JP2013112612A - 半導体ガスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】気相において製造または処理されたモノフルオロメタンは、平衡、フッ素化反応または不均化反応によりトリフルオロメタンを伴うことがあるが、これらの沸点は近接するので蒸留では効率的に分離することはできない。そこで、蒸留に代えて、実質上トリフルオロメタンおよび不飽和化合物を含まないモノフルオロメタンを製造できる工業的に適用可能な方法を提供する。
【解決手段】トリフルオロメタンを含有するモノフルオロメタン組成物を式(1)のアミド及び塩基を含むトリフルオロメタン処理液と接触させる工程、及び、硫酸と接触させる工程を含むモノフルオロメタンの製造方法。
Figure 2013112612

(R、RおよびRは、水素原子またはアルキル基を表し、互いに結合して環を形成してもよく、環炭素は酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子で置換してもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、モノフルオロメタン(CHF、HFC−41)の製造方法に関し、より詳しくは、液体との接触による精製を含む方法に関する。
モノフルオロメタンは半導体工業等の薄膜製造プロセスにおけるエッチング剤、クリーニング剤として利用されている。
トリフルオロメタン(CHF、HFC−23)などのフッ素化メタンの製造方法としては、対応する塩素化メタンを触媒存在下フッ化水素でフッ素化する方法が工業的に実施され、塩化メチルからモノフルオロメタンを製造する方法も知られている(例えば、特許文献1、2)。この方法で得られる反応生成物には、塩化水素、フッ化水素、未反応塩化メチルのほかフッ素化や不均化により生成した多フッ素化物が含まれるのが一般的であり、選択率を高めるためには転化率を犠牲にすることも多く、特許文献1の実施例では20%程度の選択率に過ぎない。また、有機成分についての精製は通常蒸留で行われ、特許文献1においても同様の実施例が示されている。
このようなハロゲン化炭化水素のフッ化水素によるハロゲン交換法と異なる製造方法として、メチル基を有する化合物の分解・フッ素化反応による方法が知られ、例えば、ヨウ化メチルをテトラ−n−ブチルアンモニウムのフッ素塩によりフッ素化する方法などが報告されている。また、1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを触媒と接触させてジフルオロ酢酸フルオリドまたはジフルオロ酢酸エステルを合成する際の副生物としてモノフルオロメタンが生成することも知られている(特許文献3、特許文献4)。しかしながら、何れの方法においても半導体工業用のモノフルオロメタンを製造するには通常は精製が欠かせないが、有機成分の分離には特許文献1で開示されるような蒸留や固体への吸着以外の方法は知られていない。
この様に、従来、モノフルオロメタンの製造方法として何れの方法を採用するにしても蒸留は欠かせず、また、いずれの方法によっても副生成物としてトリフルオロメタン、ジフルオロメタンなどが生成し、とりわけトリフルオロメタンは、比較的安定であることから生成しやすく、しかも沸点(−82.1℃)がモノフルオロメタン(沸点、−78.2℃)と近接しているので蒸留分離が困難である。
なお、トリフルオロメタンは、有機化学の分野では、トリフルオロメチル化剤として知られている(非特許文献1、特許文献5など)が、CHFとCHFの反応性の違いやCHF中のCHF分離除去方法に関する記述は見あたらない。
国際公開第2005/026090号パンフレット 特開2006-111611号公報 特開平8-92162号公報 特開2010-064999号公報 米国特許第6355849号明細書
J.Org.Chem.1991,56(1),2-4
気相において製造または処理されたモノフルオロメタンは、平衡、フッ素化反応または不均化反応によりトリフルオロメタンを伴うことがあるが、これらの沸点は近接するので蒸留では効率的に分離することはできない。
そこで、蒸留に代えて、実質上トリフルオロメタンを含まないモノフルオロメタンを製造できる工業的に適用可能な方法を提供する。
本発明者らは、高純度のモノフルオロメタンの製造方法について鋭意検討したところ、トリフルオロメタンを含むモノフルオロメタンをアミドと塩基の混合物に接触させることで容易にトリフルオロメタンが除去されることを見出した。さらに検討を進めたところ、アミドを使用して得られたモノフルオロメタンはアミン臭を伴うことがあったが、アミドと塩基の混合物との接触の後、さらに硫酸と接触させることでアミド臭をなくすことができることを見出し、より顕著な効果を奏する発明を完成させた。
すなわち、本発明は、次の通りである。
[発明1]
トリフルオロメタンを少なくとも含有するモノフルオロメタン組成物を下記一般式(1)で表されるアミドおよび塩基を含むトリフルオロメタン処理液と接触させる工程、および、硫酸と接触させる工程を含むモノフルオロメタンの製造方法。
