JP2013081403A - 3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の産生方法。 - Google Patents

3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の産生方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】安価に、簡便で、且つ高効率な、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法を提供する。
【解決手段】下記の工程(1)〜(3)を含む、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法:(1)ハロモナス属に属する好塩菌を無機塩と、単一若しくは複数の有機炭素源を含む培地で好気培養する工程1。(2)工程1の培養条件を好気培養から微好気培養に変更して前記菌体を培養し、培養液にて3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生する工程2。(3)工程2で得られる培養液から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程3。
【選択図】なし

Description

本発明は、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法に関する。
近年ピークオイルが叫ばれ、エネルギーのみならずケミカル・リファイナリーのバイオベース化、工業用原料の石油からバイオマスへの転換等が、焦眉の課題となっている。
3−ヒドロキシ酪酸は、人間では肝臓でアセチルCoAから作られ、血中グルコース濃度が少ない時に脳のエネルギー源として使われること、また、腸内細菌の血中への転移を抑制することから(特許文献1)、輸液としての利用がなされている。また、生分解性プラスチックの原料にも使われている。
非特許文献1の「バイオリファイナリーの出発中間体として期待しうる32化合物」には、3−ヒドロキシ酪酸
が、バイオリファイナリーの出発中間体の有望な化合物として挙げられており、今後その利用の拡大が大いに見込まれている。
3−ヒドロキシ酪酸の製造方法として、例えば本化合物がポリ−3−ヒドロキシブチレート(以下、本明細書においてPHBと呼ぶことがある。)のモノマーであることから、PHBを各種菌体で製造した後、別途調整したリパーゼ等で分解し、モノマーである3−ヒドロキシ酪酸を得る方法(特許文献2)、突然変異体を用い、8.7g/Lの3−ヒドロキシ酪酸を得る方法(非特許文献2)、遺伝子組換え手法を用い12g/Lの収量にて3−ヒドロキシ酪酸を得る方法(非特許文献3)等が知られている。
本発明者らは、商業的な屋外培養を行っても、他の菌の混入がほとんどないことが知られている微細藻類スピルリナの効率的な培養方法を検討していたところ、ある条件下では、特定の好塩菌が唯一の混入する菌として生育することを認めた。当該好塩菌そのものは、通常はpH5〜12程度の条件下の、高濃度のナトリウムを含む培地中でも良好に生育するため、好気発酵下であっても他のバクテリア等の混入が極めて起こりにくいことが推定された。そこで、当該好塩菌の各種の炭素源の資化性を検討していたところ、当該好塩菌の菌体内に著量のポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)が蓄積していること明らかにしている(特許文献3)。
さらに、特許文献4では当該好塩菌のPHAsの産生について特化した調査が記載され、当該好塩菌が乳酸、酢酸等といった特定の物質の産生に関与することも知られている(特許文献4)。また、特定の属に属する菌体を培養し、その後、嫌気的な条件で菌体を約6時間かけて自己融解させることで、117g/Lの収量にて3−ヒドロキシ酪酸を産生する方法も報告されている(非特許文献6)。
特開平7−61924号公報 特開2010−168595号公報 国際公開第2009/041531号パンフレット 特開2010−273582号公報
第15回地球環境産業技術動向調査報告会資料−持続可能な発展を求めて−バイオリファイナリー産業の早期構築へ向けて(財)地球環境産業技術研究機構(RITE)微生物研究グループ 湯川英明 平成18年1月31日 Bioresource Technology Volume 102, Issue 12, June 2011, Pages 6766−6768 Charles U. Ugwu, , , Yutaka Tokiwa and Toshio Ichiba Appl Microbiol Biotechnol (2007) 76:811-818 Qian Liu, Shao−Ping Ouyang, Ahleum Chung, Qiong Wu and Guo−Qiang Chen 三重保環研年報 第9号(通巻第52号),27−32頁 2007年 Monteil−Rivera Fら.2007 Jun 22;1154(1−2):34−41 J. Chromatogr.A Biotechnol. Bioeng. 65, 363−368. (1999) Lee, S.Y., Lee, Y., Wang, F.
