JP2024501674A - Ralstonia eutropha株の共培養のためのシステム - Google Patents

Ralstonia eutropha株の共培養のためのシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、細菌Cupriavidus necator(Ralstonia eutropha)の2つの異なる株を含む共培養システム、ならびにバイオマス及び付加価値化合物の生産のためのその使用に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、細菌Ralstonia eutropha(Cupriavidus necator)の2つの異なる株を含む共培養システム、及び付加価値化合物の生産のためのその使用に関する。
共培養技法は幅広い応用があり、合成生物学において重要性が大きく、これは複数種細胞コンソーシアムが、新規及び既知の両方の工業用または医療用化合物の生産に対して莫大な可能性をもつことが広く認められることや、これらのシステムが、それらのそれぞれの単一培養物に勝る増加した生産性及び他の利点を有することが示されていることによる(Bernstein et al.,2012)。
場合によっては、株が所与の基質を代謝する及び/または目的の生成物を合成する効率的な能力等の、所望のインビボの生理的挙動を示さないため、株を容易に単一培養することができないが、別の細胞集団の存在が、例えば、複合基質の変換、または蓄積していく代謝産物もしくは培地化合物による増殖阻害作用の除去によって、培養の成功または細胞挙動を改善する可能性がある。
例えば、幅広い工業的応用を有する天然の生分解性ポリエステルの群であるポリヒドロキシアルカノエート(PHA)は、単一のPHA生産細菌株を用いて、スクロース、または加水分解されたスクロースに富む基質等の広く利用可能な炭素源から生産されている(Jian Yu,2016、Sen et al.,2019)。しかしながら、このプロセスは通常、一方の糖(グルコース)の完全な消費により終わり、一方で第2の糖が蓄積する(フルクトース)。PHA蓄積株によるこれらの2つの糖の消費速度の差異が以前に報告されている(Raberg et al 2011、Dalsasso et al 2019)。個々の糖のこの選択的消費は、基質の収量に影響を及ぼすだけでなく、蓄積したより高い糖濃度が細菌株の増殖及びPHA生産性もまた阻害する。
周知の微生物生産プラットフォーム株は、土壌細菌Ralstonia eutropha、別名Cupriavidus necatorである。野生型株Ralstonia eutropha H16(Cupriavidus necator H16、DSM 428)は、過剰量の糖基質に曝露されたときにPHAプラスチックを生産し、捕捉することが知られ、Ralstonia eutropha H16は、PHA及び単細胞タンパク質の工業生産のためのプラットフォームとして使用されている。多種多様な基質の利用度及び高細胞密度まで増殖する能力のため、この株は、Saccharomyces cerevisiae、Corynebacterium glutamicum、またはEscherichia coli等の工業レベルで既に使用されている他の微生物株と同様に、ここ数十年間で集中的に研究され、調製されて、強固な微生物細胞工場となっている。Ralstonia eutropha H16は、独立栄養性及び従属栄養性の両方で増殖することができ、それはCO、H、O、及び合成ガスのようなガス、短鎖有機酸、糖、脂肪酸、及び脂質、ならびに芳香族化合物を利用する。異なる環境からのR.eutropha種の新たな株の継続的単離に加えて、ゲノム配列、変異誘発、発現ベクター及びプロモーターシステムの可用性により、これらの株を適切に操作して、ポリチオエステル、中鎖長ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(2-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(4-ヒドロキシアルカノエート)、シアノフィシンのような生体高分子、ならびに(R)-ヒドロキシアルカン酸、2-メチルクエン酸等の付加価値化学物質、ならびにブタノール、イソブタノール、またはイソプロパノール等の異なるアルコール及びアルケン等の多くのバイオテクノロジー製品を生産することが可能となっている。この株はまた、燃料電池、光駆動型水素におけるようなバイオエネルギー生産、またはポリヒドロキシアルカノエートのメチルエステル、もしくはメチルケトンのような非アルコールバイオ燃料分子の生産にも使用される。その上、R.eutrophaは、組換えタンパク質発現システムのための有力な宿主株である大きな可能性を有する(Lu et al.2016、Raberg et al.2018)。
さらにより多種多様な基質、とりわけ、セルロース、脂肪、及びスクロースに富むストリーム等の農業産業及び食品産業の加水分解から生産される混合糖または短鎖及び中鎖脂肪酸が、R.eutrophaの変異株または操作株によって利用され得る。基質の混合物を共同利用し、プロセスの収量及び生産性を最大化するために、R.eutropha株と、桿菌、pseudomonas、またはsaccharomyces等の他の微生物または細菌種との共培養が研究されている(Rebocho et al.2020、Tan et al.2014)。しかしながら、異なる種由来の微生物株は、それらの所要かつ最適な増殖培地及び条件が大きく異なるため、所与の単一培養株の増殖及び培地条件と適合性であるだけでなく、単一培養の場合よりも高い程度でそれによる所望の化合物(複数可)の生産を増加させることもできる株を用意することは極めて困難である。追加として、ことによると共培養に適合性であることが見出される任意の微生物株は、様々な他の不所望の代謝産物を生産する可能性が高く、これは、これらの化合物を分離するための余分のステップを必要とする等、望まれない効果を有し得る。
よって、培養条件、基質消費量の最適化、共生産された代謝産物の分離、及び目的の化合物(複数可)の生産性の向上というこれらの問題に対処する、Cupriavidus necator種の株またはバリアントの培養ための改善された共培養システムに対する満たされていない必要性が存在する。
本発明は、Cupriavidus necator種(Ralstonia eutropha)に属する2つの細菌株の共培養システムに関し、これら2つの株は、異なる炭素源を利用する及び/または代謝するそれらの能力に関して異なる。
実際、本発明者らは、C.necator H16(DSM 428)等のフルクトース利用C.necator、及びC.necator H1G3(DSM 545)等のグルコース利用C.necatorが、炭素源として加水分解されたスクロースを使用して一緒に培養され得ることを見出した。C.necator DSM 428は、野生型であり、炭素源としてフルクトースを使用する一方で、C.necator H16の変異体であるC.necator DSM 545は、炭素源としてフルクトースよりもグルコースを使用することを好む。かかる共培養システムは、いずれかの株の単独の培養と比較してより高い生成物収量及びより高い生産性を確保し得る。より高い生産性は、細菌によって利用されていない蓄積した糖の増殖阻害作用を回避することによって得られる。70g/L及びさらに高い細胞乾燥重量のPHA収量が、開示される共培養システムにより得られている。
本明細書に開示される共培養システム及びプロセスは、総原材料から最終生成物への最適な変換を可能にする。よって、廃棄材料、例えば、残留フルクトースまたはグルコースは、最小限に抑えられる。
本開示の一態様は、単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の生産のための共培養システムに関し、該共培養システムは、微生物成分及び基質を含み、
該微生物成分は、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞を含むか、またはそれからなり、該第1の微生物細胞及び該第2の微生物細胞は、Cupriavidus necator種の異なる株であり、該基質は、少なくとも第1の炭素源及び第2の炭素源を含み、該第1の炭素源が該第2の炭素源とは異なり、
該第1の微生物細胞は、該第1の炭素源を代謝することができ、該第2の微生物細胞は、該第2の炭素源を代謝することができる。
本開示の一態様は、Cupriavidus necatorの単細胞タンパク質材料の生産のためのプロセスに関し、該プロセスは、
a)供給原料を用意することと、
b)本明細書で定義される共培養システムの微生物成分を用意することと、
c)供給原料を共培養システムの微生物成分と接触させ、それによって供給原料を発酵させて、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物を含む発酵組成物を得ることと、を含む。
本開示の一態様は、ピルビン酸及びピルビン酸由来生成物の生産のためのプロセスに関し、該プロセスは、
a)供給原料を用意することと、
b)本明細書で定義される共培養システムの微生物成分を用意することと、
c)供給原料を共培養システムの微生物成分と接触させ、それによって供給原料を発酵させて、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物を含む発酵組成物を得ることと、を含む。
本開示の一態様は、単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の生産のためのパーツのキットに関し、該パーツのキットは、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞ならびに使用説明書を含むか、またはそれからなり、該第1の微生物細胞及び該第2の微生物細胞は、Cupriavidus necator種の異なる株であり、