Figure 2013112612

(式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、互いに結合して環を形成してもよく、環炭素は酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子で置換してもよい。)
[発明2]
アミドが、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジプロピルホルムアミド、N,N’−ジメチルエチレンウレア、N,N’−ジメチルプロピレンウレア、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピロリジン、N−ホルミルピペリジン、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジプロピルアセトアミドから選ばれる一種以上のアミンである発明1のモノフルオロメタンの製造方法。
[発明3]
塩基が、金属アルコキシド、金属水素化物またはシリルアミン化合物である発明1または2のモノフルオロメタンの製造方法。
[発明4]
トリフルオロメタン処理液が、さらにアニオン捕捉剤を含むトリフルオロメタン処理液である発明1〜3のモノフルオロメタンの製造方法。
[発明5]
アニオン捕捉剤が、カルボニル化合物、チオカルボニル化合物、ジサルファイド化合物またはジセレナイド化合物である発明4のモノフルオロメタンの製造方法。
[発明6]
トリフルオロメタン処理液が、さらに処理条件において不活性な溶媒を含むトリフルオロメタン処理液である発明1〜5のモノフルオロメタンの製造方法。
[発明7]
トリフルオロメタンを少なくとも含有するモノフルオロメタン組成物が、さらにエチレンを少なくとも含有するモノフルオロメタン組成物である発明1〜6のモノフルオロメタンの製造方法。
[発明8]
トリフルオロメタンを少なくとも含有するモノフルオロメタン組成物、またはエチレンを少なくとも含有するモノフルオロメタン組成物が、1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを熱分解して得られた熱分解ガスから少なくともジフルオロ酢酸フルオライドを除去して得られたモノフルオロメタン組成物である発明1〜7のモノフルオロメタンの製造方法。
本発明の製造方法は、不快なアミン臭がなく、実質上トリフルオロメタンを含まない高純度のモノフルオロメタンを容易に製造することができる。その上、モノフルオロメタンに少量含まれることのあるエチレンなどの不飽和化合物の含有量を減らすことができる。さらに、本発明の製造方法は、簡便な操作で足り工業的規模で安定して生産可能である。
ガス調製例で使用した装置の概略図である。 実施例1で使用した装置の概略図である。
本発明は、トリフルオロメタンを少なくとも含有するモノフルオロメタン組成物(本明細書において、「粗モノフルオロメタン」と称する。)をアミドおよび塩基を含む組成物(本明細書において、「トリフルオロメタン処理液」または単に「処理液」と称することがある。)と接触させる工程、および、硫酸と接触させる工程を含むを含むモノフルオロメタンの製造方法である。
非特許文献1によると、本発明の方法にかかる反応は、塩基により活性化されたアミドのカルボニル炭素にトリフルオロメタンから生じたCFアニオンが付加して付加体Iが形成されるものと推測される。付加体Iおよび後記する付加体IIにはそれぞれ鏡像体が存在するが、これらの構造図は鏡像体の一方を特定することを意図しない。
Figure 2013112612
[トリフルオロメタンを少なくとも含有する粗モノフルオロメタン]
本発明で使用する、トリフルオロメタンを少なくとも含有する粗モノフルオロメタンは、どのような方法で得られたものであってもよく、例えば、メタンまたはメタノールを触媒の存在下でフッ化水素によりフッ素化する方法、モノクロロメタンを触媒の存在下でフッ化水素によりハロゲン交換する方法、メタン、ジフルオロメタンなどのフッ素化メタンを触媒の存在下で不均化する方法、1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを接触熱分解してジフルオロ酢酸フルオライドと共に得る方法などが例示できる。いずれの方法によって製造した場合でも、副生成物を伴うが、本発明にかかる処理方法を適用する前に、予めトリフルオロメタン以外の成分は除去しておくことが好ましい。特に、フッ化水素や塩化水素、ジフルオロ酢酸フルオライドなどの酸性成分は、本発明の方法で使用する塩基の必要量を増加させることになるので本発明の方法の適用前に除去しておくのが好ましい。
このような予め行う予備精製としては、特に限定されず、モノフルオロメタンを生成する各製造方法により異なるが、何れも公知の技術を当業者の知識をもって適用すればよい。例えば、前記製造方法で得られたモノフルオロメタンが、トリフルオロメタンなどの炭化水素のハロゲン化物と塩化水素またはフッ化水素等の酸性成分を含む場合には、水または/およびアルカリ性水溶液と接触させ、次いで乾燥し、必要に応じて蒸留でトリフルオロメタン以外の成分についても可能な限り含有量を低減させておくことが好ましい。ここで、蒸留によりトリフルオロメタン以外の成分を十分に除去できない場合は、本発明にかかる処理方法によりトリフルオロメタンを除去した後、再度蒸留することもできる。
