JP2019123864A - 樹脂組成物、硬化膜、硬化膜のレリーフパターンの製造方法、電子部品、半導体装置、電子部品の製造方法、半導体装置の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、硬化膜、硬化膜のレリーフパターンの製造方法、電子部品、半導体装置、電子部品の製造方法、半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】200℃以下の低温硬化が可能でありながら、UVレーザーにより、微細なパターン形成が可能な硬化膜が得られ、高信頼性の電子部品、半導体装置が得られるアブレーション加工用の樹脂組成物を提供する。【解決手段】(a)樹脂、(b)溶剤を含有する樹脂組成物であって、前記(a)樹脂が、イミド化率5%以上90%未満のポリイミド前駆体構造を有する樹脂である、UVレーザーを用いたアブレーション加工用の樹脂組成物。【選択図】図3

Description

本発明は、樹脂組成物に関する。より詳しくは、半導体素子等の表面保護膜、層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに好適に用いられる樹脂組成物に関する。
従来、電子機器の半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜等には、耐熱性や機械特性等に優れたポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂などが広く使用されている。ポリイミドやポリベンゾオキサゾールを表面保護膜または層間絶縁膜として使用する場合、スルーホール等の形成方法の1つは、ポジ型のフォトレジストを用いるエッチングである。しかし、この方法では、フォトレジストの塗布や剥離の工程が必要であり、煩雑であるという問題がある。そこで作業工程の合理化を目的に感光性が付与された耐熱性材料の検討がなされてきた。
通常、ポリイミドやポリベンゾオキサゾールは、それらの前駆体の塗膜を熱的に脱水閉環させて優れた耐熱性および機械特性を有する薄膜を得る。その場合、通常350℃前後の高温焼成を必要とする。ところが、例えば次世代メモリとして有望なMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory:磁気抵抗メモリ)や、封止樹脂は、高温に弱い。そのため、このような素子の表面保護膜や、封止樹脂上に再配線構造を形成するファンアウトウエハレベルパッケージの層間絶縁膜に用いるために、約250℃以下の低温での焼成で硬化し、従来の材料を350℃前後の高温で焼成した場合と遜色ない、信頼性の高い膜特性が得られるポリイミド樹脂またはポリベンゾオキサゾール樹脂が求められている。
また、近年の半導体パッケージは、高集積化、小型化および高速度化の要請に伴い、配線の微細化が進んでいる。これに伴い、表面保護膜や層間絶縁膜等においても微細なパターンが形成できる感光性樹脂組成物が求められてきた。
一方で耐熱性樹脂組成物を半導体等の用途に用いる場合、加熱硬化後の膜はデバイス内に永久膜として残る。このため、加熱硬化後の膜の物性が重要であり、実使用の加速試験である信頼性評価後の硬化膜の物性、特に伸度について、要求仕様を満たすことを確認した上で半導体パッケージに供される。また、半導体パッケージにおける信頼性として、半導体チップ表面に形成される材料との密着性が重要である。とりわけウエハレベルパッケージの配線層間の絶縁膜などの用途として用いる場合は、電極や配線などに用いる金属材料との密着性が重要となる。ところが、上記の低温硬化可能な樹脂を含む樹脂組成物はこれら配線材料として用いられる金属との密着性が低いという課題があった。特に、パターンが形成できる感光性樹脂組成物から形成された樹脂硬化膜の場合、組成物を構成する感光剤、増感剤、酸発生剤および溶解調整剤などの添加物が加熱硬化後も硬化膜中に残留しているため、添加物を含有していないものよりも密着強度は低く、物性も低いものであった。
これらの課題に対して、感光性樹脂に銅変色防止剤を添加することで、銅腐食を抑制する感光性樹脂組成物(特許文献1参照)、脂肪族基を有するポリベンゾオキサゾールに複素環状化合物を添加することで、銅への密着性や高伸度が得られる感光性樹脂組成物(特許文献2参照)が開示されている。
また、感光性樹脂組成物以外にも、感光剤を用いず、脂肪族基を用いた既閉環ポリイミドを炭酸レーザーで加工する検討(特許文献3参照)や、回路基板用途としてフッ素樹脂と他樹脂の混合により得られた膜をアブレーション加工した硬化膜の例が報告されている(特許文献4参照)。
特開2011−169980号公報 特開2010−96927号公報 国際公開第2010/143667号 特開平7−235743号公報
しかしながら、感光性樹脂に銅変色防止剤を添加した感光性樹脂組成物や、脂肪族基を有するポリベンゾオキサゾールに複素環状化合物を添加した感光性樹脂組成物の硬化膜は、高温保持試験、恒温高湿試験、熱サイクル試験などの信頼性評価後の伸度や強度が低く、多層構造になった場合、硬化膜にクラックが発生したり、また金属配線からの剥離が起こる問題があった。また、脂肪族基を用いた既閉環ポリイミドはレーザー加工による発生する熱によりパターンに残渣が残ったり、形状に異常が起こる問題があるとともに、強度が低く、ウエハレベルパッケージの配線層間の絶縁膜などの用途に用いる場合は信頼性評価後にクラックが発生する問題があった。また、フッ素樹脂を有する膜についても、伸度・強度ともに弱いため微細な配線を形成する半導体パッケージにおいてはクラックが発生するとともに、フッ素樹脂が紫外線の吸収をもたないため、アブレーション加工においても残渣のない微細なパターンの形成が困難な問題があった。
本発明は上記のような従来技術に伴う課題を鑑みてなされたものであり、200℃以下の低温硬化が可能でありながら、UVレーザーにより、微細なパターン形成が可能な硬化膜が得られ、高信頼性の電子部品、半導体装置が得られるアブレーション加工用の樹脂組成物を提供する。
上記課題を解決するため、本発明は次の各構成を特徴とするものである。
[1](a)樹脂、(b)溶剤を含有する樹脂組成物であって、
前記(a)樹脂が、イミド化率5%以上90%未満のポリイミド前駆体構造を有する樹脂である、UVレーザーを用いたアブレーション加工用の樹脂組成物。
[2]前記樹脂組成物を硬化した硬化膜の引っ張り伸度が50%以上、引っ張り強度が150〜450MPaである[1]に記載の樹脂組成物。
[3]さらに、(c)塩基性添加剤を含有する[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4](a)樹脂が、カルボン酸残基を含み、前記カルボン酸残基のエステル化率が10%以上90%未満である[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5](a)樹脂におけるカルボン酸残基のエステル化した置換基が分子量100以下のアルキル基またはおよびアルキルエーテル基である[4]に記載の樹脂組成物。
[6]前記(a)樹脂に含まれる全カルボン酸残基と全アミン残基を合わせたもの全体を100モル%として、一般式(1)で表される構造を含有するジアミン残基およびカルボン酸残基を合わせた残基の割合が10〜99モル%である[1]〜[5]のいずれに記載の樹脂組成物。
Figure 2019123864
(一般式(1)中、Rは水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。a、bは0〜4の整数である。*印は結合部を表す。)
[7]前記(a)樹脂が、脂環式ジアミン残基を有し、かつ、2個以上のベンゼン環が単結合で結合されたカルボン酸残基構造を有し、
脂環式ジアミン残基は、一般式(2)、一般式(3)、および一般式(4)からなる群から選ばれる1つ以上の構造を有するものである、[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
Figure 2019123864
(一般式(2)中、*印は結合部を表す。)
Figure 2019123864
(一般式(3)中、R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子またはメチル基またはトリフルオロメチル基を表す。また、mは1〜10の範囲内の整数を表す。また、*印は結合部を表す。)
Figure 2019123864
(一般式(4)中、R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子またはメチル基またはトリフルオロメチル基を表す。また、*印は結合部を表す。)
[8]前記(c)塩基性添加剤がpH9.5〜11.5の添加剤であり、前記(a)樹脂100質量部に対する(c)塩基性添加剤の含有量が0.1質量部〜10質量部である[3]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9]前記(c)塩基性添加剤が2以上の置換基を有するイミダゾール誘導体であることを特徴とする[3]〜[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10]前記(a)樹脂が、イミド化率20%以上70%未満のポリイミド前駆体構造を有する樹脂である[1]〜[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11]さらに、(d)架橋剤を含有し、前記(d)架橋剤が3以上のメチロール基、またはアルコキシメチル基を有する[1]〜[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12]さらに、(e)界面活性剤を含有し、前記(e)界面活性剤がアクリル重合物であることを特徴とする[1]〜[11]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[13][1]〜[12]に記載の樹脂組成物を硬化した硬化膜が、UVレーザーによってアブレーション加工された硬化膜。
[14]前記UVレーザーがエキシマレーザーであることを特徴とする[13]に記載の硬化膜。
[15]前記UVレーザーがKrFのエキシマレーザーであることを特徴とする[14]に記載の硬化膜。
[16][1]〜[12]のいずれかに記載の樹脂組成物を基板上に塗布する工程と、180℃以下で加熱処理する工程と、UVレーザーによってアブレーション加工する工程を含む、硬化膜のレリーフパターンの製造方法。
[17][13]〜[15]のいずれかに記載の硬化膜が、再配線間の層間絶縁膜として配置された、電子部品または半導体装置。
[18]前記再配線が銅金属配線であり、前記銅金属配線の幅と隣り合う配線同士の間隔が5μm以下である、[17]に記載の電子部品または半導体装置。
[19][13]〜[15]のいずれかに記載の硬化膜が、シリコンチップが配置された封止樹脂基板上に、再配線間の層間絶縁膜として配置された、[17]または[18]に記載の電子部品または半導体装置。
[20][17]記載の再配線層が、半導体チップに近づくにつれ、金属配線の幅と隣り合う配線同士の間隔が狭くなる[17]〜[19]に記載の半導体電子部品または半導体装置。
[21][13]〜[15]のいずれかに記載の硬化膜を、仮貼り材料が配置された支持基板上に再配線間の層間絶縁膜として配置する工程と、
その上にシリコンチップと封止樹脂を配置する工程と、
その後、仮貼り材料が配置された支持基板と再配線を剥離する工程を含む、
電子部品または半導体装置の製造方法。
200℃以下の低温硬化が可能でありながら、UVレーザーにより、微細なパターン形成が可能な硬化膜が得られ、高信頼性の電子部品、半導体装置が得られるアブレーション加工用の樹脂組成物を提供する。
バンプを有する半導体装置のパット部分の拡大断面を示した図である。 バンプを有する半導体装置の詳細な作製方法を示した図である。 本発明の実施例を示す半導体装置のパッド部分の拡大断面図である。 本発明の実施例を示すインダクタ装置のコイル部品の断面図である。 RDLファーストにおける半導体装置作製方法を示した図である。 TFT基板の一例の断面図である。
本発明の樹脂組成物は、(a)樹脂、(b)溶剤を含有する樹脂組成物であって、
前記(a)樹脂が、イミド化率5%以上90%未満のポリイミド前駆体構造を有する樹脂である、UVレーザーを用いたアブレーション加工用の樹脂組成物である。
前記(a)樹脂におけるポリイミド前駆体構造は、イミド化率が5%以上90%未満であることを特徴とする。イミド化率が5%以上の場合、ポリイミド前駆体のカルボン酸量が少なくなり、熱硬化する際に、ポリイミド前駆体のカルボン酸と金属配線が相互作用することで発生する金属拡散が抑制される。このため、硬化膜は、金属成分の含有量が低くなり、UVレーザーを用いたアブレーション加工において残渣のない微細なパターン(高解像度)が得られる。また、金属腐食が抑制されるため密着力を向上できる。さらに、ポリイミド前駆体が熱硬化時に開裂することで発生する膜特性の低下についても抑制できるため、UVレーザーを用いたアブレーション加工に適した膜物性が得られ、信頼性の高い硬化膜が得られるため好ましい。
また、イミド化率が90%未満の場合、塗布膜において、イミド基によるポリマーの部分的な凝集を抑制することができるため、硬化膜のUVレーザーを用いたアブレーション加工時に残渣のない微細なパターンが得られ、高解像度かつ信頼性の高い硬化膜が得られるため好ましい。
膜物性・金属密着とアブレーション加工性のバランスから、ポリイミド前駆体構造のイミド化率は20%以上が好ましく、30%以上がさらに好ましい。また、70%未満が好ましく、50%未満がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物を硬化した硬化膜の引っ張り伸度は50%以上、引っ張り強度は150〜450MPaであることが好ましい。
伸度が50%以上かつ強度が150MPa以上である場合、UVレーザー照射時にパターン加工界面での硬化膜の分解・劣化が抑制でき、また、伸度が50%以上かつ引っ張り強度は450MPa以下である場合、エネルギー照射時間が短くともパターン加工が可能であるため、形状に異常が起こらず、微細なパターン形成できる。このため、信頼性評価にも耐え得る高解像度なパターンが得られる。
