JP2008154551A - パスタソース - Google Patents

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滋 河合
Nobuteru Ishizuka
信輝 石塚
Kaoru Tsuchida
薫 土田
Mitsuko Tokura
晃子 都倉
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Abstract

【課題】麺と和えた後のほぐれ易さや食感が改良され、麺の食感をなめらかにし、冷めても麺の食感を維持するパスタソースを提供する。
【解決手段】ジアシルグリセロールをソース中に1〜18質量%含有し、レトルト処理されているパスタソース。
【選択図】なし

Description

本発明は、レトルト処理されたパスタソースに関する。
近年、予め調理されており、茹でた麺に和えるだけで食することのできるタイプ、及び予め調理されており、加熱した後、茹でた麺に和えて食することのできるタイプのパスタソースが開発され上市されている。このような調理済みパスタソースには、麺の種類によらずに麺への食材の絡まりがよいこと、食感がよいこと等が求められており、いくつかのパスタソースが報告されている(特許文献1〜4)。
特開平8−322520号公報 特開平10−75747号公報 特開平10−257871号公報 特開2005−185178号公報
従来のパスタソースは、いずれもレトルト処理された際のソースそのものの味や食感の維持、改良に着目されており、その技術開発がされている。一方、麺と和えた後の麺のほぐれ易さや食感、特に麺の食感をなめらかにするような技術や、冷めても調理直後のコシのある食感を維持する点等については課題が残っている。
従って、本発明の目的は、ソースの味や食感ではなく、レトルト処理されても麺と和えた後のほぐれ易さや食感が改良され、麺の食感をなめらかにし、冷めても麺の食感を維持するパスタソースを提供することにある。
そこで本発明者は、従来のパスタソースが麺への絡まりを重視したため増粘剤等の添加物に着目していたのに対し、油相成分に着目して検討したところ、通常の油脂(トリグリセリド)ではなくジアシルグリセロールを特定量用いることにより、麺への絡まりがよくてほぐれ易く、麺を食したときの食感がなめらかで、冷めても麺の食感を維持することを見出した。
すなわち、本発明は、ジアシルグリセロールをソース中に1〜18質量%含有し、レトルト処理されているパスタソースを提供するものである。
本発明のパスタソースを用いれば、麺と和えた後にほぐれ易く、麺の食感をなめらかにし、冷めても麺の食感を維持するパスタが得られる。
本発明のパスタソースは、ジアシルグリセロールをソース中に1〜18質量%(以下、単に「%」と記載する)含有するが、更に1.4〜15%、特に2〜12%含有することが、麺と和えた後にほぐれ易く、麺の食感をなめらかにし、冷めても麺の食感を維持する点から好ましい。
本発明におけるジアシルグリセロールは、パスタソースに使用する食用油脂の一成分として含有されていることが、工業的生産性の点から好ましい。ジアシルグリセロール以外の食用油脂の原料としては、動物性、植物性のいずれでも良く、例えば、動物油としては牛脂、豚脂、魚油等、植物油としては大豆油、パーム油、パーム核油、綿実油、落花生油、ナタネ油、コーン油、サフラワー油、サンフラワー油、米油、胡麻油、オリーブ油等が挙げられるが、風味、実用性の点から、大豆油、綿実油、落花生油、ナタネ油、コーン油、サフラワー油、サンフラワー油、胡麻油等の植物油を用いることが好ましい。また、これら食用油脂の硬化油、分別油、エステル交換油等を使用することもできる。
本発明のパスタソースは、食用油脂を1%以上、20%未満含有し、かつ当該油脂がジアシルグリセロールを含有することが好ましい。本発明のパスタソースは、当該油脂を更に3〜17%、特に5〜15%含有することが、麺と和えた後にほぐれ易く、麺の食感をなめらかにし、冷めても麺の食感を維持する点から好ましい。
