JP2013107956A - 芳香族ポリイミド樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

芳香族ポリイミド樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機械物性が改善され、連続生産性に優れる芳香族ポリイミド樹脂成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを反応させて得られるポリイミド粉末であって、平均粒子径が0.1〜9μmかつイミド閉環率が50〜95%のポリイミド粉末を用いて 、以下の2工程により芳香族ポリイミド成形品とする芳香族ポリイミド樹脂成形品の製造方法。
(1)ポリイミド粉末に、100℃未満で、294.2MPaを越え、980.7MPa以下の圧力をかけて圧粉体とする第一工程。
(2)第1工程で得られた圧粉体に、真空ないし不活性ガス雰囲気中、常圧、350〜500℃で加熱を行う第二工程。
【選択図】なし

Description

この発明は、主要単位としてピロメリット酸二無水物(1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸無水物)の酸成分と、4,4’ジアミノジフェニルエーテルの芳香族ジアミンから得られるポリイミド樹脂を成形して得られる成形体であって、特に曲げ強度や引張強度が大きく、伸びの大きい芳香族ポリイミド樹脂成形品の製造方法に関するものである。
従来、ピロメリット酸二無水物の酸成分と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのジアミン成分を反応させて得られるポリイミド樹脂からなる成形品の製造方法としては、以下のような方法が知られている。
室温から250℃の温度条件下、9.807〜980.7MPa(100〜10000kgf/cm)の圧力をかけて圧粉体とする第1工程、圧粉体を真空ないしは不活性ガス雰囲気中350〜500℃で、0.1〜300時間熱処理する第2工程、さらに前記熱処理体に350〜500℃の条件下、4.903〜490.3MPa(5〜5000kgf/cm)の圧力をかける第3工程からなる芳香族ポリイミド樹脂成形品の製造方法(特許文献1)。
しかしながらこの製造方法は、いわゆるホットプレス成形法と称する成形法であって、圧粉体の熱処理後に再度の圧縮成形を行う工程が必要な成形法である。したがい、この成形法では生産性に劣る欠点があった。また、得られる成形品の機械的強度が不十分であった。特に連続成形においては、この3段階の成形方法では生産性が劣り、実質的には採用不可能の成形方法であった。またピロメリット酸二無水物の酸成分と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのジアミン成分を反応させて得られるポリイミド粉末を用いる樹脂成形品としては、この特許文献1に開示されている製造方法における圧粉体の成形圧力は196.1MPa(2000kg/cm)と開示されており、本発明におけるポリイミド粉末に対する圧粉体成形時の圧力上昇による効果には着目されていない。また特許文献1に開示された比較例2には前記第2工程までの場合の物性が開示されているが、曲げ強さは、前記第3工程のホットプレスまで行った成形品と比べ大きく劣ることが開示されている。
一方、本発明に使用するポリイミド粉末と異なる構造のポリイミドについては、たとえば特許文献1に記載のポリイミド粉末であって、酸成分としてピロメリット酸二無水物(0.1mol)に対しベンゾフェノンテトラカルボン酸(0.2mol)を混合使用し、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのジアミン成分を反応させて得られるポリイミド粉末を用いる場合、この特許文献1(比較例4)に開示されているとおり、製造方法における圧粉体の成形圧力は392.3MPa(4000kgf/cm)とした例が開示されているが、本発明の第2工程のみで第3工程を行わないものでは、物性が劣ることが開示されている。
また一方、特許文献2には、室温ないし400℃の範囲内の温度において、68.9MPa(703kg/cm)から689MPa(7030kg/cm)の圧力で圧縮することによって、芳香族ポリイミド樹脂成形品(“合着製品”)の密度の少なくとも95%の密度を有する圧粉体(“非合着製品”)となして、得られた該樹脂の非合着製品は圧力を加えないで加熱のみによって合着製品に転化せしめることが、すなわち2段階の製造工程に係る技術が開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示されているピロメリット酸二無水物の酸成分と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのジアミン成分を反応させて得られるポリイミド粉末の比表面積は0.5m/g(当該比表面積に相当する粒子径は10〜20μmである)である。また、開示されている成形圧力224.6MPa(2300kgf/cm)では引張り伸度が9.8%であって、引張り破断伸びの改善は見られない(引張り強度は82.7MPa(844kgf/cm)と開示されているが、引張り破断伸度の改善に至っていない)。また、689MPa(7030kgf/cm)の圧力をかけた実施例が開示されているが、引張り破断伸びは約10%に留まり、機械物性の点で不十分である。特許文献2に開示される粒子径が大きいポリイミド粉末を用いた場合は、機械物性の改善は見られない。