また、1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを接触熱分解して得られた熱分解生成物にはジフルオロ酢酸フルオライドが等モル量含まれている。この混合ガス(熱分解ガス)を冷却すると、ジフルオロ酢酸フルオライドは凝縮して容易にモノフルオロメタンから気液分離される。また、混合ガスを水、アルコールなどの活性水素化合物と接触させると、ジフルオロ酢酸フルオライドは高沸点のジフルオロ酢酸またはジフルオロ酢酸エステルに転換され、気体のモノフルオロメタンが得られる。このような処理において、通常、モノフルオロメタンは分解等の作用を受けることはない。粗モノフルオロメタンに未反応の1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンが含まれる場合には、処理液中に滞留するので、予め前記気液分離等の処理をするかまたは蒸留で除去しておくのが好ましい。
前記の予備精製処理で得られた粗モノフルオロメタンには、空気等の炭素化合物以外の成分を含むこともあるが、組成については特に注記しない限り空気等は除外して表示する。粗モノフルオロメタンに含まれるトリフルオロメタンの含有量は特に限定されないが、50モル%以下であり、10モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましい。50モル%を超えても適用できるが、高含有量の場合、予め蒸留等で予備的に精製しておくことがモノフルオロメタンの製造方法として効率がよい。
<トリフルオロメタン処理液との接触処理:第一工程>
トリフルオロメタン処理液との接触処理を第一工程ということがある。
[トリフルオロメタン処理液]
トリフルオロメタン処理液は、少なくともアミドと塩基を含む液体であり、任意にアニオン捕捉剤を含む。また、トリフルオロメタン処理液は、処理条件において不活性な溶媒を含んでもよい。
本発明の方法で用いるアミドは、一般式(1)で表されるアミドである。アミドは環状(ラクタム)であってもよい。
Figure 2013112612


式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、互いに結合して環を形成してもよく、環炭素は酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子で置換してもよい。
アルキル基としては炭素数1〜4の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子を介するかまたは介しないで互いに結合して環を形成したものとしては、ピロリジン環、ピロリドン環、モルホリン環などが挙げられる。この様なアミドの具体例としては、ホルムアミド(HNCOH)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジプロピルホルムアミド、N,N’−ジメチルエチレンウレア(DMEU)、N,N’−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、N−ホルミルモルホリン、ピロリジン−1−カルバルデヒド(N−ホルミルピロリジン)、ピペリジン−1−カルバルデヒド(N−ホルミルピペリジン)、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジプロピルアセトアミド、などが例示できる。これらの混合物も使用できる。常温で固体であるホルムアミド等のアミドは、処理温度で液体である前記アミドまたは後記する溶媒とともに用いるのが好ましい。これらのアミドのうち、N,N−ジメチルホルムアミドは入手が容易であり、かつ、取り扱いやすいので特に好ましい。
アミドは、トリフルオロメタン処理液において、触媒として機能すると共に溶媒としても機能する。したがって、アミドは、処理液100重量部のうち1〜99重量部を占めることができ、5〜90部であるのが好ましく、10〜80部であるのがより好ましい。1重量部未満では、処理液単位容積あたりの処理量が少なく装置の大型化を招き、99重量部を超えるのは、塩基の量が減ることによる処理量の減少をもたらし好ましくない。
