JP2016084885A - 直線駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナット部材の移動範囲を規定するストッパを設けた場合でも、回転軸の螺旋溝へのナット部材の食い込みを抑制することのできる直線駆動装置を提供すること。
【解決手段】直線駆動装置10は、外周面に螺旋溝250が形成された回転軸25と、螺旋溝250と噛み合うナット部材30と、回転軸25が一方方向R1に回転した際の回転軸25上におけるナット部材30の軸線L方向の一方側L1への移動範囲を規定するストッパ11とを有している。ストッパ11は、回転軸25側に設けられた回転軸側凸部29と、ナット部材30側に設けられて回転軸側凸部29に対して軸線L周りの方向で当接するナット部材側凸部39とによって構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転軸の外周面に形成された螺旋溝にナット部材が噛み合う直線駆動装置に関するものである。
直線駆動装置では、外周面に螺旋溝が形成された回転軸と、螺旋溝に噛み合うナット部材とが多用されている。かかる直線駆動装置において、ナット部材の移動範囲を規定するにあたっては、例えば、回転軸を支持する支持部材に設けたストッパに対してナット部材が軸線方向で当接する構造が採用されている(特許文献1参照)。
特開2007−178002号公報
しかしながら、ナット部材がストッパに対して軸線方向で当接する構造の場合、ナット部材がストッパに当接した以降も回転軸が回転しようとする。このため、ナット部材と螺旋溝とのクリアランスが詰まってしまい、ナット部材が螺旋溝に食い込んでしまうという問題点がある。かかる食い込みが発生すると、ナット部材を逆方向に駆動しようとした際、ナット部材がスムーズに移動しなくなる等の不具合が発生する。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、ナット部材の移動範囲を規定するストッパを設けた場合でも、回転軸の螺旋溝へのナット部材の食い込みを抑制することのできる直線駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る直線駆動装置は、外周面に螺旋溝が形成された回転軸と、該回転軸を回転駆動するための駆動源と、前記螺旋溝と噛み合うナット部材と、前記回転軸が一方方向に回転した際の前記回転軸上における前記ナット部材の軸線方向の一方側への移動範囲を規定するストッパと、を有し、前記ストッパは、前記回転軸側に設けられた回転軸側凸部と、前記ナット部材側に設けられて前記回転軸側凸部に対して軸線周りの方向で当接するナット部材側凸部と、によって構成されていることを特徴とする。
本発明において、回転軸上におけるナット部材の移動範囲を規定するストッパでは、回転軸側の回転軸側凸部と、ナット部材側のナット部材側凸部とが軸線周りの方向で当接するため、ストッパが作動した際、回転軸がナット部材に対して相対回転しない。このため、ナット部材と螺旋溝とのクリアランスが詰まってナット部材が螺旋溝に食い込むという事態を回避することができる。従って、ストッパが作動した後、ナット部材を逆方向にスムーズに駆動することができる。
本発明において、前記ストッパが作動する際、前記回転軸側凸部において軸線方向に対して直交する方向に向く側面と、前記ナット部材側凸部において軸線方向に対して直交する方向に向く側面とが接触することが好ましい。かかる構成によれば、回転軸側凸部とナット部材側凸部とが軸線周りの方向で当接する構造であっても、回転軸側凸部やナット部材側凸部に変形や摩耗等が発生しにくい。
本発明において、前記回転軸側凸部は、前記回転軸の軸線方向の他方側の端部から当該軸線方向に向けて突出していることが好ましい。かかる構成によれば、回転軸において螺旋溝が形成されている範囲を狭くしなくても、回転軸側凸部を設けることができる。
本発明において、前記回転軸側凸部の径方向外側端部は、前記回転軸において前記螺旋溝が形成されている部分より径方向内側に位置し、前記ナット部材側凸部は、前記ナット部材における前記回転軸との噛み合い部より径方向内側まで突出していることが好ましい。かかる構成によれば、ストッパを設けても、回転軸やナット部材が設けられた部分の径方向の寸法が小さく済む。