本発明において、ポリイミド前駆体は、一般式(5)で表される構造を有する樹脂構造を意味する。
Figure 2019123864
(一般式(5)中、Rは3〜6価の有機基を示し、Rは2価の有機基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。mは1〜4の整数であり、nは10から100000までの整数である。)
一般式(5)中、は、R、Rは、架橋性や密着力向上のためフェノール性水酸基や脂肪族鎖を有していてもよいが、アブレーション加工後のパターン異常や残渣が抑制できるため、フェノール性水酸基のない芳香族基であることが好ましい。また、フッ素を有さないことが好ましい。フッ素は紫外線領域での吸収を持たないため、紫外線領域の吸収をもつ樹脂や添加剤を含有していたとしても、アブレーション加工時で微細なパターン形成を形成する際には除去できず残渣が発生し、また、分子鎖や金属との相互作用が抑制されることで物性の低下・密着力の低下が起こるため、フッ素を有さないことが好ましい。
上記一般式(5)中、Rは酸二無水物、またはトリメリット酸の残基を表しており、3価〜6価の有機基である。
前記酸二無水物として具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、9,9−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}フルオレン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシ−2−シクロペンタン酢酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−ノルボルナン酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンおよび下記式に示した構造の酸二無水物や、これらの芳香族環や炭化水素の水素原子の一部を、炭素数1〜10のアルキル基やなどで置換した化合物、トリカルボン酸一無水物としては、トリメリト酸無水物(1,2,4−トリカルボキシベンゼン−1,2無水物)、ヘミメリト酸無水物(1,2,3−トリカルボキシベンゼン−1,2無水物)、2,3,5−トリカルボキシナフタレン−2,3−無水物、4−(4−カルボキシフェノキシ)フタル酸無水物、1,2,4−カルボキシシクロヘキサン−1,2無水物、1,2,3−トリカルボキシシクロプロパン−1,2無水物、1,2,3−トリカルボキシシクロブタン−1,2無水物、アコニチン酸無水物等を挙げることができるが、これらに限定されない。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される
Figure 2019123864
16は酸素原子、C(CHまたはSOを、R17およびR18は水素原子、水酸基またはチオール基を表す。
これらのうち、高強度・高伸度の硬化膜により良好なアブレーション加工が可能になるため、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、9,9−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}フルオレン酸二無水物が好ましい。この中でも、引っ張り伸度が50%以上、引っ張り強度が150〜450MPaの硬化膜を得るためには、2個以上のベンゼン環が単結合で結合されたカルボン酸残基構造である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましく、これらの酸無水物をポリイミド前駆体に含まれる全カルボン酸残基を100モル%として、50〜100モル%用いることが好ましい。さらに高伸度でアブレーション加工に優れた硬化膜が得られるため、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物を用いることがより好ましい。また、硬化時のポリイミド前駆体の開裂を抑制できるため、酸二無水物残基はエステル化されていた場合にも、高伸度が得られるため好ましい。
一般式(5)中のRは2価の有機基を示し、ジアミン由来の有機基を表している。
芳香族を有するジアミン残基の具体的な例としては、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニルなどの芳香族ジアミンや、これらの芳香族環や炭化水素の水素原子の一部を、炭素数1〜10のアルキル基やなどで置換した化合物などを挙げることができるが、これらに限定されない。共重合させる他のジアミンは、そのまま、あるいは対応するジイソシアネート化合物、トリメチルシリル化ジアミンとして用いることができる。また、これら2種以上のジアミン成分を組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、高強度および高伸度の硬化膜により良好なアブレーション加工が可能になるため、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンが好ましい。この中でも、引っ張り伸度が50%以上、引っ張り強度が150〜450MPaの硬化膜を得るためには、ビス(3,3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを用いることが好ましく、これらのジアミンをポリイミド前駆体に含まれる全ジアミン残基を100モル%として、15〜98モル%用いることが好ましい。さらに高伸度でアブレーション加工に優れた硬化膜が得られるため、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いることがさらに好ましい。
また、引っ張り強度が150〜450MPaの硬化膜を得るためには、樹脂組成物の硬化温度は150℃〜350℃が好ましく、170℃〜200℃がより好ましい。
本発明において、前記ポリイミド前駆体に含まれる全カルボン酸残基と全アミン残基を合わせたもの全体を100モル%として、一般式(1)で表される構造を含有するジアミン残基およびカルボン酸残基を合わせた残基の割合が10〜99モル%であることが好ましい。
Figure 2019123864
(一般式(1)中、Rは水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。a、bは0〜4の整数である。*印は結合部を表す。)
炭素数1〜20の有機基としては、炭素数1〜20のアルキル基、アルキレンエーテル基、フルオロアルキル基、芳香族基などが挙げられる。
なお、前記ポリイミド前駆体におけるカルボン酸残基とアミン残残基は、イミド化している部位を含むものとする。
ポリイミド前駆体に含まれる全カルボン酸残基と全アミン残基を合わせたもの全体を100モル%として、一般式(1)で表される構造を含有するジアミン残基およびカルボン酸残基を合わせた残基の割合が10モル%以上において、高強度、高伸度および高密着な硬化膜が得られると共に、アブレーション加工時に適した吸光度が得られ、高解像度なパターンが得られるため好ましい。また、基板との密着力が非常に高い場合、アブレーション加工後にも、除去困難な硬化膜が残渣として残りやすいため、一般式(1)で表される構造を含有するジアミン残基およびカルボン酸残基を合わせた残基の割合は、99モル%以下であることが好ましい。
パターン形状と残渣のバランスから、60〜98モル%がさらに好ましい。
また、本発明において、脂肪族基を有するジアミンを有してもよいが、膜強度が低下するとともにアブレーション加工時のパターンに残渣が発生しやすいため、ジアミン成分として共重合する場合、ポリイミド前駆体に含まれる全アミン残基を100モル%として、1〜5モル%が好ましい。
脂肪族基を有するジアミンとしては、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノ−フェニル)オクタメチルペンタシロキサンや、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、2−メチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、KH−511、ED−600、ED−900、ED−2003、EDR−148、EDR−176、D−200、D−400、D−2000、THF−100、THF−140、THF−170、RE−600、RE−900、RE−2000、RP−405、RP−409、RP−2005、RP−2009、RT−1000、HE−1000、HT−1100、HT−1700、(以上商品名、HUNTSMAN(株)製)が挙げられる。
また、本発明において、(a)樹脂が、2個以上のベンゼン環が単結合で結合されたカルボン酸残基構造とともに、脂環式ジアミン残基を有することが好ましい。2個以上のベンゼン環が単結合で結合されたカルボン酸残基構造により、高強度、高伸度および高密着な硬化膜が得られると共に、脂環式ジアミン残基により、膜強度が低下せず、アブレーション加工時に残渣のない高解像度なパターンが得られるため好ましい。 膜強度と残渣のバランスから、ジアミン残基の全量100モル%に対して、脂環式ジアミン残基の含有比率は、60〜80モル%が好ましい。脂環式ジアミン残基は、一般式(2)、一般式(3)、および一般式(4)からなる群から選ばれる1つ以上の構造を有するものであることが好ましい。
Figure 2019123864
(一般式(2)中、*印は結合部を表す。)
Figure 2019123864
(一般式(3)中、R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子またはメチル基またはトリフルオロメチル基を表す。また、mは1〜10の範囲内の整数を表す。また、*印は結合部を表す。)
Figure 2019123864
(一般式(4)中、R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子またはメチル基またはトリフルオロメチル基を表す。また、*印は結合部を表す。)
具体的には、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)が挙げられる。
また、架橋剤との組み合わせにより強度を向上できるため、フェノール性水酸基を有するジアミンを用いてもよいが、硬化後にフェノール性水酸基が残存していた場合、伸度が低下するとともに、アブレーション加工時のパターンに残渣が発生しやすいため、ジアミン成分として共重合する場合、ポリイミド前駆体に含まれる全カルボン酸残基と全アミン残基を合わせたもの全体を100モル%として、1〜30モル%が好ましい。
フェノール性水酸基を有するジアミンの具体的な例としては、例えば、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メチレン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ)ビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、などの芳香族ジアミンや、これらの芳香族環や炭化水素の水素原子の一部を、炭素数1〜10のアルキル基などで置換した化合物、また、下記に示す構造を有するジアミンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。共重合させる他のジアミンは、そのまま、あるいは対応するジイソシアネート化合物、トリメチルシリル化ジアミンとして用いることができる。また、これら2種以上のジアミン成分を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2019123864
Figure 2019123864
一般式(5)中、Rは水素原子または炭素数1〜20の有機基によりエステル化されていることが好ましく、カルボン酸残基のエステル化率は10%以上、90%未満であることがより好ましい。なお、カルボン酸残基は、イミド化している部位を含むものとする。イミド化が10%である場合、エステル化率は90%未満となる。
カルボン酸残基が10%以上エステル化されていることで、熱硬化時のイオンマイグレーションが抑制できることで密着性が付与できる。ポリイミド前駆体がエステル化された場合、ポリイミド前駆体のカルボン酸量が少なくなり、熱硬化する際に、ポリイミド前駆体のカルボン酸と金属配線が相互作用することで発生する金属拡散が抑制される。このため、硬化膜は、金属成分の含有量が低くなり、UVレーザーを用いたアブレーション加工において残渣のない高解像度なパターンが得られる。また、熱硬化時にポリイミド前駆体の開裂が抑制できるため高物性の硬化膜が得られる点でも好ましい。
金属密着・アブレーション加工の残渣・形状のバランスからエステル化率は40%以上がさらに好ましい。
また、エステル化は、硬化膜中に残存する脱離基の重量比が少ないことから、分子量100以下のアルキル基またはおよびアルキルエーテル基であることが好ましい。硬化膜中に残存する脱離基が少ないことで、アブレーション加工に耐え得る高物性な硬化膜が得られ、高解像度なパターンが得られるため好ましい。具体的には、上記一般式(5)中、Rはメチル基、エチル基、ブチル基、であることが好ましい。
前記のエステル化については、ポリイミド前駆体構造に由来する構造単位の全カルボン酸残基100モル%に対して、一般式(6)または一般式(7)で表される化合物を130モル%〜200モル%用いることが好ましい。これより、エステル化とイミド化の両方を促進することができるため好ましい。
Figure 2019123864
Figure 2019123864
(Rは水素原子または炭素数1以上の1価の有機基を示し、Rは水素原子または炭素数1以上の1価の有機基、含窒素有機基、含酸素有機基のいずれかを示し、Rは炭素数1以上の1価の有機基を示し、R10は炭素数1以上の2価の環状有機基、含窒素有機基、含酸素有機基のいずれかを示す。)