また、本発明のパスタソースに含有される食用油脂は、パスタ表面との接触角が25度以下、更に23度以下、特に21度以下である食用油脂を6%以上含むことが、麺と和えた後にほぐれ易く、麺の食感をなめらかにし、冷めても麺の食感を維持する点から好ましい。パスタソースに含有される食用油脂は、前記接触角を有する食用油脂を、更に12〜93%、特に17〜93%、殊更17〜90%含有することが好ましい。なお、当該接触角を有する油脂はジアシルグリセロール高含有油脂であることが好ましい。ジアシルグリセロール高含有油脂とは、食用油脂中にジアシルグリセロールを70〜95%含有するものであることが好ましく、更に75〜93%、特に80〜90%含有するものであることが好ましい。
本発明のパスタソースに含有される食用油脂中のジアシルグリセロール含有量は、好ましくは5%以上、より好ましくは10〜90%、更に15〜90%、特に15〜88%であることが、麺と和えた後にほぐれ易く、麺の食感をなめらかにし、冷めても麺の食感を維持する点から好ましい。
ジアシルグリセロールは、その構成脂肪酸の80〜100%が不飽和脂肪酸であることが好ましく、より好ましくは90〜100%、更に93〜100%、特に93〜98%、殊更94〜98%であるのが風味、外観、生理効果、油脂の工業的生産性の点で好ましい。ここで、この不飽和脂肪酸の炭素数は14〜24、更に16〜22であるのが好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、オレイン酸の含有量は20〜70%であることが好ましく、更に25〜65%、特に30〜65%であるのが風味、外観、脂肪酸の摂取バランスの点で好ましい。更に外観、生理効果の点から、ジアシルグリセロール中のジオレイルグリセロールの含有量は、45%未満、更に0〜40%が好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうちリノール酸の含有量は10〜65%、好ましくは15〜60%、更に18〜55%であるのが外観、脂肪酸の摂取バランスの点で好ましい。更に、酸化安定性、生理効果の点から、ジアシルグリセロール中のリノール酸/オレイン酸の含有質量比が0.01〜4、好ましくは0.1〜3、特に0.2〜2であることが好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうちリノレン酸の含有量は15%未満、好ましくは2〜14%、更に4〜13%であるのが外観、脂肪酸の摂取バランス、酸化安定性の点で好ましい。リノレン酸には、異性体としてα−リノレン酸とγ−リノレン酸が知られているが、α−リノレン酸が好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、飽和脂肪酸の含有量は20%未満であることが好ましく、より好ましくは0〜12%、更に0〜8%、特に1〜7%、殊更2〜6%であるのが、外観、生理効果、油脂の工業的生産性の点で好ましい。飽和脂肪酸としては、炭素数14〜24、特に16〜22のものが好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸が特に好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、トランス不飽和脂肪酸の含有量は、0〜4%、好ましくは0.1〜3.5%、更に0.2〜3%であるのが風味、生理効果、外観、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、共役不飽和脂肪酸の含有量は1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.9%、更に0.1〜0.8%、特に0.2〜0.75%、殊更0.3〜0.7%であるのが風味、生理効果、外観、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中、炭素数12以下の脂肪酸の含有量は、風味の点で5%以下であるのが好ましく、更に0〜2%、特に0〜1%、実質的に含まないのが更に好ましい。残余の構成脂肪酸は炭素数14〜24、特に16〜22であるのが好ましい。
また、生理効果、保存性、油脂の工業的生産性及び風味の点から、ジアシルグリセロール中の1,3−ジアシルグリセロールの割合が50%以上、更に52〜100%、特に54〜90%、殊更56〜80%であるジアシルグリセロールを用いるのが好ましい。
