JP2013083349A - ボールねじおよびボールねじのシール取付方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ナット2の雌ねじ22aと内側シール4の長穴(取付孔)14を合わせて、3個の長穴14から各ボルト7を入れ、内側シール4の位相を、良好なシール性能を得るために適した位相に調整した後に、ボルト7により内側シール4をナット2に固定する。次に、外側シール5を内側シール4の外側に配置し、ナット2の雌ねじ22bと外側シール5の長穴(取付孔)18を合わせて、3個の長穴18から各ボルト8を入れ、外側シール5の位相を、良好なシール性能を得るために適した位相に調整した後に、ボルト8により外側シール5をナット2に固定する。
【選択図】図4
Description
この発明の課題は、ナットの軸方向両端部に、ニ以上のシールが重ねて固定されたボールねじにおいて、それぞれのシールによるシール効果が確実に得られるようにすることである。
(1) 内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、前記ナットの螺旋溝と前記ねじ軸の螺旋溝で形成される軌道溝の間に配置されたボールと、前記ナットの軸方向各端部に、前記軸方向に沿って配置されたニ以上のリング状のシールと、前記ナットの軸方向両端部に、前記軸方向に垂直な面として形成されたシール取付面と、前記シール取付面に、前記ニ以上のシールを独立に固定するねじ部材と、を有する。
(3) 前記各シールは、ねじ軸の螺旋溝および外周面に接触するリップ部と、前記リップ部の外周側に連続し、前記シール取付面と重なる基部とを、有する。
(4) 前記各シールの基部には、前記シール取付面の各シール用のねじ孔を露出させ、前記ナットと同心の円周方向に延びる長穴が、取付孔として形成されている。
(5) 前記ニ以上のシールを構成する隣り合うシールのうち、相対的にナットに近い内側シールの基部には、前記シール取付面の、相対的にナットから遠い外側シール用のねじ孔を露出させ、前記ナットと同心の円周方向に延びる長穴が、外側シール用ねじ部材を挿通する挿通孔として形成されている。
(6) 前記ナットの軸方向端部に、前記シール取付面より軸方向外側に延在する凸部が形成され、前記凸部は、前記ねじ軸の回転軸線を中心軸線とする円柱面状の内周面を有し、前記シールの基部は、前記内周面と嵌め合う円弧面を有する。
(7) 前記ニ以上のシール用の全てのねじ孔は、前記シール取付面の前記ナットと同心の同一円周に沿って、前記シールの取付順に合わせた順に形成されている。
(8) 前記外側シールの基部には、前記内側シール固定用のねじ部材を露出させ、前記ナットと同心の円周方向に延びる長穴(ねじ部材露出孔)が形成されている。このねじ部材露出孔は、ねじ部材の頭部を配置するか前記ねじ部材を操作する孔として機能する。
(9) 前記内側シールの前記取付孔を、前記ナットのシール取付面の内側シール用のねじ孔と合わせて、前記内側シールの位相を、良好なシール性能を得るために適した位相に調整した後に、前記取付孔から入れて前記ねじ孔に螺合させた前記ねじ部材で、前記内側シールを前記シール取付面に固定する内側シール取付工程。
(10)前記内側シール取付工程の後に、前記内側シールの前記挿通孔に露出している前記シール取付面のねじ孔に、前記外側シールの前記取付孔を合わせて、前記外側シールの位相を、良好なシール性能を得るために適した位相に調整した後に、前記取付孔から入れて前記ねじ孔に螺合させた前記ねじ部材で、前記外側シールを前記シール取付面に固定する外側シール取付工程。
この態様のボールねじは、さらに前記構成(6) を有することにより、前記構成(6) を有さないものと比較して、ねじ軸とシールの芯ずれが抑制されるため、シールの位相調整を容易に行うことができる。
この態様のボールねじは、さらに前記構成(8) を有することにより、前記外側シールを取り付けた後で前記内側シール固定用のねじ部材を操作することができる。
(a) ボールねじナットの軸線方向端部に、二以上のシール部材を軸線方向に多重に取付け、且つ、各シール部材のシールリップの内形がボールねじ軸の外形に接触するボールねじ装置である。
(b) 前記二以上のシール部材の夫々をボールねじナットに固定するための各シール部材用ネジ部材が螺合され、且つ、夫々のシール部材に対応して当該ボールねじナットの軸線方向端面の異なる位置に形成された各シール部材用ナットネジ孔を備えている。
(c) 各シール部材の該当する前記各シール部材用ナットネジ孔に対向する位置に形成され、且つ、各シール部材用ネジ部材のネジ部を挿通し且つボールねじナット又はボールねじ軸の回転方向に長手な各シール部材用位相調整取付孔を備えている。