該第1の微生物細胞は、第1の炭素源を代謝することができ、該第2の微生物細胞は、第2の炭素源を代謝することができ、該第1の炭素源は、該第2の炭素源とは異なる。
本開示の一態様は、単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の生産のためのシステムに関し、該システムは、本明細書に記載の、故に本明細書に記載の共培養システムを使用することによるピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物のような増殖関連代謝産物の微生物による生産のためのプロセスを実施するように構成された発酵リアクタを含む。
本開示の一態様は、本明細書に開示されるプロセスによって得られる天然ポリヒドロキシアルカノエート顆粒を含む組成物に関する。PHAバイオプラスチックは、細胞内顆粒として蓄積し、これはそれらの天然顆粒形態で生物抽出され(bioextracted)、回収され得る。
本開示の一態様は、バイオプラスチックの製造のための、本明細書に開示されるプロセスによって得られる天然ポリヒドロキシアルカノエート顆粒の使用に関する。
本開示の一態様は、バイオプラスチックの製造のための、本明細書に開示される天然ポリヒドロキシアルカノエート顆粒を含む組成物の使用に関する。
PHB生産のためのC.necator DSM 545の単一培養による流加発酵。C.necator DSM 545の単一培養物に加水分解されたスクロース(フルクトース及びグルコースの混合物)を供給した。細胞は、比較的高い細胞密度まで増殖し、PHBを蓄積したが、連続供給中にフルクトースが蓄積し始めた。 加水分解されたスクロースからのPHB生産のためのC.necator DSM 428及びC.necator DSM 545の共培養による流加発酵。試験されたグルコース利用株及びフルクトース利用株の共培養物は、グルコース及びフルクトースの両方の消費に成功し、流加発酵が単一培養と比較してより高い細胞密度及びより高いPHB含量に達することを可能にした。 加水分解されたスクロースからのPHBV生産のためのC.necator DSM 545の単一培養による流加発酵。C.necator DSM 545の単一培養物をまた、加水分解されたスクロース及び補助基質プロピオン酸塩の連続供給による共重合PHBVの生産に使用した。このグルコース利用株は、比較的高い細胞密度まで増殖し、PHBVをある程度蓄積したが、供給を継続したにもかかわらずより高い細胞密度を達成することはできなかった。 加水分解されたスクロースからのPHBV生産のためのC.necator DSM 428及びC.necator DSM 545の共培養による流加発酵。共培養システムは、C.necator DSM 545の単一培養と比較して、加水分解されたスクロース及び補助基質の供給を継続する間、より高い細胞密度及びより高いPHBV生産性に達した。
定義
本明細書で使用される「微生物(microbial)細胞」という用語は、微生物(microorganism)由来の、特に細菌由来の細胞を意味する。好ましくは、「微生物細胞」は、同じ微生物(細菌)株の複数の微生物細胞を指して使用される。
本明細書で使用される「炭素源」という用語は、「発酵性炭素源」と同等であり、微生物がエネルギーを引き出すために代謝する炭素源を意味する。典型的な炭素源には、単糖、オリゴ糖、多糖、アルカン、脂肪酸、脂肪酸のエステル、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、二酸化炭素、エタノール、メタノール、ホルムアルデヒド、ホルメート、及び炭素含有アミンが含まれるが、これらに限定されない。C.necator株の各々は、生成物の生産のため及びその増殖のために単一の炭素源を使用する能力を有し得るため、その単一の炭素源は、「唯一の炭素源」と称される。唯一の炭素源として、例えば、グルコースもしくはフルクトースまたは脂肪酸を使用するC.necator株は、他の炭素源で増殖することもできる。「唯一の炭素源」という語句の意味は、他の炭素源がまた存在してもよいことを意味する。
「代謝することができる」という用語は、本開示で炭素源に対して使用される。本明細書で使用される「代謝することができる」という用語は、微生物細胞が、ある特定の炭素源を取り込むこと、及びその代謝システムを通じてそれからエネルギーを引き出すことの両方ができることを意味する。例えば、野生型C.necator(C.necator DSM 428、DSM 428)は、グルコースを取り込むことができないが、それにもかかわらず、それからエネルギーを引き出すのに必要とされる酵素を有する。故に、野生型C.necator(C.necator DSM 428、DSM 428)は、グルコースを代謝することができない。他のC.necator株もまた、グルコースを取り込むことができる場合があるが、それからエネルギーを引き出すのに必要とされる酵素を欠いている。故に、これらの株は、グルコースを代謝することができない。変異体C.necator H1G3(DSM 545)は、グルコースを取り込むこと及びグルコースからエネルギーを引き出すことの両方ができ、故に、それはグルコースを代謝することができる。
「タイター」または「化合物のタイター」という用語は、本明細書で化合物の生産された濃度を指す。化合物が細胞によって生産される場合、この用語は、細胞によって生産される総濃度、すなわち化合物の総量を培養培地の体積で割ったものを指す。
本明細書で使用されるとき、「高細胞密度」とは、規定の体積の培養培地中、規定の培養期間で、多数の微生物原核細胞または真核細胞を産出する培養物を指す。高細胞密度値は、微生物細胞に依存し、微生物を中毒にすることなく増殖制限基質を徐々に添加(流加)することにより達せられる細胞密度値として定義され得る。
「バイオ燃料」という用語は、燃料内に含まれる全ての炭素が植物または動物廃棄物等のバイオマスに由来し、微生物によって少なくとも部分的に燃料へと生化学的に変換される燃料を指す。バイオ燃料には、バイオディーゼル、バイオ水素、バイオガス、バイオマス由来ジメチルフラン(DMF)等が含まれるが、これらに限定されない。特に、「バイオ燃料」という用語は、所望であれば使用前に変性させられ得る、エタノール、メタノール、プロパノール、またはブタノール等の植物由来アルコールを指して使用され得る。「バイオ燃料」という用語はまた、アルコール/ガソリン混合物(すなわち、ガソホール)等の、植物由来燃料を含む燃料混合物を指しても使用され得る。バイオ燃料は、テンサイ及びサトウキビ糖蜜等の植物材料の好気性または嫌気性発酵によって生産される任意のバイオ燃料であり得る。
「単細胞タンパク質材料」または「SCP材料」という用語は、動物用飼料への組み込み用の、酵母及び細菌タンパク質等の微生物に由来するタンパク質を指す。例えば、「単細胞タンパク質材料」は、食用細菌バイオマス等の微生物バイオマスであり得る。実際、細菌バイオマスは、タンパク質に富む。真菌、酵母、及び細菌等の単細胞微生物は、ヒトの食物における新たなタンパク質源として及びある特定の動物用飼料として提案されている。これらは単細胞生殖によって増殖させられ得る。今日では、最も広く使用されるタンパク質含有微生物(別称「単細胞タンパク質材料」)は、真菌または酵母に由来するものである。本開示は、一部の態様では、細菌に由来する、特にCupriavidus necator種の2つの異なる株の共培養物に由来する単細胞タンパク質の生産に関する。
共培養システム及びキット
本開示の一態様は、単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の生産のための共培養システムに関し、
該共培養システムは、微生物成分及び基質を含み、
該微生物成分は、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞を含むか、またはそれからなり、
該第1の微生物細胞及び該第2の微生物細胞は、Cupriavidus necator種の異なる株であり、
該基質は、少なくとも第1の炭素源及び第2の炭素源を含み、該第1の炭素源が該第2の炭素源とは異なり、
該第1の微生物細胞は、該第1の炭素源を代謝することができ、該第2の微生物細胞は、該第2の炭素源を代謝することができる。
一実施形態では、本開示は、ポリヒドロキシアルカノエートの生産のための共培養システムに関し、
該共培養システムは、微生物成分及び基質を含み、
該微生物成分は、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞を含むか、またはそれからなり、
該第1の微生物細胞及び該第2の微生物細胞は、Cupriavidus necator種の異なる株であり、
該基質は、少なくとも第1の炭素源及び第2の炭素源を含み、該第1の炭素源が該第2の炭素源とは異なり、
該第1の微生物細胞は、該第1の炭素源を代謝することができ、該第2の微生物細胞は、該第2の炭素源を代謝することができる。
一実施形態では、本開示は、Cupriavidus necatorの単細胞タンパク質材料の生産のための共培養システムに関し、
該共培養システムは、微生物成分及び基質を含み、
該微生物成分は、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞を含むか、またはそれからなり、
該第1の微生物細胞及び該第2の微生物細胞は、Cupriavidus necator種の異なる株であり、
該基質は、少なくとも第1の炭素源及び第2の炭素源を含み、該第1の炭素源が該第2の炭素源とは異なり、
該第1の微生物細胞は、該第1の炭素源を代謝することができ、該第2の微生物細胞は、該第2の炭素源を代謝することができる。