ジアシルグリセロールの起源としては、植物性、動物性油脂のいずれでもよい。具体的な原料としては、パーム油、パーム核油、綿実油、落花生油、ナタネ油、コーン油、サフラワー油、サンフラワー油、胡麻油、オリーブ油大豆油、あまに油、米油、綿実油、牛脂、豚脂、魚油等を挙げることができる。またこれらの油脂を分別、混合したもの、水素添加や、エステル交換反応などにより脂肪酸組成を調整したものも原料として利用できるが、水素添加していないものであることが、食用油脂を構成する全脂肪酸中のトランス不飽和脂肪酸含量を低減させる点から好ましい。また、生理効果、製品が白濁せず外観が良好となる点から、不飽和脂肪酸含有量が高い植物油が好ましく、中でも菜種油、大豆油がより好ましい。
なお、ジアシルグリセロールは、天然には高濃度で存在しないため、上記油脂とグリセリンの混合物によりエステル交換反応するか、上記油脂を加水分解して得られた脂肪酸とグリセリンからエステル化反応することにより得られる。また、エステル交換反応、エステル化反応を行うには、化学法又は酵素法のいずれの方法でも良い。
本発明のパスタソースに用いることのできる食用油脂は、トリアシルグリセロールを9.9〜94.9%含有することが好ましく、より好ましくは9.9〜84.9%、更に11.8〜84.8%含有するのが、生理効果、油脂の工業的生産性、外観の点で好ましい。トリアシルグリセロールの構成脂肪酸は、ジアシルグリセロールと同じ構成脂肪酸種及び構成比であることが、生理効果、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
本発明のパスタソースに用いることのできる食用油脂は、モノアシルグリセロールを0.1〜5%含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜2%、更に0.1〜1.5%、特に0.1〜1.3%、殊更0.2〜1%含有するのが、外観、油脂の工業的生産性等の点で好ましい。電子レンジ調理により加熱されやすいという点でモノアシルグリセロールは0.1%以上含有するのが好ましく、電子レンジ調理中の発煙等安全性の点から5%以下が好ましい。モノアシルグリセロールの構成脂肪酸はジアシルグリセロールと同じ構成脂肪酸種及び構成比であることが、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
本発明のパスタソースに用いることのできる食用油脂は、これに含まれる遊離脂肪酸(塩)含量は、5%以下に低減されるのが好ましく、より好ましくは0〜3.5%、更に0〜2%、特に0.01〜1%、特に0.01〜0.5%とするのが、風味、外観、生理効果、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
また、本発明のパスタソースの粘度は、ソースの味の種類によっても異なるが、60℃における粘度として、例えばミートソース、トマトソースなどであれば1,000〜10,000mPa・s 以下、更に2,000〜8,000mPa・s、特に3,000〜6,000mPa・sであることが、麺と和えた後にほぐれ易く、麺の食感をなめらかにし、冷めても麺の食感を維持する点から好ましい。同様に和風ソースであれば、1,000mPa・s 以下、更に30〜600mPa・s、特に50〜400mPa・sであることが、麺と和えた後にほぐれ易く、麺の食感をなめらかにし、冷めても麺の食感を維持する点から好ましい。上記粘度は、和風ソースの場合は、B型粘度計にて、ローターNo.2を用い、60rpmにて測定した数値である。また、その他のソースについては、B型粘度計にて、ローターNo.3を用い、12rpmにて測定した数値である。
また、本発明のパスタソースに含まれる具材などの固形分の量は、パスタソースの味の種類に応じて適宜調節することができるが、一般的に、容器に充填された最終製品中の固形分の含有割合が約5〜50%程度の範囲になるようにするのが、容器への充填性及び味の点から好ましい。
本発明のパスタソースのpHは、パスタソースの味の種類に応じて適宜調節することができるが、一般的に、pHを4〜7程度に調整することが好ましく、更に3.5〜6.5、特に3.7〜6.0、殊更4〜5.9とすることが、麺と和えた後にほぐれ易く、麺の食感をなめらかにし、冷めても麺の食感を維持する点から好ましい。pHの調整は、有機酸及び/又はその塩、無機酸及び/又はその塩等のpH調整剤を使用して行うのが好ましい。pH調整剤として、例えば、フィチン酸、クエン酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸やその塩、リン酸塩等を挙げることができる。