(e) 前記ボールねじナットは、前記ボールねじ軸を囲繞するように軸方向端部から軸方向で外方に延在した凸部を有し、前記各シール部材と前記凸部とは、前記ボールねじ軸の回転軸を中心軸線とする円柱面状の接触面から成るインロー部を構成している。
(f) 前記各シール部材用ナットネジ孔をボールねじナットの軸線方向端面の同一円周上に形成し、且つ、それらを順番に、各シール部材に該当するシール部材用ナットネジ孔とした。
(g) シール部材取付方法は、前記二以上のシール部材をボールねじナットの軸線方向端部に取付けるにあたり、前記内側シール部材の回転方向への位相を調整することで当該内側シール部材のシール効果を確認しながら、内側シール部材用ネジ部材のネジ部をボールねじナットの内側シール部材用ナットネジ孔に螺合して、当該内側シール部材をボールねじナットに固定する。
(h) 構成(g) を行った後、前記外側シール部材の回転方向への位相を調整することで当該外側シール部材のシール効果を確認しながら、外側シール部材用ネジ部材のネジ部をボールねじナットの外側シール部材用ナットネジ孔に螺合して、当該外側シール部材をボールねじナットに固定する。
また、この発明のシール取付方法によれば、この発明のボールねじを上記効果が得られる状態にすることができる。
この実施形態のボールねじは、図1に示すように、ねじ軸1と、ナット2と、ボール3と、内側シール4と、外側シール5と、内側シール4をナット2に固定するボルト(内側シール用のねじ部材)7と、外側シール5をナット2に固定するボルト(外側シール用のねじ部材)8と、で構成されている。
ナット2の軸方向両端部に、軸方向に垂直なシール取付面22が形成されている。また、ナット2の軸方向両端部には、シール取付面22より軸方向外側に延在する凸部20が形成されている。凸部20は、ねじ軸1の回転軸線Cを中心軸線とする円筒形状であり、円柱面状の内周面20aおよび外周面20bを有する。凸部20の外周面20bはナット2の外周面がそのまま延びた面である。
内側シール4は、ねじ軸1の外周面1aおよび螺旋溝1bに摺接するリング状の接触シールであり、リップ部41と基部42とからなる。リップ部41の内周縁形状は、ねじ軸1の軸方向所定位置での軸直角断面形状と相似である。リップ部41の先端が、軸方向でナット2側に傾いている。リップ部41の外周側に円環状の基部42が連続している。
内側シール4の基部42の外周面は、ナット2の凸部20の内周面20aと同じ円周面であり、ナット2の凸部20の内周面20aに嵌まっている。
なお、内側シール4と外側シール5の位相差(φ)は、ナット2に取り付けた状態でのリップ部41,51間の軸線方向距離(x)と、ねじ軸1の螺旋溝の条数およびリード(L)とに応じた値となる。例えば、ねじ軸1の螺旋溝の条数が1の場合、φ=(x/L)×360°で表される。
このボールねじを組み立てる際には、螺旋溝1bにボール3を入れたねじ軸1をナット2内に配置した後、先ず、ナット2のシール取付面22に内側シール4をボルト7で取り付ける。
その後、ボルト7を締め付けて、ボルト7の頭部を内側シール4の長孔14の周縁部に押し付けることにより、内側シール4をナット2のシール取付面22に固定する。この状態で、図3に示すように、内側シール4の長穴(挿通孔)16内にナット2の雌ねじ22bが見える。
この実施形態のボールねじによれば、上述のように、内側シール4と外側シール5を独立に、各ボルト7,8で位相調整を行いながらナット2に固定することができる。これにより、内側シール4と外側シール5によるそれぞれのシール効果を確実に得ることができる。
また、雌ねじ22a,22bが、シール取付面22のナット2と同心の同一円周上に形成されているため、ナット2の取付面22に対して複数の雌ねじを容易に形成できる。
また、内側シール4および外側シール5の基部42,52の外周面の全てが、ナット2の凸部20の内周面20aと嵌め合う円周面となっているが、一部がナット2の凸部20の内周面20aと嵌め合う円弧面になっていてもよい。
そして、最も内側に配置される第1シール40の基部42に、第1シール40より外側に配置される第2シール50および第3シール60の雌ねじ22d,22eを露出させ、ナット2と同心の円周方向に延びる長孔(第2シール50のボルト80と第3シール60のボルト90を挿通する挿通孔)42bを形成する。
このように、三枚以上のシールを取り付ける場合は、最も内側に配置されるシールの取付を内側シール取付工程として行い、それ以外のシールの取付は、直前に取り付けられたシールを内側シールと見做して外側シール取付工程を行う。よって、三枚以上のシールを取り付ける場合でも、各シールを独立に、最も内側に配置されるものから順次、位相調整を行いながらナットに固定することができる。これにより、各シールによるそれぞれのシール効果を確実に得ることができる。
1a ねじ軸の螺旋溝
1b ねじ軸の外周面
14 内側シールの取付孔としての長孔
16 挿通孔としての長孔