実際、本発明は、類似するが同一ではない代謝作用を有する細菌種Cupriavidus necatorの2つの株を同じ培養条件で一緒に培養し、ある特定の価値ある化合物の改善された生産をもたらすことができると同時に、とりわけ基質が1つよりも多くの炭素源を含む場合に、それらが培養物中で利用可能な基質をよりよく利用することができることを見出した。実際、野生型Cupriavidus necatorは、それが増殖培地からグルコースを取り込むことができないため(それがグルコースからエネルギーを引き出すために必要とされる酵素を有する場合でさえも)、グルコースを代謝することができないが(Raberg et al 2011)、いくつかのグルコース利用Cupriavidus necator変異株が、紫外線照射(Schlegel and Gottschalk 1965)、化学的変異誘発(Kim et al.1995)、及び代謝工学(Sichwart et al.2011)を通じて単離され及び/または得られている。
本発明は、グルコースを代謝することができるCupriavidus necator株と、グルコースを代謝することができないCupriavidus necator株とを一緒にした共培養が可能であり、Cupriavidus necator株が同じ基質を用いて単独で培養される場合と比較して、基質利用度を改善するため及びある特定の微生物生成物をより高いタイターで生産するための両方に有利でさえあることを見出した。
本開示は、Cupriavidus necator種に属する2つの株の共培養物に関する。Cupriavidus necator及びRalstonia eutrophaという名称は、本明細書で互換的に使用される。
Cupriavidus necatorは、ベータプロテオバクテリア綱のグラム陰性土壌細菌である。Cupriavidus necatorは、一連の名称変更を経ている。C.necatorは元々、それがHydrogenomonas部類に入るため、Hydrogenomonas eutrophusと命名された。細胞形態学、代謝、及びGC含量の特性評価後、Hydrogenomonasの命名は、それが多くの微生物種を含むため解除された。次いで、H.eutrophusは、それが変性した周毛性鞭毛を有する微生物であるため、Alcaligenes eutrophaと改名された。表現型、脂質組成物、脂肪酸組成物の調査、及び16S rRNA分析により、A.eutrophaは、Ralstonia属に属することが見出され、Ralstonia eutrophaと命名された。この属のさらなる研究後、Ralstoniaは、表現型が明確に異なる2つのクラスターを含むことが見出された。これらのクラスターのうちの一方から、R.eutrophaを含む、新たなWautersia属が創出された。次いで、R.eutrophaは、Wautersia eutrophaと改名された。Cupriavidus necatorとのDNA-DNAハイブリダイゼーション及び表現型の比較に注目して、W.eutrophaは、先に記載したC.necatorと同じ種であることが見出された。C.necatorは、R.eutropha及びW.eutrophaへの改名よりもはるかに前の1987年に命名されたため、国際細菌命名規約(International Code of Nomenclature of Bacteria)の第23a則に従って、C.necatorという名称がR.eutrophaに割り当てられた。現在のところ、Cupriavidus necatorは依然として、Ralstonia eutrophaと称される。
本開示の一実施形態では、共培養システムの微生物成分は、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞を含むか、またはそれからなり、該第2の微生物細胞は、該第1の微生物細胞の変異体またはバリアントである。変異微生物細胞は、遺伝子操作された変異体及び/または野生型の誘発された変異誘発によって得られた変異体のプールから単離された変異体及び/または自然変異誘発が起こる自然界から単離された変異体であり得る。特に、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞は、それらの炭素代謝が異なり、例えば、それらは他の炭素源よりもある特定の炭素源を好んだ場合があるか、またはそれらはある特定の炭素源を代謝することができない場合がある。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞は各々、複数の微生物細胞である。
本開示の一実施形態では、微生物成分は、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞からなる。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞対第2の微生物細胞の比は、1:1、例えば1:2、例えば1:3、例えば1:4、例えば4:1、例えば3:1、例えば3:2である。例えば、第1の微生物細胞対第2の微生物細胞の比は、基質利用度及び消費量を最適化するように、基質の組成または株の増殖速度に応じて、例えば、基質中に存在する炭素源に応じて調整することができる。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、第2の炭素源を代謝することができない。これは、第1の微生物細胞が、例えば、環境からその炭素源を取り込むことができない場合があるため、及び/またはそれがその炭素源からエネルギーを引き出すのに必要とされる酵素を欠いているためである。例えば、第1の微生物細胞は、グルコースを代謝することができない、Cupriavidus necatorの野生型細胞、例えばCupriavidus necator DSM 428であり得る。
かかる微生物細胞が、フルクトース及びグルコースを含有する及び/またはそれを供給された基質を含む単一培養物において使用される場合、培養物中のグルコースは使用されず、代わりに、例えば流加発酵において増殖(発酵)培地中に蓄積して、細胞増殖及び生成物形成を阻害する濃度(通常は>20g/L)に達する可能性がある。阻害作用の結果として、細胞が増殖及び栄養素の消費を停止するため、培地に供給されている他の炭素源及び栄養素もまた蓄積することになる。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞は、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)生産微生物細胞である。Cupriavidus necatorは、窒素飢餓下で、前駆体として単糖、ガス、及び/または脂肪酸を使用することによってPHAを生産することができることで知られている。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞は、中温菌である。故に、それらは、容易に維持され得る条件で培養される。
本開示の一実施形態では、基質は、少なくとも2つの炭素源を含み、該第1の炭素源はフルクトースであり、及び/または該第2の炭素源はグルコースである。よって、2つのCupriavidus necator株のうちの少なくとも一方は、フルクトースを代謝することが可能であり、2つのCupriavidus necator株のうちの少なくとも一方は、グルコースを代謝することが可能である。例えば、一方のCupriavidus necator株は、グルコースを代謝することができるが、フルクトースは代謝することができない場合があるか、または一方のCupriavidus necator株は、フルクトースを代謝することができるが、グルコースは代謝することができない場合があるか、または一方のCupriavidus necator株は、グルコース及びフルクトースを代謝することができる場合がある。
よって、本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、グルコースを代謝することはできない。
よって、本開示の一実施形態では、第2の微生物細胞は、グルコースを代謝することができる。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、フルクトースを代謝することができる。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、フルクトースをピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物に変換することができ、例えば、フルクトースを代謝することによって単細胞材料を生産することができる。本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、フルクトースをピルビン酸、アルコール、バイオ燃料、及び/またはアミノ酸等の一次代謝産物もしくは増殖関連代謝産物に、及び/または同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、単量体ヒドロキシアルカノエート、シアノフィシン、及び/または他の価値ある生成物等の二次代謝産物に変換することができる。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、その増殖のためにグルコースを使用することができず、よって、単細胞タンパク質材料の生産のためにグルコースを使用すること、ならびにグルコースをピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物に変換することができない。これは、第1の微生物細胞が、例えば、環境からグルコースを取り込むことができないため、及び/またはそれがグルコースからエネルギーを引き出すのに必要とされる酵素を欠いているためである。
本開示の一実施形態では、第2の微生物細胞は、その増殖のためにグルコースを使用することができ、よって、単細胞タンパク質材料の生産のためにグルコースを使用すること、ならびにグルコースをピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物に変換することができる。本開示の一実施形態では、第2の微生物細胞は、グルコースをバイオマス、ピルビン酸及びピルビン酸由来生成物に変換することができ、該ピルビン酸由来生成物は、アルコール、バイオ燃料、及び/またはアミノ酸等の一次代謝産物もしくは増殖関連代謝産物、及び/または同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、単量体ヒドロキシアルカノエート、及び/またはシアノフィシン等の二次代謝産物である。