本発明において、前記ナット部材は、前記噛み合い部が形成された筒部と、該筒部に対して軸線方向の前記他方側に向けて離間する位置に設けられ、内径が前記回転軸の外径と略等しい円環部と、を備え、前記ナット部材側凸部は、前記円環部の内周面から径方向内側に突出していることが好ましい。かかる構成によれば、ナット部材側凸部を支持する部分(円環部)の軸線周りの方向の強度が大である。従って、ストッパが作動した際、ナット部材側凸部を支持する部分に変形や破損等が発生しにくい。
本発明において、前記ナット部材側凸部の側面において前記回転軸側凸部と当接する部分に対して軸線周りの前記一方方向に位置する部分と軸線方向の前記一方側に向く面との間が、面取りされた形状になっていることが好ましい。かかる構成によれば、ストッパが作動した後、ナット部材を逆方向に駆動する際、回転軸側凸部とナット部材側凸部とに引っ掛かりが発生しにくい。
本発明において、前記回転軸側凸部の複数の側面のうち、前記ナット部材側凸部と当接する側面では、前記ナット部材側凸部と当接する部分に対して軸線周りの前記一方方向で、前記ナット部材側凸部と当接する部分と径方向で同一の位置に位置する部分と軸線方向の前記他方側に向く端面との間が、面取りされた形状になっていることが好ましい。かかる構成によれば、ストッパが作動した後、ナット部材を逆方向に駆動する際、回転軸側凸部とナット部材側凸部とに引っ掛かりが発生しにくい。
本発明において、前記回転軸側凸部の複数の側面のうち、前記ナット部材側凸部と当接する側面では、前記ナット部材側凸部と当接する部分に対して軸線周りの前記一方方向に位置する部分の全体が前記ナット部材側凸部と当接する部分より径方向の内側に位置することが好ましい。かかる構成によれば、ストッパが作動した後、ナット部材を逆方向に駆動する際、回転軸側凸部とナット部材側凸部とに引っ掛かりが発生しにくい。
本発明において、前記駆動源を支持する支持部材を備え、前記支持部材には、前記ナット部材に当接して当該ナット部材の供回りを防止する供回り防止部が形成されている構成を採用することができる。
本発明において、回転軸上におけるナット部材の移動範囲を規定するストッパでは、回転軸側の回転軸側凸部と、ナット部材側のナット部材側凸部とが軸線周りの方向で当接するため、ストッパが作動した際、回転軸がナット部材に対して相対回転しない。このため、ナット部材と螺旋溝とのクリアランスが詰まってナット部材が螺旋溝に食い込むという事態を回避することができる。従って、ストッパが作動した後、ナット部材を逆方向にスムーズに駆動することができる。
本発明を適用した直線駆動装置の斜視図である。 本発明を適用した直線駆動装置の要部の説明図である。 本発明を適用した直線駆動装置のナット部材の説明図である。 本発明を適用した直線駆動装置の回転軸を軸線方向の他方側から見た拡大斜視図である。 本発明を適用した直線駆動装置の回転軸の端部の他の構成例を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明を適用した直線駆動装置について説明する。以下の説明では、回転軸25の軸線を軸線Lとし、軸線L方向の一方側をL1とし、他方側をL2として説明する。また、以下の説明では、弁体を駆動する弁体駆動装置1に搭載した直線駆動装置10を例に本発明を説明する。
(全体構成)
図1は、本発明を適用した直線駆動装置10の斜視図である。図2は、本発明を適用した直線駆動装置10の要部の説明図であり、図2(a)、(b)は、直線駆動装置10の要部の斜視図、および分解斜視図である。
図1および図2に示す直線駆動装置10は、外周面に雄ねじ状の螺旋溝250が形成された回転軸25と、回転軸25を回転軸25の軸線L周りに回転駆動するための駆動源20と、螺旋溝250と噛み合うナット部材30とを有している。かかる直線駆動装置10において、回転軸25が軸線L周りに回転すると、ナット部材30は、回転軸25上において軸線L方向の一方側L1および他方側L2に直線的に移動する。本形態においては、回転軸25が軸線L周りの一方方向R1に回転すると、ナット部材30が軸線L方向の一方側L1に移動し、回転軸25が軸線L周りの他方方向R2に回転すると、ナット部材30が軸線L方向の他方側L2に移動する。直線駆動装置10は、例えば、ガス等の流路に配置された弁体(図示せず)を駆動する弁体駆動装置1等において、ナット部材30を軸線L方向に直線駆動して弁体を開方向および閉方向に駆動する。