前記(a)樹脂は、ポリイミド前駆体構造以外に、上記特性を失わない範囲でポリアミド構造、ポリヒドロキシアミド構造、ポリベンゾオキサゾール構造、ポリベンゾチアゾール構造などが共重合されていてもよい。
さらに、本発明における(a)樹脂のモル比は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、得られた樹脂、樹脂組成物、硬化膜におけるポリアミド構造やポリイミド構造のピークを検出する方法において確認できる。なお、重合する際に用いるモノマーのモル比が既知の場合には、重合する際に用いるモノマーのモル比からポリアミド構造やポリイミド構造のモル比を算出することができる。
本発明において、(a)樹脂は、重量平均分子量で3,000〜200,000が好ましい。この範囲では、高い物性とアブレーション加工性の面から、30,000〜100,000以下がより好ましくい。ここで分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得ることができる。
本発明の樹脂組成物の保存安定性を向上させるため、前記(a)樹脂は主鎖末端をモノアミン、モノカルボン酸、酸無水物、モノ活性エステル化合物などの他の末端封止剤で封止してもよい。また、前記(a)樹脂の末端を末端封止剤により封止することで、得られる硬化膜の機械特性を好ましい範囲に容易に調整することができる。
末端封止剤の導入割合は、ポリアミド樹脂の重量平均分子量が高くなりアルカリ溶液への溶解性が低下することを抑制するため、全アミン成分に対して好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは5モル%以上である。また、樹脂の重量平均分子量が低くなることで得られる硬化膜の機械特性が低下することを抑制するため、好ましくは60モル%以下、より好ましくは50モル%以下である。また、複数の末端封止剤を反応させ、複数の異なる末端基を導入してもよい。
末端封止剤としてのモノアミンとして具体的には、M−600,M−1000,M−2005,M−2070(以上商品名、HUNTSMAN(株)製)、アニリン、2−エチニルアニリン、3−エチニルアニリン、4−エチニルアニリン、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノールなどを用いることができる。これらを2種以上用いてもよい。
末端封止剤としてのモノカルボン酸、モノ活性エステル化合物は、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸などのモノカルボン酸類およびこれらのカルボキシル基がエステル化した活性エステル化合物、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナジック酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物などの酸無水物、ジカルボン酸であるフタル酸、マレイン酸、ナジック酸、シクロヘキサンジカルボン酸、3−ヒドロキシフタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸や、トリカルボン酸である、トリメリット酸、トリメシン酸、ジフェニルエーテルトリカルボン酸、テレフタル酸、フタル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレンなどのジカルボン酸類の一方のカルボキシル基とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールやイミダゾール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物、これらの芳香族環や炭化水素の水素原子の一部を、炭素数1〜10のアルキル基などで置換した化合物などを用いることができる。これらを2種以上用いてもよい。
本発明で用いることのできる末端封止剤は、以下の方法で容易に検出できる。例えば、末端封止剤が導入された(a)樹脂を、酸性溶液に溶解し、構成単位であるアミン成分と酸無水物成分に分解し、これをガスクロマトグラフィー(GC)や、NMRにより、本発明に使用された末端封止剤を容易に検出できる。これとは別に、末端封止剤が導入された(a)樹脂成分を直接、熱分解ガスクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトルおよび13C−NMRスペクトルで測定することによっても、容易に検出できる。
本発明において、(a)樹脂は、たとえば、次の方法により合成されるがこれに限定はされない。
ポリイミド前駆体構造は、まず、ジアミン、酸二無水物、他の共重合成分を室温で、場合によっては高めた温度で、有機溶剤中に溶解し、次いで加熱して重合させる。反応時の溶液の安定性の観点から、溶解させる順番は溶解性の高いジアミン化合物を先に行うことが好ましい。場合によっては他の共重合成分を加え、末端封止剤となる酸、または酸無水物、またはモノアミンを加えて重合させる。
得られたポリイミド前駆体をエステル化する場合、上記の重合後、カルボン酸をエステル化剤で反応させる。特に、一般式(6)または一般式(7)を用いた場合、イミド化率を調整できる。
また、本発明の(a)樹脂は、ピリジンなどのイミド化促進剤を添加し、40〜150℃で攪拌することによって、イミド化を調整してもよい。
本発明において、(a)樹脂は、上記の方法で重合させた後、他添加剤を混合し、樹脂組成物としてもよいが、多量の水またはメタノールおよび水の混合液などに投入し、沈殿させて濾別乾燥し、単離することが好ましい。乾燥温度は40〜100℃が好ましく、より好ましくは50〜80℃である。この操作によって未反応のモノマーや、2量体や3量体などのオリゴマー成分が除去され、熱硬化後の膜特性を向上させることができる。
本発明における、イミド化率は、例えば以下の方法で容易に求めることができる。まず、ポリマーの赤外吸収スペクトルを測定し、ポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピーク(1780cm−1付近、1377cm−1付近)の存在を確認する。次に、そのポリマーを350℃で1時間熱処理したもののイミド化率を100%のサンプルとして赤外吸収スペクトルを測定し、熱処理前後の樹脂の1377cm−1付近のピーク強度を比較することによって、熱処理前樹脂中のイミド基の含量を算出し、イミド化率を求める。
樹脂の重合に用いる有機溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、N,N−ジメチルイソ酪酸アミド、メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドのアミド類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類、トリエチレングリコールなどのグリコール類、m−クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチルなどが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の樹脂組成物は、(b)溶剤を含有する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、N,N−ジメチルイソ酪酸アミド、メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドなどの極性の非プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類、乳酸エチル、乳酸メチル、ジアセトンアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類等が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
溶剤の含有量は(a)樹脂を溶解させるため、(a)樹脂100質量部に対して、100質量部以上含有することが好ましく、膜厚1μm以上の塗膜を形成させるため、1,500質量部以下含有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、さらに(c)塩基性添加剤を含有することが好ましい。(c)塩基性添加剤を含有することで、高イミド化が可能になり、高い膜物性が得られることで高信頼性の硬化膜が得られるとともに、アブレーション加工時に残渣のない高解像度なパターンが得られる。これは、塩基性添加剤がイミド基周辺に配位することで、硬化膜中のポリマー凝集を抑制し、結果、UVレーザーによるアブレーション加工時に、ポリマーの分子・原子間の結合が瞬時に切れることによる分解・気化・蒸散が均一に起こるためと考えられる。
(c)塩基性添加剤としては、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、インダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、イミダゾリン、ピラゾリン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ジピリジル、ジキノリル、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ナフチリジン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾキノリン、ベンゾイソキノリン、ベンゾシンノリン、ベンゾフタラジン、ベンゾキノキサリン、ベンゾキナゾリン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、ペリミジン、トリアジン、テトラジン、プテリジン、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンゾイソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピロールジオン、イソインドールジオン、ピロリジンジオン、ベンゾイソキノリンジオン、トリエチレンジアミン、およびヘキサメチレンテトラミン、これらの芳香族環や複素環、炭化水素・窒化水素の水素原子の一部を、ジ置換アミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ブチルメチルアミノ基、ジアミルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジキシリルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、ベンジルメチルアミノ基など)、モノ置換アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、アニリノ基、アニシジノ基、フェネチジノ基、トルイジノ基、キシリジノ基、ピリジルアミノ基、チアゾリルアミノ基、ベンジルアミノ基、ベンジリデンアミノ基など)、環状アミノ基(ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基、1−ピロリル基、1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、1−トリアゾリル基など)、アシルアミノ基(ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、シンナモイルアミノ基、ピリジンカルボニルアミノ基、トリフルオロアセチルアミノ基など)、スルホニルアミノ基(メシルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、ピリジルスルホニルアミノ基、トシルアミノ基、タウリルアミノ基、トリフルオロメチルスルホニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、メチルスルファモイルアミノ基、スルファニルアミノ基、アセチルスルファニルアミノ基など)、アミノ基、ヒドロキシアミノ基、ウレイド基、セミカルバジド基、カルバジド基、ジ置換ヒドラジノ基(ジメチルヒドラジノ基、ジフェニルヒドラジノ基、メチルフェニルヒドラジノ基など)、モノ置換ヒドラジノ基(メチルヒドラジノ基、フェニルヒドラジノ基、ピリジルヒドラジノ基、ベンジリデンヒドラジノ基など)、ヒドラジノ基、アミジノ基、ヒドロキシル基、オキシム基(ヒドロキシイミノメチル基、メトキシイミノメチル基、エトキシイミノメチル基、ヒドロキシイミノエチル基、ヒドロキシイミノプロピル基など)、ヒドロキシアルキル基(ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基など)、ヒドロキシアリール基(ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシフェニル基など)、アルコキシアルキル基(メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基など)、シアノ基、シアナト基、チオシアナト基、ニトロ基、ニトロソ基、オキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基、チアゾリルオキシ基、アセトキシ基など)、チオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、ピリジルチオ基、チアゾリルチオ基など)、メルカプト基、ハロゲン基(フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基)、カルボキシル基およびその塩、オキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基など)、アミノカルボニル基(カルバモイル基、メチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、ピリジルカルバモイル基、カルバゾイル基、アロファノイル基、オキサモイル基、スクシンアモイル基など)、チオカルボキシル基およびその塩、ジチオカルボキシル基およびその塩、チオカルボニル基(メトキシチオカルボニル基、メチルチオカルボニル基、メチルチオチオカルボニル基など)、アシル基(ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基、ベンゾイル基、シンナモイル基、ピリジンカルボニル基、チアゾールカルボニル基、トリフルオロアセチル基など)、チオアシル基(チオホルミル基、チオアセチル基、チオベンゾイル基、ピリジンチオカルボニル基など)、スルフィン酸基およびその塩、スルホン酸基およびその塩、スルフィニル基(メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基など)、スルホニル基(メシル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ピリジルスルホニル基、トシル基、タウリル基、トリフルオロメチルスルホニル基、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、スルファニリル基、アセチルスルファニリル基など)、オキシスルホニル基(メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、フェノキシスルホニル基、アセトアミノフェノキシスルホニル基、ピリジルオキシスルホニル基など)、チオスルホニル基(メチルチオスルホニル基、エチルチオスルホニル基、フェニルチオスルホニル基、アセトアミノフェニルチオスルホニル基、ピリジルチオスルホニル基など)、アミノスルホニル基(スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基、アセトアミノフェニルスルファモイル基、ピリジルスルファモイル基など)、アンモニオ基(トリメチルアンモニオ基、エチルジメチルアンモニオ基、ジメチルフェニルアンモニオ基、ピリジニオ基、キノリニオ基など)、アゾ基(フェニルアゾ基、ピリジルアゾ基、チアゾリルアゾ基など)、アゾキシ基、ハロゲン化アルキル基(クロロメチル基、ブロモメチル基、フルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基など)、炭化水素基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基など)、複素環基、有機ケイ素基(シリル基、ジシラニル基、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基など)などで置換した化合物などを含有することができるが、これに限定されない。これらを2種以上含有してもよい。
この中でも、(c)塩基性添加剤は、pH9.5〜11.5であることが好ましい。本発明において、pH値は、室温の10%水溶液において、ガス電極を用いた水溶液pH測定方法(JISZ−8802,1984)を用いて測定した値とする。
(c)塩基性添加剤が、pH9.5以上の場合、イミド基への配位が起こり、硬化膜内のポリマー凝集を抑制しやすく、アブレーション加工時の残渣が抑制できるため、高解像度が得られるため好ましい。また、(c)塩基性添加剤の塩基性が高すぎる場合、複数のポリマーに塩基性添加剤が作用するため、ポリマー同士の相互作用が強くなり、同様にポリマー凝集が発生しやすいため、pHは11.5以下が好ましい。
さらに、前記(c)塩基性添加剤が2以上の置換基を有するイミダゾール誘導体が好ましい。置換基としては、アルキル基、アルキレンエーテル基、フルオロアルキル基、芳香族基、アミド基、カルボニル基、アルキルアミノ基などが挙げられる。2以上の置換基を有することで、イミダゾール誘導体がイミド基へ配位しながら、複数のポリマーが相互作用するのを抑制することができるため、アブレーション加工時の凝集を抑制でき、さらに高解像度なパターンが得られるため好ましい。
具体的には、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−エチル−2−メチルイミダゾール、及び1−メチル−4−エチルイミダゾール、1−メトキシカルボニルアミノメチルイミダゾール、1−(2−メトキシカルボニルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−エトキシカルボニルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−プロポキシカルボニルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ブトキシカルボニルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−フェノキシカルボニルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(3−メトキシカルボニルアミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(3−エトキシカルボニルアミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(3−プロポキシカルボニルアミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(3−ブトキシカルボニルアミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(3−フェノキシカルボニルアミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−メトキシカルボニルアミノエチル)−2−フェニルイミダゾール、1−(3−メトキシカルボニルアミノプロピル)−2−フェニルイミダゾール、1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(3−アミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−アミノエチル)−2−フェニルイミダゾール、1−(3−アミノプロピル)−2−フェニルイミダゾール、1−(3−アミノプロピル)−2−ウンデシルイミダゾール、1−[2−(メチルアミノ)エチル]−2−フェニルイミダゾールなどが挙げられるが、これに限定されない。
前記(c)塩基性添加剤の添加量は、(a)樹脂100質量部に対して0.01〜50質量部が好ましく、0.05〜10質量部がより好ましく、0.1〜1.5質量部が特に好ましい。この範囲において、(c)塩基性添加剤の効果が得られ、また、樹脂組成物での保存安定性に優れるため好ましい。
本発明の樹脂組成物は、さらに、(d)架橋剤を含有し、前記(d)架橋剤が3以上のメチロール基、またはアルコキシメチル基を有することが好ましい。
(d)架橋剤が、硬化膜中でポリマー間で架橋することで、硬化膜中のイミド基の凝集を抑制することができるため、残渣が抑制でき、高解像度なパターンが得られるため好ましい。
例としては、MX−290、NIKALAC MX−280、NIKALAC MX−270、NIKALAC MX−279、NIKALAC MW−100LM、NIKALAC MX−750LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)や下記の架橋剤が挙げられるが、これに限定されない。これらを2種以上含有してもよい。
Figure 2019123864
Figure 2019123864
(式中c、d、およびeはそれぞれ1以上の整数を表し、3≦c≦20、1≦d≦30、1≦e≦30が好ましい。)
また、前記(a)樹脂100質量部に対する前記(d)架橋剤の含有量は15〜70質量部の範囲内であることが好ましい。15質量部以上の場合、硬化膜の高密度化と酸化防止効果が得られ、信頼性評価後の伸度低下を大きく抑制できる。70質量部以下であると、硬化膜の伸度向上効果が得られ、膜のクラックを低減し、また、金属配線との密着性も向上させることができる。
本発明の樹脂組成物は、さらに、(e)界面活性剤を含有することが好ましい。これにより、硬化膜の表面膜厚が均一化されるため、表面の屈折率が均一になり、レーザー加工時に高解像度なパターンが得られる。
具体的には、界面活性剤としては、住友3M(株)製の“フロラード”(登録商標)、D
IC(株)製の“メガファック”(登録商標)、旭硝子(株)製の“スルフロン”(登録
商標)などのフッ素系界面活性剤、信越化学工業(株)製のKP341、チッソ(株)製
のDBE、共栄社化学(株)製の“ポリフロー”(登録商標)、“グラノール”(登録商
標)、ビック・ケミー(株)製のBYKなどの有機シロキサン界面活性剤、共栄社化学(
株)製のポリフローなどのアクリル重合物の界面活性剤が挙げられる。この中でも、(a)樹脂との相溶性が低いことで硬化膜の膜表面に偏在しやすい点から、アクリル重合物の界面活性剤であることが好ましい。界面活性剤は、耐熱性樹脂の前駆体100質量部に対し、0.01〜10質量部含有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、アブレーション加工時の残渣が発生せず、物性が低下しない範囲で、感光剤を含有してもよい。感光性樹脂組成物で使用されるナフトキノンジアジド化合物や重合開始剤、光重合性化合物などの感光剤を含有する場合、レーザー加工時に反応、発泡などが発生し、加工できないまたは残渣が発生する問題が発生する。また、感光剤はモノマー成分であり、硬化膜に残存した場合、信頼性後の膜特性が低下するため好ましくない。
また、基板との接着性を高めるために、保存安定性を損なわない範囲で本発明の樹脂組成物にシリコーン成分として、トリメトキシアミノプロピルシラン、トリメトキシエポキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシチオールプロピルシランなどのシランカップリング剤を含有してもよい。
シランカップリング剤の好ましい含有量は、(a)樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部である。
本発明の樹脂組成物は、(a)樹脂の特性を損なわない範囲で、他の樹脂を有してもよいが、非フッ素系樹脂であること好ましい。フッ素系樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオロライド、ポリビニルフルオロライド、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル、テトラフルオロエチレン−エチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン樹脂を意味する。フッ素は紫外線領域での吸収を持たないため、紫外線領域の吸収をもつ樹脂や添加剤を含有していたとしても、アブレーション加工時で微細なパターン形成を形成する際には除去できず残渣が発生し、また、分子鎖や金属との相互作用が抑制されるため物性の低下・密着力の低下が起こるため、非フッ素樹脂であることが好ましい。
他の樹脂としては、具体的には、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリアミド樹脂、シロキサン樹脂、アクリル酸を共重合したアクリルポリマー、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、またそれらにメチロール基、アルコキシメチル基やエポキシ基などの架橋基を導入した変性体、それらの共重合ポリマーなどが挙げられる。
本発明の樹脂組成物の粘度は、2〜5,000mPa・sが好ましい。粘度は、E型回転粘度計を用いて測定することができる。粘度が2mPa・s以上となるように固形分濃度を調整することにより、所望の膜厚を得ることが容易になる。一方、粘度が5,000mPa・s以下であれば、均一性の高い塗布膜を得ることが容易になる。このような粘度を有する樹脂組成物は、例えば固形分濃度を5〜60質量%にすることで容易に得ることができる。
次に、本発明の樹脂組成物を用いた硬化膜としての硬化膜のレリーフパターンを形成する方法について説明する。
まず、本発明の樹脂組成物を基板に塗布する。基板としては、シリコンウエハ、セラミックス類、ガリウムヒ素、有機系回路基板、無機系回路基板、シリコンウエハとエポキシ樹脂などの封止樹脂の複合基板、およびこれらの基板に回路の構成材料が配置されたものなどが挙げられるが、これらに限定されない。
有機系回路基板の例としては、ガラス布・エポキシ銅張積層板などのガラス基板銅張積層板、ガラス不織布・エポキシ銅張積層板などのコンポジット銅張積層板、仮張りキャリア基板、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板などの耐熱・熱可塑性基板、ポリエステル銅張フィルム基板、ポリイミド銅張フィルム基板などのフレキシブル基板が挙げられる。また、無機系回路基板の例は、ガラス基板、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、炭化ケイ素基板などのセラミック基板、アルミニウムベース基板、鉄ベース基板などの金属系基板が挙げられる。回路の構成材料の例は、銀、金、銅などの金属を含有する導体、無機系酸化物などを含有する抵抗体、ガラス系材料および/または樹脂などを含有する低誘電体、樹脂や高誘電率無機粒子などを含有する高誘電体、ガラス系材料などを含有する絶縁体などが挙げられる。
シリコンウエハはUV波長での吸収が大きく、有機系回路基板はポリイミドと吸収帯が近いおとから、レーザー加工する際は硬化膜と共にパターン加工されやすいため、狙いのパターン形成が困難である。このため、硬化膜が加工される部位の下地はUV波長での反射の大きい金属配線が形成されていることが好ましい。
金属配線については、空気酸化することで表面状態が変化するため、あらかじめ酸素プラズマ処理や過酸化水素水などで酸化処理しておくことが好ましい。