本発明の方法で用いる塩基は、特に限定されないが、金属アルコキシド、金属水素化物、シリルアミン化合物などが挙げられる。金属アルコキシドおよび金属水素化物の金属としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が好ましく、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む複合アルコキシドまたは金属水素化物であってもよい。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシドは、ROMで表され、Rは、アルキル基を表し、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。Rは炭素数1〜8の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基およびこれらの異性体、シクロヘキシル基、シクロペンチル基などが挙げられる。Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムである。具体的には、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロキシド、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロキシド、ナトリウムt−ブトキシドなどが例示できる。アルカリ金属水素化物としては水素化ナトリウム、水素化カリウムを具体的に例示できる。これらのアルコキシドまたは水素化物は二種以上を併用することができる。アルカリ金属水素化物はアルコールと共に用いることができ、その場合処理液中においてアルカリ金属アルコキシドが生成していると考えられる。アルコキシドは、市販のものが使用できるが、前記したようにアルカリ金属アルコキシドはその場(in situ)で調製することも好ましい。
また、シリルアミン化合物としては、トリス(トリメチルシリル)アミン((TMS)N)、カリウムビス(トリメチルシリル)((TMS)NK)、(TMS)NNaなどを用いることができる。また、これらのトリメチルシリルアミン類は前記したアルカリ金属アルコキシドと併用することもできる。(TMS)Nは、テトラメチルアンモニウムフルオライド((CHNF)や前記アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドまたはフッ化物と共に使用することができる。このフッ化物としては、フッ化セシウム、フッ化カリウムなどが挙げられる。
塩基としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシドが好ましく、安全性、取り扱い性、入手の容易さで、カリウムt−ブトキシドが特に好ましい。
塩基は、本発明の方法において固定されるトリフルオロメタンのモル数と等しいモル数を必要とする。したがって、粗モノフルオロメタンの処理量により処理液に含まれる塩基の量を調整することが好ましいが、処理液100重量部に対し0.1〜30重量部であり、0.5〜20重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。0.1重量部未満では、接触効率が低くトリフルオロメタンの吸収速度が小さいので好ましくない。30重量部を超える溶解度を有する場合、その飽和溶解度まで添加することも可能であるが、使用後の処理液からアミドを回収するのが困難であり30重量部を超えるのは好ましくない。溶解度の低いものはその飽和溶解度未満の濃度で使用することができる。
[アニオン捕捉剤]
前記したスキーム1が示す通り、トリフルオロメタンは処理液中で付加体Iを生成して粗モノフルオロメタン中のトリフルオロメタンを等モルのアミドで固定することができるが、後記する実施例から明らかにように、過剰量のアミドと塩基の存在下においても十分にトリフルオロメタンを除去できないことがある。ところが、本発明の方法において使用する処理液に、さらにアニオン捕捉剤を加えることでより多くのトリフルオロメタンを固定することができる。処理液に吹き込まれたモノフルオロメタンはスキーム1に示すとおりアミドと塩基により捕捉されて付加体Iが形成され、処理液に捕捉される。非特許文献1では、付加体Iは、処理液中に前記したカルボニル化合物などの親電子剤がアニオン捕捉剤として存在すると、トリフルオロメチルアニオンが見かけ上アニオン捕捉剤に移動して溶解度の大きな中間体IIとなると推測している。例としてカルボニル化合物をアニオン捕捉剤とした場合の反応についてスキーム2に例示する。
Figure 2013112612

アニオン捕捉剤とは、本発明にかかる反応の条件においてトリフルオロメチルアニオンが求核的に付加し得る原子を有する化合物を言う。アニオン捕捉剤としては、求核剤としてのフルオロメチルアニオンを受容できる部位を有する化合物であればよく、カルボニル化合物、チオカルボニル化合物またはジサルファイド化合物、ジセレナイド化合物などが使用できる。これらのうち、下記一般式(2)で表されるカルボニル化合物が取り扱いやすく好ましい。
Figure 2013112612