直線駆動装置10は、駆動源20等を支持する支持体8を備えている。支持体8は、軸線L方向に延在する有底筒状の胴部81と、胴部81の軸線L方向の他方側L2の端部で拡径するフランジ部82とを有している。駆動源20は胴部81の軸線L方向の一方側L1の端部に支持されており、回転軸25は胴部81の内側に配置されている。支持体8の胴部81の内周面の相対向する2個所には平坦部830が形成されており、平坦部830は、回転軸25が回転した際に、ナット部材30の後述する平坦部311、312とともに、ナット部材30が供回りするのを防止する供回り防止部83を構成している。
駆動源20は、ステッピングモータ等のモータであり、モータ胴部23から軸線L方向の他方側L2に突出するモータ軸24に回転軸25が連結されている。モータ軸24および回転軸25は金属製である。本形態において、モータ軸24と回転軸25とは一体の軸体として形成されており、軸体において、モータ胴部23から軸線L方向の他方側L2に突出している部分の外周面に螺旋溝250を形成することにより、回転軸25が構成されている。モータ胴部23の側面には端子台21が形成されており、端子台21には、モータ胴部23に構成されたステータ(図示せず)に給電するための端子22が保持されている。端子22は、モータ胴部23に取り付けられた端子ケース9で覆われている。本形態において、回転軸25の外径寸法は、モータ軸24の外径寸法より大である。
(ナット部材30の構成)
図3は、本発明を適用した直線駆動装置10のナット部材30の説明図であり、図3(
a)、(b)は、ナット部材30を軸線L方向の他方側L2から見た斜視図、およびナット部材30の一部を切り欠いた状態を軸線L方向の一方側L1からみた拡大斜視図である。
図3に示すように、ナット部材30は、回転軸25の螺旋溝250と噛み合う螺旋状の噛み合い部350が内周面に形成された円筒状の筒部36と、筒部36の径方向外側に形成された略円筒状の胴部31とを有しており、胴部31の軸線L方向の中間部分と筒部36の軸線L方向の他方側L2の端部とは円環状の連結板部32によって連結されている。噛み合い部350は、螺旋溝250と噛み合う雌ねじ状に形成されている。従って、回転軸25は筒部36を貫通して、螺旋溝250と噛み合い部350とが噛み合っている。
胴部31の外周面において、相対向する位置には平坦部311、312が形成されている。平坦部311、312は、図1に示す支持体8の胴部81の平坦部830と重なることにより、平坦部830とともに、ナット部材30と回転軸25とが供回りすることを防止する供回り防止部83を構成している。本形態において、ナット部材30は樹脂成形品である。
また、ナット部材30は、連結板部32から軸線L方向の他方側L2に突出した筒部33と、筒部33の他方側L2の端部から径方向内側に張り出した円環部37とを有している。筒部33には、周方向の一部が切り欠かれて開口部330が形成されている。
(ストッパ11の構成)
図4は、本発明を適用した直線駆動装置10の回転軸25を軸線L方向の他方側L2から見た拡大斜視図である。
図2に示すように、本形態の直線駆動装置10には、以下に説明するストッパ11が形成されており、ストッパ11は、回転軸25が一方方向R1に回転した際の回転軸25上におけるナット部材30の軸線L方向の一方側L1への移動範囲を規定する。
本形態では、ストッパ11を構成するにあたって、回転軸25の側には回転軸側凸部29が形成されており、ナット部材30の側には、回転軸側凸部29に対して軸線L周りの一方方向R1から当接するナット部材側凸部39が構成されている。
より具体的には、図4に示すように、回転軸25の軸線L方向の他方側L2の端部26には、軸線L方向の他方側L2に向けて突出した回転軸側凸部29が形成されている。回転軸側凸部29は、回転軸25の端部26を軸線L方向の他方側L2からみたときに略矩形形状に形成されており、平行に相対向して直線的に延在する2つの側面291、292と、側面291、292の一方の端部同士を繋ぐ側面293と、側面291、292の他方の端部同士を繋ぐ側面294と、軸線L方向の他方側L2に向く端面298とを有している。
