JP2013111013A - フィリング - Google Patents

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Abstract

【課題】長期保管後においても蛋白質具材の風味を十分に保持できる具材入り容器詰めフィリングを提供する。
【解決手段】水中油型乳化液状調味料及び蛋白質具材を含有する具材入り容器詰めフィリングにおいて、pHが5.2〜6.3であり、蛋白質を2〜20%、ナイシンペプチドを2〜20ppm、並びに、糖及び/又は高甘味度甘味料を含有し、前記糖がぶどう糖、果糖、蔗糖から選ばれる少なくとも1種以上であり、かつその合計量で0.5〜8%であり、前記高甘味度甘味料がスクラロース又はステビアから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする具材入り容器詰めフィリング。
【選択図】なし

Description

本発明は、ツナやカニ等の蛋白質具材を多く配合しているにも拘わらず、特定の蛋白質及び糖類を含有し、かつ、特定のpHに調整することで、数カ月の長期保管後においても蛋白質具材本来の風味を十分に保持できるフィリングに関する。
フィリングは、パンに挟んだり、野菜、フライ、ハンバーグ等にトッピングして用いる調味料である。また、フィリングのベースに、マヨネーズ、マヨネーズ類又は乳化ドレッシング等の水中油型乳化液状調味料を使用すると、適度なコク味が付与される。さらに、様々な風味のフィリングのうち、ツナやカニ等の蛋白質具材の風味を特徴としたフィリングが大変人気を博している。
ツナやカニ等の蛋白質具材の特徴的な風味は、まだそのメカニズムは明らかにされていないが、ペプチドやアミノ酸等の蛋白質と、ケトンやアルデヒド等の芳香成分のバランスにより成り立っている。そして、長期保管中の科学変化により複合的なバランスが崩れ易く、経時的に消失し易い傾向がある。
ツナやカニ等の蛋白質具材の風味を特徴としたフィリングは、例えば、特開平07−250653号公報(特許文献1)に、ツナ肉と卵白を混合後に加熱成型した成形ツナ肉と水中油型乳化食品とを和えたフィリングが記載されている。前記フィリングは、ツナ肉らしい食感が得られるものである。しかしながら、長期保管後においても蛋白質具材本来の風味を十分に保持できるものではなかった。
特開平07−250653号公報
そこで、本発明は、長期保管後においても蛋白質具材の風味を十分に保持できる具材入り容器詰めフィリングを提供するものである。
本発明者が、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、水中油型乳化液状調味料及び全蛋白質2〜20%を含有したフィリングにおいて、該フィリングに特定のペプチド及び糖を含有し、特定のpHに調整することで、意外にも長期保管後においてツナやカニ等の蛋白質具材の風味を十分に保持できるフィリングが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
水中油型乳化液状調味料及び蛋白質具材を含有する具材入り容器詰めフィリングにおいて、pHが5.2〜6.3であり、蛋白質を2〜20%、ナイシンペプチドを2〜20ppm、並びに、糖及び/又は高甘味度甘味料を含有し、前記糖がぶどう糖、果糖、蔗糖から選ばれる少なくとも1種以上であり、かつその合計量で0.5〜8%であり、前記高甘味度甘味料がスクラロース又はステビアから選ばれる少なくとも1種以上である具材入り容器詰めフィリング、である。
