JP2010266930A - 信号制御装置及び信号制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】青信号表示時間の調整と階梯との好ましい関係を実現する信号制御装置及び信号制御方法を提供する。
【解決手段】交差点の上流側での車両交通に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、当該交差点における車両用の青信号について信号表示時間を短縮する必要があるときは歩行者青の階梯を短縮し、逆に、延長する必要があるときは歩行者赤の階梯を延長する。
【選択図】図7

Description

本発明は、交差点の信号制御に関し、特に、交差点に流入する車両台数及びタイミングを予測して信号制御機の青信号表示時間を延長又は短縮することができる信号制御装置及び信号制御方法に関する。
交通信号制御においては、所定の周期毎(通常はサイクル毎)に、各信号灯色を点灯等するための信号制御プランを作成し、当該信号制御プランに従って信号灯器を制御するテーブル制御方式が普及している。
この場合、主に交通量の多い都市部等においては、交通流の円滑化を目的として、道路上に設置された車両感知器によって得られる交通量や渋滞等の交通状況に応じて、前記信号制御プランの一部又は全部を変更し、適切な信号灯色の切替タイミングを決定する交通信号制御方法が採用されている。
例えば、バス等の公共車両が走行する経路上に設置された交通信号制御機においては、公共交通機関の利便性向上のために、バスの接近に応じて青信号を延長等するバス感応制御や、右折待ち車両の多い交差点に設置された交通信号制御機においては、右折専用車線における待ち行列に応じて右折青矢印灯の表示時間を延長等する右折感応制御等の、いわゆる地点感応制御が行われている。
また、近年では、隣接する交通信号制御機がお互いに未来の交通状況の予測情報等を交換し、当該予測情報等に基づいて、短い周期で信号制御プランを見直しながら動作するプロファイル制御(需要予測制御)も行われている(特許文献1及び非特許文献1参照)。
特開2001−134893号公報
「改訂 交通信号の手引き」、第83頁、社団法人 交通工学研究会 編集・発行
上記のような地点感応制御や需要予測制御によれば、通常サイクル開始時において決定された信号制御プランは、車両感知器等によって得られる車両感知情報等に応じて随時表示時間が調整される。ここで、歩行者用信号のある交差点において、車両用の青信号の表示時間を調整する場合、当該車両用の青信号は、少なくとも歩行者用の青信号PG、青信号点滅PF、赤信号PR(PRは、歩行者用信号で赤信号の表示を開始してから車両用信号が黄に変化するまでの間に表示する赤信号のみを指す。)の3つの階梯(ステップ)によって構成されている。すなわち、車両用の青信号の表示時間を調整するためには、これらの階梯のうち少なくとも1つを伸縮する必要がある。
通常、PGには数十秒程度の秒数が割り当てられ、PFやPRには数秒程度が割り当てられる。PFやPRは表示させる基準時間が短いため、もしPFやPRを調整用に使用した場合、表示時間を短縮する場合の調整幅が非常に狭くなってしまうという問題があった。そのため、延長と短縮の双方に適したPGを調整用に使用するケースが一般的であった。
しかし、PGは車両用青信号を構成する最終階梯ではないため、PGを調整用として使用した場合、調整の実行中に車両用の青信号の表示を直ちに打ち切ることはできない。
例えば、PGの階梯を実行中に、車両感知器からの交通情報に基づいて車両用青信号を延長すべきだ、と判断した場合、PGを調整用として使用しているのであればPGを基準時間よりも延長させるように信号制御を行う。そして、PGを基準時間よりも長く表示し始めた後で新たに得られた交通情報に基づいて、今度は直ちに車両用青信号を打ち切るべきだと判断したとした場合には、その時点でPGを終了させる。
ところが、この場合、PGを直ちに終了したとしても、車両用青信号は、その後PFとPRの2つの階梯を実行した後に終了することになるため、実際には、車両用青信号を打ち切るべきだと判断したタイミングで直ちに表示が打ち切られることはない。
このようなケースにおいても、より一層、リアルタイム性の高い信号制御を実行することが望ましい。
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、青信号表示時間の調整と階梯との好ましい関係を実現する信号制御装置及び信号制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、車両用信号及び歩行者用信号が設けられた交差点の信号表示時間を延長又は短縮する信号制御を行うことが可能な信号制御装置であって、
