信号から通行許可である緑信号に替わるのを遅らせる制御を行う、ことを特徴とする交通制御装置。
  2. 請求項1に記載の交通制御装置において、
    上記演算部はさらに、横断歩道の利用者に警報を発するための歩行者用警報機の制御信号を上記送受信部から出力することにより上記歩行者用警報機を制御し、
    上記演算部は、上記横断歩道用の信号機の赤信号から緑信号への切り替え時点を遅らせる上記制御に加え、上記歩行者用警報機から警報を発する制御を行う、ことを特徴とする交通制御装置。
  3. 請求項1あるいは請求項2に記載の交通制御装置において、
    上記演算部はさらに、進入車両に警報を発する車両用警報機の制御信号を上記送受信部から出力することにより上記車両用警報機を制御し、
    上記演算部は、上記横断歩道用の信号機の赤信号から緑信号への切り替え時点を遅らせる上記制御に加え、上記車両用警報機を制御して車輛に警報を発する、ことを特徴とする交通制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の内の一に記載の交通制御装置において、
    上記演算部は、上記進入車両の走行状態を表す走行情報として車両位置と車両速度とを表す情報を受け、
    上記演算部は、受け取った上記情報に基づき通過余裕度(MTP)を演算し、上記通過余裕度(MTP)の演算に基づいて、上記横断歩道あるいは上記交差点に設けられた横断歩道を通過する前に、上記横断歩道あるいは上記交差点に設けられた横断歩道の歩行者用信号機の信号が赤信号から緑信号に切り替わるかどうかを判断する、ことを特徴とする交通制御装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の内の一に記載の交通制御装置において、
    上記演算部は、上記進入車両の走行状態を表す走行情報として車両位置と車両速度とを表す情報を受けると共に、天候情報を受け、
    上記演算部は上記天候情報に基づいて特定された特性に基づき、上記横断歩道あるいは上記交差点に設けられた横断歩道を通過する前に、上記横断歩道あるいは上記交差点に設けられた横断歩道の歩行者用信号機の信号が赤信号から緑信号に切り替わるかどうかの上記演算を行う、ことを特徴とする交通制御装置。
  6. 請求項5に記載の交通制御装置において、
    上記演算部は、上記進入車両の走行情報に加え車種情報を上記送受信部を介して受け、上記車種情報に基づき上記横断歩道あるいは上記交差点に設けられた横断歩道を通過する前に、上記横断歩道あるいは上記交差点に設けられた横断歩道の歩行者用信号機の信号が赤信号から緑信号に切り替わるかどうかの上記演算を行う、ことを特徴とする交通制御装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の内の一つに記載の交通制御装置において、
    上記演算部は、上記進入車両の走行情報に基づき、横断歩道利用者の危険度を演算し、上記危険度が所定レベルを超えるときに上記歩行者用警報機から警報を発する制御を行い、
    上記演算部は、さらに通学時間帯であるかを判断し、通学時間帯である場合には上記所定レベルを下げ、上記危険度が上記下げられた所定レベルを超えるときに、上記歩行者用警報機から警報を発する制御を行う、
    ことを特徴とする交通制御装置。
JP2011264279A 2011-12-02 2011-12-02 交通信号制御装置 Expired - Fee Related JP5999617B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011264279A JP5999617B2 (ja) 2011-12-02 2011-12-02 交通信号制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011264279A JP5999617B2 (ja) 2011-12-02 2011-12-02 交通信号制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013117807A true JP2013117807A (ja) 2013-06-13
JP5999617B2 JP5999617B2 (ja) 2016-09-28

Family

ID=48712348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011264279A Expired - Fee Related JP5999617B2 (ja) 2011-12-02 2011-12-02 交通信号制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5999617B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015055921A (ja) * 2013-09-10 2015-03-23 矢崎エナジーシステム株式会社 運転評価装置
JP2016122439A (ja) * 2014-12-02 2016-07-07 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh レーダセンサを用いた交差点における衝突の回避
CN106710260A (zh) * 2017-03-01 2017-05-24 青岛海澄知识产权事务有限公司 一种行人过马路警示方法
CN106781573A (zh) * 2017-03-01 2017-05-31 青岛海澄知识产权事务有限公司 一种行人过马路警示装置
KR20180057826A (ko) * 2016-11-23 2018-05-31 윤종식 교통사고 예방을 위한 횡단보도 신호등 제어 방법 및 그 시스템
JP2020197895A (ja) * 2019-06-03 2020-12-10 Polaris合同会社 歩行者及び自転車に対する危険車両警報システム
JP2020197896A (ja) * 2019-06-03 2020-12-10 Polaris合同会社 歩行者及び自転車に対する危険車両警報システム
CN112677966A (zh) * 2019-10-18 2021-04-20 本田技研工业株式会社 车辆控制装置、车辆控制方法及存储介质

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102592142B1 (ko) * 2023-01-20 2023-10-23 마스코리아 주식회사 가변 속도 제한 구간 무인 과속 단속 시스템
KR102592141B1 (ko) * 2023-01-20 2023-10-23 마스코리아 주식회사 기후 변화 대응형 교차로 교통 신호 제어 시스템