本発明によれば、長期保管後において蛋白質具材の風味を十分に保持できるフィリングを提供することができる。これにより、フィリングを配合した加工食品市場、特にパン市場の更なる拡大が期待できる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明は、水中油型乳化液状調味料及び蛋白質具材を含有する具材入り容器詰めフィリングにおいて、pHが5.2〜6.3であり、蛋白質を2〜20%、ナイシンペプチドを2〜20ppm、並びに、糖及び/又は高甘味度甘味料を含有し、前記糖がぶどう糖、果糖、蔗糖から選ばれる少なくとも1種以上であり、かつその合計量で0.5〜8%であり、前記高甘味度甘味料がスクラロース又はステビアから選ばれる少なくとも1種以上である具材入り容器詰めフィリングである。
本発明のフィリングは、水中油型乳化液状調味料をベースにツナやカニ等の蛋白質具材を配合したものである。食品用途は、特に限定されないが、サンドイッチ、ハンバーガー等のパンの間に挟んだり、パンの中に充填したり、パンの上にトッピングして用いてもよいし、野菜、フライ、ハンバーグ等の食品のトッピング材として用いてもよい。
本発明に用いる水中油型乳化液状調味料とは、水相中に食用油脂が油滴として略均一に分散して水中油型の乳化状態となっている液状調味料である。例えば、清水に澱粉、ガム類、卵黄、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化材を混合した後、ミキサー等で攪拌しながら、油脂を注加して粗乳化し、次にせん断力に優れた処理機等で均質化した調味料である。
本発明のフィリングは、蛋白質具材を含有する。蛋白質具材の原料は、例えば、牛、豚、羊、鶏、馬等の畜肉、マグロ、カニ、カツオ、イワシ、ブリ、サバ、サンマ、ヒラメ、カレイ、タコ、イカ、ホタテ、アサリ等の魚介類、鶏卵、家鴨卵、鶉卵、イクラ等の卵類、大豆、インゲン等の豆類等が挙げられる。蛋白質具材の大きさは、特に限定されないが、食べ易い大きさに切断しても良いし、可食部分をそのまま用いてもよい。
本発明のフィリングは、ツナやカニ等の蛋白質具材を多く配合しており、フィリングに対して蛋白質を2〜20%含有する。蛋白質を含有する原料は、蛋白質具材以外に、例えば、水中油型乳化液状調味料由来の卵黄、ナイシンペプチド等があり、その合計量が、2〜20%となっている。蛋白質の含有量は、ツナやカニ等の蛋白質具材の風味を十分に活かしたフィリングが得られることから、4〜20%が好ましく、6〜20%がより好ましい。
蛋白質の測定方法は、「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」(平成11年4月26日衛新第13号)に開示されている、一般にケルダール法と呼ばれる窒素の定量方法に基づいて行う。本発明における蛋白質とは、高分子化合物に加え、アミノ酸、ペプチド等を含む。
本発明のフィリングはナイシンペプチドを含有する。ナイシンペプチドは、Lactococcus lactis等の乳酸菌が生産する34個のアミノ酸からなるペプチドである。後述の試験例で示すが、ツナやカニ等の蛋白質具材を配合した特定のフィリングにおいて、各種ペプチドの添加効果を検証したところ、その他のペプチドにはない優れた効果がナイシンペプチドでのみ得られた。
本発明に用いるナイシンペプチドの含有量は、2〜20ppmであり、好ましくは4〜20ppmである。ナイシンペプチドの含有量が前記範囲より少ないと、長期保管後における蛋白質具材の風味を十分に保持できない場合がある。20ppmより多く含有すると、僅かにナイシンペプチド特有の風味を感じるようになり、蛋白質具材の風味を保持する効果を損ねてしまう。
ナイシンペプチドの測定方法は、財団法人日本食品化学研究振興財団が開示している液体クロマトグラフ質量分析法(LC/MS法)に基づいて行う。