本開示の一実施形態では、第2の微生物細胞は、第1の微生物細胞と比較して、フルクトースをバイオマスに変換する能力、例えば、それ自体の増殖のために、したがって単細胞タンパク質材料の生産のためにフルクトースを使用する能力、ならびにフルクトースをピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物等の増殖関連生成物に変換する能力が低減されている。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞は、ピルビン酸を単重合(monopolymeric)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、共重合ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、共重合ポリチオエステル(PTE)、及び/または(R)-ヒドロキシアルカノエート単量体に変換することができる。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞は、ピルビン酸を単重合ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、中鎖長ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(2-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(4-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(P(3HB))、共重合ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、P(3HB-co-3HV)、P(3HB-co-3HV-co-4HV)、P(3HB-co-3HHx)、共重合ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)及びポリチオエステル(PTE)、及び/または(R)-ヒドロキシアルカノエート単量体、またはそれらの組み合わせに変換することができる。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞は、ピルビン酸をシアノフィシンに変換することができる。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞は、ピルビン酸を2-メチルクエン酸、ブタノール、イソブタノール、もしくはイソプロパノール、ポリヒドロキシアルカノエートのメチルエステル、及び/またはメチルケトン、及び/または他の付加価値生成物に変換することができる。
微生物細胞が炭素源、例えば、グルコース及び/またはフルクトースを代謝する能力は、唯一の炭素源として特定の炭素源、例えば、グルコースまたはフルクトースを含む培地中で該微生物細胞を培養し、その濃度をHPLCによって経時的に測定することによって決定することができ、それによって、その濃度が経時的に減少する場合、炭素源が消費されている、よって代謝されていることが決定される。さらに、バイオマス及び生成物、ならびに増殖副産物またはCO等のガスの濃度の経時的な増加もまた、例えば、光学密度(OD)を経時的に監視することによって監視することができ、この場合、ODの増加は、炭素源が増殖及びバイオマスの生産のために微生物細胞によって使用されていることを示す。試料中の炭素源、例えば単糖、例えばグルコースまたはフルクトースの残留濃度を決定するためのHPLCプロトコルは、当該技術分野で既知である。一例が本願の実施例1で提供される。
微生物細胞が炭素源、例えば、グルコース及び/またはフルクトースをポリヒドロキシアルカノエートに変換する能力は、好ましくは窒素制限条件下で、唯一の炭素源として特定の炭素源、例えば、グルコースまたはフルクトースを含む培地中で微生物細胞を培養し、細胞バイオマス中のポリヒドロキシアルカノエートの濃度をガスクロマトグラフィー(GC)によって経時的に測定することによって決定することができ、それによって、糖が代謝されていることによる生成物としてポリヒドロキシアルカノエートが生産されていることが決定される。特定のポリヒドロキシアルカノエート、例えば、ポリヒドロキシブチレートの濃度を決定するためのGCプロトコルは、当該技術分野で既知である。一例が本願の実施例2で提供される。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、Cupriavidus necator DSM 428である。故に、本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、野生型Cupriavidus necatorである。
本開示の一実施形態では、第2の微生物細胞は、Cupriavidus necator DSM 545である。故に、本開示の一実施形態では、第2の微生物細胞は、野生型Cupriavidus necator、例えばCupriavidus necator DSM 428の変異体であり、該変異体は、グルコースを代謝することができる。
本開示の一実施形態では、該共培養システムは、同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、単量体ヒドロキシアルカノエート、アルコール及び非アルコールバイオ燃料、及び/または他の価値ある生成物の生産のためのものである。
本開示の一態様は、単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の生産のためのシステムに関し、該システムは、本明細書に記載の、故に本明細書に記載の共培養システムを使用することによる微生物バイオマス等の単細胞タンパク質材料、または本明細書に記載のピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物等の増殖関連生成物の微生物による生産のためのプロセスを実施するように構成された発酵リアクタを含む。
本開示の一態様は、単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の生産のためのパーツのキットに関し、該パーツのキットは、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞ならびに使用説明書を含むか、またはそれからなり、
該第1の微生物細胞及び該第2の微生物細胞は、Cupriavidus necator種の異なる株であり、
該第1の微生物細胞は、第1の炭素源を代謝することができ、
該第2の微生物細胞は、第2の炭素源を代謝することができ、
該第1の炭素源は、該第2の炭素源とは異なる。
本開示の一実施形態では、パーツのキット中に存在する第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞によって代謝され得る第1の炭素源及び第2の炭素源は、グルコース、フルクトース、プロピオン酸、吉草酸、レブリン酸、ギ酸、酪酸、クエン酸、酢酸、CO、合成ガス、短鎖及び/または中鎖脂肪酸、メルカプトアルカノエート、グリセロール、グルコン酸、キシロース、N-アセチル-d-グルコサミン(NAG)、ベンゾエート、フェノール、エタノール、メタノール、3-メルカプトプロピオン酸(3MP)、3-メルカプト吉草酸(3MV)、3,3’-チオジプロピオン酸(TDP)、3,3’-ジチオジプロピオン酸(DTDP)、ならびに3-メルカプト吉草酸(3MV)からなる群から選択される異なる有機炭素源である。
本開示の一実施形態では、パーツのキット中に存在する第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞によって代謝され得る第1の炭素源及び第2の炭素源は、フルクトース及びグルコースである。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞は各々、複数の微生物細胞である。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞は、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)生産微生物細胞である。
本開示の一実施形態では、第2の微生物細胞は、第1の微生物細胞の変異体である。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、Cupriavidus necator DSM 428であり、第2の微生物細胞は、グルコースを代謝することができるCupriavidus necator株である。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、唯一の炭素源としてフルクトースを使用することができるCupriavidus necator株であり、第2の微生物細胞は、唯一の炭素源として脂肪酸を使用することができるCupriavidus necator株である。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、Cupriavidus necator DSM 428であり、第2の微生物細胞は、唯一の炭素源として短鎖脂肪酸または中鎖脂肪酸等の脂肪酸を使用することができるCupriavidus necator株である。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、唯一の炭素源として短鎖脂肪酸もしくは中鎖脂肪酸等の脂肪酸を使用することができるCupriavidus necator株であり、及び/または該第2の微生物細胞は、唯一の炭素源としてグルコースを使用することができるCupriavidus necator株である。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、唯一の炭素源として脂肪酸を使用することができるCupriavidus necator株であり、及び/または第2の微生物細胞は、Cupriavidus necator DSM 545である。