前記交差点の上流側での車両交通に関する情報を取得する情報取得手段と、前記情報に基づいて、車両用の青信号について信号表示時間を短縮する必要があるときは歩行者青の階梯を短縮し、逆に、延長する必要があるときは歩行者赤の階梯を延長する制御手段とを備えたものである。
一方、本発明は、交差点の信号表示時間を延長又は短縮する信号制御を行うことが可能な信号制御方法であって、
前記交差点の上流側での車両交通に関する情報を取得し、前記情報に基づいて、車両用の青信号について信号表示時間を短縮する必要があるときは歩行者青の階梯を短縮し、逆に、延長する必要があるときは歩行者赤の階梯を延長するものである。
上記のような信号制御装置/信号制御方法においては、車両用の青信号について信号表示時間を短縮する必要があるときは、歩行者青の階梯を短縮する。歩行者青の階梯は、基準となる時間が比較的長いので、基準時間からの短縮が容易である。逆に、青信号について信号表示時間を延長する必要があるときは、歩行者赤の階梯を延長する。この場合、延長した時間の経過により直ちに青信号を終了することができるので、延長という制御が、青信号を打ち切るタイミングに直結している。そのため、制御の応答性に優れ、需要予測に基づく制御の効果が出やすい。例えば、一旦、車両用の青信号を延長すべき、と判断して、歩行者赤の階梯を延長することにより基準秒数よりも長く車両用青信号を表示し始めた後で、直ちに車両用青信号を打ち切るべきだと判断した場合に、歩行者赤の階梯を終了させることによって車両用青信号が直ちに終了となるため、信号制御のリアルタイム性を高めることができる。
本発明の信号制御装置/信号制御方法によれば、車両用の青信号について信号表示時間を短縮する必要があるときは、歩行者青の階梯を短縮し、延長する必要があるときは、歩行者赤の階梯を延長することによって、青信号表示時間の調整と階梯との好ましい関係を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る信号制御装置を含む全体構成の一例を示す図である。 図1の構成のブロック図である。 到着プロファイルの推定処理の一例を示すための、道路の平面形状と到着プロファイルとの対応関係図である。 需要予測制御を概念的に示す図である。 対向2車線の道路が直交交差し、かつ、4カ所に横断歩道がある典型的な交差点の平面図である。 信号灯器(車両灯器A,B及び歩行者灯器a,b)の動作図である。 車両灯器Aの青信号の表示時間を短縮する場合の動作図の変化を示している。 車両灯器Aの青信号の表示時間を延長する場合の動作図の変化を示している。
図1は、本発明の一実施形態に係る信号制御装置を含む全体構成の一例を示す図である。図において、車両1a,1b(その他多数)が、道路R1を走行しているとして、その走行方向には交差点C2(道路R2と交差)、及び、交差点C3(道路R3と交差)がある。各交差点C2,C3には、道路R1を走行する車両に対する信号灯器2A,3Aを備える交通信号機2,3がそれぞれ設けられている。なお、車両1a,1bの走行方向に基づいて考えると、図の(紙面の)左方が上流側、右方が下流側となる。
上記各信号灯器2A,3Aはそれぞれ、信号制御機2c,3cによって制御される。信号制御機2c,3cに対する信号制御は、例えば交通管制センター6により、行われる。各交差点C2,C3の上流側にはそれぞれ、車両感知器4,5が設置されている。この車両感知器4,5が、その下を通過する車両を感知することにより、車両台数をカウントするための情報を交通管制センター6に提供することができる。
なお、図示の車両感知器の数、交差点の数は、一例に過ぎない。
図2は、図1の構成のブロック図である。図2において、交通管制センター6内には、中央装置61及び、これに接続されたルータ62が設けられている。ルータ62は、信号制御機2c,3c及び車両感知器4,5と、通信回線を介して接続されている。このように接続された中央装置61は、図示した以外にも、その管理下にある全ての信号制御機とネットワークを構成しており、各信号制御機と双方向通信が可能である。また、信号制御機同士でも双方向通信が可能である。
なお、信号制御機2c,3cによって制御される信号灯器は、図示の信号灯器2A,3Aの他にもある。横断歩道のある十字路の交差点であれば、通常、車両用の信号灯器が4台、歩行者用の信号灯器が8台あり、1台の信号制御機が全ての信号灯器の灯色、及び、点灯・消灯のタイミングを制御する。