式中のRおよびRは、互いにおよびそれぞれ独立に水素原子、置換基を有するかもしくは有しない芳香族基または置換基を有するかもしくは有しない脂肪族基を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。置換基を有するかもしくは有しない芳香族基としては、フェニル基、o−、m−もしくはp−トリル基、o−、m−もしくはp−エチルフェニル基、o−、m−もしくはp−フルオロフェニル基、o−、m−もしくはp−クロルフェニル基、o−、m−もしくはp−メトキシフェニル基、p−フェニルフェニル基などが挙げられる。置換基を有するかもしくは有しない脂肪族基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、エテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−フェニルエチニル基、3−フェニルプロペニル基などのアルキレン基、エチニル基などのアルキン基が挙げられる。
具体的には、次のものが例示できるが、これらには限られない。
Figure 2013112612
Figure 2013112612
これらのうち、カルボニル基に隣接する炭素(α炭素)に水素原子を有しない化合物は、トリフルオロメチルアニオンとの反応性が高く好ましい。
アニオン捕捉剤としてベンゾフェノンまたはベンズアルデヒドは好ましく、ベンゾフェノンは特に好ましい。
アニオン捕捉剤として用いられるチオカルボニル化合物は、前記カルボニル化合物のカルボニル酸素原子を硫黄原子で置き換えたものが挙げられる。ジサルファイド化合物としては、一般式(R−S−)で表される化合物であり、Rとしては、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基または芳香族環が挙げられる。アルキル基としては、炭素数1〜20程度の直鎖状アルキル基が例示でき、芳香族環としてはフェニル基またはフェニル基に置換基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基など)が置換した基が例示できる。ジセレナイド化合物としては、ジサルファイド化合物の硫黄原子をセレン原子で置き換えたものが例示できる。
[溶媒]
本発明の方法においては、処理条件において不活性な溶媒(処理液成分と化学結合を形成しない溶媒をいう。)を用いることができる。例えば、脂肪族もしくは芳香族の炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒などが好適に使用でき、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルt−ブチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等が例示できる。溶媒は、ホルムアミドなどの固体の試剤を用いる際には使用することが好ましい。溶媒の使用はアミドおよび塩基の濃度を低下させることになるので、溶媒は処理液100質量部に対し50重量部未満が好ましく、通常は使用しないでよい。
上述のアミン、塩基、溶媒、アニオン捕捉剤等の試薬類は特に高純度である必要はなく、工業的に入手できるものでよい。これは使用にあたり、予め脱水しておくことが好ましい。
[処理温度、圧力]
本発明の方法では、処理温度は−78〜+50℃であり、好ましくは−20℃〜0℃である。−78℃以下の場合は、冷却にコストが掛かる上に、アミド、処理液等の粘性が高くなり、または固化することがあるので好ましくない。さらに、このような低温ではモノフルオロメタンが液化するので、圧力や温度をスィングして処理液から回収する等の操作が必要となり、取り扱いが煩雑になるという不利益もある。処理温度が+50℃を超えると中間体Iの溶解度が低下し、トリフルオロメタン処理量が減るので好ましくない。スキーム1または2に示す反応は圧力に依存しないので、処理圧力は任意でよく0.01〜1MPa程度の加圧下または減圧下で操作できるが、装置、操作の点から大気圧近傍で行うのが便利であり好ましい。
[接触方法]
本発明の方法は、通常ガスとして供給される粗モノフルオロメタンと処理液を接触させることで行われる。モノフルオロメタンと処理液との接触は、公知のガス−液接触手段を用いることができ、たとえば、液中吹き込み式、液滴ガス接触式等を用いることができる。前記接触を行う装置は、特に限定されないが、空塔または内部に充填物を備えた充填塔を用いたガス洗浄塔、スクラバー装置等の向流もしくは並流の気液接触装置、液中への吹き込みによるバブリング装置などを例示できる。また、接触方法としては、予めガス洗浄塔で処理した後、さらにバブリング装置を用いる等の組み合わせも有効である。バブリング方式の場合は、マイクロバブル、ナノバブルのような微細な泡を発生する装置を用いることで処理効率を高めることができる。
接触を行う際に使用する容器は、ガラス、グラスライニング、フッ素樹脂、フッ素樹脂ライニング、ステンレス鋼等で作成された通常の化学反応容器を使用できる。
本発明の方法を槽式において行う場合について説明する。予めアミドと塩基を事前に混合するかまたは仕込み後混合して調製したトリフルオロメタン処理液を仕込んだ容器を所定の温度に冷却し、そこへ粗モノフルオロメタンを吹き込み管から導入して気液接触させ、処理後のモノフルオロメタンを容器から留出させる。処理液には、アミド以外の溶媒を加えることもできる。アニオン捕捉剤は、アミド、塩基および任意に溶媒と共に処理操作の前から加えておくこともできるが、処理の進行と共に断続的または連続的に加えることもでき、または、処理液を外部に取り出して別の容器中で添加することもできる。留出した精製モノフルオロメタンは、乾燥して捕集され、必要に応じて蒸留、空気除去等の他の精製処理を行うことができるが、続けて第二工程の処理に付する場合は、特に精製することなく使用できる。