本発明のフィリングは、ぶどう糖、果糖、蔗糖から選ばれる少なくとも1種以上の糖を合計量で0.5〜8%含有する、若しくは、スクラロース又はステビアから選ばれる少なくとも1種以上の高甘味度甘味料を含有する。
前記糖は、甘味として強く感じすぎない程度を配合することで、pH5.2〜6.3において、蛋白質具材及びナイシンペプチドとの相互作用により、長期保管中に経時的に薄らいでしまう蛋白質具材の風味に厚みを持たせることができる。前記糖の合計含有量は、0.5〜5%が好ましく、0.5〜3%がより好ましい。前記糖の合計含有量が前記範囲より少ないと、蛋白質具材の風味を十分に保持できない場合がある。前記糖の合計含有量が前記範囲より多いと、糖の甘味が強くなり過ぎ、蛋白質具材の風味を損ねてしまう場合がある。また、前記糖の組合せは、ぶどう糖及び果糖を含有することが好ましい。
ぶどう糖、果糖、蔗糖の測定方法は、「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」(平成11年4月26日衛新第13号)に開示されている、高速液体クロマトグラフ法(HPLC法)に基づいて行う。
前記高甘味度甘味料は、甘味として強く感じすぎない程度を配合することで、pH5.2〜6.3において、蛋白質具材及びナイシンペプチドとの相互作用により、長期保管中に経時的に薄らいでしまう蛋白質具材の風味に厚みを持たせることができる。前記高甘味度甘味料の合計含有量は、0.0001〜0.01%が好ましく、0.001〜0.005%がより好ましい。前記高甘味度甘味料の合計含有量が前記範囲より少ないと、蛋白質具材の風味を十分に保持できない場合がある。前記高甘味度甘味料の合計含有量が前記範囲より多いと、高甘味度甘味料特有の風味が強くなり過ぎ、蛋白質具材の風味を損ねてしまう場合がある。また、前記高甘味度甘味料は、スクラロースを含有することが好ましい。高甘味度甘味料の測定方法は、液体クロマトグラフ質量分析法(LC/MS法)や液体クロマトグラフタンデム型質量分析法(LC/MS/MS法)を用いて行う。
本発明のフィリングは、pH5.2〜6.3であり、5.2〜6.0が好ましく、5.2〜5.7がより好ましい。例えば、市販のマヨネーズにツナの水煮や茹卵等の蛋白質具材を配合しただけのフィリングは、ほとんどがpH6.5以上のものであるが、有機酸等を適宜配合しpHを前記範囲となるように調整することで、蛋白質具材の経時的な風味劣化を抑制することができる。
本発明のフィリングに用いる酸材は、酢酸以外に特に限定されないが、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸等の有機酸、燐酸、塩酸等の無機酸、レモン果汁、リンゴ果汁、オレンジ果汁、乳酸発酵乳等を用いることができる。
本発明のフィリングは、好ましくは、酢酸と、クエン酸及び乳酸から選ばれる少なくとも1種以上の酸とを含有し、より好ましくは酢酸及び乳酸を含有する。酢酸の含有量と、クエン酸及び乳酸から選ばれる少なくとも1種以上の酸との合計含有量を1:0.05〜1:1にすることで、酢酸特有の酸味を際立たせずに蛋白質具材の風味を保持することができ好ましく、1:0.1〜1:0.5がより好ましい。特に、酢酸及び乳酸を1:0.05〜1:1で含有することで、酢酸特有の酸味を際立たせずに蛋白質具材の風味を保持することができ好ましく、1:0.1〜1:0.5がより好ましい。
有機酸の測定方法は、「栄養表示のための成分分析のポイント」(財団法人日本食品分析センター編、2007年10月20日発行)に開示されている、高速液体クロマトグラフ法(HPLC法)に基づいて行う。具体的には、例えば、水溶液中で有機酸又は有機酸塩の状態で存在している有機酸を、過塩素酸で抽出し、有機酸類の紫外部吸収を利用して高速液体クロマトグラフ法(HPLC法)で分別定量する。