本発明は安価に、簡便で、且つ、高効率な3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法を提供することを主な目的とする。上記非特許文献6では、菌体を用いた3−ヒドロキシ酪酸の製造方法が開示されているものの、用いる菌体はAlcaligenes latusであり、当該菌体を溶解しながら3−ヒドロキシ酪酸を産生する方法である。従って、当該菌体の培養時に他の菌体が混入することに配慮をする必要があること、高価な培地を必要とすること、さらに、DNAやタンパク質などといった菌体由来の夾雑物が多く含まれる溶解液から、3−ヒドロキシ酪酸を精製する必要が有るという問題点を有している。
本願発明者は、特定の属に属する好塩菌を、無機塩と単一又は複数の有機炭素源を含む培地を用いて培養すれば、菌体内にPHBを蓄積することを見いだしている(特許文献3)。PHBは、菌体内にエネルギー源や炭素源として蓄積されているため、好気条件においては、炭素源が枯渇し、エネルギー源が不足した場合、これらが分解され、解糖系、TCAサイクルを経て利用されていると想定された。しかしながら、微好気条件又は嫌気条件においては、これらがどのように作用しているかの報告は認められない。
本願発明者は、斯様な背景のもとで鋭意研究を進めた結果、特定の属に属する好塩菌を、好気的な条件で培養することによって菌体内にPHBを蓄積させた後、培養条件を微好気条件に変更することにより、菌体内でPHBが分解して減少し、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が、菌体外の培地中にて産生することを見いだした。
上記のPHBを蓄積するための培養は、バイオディーゼル(以下、本明細書でBDFと呼ぶことがある。)廃液等を用いた培養、光合成できる微細藻類スピルリナ等との混合培養、及び他の細菌の混入が起こりにくい環境での培養が可能であることも見出した。
さらに、PHBから3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の産生は、特定の属に属する好塩菌体の一連の増殖と共に行われるため、培地の変更を伴わず、同じ培養槽を用い、培養条件を変更することだけで、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造が可能であることも明らかとなった。
本発明は、これら知見に基づき、更に検討を重ねて完成されたものであり、以下に示す3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法を広く包含するものである。
項1
下記の工程(1)〜(3)を含む、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法:
(1)ハロモナス属に属する好塩菌を無機塩と、単一若しくは複数の有機炭素源を含む培地で好気培養する工程1、
(2)工程1の培養条件を好気培養から微好気培養に変更して前記菌体を培養し、培養液にて3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を生産する工程2、
(3)工程2で得られる培養液から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程3。
項2 工程2にて得られる培養液1L当り、3g以上の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が含まれることを特徴とする上記項1に記載の方法。
項3 有機炭素源がグリセロールまたは廃グリセロールである上記項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
項4
前記好塩菌がハロモナス・エスピー(Halomonas sp.)KM−1株(FERM BP−10995)である、上記項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
以下に、本発明に係る製造方法の効果を示すが、下記のすべての効果を発揮する発明が本願発明にかかる製造方法ではなく、1以上の効果を有していればよい。
本発明に係る製造方法は、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を、培地中に著量、一部は菌体中に蓄積することができる。
本発明に係る製造方法は、ハロモナス属に属する好塩菌を培養する工程が含まれるが、斯かる好塩菌の培養は、他の細菌の混入が起こりにくい環境で培養することが可能であり、供気条件を変更も容易であることから優れた製造方法である。
本発明に係る製造方法において用いる好塩菌は、例えば、安価な無機塩に加え、バイオディーゼル生産に副生する廃グリセロール、エタノール発酵等の過程で生産される木材糖化液等を有機炭素源として単独で、又は他の有機炭素源と組み合わせて用いることが可能である。さらに、酵母細胞を用いたエタノール発酵において得られ、利用が難しいとされる五炭糖のキシロース、アラビノース等を有機炭素源として有効に利用することも可能である。
これらのことから、例えば現状の遺伝子組換えをしていない酵母細胞を用いた木材糖化液のエタノール発酵後の残渣(主にキシロールやアラビノースを含む)を有機炭素源として利用して、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の生産を行うことが可能である。
本発明に係る製造方法では、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を培地中にて生産することが可能である。培養液から3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を含む画分を簡便に回収することが可能であり、精製工程を行ったとしても、簡易な精製方法が適用できるため、優れた製造方法である。