本開示の一実施形態では、第1の微生物細胞は、Cupriavidus necator DSM 428であり、第2の微生物細胞は、Cupriavidus necator DSM 545である。
フルクトースを利用するがグルコースは利用しない野生型株であるC.necator DSM 428、ならびにグルコース及びフルクトースを利用することができる、DSM 428の変異株であるC.necator DSM 545。これらの2つの株は、同じ株の野生型及び変異体であるため著しく類似しており、それらの共培養は、株の各々の単独での単一培養と比較して、炭素源、特にフルクトース及びグルコースのより良好な消費、ならびにポリヒドロキシアルカノエートのより高いタイターをもたらす。
炭素源として短鎖または中鎖脂肪酸を好む、組換えC.necator株が存在する。これらの株は、本明細書に記載される共培養物の一部であるとき共重合PHAを生産するのに有用である。
本開示の一実施形態では、パーツのキットは、該微生物細胞の培養に好適である培地成分をさらに含む。
本開示の一実施形態では、パーツのキットの使用説明書は、培養レシピを含む。
ピルビン酸由来生成物及び単細胞タンパク質材料
Cupriavidus necatorは、ピルビン酸をポリヒドロキシアルカノエートに変換する上で非常に有効であるが、それにもかかわらず、Cupriavidus necatorはまた、ピルビン酸を他の価値ある生成物、例えば、一次代謝産物もしくは増殖関連代謝産物、またはさらには単純にバイオマス(これは単細胞タンパク質材料として使用され得る)に変換することもできる。
ピルビン酸由来生成物は、例えば、アセチルCoA及びアセトアセチル(acetoacatyl)CoAの生産を介して、またはバリン生合成経路を介して、ピルビン酸をさらに代謝するときにCupriavidus necatorによって得ることができる全ての生成物である。これは、Lu et al.2016(特に図12.7)に十分に説明される。よって、ピルビン酸由来生成物の例は、同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、単量体ヒドロキシアルカノエート、アルコール及び非アルコールバイオ燃料、アミノ酸、シアノフィシン、及び/または他の価値ある生成物である。
より詳細には、本明細書に開示されるシステム及びプロセスによって生産され得るポリヒドロキシアルカノエートは、ポリ-3-ヒドロキシブチレート(PHB、P(3HB))、ポリヒドロキシバレレート(PHV、P(3HV))、ポリヒドロキシヘキサノエート(PHHx、P(3HHx))及び/またはポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV、P(3HB-co-3HV)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート-co-4-ヒドロキシバレレート)(PHBVV、P(3HB-co-3HV-co-4HV))、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHBHx、P(3HB-co-3HHx)、ポリチオエステルの共重合体(co-PTE)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-メルカプトプロピオネート(P(3HB-co-3MP))、またはそれらの組み合わせである。
同様に、本明細書に開示されるシステム及びプロセスによって生産され得る単量体ヒドロキシアルカノエートは、(R)-ヒドロキシブチレート、(R)-ヒドロキシバレレート、及び/または(R)-ヒドロキシヘキサノエートである。
同様に、本明細書に開示されるシステム及びプロセスによって生産され得るバイオ燃料は、ブタノール、イソブタノール、3-メチル-1-ブタノール、及び/またはイソプロパノール等のアルコールバイオ燃料であるが、ケトン等のディーゼル添加剤等の非アルコールバイオ燃料でもある。
ポリチオエステル共重合体は、特に基質が、加水分解されたスクロースに加えて、3-メルカプトプロピオン酸(3MP)、3-メルカプト吉草酸(3MV)、3,3’-チオジプロピオン酸(TDP)、3,3’-ジチオジプロピオン酸(DTDP)、及び3-メルカプト吉草酸(3MV)のうちの1つまたは複数もまた含む場合、本明細書に開示されるシステム及びプロセスによって生産され得る。
本開示の一実施形態では、本明細書に開示されるシステム及びプロセスによって生産されるポリチオエステル共重合体は、チオール含有前駆体基質を有するポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-メルカプトプロピオネート)[P(HB-co-
3MP)]及び他のPTE共重合体である。
本開示の一態様は、本明細書に開示されるプロセスによって得られる天然ポリヒドロキシアルカノエート顆粒を含む組成物に関する。本開示のプロセスにより生産される天然顆粒は、紙及び異なる繊維性材料の水系塗工剤用の安定な懸濁液を調製するために使用することができる。本開示のプロセスにより生産される天然顆粒はまた、タンパク質精製用のマトリックス(官能化生物活性ビーズ)等の微細生物工学的(fine biotechnological)応用に使用することもできる(Grage et al.2009)。
本開示のプロセスにより生産される天然顆粒はまた、パーソナルケア応用における化石ベースのマイクロビーズの代替物として、質感向上剤として、または様々な配合物を担持する官能化マイクロ及びナノビーズとして使用することもできる。
本開示の一態様は、バイオプラスチック品目または配合物の製造のための、本明細書に開示されるプロセスによって得られる天然ポリヒドロキシアルカノエート顆粒の使用に関する。
本開示の一実施形態では、本明細書に開示されるプロセスにより、または本明細書に開示される共培養システムを使用して生産されたポリヒドロキシアルカノエートは、以下の応用のうちのいずれにおいても使用することができる:配合物を担持する能力を有するパーソナルケアにおけるスクラブ剤及び成膜として;食物用を含めた包装材料において;農業におけるマルチフィルムとして;緩効性肥料及び殺虫剤担体として;衛生用品、かみそり、器具、おむつ、買い物袋、綿棒、カブ(cubs)、カトラリー、皿、及びストロー等の単回使用プラスチック品目において;織物における繊維、例えば、不織布として;生物医学的応用(組織工学用のインプラント、創傷被覆材、及び手術用品)において;緩徐放出/長期投薬量を含めた包装及び薬物送達の両方に向けた薬学的応用において)(Williams and Martin 2005);成形品、紙塗工剤において、及びパフォーマンス添加剤として;射出成形、押出し、熱成形、発泡、3Dプリンティング、紙及び他の材料の塗工剤、糊、接着剤等の用途に向けて、補強/障壁強化剤もしくは可塑化のための添加剤として、または塗料及び発泡体における熱硬化のための基礎的要素として;電子装置、家具、車、及び建物において。ポリヒドロキシアルカノエートの応用は、例えば、‘The Handbook of Polyhydroxyalkanoates-Postsynthetic Treatment,Processing and Application’(2020)”に例えば記載されることが見出されるように、当業者に既知である。
本開示の一態様は、バイオプラスチックの製造のためまたはPHA単量体の製造のための、本明細書に開示される天然ポリヒドロキシアルカノエート顆粒を含む組成物の使用に関する。
本開示の一態様は、動物用の飼料もしくは食物における、及び/または化粧品及び/またはパーソナルケア製品用の成分への使用に向けた、本明細書に開示されるプロセスによって得られるCupriavidus necatorの単細胞タンパク質材料の使用に関する。
本明細書に開示されるプロセス及び/または本明細書に開示される共培養システムは、抽出及び/または回収され得る共生成物の生産をもたらす。例えば、飼料及び/または食物における使用に向けた乳化、発泡、及びゲル化成分;種々の用途に向けた、完全生成物または小部分、例えば、ある特定の分子サイズを有する分離されたオリゴペプチド、脂質、もしくは炭水化物、または遊離アミノ酸、脂肪酸、核酸、ヌクレオチド、もしくは糖;食物、飼料、及び/またはパーソナルケアにおける使用に向けた非PHAバイオマス加水分解物から得られるタンパク質及び生理活性化合物。
ピルビン酸及びピルビン酸由来生成物の生産のためのプロセス
本開示の一態様は、小細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の生産のためのプロセスに関し、該プロセスは、
a)供給原料を用意することと、
b)本明細書で定義される共培養システムの微生物成分を用意することと、
c)供給原料を共培養システムの微生物成分と接触させ、それによって供給原料を発酵させて、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物を含む発酵組成物を得ることと、を含む。
特に、該共培養システムは、微生物成分及び基質を含む共培養システムであり、
該微生物成分は、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞を含むか、またはそれからなり、
該第1の微生物細胞及び該第2の微生物細胞は、Cupriavidus necator種の異なる株であり、
該基質は、少なくとも第1の炭素源及び第2の炭素源を含み、該第1の炭素源が該第2の炭素源とは異なり、
該第1の微生物細胞は、該第1の炭素源を代謝することができ、