なお、中央装置61は必ずしも交通管制センター6内に設けられていなくてもよく、道路上に設置することも可能である。
中央装置61は、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等よりなり、信号制御機2c,3cや車両感知器4,5からの各種の交通情報の収集・処理(演算)・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行う。また、中央装置61は、MODERATO(登録商標、Management by Origin-Destination Related Adaptation for Traffic Optimization)制御や需要予測制御を行うことができる。
MODERATO制御は、ネットワークに属する全ての信号制御機をマクロ制御するもので、近飽和の交通状態に対応するために、負荷率という交通指標を用いて各信号制御機に最適な信号制御パラメータをサイクルごとに自動生成する。
例えば、スプリット制御の場合には、各交差点について、現示ごとの各流入路の負荷率の最大値を求め、現示負荷率の比で正規化されたスプリットを配分する負荷率比配分方式が採用される。
上記負荷率ρは、車両の流入流量Q(台/時)、待ち行列台数E(台/時)及び飽和交通需要率s(台/時)を用いて、ρ=(Q+E)/s で定義される。
一方、需要予測制御は、ネットワークに属する一部の信号制御機をミクロ制御するものであり、着目する交差点の上流側で観測された情報を基に交通状況の変化を事前に予測し、その予測に基づいて当該交差点での信号待ちによる遅れ時間を最小にするように、最適な青信号の打ち切りタイミングを決定する。
かかる需要予測制御では、ある交差点における、停止線の到着プロファイル(詳細後述)の情報と信号制御情報とに基づいてシミュレーション演算を行い、現時点から1サイクル以上未来までの待ち行列台数Eの変動状況を計算する。
なお、中央装置61は、所定時間ごとに信号灯器の灯色切り替えタイミング等に関する信号制御指令を各信号制御機に送信している。この所定時間とは、例えば、信号制御パラメータの演算周期(例えば、1.0〜2.5分)である。
また、中央装置61は、車両感知器4,5による感知情報をリアルタイム(例えば、0.1〜1.0秒周期)に受信している。
図3は、到着プロファイルの推定処理の一例を示すための、道路の平面形状と到着プロファイルとの対応関係図である。中央装置61は、交差点C3の上流側に位置する車両感知器5から逐次受信する感知情報に基づいて、車両感知器5の下を通過した車両台数(地点観測による車両台数)を1秒から数秒単位ごとに集計した通過データD1を常時収集している。また、中央装置61は、通過データD1を構成する各時点の車両グループ(台数)が所定の車両速度vで走行するとの仮定の下で、その車両グループが停止線Pに到達する予測時刻を特定し、この各車両グループよりなる通過データD1を予測時刻順に並べて到着プロファイルFLを生成する。
一方、中央装置61は、車両感知器5の上流側で隣接する交差点C2から交差点C3に向かって流出する予測交通量の時系列データである隣接データD2を、その交差点C2の信号制御機2cから取得している。この隣接データD2は、交差点C2から交差点C3に向かって流出する車両台数を予測し、1秒から数秒単位ごとに集計した時系列データとなっている。
そこで、中央装置61は、隣接データD2を構成する各時点の車両グループ(台数)についても、所定の車両速度vで走行するとの仮定の下で、その車両グループが停止線Pに到達する予測時刻を特定し、この各車両グループよりなる隣接データD2を予測時刻順に並べて到着プロファイルFLを生成する。
上記のようにして、交差点C3の停止線Pにおける到着プロファイルFLを得ることができる。
なお、通信機能を有する車載装置が車両に搭載されている場合には、車載装置がリアルタイムに送信する車両の位置情報を用いて、より精度の高い到着プロファイルFLを推定することもできる。
中央装置61が推定する到着プロファイルFLは、交差点C3や交差点C2に繋がる各方向の流入リンクごとに生成される。そこで、中央装置61は、各到着プロファイルFLを用いて現在から1サイクル未来までの当該交差点C3に対する流入交通を予測し、到着プロファイルFLと他の信号制御情報に基づいてシミュレーション演算を実行する。かかるシミュレーション演算は、具体的には、交差点全体の待ち行列台数の変動状況である遅れ時間(信号停止待ち時間)を算出し、この遅れ時間に基づく評価値が最も小さくなる青信号終了タイミングを探索し、表示時間の延長又は短縮によって、最適な青信号終了タイミングを決定する。