17 長孔(ねじ部材露出孔)
18 外側シールの取付孔としての長孔
2 ナット
20 凸部
20a 凸部の内周面
20b 凸部の外周面
21 ナットの螺旋溝
22 シール取付面
22a 内側シール用雌ねじ(ねじ孔)
22b 外側シール用雌ねじ(ねじ孔)
22c 第1シール用雌ねじ(ねじ孔)
22d 第2シール用雌ねじ(ねじ孔)
22e 第3シール用雌ねじ(ねじ孔)
3 ボール
4 内側シール
40 第1シール
41 内側シールのリップ部(第1シールのリップ部)
42 内側シールの基部(第1シールのリップ部)
42a 第1シールの取付孔
42b 第1シールの挿通孔
5 外側シール
50 第2シール
51 外側シールのリップ部(第2シールのリップ部)
52 外側シールの基部(第2シールのリップ部)
52a 第2シールの取付孔
52b 第2シールの挿通孔
52c 第2シールのねじ部材露出孔
60 第3シール
61 第3シールのリップ部
62 第3シールの基部
62a 第3シールの取付孔
62c 第3シールのねじ部材露出孔
7 ボルト(内側シール用ねじ部材)
8 ボルト(外側シール用ねじ部材)
70 ボルト(第1シール用ねじ部材)
80 ボルト(第2シール用ねじ部材)
90 ボルト(第3シール用ねじ部材)
C ねじ軸の回転軸線
Claims (5)
- 内周面に螺旋溝が形成されたナットと、
外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、
前記ナットの螺旋溝と前記ねじ軸の螺旋溝で形成される軌道溝の間に配置されたボールと、
前記ナットの軸方向各端部に、前記軸方向に沿って配置されたニ以上のリング状のシールと、
前記ナットの軸方向両端部に、前記軸方向に垂直な面として形成されたシール取付面と、
前記シール取付面に、前記ニ以上のシールを独立に固定するねじ部材と、
を有し、
前記シール取付面に、各シール用のねじ部材を螺合する各ねじ孔が形成され、
前記各シールは、ねじ軸の螺旋溝および外周面に接触するリップ部と、前記リップ部の外周側に連続し、前記シール取付面と重なる基部とを、有し、
前記各シールの基部には、前記シール取付面の各シール用のねじ孔を露出させ、前記ナットと同心の円周方向に延びる長穴が、取付孔として形成され、
前記ニ以上のシールを構成する隣り合うシールのうち、相対的にナットに近い内側シールの基部には、前記シール取付面の、相対的にナットから遠い外側シール用のねじ孔を露出させ、前記ナットと同心の円周方向に延びる長穴が、外側シール用ねじ部材を挿通する挿通孔として形成されていることを特徴とするボールねじ。 - 前記ナットの軸方向端部に、前記シール取付面より軸方向外側に延在する凸部が形成され、
前記凸部は、前記ねじ軸の回転軸線を中心軸線とする円柱面状の内周面を有し、
前記シールの基部は、前記内周面と嵌め合う円弧面を有する請求項1記載のボールねじ。 - 前記ニ以上のシール用の全てのねじ孔は、前記シール取付面の前記ナットと同心の同一円周に沿って、前記シールの取付順に合わせた順に形成されている請求項1または2記載のボールねじ。
- 前記外側シールの基部には、前記内側シール固定用のねじ部材を露出させ、前記ナットと同心の円周方向に延びる長穴が形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のボールねじ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のボールねじの前記シール取付面に、前記ニ以上のシールを取り付ける方法であって、
前記内側シールの前記取付孔を、前記ナットのシール取付面の内側シール用のねじ孔と合わせて、前記内側シールの位相を、良好なシール性能を得るために適した位相に調整した後に、前記取付孔から入れて前記ねじ孔に螺合させた前記ねじ部材で、前記内側シールを前記シール取付面に固定する内側シール取付工程と、
前記内側シール取付工程の後に、前記内側シールの前記挿通孔に露出している前記シール取付面のねじ孔に、前記外側シールの前記取付孔を合わせて、前記外側シールの位相を、良好なシール性能を得るために適した位相に調整した後に、前記取付孔から入れて前記ねじ孔に螺合させた前記ねじ部材で、前記外側シールを前記シール取付面に固定する外側シール取付工程と、
を有するボールねじのシール取付方法。
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CN109737193A (zh) * | 2019-03-04 | 2019-05-10 | 赵洁 | 圆锥滚子丝杠副及密封结构 |
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2012
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