この点に関して、本発明に係る製造方法では、ハロモナス属に属する好塩菌体の溶菌を伴わない条件にて3−ヒドロキシ酪酸又はその塩をその培養液中から回収することができるので、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を精製する際に、溶菌に伴う核酸、タンパク質、糖質、脂質等といった夾雑分子を除去するための精製工程が非常に簡便になるといった効果を有する。
本発明に係る製造方法によって得られる3−ヒドロキシ酪酸又はその塩は、医療用の輸液に添加したり、そのまま重合してプラスチックとするだけでなく、化粧品、医薬品、機能性食品等、光学活性を持った原料やリファイナリーとして有用である。
好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株を、グルコース、グリセロールを用い33℃にて培養したときの菌体濁度OD600(縦軸)と培養時間(横軸:h)を調べたグラフである。凡例に示す「%」はすべて、「w/v%」を示す(以下、図2〜10においても同じ)。グルコース、グリセロールともに計10%の場合は、生育初期と培養後24時間にそれぞれ5%の炭素源を、計15%の場合は、生育初期と培養後24時間、36時間後にそれぞれ5%の炭素源を供給した。培養当初は、200rpmで、好気的な条件で培養し、36時間目に50rpmの微好気条件に変更した。以下の条件は同じ培養時の分析値をグラフに示したものである。 好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株を、グルコース、グリセロールを用い33℃にて培養したときに蓄積された乾燥菌体重量(縦軸:g/L)と培養時間(横軸:h)を示したグラフである。 好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株を、グルコース、グリセロールを用い33℃にて培養したときに蓄積されたPHBの割合(縦軸:PHB/乾燥菌体(%))と培養時間(横軸:h)を示したグラフである。 好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株を、グルコース、グリセロールを用い33℃にて培養したときに蓄積されたPHBの総量(縦軸:g(PHB)/L(培養液))と培養時間(横軸:h)を示したグラフである。 好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株を、グルコース、グリセロールを用い33℃にて培養したときに、上清中に蓄積された3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の上清中の割合(縦軸:3−ヒドロキシ酪酸又はその塩(g)/培養上清(L)と培養時間(横軸:h)を調べたグラフである。 好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株、ハロモナス・パンテラリエンシス(ATCC 700273)、並びにハロモナス・カンピサリス(ATCC 700597)を、グリセロール10%を用い33℃にて培養したときの菌体濁度OD600(縦軸)と培養時間(横軸:h)を調べたグラフである。培養当初は、200rpmで、好気的な条件で培養し、48時間目に50rpmの微好気に変更した。以下の条件は同じ培養時の分析値をグラフに示したものである。 好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株、ハロモナス・パンテラリエンシス(ATCC 700273)、並びにハロモナス・カンピサリス(ATCC 700597)を、グリセロール10%を用い33℃にて培養したときに蓄積された乾燥菌体重量(縦軸:g/L)と培養時間(横軸:h)を示したグラフである。 好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株、ハロモナス・パンテラリエンシス(ATCC 700273)、並びにハロモナス・カンピサリス(ATCC 700597)を、グリセロール10%を用い33℃にて培養したときに蓄積されたPHBの割合(縦軸:PHB/乾燥菌体(%))と培養時間(横軸:h)を示したグラフである。 好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株、ハロモナス・パンテラリエンシス(ATCC 700273)、並びにハロモナス・カンピサリス(ATCC 700597)を、グリセロール10%を用い33℃にて培養したときに蓄積されたPHBの総量(縦軸:g(PHB)/L(培養液))と培養時間(横軸:h)を示したグラフである。 好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株、ハロモナス・パンテラリエンシス(ATCC 700273)、並びにハロモナス・カンピサリス(ATCC 700597)を、グリセロール10%を用い33℃にて培養したときに、上清中に蓄積された3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の上清中の割合(縦軸:3−ヒドロキシ酪酸(g)/培養上清(L)と培養時間(横軸:h)を調べたグラフである。
本発明に係る3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法は、ハロモナス属に属する好塩菌を用いた下記の工程(1)〜(3)を含む製造方法である。
(1)ハロモナス属に属する好塩菌を無機塩と、単一若しくは複数の有機炭素源を含む培地で好気培養する工程1、
(2)工程1の培養条件を好気培養から微好気培養に変更して前記菌体を培養し、培養液にて3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を生産する工程2、
(3)工程2で得られる培養液から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程3。
本発明に係る製造方法によって製造される3−ヒドロキシ酪酸又はその塩とは、生体内にて通常の光学活性を持った化合物であり、D体である。