一方、特許文献3には、ピロメリット酸二無水物の酸成分と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのジアミン成分を反応させて得られる粒子径が0.1〜9.0μm(比表面積は5〜19m/g)のポリイミド粉末について、金型中において常温で294.2MPa(3000kgf/cm)の圧力で圧粉体を成形した後、序々に昇温し450℃に加熱する方法が開示されている。すなわちホットプレス法の範疇の成形による成形品に物性が開示されている。しかしながらこの成形法は、成形サイクルは金型に入れた粉体を圧縮し、常温から450℃への昇温する工程を繰り返すことになり生産性は非常に劣る。また、得られた成形品の引張り強度は最大で103MPa(1050kgf/cm)であるが、引張り破断伸度は10%程度であり不十分である。
上記の公知文献に記載されているポリイミド樹脂成形品の製造方法では、最終成形品を得るまでに多段階の工程を必要とし、加熱と冷却を繰り返すなど生産性に劣ることが問題点であり、かつ加熱圧縮成形時や焼結時の粉体どうしの融着が充分でないため、機械的強度のうち特に引張り特性(引張強度や伸度)が充分に満足できるものではなかった。また、得られた成形品についても、成形品自体の強度不足であったり、あるいは切削加工等によって種々の形状に二次加工する際に、引張り破断伸びが充分大きくないため、成形時に欠けるなど、二次加工時の生産性が高くないという問題があった。
特開平2−1122906号公報(第1頁) 特公昭49−005737号公報(第4頁、第5頁) 特許第2590213号公報、(第9頁〜11頁)
本発明では、ピロメリット酸二無水物の酸成分と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのジアミン成分を反応させて得られるポリイミド樹脂について、従来の製造方法と比べ芳香族ポリイミド成形品としての機械物性(特に引張り特性)が改善すること、ならびに連続生産性に優れる芳香族ポリイミド樹脂成形品の製造方法を提供することである。
すなわち、本発明は次のとおりであり。
1.ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを反応させて得られるポリイミド粉末であって、平均粒子径が0.1〜9μmかつイミド閉環率が50〜95%のポリイミド粉末を用いて、以下の2工程により芳香族ポリイミド成形品とする芳香族ポリイミド樹脂成形品の製造方法。
(1)ポリイミド粉末に、100℃未満で、294.2MPa(3000kgf/cm)を越え、980.7MPa(10000kgf/cm)以下の圧力をかけて圧粉体とする第一工程。
(2)第1工程で得られた圧粉体に、真空ないし不活性ガス雰囲気中、常圧、350〜500℃で加熱を行う第二工程。
2.前記ポリイミド粉末が、ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを反応させて得られ、溶液粘度ηinhが2.0を越え5.0以下のポリアミック酸を経て得られるものであることを特徴とする前記第1項記載のポリイミド樹脂成形品の製造方法。
3.前記工程(1)で得られるポリイミド粉末の圧粉体の広角X線回折法により測定される結晶化度が、0〜15%未満であることを特徴とする前記第1項または2記載のポリイミド樹脂成形品の製造方法。
本発明は、従来の技術に比べて、芳香族ポリイミド成形品に転化せしめる工程を簡略化することが可能であり、従来と比べて生産性を改善させた。本発明の製造法により得られた芳香族ポリイミド樹脂成形品は、機械物性(特に引張り特性)に優れている。
<ピロメリット酸二無水物と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテルを反応させて得られるポリイミド粉末>
平均粒子径0.1〜9μmのピロメリット酸二無水物と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテルを反応させて得られるポリイミド粉末は、たとえば、特許第2590213号公報に開示される方法などで得ることができる。
すなわち本発明に用いるポリイミド粉末は、下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位およびその閉環前駆体である一般式(2)等で表わされる繰り返し単位を構造単位とし、かつイミド閉環率が50〜95%、平均粒子径が0.1〜9.0μmであるポリイミド粉末であり、比表面積が5〜19m/gであることが好ましく、粉末は球状であることが好ましい。
Figure 2013107956
Figure 2013107956
(式中、Arは、下式(3)で表される構造の基である。)