塗布方法としてはスピナーを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーター、バーコーター、ロールコーター、コンマロールコーター、グラビアコーター、スクリーンコーター、スリットダイコーターなどの方法が挙げられる。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が0.1〜150μmになるように塗布される。未硬化シートとする場合は、その後乾燥させて剥離する。
シリコンウエハなどの基板と樹脂組成物との接着性を高めるために、基板を前述のシランカップリング剤で前処理することもできる。例えば、シランカップリング剤をイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルなどの溶媒に0.5〜20質量%溶解させた溶液を、スピンコート、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などにより表面処理をする。場合によっては、その後50℃〜300℃までの熱処理を行い、基板とシランカップリング剤との反応を進行させる。
次に樹脂組成物または未硬化シートを基板上に塗布またはラミネートした基板を乾燥して、樹脂組成物被膜を得る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50℃〜180℃の範囲で1分間〜数時間行うことが好ましい。
本発明においての加熱処理、すなわち硬化条件としては150℃以上350℃以下が好ましい。基板・半導体装置への影響や、適切な伸度・強度を得るためには、170℃以上200℃以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物を硬化した硬化膜の破断点伸度は、50%以上が好ましく、100%以上がより好ましい。また、強度は150MPa以上450MPa以下が好ましく、180MPa以上300MPa以下がより好ましい。この範囲においては、レーザー照射時にパターン加工界面での硬化膜の分解・劣化が抑制でき、また、引っ張り強度は450MPa以下である場合、エネルギー照射時間が短くともパターン加工が可能であるため、形状に異常が起こらず、微細なパターン形成できる。このため、信頼性評価後にも耐え得る微細なパターンが得られる。
多種の材料と接する層間絶縁膜は、熱膨張係数差による負荷がかかりやすいため、より高伸度かつ高強度の材料が必要となる。高伸度で低強度の材料はサーマルサイクル試験などの信頼性試験において伸度が変化しやすく、また、低伸度で高強度の材料は剛直であるためクラックが入りやすい。また、熱膨張係数差が小さい方が負荷自体を下げることができるため、形成されている材料の熱膨張係数と硬化膜の熱膨張係数は近い方が好ましい。本発明の樹脂組成物を硬化してなる硬化膜は高伸度・高強度であり、また、高い金属密着性を有するため、信頼性評価時にも多層の硬化膜のクラックや金属配線との剥離が起こりにくい。信頼性評価としては、衝撃試験、高温保持試験、恒温高湿試験、熱サイクル試験が挙げられる。本発明の樹脂組成物を硬化してなる硬化膜は、半導体装置や多層配線板等の電子部品に使用することができる。具体的には、半導体のパッシベーション膜、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜、高密度実装用多層配線の層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などの用途に好適に用いられるが、これに制限されず、様々な構造をとることができる。この中でも、高密度実装用多層配線として、再配線が用いられた層間絶縁膜として用いることが好ましい。これは、再配線構造は、回路基板などの用途と比較しても、多種の材料が用いられており、またなパターンが要求されているが、パッケージ化した場合に、クラック・剥離が発生しやすいため、高伸度・高強度で微細なパターンが得られる材料が求められているからである。
上記硬化膜は、所望の位置にパターン形成するために、UVレーザーを照射してアブレーション加工が施される。このUVレーザーの照射条件は、特に限定されるものではないが、通常ArF(193nm)、KrF(248nm)、XeCl(308nm)、XeCl(351nm)等のエキシマレーザー、YAGレーザー(355nm)光が用いられる。この中でも、加工時の熱がかかりにくく、ビア径が5μm以下の高解像度なパターンが形成可能な点から、エキシマレーザーが好ましく、前記UVレーザーの波長において適度な硬化膜の吸光度が得られるため、残渣のない高解像度なパターンがえられるため、KrF(248nm)での加工さらにが好ましい。
パターン形成をする際には、5〜10000mJ/cmのエネルギー密度の上記UVレーザー光を、縮小倍率0.1〜20倍の光学系を介して、繰り返しパルス数1〜3000Hzで、直接あるいは所望の形状のパターニングマスクを用いて上記硬化膜形成基板に所定時間照射することによって、パターン形成することができる。
本発明の樹脂祖組成物の硬化膜は、UVレーザーの照射エネルギーを500〜1000mJ/cmにすることで、矩形のテーパー形状が得られ、100以上500mJ/cm未満のエネルギー密度を制御することで、テーパー形状を制御できるため好ましい。
このため、本発明の樹脂組成物から得られた硬化膜は、矩形になりやすいネガ型感光性樹脂組成物や、リフローのかかりやすくなだらかな形状になりやすいポジ型感光性樹脂組成物と比較して、テーパー形状の制御が容易である。これより、配線厚、パターン形成密度が異なる点から、各層で異なる形状が要求される層間絶縁膜において、形状制御が容易であるため好ましい。
本発明において、樹脂組成物を硬化したときの硬化膜の吸光度は、前記UVレーザーの波長において膜厚1μmあたり0.07〜0.9であることが好ましく、0.1〜0.3であることがさらに好ましい。この範囲においては、前記UVレーザーにおいて、パターン形成可能であるとともに、吸光度が高すぎることで発生する形状の異常が起こらないため好ましい。
次に、本発明の樹脂組成物を用いた、バンプを有する半導体装置への応用例について図面を用いて説明する(応用例1)。図1は、本発明のバンプを有する半導体装置のパット部分の拡大断面図である。図1に示すように、シリコンウエハ1には入出力用のアルミニウム(以下、Al)パッド2上にパッシベーション膜3が形成され、そのパッシベーション膜3にビアホールが形成されている。更に、この上に本発明の樹脂組成物によるパターンとして絶縁膜4が形成され、更に、金属(Cr、Ti等)膜5がAlパッド2と接続されるように形成され、電解めっき等で金属配線(Al、Cu等)6が形成されている。金属膜(Cr、Ti等)5はハンダバンプ10の周辺をエッチングして、各パッド間を絶縁する。更に、この上に本発明の樹脂組成物によるパターンとして絶縁膜7が形成される。絶縁されたパッドにはバリアメタル8とハンダバンプ10が形成されている。本発明の樹脂は伸度・強度に優れるため、樹脂自体が変形することで、実装時も封止樹脂からの応力を緩和することできるため、バンプや配線、low−k層のダメージを防ぎ、高信頼性の半導体装置を提供できる。
次に、半導体装置の詳細な作製方法について図2に記す。図2の2aに示すように、シリコンウエハ1に入出力用のAlパッド2、さらにパッシベーション膜3を形成させ、本発明の樹脂組成物によるパターンとして絶縁膜4を形成させる。続いて、図2の2bに示すように、金属(Cr、Ti等)膜5をAlパッド2と接続されるように形成させ、図2の2cに示すように、金属配線(Al、Cu等)6をメッキ法で成膜する。次に、図2の2d’に示すように、本発明の樹脂組成物を塗布し、硬化した後、アブレーション加工を行うことで、図2の2dに示すようなパターンとして絶縁膜7を形成する。絶縁膜7の上にさらに配線(いわゆる再配線)を形成することができる。2層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行うことにより、2層以上の再配線が、本発明の樹脂組成物から得られた層間絶縁膜により分離された多層配線構造を形成することができる。この際、形成された絶縁膜は複数回にわたり各種薬液と接触することになるが、本発明の樹脂組成物から得られた絶縁膜は密着性に優れているために、良好な多層配線構造を形成することができる。多層配線構造の層数には上限はないが、10層以下のものが多く用いられる。この際に、絶縁膜7の樹脂組成物はスクライブライン9において、厚膜加工を行うことになる。3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
次いで、図2の2eおよび2fに示すように、バリアメタル8、ハンダバンプ10を形成する。そして、最後のスクライブライン9に沿ってダイシングしてチップ毎に切り分ける。
次に、本発明の樹脂組成物を用いた、バンプを有する半導体装置への応用例2について図面を用いて説明する。図3は、本発明の絶縁膜を有する半導体装置のパット部分の拡大断面図であり、ファンアウトウエハレベルパッケージ(ファンアウトWLP)とよばれる構造である。上記の応用例1と同様にAlパッド2、パッシベーション膜3が形成されたシリコンウエハ1はダイシングされチップごとに切り分けられた後、樹脂11で封止される。この封止樹脂11とチップ上に渡り、本発明の樹脂組成物によるパターンとして絶縁膜4が形成され、更に、金属(Cr、Ti等)膜5、金属配線6が形成される。その後、チップ外の封止樹脂上に形成された絶縁膜7の開口部にバリアメタル8とハンダバンプ10が形成される。ファンアウトWLPは、半導体チップの周辺にエポキシ樹脂等の封止樹脂を用いて拡張部分を設け、半導体チップ上の電極から該拡張部分まで再配線を施し、拡張部分にもはんだボールを搭載することで必要な端子数を確保した半導体パッケージである。ファンアウトWLPにおいては、半導体チップの主面と封止樹脂の主面とが形成する境界線を跨ぐように配線が設置される。すなわち、金属配線が施された半導体チップおよび封止樹脂という2種以上の材料からなる基材の上に層間絶縁膜が形成され、該層間絶縁膜の上に配線が形成される。
また、ファンアウトWLPは、仮貼り材料が配置された支持基板上に再配線間の層間絶縁膜として配置し、その上にシリコンチップと封止樹脂を配置後、仮貼り材料が配置された支持基板と再配線を剥離するRDL−ファーストと呼ばれる工程で作成されるタイプのパッケージが存在する。
RDLファーストにおける半導体装置の作成法について図5を用いて説明する。図5の3aにおいて支持基板20上にTiなどのバリアメタルをスパッタリング法で形成し、更にその上にCuシード(シード層)をスパッタリング法で形成後、メッキ法によって電極パッド21を形成する。ついでの3bの工程において本発明の樹脂組成物を塗布し、硬化した後、アブレーション加工を行うことで、パターン形成された絶縁膜22を形成する。ついで3cの工程において再びシード層をスパッタリング法で形成し、メッキ法によって金属配線23(再配線層)を形成する。以降半導体チップの導通部ピッチと金属配線のピッチを合わせるため、3bおよび3cの工程を繰り返し行い、3dに示すような多層配線構造を形成する。ついで3eの工程において再び本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、硬化した後、アブレーション加工を行うことで、パターン形成された絶縁膜を形成後、Cuポスト24をメッキ法にて形成する。ここでCuポストのピッチと半導体チップの導通部ピッチは等しくなる。すなわち、金属配線ピッチを狭化しながら再配線層を多層化するため、図3の3eに示すように、層間絶縁膜の膜厚は、層間絶縁膜1>層間絶縁膜2>層間絶縁膜3>層間絶縁膜4>となる。ついで3fの工程においてハンダバンプ25を介して半導体チップ26を接続し、多層配線構造を有するRDLファーストでの半導体装置を得ることができる。これ以外にも、半導体チップをガラスエポキシ樹脂基板に形成された凹部に埋め込んだタイプの半導体パッケージでは、半導体チップの主面とプリント基板の主面との境界線を跨ぐように配線が設置される。この態様においても、2種以上の材料からなる基材の上に層間絶縁膜が形成され、該層間絶縁膜の上に配線が形成される。本発明の樹脂組成物を硬化してなる硬化膜は、高伸度と、金属配線が施された半導体チップに高い密着力を有するとともに、エポキシ樹脂等へ封止樹脂にも高い密着力を有するため、2種以上の材料からなる基材の上に設ける層間絶縁膜として好適に用いられる。
また、ファンアウトWLPにおいては、再配線の微細化が進んでいる。本発明の樹脂組成物の硬化膜は、金属配線の幅と隣り合う配線同士の間隔が5μm以下の配線にも高い金属密着性を有するため、微細な再配線にも好適に用いられる。
この構造では、層間絶縁膜の厚みが、半導体チップに対して近づくにつれ、薄くなり、また、再配線層が、半導体チップに近づくにつれ、金属配線の幅と隣り合う配線同士の間隔が狭くなることで、チップの高集積化に対応している。このため、高伸度・高強度かつ微細なパターン加工は重要な課題となっている。
次に、本発明の樹脂組成物を用いた、インダクタ装置のコイル部品への応用例3について図面を用いて説明する。図4は本発明の絶縁膜を有するコイル部品の断面図である。図4に示すように、基板12には絶縁膜13、その上にパターンとして絶縁膜14が形成される。基板12としてはフェライト等が用いられる。本発明の樹脂組成物は絶縁膜13と絶縁膜14のどちらに使用してもよい。このパターンの開口部に金属(Cr、Ti等)膜15が形成され、この上に金属配線(Ag、Cu等)16がめっき形成される。金属配線16(Ag、Cu等)はスパイラル上に形成されている。13〜16の工程を複数回繰り返し、積層させることでコイルとしての機能を持たせることができる。最後に金属配線16(Ag、Cu等)は金属配線17(Ag、Cu等)によって電極18に接続され、封止樹脂19により封止される。
本発明の樹脂組成物は有機EL表示装置にも好適に用いられる。該有機EL表示装置は、基板上に、駆動回路、平坦化層、第1電極、絶縁層、発光層および第2電極を有し、平坦化層および/または絶縁層が本発明の硬化膜からなる。近年、有機EL表示装置は100℃程度の高温保持、あるいは熱サイクル試験といった信頼性評価での耐久性が求められるようになっている。本発明の硬化膜は、これらの信頼性評価後も高伸度かつ金属配線や金属電極と高い密着性を有するため、安定した駆動および発光特性が得られる。アクティブマトリックス型の表示装置を例に挙げると、ガラスや各種プラスチックなどの基板上に、TFTと、TFTの側方部に位置しTFTと接続された配線とを有し、その上に凹凸を覆うようにして平坦化層を有し、さらに平坦化層上に表示素子が設けられている。表示素子と配線とは、平坦化層に形成されたコンタクトホールを介して接続される。