側面291、292、293、294はいずれも、軸線Lに対して直交する方向に向いているが、側面293、294と端面298との間293c、294cは、面取りされた形状になっており、側面293、294と端面298との間の角が除去されている。本形態において、側面293と端面298との間293cは、側面293および端面298に対して傾斜した面となるように面取りされた形状になっており、側面294と端面298との間294cは、側面294および端面298に対して傾斜した面となるように面取りされた形状になっている。本形態において、側面293と端面298との間293cは、側面293および端面298に対して45°の角度を成すようにC面取りされた形状になっており、側面294と端面298との間294cは、側面294および端面298に対
して45°の角度を成すようにC面取りされた形状になっている。
このように構成した回転軸25を軸線L方向の他方側L2からみたとき、回転軸側凸部29の側面291、292、293、294は、回転軸25の外径より内側に位置する。また、回転軸25の外径は、図3に示すナット部材30の円環部37の内径と略同一であり、軸線L方向の他方側L2からみたとき、回転軸側凸部29の側面291、292、293、294は、ナット部材30の円環部37の内周面より径方向の内側に位置する。すなわち、回転軸側凸部29の径方向外側端部は、側面291、292、293、294によって構成されており、回転軸25において螺旋溝250が形成されている部分より径方向内側に位置している。
図3に示すように、ナット部材30には、円環部37の周方向の一部から径方向内側に突出するナット部材側凸部39が形成されている。本形態において、ナット部材側凸部39は、直角の角部390を径方向内側に向けて突出しており、ナット部材側凸部39は、角部390の両側に軸線Lに直交する方向に向いた2つの側面391、392を有している。本形態において、ナット部材側凸部39は、噛み合い部350が設けられている部分(筒部36の内周面)より径方向内側まで突出している。
また、2つの側面391、392のうち、側面392と、ナット部材側凸部39において軸線L方向の一方側L1に向く内面393との間394は、面取りされた形状になっており、側面392と内面393との間の角が除去されている。本形態において、側面392と内面393との間394は、側面392および内面393に対して傾斜した面となるように面取りされた形状になっている。本形態において、側面392と内面393との間394は、側面392および内面393に対して45°の角度を成すようにC面取りされた形状になっている。なお、側面392と内面393との間394が側面392および内面393に対して成す角度は45°以外であってもよい。
このように構成したストッパ11においては、回転軸25が一方方向R1に回転して回転軸25上におけるナット部材30が軸線L方向の一方側L1に移動した際、回転軸側凸部29の側面291の端部291a(図4に斜線を付した部分)がナット部材側凸部39の側面391に軸線L周りの方向から当接し、回転軸25の回転が停止し、その結果、ナット部材30の軸線L方向の移動が停止する。それ故、ストッパ11によって、回転軸25上におけるナット部材30の軸線L方向の一方側L1への移動範囲が規定されている。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の直線駆動装置10において、回転軸25上におけるナット部材30の移動範囲を規定するストッパ11では、回転軸25側の回転軸側凸部29と、ナット部材30側のナット部材側凸部39とが軸線L周りの方向で当接する。このため、ストッパ11が作動した際、回転軸25がナット部材30に対して相対回転しようとしない。従って、ナット部材30と回転軸25の螺旋溝250とのクリアランスが詰まってナット部材30の噛み合い部350が螺旋溝250に食い込むという事態を回避することができる。それ故、ストッパ11が作動した後、ナット部材30を逆方向(軸線L方向の他方側L2)にスムーズに駆動することができる。
