JP5359515B2 - ボールねじ - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のボールねじは、付帯装置として、シール装着装置がナット端部に付設される。このシール装着装置は、ナットの内周面に嵌合する外周面を有するリング状のシールハウジングと、このシールハウジングをナットに固定する固定ピンと、シールハウジング内に収容されるリング状のシール部材と、このシール部材をシールハウジングに押圧する方向に弾性付勢すると共に固定ピンをシールハウジングの外周面から突出させてナットの内周面に嵌合させる方向に弾性付勢する弾性付勢部材(例えばC形止め輪)とを備えている。
例えば図10(図11〜図16は構成する各部品を示す)に、シール部材の装着構造に加え、含油部材も装着可能な構造とした付帯装置(以下、「含油部材装着装置」ともいう)をナット端部に設けたボールねじの一例を示す。この例では、特許文献1に記載の技術を発展させて、含油部材を併せて装着可能になっている。
同図に示す例では、ボールねじ100は機台9上に設置され、このボールねじ100の両側には、リニアガイド(直動案内装置)5が、その案内レール6をボールねじ100と並列にそれぞれ設けられている。そして、各リニアガイド5のスライダ7とボールねじ100のナット3とが、テーブル(またはブラケット)8を用いて一体に固定されている。テーブル8は、その大きさも使用用途により種々あるが、多くの製造装置においては、同図に示すように、ボールねじ100のナット3、およびリニアガイド5のスライダ7を完全に覆った形状となっている。
しかしながら、上述のような含油部材装着装置110の装着構造では、ハウジング140、含油部材150を確実に固定できるものの、機台9上のテーブル8に一度組み込まれると、リング状の含油部材150は、略円筒状のハウジング140の内径部に嵌め込まれ、ハウジング140の外径方向の外側から固定ねじ141によって締結固定されるため、テーブル8からボールねじ100を取り外さない限り、固定ねじ141を取り外すことができない。したがって、メンテナンスにおいて、含油部材150を交換する際は、テーブル8から、ボールねじ100およびこれに係る機構部分を大きく分解する必要があった。
したがって、本発明に係るボールねじによれば、ナット端部に含油部材を付設するための付帯装置が設けられるボールねじにおいて、その含油部材のメンテナンスに際し、テーブルに装着された状態であっても、テーブルからボールねじを取り外すことなく、また、これに係る機構部分の分解を可及的に少なくすることができる。
図1に示すように、このボールねじ1は、ねじ溝2aを外周面に有するねじ軸2と、このねじ溝2aに対応するねじ溝3aを内周面に有するナット3と、これらねじ溝2a,3a間に形成されたボール転動路を転動する多数のボール4とを有し、ナット3は、ねじ軸2に多数のボール4を介して相対回転移動自在に外嵌され、このナット3の両端部(同図では一方の端部のみ図示)に、シール部材60および含油部材50を配置する付帯装置として付設された一対の含油部材装着装置10とを備えている。
以下、このボールねじ1の含油部材装着装置10およびその着脱構造について詳しく説明する。
連結板20のリング状の本体部21は、その外径部26の寸法が、ナット3の端部に挿入可能になっており、この外径部26には、上下(180°)に対向する位置に係止部23が二箇所形成されている。そして、この係止部23は、上記ナット3の複数の係合溝3cにそれぞれ嵌め込まれるとともに自身径方向に弾性的に変位可能なように間隙部24をもって形成されている。本実施形態の例では、この間隙部24は、リング状の本体部21の周方向に沿って円弧状に形成されるとともに一端側が外径部26の外周面側に開口しており、これにより、間隙部24の他端側が基端部となって係止部23を片持ち腕部22で支持している。
また、シール部材60が収容される側の外周面には、シール部材60を固定するためのねじを装着するための装着穴44が設けられている。なお、シール部材60は、図7に示すように、円環状をなし、その内径面は、ねじ軸2のねじ溝2aに倣うように形成されたシール面60aになっている。
一方、上記ハウジング40は、含油部材50の各係合溝51m、52mに嵌め込まれることで各分割部51,52の装着姿勢を保持する複数の突条部48を含油部材装着姿勢保持部として有している。各突条部48は、ハウジング40の内周面にその径方向内側に向けて張り出すとともに軸方向に沿って形成されており、含油部材50の各係合溝51m、52mに嵌め込まれた状態にあっては、その保持する各分割部51,52の軸方向への移動を許容するとともに、周方向への移動を拘束するようになっている。