図6にTFT基板の一例の断面図を示す。基板32上に、ボトムゲート型またはトップゲート型のTFT(薄膜トランジスタ)1が行列状に設けられており、このTFT27を覆う状態で絶縁層29が形成されている。また、この絶縁層29上にTFT27接続された配線28が設けられている。さらに絶縁層29上には、配線28を埋め込む状態で平坦化層30が設けられている。平坦化層30には、配線28に達するコンタクトホール33が設けられている。そして、このコンタクトホール33を介して、配線28に接続された状態で、平坦化層30上にITO(透明電極)31が形成されている。ここで、ITO31は、表示素子(例えば有機EL素子)の電極となる。そしてITO31の周縁を覆うように絶縁層34が形成される。有機EL素子は、基板32と反対側から発光光を放出するトップエミッション型でもよいし、基板32側から光を取り出すボトムエミッション型でもよい。このようにして、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT27を接続したアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
かかる絶縁層29、平坦化層30および/または絶縁層34は、前述の通り本発明の樹脂組成物または樹脂シートからなる感光性樹脂膜を形成する工程、前記感光性樹脂膜を露光する工程、露光した感光性樹脂膜を現像する工程および現像した感光性樹脂膜を加熱処理する工程により形成することができる。これらの工程を有する製造方法より、有機EL表示装置を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。まず、各実施例および比較例における評価方法について説明する。評価には、あらかじめ1μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルター(住友電気工業(株)製)で濾過した各実施例、比較例で作製された樹脂組成物(以下ワニスと呼ぶ)を用いた。
(1)分子量測定、イミド化率、エステル化率測定
(a)樹脂の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置Waters2690−996(日本ウォーターズ(株)製)を用いて確認した。展開溶媒をN−メチル−2−ピロリドン(以降NMPと呼ぶ)として測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量(Mw)及び分散度(PDI=Mw/Mn)を計算した。
また、樹脂のイミド化率については、樹脂をn−メチルピロリドンに溶解した溶液をシリコンウエハ上にスピンコートして、120℃で3分間乾燥し、イナートオーブンCLH−21CD−S(光洋サーモシステム(株)製)を用いて、酸素濃度20ppm以下で3.5℃/分で170℃まで昇温し、170℃で1時間加熱処理を行なった。さらに赤外吸収スペクトルを測定し、イミド構造の吸収ピーク(1780cm−1付近、1377cm−1付近)の存在を確認した。次に、その塗布膜を350℃で1時間熱処理したもののイミド化率を100%のサンプルとして赤外吸収スペクトルを測定し、熱処理前後の樹脂の1377cm−1付近のピーク強度を比較することによって、熱処理前樹脂中のイミド基の含量を算出し、イミド化率を求めた。赤外吸収スペクトルの測定は、測定装置として「FT−720」(商品名、株式会社堀場製作所製)を使用した。
また、樹脂のエステル化率については、400MHz、H−NMR(核磁気共鳴)装置(日本電子株式会社製 AL−400)を用い、重水素化ジメチルスルホキシド溶液中、積算回数16回で測定し、エステル化した置換基のプロトンの積分値をもとに、エステル化率を算出した。
(2)−1 伸度・強度評価
ワニスを8インチのシリコンウエハ上に、120℃で3分間のプリベーク後の膜厚が11μmとなるように塗布現像装置ACT−8を用いてスピンコート法で塗布およびプリベークした後、イナートオーブンCLH−21CD−S(光洋サーモシステム(株)製)を用いて、酸素濃度20ppm以下で3.5℃/分で表1に示す硬化温度まで昇温し、硬化温度で1時間加熱処理を行なった。温度が50℃以下になったところでウエハを取り出し、徐冷した後、45質量%のフッ化水素酸に5分間浸漬することで、ウエハから樹脂組成物の膜を剥がした。この膜を幅1cm、長さ3cmの短冊状に切断し、テンシロンRTM−100((株)オリエンテック製)を用いて、室温23.0℃、湿度45.0%RH下で引張速度5mm/分で引っ張り、破断点伸度と強度の測定を行なった。測定は1検体につき10枚の短冊について行ない、結果から上位5点の平均値を求めた。破断点伸度の値が100%以上のものをきわめて良好(A)、50%以上100%未満のものを良好(B)、50%未満のものを不良(D)とした。また、強度については180MPa以上350MPaをきわめて良好(A)、150MPa以上180MPa未満のものを良好(B)、150MPa未満のものを不良(D)とした。
(3) パターン評価
加工法(i)
ワニスを、100nmの銅スパッタ膜が形成された8インチのシリコンウエハ上に塗布現像装置ACT−8(東京エレクトロン(株)製)を用いてスピンコート法で塗布し、120℃で3分間のプリベークを行ない、イナートオーブンCLH−21CD−S(光洋サーモシステム(株)製)を用いて、酸素濃度20ppm以下で3.5℃/分で表1の硬化温度まで昇温し、硬化温度で1時間加熱処理を行なった。得られた膜厚10μmの硬化膜を炭酸レーザー(波長1064nm)またはUVレーザーであるYAGレーザー(波長355nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、XeClエキシマレーザー(波長308nm)600mJ/cmを用いてビアパターンを形成した。
加工法(ii)
ナフトキノンジアジド化合物などの感光剤が添加されているポジ型感光性樹脂組成物については、ワニスを、8インチのシリコンウエハ上に塗布現像装置ACT−8(東京エレクトロン(株)製)を用いてスピンコート法で膜厚が10.5μm〜12μmとなるように塗布し、120℃で3分間のプリベークを行なった。露光機i線ステッパーDSW−8000(GCA社製)に円形のビアパターンの切られたレチクルをセットし、1500mJ/cmの露光量で露光した。露光後、ACT−8の現像装置を用いて、2.38質量%のテトラメチルアンモニウム水溶液(以下TMAH、多摩化学工業(株)製)を用いてパドル法で現像液の吐出時間10秒、パドル時間40秒の現像を2回繰り返し、その後純水でリンス後、振り切り乾燥し、膜厚10μmのパターンを得た。
加工法(iii)
重合開始剤、光重合性化合物などの感光剤が添加されているネガ型感光性樹脂組成物については、ワニスを、8インチのシリコンウエハ上に塗布現像装置ACT−8(東京エレクトロン(株)製)を用いてスピンコート法で膜厚が10.5μm〜12μmとなるように塗布し、120℃で3分間のプリベークを行なった。露光機i線ステッパーDSW−8000(GCA社製)に円形のビアパターンの切られたレチクルをセットし、1500mJ/cmの露光量で露光した。露光後、ACT−8の現像装置を用いて、シクロペンタノンを用いてパドル法で現像液の吐出時間10秒、パドル時間40秒の現像を2回繰り返し、その後純水でリンス後、振り切り乾燥し、膜厚10μmのパターンを得た。
加工法(i)(ii)(iii)で得られたパターンを走査型電子顕微鏡(SEM、日立ハイテクノロジーズ社製S−3000N)を用い、倍率5000倍で観察し、残渣がなくビアパターンが解像している最小寸法を解像度とした。
(4)再配線構造での信頼性評価(FO−WLPの類似構造評価)
支持基板である8インチのガラスウエハに仮貼り材料TP−300(東レ株式会社製)を形成した後、ワニスをスピンナ(ミカサ(株)製)を用いてスピンコート法で塗布し、次いでホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製D−SPIN)を用いて120℃で3分ベークし、50μmのビアパターン開口を狙い、(3)パターン評価と同様の手法で加工することで、厚み10μmの樹脂硬化膜(1層目の硬化膜)が形成された基板を得た。その後、スパッタ装置(日電アネルバ社製SPL−500)内にチタンのターゲットを設置し、基板をサンプルホルダーに設置した。アルゴンガスに酸素を混入させて(ガス流量:アルゴン20sccm/酸素3sccm)、膜厚が100nmになるようにスパッタし、チタン層を形成した。さらに同様の装置を用い、銅のターゲットにより、膜厚が100nmになるように、銅層を形成した。その後、TMMR P−W1000(東京応化株式会社製)のレジストを塗布し、20μmのL/Sパターン形成を行った後、層厚が4μmとなるように、電解銅めっきを行い、剥離液ST−120(東京応化株式会社製)でレジストを剥離し、エッチング液WLC−C2、WLC−T(三菱ガス化学株式会社製)をそれぞれ用いて銅エッチング、Tiエッチングを行うことで、膜厚4μmで10μmL/S(1層目の再配線の銅パターン(1層目の再配線)を形成した。
この基板上に、20μmのビアパターン開口を狙う以外は、上記と同様に加工を行い、厚み10μmの樹脂硬化膜(2層目の硬化膜)を形成した。さらに、上記と同様の装置、レジスト、剥離液、エッチング液を用いて10μmL/Sの銅パターン(2層目の再配線)を形成した。
この基板上に、5μmのビアパターン開口を狙う以外は、上記と同様に加工を行い、厚み10μmの樹脂硬化膜(3層目の硬化膜)を形成した。さらに、上記と同様の装置、レジスト、剥離液、エッチング液を用いて2μmL/Sの銅パターン(3層目の再配線)を形成した。
上記に厚み100μm、サイズ10mm*10mmのシリコンチップを配置し、封止樹脂を形成した後、ガラス基板を剥離し、FO−WLPの類似構造基板を得た。
この基板を、TC装置を用いて、150℃で15分間を1サイクルとして500サイクル処理(以下−60℃⇔150℃)を行った。処理した基板をそれぞれイオンミリング装置(日立ハイテクノロジー(株)製IM4000)で断面切断を行い、走査型電子顕微鏡(SEM、日立ハイテクノロジーズ社製S−3000N)で断面観察した。各層において、硬化膜のビアパターン開口ができており、かつクラックがなく、硬化膜と銅配線の剥離、銅配線の凝集剥離(銅層と酸化銅層の剥離)がない層を合格とし、すべての層で合格したものをきわめて良好(A)、2層合格したものをより良好(B)とし、1層合格したものを良好(C)とし、硬化膜と銅配線の剥離、銅配線の凝集剥離(銅層と酸化銅層の剥離)が発生するが硬化膜のビアパターン開口ができておりかつクラックがない層を有するものを可(D)すべての層で不合格のものを不可(E)とした。
(合成例1)
(A−0)の合成
乾燥窒素気流下、p−フェニレンジアミン(10.81g、0.1モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をNMP400gに溶解し、次にピロメリット酸二無水物(21.81g、0.10モル)を加え、40℃で2時間反応させた。その後、その後、ピリジン(0.79g、0.01モル)を添加し、60℃で2時間攪拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体(A−0)を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は10%、エステル化率は0%であった。重量平均分子量は62,300、PDIは2.3であった。
(合成例2)
(A−1)の合成
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノフェニルエーテル(DAE)(19.6g、0.098モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(SiDA)(0.50g、0.002モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を400gに溶解し、次に4,4’−オキシジフタル酸二無水物(31.0g、0.1モル)を加え、40℃で2時間反応させた。その後、ピリジン(0.79g、0.01モル)を添加し、80℃で2時間攪拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマー(A−1)を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は18%、エステル化率は0%であった。重量平均分子量は50,600、PDIは2.2であった。
(合成例3)
(A−1−2)の合成
(A−1)と同様、乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノフェニルエーテル(DAE)(19.6g、0.098モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(SiDA)(0.50g、0.002モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を400gに溶解し、次に4,4’−オキシジフタル酸二無水物(31.0g、0.1モル)を加え、40℃で2時間反応させた。その後、ピリジン(0.79g、0.01モル)を添加し、80℃で2時間攪拌し、40℃に降温後、N、N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(7.1g、0.005モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマー(A−1−1)を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は18%、エステル化率は10%であった。重量平均分子量は50,900、PDIは2.1であった。