また、パスタソースの味の種類として、トマトソース、デミグラスソース、クリームソース、カルボナーラソース、ミートソース、アラビアータ、ペペロンチーノ、和風ソースや、ミネストローネ、コンソメ、トムヤンクン、ボルシチ、ガスパチョ、ポトフ風などソースを挙げることができる。
本発明のパスタソースには、粘度の調整及び糖質の添加の目的で、増粘性多糖類、タンパク質を配合するのが好ましい。増粘性多糖類及びタンパク質としては、例えば、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギナン、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、カードラン、プルラン、グルコマンナン、ペクチン、ゼラチン、寒天、タラガム、カラヤガム、トラガントガム、ファーセレラン、マクロホモプシスガム、CMC、微結晶セルロース、大豆多糖類等の多糖類;ゼラチン、乳由来のタンパク質、卵由来のタンパク質、大豆タンパク質、小麦タンパク質等が挙げられる。
具材として、例えば、トマト、ニンジン、じゃがいも、タマネギ、ピーマン、カリフラワー、ブロッコリー、タケノコなどの野菜類;シイタケ、シメジ、マッシュルーム、エリンギ、エノキダケ、マイタケ、キクラゲなどの各種キノコ類;トウモロコシやその他の穀類;グリンピースなどの豆類;コンブ、ワカメなどの海草類;アサリ、シジミ、ハマグリ、ホタテガイ、エビ、カニ、イカ、イワシ、マグロ、サケ、アジ、タイなどの魚介類;豚肉、牛肉、鶏肉などの畜肉、ハム、ベーコン、ソーセージなどの畜肉加工品、チーズなどの乳製品を使用することができる。
その他、前記本発明のパスタソースに使用できる食用油脂の原料を、例えば、マーガリン、バター等の形態としたもの;ショウガ、ニンニク、食塩、コショウ;ショ糖、異性化糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、トレハロース、パラチノース、D−キシロース、オリゴ糖等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、マルトデキストリン等の糖アルコール類;スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、ステビア抽出物に含まれるステビオサイド、サッカリンナトリウム、サッカリンカルシウム、サイクラメート及びその塩、アリテーム、ネオテームなどの高甘味度甘味料;牛乳、生乳、特別牛乳、生山羊牛、殺菌山羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳及び加工乳などの動物性乳;豆乳などの植物性乳;濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、発酵乳(ヨーグルト製品を含む)、乳飲料及び乳酸菌飲料等の乳製品、全乳粉、脱脂粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳及び調製粉乳などの粉末乳製品;ワイン、ビール、日本酒、ブランデー、ケチャップ、マヨネーズ、ソース、食酢、ワインビネガー、果汁、香料、香味料、色素、酸化防止剤、日持ち向上剤、保存料などの食品或いは食品添加剤を適宜選択して使用することができる。
本発明のパスタソースは、例えば、前記材料を混合し、例えば、均質化、充填及び、殺菌することにより製造できる。充填する容器としては、ポリエチレンパウチ、アルミパウチ、プラカップ、ペットボトル、スチール缶、アルミ缶、瓶容器、紙容器等を使用することができる。
実施例1
ニーダー((株)カジワラ)に、表1に示した組成のジアシルグリセロール含有油脂5.4kg、ナタネサラダ油2.7kgを入れ、加熱攪拌(18rpm)しながら、トマトペースト54kg、5mmダイスのタマネギ18kg、2〜3mmの粗切りニンジン9kg、5mmミンチの牛肉45kg、及び、37.8kgの水に食塩3.6kg、上白糖3.6kg、グルタミン酸ナトリウム0.9kgを溶解した溶液を入れ、90℃に到達した後、加熱を停止した。得られたソースを120gずつ耐熱性レトルトパウチに充填・密閉した後、125℃で10分間加熱し、パスタソースを得た。
実施例2
ニーダー((株)カジワラ)に、表1に示した組成のジアシルグリセロール含有油脂8.1kg、ナタネサラダ油3.6kgを入れ、加熱攪拌(18rpm)しながら、トマトペースト59.4kg、5mmダイスのタマネギ25.2kg、2〜3mmの粗切りニンジン10.8kg、1〜2mmの粗切りニンニク3.6kg、及び、61.2kgの水に食塩3.6kg、上白糖3.6kg、グルタミン酸ナトリウム0.9kgを溶解した溶液を入れ、90℃に到達した後、加熱を停止した。得られたソースを120gずつ耐熱性レトルトパウチに充填・密閉した後、125℃で8分間加熱し、パスタソースを得た。
実施例3
ニーダー((株)カジワラ)に、表1に示した組成のジアシルグリセロール含有油脂16.2kgを入れ、加熱攪拌(18rpm)しながら、5mmダイスのタマネギ45kg、1〜2mmの粗切りニンニク9kg、濃い口しょうゆ18kg、2mm乱切りの赤唐辛子0.36kg、及び、86.9kgの水に食塩3.6kg、グルタミン酸ナトリウム0.9kgを溶解した溶液を入れ、90℃に到達した後、加熱を停止した。得られたソースを60gずつ耐熱性レトルトパウチに充填・密閉した後、125℃で8分間加熱し、パスタソースを得た。
比較例1〜3
実施例1〜3で使用したジアシルグリセロール含有油脂の代わりに、表1に示した組成のナタネサラダ油を用いた以外は、実施例1〜3と同様の操作によりパスタソースを調製した。
〔パスタソース中の食用油脂含有量の測定法〕
実施例1、比較例1については、配合したジアシルグリセロール含有油脂及び/又はナタネサラダ油の合計量に、具材由来である牛肉由来の油脂量(牛肉の10%)を加えて全体の油脂量とし、パスタソース中の食用油脂の含有量を算出した。
また、実施例2、3、比較例2及び3については、具材由来の油脂はほとんどないため、配合したジアシルグリセロール含有油脂及び/又はナタネサラダ油の合計量を全体の油脂量とし、パスタソース中の食用油脂の含有量を算出した。
〔茹でパスタの調製〕
ママースパゲティ1.6mm(日清フーズ(株))を7分間茹で、茹でたてのパスタを調製した。
〔パスタの調理1〕
実施例1又は比較例1で得られたパスタソースを、レトルトパックのまま沸騰したお湯の中で5分間温めた後開封し、前記茹でたてのパスタにかけて和えた。
〔パスタの調理2〕
フライパンにナタネサラダ油15gをひいて、牛豚合挽き肉50gを炒め、実施例2又は比較例2で得られたパスタソースを開封して加え、ひと煮立ちさせた後、前記茹でたてのパスタを加えて良く絡ませた。
〔パスタの調理3〕
フライパンにナタネサラダ油15gをひいて、キノコ、エリンギ各25gを炒め、実施例3又は比較例3で得られたパスタソースを開封して加え、ひと煮立ちさせた後、前記茹でたてのパスタを加えて良く絡ませた。
前記パスタの調理1〜3にて得られたパスタについて、パスタソースとパスタを和えてから3分後に、麺のほぐれ易さ、麺表面のなめらかさ、麺のツルツル感についての評価を行った。また、パスタソースとパスタを和えてから20分後に、冷めた時の麺のコシについての評価を行った。評価は5段階評価とし、10人のパネルにより行い、平均を求めた。各評価は次に示す基準に従って行った。結果を表2に示す。
〔麺のほぐれ易さ〕
5:とてもほぐれ易い
4:ほぐれ易い
3:ややほぐれ易い
2:ややほぐれ難い
1:とてもほぐれ難い
〔麺表面のなめらかさ〕
5:とてもなめらか
4:なめらか
3:ややなめらか
2:あまりなめらかではない
1:なめらかではない
〔麺のツルツル感〕
5:とてもツルツルしている
4:ツルツルしている
3:ややツルツルしている
2:あまりなツルツルしていない
1:ツルツルしていない
〔冷めた時の麺のコシ〕
5:とてもコシがある
4:コシがある
3:ややコシがある
2:あまりコシがない
1:コシがない
実施例1〜3と比較例1〜3のパスタソースを比較すると、それぞれのタイプ(実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3)で両者の食用油脂の量は同じであるにも拘わらず、ジアシルグリセロールをソース中に1〜18%含有する本発明品の方が、麺と和えた後にほぐれ易く、麺の食感をなめらかにし、ツルツル感を付与し、冷めても麺の食感を維持することが確認された。