図4は、上記プロファイル制御に代表される需要予測制御を概念的に示す図である。すなわち、車両用の信号灯器A及び歩行者用の信号灯器aが設けられた交差点の信号(青信号)表示時間を延長又は短縮する信号制御を行うことが可能な信号制御装置100は、情報取得手段101と、予測手段102と、制御手段103とによって構成されている。
情報取得手段101は、車両1の感知情報や他の信号灯器Axの情報等に基づいて、信号制御を行おうとする交差点の上流側での車両交通に関する情報を取得する。予測手段102は、当該情報に基づいて、交差点で発生し得る交通需要を予測する。制御手段103は、車両用の信号灯器A及び歩行者用の信号灯器aを制御する。
次に、青信号の終了タイミングを調整する信号制御の方法について説明する。図5は、対向2車線の道路が直交交差し、かつ、4カ所に横断歩道がある典型的な交差点の平面図である。車両用の信号灯器(以下、車両灯器という。)A(2カ所)は、紙面上下に伸びる道路Ryを走行する車両のために設けられている。歩行者用の信号灯器(以下、歩行者灯器という。)a(4カ所)は、道路Ryに平行な横断歩道を歩く歩行者のために設けられている。一方、車両灯器B(2カ所)は、紙面左右に伸びる道路Rxを走行する車両のために設けられている。歩行者灯器b(4カ所)は、道路Rxに平行な横断歩道を歩く歩行者のために設けられている。
図6は、上記信号灯器(車両灯器A,B及び歩行者灯器a,b)の動作図である。1つの交差点における信号制御は、全灯器の表示状態の組み合わせを規定するための最小単位である以下の階梯(ステップ)によって構成される。
PG(Pedestrian Green):歩行者青
PF(Pedestrian Flashing):歩行者青点滅
PR(Pedestrian Red):歩行者赤
Y(Yellow):黄
AR(All Red):全赤(全灯器が赤)
図6において、まず、左端の階梯「PG」においては、歩行者灯器a及び車両灯器Aが共に青であり、交差する道路の歩行者灯器b及び車両灯器Bは共に赤である。次の「PF」では、歩行者灯器aが点滅に変わるが、他の灯器の状態は変わらない。続いて「PR」では、歩行者灯器aが赤に変わるが、他の灯器の状態は変わらない。すなわち、車両灯器Aは、歩行者灯器aが「PG」、「PF」、「PR」の3階梯の間、青である。次に、車両灯器Aが「Y」すなわち黄色に変わり、続いて、「AR」すなわち、全灯器が赤となる。
「AR」終了後は、交差方向の道路の通行が許可される番であり、上記とは逆に、歩行者灯器b及び車両灯器Bが共に青になり、歩行者灯器a及び車両灯器Aは共に赤である。次の「PF」では、歩行者灯器bが点滅に変わるが、他の灯器の状態は変わらない。続いて「PR」では、歩行者灯器bが赤に変わるが、他の灯器の状態は変わらない。すなわち、車両灯器Bは、歩行者灯器bが「PG」、「PF」、「PR」の3階梯の間、青である。次に、車両灯器Bが「Y」すなわち黄色に変わり、続いて、「AR」すなわち、全灯器が赤となる。
以上の1サイクル動作が終わると、再び最初の「PG」に戻り、同じ動作が繰り返される。
ここで、中央装置61が、需要予測に基づいて車両灯器Aの青信号の表示時間を短縮/延長したい場合、「PG」、「PF」、「PR」のいずれかの階梯を、基準時間に対して短縮又は延長することができるが、短縮か延長かによって、調整する階梯を使い分けるものとする。但し、「PF」は、歩行者が横断歩道を渡りきる(あるいは引き返す)ための必要最小時間であるため短縮には適さない。従って、「PG」、「PR」を、短縮又は延長の対象とするのが好ましい。なお、車両灯器Aの青信号の表示時間は例えば60〜80秒であり、階梯別には、「PG」が50〜70秒、「PF」及び「PR」がそれぞれ5秒程度である。
図7は、車両灯器Aの青信号の表示時間を短縮する場合の動作図の変化を示している。(a)は、短縮前の基準となる動作図であり、青信号の表示時間を短縮するにあたって、(b)に示すように、「PG」を短縮する。「PG」は、「PF」や「PR」に比べて比較的長い時間であり、基準時間から例えば10秒短縮することも容易である。仮に「PR」で短縮しようとすれば、「PR」の時間を、現状の運用時間より長めに確保し、短縮に対応できるようにしなければならない。これは、「PR」の基準時間の見直しを要するので不便である。
上記のように「PG」の短縮を行っても、青信号が打ち切られるのは、短縮した「PG」の後さらに、「PF」の時間及び「PR」の時間を経過した後である。そのため、需要予測に基づく制御の効果が薄れる可能性はあるが、そもそも短縮を行うのは交通量の少ない状態であるため、効果が薄れることの影響は小さく抑えられる。