Figure 2013107956
(式中、Arは、下式(4)で表される構造の基である。
Figure 2013107956
ここで、Arに関しては、本件発明に影響の無い範囲で以下の構造を共重合させてもよい。
Figure 2013107956
また、同様にArに関しては、本件発明に影響の無い範囲で以下の構造を共重合させてもよい。
Figure 2013107956
(ここでYは、−O−、−CH−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−から選ばれるいずれかである。)
<イミド閉環率>
本発明で用いるポリイミド粉末は、イミド閉環率が50〜95%のものを用いる。
ここで、イミド閉環率とは、とは、アミド酸がイミドに閉環された割合のことであり、本発明では、赤外吸収スペクトルで定量した値である。
すなわち前記一般式(1)で示すような構造を持つイミド基は、600cm−1付近に特性吸収を有しているため、ベンゼン環の振動に基づく890cm−1近傍の吸収を標準とし、両者の吸光度比αをイミド閉環率の指標とする。
α=(吸光度(600cm−1))/(吸光度(600cm−1)) (7)
次にイミド閉環が100%完結したと見なされる試料についてαを測定し、次式によりイミド閉環率を求める。被験体をさらに窒素(99.9%以上)雰囲気下400℃で4hr熱処理したものを、イミド閉環率100%の試料として用いる。
イミド閉環率(%)=α(被検体)/α(イミド閉環率100%)×100(%)(8)
本発明で用いるポリイミド粉末のイミド閉環率は50〜95%である必要があるが、イミド閉環率が95%を越えると、成形時の合着性(粉末が圧縮により互いに接着する性質)が極度に損なわれ、成形品の強度が低下するため好ましくない。また、50%未満では、成形時にガスの発生が多くなり、好ましくない。ポリイミド粉末の好ましいイミド閉環率は、80〜90%である。
<ポリアミック酸>
本発明におけるポリアミック酸とは、ポリイミド前駆体のことであり、加熱処理を行ったときにポリイミドを形成するものである。特に本発明では、前記(2)式の構造のものである。
<ポリイミド粉末の平均粒子径>
また、本発明で用いるポリイミド粉末は電子顕微鏡で観察して、粒子状のものであり、球状粉末が好ましい。本発明では、平均粒子径が0.1〜9μmのものを用いる必要がある。ポリイミド粉末の比表面積は、5〜19m/gを有することが好ましい。
ポリイミド粉末の平均粒子径の測定方法は、日機装製レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置MT3300EXIIを用い、分散媒としてポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル(商品名ノナール912A 東邦化学工業製 以後、ノナール912Aと称す)の0.5質量%水溶液を用いて測定した。具体的にはマイクロトラック法によるレーザーの散乱光を解析して得られる粒子の総体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブが50%となる点の粒子径(メジアン径:d50)を微粒子の平均粒子径とする。
ここで平均粒子径とは上記測定法で測定可能な粉末の1次粒子径である。平均粒子径は、好ましくは0.1〜9.0μmであり、さらに好ましくは0.1〜5μm、特に好ましくは0.1〜4.5μmである。平均粒子径が0.1μm未満では、2次凝集により、逆に粗大化するため好ましくなく、9μmを越えると、合着性が劣るため、得られる成形品の機械的強度(特に、引張破断伸び)が劣るため好ましくない。
また比表面積は、BET法による窒素ガス等温吸着試験により求めることができるが、5m/g未満では、合着性が乏しく好ましくなく、19m/gを越えると、かさ高くなりすぎ、極度に取り扱いにくくなるため好ましくない。
以上のように、本発明では、ポリイミド粉末として平均粒子径が特定範囲のものを用いることが重要である。このような粉末を得るためには、たとえば、特許第2590213号公報に開示される方法などにより得ることができる。
<結晶化度>
本発明の方法では、後で述べる第1工程により、圧粉体を得る。第1工程で得られる圧粉体の結晶化度が、0〜15%未満であることが好ましい。
ここで、結晶化度は、第一工程で得られる圧粉体(すなわち第2工程の焼結処理の前の成形品)を用いて、広角X線回折法により測定する。具体的には、2θ=10°、18.5°、30.0°を結んだ三角形を非晶部による散乱と仮定し、回折パターンをトレース紙に写しとって、その重量から結晶化度を算出する。
結晶化度(%)=結晶部重量(g)/全体の重量(g)×100 (7)
圧粉体の結晶化度が15%以上では、実質的に成形不能となり好ましくない。
<溶液粘度、ηinh>
本発明で用いるポリイミド粉末は、溶液粘度ηinhが2.0を越え、5.0以下のポリアミック酸を経て得られるものが好ましい。
ポリアミック酸の対数粘度は、JIS K7367−1(2002)に準拠して測定する。
具体的には、重合をモノマー濃度10重量%で行う場合、重合溶媒のN−メチル−2−ピロリドン溶媒中のポリアミド酸ポリマーの濃度も10wt%であることから、重合溶液の2.5g、すなわち樹脂量0.25gに相当量の重合液をメスフラスコに採取し、50mlのN−メチル−2−ピロリドンにて希釈して50mlとし、30℃でウベローデ粘度管を用いて測定したものをいう。詳しくは、次のとおり測定する。
樹脂量0.25gに相当する重合液を吸水しないように天秤(正確さ0.1mg)で50mlメスフラスコの秤量し(この樹脂量の値をx(g)とする。)、50mlメスフラスコに移し、N−メチル−2−ピロリドン溶媒40mlを加え、振とうして樹脂が溶解するまで攪拌する(このとき溶液の温度を30℃以上に加熱して溶解してはならない。)。溶解が完了後、50mlに定溶することによって、樹脂濃度C(g/dl)のN−メチル−2−ピロリドン溶液を調製する。
C(g/dl)=x(g)/50(ml)
ウベローデ粘度計は、30℃±0.05℃に制御した恒温槽に固定し、調製した樹脂溶液の流下時間(t)及び溶媒N−メチル−ピロリドンの流下時間(t0)を測定し、次の式で表される対数粘度を求める。下記の計算式により対数粘度を求める。対数粘度は、小数点以下3桁まで求め、3桁目を四捨五入した。
ηinh(dl/g)=〔In(t/t0)〕/c (9)
t0 : ブランク溶媒(DMAc)測定時間(秒)
t : サンプルの測定時間(秒)
c : ポリアミック酸の濃度(wt%)。
<ポリイミド粉末の具体的製造方法>
次に本発明のポリイミド粉末を得るための製造例を具体的に示す。
芳香族テトラカルボン酸二無水物および芳香族ジアミンの略等モルを、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒中、0〜80℃の温度条件で反応させポリアミック酸溶液とする。ここで得られたポリアミック酸は、一般式(2)で表わされる繰り返し単位を主要構造単位とする重合体である。またポリアミック酸の重合度は、対数粘度で0.2〜5.0dl/gが好ましい。
次にここに、アミド系溶媒に対し、1.0〜5.0倍体積の溶解度パラメーターが9.0〜10.0(cal/cm1/2であるポリアミック酸の貧溶媒、および脂肪族酸無水物を添加し、0〜100℃、好ましくは0〜60℃の温度条件で、化学的に脱水閉環し、ポリイミドとする。
なお、溶解度パラメーターは、各種溶媒について公知であり、例えば、Polymer Handbook Fourth Edition, John Wiley & Sons, Inc. 1999, 688−694頁に記載されている。
貧溶媒の具体例としては、アセトン(9.9)、メチルエチルケトン(9.3)、テトラヒドロフラン(9.1)、1,4−ジオキサン(10.0)、クロロホルム(9.3)、酢酸エチル(9.1)等を挙げることができるが特にアセトンが好ましい。(かっこ内は前記「Polymer Hand book」からの引用による、溶解度パラメーター値(cal/cm1/2)。
ここでアミド系溶媒と貧溶媒との体積比を調整することが好ましい。貧溶媒が少ないと、ゲル化がおきるか、もしくは1次粒子径の小さすぎる粉末が生じる。また貧溶媒が多すぎると、粒子径が大きくなりすぎ好ましくない。しかるに、アミド系溶媒に対し、特定の溶解度パラメーターを持つ貧溶媒を、特定量混合させることにより、本発明に係る球状ポリイミド粉末を得ることができる。ここでより好ましい実施態様として、ポリアミック酸として、ピロメリット酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルより得られるポリアミック酸、貧溶媒としてアセトン、アセトン/アミド系溶媒の体積比として、1.8〜4.0を挙げることができる。
脱水閉環剤となる脂肪族酸無水物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、酢酸ギ酸無水物等が挙げられるが、これらの添加量は、アミド酸単位に対し、0.8当量以上用いることが好ましい。又、脱水閉環反応の触媒として、3級アミンを添加すると、イミド化の速度を早めることができるが、このような3級アミンとしては、ピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,6−ルチジン、イソキノリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
以上のようにして、イミド化反応を行なわせると、微細なポリイミド粉末が懸濁した状態のスラリー状溶液が得られるが、これを減圧ろ過、遠心脱水、スプレードライ等の工程にかけ、粉末として取り出す。必要に応じてさらに洗浄した後、最終的には乾燥工程を経て、成形に供するポリイミド粉末とするが、この乾燥温度は通常250℃以下、好ましくは200℃以下が良い。乾燥温度250℃以上ではイミド閉環率が95%を越えてしまい好ましくない。また、本発明の手法によると、生成したポリイミドは自動的に50%以上のイミド閉環率を持っており、乾燥工程でイミド化を推進させる必要は特にない。