<硫酸との接触処理:第二工程>
硫酸との接触処理を第二工程ということがある。硫酸との接触処理により、アミン臭が抑制され、合わせて並行的にエチレンが除去される。以下では、エチレン等の不飽和化合物の除去について説明するが、別途説明のない限り、アミン臭の抑制についても共通する。
第一工程で処理されたモノフルオロメタン組成物は、処理液のアミドによるものと考えられるアミン臭を伴うことがある。また、1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを熱分解して得られた熱分解生成物からジフルオロ酢酸フルオライドを除去して得られたモノフルオロメタン組成物には、エチレンを含むことが多い。エチレンとともに他の不飽和化合物を含むこともある。そのような不飽和化合物としては、特に限定されないが、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどの不飽和炭化水素、塩化ビニルなどの含塩素不飽和炭化水素、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレンなどの含フッ素不飽和炭化水素などが挙げられる。第二工程の方法は、エチレンのほかに、プロピレンなどに特に有効である。
本発明の方法によるエチレン等の不飽和化合物の除去は、モノフルオロメタン中の不飽和化合物の含有量には本来無関係である。モノフルオロメタン組成物に含まれる不飽和化合物の量は、1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンの熱分解条件、、第一工程の条件、第二工程の前の精製方法等により異なるので特に限定されないが、通常0.01〜1%程度である。高純度モノフルオロメタンを製造する場合には、低い含有量が好ましく、0.02〜0.1%程度としてから第二工程の手段を適用するのが好ましい。
硫酸は、濃硫酸または発煙硫酸を使用できる。硫酸濃度は、50〜100質量%(残部の大部分は水)が使用でき、80〜100質量%が好ましい。50質量%未満では除去率が低く、発煙硫酸は装置の腐食を招くので好ましくない。実用上は、濃度95質量%以上の工業用硫酸が入手容易で適している。第二工程でのモノフルオロメタン組成物に含まれる水分は硫酸濃度を下げる主な原因となるので予め硫酸あるいはシリカゲル、モレキュラーシーブス等の乾燥剤で脱水しておくのが好ましい。
硫酸には、金属イオンを触媒として添加することができるが、通常は用いないでよい。金属イオンは、塩化鉄、塩化アルミニウム、硫酸鉄、硫酸アルミニウムなどの塩化物または硫酸塩として添加するのが好ましい。また、溶媒を使用することもできる。溶媒の添加で融点、粘度を下げることができるが、除去効率を大きく改善することはない。
モノフルオロメタン組成物は気体状態でまたは液体状態で硫酸と接触させる。接触方式は、特に限定されず、バッチ式(攪拌法)、スクラバー方式、スタティックミキサー、バブリング等の形式が挙げられる。バッチ式(攪拌法)、バブリング式が簡便で好ましい。また、これらの方式は組み合わせて使用できる。
接触させる温度は、−78℃〜100℃の範囲であり、20〜80℃が好ましい。硫酸は濃度に依存して融点が変化するので、融点以上の温度とする。−78℃未満では、粘度が上がりまたは凝固することがあり好ましくない。100℃を超えるとモノフルオロメタンの蒸気圧が高くなり、耐圧容器を必要とすることがあり好ましくない。
液液接触させる場合、硫酸とモノフルオロメタン組成物との重量比(硫酸/モノフルオロメタン組成物)は、エチレンなどの不飽和化合物の含有量、接触時の温度、接触時間、硫酸濃度などに依存するが、1000/1〜1/1が好ましい。1000/1より大きいと、単位装置あたりの生産量が低下する。1/1より小さいと、接触効率が低下して、処理に時間を要することがある。接触時間は10分〜20時間とし、30分〜10時間が好ましい。
気液接触させる場合は、エチレンなどの不飽和化合物の含有量、接触時の温度、硫酸濃度などに依存するが、硫酸との接触時間を0.1〜300分とし、1〜100分が好ましい。
流酸での処理が施されたモノフルオロメタンは、水洗浄、塩基性水溶液洗浄、ソーダライム等の固体塩基との接触、合成ゼオライトでの乾燥等の後捕集する。さらに、必要に応じて蒸留、空気除去等の他の精製処理を行い製品とすることができる。
[用途]
本発明の方法で得られたモノフルオロメタンは、高純度であり、半導体工業における薄膜製造工程でのエッチング剤やクリーニング剤等の半導体用ガスとして使用できる。使用にあたっては、被処理物の種類、処理条件、処理装置形状等に応じて、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、三フッ化窒素、三フッ化塩素、アルゴン、窒素、ヘリウム、フッ化水素、塩化水素、一酸化窒素、アンモニア、水素などのガスを混合した半導体用ガス組成物として使用することができる。
以下に本発明について実施態様を挙げて具体的に説明するが、これらによって本発明は限定されない。また、別途記載のない限り、有機物の組成や純度における百分率は、FID検出器のガスクロマトグラフを用いて分析し、組成は面積%(以下、「%」と表示する。)で表した。別途記載のない限り、有機組成物の分析には「EPA METHOD624」対応カラムを用いた。
[触媒の調製例]
マントルヒーターを備えた長さ1.5m×内径55mmのステンレス鋼(SUS316)製反応管にγ−アルミナビーズ(住友化学、KHS−46)を2kg充填した。マントルヒーター温度を50℃に制御し、窒素(1000cc/分)を流通させながら、気化器で気化させたフッ化水素(HF)を4g/分で流通させた。γ−アルミナへのHFの吸着熱および反応熱によって、特に入り口部に発熱が観測され、その発熱帯は徐々に出口方向に移動した。この時、温度が最も高いヒートスポットが300℃を超えた場合、HF供給速度を1g/分以下に下げて、局所発熱を抑制し、温度が設定温度になったことを確認後、徐々にHF供給速度を4g/分まで戻した。発熱帯が出口付近に達した後、ジャケット設定温度を50℃ずつ250℃まで上げて、前記のγ−アルミナのフッ素化を繰り返した。その後、ジャケット設定温度を300℃に設定し、HF流量を徐々に20g/分まで上げた。この時のヒートスポットの温度が350℃を超えた場合は、HF流量を1g/分に下げた。ジャケット温度300℃、HF流量20g/分の条件で、実質的にヒートスポットが観測されなくなった時点から、さらに同じ条件で24時間フッ素化処理を継続し、その後、窒素だけを流通させながら、ヒーターの電源を切り、冷却し、フッ素化処理したアルミナ触媒を得た。
[参考例1 FID検出器の感度測定]
ガスクロマトグラフに「EPA METHOD 624」対応カラムを装着し、モノフルオロメタンとジフルオロ酢酸フルオライドの各標品を用いて調製した等モル組成物について各成分の面積を測定した。
モノフルオロメタンの面積:CHFCOFの面積=2.41:1.00。
[ガス調製例]
実験に用いた装置を図3に示す。出口側にサンプリング口A53を有し外部に電気炉52を備えた内径37mm、長さ500mmのステンレス鋼製反応管51を用い、反応管51の出口にステンレス鋼製ラシヒリングを充填したステンレス鋼製リービッヒ冷却管54(−50℃の冷媒を流通)を2本有するジャケット付高沸点化合物捕集器55(何れも−50℃の冷媒を流通)を接続し、さらに、ガス洗浄瓶A56(内容物:水、氷冷59)、ガス洗浄瓶B57(内容物:50%KOH水溶液、氷冷59)、ガス洗浄瓶C58(空トラップ、氷冷59)、ソーダライムと合成ゼオライト4Aを1:1で充填した乾燥管60をこの順に直列に接続し、乾燥管の出口にサンプリング口B61を設けた。
触媒の調製例1で調製した触媒(230cc)を反応管51に仕込み、窒素を15cc/分で流しながら電気炉52を加熱した。触媒の温度が50℃に達した時に、フッ化水素(HF)を0.6g/分で気化器を通して導入した。HFを流通させたまま、210℃までゆっくりと昇温し、15時間保持した。HFの流通を止め、窒素流量を200cc/分に増やして2時間保持後、1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFE−254pc)を0.5g/分の速度で、気化器を通して導入した直後に、窒素の流通を停止した。反応温度が190℃で、反応管出口のガスをサンプリング口A53でガス採取したサンプルをFID検出器のガスクロマトグラフ(「EPA METHOD 624」対応カラム)で分析して定常状態になったことを確認した後、出口に風船をつけて外気を遮断できるようにしてあり、予め内部を真空にしてある、液体窒素で冷却したステンレス鋼製シリンダーを接続し、低沸点成分を捕集した。液体窒素で冷却したまま、真空ポンプで脱気して117gの生成物を得た。ガスクロマトグラフでその組成を分析した。結果を表1に示した。
[実施例1]
図2に実験で使用した装置を示す。原料ガスが充填されたシリンダー1の出口に減圧弁2を配し、減圧側にニードルバルブ3で流量調節できる流量計4を接続してその出口側を第1槽5につなぎ、順次第1槽6〜第5槽10を接続した。第1槽6は、ジメチルホルムアミド200gを仕込んだ、上流側を吹きこみ管とした500mlのガラス製容器である。第2槽7は、ジメチルホルムアミド200g、カリウムt−ブトキシド(t−BuOK)15g、ベンゾフェノン10gからなる溶液を仕込んだ、先端部にフィルターを備えた吹きこみ管を上流側に配した500mlのガラス製容器である。フィルターは、公称ポアザイズ0.5ミクロン(ポアサイズの大部分は0.5〜2μである。)の焼結金属製フィルターである。第3槽8は、空の500mlガラス製容器である。第1〜第3槽は外部を循環冷却浴で調節し−20℃に保った。第4槽は、98%工業用濃硫酸を400g仕込んだ、先端部にフィルターを備えた吹きこみ管を上流側に配した1Lのガラス製容器である。第3槽8は、空の1Lガラス製容器である。第4槽9と第5槽10は室温(約25℃)とした。第3槽8と第4層9を結ぶ配管の途中にサンプリング口C11、第5槽10と回収用シリンダーの間にサンプリング口D12を設けた。