(合成例4)
(A−2)の合成
4,4’−オキシジフタル酸二無水物(155.1g、0.5モル)を2l容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート125gとγ―ブチロラクトン400mlを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。
次に、氷冷下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド206.3gをγ−ブチロラクトン180mlに溶解した溶液を攪拌しながら40分かけて反応混合物に加え、続いて4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(95.0g、0.48モル)をγ−ブチロラクトン350mlに懸濁したものを攪拌しながら60分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌し、次に、γ−ブチロラクトン400mlを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。得られた反応液を3Lのエチルアルコールに加えて粗ポリマーから成る沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し、テトラヒドロフラン1.5Lに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28Lの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥してポリイミド前駆体(A−2)の粉末を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は14%、2−エチルメタクリレート基によるエステル化率は86%であった。重量平均分子量は38,600、PDIは2.1であった。
(合成例5)
(A−3)の合成
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノフェニルエーテル(DAE)(19.6g、0.098モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(SiDA)(0.50g、0.002モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をNMP400gに溶解し、次に4,4’−オキシジフタル酸二無水物(31.0g、0.1モル)を加え、40℃で2時間反応させた。
その後、N、N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(35.8g、0.03モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体(A−3)を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は40%、メチル基によるエステル化率は50%であった。重量平均分子量は70,300、PDIは2.2であった。
(合成例6)
(A−4)の合成
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノフェニルエーテル(DAE)(19.6g、0.098モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(SiDA)(0.50g、0.002モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をNMP400gに溶解し、次に4,4’−オキシジフタル酸二無水物(31.0g、0.1モル)を加え、40℃で2時間反応させた。
その後、N、N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(35.8g、0.03モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体(A−4)を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は80%、メチル基によるエステル化率は15%であった。重量平均分子量は72,300、PDIは2.1であった。
(合成例7)
(A−5)の合成
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノフェニルエーテル(DAE)(20.0g、0.10モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をNMP400gに溶解し、次に4,4’−オキシジフタル酸二無水物(31.0g、0.1モル)を加え、40℃で2時間反応させた。その後、N、N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(23.8g、0.02モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体(A−5)を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は14%、メチル基によるエステル化率は60%であった。重量平均分子量は98,300、PDIは2.3であった。
(合成例8)
(A−6)の合成
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノフェニルエーテル(DAE)(3.0g、0.015モル)、p−フェニレンジアミン(9.19g、0.085モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をNMP400gに溶解し、次に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(29.42g、0.10モル)を加え、40℃で2時間反応させた。その後、N、N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(23.8g、0.02モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体(A−5)を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は18%、メチル基によるエステル化率は70%であった。重量平均分子量は98,300、PDIは2.3であった。
(合成例9)
(A−7)の合成
窒素気流下、250mlの三頸フラスコ中にイミダゾール27.2g(0.4モル)を入れ、塩化メチレン100gを入れて室温で攪拌した。これを−5℃以下に冷却し、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド29.5g(0.1モル)を100gの塩化メチレンに分散させた液体を、反応溶液の温度が0℃を越えないようにして1時間かけて滴下した。滴下後、室温にて反応溶液をさらに3時間攪拌し、反応中に生じた沈殿物を濾過した。濾過した沈殿物を純水で数回洗浄し、50℃の真空オーブンで100時間乾燥して、酸Aを得た。
乾燥窒素気流下、BAHF(14.6g、0.040モル)、RT−1000(7.5g、0.0075モル)をNMP100gに溶解させた。ここに、酸A(6.76g、0.023モル)をNMP10gとともに加えて、85℃で3時間反応させた。その後、BAHF(1.0g、0.0025モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(0.62g、0.0025モル)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸(0.82g、0.005モル)をNMP5gとともに加え85℃で1時間反応させた後、4,4’−オキシジフタル酸無水物(6.93g、0.023モル)をNMP5gとともに加え85℃で1時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、酢酸(13.20g、0.25モル)をNMP25gとともに加えて、室温で1時間攪拌した。攪拌終了後、溶液を水1.5Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、50℃の通風乾燥機で3日間乾燥し、(A−7)の粉末を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は82%、エステル化率は0%であった。重量平均分子量は35,300、PDIは1.9であった。
(合成例10)
(A−8)の合成
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノフェニルエーテル(DAE)(19.6g、0.098モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(SiDA)(0.50g、0.002モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を400gに溶解し、次に4,4’−オキシジフタル酸二無水物(31.0g、0.1モル)を加え、40℃で2時間反応させた。その後、80℃で2時間攪拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマー(A−8)を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は4%、エステル化率は0%であった。重量平均分子量は40,600、PDIは2.1であった。
(合成例11)
(A−9)の合成
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノフェニルエーテル(DAE)(19.6g、0.098モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(SiDA)(0.50g、0.002モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を400gに溶解し、次に4,4’−オキシジフタル酸二無水物(31.0g、0.1モル)を加え、40℃で2時間反応させた。その後、その後、ピリジン(0.79g、0.01モル)を添加し、180℃で2時間攪拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマー(A−9)を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は90%、エステル化率は0%であった。重量平均分子量は60,600、PDIは2.1であった。
(合成例12)
(A−10)の合成
乾燥窒素気流下、p−フェニレンジアミン(10.81g、0.1モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をNMP400gに溶解し、次にピロメリット酸二無水物(21.81g、0.10モル)を加え、40℃で2時間反応させた。その後、80℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体(A−10)を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は3%、エステル化率は0%であった。重量平均分子量は52,300、PDIは2.3であった。
以下、実施例と比較例に用いた各成分を下記に示す。
(合成例13)
(A−13)の合成
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノフェニルエーテル(DAE)(3.0g、0.015モル)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン15.15g(17.88g、0.085モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をNMP400gに溶解し、次にピロメリット酸二無水物(21.81g、0.10モル)を加え、40℃で2時間反応させた。その後、N、N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(23.8g、0.02モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体(A−13)を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は19%、メチル基によるエステル化率は51%であった。重量平均分子量は68,300、PDIは2.3であった。
(合成例14)
(A−14)の合成
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノフェニルエーテル(DAE)(3.0g、0.015モル)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(17.88g、0.085モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をNMP400gに溶解し、次に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(29.42g、0.10モル)を加え、40℃で2時間反応させた。その後、N、N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(23.8g、0.02モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体(A−14)を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は20%、メチル基によるエステル化率は55%であった。重量平均分子量は88,300、PDIは2.3であった。