また、ストッパ11が作動する際、回転軸側凸部29において軸線L方向に対して直交する方向に向く側面291と、ナット部材側凸部39において軸線L方向に対して直交する方向に向く側面391とが接触する。このため、回転軸側凸部29とナット部材側凸部39とが軸線L周りの方向で当接する構造であっても、回転軸側凸部29やナット部材側凸部39に変形や摩耗等が発生しにくい。
また、回転軸側凸部29は、回転軸25の軸線L方向の他方L2側の端部から軸線L方向に向けて突出しているため、回転軸25において螺旋溝250が形成されている領域の軸線L方向の範囲を狭くしなくても、回転軸側凸部29を設けることができる。
また、回転軸側凸部29の径方向外側端部は、回転軸25において螺旋溝250が形成されている部分より径方向内側に位置し、ナット部材側凸部39は、回転軸25との噛み合い部350より径方向内側まで突出している。このため、ストッパ11を設けても、回転軸25やナット部材30が設けられた部分の径方向の寸法が小さく済む。
また、ナット部材30において、ナット部材側凸部39は、噛み合い部350が形成された筒部36に対して軸線L方向の他方側L2に向けて離間する位置に設けられた円環部37の内周面から径方向内側に突出している。このため、ナット部材30において、ナット部材側凸部39を支持する部分(円環部37)の軸線L周りの方向の強度が大である。従って、ストッパ11が作動した際、ナット部材側凸部39を支持する部分に変形や破損等が発生しにくい。また、回転軸側凸部29とナット部材側凸部39とが当接した際、回転軸25が傾いてストッパ11が作動しなくなることを円環部37によって抑制することができる。
また、ナット部材側凸部39において、回転軸側凸部29と当接する側面391に対して軸線L周りの一方方向R1に位置する側面392と軸線L方向の一方側L1に向く内面393との間394は、面取りされた形状になっている。このため、ストッパ11が作動した後、ナット部材30を逆方向(他方側L2)に駆動するために、回転軸25を軸線L周りの他方方向R2に回転させた際、回転軸側凸部29とナット部材側凸部39とに引っ掛かりが発生しにくい。より具体的には、ストッパ11が作動した後、回転軸25を軸線L周りの他方方向R2に回転させると、回転軸側凸部29の側面291bとナット部材側凸部39の側面392とが接近することになる。その際、回転軸25が軸線L周りの他方方向R2に回転し始めた直後は、回転軸25の螺旋溝250とナット部材30の噛み合い部350とのクリアランスの影響でナット部材30の軸線L方向の他方側L2への移動が遅れることなどにより、回転軸側凸部29の側面291の端部291bとナット部材側凸部39の側面392とが接触することがある。このような場合でも、本形態では、ナット部材側凸部39の側面392の縁(側面392と内面393との間394)が面取りされた形状になっているため、回転軸側凸部29とナット部材側凸部39とに引っ掛かりが発生しにくい。それ故、ストッパ11が作動した後、ナット部材30を逆方向(他方側L2)にスムーズに駆動することができる。
特に、本形態では、ナット部材30側が面取りされた形状になっているため、回転軸側凸部29の側面292がナット部材30に当接するように構成した場合も、上記の効果を奏する。
(回転軸25の回転軸側凸部29の他の構成例)
図5は、本発明を適用した直線駆動装置10の回転軸25の回転軸側凸部29の他の構成例を示す説明図である。図4等を参照して説明した回転軸25の回転軸側凸部29については以下のように構成してもよい。
図5(a)に示す回転軸25では、回転軸側凸部29において、ナット部材側凸部39と当接する側面291の端部291aに対して軸線L周りの一方方向R1に位置する部分として、側面291の端部291aと反対側の端部291bと端面298との間291cが面取りされた形状になっている。すなわち、回転軸側凸部29の側面291、292、293、294のうち、ナット部材側凸部39と当接する側面291では、ナット部材側凸部39と当接する部分(端部291a)に対して軸線L周りの一方方向R1で、ナット