該第2の微生物細胞は、該第2の炭素源を代謝することができる。
本開示の一実施形態では、ピルビン酸由来生成物は、
アルコール、バイオ燃料、及び/またはアミノ酸等の増殖関連代謝産物等の一次代謝産物、及び/または
同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、単量体ヒドロキシアルカノエート、及び/またはシアノフィシン等の二次代謝産物である。
本開示の一実施形態では、供給原料は、培養培地の存在下で共培養システムの微生物成分と接触させられ、該培養培地は、Cupriavidus necatorの培養に必要とされる水酸化アンモニウム等の窒素源、及び/または他の塩及び鉱物を含んでもよい。
本開示の一実施形態は、ポリヒドロキシアルカノエートの生産のためのプロセスに関し、該プロセスは、
a)供給原料を用意することと、
b)本明細書で定義される共培養システムの微生物成分を用意することと、
c)供給原料を共培養システムの微生物成分と接触させ、それによって供給原料を発酵させて、ポリヒドロキシアルカノエートを含む発酵組成物を得ることと、を含む。
本開示の一実施形態は、Cupriavidus necatorの単細胞タンパク質材料の生産のためのプロセスに関し、該プロセスは、
a)供給原料を用意することと、
b)本明細書で定義される共培養システムの微生物成分を用意することと、
c)供給原料を共培養システムの微生物成分と接触させ、それによって供給原料を発酵させて、Cupriavidus necatorの単細胞タンパク質材料を含む発酵組成物を得ることと、を含む。
本開示の一実施形態は、ポリヒドロキシアルカノエート及びCupriavidus necatorの単細胞タンパク質材料の生産のためのプロセスに関し、該プロセスは、
a)供給原料を用意することと、
b)本明細書で定義される共培養システムの微生物成分を用意することと、
c)供給原料を共培養システムの微生物成分と接触させ、それによって供給原料を発酵させて、ポリヒドロキシアルカノエート及びCupriavidus necatorの単細胞タンパク質材料を含む発酵組成物を得ることと、を含む。
本開示の一実施形態では、共培養システムの2つの微生物細胞の濃度等の、接種菌量(inoculum size)は、総発酵組成物の1v/v%~5v/v%、例えば総発酵体積/組成物の1v/v%~4v/v%、例えば1v/v%~3v/v%、例えば1v/v%~2v/v%、例えば2v/v%~3v/v%、例えば2v/v%~4v/v%、例えば2v/v%~5v/v%、例えば3v/v%~4v/v%、例えば3v/v%~5v/v%、例えば4v/v%~5v/v%である。総発酵組成物は、種菌、供給原料、追加の塩及び栄養素、ならびに水を含む。
本明細書に開示されるプロセスは、発酵ステップ(ステップc)を含み、このステップの間、本明細書に開示される共培養物が、供給原料中に存在する2つ以上の炭素源を、Cupriavidus necatorのバイオマス等の単細胞タンパク質材料、及び/またはピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物(これは同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、単量体ヒドロキシアルカノエート、アルコール及び非アルコールバイオ燃料、及び/または他の価値ある生成物であり得る)等の付加価値生成物に変換する。
発酵ステップは、例えば、流加プロセスを介して実施され得る。
本開示の一実施形態では、共培養システム内にある2つの微生物細胞は、異なる時間に供給原料と接触させられる。例えば、本開示の一実施形態では、共培養システムの第1の微生物細胞が最初に供給原料と接触させられ、共培養システムの第2の微生物細胞が後で供給原料と接触させられる。本開示の一実施形態では、共培養システムの第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞は、同時に供給原料と接触させられる。
結果として、本開示の一実施形態では、共培養システムの第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞は、12時間以上にわたって、例えば15時間以上にわたって、例えば18時間以上にわたって、例えば20時間以上にわたって、例えば24時間以上にわたって、例えば28時間以上にわたって、例えば36時間以上にわたって、例えば40時間以上にわたって、例えば44時間以上にわたって、例えば48時間以上にわたって、例えば52時間以上にわたって、例えば60時間以上にわたって、一緒に供給原料と接触し、したがって基質を共発酵させていてもよい。一部の実施形態では、第1の微生物細胞は、第2の微生物細胞より前に加えられ、一部の他の実施形態では、第2の微生物細胞は、第1の微生物細胞より前に加えられる。それにもかかわらず、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞は、本明細書で定義されるある特定の時間の長さにわたって一緒に培養される。
第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞を加える時間、ならびに共培養時間は、炭素源の高い消費速度を得るように、ならびに供給原料中の全ての炭素源、例えば、全てのグルコース及び全てのフルクトースを利用することを目指して、供給原料の炭素源含量に基づいて最適化される。
本開示の一実施形態では、ステップc)は、共培養システムの微生物成分の増殖を可能にする第1段階(この増殖期はまた、ピルビン酸ならびにアルコール、バイオ燃料、及び/またはアミノ酸等の他の一次代謝産物の生産、ならびに微生物細胞の蓄積も特徴とする)、ならびにピルビン酸由来生成物、例えば、同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、単量体ヒドロキシアルカノエート、及び/またはシアノフィシン等の二次代謝産物の生産を可能にする第2段階を含む。
本開示の一実施形態では、共培養システムの微生物成分の増殖を可能にする段階は、2つ以上の炭素源を含む基質、ならびに基質中に存在しない場合がある1つまたは複数の窒素源、塩及び鉱物を含めた、共培養システムの微生物成分の増殖に必要とされる他の栄養素を含む培養培地の存在を特徴とする。窒素源は、例えば、水酸化アンモニウムであり得る。
本開示の一実施形態では、二次代謝産物の生産を可能にする段階は、ある特定の栄養素が不足している培養培地の供給を特徴とする。例えば、ポリヒドロキシアルカノエートを生産しようとする場合、ポリヒドロキシアルカノエートの生産を可能にするステップc)における発酵のこの段階は、窒素が不足している培養培地を特徴とする。実際、ポリヒドロキシアルカノエートを効率的に生産するためには、窒素飢餓が本明細書に開示される共培養に通常必要とされる。
本開示の一実施形態では、微生物成分の増殖ならびにピルビン酸及び他の一次代謝産物の生産を可能にする段階中、水酸化アンモニウムが発酵に供給されるが、PHAの生産を可能にする段階中には供給されない。
本開示の一実施形態では、微生物成分の増殖ならびにピルビン酸及び他の一次代謝産物の生産を可能にする段階中と、二次代謝産物の生産を可能にする段階中との両方で、水酸化アンモニウムが発酵に供給され、ここで、二次代謝産物は、PHAではない。
本開示の一実施形態では、微生物成分の増殖を可能にする段階は、加水分解されたスクロースまたは加水分解されたスクロース及びバレレートを含む供給原料ならびに水酸化アンモニウム等の窒素源を含む培養培地による連続供給速度を特徴とする。
本開示の一実施形態では、微生物成分の増殖及び一次代謝産物の生産を可能にするステップc)のこの段階は、24時間~38時間にわたる、例えば28時間~38時間、例えば30時間~38時間、例えば32時間~38時間、例えば34時間~38時間、例えば36時間~38時間、例えば24時間~34時間、例えば24時間~32時間、例えば24時間~30時間、例えば24時間~28時間、例えば24時間~26時間にわたる、供給原料及び培養培地の連続供給速度を特徴とする。
本開示の一実施形態では、ポリヒドロキシアルカノエートの生産を可能にするステップc)のこの段階は、接種から約24時間後、例えば接種から約32時間後、例えば接種から約34時間後、例えば接種から約36時間後、例えば接種から約38時間後、例えば接種から約40時間後、例えば接種から約42時間後、例えば接種から約44時間後、例えば接種から約46時間後、例えば接種から約48時間後、例えば接種から約30~38時間後の、窒素制限条件の適用を特徴とする。本明細書で使用される「接種」とは、微生物成分、例えば、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞の両方が同時に、または第1の微生物細胞もしくは第2の微生物細胞のうちの少なくとも一方が供給原料と接触させられる時間である。
本開示の一実施形態では、ポリヒドロキシアルカノエートの生産を可能にするステップc)のこの段階は、供給原料及び培養培地の連続供給を特徴とし、ここで、培養培地は、水酸化アンモニウムを含まない等、窒素源を含まない。
本開示の一実施形態では、ポリヒドロキシアルカノエートの生産を可能にするステップc)のこの段階は、24時間~38時間にわたる、例えば28時間~38時間、例えば30時間~38時間、例えば32時間~38時間、例えば34時間~38時間、例えば36時間~38時間、例えば24時間~34時間、例えば24時間~32時間、例えば24時間~30時間、例えば24時間~28時間、例えば24時間~26時間にわたる、供給原料及び培養培地の連続供給を特徴とし、ここで、培養培地は、窒素源を含まない。
本開示の一実施形態は、同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、単量体ヒドロキシアルカノエートの生産のためのプロセスに関し、該プロセスは、
a)供給原料を用意することと、
b)本明細書で定義される共培養システムの微生物成分を用意することと、