また、本発明品の上記効果が発現される機構について検討を行ったところ、パスタソースを和えた後のパスタ表面の観察、及び油脂とパスタ表面との接触角を測定することにより、次に示す事実が見出された。
実施例4、比較例4
実施例1及び比較例1において、各配合から油脂のみを除いたパスタソースを調製し、これとは別に実施例1又は比較例1にて使用した油脂にsudan blackをそれぞれ0.025%ずつ添加して染色した油脂を調製し、当該油脂をそれぞれ対応するパスタソースに加えてレトルトパウチに充填・密封し、実施例4及び比較例4とした。
〔パスタの調理4〕
実施例4又は比較例4で得られたパスタソースを、レトルトパックのまま沸騰したお湯の中で5分間温めた後開封し、前記茹でたてのパスタにかけて和えた。
〔パスタ表面の観察〕
前記パスタの調理4にて得られたパスタについて、パスタソースとパスタを和えてから3分後に、パスタの表面をマイクロスコープ((株)KEYENCE、VH−5000)で拡大観察したところ、図1及び2に示すように、通常の油脂であるナタネサラダ油を用いた比較例4の方は大きな油滴がまばらにパスタ表面状に存在しているが、ジアシルグリセロール含有油脂を用いた実施例4のパスタソースを用いた方は、多数の細かい油滴が均一にパスタ表面上に分布しており、油脂が付着している面積が明らかに広いことが確認できた。
〔接触角の測定〕
パスタとしてラザーニャ用マカロニ(ディチェコ、ラザーニャNo.1)を用い、12分間茹でた後、氷水にて冷却した。パスタの表面に付着する過剰の水分を濾紙にて除去した後、実施例1又は比較例1の各パスタソースから油脂のみを除いて調製した試料をパスタ表面に均一になる様に塗布した。その後、接触角測定装置(協和界面科学(株)、FACE接触角計CA−X型)にて、表1に示したジアシルグリセロール含有油脂又はナタネサラダ油とパスタ表面との接触角を測定した。接触角の測定は、試験油脂の液滴量を約0.9μl(測定装置の画面上で、液滴の縦方向の長さが約1.2mm)となるように液滴を調節した後、液滴を前述パスタ上に載せて測定を行った。それぞれの油脂について試料を4点準備し、測定は同一試料に対して5回行い、計20回の測定を行い、その平均値を接触角とした。この際、パスタの経時的な変化の影響を排除するため、試料2点ごとに測定する油脂の順序を入れ替えて測定を行った。結果を表3に示したが、パスタ表面との接触角についてジアシルグリセロール含有油脂とナタネサラダ油で比較すると、ジアシルグリセロール含有油脂を用いた方の接触角は、ナタネサラダ油を用いた方のおよそ75%程度であり、有意に低下していた(p<0.01)。
パスタソースの水相部が表面に塗布されたパスタ表面と油脂との接触角が大きいということは、パスタ表面と油脂との親和性、濡れ性が低いことを意味する。すると、上記結果より、油脂の量が同じであっても、ナタネサラダ油はパスタ表面との親和性等が低く、パスタ表面で移動し易く、油滴が合一して大きくなるものと考えられた。一方、ジアシルグリセロール含有油脂はパスタ表面との親和性等が高く、パスタ表面に馴染み、油滴が合一せずに均一に広がるものと考えられた。また、ジアシルグリセロールは通常の油脂に比べ極性が高いため、これを含有する油脂は通常の油脂よりも親水的で油水界面張力が低く、そのため当該油脂をパスタソースに混合・攪拌した場合、通常の油脂であるナタネサラダ油を配合したものに比べ、油滴が細かくなると考えられた。以上の考察は、前記パスタ表面の観察において、ジアシルグリセロール含有油脂を用いたパスタソースを和えた方は、多数の細かい油滴が均一に麺表面上に分布している、という結果と一致した。
本発明のパスタソースを和えた麺の表面状態を示す写真である(実施例4)。 比較用のパスタソースを和えた麺の表面状態を示す写真である(比較例4)。

Claims (3)

  1. ジアシルグリセロールをソース中に1〜18質量%含有し、レトルト処理されているパスタソース。
  2. 食用油脂を1質量%以上、20質量%未満含有し、かつ当該油脂がジアシルグリセロールを含有するものである請求項1記載のパスタソース。
  3. パスタソースに含有される食用油脂中、パスタ表面との接触角が25度以下である食用油脂が5質量%以上含まれるものである請求項2記載のパスタソース。
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