また、3−ヒドロキシ酪酸の塩とは、製造時に使用するハロモナス属に属する好塩菌の培地中に含まれる成分に由来する陽イオンによって形成される塩であり、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等、マグネシウム塩、コバルト塩、亜鉛塩、鉄塩、銅塩等が挙げられる。
工程1について
本発明に係る3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法における工程1は、ハロモナス属に属する好塩菌を無機塩と、単一若しくは複数の有機炭素源を含む培地で好気培養する工程である。
<A:好塩菌>
本発明の製造方法工程1にて用いる好塩菌は、下記の(i)又は(ii)のいずれかによって示されるハロモナス属に属する好塩菌を用いればよい。
(i)無機塩と単一若しくは複数の有機炭素源を含む培地にて好気的に増殖し、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を菌体外の培地中に生産させることを特徴とする好塩菌。
(ii)無機塩と単一若しくは複数の有機炭素源を含む培地にて好気的に増殖し、PHBを自らの菌体内にて蓄積した後、微好気条件下で3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を菌体外の培養液にて生産することを特徴とする好塩菌。
なお、「無機塩」及び「有機炭素源」については、<培地>の欄にて後述する。また、「微好気条件」については、下記工程2の<培養方法>の欄にて詳述する。
このようなハロモナス属に属する好塩菌は、酸化的代謝も嫌気的代謝も使い分けることができ、遊離酸素の存在の有無にかかわらず生存が可能で、且つ、遊離酸素の存在下のほうが生育し易い傾向となる、所謂、通性嫌気性菌の性質を有する菌体である。
上述のハロモナス属に属する好塩菌は、0.1〜1.0Mの塩濃度を適とする好塩性を有し、時には塩を含まない培地においても生育する細菌である。そして、上述のハロモナス属に属する好塩菌は、通常はpH5〜12程度の培地にて生育する。
上述のハロモナス属に属する好塩菌として、例えば、ハロモナス・エスピー(Halomonas sp.)KM−1株が挙げられる。ハロモナス・エスピーKM−1株は、平成19年7月10日付で、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305−8566茨城県つくば市東1−1−1中央第6)に受託番号FERM P−21316として寄託されている。また、この菌株は、現在国際寄託に移管されており、その受託番号はFERM BP−10995である。当該ハロモナス・エスピーKM−1株の16S rRNA遺伝子は、DDBJにAccession Number AB477015として登録されている。
また、上述したようなハロモナス属に属する好塩菌の生育特性等に鑑みて、本発明に係る製造方法において用いる好塩菌として、ハロモナス・エスピーKM−1株以外に、ハロモナス・パンテラリエンシス(Halomonas pantelleriensis:ATCC 700273)、ハロモナス・カンピサリス(Halomonas campisalis:ATCC 700597)等も挙げることができる。
さらに、16SリボゾームRNA配列による分析から、上述のハロモナス属に属する好塩菌に限らず、ハロモナス・ニトリトフィルス、ハロモナス・アリメンタリア等も、本発明に係る製造方法にて用いるハロモナス属に属する好塩菌として使用してもよい。
なお、上述したハロモナス属に属する好塩菌には、遺伝子が導入されていてもよい。導入される遺伝子は、本発明に係る製造方法において、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の生産効率等を向上させる機能を発現させるものであれば特に限定されない。例えば、PHBの発現量を増大させる遺伝子、PHBの該菌体内への蓄積を上昇させる機能を発現させる遺伝子;3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を培養液にて生産する機能を増大させる遺伝子;3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の産生量を増大させる遺伝子;PHBを分解する遺伝子等が挙げられる。
これらの遺伝子のハロモナス属に属する好塩菌へ導入は、導入される遺伝子が当該菌体内で発現できる組換えDNAを作成し、これを当該菌体に導入して形質転換することにより行なわれる。例えば当該菌体内で複製可能なプラスミドベクターを用い、このベクター中に該遺伝子が発現できるように該遺伝子の上流にプロモーター及びSD(シヤイン・アンド・ダルガーノ)塩基配列、更に転写開始に必要な開始コドン(例えばATG)を付与した発現プラスミドを利用するのが好ましい。かくして得られる所望の組換えDNAの当該菌体への導入方法及びこれによる形質転換方法としては、一般的な各種方法を採用できる。
<B:培地>
工程1にて用いる培地は、無機塩と単一若しくは複数の有機炭素源に追加した培地である。培地のpHは特に限定されないが、上述した好塩菌の生育条件を満たすpHであることが好ましく、具体的にはpH5〜12程度にすればよい。より好ましくはpH8.8〜12の培地である。アルカリ性の培地を用いれば、他の菌のコンタミネーションをより効果的に防止することができるので好ましい。
工程1にて用いる培地に配合する無機塩は、特に限定されることは無く、例えばリン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、及びナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、鉄、亜鉛、銅、コバルト等の金属塩が挙げられる。
例えば、ナトリウムを無機塩として用いる場合は、NaCl、NaNO、NaHCO3、NaCO等を用いればよい。
これらの無機塩は、上述の好塩菌にとって窒素源やリン源となるような化合物を用いることが好ましい。
例えば、窒素源として、硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニウム塩等を用いればよく、より具体的には、NaNO、NaNO、NHCl等の化合物が用いればよい。
窒素源の使用量は、菌体の生育に影響を及ぼすことなく、本発明の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の生産目的が達成される範囲において適宜設定すればよく、具体的には、培地100mlあたり通常であれば硝酸塩として500mg程度以上とすればよく、より好ましくは1000mg程度以上、更に好ましくは1250mg程度以上である。
また、リン源としては、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩等を用いればよく、より具体的には、KHPO、KHPO等の化合物を用いればよい。
リン源の使用量も、上記の窒素源の使用量と同様の観点から適宜設定すればよく、具体的には、リン酸二水素塩として培地100mlあたり通常は50〜400mg程度とすればよく、より好ましくは100〜200mg程度である。
これらの無機塩は単一で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の化合物等も含めた無機塩は、総量で通常は0.1〜2.5M程度となる濃度で用いればよく、好ましくは0.2〜1.0M程度、より好ましくは0.2〜0.5M程度である。
工程1にて用いる培地に配合する有機炭素源は、特に限定はされないが、例えば、トリプトン、イーストエキストラクト、可溶性デンプン、六炭糖(グルコース、フラクトース)、五炭糖(キシロース、アラビノース)、二糖(スクロース)、糖アルコール(マンニトール、ソルビトール)、エタノール、n−プロパノール、酢酸、酢酸ナトリウム、プロピオン酸、グリセロール、廃グリセロール等が挙げられる。
また、廃蜜糖、木材糖化液、若しくはその残渣も、上述の有機炭素源として用いることができる。中でも、製造方法にかかるコストを低減する観点から、廃グリセロール、廃蜜糖等が好ましい。これらの有機炭素源は、単一で使用してもよい、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の廃グリセロールとは、植物、動物等に由来する油脂に、メタノール等のアルコールと、KOH、NaOH等のアルカリ触媒を添加し、65℃程度の温度にて反応させて得られる、脂肪酸メチルエステルを主体とするバイオディーゼルの製造時に、副産物として得られるものである。
上記の廃グリセロールの組成は、バイオディーゼルの製造設備や、原料として用いる油脂の組成により異なり、特に限定されるものではない。例えば、非特許文献4に示されるように、グリセロール濃度がおよそ30〜65%程度で、上記のアルカリ触媒をおよそ4〜7%程度含有し、pHは10〜12程度の廃グリセロールが挙げられる。また、上記の廃グリセロールには、得られるバイオディーゼルを洗浄する際に用いられる水が含まれている。
上述の有機炭素源の使用量は、使用する有機炭素源の種類により区々ではあるが、通常は培地に対して終濃度が、通常1〜20%w/v程度となる量で使用すればよい。
中でも、有機炭素源として廃グリセロールを用いる場合、その使用量は、培地に対して終濃度が通常1〜20w/v%程度とすればよく、好ましくは10〜15w/v%程度である。
本発明に係る製造方法では、塩濃度が比較的高い条件の培地で、ハロモナス属に属する好塩菌を培養するため、他の菌体の混入の恐れがほとんどないので、上述の培地に対して滅菌処理等を行う必要も無く、簡便な設備で培養することも可能である。
<C:培養方法>
工程1における上述のハロモナス属に属する好塩菌の培養は、好気培養を採用する。工程1における好気培養は、当該菌体が増殖し、且つ、該菌体内にPHBが著量蓄積するような条件となる好気培養である限り、特に限定はされないが、例えば、5ml程度の培地に当該好塩菌を植菌し、通常30〜37℃程度、攪拌速度は120〜180rpm程度で1晩振盪しながら前培養を行う。
続いて前培養して得られた菌体を、三角フラスコ、発酵槽、ジャーファーメンター等に入った培地中に100倍程度に希釈し本培養する。本培養は通常20〜45℃程度で可能であるが、30〜37℃程度で行うことが好ましい。この際の攪拌速度は通常は150〜250rpm程度とすればよい。なお、培養環境は培地が空気に触れる環境とすればよく、培養液表面に積極的に酸素を含む気体を吹き付ける方法や培地中に係る期待を吹き込む方法を採用してもよい。
工程1では、このような培養条件でハロモナス属に属する好塩菌を好気培養すればよい。具体的に好気培養時の培養液中の溶存酸素濃度は、特に限定はされないが、通常は2mg/L以上とすればよい。
工程1での培養方法は、回分培養、半回分培養、連続培養等の培養方法が挙げられ、特に限定はされないが、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を効率よく製造するには、本発明に係る方法によって用いる好塩菌が他の菌が混入する可能性が極めて低いことを考慮すれば、回分培養又は半回分培養が好ましい。
工程2について
本発明に係る3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法における工程2は、上記工程1の終了後、前記菌体を微好気培養して、培養液にて3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を生産する工程である。
ここで、「培養液にて3−ヒドロキシ酪酸を生産する」とは、工程1にて培養して得られたハロモナス属に属する好塩菌体から、培養液に3−ヒドロキシ酪酸を分泌することを意味し、「培養液にて3−ヒドロキシ酪酸の塩を生産する」とは、培養液に分泌された3−ヒドロキシ酪酸が、培養液中に存在する上述の陽イオン成分と反応して、3−ヒドロキシ酪酸の塩を形成することを意味する。
工程2では、培養条件を微好気条件に変更しさえすればよく、工程1にて得られるPHBを菌体内に蓄積したハロモナス属に属する好塩菌を回収して、新たな培地にて培養しても、培地を変更せずにそのまま培養条件を微好気条件に変更しても、工程1の終了時に新たな培地を追加して、培養してもよい。