c)i)供給原料を微生物成分の2つの微生物細胞と、本明細書に記載されるように同時にまたは順次に接触させ、
c)ii)供給原料及び培養培地(ここで、培養培地は、窒素源を含む)の連続供給速度を24~38時間にわたって適用し、
c)iii)供給原料及び窒素不足培養培地の連続供給速度を12~48時間にわたって適用することによって、窒素制限条件を適用し、
それによって供給原料を発酵させて、同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、及び/または単量体ヒドロキシアルカノエートを含む発酵組成物を得ることと、を含む。
本開示の一実施形態は、ピルビン酸、及び/またはアルコール、バイオ燃料、及び/またはアミノ酸等の他の一次代謝産物の生産のためのプロセスに関し、該プロセスは、
a)供給原料を用意することと、
b)本明細書で定義される共培養システムの微生物成分を用意することと、
c)i)供給原料を微生物成分の2つの微生物細胞と、本明細書に記載されるように同時にまたは順次に接触させ、
ii)供給原料及び培養培地(ここで、培養培地は、窒素源を含む)の連続供給速度を24~38時間にわたって、例えば24~48時間にわたって、例えば32~56時間にわたって、例えば30~62時間にわたって、例えば長くても96時間にわたって適用し、
それによって供給原料を発酵させて、ピルビン酸、及び/またはアルコール、バイオ燃料、及び/またはアミノ酸等の他の一次代謝産物を含む発酵組成物を得ることと、を含む。
本明細書に開示されるプロセスの利点のうちの1つは、それが高細胞密度(HCD)及び高い生成物含量、例えば、高いポリヒドロキシアルカノエート含量に達することを可能にすることである。故に、本開示の一実施形態では、該プロセスの生成物、または該プロセスの共生成物(例えば、PHAもまた生産され、回収される場合)は、Cupriavidus necatorの単細胞タンパク質等のバイオマス自体であり、これもまた価値ある生成物であり、本明細書に記載されるように使用され得る。
本開示の一実施形態では、本明細書に開示されるプロセスで用意される供給原料は、グルコース、フルクトース、プロピオン酸、吉草酸、レブリン酸、ギ酸、酪酸、クエン酸、酢酸、CO、合成ガス、短鎖及び/または中鎖脂肪酸、メルカプトアルカノエート、グリセロール、グルコン酸、キシロース、N-アセチル-d-グルコサミン(NAG)、ベンゾエート、フェノール、エタノール、メタノール、3-メルカプトプロピオン酸(3MP)、3-メルカプト吉草酸(3MV)、3,3’-チオジプロピオン酸(TDP)、3,3’-ジチオジプロピオン酸(DTDP)、ならびに3-メルカプト吉草酸(3MV)からなる群から選択される1つまたは複数の炭素源を含む。
本開示の一実施形態では、原材料は、スクロースに富む材料等の糖蜜を含むか、またはそれからなり、ここで、原材料は、サトウキビ及び/またはテンサイに由来する。サトウキビ及び/またはテンサイ糖蜜等の糖蜜は、食品産業に向けたスクロース、すなわち糖を得るために一般的に使用される。しかしながら、世界中の生産者は、糖蜜から得ることができる代替的な、より価値ある生成物を求めている。Cupriavidus necatorのような微生物による糖蜜、特にスクロースの発酵は、ピルビン酸及び本明細書で定義されるピルビン酸由来生成物等の、スクロースから得ることができる多岐にわたる生成物への可能性を開く。
本開示の一実施形態では、本明細書に開示されるプロセスで用意される供給原料は、グルコース及びフルクトースを含む。
本開示の一実施形態では、供給原料は、加水分解されたスクロースである。例えば、供給原料は、加水分解された糖蜜であってもよい。
本開示の一実施形態では、該プロセスは、スクロースを含む原材料を加水分解して供給原料を得ることを含む、前処理ステップをさらに含む。
本開示の一実施形態では、原材料は、40w/v%以上、例えば50w/v%以上、または例えば60w/v%以上、例えば70w/v%以上、例えば約70w/v%の濃度のスクロースを含む。
本開示の一実施形態では、供給原料は、20w/v%以上、例えば25w/v%以上、または例えば30w/v%以上、例えば35w/v%以上、例えば約35w/v%の濃度のグルコースを含む。
本開示の一実施形態では、供給原料は、20w/v%以上、例えば25w/v%以上、または例えば30w/v%以上、例えば35w/v%以上、例えば約35w/v%の濃度のフルクトースを含む。
本開示の一実施形態では、グルコース及びフルクトースは、供給原料中の有機炭素の少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば約100%を占める。故に、グルコース及びフルクトースは、本開示の共培養システムのCupriavidus necator株に利用可能な唯一の炭素源であってもよい。
しかしながら、本開示の一実施形態では、供給原料は、グルコース及びフルクトースに加えて他の炭素源を含む。例えば、供給原料はまた、プロピオン酸、吉草酸、レブリン酸、ギ酸、酪酸、クエン酸、酢酸、CO、合成ガス、短鎖及び/または中鎖脂肪酸、メルカプトアルカノエート、グリセロール、グルコン酸、キシロース、N-アセチル-d-グルコサミン(NAG)、ベンゾエート、フェノール、エタノール、メタノール、3-メルカプトプロピオン酸(3MP)、3-メルカプト吉草酸(3MV)、3,3’-チオジプロピオン酸(TDP)、3,3’-ジチオジプロピオン酸(DTDP)、ならびに3-メルカプト吉草酸(3MV)のうちのいずれかを含んでもよい。これらの追加の炭素源は、原材料がどのように加水分解されるかに応じて、例えば、熱酸加水分解中にどの温度及びpHが使用されるかに応じて、または原材料の加水分解の時間の長さに応じて、供給原料中に存在してもよい。これらの追加の炭素源はまた、該プロセスの目的において、本開示の共培養システムが、ある特定のピルビン酸由来生成物を生産するためにグルコース及びフルクトースと一緒に追加の炭素源のうちのいずれかを有利に利用し得ることから、供給原料に添加されてもよい。例えば、レブリン酸(4-ケト吉草酸)が供給原料中に存在する場合、本明細書に開示される共培養システムは、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)及び/またはポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート-co-4-ヒドロキシバレレート)(P(3HB-co-3HV-co-4HV)の生産のためにそれを使用し得る。
本開示のプロセスの利点のうちの1つは、発酵に使用される流加モードが、新たな供給原料が規則的な時間間隔で添加されることを含意することから、それが供給原料中に存在する糖の類似の速度で、等しい様態での、完全なまたはほぼ完全な消費を可能にすることである。特に、供給原料が大部分においてグルコース及びフルクトースを含む場合、本開示のプロセスは、2つの基質の等しい消費を可能にすることによって、基質蓄積の問題を回避する。故に、本開示のプロセスは、本明細書に記載の共培養システムの恩恵により、供給原料中に存在する全ての炭素源の効率的な使用を可能にする。
本開示の一実施形態では、発酵組成物中の、よって該プロセスの終わりのグルコース濃度は、20g/l以下、例えば15g/L以下、例えば10g/L以下、例えば5g/L以下、例えば1g/L以下である。
本開示の一実施形態では、発酵組成物中のフルクトース濃度は、20g/l以下、例えば15g/L以下、例えば10g/L以下、例えば5g/L以下、例えば1g/L以下である。
本開示の一実施形態では、発酵組成物中のフルクトース及びグルコースの合わせた濃度(それらの濃度の合計)は、20g/l以下、例えば15g/L以下、例えば10g/L以下、例えば5g/L以下、例えば1g/L以下である。
本開示の一実施形態では、グルコース及びフルクトースは、微生物細胞のための唯一の炭素源である。
本開示のプロセスに好適な供給原料は、糖蜜及び他のスクロースに富む原材料等の、ある特定の原材料を加水分解することによって得ることができる。故に、本開示の一実施形態では、該プロセスは、原材料が処理、通常は加水分解されて供給原料となる、前処理ステップを含む。糖蜜及び他のスクロースに富む原材料等の原材料を加水分解するための方法は、当該技術分野で既知である。
本開示の一実施形態では、前処理ステップにおける原材料の加水分解は、熱酸性加水分解または生物学的加水分解である。供給原料の特性は、原材料の加水分解に使用される条件に応じて様々であり得る。例えば、熱化学的加水分解が使用される場合、より高い温度及びより長い加水分解時間が、フルクトースの一部をレブリン酸、ギ酸、酢酸、及びHMFにさらに変換し得る。レブリン酸は、共重合体生産、例えば、PHBVVの生産につながり得る。スクロースの生物学的加水分解の場合、特定の酵素が反応を触媒し、したがって、加水分解されたスクロースは、等モル比の単糖(グルコース及びフルクトース)を含むか、またはそれからなる。
本開示の一実施形態では、前処理ステップにおける原材料の加水分解は、生物学的加水分解であり、酵素ベータ-フルクトフラノシダーゼ等の酵素、細胞壁に酵素ベータ-フルクトフラノシダーゼを含む休止したSaccharomyces cerevisiae細胞等の活性なまたは休止した細菌または酵母細胞を利用する。
本開示の一実施形態では、原材料は、スクロース、ならびにグルコース、フルクトース、プロピオン酸、吉草酸、レブリン酸、ギ酸、酪酸、クエン酸、酢酸、CO、合成ガス、短鎖及び/または中鎖脂肪酸、メルカプトアルカノエート、グリセロール、グルコン酸、キシロース、N-アセチル-d-グルコサミン(NAG)、ベンゾエート、フェノール、3-メルカプトプロピオン酸(3MP)、エタノール、メタノール、3-メルカプト吉草酸(3MV)、3,3’-チオジプロピオン酸(TDP)、3,3’-ジチオジプロピオン酸(DTDP)、及び3-メルカプト吉草酸(3MV)からなる群から選択される1つまたは複数の炭素源を含む。