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04163700A (ja) * 1990-10-26 1992-06-09 Nippon Signal Co Ltd:The 交通信号制御方法及び装置
JP2002092797A (ja) * 2000-09-18 2002-03-29 Nippon Signal Co Ltd:The 交通情報提供システム
JP2006003272A (ja) * 2004-06-18 2006-01-05 Denso Corp ナビゲーション装置、及びナビゲーションシステム
JP2006155253A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Koito Mfg Co Ltd 車両の安全制御システム
JP2006163534A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 交差点進入制御方法及び交差点進入制御システム
US20060181433A1 (en) * 2005-02-03 2006-08-17 Mike Wolterman Infrastructure-based collision warning using artificial intelligence
JP2010266930A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Sumitomo Electric Ind Ltd 信号制御装置及び信号制御方法
JP2011186697A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 信号制御装置及びジレンマ感応制御方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04163700A (ja) * 1990-10-26 1992-06-09 Nippon Signal Co Ltd:The 交通信号制御方法及び装置
JP2002092797A (ja) * 2000-09-18 2002-03-29 Nippon Signal Co Ltd:The 交通情報提供システム
JP2006003272A (ja) * 2004-06-18 2006-01-05 Denso Corp ナビゲーション装置、及びナビゲーションシステム
JP2006155253A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Koito Mfg Co Ltd 車両の安全制御システム
JP2006163534A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 交差点進入制御方法及び交差点進入制御システム
US20060181433A1 (en) * 2005-02-03 2006-08-17 Mike Wolterman Infrastructure-based collision warning using artificial intelligence
JP2010266930A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Sumitomo Electric Ind Ltd 信号制御装置及び信号制御方法
JP2011186697A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 信号制御装置及びジレンマ感応制御方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015055921A (ja) * 2013-09-10 2015-03-23 矢崎エナジーシステム株式会社 運転評価装置
JP2016122439A (ja) * 2014-12-02 2016-07-07 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh レーダセンサを用いた交差点における衝突の回避
KR20180057826A (ko) * 2016-11-23 2018-05-31 윤종식 교통사고 예방을 위한 횡단보도 신호등 제어 방법 및 그 시스템
KR101908199B1 (ko) * 2016-11-23 2018-10-15 윤종식 교통사고 예방을 위한 횡단보도 신호등 제어 방법 및 그 시스템
CN106710260A (zh) * 2017-03-01 2017-05-24 青岛海澄知识产权事务有限公司 一种行人过马路警示方法
CN106781573A (zh) * 2017-03-01 2017-05-31 青岛海澄知识产权事务有限公司 一种行人过马路警示装置
JP2020197895A (ja) * 2019-06-03 2020-12-10 Polaris合同会社 歩行者及び自転車に対する危険車両警報システム
JP2020197896A (ja) * 2019-06-03 2020-12-10 Polaris合同会社 歩行者及び自転車に対する危険車両警報システム
CN112677966A (zh) * 2019-10-18 2021-04-20 本田技研工业株式会社 车辆控制装置、车辆控制方法及存储介质
JP2021068016A (ja) * 2019-10-18 2021-04-30 本田技研工業株式会社 車両制御装置、車両制御方法、およびプログラム
US11738742B2 (en) 2019-10-18 2023-08-29 Honda Motor Co., Ltd. Vehicle control device, vehicle control method, and storage medium
JP7345349B2 (ja) 2019-10-18 2023-09-15 本田技研工業株式会社 車両制御装置、車両制御方法、およびプログラム
CN112677966B (zh) * 2019-10-18 2024-04-19 本田技研工业株式会社 车辆控制装置、车辆控制方法及存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP5999617B2 (ja) 2016-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5999617B2 (ja) 交通信号制御装置
US11067987B2 (en) Driving assistance method and driving assistance device
CN109389824B (zh) 一种驾驶风险的评估方法及装置
WO2017215497A1 (zh) 车辆行驶预测方法、装置和车载智能系统
US8924077B2 (en) Drive assistance device
US8362922B2 (en) Intersection driving support apparatus
KR102005253B1 (ko) 극도로 빠르게 접근하는 차량들에 응답하는 차선 보조 시스템
JP5196004B2 (ja) 運転支援装置
US20150360697A1 (en) System and method for managing dangerous driving index for vehicle
KR101581188B1 (ko) 차선변경 경보 장치
US20100217483A1 (en) Vehicular driving support apparatus
CN106462554B (zh) 汽车车道秩序系统、方法及设备
US20090069977A1 (en) Apparatus and methods for automatically activating a motor vehicle turn signal lamp
CN101652802A (zh) 安全驾驶支持装置
KR20150068426A (ko) 교차로에서의 충돌 위험 평가 방법
JP2006163828A (ja) 車両用警報装置、車両周囲状況の警報方法
CN110825077A (zh) 一种车辆自动驾驶安全管理方法及系统
CN113808422B (zh) 一种救护车快速通行方法
JP2016002893A (ja) 車両の走行制御装置
JP2021046182A (ja) 自動運転車
JP5732904B2 (ja) 交通信号制御装置及び方法
KR101687518B1 (ko) 시야 확보가 불가능한 도로의 상황 예측 장치
JP6860757B2 (ja) 交差点通過制御システム
US11352026B2 (en) Vehicle, vehicle monitoring server, vehicle monitoring system, and vehicle monitoring method
JP2003099898A (ja) 運転者将来状況予測装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141009

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160823

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5999617

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees