JP5678712B2 - モノフルオロメタンの製造方法 - Google Patents
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1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを触媒と接触させて熱分解する熱分解工程と、熱分解生成物からモノフルオロメタンを回収する工程とを少なくとも有するモノフルオロメタンの製造方法。
モノフルオロメタンを回収する工程が、熱分解生成物の一部を液化してモノフルオロメタンを分離する工程を含む工程である発明1。
熱分解生成物の一部の液化を、冷却することで行う発明2。
冷却温度が、−80〜−5℃である発明3。
モノフルオロメタンを回収する工程が、ジフルオロ酢酸フルオライドに対して不活性な溶媒にジフルオロ酢酸フルオライドを吸収させる工程を含む工程である発明1。
ジフルオロ酢酸フルオライドに対して不活性な溶媒が、炭化水素化合物である発明5。
モノフルオロメタンを回収する工程が、ジフルオロ酢酸フルオライドに対して活性な化合物と接触させる工程を含む工程である発明1。
ジフルオロ酢酸フルオライドに対して活性な化合物が、水、アルコール類、第一アミン、第二アミンまたはαβ不飽和カルボン酸エステルである発明7。
ジフルオロ酢酸フルオライドに対して活性な化合物と接触させる工程において、溶媒を存在させる発明7または8。
ジフルオロ酢酸フルオライドに対して活性な化合物と接触させる工程において、塩基性物質を存在させる発明7〜9。
熱分解工程が、金属酸化物、部分フッ素化金属酸化物、金属フッ化物、未処理もくしはフッ素化処理したリン酸または未処理もくしはフッ素化処理したリン酸塩を触媒とし、熱分解温度を100℃〜400℃とする発明1〜10。
熱分解工程が、アルミナ、部分フッ素化アルミナまたはフッ化アルミニウムを触媒とし、熱分解温度を130℃〜260℃とする発明1〜10。
請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法で製造されたモノフルオロメタンを含むことを特徴とする半導体装置製造工程におけるエッチング剤またはクリーニングガス。
請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法で製造されたモノフルオロメタンを用いることを特徴とする半導体装置製造工程におけるエッチング方法またはクリーニング方法
[発明15]
モノフルオロメタンを得ると共にジフルオロ酢酸フルオライドを分離して得る工程を有する発明1〜6。
本発明の原料である1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンは、公知の製造方法で得ることができる。例えば、メタノールとテトラフルオロエチレンを水酸化カリウムの存在下に反応させる方法により1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンが合成できる(J.Am.Chem.Soc.,73,1329(1951))。
目的化合物であるモノフルオロメタン(沸点:−78℃)は、その他の主な成分であるジフルオロ酢酸フルオライド(沸点:0℃)および未反応のHFE−254pc(沸点:40℃)との沸点差が大きく、熱分解装置から流出した熱分解生成物(ガス)を冷却すると、単純な冷却液化によって容易にモノフルオロメタンを主とする成分を分離して回収することができる。当然、熱分解生成物を加圧して液化することもでき、その場合でも冷却することが好ましい。このとき、一部の成分が液化して、低沸点成分としてのモノフルオロメタンを主とする組成物と、高沸点成分としてのジフルオロ酢酸フルオライドまたはジフルオロ酢酸フルオライドとHFE−254pcの混合物に容易に分離できる。組成は冷却温度により任意に変動させることができるが、通常、低沸点成分には、不純物としてCH4、C2H4、CHF3、C3H6等が含まれることがあり、高沸点成分には同様にCHF2COOCH3、CHF2COOH等が含まれることがある。
熱分解により生成した熱分解生成物をジフルオロ酢酸フルオライドと反応しない不活性な溶媒(以後、「不活性溶媒」という。)と接触させて、熱分解生成物に含まれるジフルオロ酢酸フルオライドを溶媒に吸収させ、非溶解のモノフルオロメタンを取り出すことができる。
反応分離法では、熱分解により生じた反応生成物に含まれるジフルオロ酢酸フルオライドを反応により高沸点で安定な化合物に変換してからモノフルオロメタンから分離する。変換と分離を同一の容器で同時に行うこともでき、異なる容器で行うこともできる。反応相手(反応試剤)となる活性な化合物としては、水、アルコール類または第一アミンもしくは第二アミン、αβ不飽和カルボン酸エステルなどの活性な水素原子を有する化合物が挙げられるがこれらに限られない。これらのうち、水またはアルコール類が好ましい。これらの化合物の反応は、次の式で例示できる。
CHF2COF + ROH → CHF2COOR + HF
CHF2COF + RNH2 → CHF2CONRH + HF
CHF2COF + R2NH → CHF2CONR2 + HF
反応式において、Rは有機基を表す。これらの反応では、触媒としてまたは生成したフッ化水素(HF)を安定化するための受酸剤として塩基性物質を存在させることが好ましい。塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属水酸化物または炭酸塩、第三アミンが好ましい。水を反応試剤とする場合、アルカリ金属としては、カリウムが特に好ましい。塩基性物質を存在させると、ジフルオロ酢酸はジフルオロ酢酸塩に変換される。
前記各種の分離方法で得られた低沸点成分は、微量の酸性成分を含むことがある。例えば、冷却液化による分離後の低沸点成分には飛沫同伴等によりジフルオロ酢酸フルオライドまたはフッ化水素が混入することがある。低沸点成分に含まれる酸性成分は水および/または塩基性水溶液と接触させて洗浄した後、乾燥処理することによって取り除くことができ、高純度のモノフルオロメタンとすることができる。洗浄方法は、気泡塔などを用いるバブリング方式、充填塔を用いるスクラバー方式など、「吸収分離法」において示した各種の気−液接触方法を任意に適用できる。塩基性水溶液としては、KOH水溶液、NaOH水溶液、Ca(OH)2水溶液等が例示されるが、接触させた際に生成するフッ化物塩の飽和溶解度が高く、装置の閉塞等のトラブルを起こし難いKOH水溶液が好ましい。洗浄後は、ソーダライム、合成ゼオライト、シリカゲル等の脱水剤によって、水分を除去することが望ましい。また、ソーダライムや合成ゼオライト、シリカゲルは脱水だけでなく、好ましくない副生物を除去する効果を有することもある。合成ゼオライトとしては、3A型、4A型、5A型、10X型、13X型などが使用できる。熱分解で得られたモノフルオロメタンを洗浄および、ゼオライト、ソーダライム等で乾燥する工程のみで、精密蒸留精製をしないで、純度を容易に99%以上とすることができ、最適条件で熱分解した場合、純度を99.9%以上とすることができる。これは、半導体工業におけるエッチングガスやクリーニングガスとして使用するのに十分な純度である。
モノフルオロメタンは、半導体工業を中心とした薄膜デバイス製造プロセス、光デバイス製造プロセス、超鋼材料製造プロセスなどにおいて、CVD法、スパッタリング法、ゾルゲル法、蒸着法などを用いて作成される薄膜、厚膜をエッチングする所謂エッチングガス(エッチング剤)として有用である。また、これらのプロセスにおいて薄膜等の作成時に装置、配管等へ堆積した薄膜や粉体を除去するための所謂クリーニングガスとしても有用である。
85%リン酸(H3PO4) 30gを300ccの水で希釈したリン酸水溶液へ日本エンバイロケミカルズ株式会社製の粒状活性炭G2X 100gを浸漬し、よく攪拌した後3日間静置した。その後、ロータリーエバポレーターで乾燥し、次いで、電気炉で窒素気流中、350℃で5時間焼成して、リン酸担持活性炭触媒を調製した。
硝酸アルミニウム9水塩(Al(NO3)3・9H2O) 1000g(2.666mol)と硝酸セリウム6水塩(Ce(NO3)3・6H2O) 128.6g(0.296mol)を5300ccの純水で溶かし、さらに85%リン酸306g(3.12mol)を加えて攪拌した。この状態で、透明な溶液であった。これに1Lの大型滴下ロートにより10%アンモニア水(約3000cc)を約10時間かけて滴下して塩基性にした。固形分濃度が高く、滴下途中から攪拌機では攪拌不能となったので、ステンレス鋼製のスコップで手攪拌した。生成した白色沈殿物を、一晩静置し、吸引濾過し、5回水洗浄を行った。
アルドリッチ製リン酸アルミニウム(Aluminum phosphate)を5mmφ×5mmLのペレットに打錠成形し、窒素気流中700℃で5時間焼成して、リン酸アルミニウム触媒を調製した。
マントルヒーターを備えた長さ1.5m×内径55mmのステンレス鋼(SUS316)製反応管にγ−アルミナビーズ(住友化学、KHS−46)を2kg充填した。マントルヒーター温度を50℃に制御し、窒素(1000cc/分)を流通させながら、気化器で気化させたフッ化水素(HF)を4g/分で流通させた。γ−アルミナへのHFの吸着および反応によって、特に入り口部に発熱が観測され、その発熱帯は徐々に出口方向に移動した。この時、温度が最も高いヒートスポットが300℃を超えた場合、HF供給速度を1g/分以下に下げて、局所発熱を抑制し、温度が設定温度になったことを確認後、徐々にHF供給速度を4g/分まで戻した。発熱帯が出口付近に達した後、ジャケット設定温度を50℃ずつ250℃まで上げて、前記のγ−アルミナのフッ素化を繰り返した。その後、ジャケット設定温度を300℃に設定し、HF流量を徐々に20g/分まで上げた。この時のヒートスポットの温度が350℃を超えた場合は、HF流量を1g/分に下げた。ジャケット温度300℃、HF流量20g/分の条件で、実質的にヒートスポットが観測されなくなった時点から、さらに同じ条件で24時間フッ素化処理を継続し、その後、窒素だけを流通させながら、ヒーターの電源を切り、冷却し、フッ素化処理したアルミナ触媒を得た。
アルドリッチ製無水フッ化アルミニウム(AlF3)を5mmφ×5mmLのペレットに打錠成形し、窒素気流中700℃で5時間焼成して、フッ化アルミニウム触媒を調製した。
モノフルオロメタンとジフルオロ酢酸フルオライドの標品を用いて、FID検出器の感度測定を行った。モノフルオロメタン (40kPa,300torr)およびジフルオロ酢酸フルオライド (40kPa、300torr)をシリンダー(300cc)に採取し(モル比:1:1、全圧:80kPa、600torr)、シリンダーを25℃に加温して、これからガスシリンジに0.2ccの試料を取り、「EPA METHOD 624」対応カラムを使用して、ガスクロマトグラフ分析を行い、面積比を求めた。
実験に用いた装置を図3に示す。出口側にサンプリング口A53を有し外部に電気炉52を備えた内径37mm、長さ500mmのステンレス鋼製反応管51を用い、反応管51の出口にステンレス鋼製ラシヒリングを充填したステンレス鋼製リービッヒ冷却管54(−50℃の冷媒を流通)を2本有するジャケット付高沸点化合物捕集器55(何れも−50℃の冷媒を流通)を接続し、さらに、ガス洗浄瓶A56(内容物:水、氷冷59)、ガス洗浄瓶B57(内容物:50%KOH水溶液、氷冷59)、ガス洗浄瓶C58(空トラップ、氷冷59)、ソーダライムと合成ゼオライト4Aを1:1で充填した乾燥管60をこの順に直列に接続し、乾燥管の出口にサンプリング口B61を設けた。
触媒の調製例2〜5で調製した触媒を用いて、表1記載の条件で、実施例1と同様に実験した。得られた結果を表1および表2に示す。
実験に用いた装置を図4に示す。熱分解反応を実施例1と同一の条件で行い、反応管71から流出した熱分解ガスを−15℃に保ったエタノール浴に浸した蛇管75に通じた後、塔頂をドライアイス−アセトン浴で−78℃に保った還流冷却器79を有する分離塔78(−15℃)で冷却し、高沸点成分を凝縮させ、ジャケット付高沸点化合物捕集器76(−15℃)で捕集し、凝縮しない低沸点成分を氷水トラップ81、水酸化カリウム水溶液トラップ82、合成ゼオライト4Aを充填した乾燥管83に通じた。図4に示すサンプリング口A73、サンプリング口B84、サンプリング口C80、サンプリング口D77から試料をサンプリングして、「EPA METHOD 624」対応カラムを用いてガスクロマトグラフ分析した。サンプリング口B84、サンプリング口C80については、「ケイ素系プロットカラム」でも分析して、分析結果がこれらのカラムの間で実質的に一致することを確認した。結果を表3に示す。
外部に電気炉を備えた内径23mm、長さ500mmのステンレス鋼製反応管に日本エンバイロケミカルズ株式会社製の粒状活性炭G2X(50cc)を仕込み、窒素を15cc/分で流しながら電気炉で加熱した。反応管内部の温度が200℃に達した時に、原料である1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFE−254pc)を0.4g/分の速度で、気化器を通して導入した。反応管内部の温度が250℃で定常状態になったときに、生成ガスを分析した結果、転化率0.9%であり、実質的に原料が回収された。
反応管内部の温度を300℃とする以外、参考例2と同様にして反応を行った結果、転化率:2.6%であった。温度を300℃まで上げたが、同様に原料回収であった。
外部に電気炉を備えた内径23mm、長さ500mmのステンレス鋼製反応管に日本エンバイロケミカルズ株式会社製の粒状活性炭G2X(50cc)を仕込み、窒素を15cc/分で流しながら電気炉で加熱した。反応管内部の温度が50℃に達した時に、HF(0.6g/分)を、気化器を通して導入した。HFを流通させたまま、300℃までゆっくりと昇温し、5時間保持した。HFの流通を止め、窒素流量を200cc/分に増やして2時間保持後、窒素流量を15cc/分に変更し、1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFE−254pc)を0.4g/分の速度で、気化器を通して導入した。反応管内部の温度300℃で定常状態になったときに、生成ガスを分析した結果、転化率:2.8%で、実質的に原料回収であり、リン酸を担持していない活性炭にHF処理を行っても、効果が認められなかった。
図4に示す装置を用いた。出口側にサンプリング口A73を有し外部に電気炉72を備えた内径37mm、長さ500mmのステンレス鋼製反応管71を用い、反応管71の出口にポリエチレン製の空トラップ74、−15℃に保たれた冷媒浴中の蛇管75、塔頂にドライアイス−アセトン浴で−78℃に保った還流冷却器79と塔底にジャケット付高沸点化合物捕集器76を有し出口側にサンプリング口B84を有する分離塔78(−15℃)、氷水トラップ81、塩基性水溶液トラップ82(50%KOH水溶液、氷冷)、合成ゼオライト4Aを1:1で充填した乾燥管83をそれぞれフッ素樹脂またはポリエチレン製の配管で接続し、乾燥管83の出口は除害装置に開放した。
反応温度を175℃にする以外、実施例23と同様の実験を行った。サンプリング口A73で採取したサンプルをFID検出器のガスクロマトグラフ(「EPA METHOD 624」対応カラム)で分析したところ、CH3F:69.544%、CHF2COF:28.240%、CHF2CF2OMe:1.351%、その他:0.685%であった。また、サンプリング口B84で捕集したサンプルをFID検出器のガスクロマトグラフ(ケイ素系プロットカラム)で分析したところ、CH4:0.024%、C2H4:0.121%、CHF3:0.126%、CH3F:99.455%、C3H6:0.003%、その他:0.271%であった。結果を表1および表2に示す。
内径23mm長さ400mmのステンレス鋼製反応管に粒状(粒径約2.5〜3.5mm)の純正化学株式会社製無水塩化カルシウム(63g、かさ:120cc)を充填して、窒素を50cc/分で流しながら160℃に加熱した。実施例24でジャケット付高沸点化合物捕集器76に回収された有機物(CHF2COF:94.181%、CHF2CF2OMe:4.569%)を0.3g/分の速度で流すと同時に、窒素の供給を止めた。入り口付近で10℃〜20℃の発熱がみられ、経時的にそのヒートスポットが出口の方に移動した。有機物を77.9g供給した時に出口ガスをFID検出器のガスクロマトグラフ(「EPA METHOD 624」対応カラム)で分析したところ、CHF2COF:1.105%、CH3Cl:4.708%、CHF2CF2OMe:0.001%、CHF2COCl:93.769%、その他:0.417%であった。
HFE−254pcの代わりに、実施例23でジャケット付高沸点化合物捕集器76に回収された有機物を蒸留して得られた純度98.2%のCHF2COF(主な不純物 CHF2CF2OMe:1.1%)を供給した以外、実施例23と同じ実験を行った。サンプリング口A73で採取したサンプルをFID検出器のガスクロマトグラフ(「EPA METHOD 624」対応カラム)で分析したところ、CHF3:83.988%、CH3F:検出されず、CHF2COF:検出されず、CHF2CF2OMe:検出されず、その他:16.012%であった。また、サンプリング口B84で捕集したサンプルをFID検出器のガスクロマトグラフ(ケイ素系プロットカラム)で分析したところ、CH4:0.368%、C2H4:0.238%、CHF3:92.653%、CH3F:0.569%、C3H6:0.176%、CHF2CF2OMe:検出されず、その他:5.996%であった。
反応温度を330℃にする以外、実施例23と同じ実験を行った。サンプリング口A73で採取したサンプルをFID検出器のガスクロマトグラフ(「EPA METHOD 624」対応カラム)で分析したところ、CH3F:26.013%、CHF2COF:9.215%、CHF2CF2OMe:検出されず(検出限界(0.001%)未満、以下同じ)、その他:64.772%であった。また、サンプリング口B84で捕集したサンプルをFID検出器のガスクロマトグラフ(ケイ素系プロットカラム)で分析したところ、CH4:9.876%、C2H4:19.854%、CHF3:28.812%、CH3F:26.187%、C3H6:4.877%、CHF2CF2OMe:検出されず、その他:10.397%であった。結果を表1および表2に示す。
実験に用いた装置を図5に示す。出口側にサンプリング口A93を有し外部に電気炉92を備えた内径37mm、長さ500mmのステンレス鋼製反応管91を用い、反応管91の出口に−30℃に保たれた冷媒浴94中に浸したステンレス鋼製の吸収槽A95、吸収槽B96およびフッ素樹脂製の300ccの空トラップ97並びに300cccのソーダライムを充填し、出口側にサンプリング口B99を備えたステンレス鋼製乾燥管98をこの順にフッ素樹脂またはポリエチレン製の配管で接続し、乾燥管98の出口を除害装置に開放した。吸収槽A95および吸収槽B96にはそれぞれトルエン170gを仕込んだ。
実験に用いた装置を図6に示す。出口側にサンプリング口A103を有し外部に電気炉102を備えた内径37mm、長さ500mmのステンレス鋼製反応管101を設け、反応管101の出口に−30℃に保たれた冷媒浴中に浸したステンレス鋼製の吸収槽A105と吸収槽B106、200ccの水を仕込んだ洗浄槽(水トラップ)107および300cccのソーダライムを充填し、出口側にサンプリング口B109を備えたステンレス鋼製乾燥管108をこの順にフッ素樹脂またはポリエチレン製の配管で接続し、乾燥管108の出口を除害装置に開放した。吸収槽A105および吸収槽B106にはそれぞれエタノール200ccを仕込んだ。
吸収槽A105、吸収槽B106にエタノールの代わりに20%KOH水溶液(各200cc)を仕込み、冷却温度を−2℃とし、洗浄槽107を空トラップとした以外、実施例27と同様の実験を行った。分析結果を表1および表2に示した。さらに、サンプリング口B109で採取したガスをFID検出器のガスクロマトグラフ(「EPA METHOD 624」対応カラム)で分析したところ、モノフルオロメタン99.84%で、その他成分が0.16%であった。
実施例20および実施例23で得られた精製・乾燥後のモノフルオロメタンを液体窒素で冷却してステンレス鋼製シリンダーへ捕集した。捕集物について液体窒素による凝固、真空ポンプによる減圧、融解(室温)からなる脱ガス操作を3回繰り返し、空気成分を除去した。このガスをコンタクトホール加工に使用し、層間絶縁膜(SiO2)をエッチングした例を示す。図1にエッチング前(a)、エッチング後(b)の試料の断面模式図を模式的に示す。単結晶シリコンウエハ21上にSiO2層間絶縁膜22を形成し、そのSiO2膜の上にエッチングマスクとして開口部を設けたレジスト・マスク23を形成した。
市販の半導体グレード(製品の試験成績票における純分値:99.99%)のモノフルオロメタンを用いて[モノフルオロメタンの使用例1]と同じ条件でエッチング試験を行った。その結果を表4に示す。
21:シリコンウエハ 22: SiO2層間絶縁膜 23:レジスト・マスク 24:肩落ち部
51:反応管 52:電気炉 53:サンプリング口A 54:リービッヒ冷却管 55:ジャケット付高沸点化合物捕集器 56:水トラップ 57:塩基性水溶液トラップ 58:空トラップ 59:氷浴 60:ソーダライム管 61:サンプリング口B
71:反応管 72:電気炉 73:サンプリング口A 74:空トラップ 75:蛇管 76:ジャケット付高沸点化合物捕集器 77:サンプリング口D 78:分離塔 79:還流冷却器 80:サンプリング口C 81:氷水トラップ 82:塩基性水溶液トラップ 83:乾燥管 84:サンプリング口B
91:反応管 92:電気炉 93:サンプリング口A 94:冷媒浴 95:吸収槽A 96:吸収槽B 97:空トラップ 98:乾燥管 99:サンプリング口B
101:反応管 102:電気炉 103:サンプリング口A 104:冷媒浴 105:吸収槽A 106:吸収槽B 107:水トラップ 108:乾燥管 109:サンプリング口B
Claims (11)
- 1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンを、フッ化水素で部分的にアルミナの酸素原子をフッ素原子で置換した部分フッ素化アルミナと接触させて、熱分解温度140〜200℃で熱分解する熱分解工程と、熱分解生成物からモノフルオロメタンを回収する工程とを少なくとも有するモノフルオロメタンの製造方法。
- 熱分解温度が170℃〜200℃である請求項1に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
- モノフルオロメタンを回収する工程が、熱分解生成物の一部を液化してモノフルオロメタンを分離する工程を含む工程である請求項1または請求項2に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
- 熱分解生成物の一部の液化を、冷却することで行う請求項3に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
- 冷却温度が、−80〜−5℃である請求項4に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
- モノフルオロメタンを回収する工程が、ジフルオロ酢酸フルオライドに対して不活性な溶媒にジフルオロ酢酸フルオライドを吸収させる工程を含む工程である請求項1または請求項2に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
- ジフルオロ酢酸フルオライドに対して不活性な溶媒が、炭化水素化合物である請求項6に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
- モノフルオロメタンを回収する工程が、ジフルオロ酢酸フルオライドに対して活性な化合物と接触させる工程を含む工程である請求項1または請求項2に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
- ジフルオロ酢酸フルオライドに対して活性な化合物が、水、アルコール類、第一アミン、第二アミンまたはαβ不飽和カルボン酸エステルである請求項8に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
- ジフルオロ酢酸フルオライドに対して活性な化合物と接触させる工程において、溶媒を存在させる請求項8または請求項9に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
- ジフルオロ酢酸フルオライドに対して活性な化合物と接触させる工程において、塩基性物質を存在させる請求項8〜10のいずれか1項に記載のモノフルオロメタンの製造方法。
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