(合成例15)
(A−15)の合成
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノフェニルエーテル(DAE)(6.0g、0.03モル)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(14.72g、0.07モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)をNMP400gに溶解し、次に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(29.42g、0.10モル)を加え、40℃で2時間反応させた。その後、N、N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(23.8g、0.02モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体(A−14)を得た。このようにして得られた樹脂のイミド化率は38%、メチル基によるエステル化率は45%であった。重量平均分子量は91,200、PDIは2.3であった。
(B−1)N−メチルピロリドン
(C−1)ピリジン (pH=8.5)
(C−2)イミダゾール (pH=9.8)
(C−3)トリエチルアミン(pH=12.3)
(C−4)2−エチル−4メチルイミダゾール(pH=10.5)
(E−1):ポリフロー77(共栄社化学株式会社製)
[実施例1〜21、比較例1]
(a)樹脂として、上記樹脂(A−0)〜(A−6)、(A−13)〜(A−15)10g、(B−1)20g、(c)成分0.1g、(d)成分3.0g、(e)成分0.01g、を表1に示した組成にて配合し、ワニスを作製した。
[比較例2]
(a)樹脂として、上記樹脂(A−2)10g、(B−1)20g、感光剤として(f−1)2.0g、(f−2)2.0gと酸化防止剤(f−3)0.1gを配合し、ネガ型感光性樹脂組成物のワニスを作製した。
[比較例3]
上記樹脂(A−7)10g、(B−1)20g、(d)成分3.0g、ナフトキノンジアジド系感光剤として(f−4)2.0g、酸化防止剤(f−3)0.1gを配合し、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを作製した。
[比較例4〜6]
上記樹脂(A−7)〜(A−10)10g、(B−1)20g、(c)成分0.1g、(d)成分3.0g、(e)成分0.01g、を配合し、ワニスを作製した。
[比較例7]
ビスフェノール型エポキシ樹脂ZX1059(新日鐵化学(株)製)20g、キシレン構造含有ノボラック型エポキシ樹脂YX7700(三菱化学(株)製)20g、フェノキシ樹脂YL7553BH30(三菱化学(株)製)3gを混合した樹脂を(A−11)とし、(B−1)20g、(C−1)0.1g、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤LA−7054(DIC(株)製)6部、ナフタレン型硬化剤SN−485(新日鐵化学(株)製)6g、難燃剤HCA−HQ(三光(株)製「HCA−HQ」2g、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカSOC1((株)アドマテックス製「SOC1」)110部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、ワニスを作製した。
[比較例8]
上記樹脂(A−10)5gと、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末KTL−8N(A−12)((株)喜多村製)5g、(B−1)20g、(c)成分0.1gを表1に示した組成にて配合し、ワニスを得た。
各実施例、比較例で得られた樹脂組成物の組成と硬化温度を表1に示す。
各実施例、比較例で得られた樹脂組成物の特性結果、加工法について表2に示す。
Figure 2019123864
Figure 2019123864
実施例1〜21と比較例1〜8を比べると、実施例1〜21はイミド化率5%以上90%未満であり、かつUVレーザーを用いることで、解像度と信頼性評価の結果が向上している。
実施例2〜21と実施例1を比べると、実施例2〜21は前記樹脂組成物を硬化した硬化膜の引っ張り伸度が50%以上、引っ張り強度が150〜450MPaであり、かつUVレーザーを用いることで、解像度と信頼性評価の両方の結果が向上している。
実施例3〜6と実施例1、2を比べると、実施例3〜6は(c)塩基性添加剤を含有しており、解像度と信頼性評価の結果が向上している。
実施例7〜13、19〜21と実施例1〜6を比べると、実施例7〜13、19〜21は、(a)樹脂が、カルボン酸残基を含み、前記カルボン酸残基のエステル化率が10%以上90%未満であり、解像度の結果が向上している。
実施例8〜13、19〜21と実施例7を比べると、実施例8〜13、19〜21は、(a)樹脂におけるカルボン酸残基のエステル化した置換基が分子量100以下のアルキル基または/およびアルキルエーテル基であり、解像度の結果が向上している。
実施例8〜9、13、21と実施例10〜12を比べると、実施例8〜9、13は、前記一般式(1)で表される構造を含有するジアミン残基およびカルボン酸残基を合わせた残基の割合が10〜99モル%であり、解像度の結果が向上している。
実施例19、20と実施例11を比べると、実施例20、21は、前記(a)樹脂が、脂環式ジアミン残基を有し、かつ、2個以上のベンゼン環が単結合で結合されたカルボン酸残基構造を有し、脂環ジアミン残基は、一般式(2)、一般式(3)、および一般式(4)からなる群から選ばれる1つ以上の構造を有するものであり、強度と解像度の結果が向上している。
実施例5〜6と実施例3〜4を比較すると、実施例5〜6は前記(c)塩基性添加剤がpH9.5〜11.5の添加剤であり、解像度の結果が向上している。
実施例5と、実施例1〜4を比べると、実施例5は、前記(c)塩基性添加剤が2以上の置換基を有するイミダゾール誘導体であり、解像度の結果が向上している。
実施例13と実施例8〜12を比べると、実施例13は、イミド化率20%以上70%未満のポリイミド前駆体構造を有する樹脂であり、伸度、強度が向上しており、解像度と信頼性評価の両方の結果が向上している。
実施例14〜15と、実施例13を比べると、実施例14〜15は(d)架橋剤を含有し、解像度の結果が向上している。
実施例15と、実施例14を比べると、実施例15は(e)界面活性剤を含有し、解像度の結果が向上している。
実施例11、実施例16〜18と、実施例18を比べると、実施例11、実施例16〜18は、UVレーザーがエキシマレーザーであり、解像度の結果が向上している。
実施例11と実施例16〜18を比較すると、実施例11は、前記UVレーザーがKrFのエキシマレーザーであり、解像度の結果が向上している。
実施例11と実施例12を比べると、実施例11は、180℃以下で加熱処理する工程と、UVレーザーによってアブレーション加工する工程を含み、解像度が向上している。
(D−1)、(f−1)、(f−2)、(f−3)、(f−4)は、下記化学式にそれぞれ示す化合物である。
Figure 2019123864
Figure 2019123864
1 シリコンウエハ
2 Alパッド
3 パッシベーション膜
4 絶縁膜
5 金属(Cr、Ti等)膜
6 金属配線(Al、Cu等)
7 絶縁膜
8 バリアメタル
9 スクライブライン
10 ハンダバンプ
11 封止樹脂
12 基板
13 絶縁膜
14 絶縁膜
15 金属(Cr、Ti等)膜
16 金属配線(Ag、Cu等)
17 金属配線(Ag、Cu等)
18 電極
19 封止樹脂
20 支持基板(ガラス基板、シリコンウェハ)
21 電極バッド(Cu)
22 絶縁膜
23 金属配線(Cu)
24 Cuポスト
25 ハンダバンプ
26 半導体チップ
27 TFT(薄膜トランジスタ)
28 配線
29 TFT絶縁層
30 平坦化層
31 ITO(透明電極)
32 基板
33 コンタクトホール
34 絶縁層

Claims (21)

  1. (a)樹脂、(b)溶剤を含有する樹脂組成物であって、
    前記(a)樹脂が、イミド化率5%以上90%未満のポリイミド前駆体構造を有する樹脂である、UVレーザーを用いたアブレーション加工用の樹脂組成物。
  2. 前記樹脂組成物を硬化した硬化膜の引っ張り伸度が50%以上、引っ張り強度が150〜450MPaである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. さらに、(c)塩基性添加剤を含有する請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. (a)樹脂が、カルボン酸残基を含み、前記カルボン酸残基のエステル化率が10%以上90%未満である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. (a)樹脂におけるカルボン酸残基のエステル化した置換基が分子量100以下のアルキル基または/およびアルキルエーテル基である請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 前記(a)樹脂に含まれる全カルボン酸残基と全アミン残基を合わせたもの全体を100モル%として、一般式(1)で表される構造を含有するジアミン残基およびカルボン酸残基を合わせた残基の割合が10〜99モル%である請求項1〜5のいずれに記載の樹脂組成物。
    Figure 2019123864
    (一般式(1)中、Rは水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。a、bは0〜4の整数である。*印は結合部を表す。)
  7. 前記(a)樹脂が、脂環式ジアミン残基を有し、かつ、2個以上のベンゼン環が単結合で結合されたカルボン酸残基構造を有し、
    脂環式ジアミン残基は、一般式(2)、一般式(3)、および一般式(4)からなる群から選ばれる1つ以上の構造を有するものである、請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
    Figure 2019123864
    (一般式(2)中、*印は結合部を表す。)
    Figure 2019123864
    (一般式(3)中、R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子またはメチル基またはトリフルオロメチル基を表す。また、mは1〜10の範囲内の整数を表す。また、*印は結合部を表す。)
    Figure 2019123864
    (一般式(4)中、R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子またはメチル基またはトリフルオロメチル基を表す。また、*印は結合部を表す。)
  8. 前記(c)塩基性添加剤がpH9.5〜11.5の添加剤であり、前記(a)樹脂100質量部に対する(c)塩基性添加剤の含有量が0.1質量部〜10質量部である請求項3〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. 前記(c)塩基性添加剤が2以上の置換基を有するイミダゾール誘導体であることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
  10. 前記(a)樹脂が、イミド化率20%以上70%未満のポリイミド前駆体構造を有する樹脂である請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物。
  11. さらに、(d)架橋剤を含有し、前記(d)架橋剤が3以上のメチロール基、またはアルコキシメチル基を有する請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物。
  12. さらに、(e)界面活性剤を含有し、前記(e)界面活性剤がアクリル重合物であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の樹脂組成物。
  13. 請求項1〜12に記載の樹脂組成物を硬化した硬化膜が、UVレーザーによってアブレーション加工された硬化膜。
  14. 前記UVレーザーがエキシマレーザーであることを特徴とする請求項13に記載の硬化膜。
  15. 前記UVレーザーがKrFのエキシマレーザーであることを特徴とする請求項14に記載の硬化膜。
  16. 請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂組成物を基板上に塗布する工程と、180℃以下で加熱処理する工程と、UVレーザーによってアブレーション加工する工程を含む、硬化膜のレリーフパターンの製造方法。
  17. 請求項13〜15のいずれかに記載の硬化膜が、再配線間の層間絶縁膜として配置された、電子部品または半導体装置。
  18. 前記再配線が銅金属配線であり、前記銅金属配線の幅と隣り合う配線同士の間隔が5μm以下である、請求項17に記載の電子部品または半導体装置。
  19. 請求項13〜15のいずれかに記載の硬化膜が、シリコンチップが配置された封止樹脂基板上に、再配線間の層間絶縁膜として配置された、請求項17または18に記載の電子部品または半導体装置。
  20. 請求項17に記載の再配線層が、半導体チップに近づくにつれ、金属配線の幅と隣り合う配線同士の間隔が狭くなる請求項17〜19に記載の電子部品または半導体装置。
  21. 請求項13〜15のいずれかに記載の硬化膜を、仮貼り材料が配置された支持基板上に再配線間の層間絶縁膜として配置する工程と、
    その上にシリコンチップと封止樹脂を配置する工程と、
    その後、仮貼り材料が配置された支持基板と再配線を剥離する工程を含む、
    電子部品または半導体装置の製造方法。
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