本発明のフィリングは、長期保管流通を目的としていることから、必要に応じて殺菌のために60〜100℃の加熱処理を施しても良い。しかしながら、加熱処理を施すことで水中油型乳化液状調味料が分離を生じると、フィリングの物性も変化し、蛋白質具材の風味を十分に保持できない場合がある。
本発明において、水中油型乳化液状調味料を分離しにくくする方法は、特に限定されないが、例えば、水中油型乳化液状調味料の水相に対し、大量の1〜5%の澱粉を配合する方法が好ましく、1〜2%がより好ましい。水相に大量の澱粉を配合することで、より食用油脂を乳化液状調味料中に安定して分散させやすく、長期保管後の風味保持効果が得られやすい。
本発明のフィリングに用いる澱粉の種類は、特に限定されないが、例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、米澱粉、これらの澱粉をアルファ化、架橋等の処理を施した化工澱粉、並びに湿熱処理澱粉等の澱粉が挙げられる。
本発明のフィリングに用いる食用油脂は、食用であればいずれのものでも良い。例えば、菜種油、大豆油、パーム油、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等を用いることができる。好ましくは、菜種油、大豆油又はパーム油を含有し、より好ましくは大豆油又はパーム油を含有する。
本発明のフィリングは、前述した原料以外に、本発明の効果を損わない範囲で適宜選択し配合することができる。具体的には、例えば、醤油、みりん、食塩、味噌、ケチャップ、ソース、ブイヨン、豆板醤、コチュジャン等の調味料、麦芽糖、オリゴ糖、トレハロース等の糖類、アセスルファムカリウム等の高甘味度甘味料、玉葱、人参、胡瓜、レタス、セロリ、キャベツ、コーン、ブロッコリー、カリフラワー、トマト、アスパラガス、ネギ、舞茸、シメジ、あさつき、水菜、大根、ほうれん草等の野菜、パセリ、バジル、大蒜、ごま、とうがらし、胡椒等の香辛料、アスコルビン酸、ビタミンEの酸化防止剤、色素、香料等を配合することができる。
本発明のフィリングの製造方法は、常法に基づき行えばよい。具体的には、例えば、攪拌羽付きの釜の中に、清水、ツナやカニ等の蛋白質具材、水中油型乳化液状調味料、ナイシンペプチド2〜20ppm、糖及び/又は高甘味度甘味料、酸材を投入後、原料を十分に混合し、本発明のフィリングを調製する。また、予め、得られるフィリングが、全蛋白質2〜20%、pH5.2〜6.3となるように原料の配合量を調整する。以上のようにして得られた本発明のフィリングは、必要に応じて、加熱を施したり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン等からなるパウチや蓋付容器等に充填することで、より長期保存が可能となる。
本発明のフィリングの加熱処理方法は、加熱殺菌の効果を損なわない範囲で適宜調整することができ、袋等に充填密封し湯浴中に浸漬する方法や、袋等に充填密封する前に、ニーダーのジャケット加熱する方法、その他蒸煮、通電加熱、マイクロ波加熱等が挙げられる。
以下に本発明のフィリングを実施例及び試験例に基づき詳述する。なお、本発明はこれに限定するものではない。
〔実施例1〕