部材側凸部と当接する部分(端部291a)と径方向で同一の位置に位置する部分(端部291b)と軸線L方向の他方側L2に向く面298との間が、面取りされた形状になっている。かかる構成でも、ストッパ11が作動した後、回転軸25を軸線L周りの他方方向R2に回転させた際、回転軸側凸部29とナット部材側凸部39とに引っ掛かりが発生しにくい。なお、本形態では、側面292において端部291bに対して点対称の位置でも、側面292と端面298との間292cが面取りされた形状になっている。このため、回転軸側凸部29の側面292の端部292aがナット部材30に当接するように構成した場合も、ストッパ11が作動した後、回転軸25を軸線L周りの他方方向R2に回転させた際、回転軸側凸部29とナット部材側凸部39とに引っ掛かりが発生しにくい。
図5(b)に示す回転軸25では、まず、回転軸側凸部29において、ナット部材側凸部39と当接する側面291の端部291aに対して軸線L周りの一方方向R1に位置する部分として、側面293の位置を、図5(a)に示す側面293の位置よりも径方向内側(軸線L側)にずらしてある。このため、図5(a)の側面291の端部291b、および図5(a)の側面292の端部291aが存在しない。従って、回転軸側凸部29の側面291、292、293、294のうち、ナット部材側凸部39と当接する側面291では、ナット部材側凸部39と当接する部分(端部291a)に対して軸線L周りの一方方向R1に位置する部分の全体がナット部材側凸部39と当接する部分より径方向の内側に位置する。また、側面292と端面298との間292cとの間の全体が面取りされた形状になっている。かかる構成でも、ストッパ11が作動した後、回転軸25を軸線L周りの他方方向R2に回転させた際、回転軸側凸部29とナット部材側凸部39とに引っ掛かりが発生しにくい。
図5(c)に示す回転軸25では、回転軸側凸部29の端面298が軸線Lに対して斜めに傾いたテーパ面になっている。このため、図5(a)に示す側面292が存在しない。また、回転軸側凸部29において、ナット部材側凸部39と当接する側面291の端部291aに対して軸線L周りの一方方向R1に位置する部分として、側面293の位置を、図5(a)に示す側面293の位置よりも径方向内側(軸線L側)にずらしてある。このため、図5(a)の側面291の端部291bが存在しない。従って、回転軸側凸部29の側面291、292、293のうち、ナット部材側凸部39と当接する側面291では、ナット部材側凸部39と当接する部分(端部291a)に対して軸線L周りの一方方向R1に位置する部分の全体がナット部材側凸部39と当接する部分より径方向の内側に位置する。このような構成でも、ストッパ11が作動した後、回転軸25を軸線L周りの他方方向R2に回転させた際、回転軸側凸部29とナット部材側凸部39とに引っ掛かりが発生しにくい。
(その他の実施の形態)
上記実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。例えば、上記実施の形態では、弁体駆動装置1に搭載した直線駆動装置10に本発明を適用したが、他の装置に搭載した直線駆動装置10に本発明を適用してもよい。
また、上記実施の形態では、ナット部材30の噛み合い部350が雌ねじ状に形成されていたが、軸線方向で離間する複数の突起からなる噛み合い部350が螺旋溝250と噛み合った直線駆動装置10に本発明を適用してもよい。
上記実施の形態では、回転軸25が駆動源20により直接、駆動されている構成であったが、駆動源20の出力が歯車機構等を介して回転軸25に伝達される直線駆動装置10に本発明を適用してもよい。
上記実施の形態では、回転軸25において駆動源20が配置されている側を軸線L方向の一方側L1とし、かかる一方側L1でのナット部材30の移動範囲を規定するストッパ11に本発明を適用したが、回転軸25において駆動源20が配置されている側とは反対側を軸線L方向の一方側L1とし、かかる一方側L1でのナット部材30の移動範囲を規定するストッパ11に本発明を適用してもよい。
上記実施の形態では、回転軸25の螺旋溝250が形成されている部分より径方向内側、およびナット部材側凸部39の噛み合い部350より径方向内側に回転軸側凸部29およびナット部材側凸部39を設けたが、回転軸外径方向の寸法規制が厳しくない場合、回転軸25の螺旋溝250が形成されている部分より径方向外側、およびナット部材側凸部39の噛み合い部350より径方向外側に回転軸側凸部29およびナット部材側凸部39を設けてもよい。