図8は、車両灯器Aの青信号の表示時間を延長する場合の動作図の変化を示している。(a)は、短縮前の基準となる動作図であり、青信号の表示時間を延長するにあたって、(b)に示すように、「PR」を延長する。「PR」は元々、比較的短い時間であるが、延長することには特に弊害は無い。
また、延長した時間の経過により直ちに青信号を終了することができるので、延長という制御が、青信号を打ち切るタイミングに直結している。そのため、制御の応答性に優れ、需要予測に基づく制御の効果が出やすい。特に、青信号の表示時間を延長するのは交通需要の多い状態であるので、制御の効果は高いものとなる。仮に、「PG」を延長したとすると、延長の効果が出るのはその後の「PF」、「PR」を経た後になるので、タイムラグにより制御の応答性が悪くなり、需要予測に基づく制御の効果が薄れる可能性がある。
例えば、このように、延長動作をPRで実行する方法は、一旦車両用青信号を延長すべき、と判断して、基準秒数よりも長く車両用青信号を表示し始めた後で、直ちに車両用青信号を打ち切るべきだと判断した場合に、特に有効である。すなわち、PRを終了させることによって車両用青信号が直ちに終了となるため、信号制御のリアルタイム性を高めることができるからである。
なお、上記実施形態では、青信号表示時間の階梯による調整を中央装置61が主体となって行うものとしたが、このような調整機能の主体を信号制御機とすることも可能である。すなわち、青信号表示時間の階梯による調整を行う信号制御装置100(図4)は、物理的にどこに存在してもよく、また、分散した存在であってもよいのであって、例えば、中央装置61を主体として実現してもよいし、信号制御機3c等を主体として実現してもよい。
また、このように、車両用青信号の短縮をPGで、延長をPRで行う信号制御方法は、需要予測制御に適用できるだけではなく、バス感応制御やギャップ感応制御のような地点感応制御にも適用可能である。バス感応制御やギャップ感応制御の場合には、例えば図4(需要予測制御)における予測手段102は必要ではなく、信号制御装置100は、情報取得手段101と、制御手段103とを備えたものであればよい。この場合、情報取得手段101は、車両1の感知情報や他の信号灯器Axの情報等に基づいて、信号制御を行おうとする交差点の上流側での車両交通に関する情報を取得する。制御手段103は、当該情報に基づいて、車両用の信号灯器A及び歩行者用の信号灯器aを制御する。
具体的には、例えば、本発明に係る信号制御方法(装置)をバス感応制御に適用する場合、青信号を表示している方向と交差する方向の道路上(上流側)をバスが接近してきたのであれば、PGを短縮して車両用青信号の表示時間を短縮するように制御する。また、青信号の表示がまもなく終了するPRを実行しているときに、当該青信号の表示方向の道路上(上流側)をバスが接近してきたのであれば、バスが丁度交差点を通過し終える秒数分だけPRを延長するように制御し、バスが通過し終えたと同時に車両用の青信号を打ち切るように制御することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
100 信号制御装置
101 情報取得手段
103 制御手段
A,B 信号灯器(車両用)
a,b 信号灯器(歩行者用)
C2,C3 交差点

Claims (2)

  1. 車両用信号及び歩行者用信号が設けられた交差点の信号表示時間を延長又は短縮する信号制御を行うことが可能な信号制御装置であって、
    前記交差点の上流側での車両交通に関する情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報に基づいて、車両用の青信号について信号表示時間を短縮する必要があるときは歩行者青の階梯を短縮し、逆に、延長する必要があるときは歩行者赤の階梯を延長する制御手段と
    を備えたことを特徴とする信号制御装置。
  2. 交差点の信号表示時間を延長又は短縮する信号制御を行うことが可能な信号制御方法であって、
    前記交差点の上流側での車両交通に関する情報を取得し、
    前記情報に基づいて、車両用の青信号について信号表示時間を短縮する必要があるときは歩行者青の階梯を短縮し、逆に、延長する必要があるときは歩行者赤の階梯を延長する
    ことを特徴とする信号制御方法。
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