本発明のポリイミド粉末には、必要に応じて種々の添加剤を配合し、望ましい特性を付与することができるが、そのような添加剤の例としては、フッ素樹脂、グラファイト、二硫化モリブデン、マイカ、タルク、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミニウム、銀、鉛、銅、各種金属酸化物等が挙げられる。
<第一工程(圧粉体の成形)>
本発明の第一工程は、ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを反応させて得られるポリイミド粉末であって、平均粒子径が0.1〜9μmかつイミド閉環率が50〜95%のポリイミド粉末を用いて、本発明の第一工程である圧粉体の成形を行う際、ポリイミド粉末に、100℃未満で、294.2MPa(3000kgf/cm)を越え、980.7MPa(10000kgf/cm)以下の圧力をかけて圧粉体とする工程である。
この工程は、通常室温以上(15℃以上)100℃未満で行う。
294.2(3000kg/cm)以下の成形圧力では、プレス回数を1回から5回等にして物性が改善される傾向となるが、物性改善は確認できない。一方、成形圧力を室温で294MPa(3000kgf/cm)を越え、好ましくは314MPa(3200kgf/cm)以上にすることで、プレス回数は1回でも、成形品の機械物性を改善することができる。
さらに好ましくは、327MPa(3200kgf/cm)以上にすることで、プレス回数は1回であっても機械物性は大幅に改善される。
ここで圧力とは、金型キャビティの投影面積にかける実際の圧力である、例えば50mmm×50mmの角板に対して、314MPa(3200kgf/cm)の成形圧力とする場合は、角板の投影面積25cmに対し加重を784500N(80000kgf)かけることで達成できる。
すなわち具体的には以下のとおり行う。例えば内径で50mm×50mmの角板型キャビティを有する金型中に、ポリイミド粉末の約10gを充填し、室温において所望の圧力314、333、373、481MPa(3200、3400、3800、5000kgf/cm等の所望の圧力)をかけ約1分間保ち、常圧に戻した後金型キャビティより圧粉体を取り出し、第一工程の圧粉体を得る。
これにより、本発明における第一工程の圧粉体として、約50mm×約50mm×約3mmtの圧粉体の角板を得ることができる。
なおここで例えば、50mm×50mmの角板を製造する金型においてキャビティ内4隅のコーナーRは、金型鋼材にもよるが、成形圧力を2294MPa(3000kgf/cm)の場合のコーナーRを3mmとした場合、481MPa(5000kgf/cm)に昇圧する場合には、コーナーRを6mmにする方が、金型のコーナーRにかかる応力集中を緩和し金型を破損から保護することができる。
一方、980.7MPa(10000kgf/cm)を上回る圧力をかけて圧粉体とする場合には、金型破損を予防するための金型キャビティデザインの面からはコーナーRのみならず制約が多くなり、かつ金型保護の面から好ましくない。
<第二工程(ポリイミド粉末の焼結工程)>
ポリイミド樹脂成形品の製造における圧粉体を焼結処理する方法、すなわち本発明における圧粉体を真空ないし不活性ガス雰囲気中、圧力を加えないで、350℃から500℃の加熱を行う第二工程は、以下の方法で行う。
第二工程は、第一工程で得た圧粉体を、焼結処理を行う工程である。焼結処理は、真空ないし、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行う。通常は、窒素気流下(窒素雰囲気(99.9%)下)350℃から500℃の温度下で焼結処理を行う。
なお不活性ガス雰囲気中とは、不活性ガス濃度99.9%以上の雰囲気である。真空とは、0から5torrの真空度である。
具体的には例えば、第一工程で作成した圧粉体を、窒素濃度99.9%以上の雰囲気を維持できる熱風オーブンで、昇温は2℃/minで常温から400℃に昇温し、400℃で2hr保持し処理後、50℃/minで降温し250℃以下になったところでオーブンから取り出す。
焼結処理をする時間は、0.1〜300時間が好ましく、さらに好ましくは、1〜5時間である。
<成形品の用途>
本発明で得られる芳香族ポリイミド成形品は、優れた耐熱性、機械特性、摺動特性等を有しており、電気、電子機器部品、自動車部品、事務機部品、航空機部品等の有用である。
以下の実施例、比較例ではポリアミック酸、ポリイミド粉末、成形品の物性評価を以下の方法で行った。
<ポリアミック酸の溶液粘度ηinh>
ポリアミック酸の対数粘度は、JIS K7367−1(2002)に準拠して測定した。
樹脂量0.25gに相当する重合液を吸水しないように天秤(正確さ0.1mg)で50mlメスフラスコの秤量し(この樹脂量の値をx(g)とする。)、50mlメスフラスコに移し、N−メチル−2−ピロリドン溶媒40mlを加え、振とうして樹脂が溶解するまで攪拌する(このとき溶液の温度を30℃以上に加熱して溶解してはならない。)。溶解が完了後、50mlに定溶することによって、樹脂濃度C(g/dl)のNーメチル−2−ピロリドン溶液を調製する。
C(g/dl)=x(g)/50(ml)
ウベローデ粘度計は、30℃±0.05℃に制御した恒温槽に固定し、調製した樹脂溶液の流下時間(t)及び溶媒N−メチル−ピロリドンの流下時間(t0)を測定し、次の式で表される対数粘度を求める。下記の計算式により対数粘度を求める。対数粘度は、小数点以下3桁まで求め、3桁目を四捨五入した。
ηinh(dl/g)=〔In(t/t0)〕/c (9)
t0 : ブランク溶媒(DMAc)測定時間(秒)
t : サンプルの測定時間(秒)
c : ポリアミック酸の濃度(wt%)。
<ポリイミド粉末の平均粒子径(メジアン粒径)>
日機装製レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置MT3300EXIIを用い、分散媒としてポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル(商品名ノナール912A 東邦化学工業製 以後、ノナール912Aと称す)の0.5質量%水溶液を用いて測定した。具体的にはマイクロトラック法によるレーザーの散乱光を解析して得られる粒子の総体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブが50%となる点の粒子径(メジアン径:d50)を粉末の平均粒子径とした。
<ポリイミド粉末のイミド閉環率>
ポリイミド粉末の赤外吸収スペクトルで定量した。
赤外吸収スペクトルによる、600cm−1付近の吸光度を890cm−1近傍の吸光度を標準とし、吸光度比αをイミド閉環率の指標とした。
α=(吸光度(600cm−1))/(吸光度(600cm−1)) (7)
次に被験体をさらに窒素(99.9%以上)雰囲気下400℃で4hr熱処理したものをイミド閉環が100%完結したとみなし、αを測定し、次式によりイミド閉環率を求めた。
イミド閉環率(%)=α(被検体)/α(イミド閉環率100%)×100(%)(8)。
<引張り試験>
試験片(約50mm×約50mm×約3mmt)用い10mm×50mm×3mmtの短冊状試験片に切削し、引張り試験を行った。
引張り試験は、チャック間距離(試験片標点間距離)を25mmにし、引張り速度1mm/minで破壊に到る最大加重と変形量を求めた。
この引張り試験での破壊荷重と試験片の断面積から引張り強度(MPa)を、破壊に致る変形量から引張り破断伸び(%)を求めた。
引張り強度(MPa)=破壊荷重(N)/試験片断面積(mm
破断伸度(%)=破断伸び量(mm)/試験片標点間距離(mm)×100。
<圧縮試験>
ISO604に準拠する。なお本発明では、この試験片(約φ10mm×10mm)用いて圧縮試験を行った。
圧縮試験は、ひずみ速度1mm/minで破壊に到る最大加重を求めた。圧縮試験での破壊荷重と試験片の断面積と圧縮強度(MPa)を求めた。
引圧縮強度(MPa)=破壊荷重(N)/試験片断面積(mm)。
<ポリイミド粉末の製造例(A)>
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)75.18g(0.375mol)を1.2L(リットル)のN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し、これにピロメリット酸二無水物(PMDA)82.12g(0.375mol)を徐々に加えた、添加終了後、さらに1時間攪拌を続けたところ、ηinh(DMAc中、濃度0.5g/dl、30℃で測定)が3.2のポリアミック酸溶液が得られた。
次にこれを、水浴で40℃に温調し、2.5L(リットル)のアセトンを徐々に加えて、均一な溶液とした。
激しく攪拌しながら、無水酢酸180mlおよびピリジン360mlを加えたところ、約5分後に、ポリイミドの黄色い粉末が析出した。これをろ過し、アセトンで洗浄した後、空気中160℃で5時間乾燥したところ、109g(理論収量124.33g)のポリイミド粉末が得られた(収率87.6%)。
このポリイミド粉末は表1に示すような特性を持つ平均粒子径2.5μmの粉末であった。平均粒子径は、日機装製レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置MT3300EXIIを用いて測定しメジアン径(d50)を微粒子を平均粒子径とした。
イミド化率は、粉体のIRスペクトルを測定し600cm−1付近に特性吸収ピークと、890cm−1近傍の吸収ピークを標準とし、両者の吸光度比αをイミド閉環率の指標とし前項(7)(8)式より求めた。
<ポリイミド粉末の製造例(B)>
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)60.07g(0.3mol)を1.2L(リットル)のN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し、これにピロメリット酸二無水物(PMDA)65.44g(0.3mol)を徐々に加えた、添加終了後、さらに1時間攪拌を続けたところ、ηinh(DMAc中、濃度0.5g/dl、30℃で測定)が3.3のポリアミック酸溶液が得られた。次にこれを、水浴で40℃に温調し、2.75L(リットル)のアセトンを徐々に加えて、均一な溶液とした。
激しく攪拌しながら、無水酢酸180mlおよびピリジン360mlを加えたところ、約5分後に、ポリイミドの黄色い粉末が析出した。これをろ過し、アセトンで洗浄した後、空気中160℃で5時間乾燥したところ、111gのポリイミド粉末が得られた(収率89.0%)。
このポリイミド粉末は表1に示すような特性を持つ平均粒子径11μmの粉末であった。
イミド化率は、前項製造例(A)と同様に求めた。
<ポリイミド粉末の製造例(C)>
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)60.07g(0.3mol)を1.2L(リットル)のN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し、これにピロメリット酸二無水物(PMDA)65.44g(0.3mol)を徐々に加えた、添加終了後、さらに1時間攪拌を続けたところ、ηinh(DMAc中、濃度0.5g/dl、30℃で測定)が3.4のポリアミック酸溶液が得られた。次にこれを、水浴で40℃に温調し、3.0L(リットル)のアセトンを徐々に加えて、均一な溶液とした。
激しく攪拌しながら、無水酢酸180mlおよびピリジン360mlを加えたところ、約5分後に、ポリイミドの黄色い粉末が析出した。これをろ過し、アセトンで洗浄した後、空気中160℃で5時間乾燥したところ、113gのポリイミド粉末が得られた(収率91.0%)。
このポリイミド粉末は表1に示すような特性を持つ平均粒子径20μmの粉末であった。
イミド化率は、前項製造例(A)と同様に求めた。
<ポリイミド粉末の製造例(D)>
製造例(A)と同様な方法でポリアミック酸を重合した後、特公昭39−30060号公報に開示されている方法に従い、次のように溶液中加熱イミド化を行った。すなわち、ポリイミド酸溶液に、ピリジン30mlを添加後、油浴で150℃に加熱し、1時間攪拌した。冷却後、沈殿をろ過し、アセトンで洗浄した後、空気中、160℃で5時間乾燥し、98gのポリイミド粉末を得た(収率78.8%)。
このポリイミド粉末は表1に示すような特性を持つ平均粒子径4μmの粉末であった。
この粉末の特性を表1に示したが、イミド閉環率が98%であり、また圧粉体の結晶化度が高いことが大きな特徴である。
続いて成形を行ったが、上記2点の特徴のため粉末の合着性が全くなく、手で簡単に折れるようなもろい成形品しか得られなかった。また、粉末の形状は球状であったが、実施例1の粉末に比べ、かさ高く、取り扱いにくかった。これは、比表面積が非常に大きいことからもわかるように、ミクロポーラスな構造をしているためと考えられる。
<ポリイミド粉末の製造例(E)>
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)75.18g(0.375mol)を1.2L(リットル)のN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し、これにピロメリット酸二無水物(PMDA)27.33g(0.125mol)と3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)80.56g(0.25mol)を徐々に加えた、添加終了後、さらに1時間攪拌を続けたところ、ηinh(DMAc中、濃度0.5g/dl、30℃で測定)が2.6のポリアミック酸溶液が得られた。
次にこれを、水浴で40℃に温調し、2.5L(リットル)のアセトンを徐々に加えて、均一な溶液とした。
激しく攪拌しながら、無水酢酸180mlおよびピリジン360mlを加えたところ、約5分後に、ポリイミドの黄色い粉末が析出した。これをろ過し、アセトンで洗浄した後、空気中160℃で5時間乾燥したところ、102g(理論収量124.33g)のポリイミド粉末が得られた(収率82.0%)。
このポリイミド粉末は表1に示すような特性を持つ平均粒子径3.4μmの粉末であった。
実施例1
製造例Aで製造したポリイミド粉末(A)を用いて、内径で縦50mm×横50mmの角板型キャビティを有する金型中に、ポリイミド粉末(A)約10gを充填し、室温において所望の圧力314MPa(3200kgf/cm)をかけ約1分間保ち、常圧に戻した後金型キャビティより圧粉体を取り出し、第一工程の圧粉体を得た。この圧粉体を用いて(第二工程焼結の前)、X線回折法による結晶化度を測定した。次に第一工程で作成した圧粉体を、窒素濃度99.9%以上の雰囲気を維持できる熱風オーブンで、昇温は2℃/minで常温から400℃に昇温し、400℃で2hr保持し処理後、50℃/minnで降温し250℃℃以下になったところでオーブンから取り出した。
得られた成形品を、10mm×50mm×3mmtの試験片に切削加工した。
得られた試験片を用いて、引張り試験を行い、引張り強度(MPa)と引張り破断伸び(%)を測定した(引張り速度:1mm/min)。測定結果を表1に示す。
実施例2
成形圧力を333MPa(3400kgf/cm)にし、それ以外の条件は実施例1と同様の試験を行った。
実施例3
成形圧力を373MPa(3800kgf/cm)にし、それ以外の条件は実施例1と同様の試験を行った。
実施例4
圧粉体を成形する際、成形圧力を373MPa(3800kgf/cm)にて圧粉体とした後、圧粉体を金型から取り出さずに再度成形圧力を373MPa(3800kgf/cm)にてプレス行い、このプレス回数を3回行った後、厚保粉体を金型から取り出した。それ以外の条件は実施例1と同様の試験を行った。
実施例5
圧粉体を成形する際、成形圧力を373MPa(3800kgf/cm)にて圧粉体とした後、圧粉体を金型から取り出さずに再度成形圧力を373MPa(3800kgf/cm)にてプレス行い、このプレス回数を5回行った後、厚保粉体を金型から取り出した。それ以外の条件は実施例1と同様の試験を行った。
実施例6
製造例Aで製造したポリイミド粉末(A)を用いて、内径で直径φ10mmの円筒型キャビティを有する金型中に、ポリイミド粉末(A)約10gを充填し、室温において所望の圧力314MPa(3200gf/cm)をかけ約1分間保ち、常圧に戻した後金型キャビティより圧粉体を取り出し、第一工程の圧粉体を得た。この圧粉体を用いて(第二工程焼結の前)、X線回折法による結晶化度を測定した。次に第一工程で作成した圧粉体を、窒素濃度99.9%以上の雰囲気を維持できる熱風オーブンで、昇温は2℃/minで常温から400℃に昇温し、400℃で2hr保持し処理後、50℃/minnで降温し250℃以下になったところでオーブンから取り出した。
得られた試験片を用いて、圧縮試験を行い、圧縮強度(MPa)を測定した。測定結果を表2に示す。
実施例7
製造例Aで製造したポリイミド粉末(A)を用いて、内径で直径φ10mmの円筒型キャビティを有する金型中に、ポリイミド粉末(A)約10gを充填し、室温において所望の圧力918MPa(9363kgf/cm)をかけ約1分間保ち、常圧に戻した後金型キャビティより圧粉体を取り出し、第一工程の圧粉体を得た。それ以外は実施例6と同様の試験を行った。
比較例1 (1)
製造例Aで製造したポリイミド粉末(A)を用いて、内径で50mm×50mmの角板型キャビティを有する金型中に、ポリイミド粉末(A)約10gを充填し、室温において所望の圧力294MPa(3000kgf/cm)をかけ、それ以外は実施例1と同様の試験を行った。
比較例1 (2)
比較例1(1)圧粉体の成形圧力を192MPa(1960kgf/cm)とし、それ以外は実施例1と同様の試験を行った。
比較例2
製造例Aで製造したポリイミド粉末(A)を、200℃16hの熱風乾燥機で処理し、イミド化率100%のポリイミド粉末とした。このイミド化率100%の粉体を用いて、成形圧力を373MPa(3800kgf/cm)にし、それ以外の条件は実施例1と同様の試験を行った。
比較例3
製造例Bで製造したポリイミド粉末(B)を用いて、成形圧力を373MPa(3800kgf/cm)にし、それ以外の条件は実施例1と同様の試験を行った。
比較例4
製造例Cで製造したポリイミド粉末(C)を用いて、成形圧力を373MPa(3800kgf/cm)にし、それ以外の条件は実施例1と同様の試験を行った。
比較例5
製造例Cで製造したポリイミド粉末(C)を用いて、200℃16hの熱風乾燥機で処理を行い、イミド化率100%のポリイミド粉末とした。このイミド化率100%の粉体を用いて、成形圧力を373MPa(3800kgf/cm)にし、圧粉体の成形条件は実施例5と同様の成形を行った。試験は実施例1と同様に実施した。
比較例6
製造例Dで製造したポリイミド粉末(D)を用いて、成形圧力を373MPa(3800kgf/cm)にし、それ以外の条件は実施例5と同様の試験を行った。
比較例7
製造例Eで製造したポリイミド粉末(D)を用いて、成形圧力を373MPa(3800kgf/cm)にし、それ以外の条件は実施例5と同様の試験を行った。
Figure 2013107956
Figure 2013107956

Claims (3)

  1. ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを反応させて得られるポリイミド粉末であって、平均粒子径が0.1〜9μmかつイミド閉環率が50〜95%のポリイミド粉末を用いて 、以下の2工程により芳香族ポリイミド成形品とする芳香族ポリイミド樹脂成形品の製造方法。
    (1)ポリイミド粉末に、100℃未満で、294.2MPaを越え、980.7MPa以下の圧力をかけて圧粉体とする第一工程。
    (2)第1工程で得られた圧粉体に、真空ないし不活性ガス雰囲気中、常圧、350〜500℃で加熱を行う第二工程。
  2. 前記ポリイミド粉末が、ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを反応させて得られ、溶液粘度ηinhが2.0を越え5.0以下のポリアミック酸を経て得られるものであることを特徴とする請求項1記載のポリイミド樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記工程(1)で得られるポリイミド粉末の圧粉体の広角X線回折法により測定される結晶化度が、0〜15%未満であることを特徴とする請求項1または2記載のポリイミド樹脂成形品の製造方法。
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