上記実施の形態では、ナット部材側凸部39が噛み合い部350から離間した位置に設けられていたが、軸線L方向の寸法規制が厳しい場合は、ナット部材側凸部39を噛み合い部350に隣接して設けてもよい。
1 弁体駆動装置
10 直線駆動装置
11 ストッパ
20 駆動源
25 回転軸
26 回転軸の端部
29 回転軸側凸部
30 ナット部材
350 噛み合い部
36 筒部
37 円環部
39 ナット部材側凸部
8 支持体
83 供回り防止部
250 螺旋溝
291〜294 回転軸側凸部の側面
391、392 ナット部材側凸部の側面
L 軸線
L1 一方側
L2 他方側
R1 一方方向
R2 他方方向

Claims (9)

  1. 外周面に螺旋溝が形成された回転軸と、
    該回転軸を回転駆動するための駆動源と、
    前記螺旋溝と噛み合うナット部材と、
    前記回転軸が一方方向に回転した際の前記回転軸上における前記ナット部材の軸線方向の一方側への移動範囲を規定するストッパと、
    を有し、
    前記ストッパは、前記回転軸側に設けられた回転軸側凸部と、前記ナット部材側に設けられて前記回転軸側凸部に対して軸線周りの方向で当接するナット部材側凸部と、によって構成されていることを特徴とする直線駆動装置。
  2. 前記ストッパが作動する際、前記回転軸側凸部において軸線方向に対して直交する方向に向く側面と、前記ナット部材側凸部において軸線方向に対して直交する方向に向く側面とが接触することを特徴とする請求項1に記載の直線駆動装置。
  3. 前記回転軸側凸部は、前記回転軸の軸線方向の他方側の端部から当該軸線方向に向けて突出していることを特徴とする請求項2に記載の直線駆動装置。
  4. 前記回転軸側凸部の径方向外側端部は、前記回転軸において前記螺旋溝が形成されている部分より径方向内側に位置し、
    前記ナット部材側凸部は、前記ナット部材における前記回転軸との噛み合い部より径方向内側に突出していることを特徴とする請求項3に記載の直線駆動装置。
  5. 前記ナット部材は、前記噛み合い部が形成された筒部と、該筒部に対して軸線方向の前記他方側に向けて離間する位置に設けられ、内径が前記回転軸の外径と略等しい円環部と、を備え、
    前記ナット部材側凸部は、前記円環部の内周面から径方向内側に突出していることを特徴とする請求項4に記載の直線駆動装置。
  6. 前記ナット部材側凸部の側面において前記回転軸側凸部と当接する部分に対して軸線周りの前記一方方向に位置する部分と軸線方向の前記一方側に向く端面との間が、面取りされた形状になっていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の直線駆動装置。
  7. 前記回転軸側凸部の複数の側面のうち、前記ナット部材側凸部と当接する側面では、前記ナット部材側凸部と当接する部分に対して軸線周りの前記一方方向で、前記ナット部材側凸部と当接する部分と径方向で同一の位置に位置する部分と軸線方向の前記他方側に向く端面との間が、面取りされた形状になっていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の直線駆動装置。
  8. 前記回転軸側凸部の複数の側面のうち、前記ナット部材側凸部と当接する側面では、前記ナット部材側凸部と当接する部分に対して軸線周りの前記一方方向に位置する部分の全体が前記ナット部材側凸部と当接する部分より径方向の内側に位置することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の直線駆動装置。
  9. 前記駆動源を支持する支持部材を備え、
    前記支持部材には、前記ナット部材に当接して当該ナット部材の供回りを防止する供回り防止部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の直線駆動装置。
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