工程1の好気培養を終了し、工程2の微好気培養に培養条件を変更する時期は、工程1にて得られるハロモナス属に属する好塩菌体内に蓄積されるPHBの量が最大となる時期が好ましい。ここで、最大となる時期とは必ずしも一点の時期に限定されることは無く、当該菌体内におけるPHBの蓄積量が最大値の通常60%以上となる時期に、培養条件を微好気培養に変更すればよい。なお、当該菌体内のPHBの量は、後述する実施例に記載の方法を採用して算出すればよい。
<D:培養方法>
工程2における微好気培養とは、培地中又は培養環境を完全に嫌気条件下にするのではなく、積極的に酸素の通気を行わない方法で培養することである。
このような微好気条件での培養方法は、特に限定はされないが、例えば培地表面が空気に触れる状態で、攪拌速度を100rpm以下、望ましくは50rpm以下にて培養する方法が挙げられる。なお、撹拌を完全に止めてしまうことは、培養液中の溶存酸素が速やかに消失してしまうことから、工程2において好ましくない。このとき、培養液中の溶存酸素濃度は、特に限定はされないが、通常は2mg/L以下とすればよい。ここで、培養液中に溶存する酸素が全く存在しない条件とすれば、ハロモナス属に属する好塩菌が速やかに溶菌するので、工程2において好ましくない。
工程2において、工程1によって得られるPHBを菌体内に著量蓄積したハロモナス属に属する好塩菌を微好気培養することによって、当該好塩菌は死滅すること無く培養される。
なお、当該好塩菌の死滅を確認するには、当該菌体の死滅に基づく菌体から培養液に溶出するDNAの有無を判断すればよく、例えば、当該好塩菌の培養液上清を分光光度計で測定することにより、DNAに基づく260nm付近に吸光の顕著なピークが存在しないことによって確認すればよい。
また、他の手法としては、ハロモナス菌の16SリボゾームRNA配列に特異的なPCRプライマー(例えば832F:配列番号1、1016R:配列番号2等)を用い(増幅長さは184bp)、リアルタイムPCR装置を用いて上清中のゲノムDNA濃度を測定することにより確認してもよい。
上述のような方法を用いた微好気条件における培養液中のDNA量は、微好気条件での培養の開始から、おおよそ72時間までの間では、通常0.5〜2.5mg/L程度となる。
即ち、工程2では上述のような培養液中におけるDNA量となるような条件にてハロモナス属に属する好塩菌を培養すればよく、このような培養液中におけるDNA量となる培養条件を、本発明における微好気条件を満たすことの、ひとつの目安となる。
培養時間は、培地に用いる無機塩、有機炭素源などといった培地の条件により異なるが、後述するような所望の量の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が回収できるのに十分な時間の培養時間とすればよく、特に限定はされないが、上述のように微好気培養に変更した後に、培養液中に放出されるハロモナス属に属する好塩菌の溶菌に伴う核酸、タンパク質、等を除去する精製工程を簡便にすること、すなわち、培養液中のDNA濃度や、当該培養液中の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の濃度等に鑑みて、適宜決定すればよい。
工程3について
本発明に係る3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法における工程3は、上記工程2にて得られた培養液から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程である。ここで、回収とは工程2によって得られる培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が存在している時に上述の工程2の培養を停止し、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を含む培養液と、上記好塩菌体を分離することである。
具体的な分離の手法は、遠心操作、濾過等の公知の固液分離の操作を採用すればよい。また、培養の停止方法も特に限定はされず、例えば、上記好塩菌を加熱、酸処理等の方法によって殺菌する方法、遠心操作、濾過等の公知の固液分離方法を用いて培養液と上記好塩菌体を分離する方法等が挙げられる。
培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が含まれたまま培養をし続けていると、好気的な条件の場合には特に、培養液中に分泌された3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が、当該好塩菌体内に再度取り込まれて利用されるために、結果として培養液中の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が減少し、ひいては培養液から消失してしまうためにてしまうために、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が存在しているときに、上記培養を停止する必要がある。
培養液中の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の存在を確認する方法は、菌種、培地成分、培養条件等により変わり得るものであるので、これらの要素を考慮して適宜決定する。例えば、キャピラリー電気泳動等の分析方法を使用して、培養を行いながら培養を停止する時間を決定することもできる。
また、3−ヒドロキシ酪酸は酸性を示す化合物であることから、培養の際の培地のpHの低下を基準にして、3−ヒドロキシ酪酸の存在を確認してもよい。
なお回収される3−ヒドロキシ酪酸の塩は、培養液中に含まれる無機塩に基づく、ナトリウムやカルシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属陽イオン等と反応したアルカリ金属塩として回収される。従って、3−ヒドロキシ酪酸を製造するには、回収した培養液を蒸留等の常法に供すればよい。また、回収した培養液を適切なカラムを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製工程に供してもよい。さらに、回収した培養液のpHを適宜変更して、所望の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩のいずれかを精製工程に供してもよい。