ガス調製例で捕集したガスが充填されたシリンダー1を、減圧弁2の高圧側に接続し、流量を調節しながら第1槽6〜第5槽10に通じた。第5槽10の後ろには、出口側に風船(図示せず。)を備え、液体窒素浴(図示せず。)で冷却したステンレス鋼製シリンダー(図示せず。)を回収用に設け、処理済みガスを捕集した。ガス調製例で調製したガスを20ml/分の速度で供給し、120分後にサンプリング口Cとサンプリング口Dでそれぞれサンプリングして、ガスクロマトグラフで分析した。結果を表1に示す。サンプリング口Cのガスはアミン臭が感じられたが、処理前のガスとサンプリング口Dのガスではアミン臭は感じられなかった。
Figure 2013112612
本発明の方法により得られるモノフルオロメタンは半導体用ガス(ドライエッチング剤、クリーニング剤)として有用である。
1:シリンダー 2:減圧弁 3:ニードルバルブ 4:流量計 5:循環冷却槽 6:第1槽 7:第2槽 8:第3槽 9:第4槽 10:第5槽 11:ダンプリング口A 12:サンプリング口B
51:反応管 52:電気炉 53:サンプリング口C 5:リービッヒ冷却管 55:ジャケット付高沸点化合物捕集器 56:水トラップ 57:塩基性水溶液トラップ 58:空トラップ 59:氷浴 60:ソーダライム管 61:サンプリング口D 62:シリンダー 63:液体窒素浴 64:風船

Claims (8)

  1. トリフルオロメタンを少なくとも含有するモノフルオロメタン組成物を下記一般式(1)で表されるアミドおよび塩基を含むトリフルオロメタン処理液と接触させる工程、および、硫酸と接触させる工程を含むモノフルオロメタンの製造方法。
    Figure 2013112612

    (式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、互いに結合して環を形成してもよく、環炭素は酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子で置換してもよい。)
  2. アミドが、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジプロピルホルムアミド、N,N’−ジメチルエチレンウレア、N,N’−ジメチルプロピレンウレア、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピロリジン、N−ホルミルピペリジン、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジプロピルアセトアミドから選ばれる一種以上のアミンである請求項1に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
  3. 塩基が、金属アルコキシド、金属水素化物またはシリルアミン化合物である請求項1または2に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
  4. トリフルオロメタン処理液が、さらにアニオン捕捉剤を含むトリフルオロメタン処理液である請求項1〜3のいずれか1項に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
  5. アニオン捕捉剤が、カルボニル化合物、チオカルボニル化合物、ジサルファイド化合物またはジセレナイド化合物である請求項4に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
  6. トリフルオロメタン処理液が、さらに処理条件において不活性な溶媒を含むトリフルオロメタン処理液である請求項1〜5のいずれか1項に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
  7. トリフルオロメタンを少なくとも含有するモノフルオロメタン組成物が、さらにエチレンを少なくとも含有するモノフルオロメタン組成物である請求項1〜6項のいずれか1項に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
  8. トリフルオロメタンを少なくとも含有するモノフルオロメタン組成物、またはエチレンを少なくとも含有するモノフルオロメタン組成物が、1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを熱分解して得られた熱分解ガスから少なくともジフルオロ酢酸フルオライドを除去して得られたモノフルオロメタン組成物である請求項1〜7項のいずれか1項に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
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