攪拌羽付きの釜の中に、清水6.48%、ツナ水煮(蛋白質濃度16%)50%、水中油型乳化液状調味料40%(清水48%、酢酸0.5%、α化澱粉1%、リゾレシチン0.5%、大豆油50%を撹拌混合し乳化して得られたもの;水相中の澱粉配合量2%)、ナイシンペプチド10ppm、蔗糖3%、食塩0.5%及びクエン酸0.02%を投入後、全原料を十分に混合したものを、500g容のポリプロピレン袋に500g充填密封し、本発明のフィリングを調製した。得られた本発明のフィリングは、長期保管後において蛋白質具材の風味を十分に保持できていた。なお、本発明のフィリングは、蛋白質8%、pH5.7であった。
〔試験例1〕
本発明の風味保持効果に対するペプチドの種類による影響を調べるため、ペプチドの種類以外は実施例1に準じて4種類のフィリングを調製した。得られたフィリングは、調製1ヵ月後に下記の基準に沿って官能評価を行った。
<評価基準>
○:十分に蛋白質具材の風味を保持できている
△:やや蛋白質具材の風味を保持できている
×:蛋白質具材の風味に劣っている
表2の結果、ナイシンペプチドを含有したフィリングは、長期保管後において蛋白質具材の風味を十分に保持できていた(実施例1)。その他のペプチドでは、同様の効果が得られず、蛋白質具材の風味に劣っていた(比較例1〜3)。
〔試験例2〕
本発明の風味保持効果に対するナイシンペプチドの含有量による影響を調べるため、ナイシンペプチドの含有量以外は実施例1に準じて4種類のフィリングを調製した。得られたフィリングは、試験例1と同様の基準で官能評価を行った。
表2の結果、ナイシンペプチドを2〜20ppm含有したフィリングは、長期保管後において蛋白質具材の風味を保持する効果がみられた(No.2〜4)。特に、ナイシンペプチドを4〜20ppm含有したフィリングは、長期保管後において蛋白質具材の風味を十分に保持する効果がみられた(No.3,4)。また、表2には示していないが、ナイシンペプチドを20ppmより多く含有した場合、蛋白質具材の風味保持効果は得られるものの、僅かにナイシンペプチド特有の風味を感じるようになり、フィリングとしての風味を損ねた。
〔試験例3〕
本発明の風味保持効果に対する糖質の種類と含有量による影響を調べるため、糖質以外は実施例1に準じて9種類のフィリングを調製した。得られたフィリングは、試験例1と同様の基準で官能評価を行った。
表3の結果、蔗糖、果糖のうち少なくとも1種以上を合計で0.5〜8%含有したフィリングは、長期保管後において蛋白質具材の風味を保持する効果がみられた(No.5,6,10,11,12)。特に、蔗糖、果糖のうち少なくとも1種以上を合計で0.5〜5%含有したフィリングは、長期保管後において蛋白質具材の風味を十分に保持する効果がみられた(No.
10,11)。
〔実施例2〕
実施例1のフィリング中の蔗糖1%をスクラロース0.002%に変更する以外は、実施例1に準じ本発明のフィリングを調製した。得られたフィリングは、蛋白質具材の風味を保持する効果がみられた。
〔実施例3〕
実施例1のフィリング中の蔗糖1%をステビア0.003%に変更する以外は、実施例1に準じ本発明のフィリングを調製した。得られたフィリングは、蛋白質具材の風味を保持する効果がみられた。
〔実施例4〕
No.6のフィリング中の果糖1%を果糖0.5%及びぶどう糖0.5%に変更する以外は、実施例1に準じ本発明のフィリングを調製した。得られたフィリングは、実施例1と比べ、更に蛋白質具材の風味保持効果に優れていた。
〔試験例4〕
本発明の風味保持効果に対するpHの影響を調べるため、pH以外は実施例1に準じて5種類のフィリングを調製した。得られたフィリングは、試験例1と同様の基準で官能評価を行った。
表4の結果、pH5.2〜6.3のフィリングは、長期保管後において蛋白質具材の風味を保持する効果がみられた(No.14〜17)。特に、pH5.2〜6.0のフィリングは、長期保管後において蛋白質具材の風味を十分に保持する効果がみられた(No.