本発明に係る製造方法によって、培地中に菌体由来の溶解物を含むことなく得られる3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の量は、培地1Lに対して通常は3g程度以上であり、好ましくは10g以上、より好ましくは15.3g以上、さらに好ましくは17.2g程度以上、最も好ましくは20g程度以上である。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明が実施例に限定されないことは言うまでも無い。
<3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の測定>
培養液にて生産される3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を測定するため、非特許文献5に記載されたポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)分析の手法を応用し、以下の実験を行った。
下記の方法で培養して得られた培養液を遠心分離して上清のみ採取し、50μLを乾燥させた。この上清乾燥物に、3vol%のHSOを含むメタノール0.50mlを加え105℃で1時間加熱し、3−ヒドロキシ酪酸またはその塩をすべて3−ヒドロキシ酪酸メチルに変換した。その後、室温まで冷却した後、クロロホルム0.50ml、蒸留水0.25mlを加えて、激しく攪拌した。その後、1分間遠心分離したのち、クロロホルム層を1μl分取し、ガスクロマトグラフ装置を用いて、3−ヒドロキシ酪酸を分析した。3−ヒドロキシ酪酸の標品を上清乾燥物と同様に処理、分析し、これを基準として培地あたりの3−ヒドロキシ酪酸蓄積率(3−ヒドロキシ酪酸(g)/上清液(L))を求めた。また、「F-キット D−3−ヒドロキシ酪酸」(株式会社J.K.インターナショナル)のキットでは、D体のみが検出される。このキットでの測定値と、ガスクロマトグラフ装置での測定値が一致したことから、分泌された3−ヒドロキシ酪酸は、ほぼD体であることが確認された。
<PHB蓄積率測定>
菌体内に蓄積されたPHBの蓄積量を測定するため、非特許文献2に記載の手法を用い以下の実験を行った。
上記培養した培養液を遠心分離して菌体のみ採取し、蒸留水で数回洗浄したのち乾燥させた。この乾燥菌体1〜3mgに、3vol%のHSOを含むメタノール0.50mlを加え105℃で3時間加熱した。その後、室温まで冷却した後、クロロホルム0.50ml、蒸留水0.25mlを加え、激しく攪拌した。その後、1分間遠心分離したのち、クロロホルム層を1μl分取し、ガスクロマトグラフ装置を用いて、PHAsを分析した。PHBの標品を乾燥菌体と同様に処理、分析し、これを基準として乾燥菌体あたりのPHB蓄積率(PHB(g)/乾燥菌体重量(g))を求めた。
本実施例では、ハロモナス属に属する好塩菌を用いた3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を製造する方法について詳述する。
表1に示すSOT改5(Spirulina platensis Medium改5)を基本にした培地を用いた。この培地は、Spirulina platensis Medium(国立環境研究所のHP)であり、NaHCO、NaCOの量を調整し、窒素源のNaNOを5倍に、リン源のKHPOを4倍に増加させて調整した。上記の培地を調整した後のpHは9.4±0.1であり、オートクレーブ等の滅菌操作は行わずにそのまま用いた。
培養の際には、上述の培地に対して各種有機炭素源を適宜追加して用いた。具体的な有機炭素源として、それぞれ培地中での終濃度が10%若しくは15%となるグリセリン、又は10%となるグルコースを使用した。
Figure 2013081403
<ハロモナス属に属する好塩菌のプレ培養>
ハロモナス属に属する好塩菌(ハロモナス・エスピーKM−1株、ハロモナス・パンテラリエンシス〔ATCC 700273〕及びハロモナス・カンピサリス〔ATCC 700597〕)を、プレート培養より、16.5mm径の試験管に5mlの上記SOT5改培地(この場合、炭素源として1w/v%グルコース等を含むものを用いた)を加え、37℃で1晩振盪培養した。
<ハロモナス属に属する好塩菌の培養、サンプルの回収等>
プレ培養した各種ハロモナス属に属する好塩菌体0.2mlを、100ml容の三角フラスコに入れた上記SOT改5培地20mlに混合して植菌し、シリコセンをした。これを、33℃で撹拌速度を200rpmとなる条件にて振盪培養し、24時間後から、およそ12時間おきに培養液を0.5mlずつ回収して、OD600、乾燥菌体重量、PHB含有量、及び上清中の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の量を測定した。
有機炭素源としてグルコース又はグリセロールを計10%用いる場合は、それぞれ生育初期に5%分を培地に含有させ、培養後24時間には5%の炭素源を追加供給し、計15%用いる場合は、生育初期に5%分を培地に含有させ、培養後24時間及び36時間後にそれぞれ5%分の有機炭素源を追加供給した。
培養当初は、撹拌速度を200rpmと好気的な条件で培養し、36時間目に撹拌速度を50rpmと、微好気条件に変更した。培養液は、サンプリング後、再度シリコセンをし、33℃で振盪培養を継続し、回分培養した。
図1、2では、ハロモナス・エスピーKM−1株を33℃において、グルコース又はグリセロールを炭素源に培養した生育の状況が示している。図3、4では、同条件で培養した際のPHBの生産量について示している。図5では、同条件でハロモナス・エスピーKM−1株を培養した際の培養液上清中の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の生産量について示している。
有機炭素源としてグルコース又はグリセロールを初期の濃度が5%で含む培地を用い24時間目及び/又は36時間目に5%分の有機炭素源を追加しても、特段の炭素源による生育阻害は見られなかった。また、一般に、グルコースの方が、グリセロールより生育速度は早く、PHBの蓄積量も多い。好気条件から、微好気条件へと供気条件を変更する36時間目において、15%のグルコースの場合は32.5g/L、10%及び15%のグリセロールの場合21.5g/LのそれぞれPHBの蓄積が認められた。
有機炭素源が15%のグルコースの場合、81%のPHBが分解され、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が20g培地中に分泌された。
有機炭素源がグリセロールの場合、10%並びに15%ともに、ほぼ100%のPHBが分解され、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が、それぞれ15.3g並びに17.2g培地中に分泌された。
上記結果から、グルコース、グリセロール等を有機炭素源として含む培地を用いれば、ハロモナス・エスピーKM−1株は、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を収量として培地1L当り15.3g以上を産生することができることが明らかとなり、PHBの蓄積量を増やせば、特にグリセロールの場合、そのほとんどが分解され、多くが3−ヒドロキシ酪酸又はその塩として培地中に分泌させることも可能であることを示した。
図6、7では、33℃において、好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株、ハロモナス・パンテラリエンシス(Halomonas pantelleriensis:ATCC 700273)及びハロモナス・カンピサリス(Halomonas campisalis:ATCC 700597)を、グリセロール10%を用い33℃にて培養したときの生育の状況が示している。図8、9では、同条件で培養した際のPHBの生産量について示している。図10では、同条件で培養した際の培養液の上清中の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の生産量について示している。
炭素源としてグリセロール10%を炭素源とした場合、好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株、ハロモナス・パンテラリエンシス及びハロモナス・カンピサリスのそれぞれによって生育状況は異なる。好気条件から微好気条件へと供気条件を変更する48時間目において、好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株、ハロモナス・パンテラリエンシス、及びハロモナス・カンピサリスは、それぞれ、16.0g/L、5.8g/L、7.3g/LのPHBの蓄積が認められた。また、好塩菌ハロモナス・エスピーKM−1株、ハロモナス・パンテラリエンシス、及びハロモナス・カンピサリスは、それぞれ、98%、46%、41%のPHBが分解され、3−ヒドロキシ酪酸が、それぞれ、16g、2.6g、3.0g培地中にて生産された。
上記結果から、グルコース、グリセロール等を有機炭素源として含む培地を用いれば、ハロモナス・エスピーKM−1株は、3−ヒドロキシ酪酸を収量として培地1L当り14g以上を産生することができることが明らかとなり、PHBの蓄積量を増やせば、特にグリセロールの場合、そのほとんどが分解され、多くが3−ヒドロキシ酪酸として培養液中にて生産されることも可能であることを示した。
また、培養時の窒素源については、ある程度の濃度範囲であればPHBの蓄積に差がないことは、特許文献3,5に示すとおりである。
さらに、別のハロモナス属に属する好塩菌においても同様の傾向を示すことは、図6,7,8,9,10に示すとおりである。
なお、培地中の溶存酸素量についてもHORIBA D−55溶存酸素計で測定した。200rpmの場合0.2〜0.4mg/ml、50rpmの場合0.11〜0.21mg/mlの溶存酸素量を示した。
また、微好気条件でハロモナス・エスピーKM−1株を72時間培養した際の培地中のDNA量は、2.31mg/Lであり、好気条件にて培養した際の0.25mg/Lよりも多いものの、嫌気条件にて培養した際の384mg/Lと比較して約0.6%にまで抑えることが明らかとなった。
なお、微好気条件にて72時間培養した際の、培養液中のDNA量は、上述の2.31mg/Lを越えることはなかった。

Claims (4)

  1. 下記の工程(1)〜(3)を含む、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法:
    (1)ハロモナス属に属する好塩菌を無機塩と、単一若しくは複数の有機炭素源を含む培地で好気培養する工程1、
    (2)工程1の培養条件を好気培養から微好気培養に変更して前記菌体を培養し、培養液にて3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生する工程2、
    (3)工程2で得られる培養液から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程3。
  2. 工程2にて得られる培養液1L当り、3g以上の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 有機炭素源がグリセロールまたは廃グリセロールである請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記好塩菌がハロモナス・エスピー(Halomonas sp.)KM−1株(FERM BP−10995)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
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