このボールねじ1では、ナット3の端部に含油部材装着装置10を装着する場合は、まず、リング状の連結板20をナット3の端部に挿入し、ナット3の内径部3bの複数の係合溝3cと連結板20との相互の周方向の位置を合わせて、複数の係止部23が複数の係合溝3cに対向する位置で相互を嵌め合わせる。
例えば、上記実施形態では、含油部材50の係合部は、各分割部51,52の外周面に、軸方向に沿って形成された係合溝51m,52mからなり、含油部材装着姿勢保持部は、ハウジング40の内周面にその径方向内側に向けて張り出すとともに軸方向に沿って形成された突条部48からなる構成例で説明したが、これに限定されるものではない。
2 ねじ軸
3 ナット
4 ボール
5 リニアガイド
6 案内レール
7 スライダ
8 テーブル
9 機台
10 含油部材装着装置(付帯装置)
20 連結板
30 固定板
40 ハウジング
48 突条部(含油部材装着姿勢保持部)
50 含油部材
51,52 分割部
51m,52m 係合溝(係合部)
60 シール部材
70 締結部
80 軸部
91 軸部用ねじ
92 締結用ねじ
Claims (1)
- ねじ軸と、該ねじ軸にボールを介して相対回転移動自在に外嵌されるナットと、該ナット端部に含油部材を配置する付帯装置とを備えるボールねじであって、
前記付帯装置は、リング状の連結板および固定板と、自身内部に前記含油部材を収容可能な円筒状のハウジングとを前記ナット側からこの順に備えるとともに、前記連結板、固定板、およびハウジングのいずれもが、前記ナットの軸方向から着脱可能とされており、
前記ナットには、その端面内径部に、周方向に離間して係合溝が二つ設けられており、
前記連結板は、前記ナット端部に挿入されて前記二つの係合溝にそれぞれ嵌め込まれるとともに自身径方向に弾性的に変位可能な間隙部をもって形成された二つの係止部を自身外径部に有し、
前記固定板は、前記連結板の各間隙部に軸方向から挿入されることで前記二つの係止部の径方向の弾性的変位を阻止する二つの軸部を有するとともに、前記連結板側の端面に、連結板の内径に対してインローとなるように突設された環状のインロー部が形成されて前記連結板に自身を固定する際にボールねじの軸心と同軸に装着可能になっており、
前記連結板および前記固定板は、前記連結板を前記ナット端部に挿入し、前記ナット内径部の係合溝と連結板の係止部との相互の周方向の位置を合わせて、前記係止部と前記係合溝が対向する位置で相互を嵌め合わせた後に、前記連結板および前記固定板相互を、軸方向から締結およびその解除が可能な二つのねじによって締結固定しつつ、前記固定板の二つの軸部を前記連結板の各間隙部に軸方向から挿入することで前記係止部の径方向の弾性的変位を阻止して、前記固定板の軸部で前記連結板の係止部を内径方向に戻らなくするようになっており、
さらに、前記固定板には、自身外側面の対向する位置に、係合案内面と、該係合案内面に隣接して形成された係合フックとが二箇所に形成され、前記係合フックは、横断面が略コ字状をなすとともに自身に対して装着される前記ハウジング側に張り出して形成され、前記係合案内面は、周方向に沿って形成された斜面からなり、該斜面の傾斜が前記係合フックの近傍側が高く反対側が低くなっており、
前記ハウジングには、前記固定板側の端部に、前記係合フックに係合する係合爪が二箇所に形成され、該係合爪は、周方向に沿って形成された係合用斜面と、この係合用斜面に隣接する係合面とを有し、前記係合用斜面は、前記係合フックとの係脱動作が円滑になるように、前記係合フック側が低く前記係合面側に高い傾斜面になっており、
前記含油部材は、環状体を軸方向に沿って分割した複数の分割部から構成されるとともに、各分割部が、軸方向に沿って形成された係合部をそれぞれ有し、
前記ハウジングは、前記含油部材の各係合部に嵌め込まれることで各分割部の装着姿勢を保持する複数の含油部材装着姿勢保持部を有し、各含油部材装着姿勢保持部は、その保持する各分割部の軸方向への移動を許容するとともに、周方向への移動を拘束するように各係合部に嵌め込まれるようになっており、
前記含油部材の係合部は、各分割部の外周面に、軸方向に沿って形成された係合溝からなり、前記含油部材装着姿勢保持部は、前記ハウジングの内周面にその径方向内側に向けて張り出すとともに軸方向に沿って形成された突条部からなることを特徴とするボールねじ。
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