14〜16)。さらに、表4には示していないが、pH5.7のフィリングとpH6.0のフィリングを比較した場合、pH5.7のフィリングの方が蛋白質具材の風味に優れており非常に好ましかった(No.15,16)。
〔実施例5〕
酢酸とクエン酸の含有量の比率が1:0.1となるように用いて、フィリングのpHが6.0となるように調製した以外は、実施例1に準じて本発明のフィリングを調製した。得られたフィリングは、実施例1のフィリングと比べ、蛋白質具材の風味保持効果に優れていた。
〔実施例6〕
酢酸と乳酸の含有量の比率が1:0.1となるように用いて、フィリングのpHが6.0となるように調製した以外は、実施例1に準じて本発明のフィリングを調製した。得られたフィリングは、実施例5のフィリングと比べ、蛋白質具材の風味保持効果に優れていた。
〔実施例7〕
酢酸と乳酸とを含有比率が1:0.5となるように用いて、フィリングのpHが6.0となるように調製した以外は、実施例1に準じて本発明のフィリングを調製した。得られたフィリングは、実施例6のフィリングと同様に蛋白質具材の風味保持効果に優れていた。
〔実施例8〕
大豆油をパーム油に置換えた以外は、実施例1に準じて本発明のフィリングを調製した。得られたフィリングは、実施例1のフィリングと同様に蛋白質具材の風味保持効果に優れていた。
〔実施例9〕
ツナ水煮(蛋白質濃度16%)50%を、ツナ水煮(蛋白質濃度16%)20%及び水中油型乳化液状調味料30%に変更した以外は、実施例1に準じて本発明のフィリングを調製した。得られたフィリングは、本発明の蛋白質具材の風味保持効果に優れていた。得られた本発明のフィリングは、蛋白質3%であった。
〔実施例10〕
ツナ水煮(蛋白質濃度16%)50%を、カニ肉むき身(蛋白質濃度12%)50%に変更した以外は、実施例1に準じて本発明のフィリングを調製した。得られたフィリングは、本発明の蛋白質具材の風味保持効果に優れていた。
〔実施例11〕
ツナ水煮(蛋白質濃度16%)50%を、ダイスカットした鶏卵の茹卵(蛋白質濃度33%)50%に変更した以外は、実施例1に準じて本発明のフィリングを調製した。得られたフィリングは、本発明の蛋白質具材の風味保持効果に優れていた。

Claims (17)

  1. 水中油型乳化液状調味料及び蛋白質具材を含有する具材入り容器詰めフィリングにおいて、pHが5.2〜6.3であり、蛋白質を2〜20%、ナイシンペプチドを2〜20ppm、並びに、糖及び/又は高甘味度甘味料を含有し、前記糖がぶどう糖、果糖、蔗糖から選ばれる少なくとも1種以上であり、かつその合計量で0.5〜8%であり、前記高甘味度甘味料がスクラロース又はステビアから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする具材入り容器詰めフィリング。
  2. ナイシンペプチドを4〜20ppm含有する請求項1記載の具材入り容器詰めフィリング。
  3. 前記糖を合計量で0.5〜5%含有する請求項1記載の具材入り容器詰めフィリング。
  4. 前記糖を合計量で0.5〜3%含有する請求項1記載の具材入り容器詰めフィリング。
  5. 前記糖が果糖及びぶどう糖である請求項1記載の具材入り容器詰めフィリング。
  6. pHが5.2〜6.0である請求項1記載の具材入り容器詰めフィリング。
  7. pHが5.2〜5.7である請求項1記載の具材入り容器詰めフィリング。
  8. 酢酸と、クエン酸及び乳酸から選ばれる少なくとも1種以上の酸とを含有する請求項1記載の具材入り容器詰めフィリング。
  9. 酢酸の含有量と、クエン酸及び乳酸から選ばれる少なくとも1種以上の酸の合計含有量との比率が、1:0.05〜1:1である請求項8記載の具材入り容器詰めフィリング。
  10. 酢酸の含有量と、クエン酸及び乳酸から選ばれる少なくとも1種以上の酸の合計含有量との比率が、1:0.1〜1:0.5である請求項8記載の具材入り容器詰めフィリング。
  11. 酢酸及び乳酸を含有する請求項1記載の具材入り容器詰めフィリング。
  12. 酢酸と乳酸との含有量の比率が、1:0.05〜1:1である請求項11記載の具材入り容器詰めフィリング。
  13. 酢酸と乳酸との含有量の比率が、1:0.1〜1:0.5である請求項11記載の具材入り容器詰めフィリング。
  14. 水中油型乳化液状調味料の水相に対し1〜5%の澱粉を含有する請求項1記載の具材入り容器詰めフィリング。
  15. ツナフィリングである請求項1記載の具材入り容器詰めフィリング。
  16. カニフィリングである請求項1記載の具材入り容器詰めフィリング。
  17. タマゴフィリングである請求項1記載の具材入り容器詰めフィリング。
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