本開示の一実施形態では、グルコース、フルクトース、プロピオン酸、吉草酸、レブリン酸、ギ酸、酪酸、クエン酸、酢酸、CO、合成ガス、短鎖及び/または中鎖脂肪酸、メルカプトアルカノエート、グリセロール、グルコン酸、キシロース、N-アセチル-d-グルコサミン(NAG)、ベンゾエート、フェノール、エタノール、メタノール、3-メルカプトプロピオン酸(3MP)、3-メルカプト吉草酸(3MV)、3,3’-チオジプロピオン酸(TDP)、3,3’-ジチオジプロピオン酸(DTDP)、ならびに3-メルカプト吉草酸(3MV)からなる群から選択される1つまたは複数の炭素源は、前処理ステップの後またはその最中に原材料に添加される。
本開示の一実施形態では、発酵ステップc)の温度は、25℃~35℃、例えば27℃~33℃、例えば29℃~31℃、例えば約30℃である。
本開示の一実施形態では、発酵ステップc)のpHは、pH6~pH9、例えばpH6.5~8.5、例えばpH6.7~8.2である。
本開示の一実施形態では、ステップc)における発酵のための総時間は、36時間~96時間、例えば36時間~84時間、例えば48時間~84時間、例えば36時間~68時間、例えば48時間~68時間、例えば48時間~72時間、例えば約62時間である。総発酵時間は、第1段階及び第2段階で分割されてもよく、ここで、第1段階は、供給原料及び培養培地(この培養培地は、窒素源を含む)の供給を含み、第2段階は、供給原料及び窒素不足培養培地の供給を含む。本開示の一部の実施形態では、供給原料及び培養培地(この培養培地は、窒素源を含む)の供給は、全発酵時間にわたって起こる。
本開示の一実施形態では、ステップc)での発酵のための溶存酸素は、0v/v%~60v/v%の飽和度、例えば5v/v%~60v/v%の飽和度、例えば10v/v%~60v/v%、例えば10v/v%~40v/v%、例えば10v/v%~30v/v%、例えば約20v/v%の飽和度である。
発酵中に溶存酸素濃度を制御するために、圧縮空気が供給されてもよい。よって、本開示の一実施形態では、発酵ステップc)は、0.1~2.0vvm、例えば0.5~2.0vvm(体積/体積/分)、例えば0.5~1.0vvmの圧縮空気及び/または酸素供給を含む。
本開示の一実施形態では、発酵ステップc)は、機械的撹拌を含む。これは、ある特定の溶存酸素濃度を維持すること、ならびに発酵組成物内の細胞、基質、酸素、及び他の栄養素の均一な分布を維持することの両方に役立つ。
本開示の一実施形態では、ステップa)は、供給原料を滅菌するステップをさらに含む。例えば、滅菌は、高圧蒸気殺菌、低温殺菌、高圧殺菌、電離放射線、または紫外線によって実施されてもよい。
本開示の一実施形態では、本明細書に開示されるプロセスによって得られるピルビン酸由来生成物は、単量体ヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、及び/またはポリチオエステル(PTE)共重合体である。
本開示の一実施形態では、該プロセスは、単量体ヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリチオエステル(PTE)共重合体、及び/または単細胞タンパク質材料を回収するステップd)をさらに含む。
本開示の一実施形態では、ステップd)におけるポリヒドロキシアルカノエート及び/またはポリチオエステル共重合体の回収は、Bacillus pumilus種由来の細菌細胞によって発酵組成物中の微生物細胞を溶解させること、遠心分離及び/または濾過を含む。特に、WO2016/085396に詳述されるように、Bacillus pumilus種由来の細菌細胞の一助によりポリヒドロキシアルカノエート及び/またはポリチオエステル共重合体を回収することが有利であり、これは、この方法が無溶媒で費用対効果が高く、天然顆粒形態でのポリヒドロキシアルカノエート及び/またはポリチオエステルの回収を可能にするためである。この抽出方法は、非PHAバイオマスを、単細胞タンパク質(SCP)加水分解物として使用され得る加水分解されたバイオマスに変換する。よって、同じプロセスから2つ以上の生成物を回収し、本開示において本明細書に記載されるような種々の応用に使用することができる。
本開示の一実施形態では、発酵組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された該ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリ-3-ヒドロキシブチレート(PHB)、ポリヒドロキシバレレート(PHV)、ポリヒドロキシヘキサノエート(PHH)及び/またはポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)及び/またはポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート-co-4-ヒドロキシバレレート)(P(3HB-co-3HV-co-4HV))、またはそれらの組み合わせを含むか、またはそれからなる。
本開示の一実施形態では、発酵組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された該ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリ-3-ヒドロキシブチレート(PHB)を含む。
本開示の一実施形態では、発酵組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された該ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリヒドロキシバレレート(PHV)を含む。
本開示の一実施形態では、発酵組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された該ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリヒドロキシバレレート(PHV)共重合体を含む。
本開示の一実施形態では、発酵組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された該ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリヒドロキシヘキサノエート(PHHx)を含む。
本開示の一実施形態では、発酵組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された該ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリヒドロキシヘキサノエート(PHHx)共重合体を含む。
本開示の一実施形態では、発酵組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された該ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)を含む。
本開示の一実施形態では、発酵組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された該ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート-co-4-ヒドロキシバレレート)(P(3HB-co-3HV-co-4HV))を含む。
本開示の一実施形態では、発酵組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された該ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリ-3-ヒドロキシブチレート(PHB)からなる。
本開示の一実施形態では、発酵組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された該ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリヒドロキシバレレート(PHV)からなる。
本開示の一実施形態では、発酵組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された該ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリヒドロキシヘキサノエート(PHH)からなる。
本開示の一実施形態では、発酵組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された該ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)からなる。
本開示の一実施形態では、発酵組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された該ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート-co-4-ヒドロキシバレレート)(P(3HB-co-3HV-co-4HV))からなる。
本開示の一実施形態では、生産されたポリヒドロキシアルカノエートは、少なくとも100kDa、例えば100kDa~2000kDa、例えば200kDa~2000kDa、例えば300kDa~2000kDa、例えば400kDa~1500kDa、例えば500kDa~1000kDa、例えば800kDa~2000kDa、例えば500kDa~1500kDaの平均分子量を有する。
本開示の一実施形態では、生産されたポリヒドロキシアルカノエートは、3~6炭素の平均鎖長、例えば4~5炭素の平均鎖長、例えば3炭素の平均鎖長、例えば4炭素の平均鎖長、例えば5炭素の平均鎖長、例えば6炭素の平均鎖長を有する。
本開示の一実施形態では、生産されたポリヒドロキシアルカノエートは、5mol%~40mol%、例えば5mol%~35mol%、例えば5mol%~30mol%、例えば5mol%~25mol%、例えば5mol%~20mol%、例えば5mol%~15mol%、例えば5mol%~10mol%、例えば10mol%~20mol%、例えば15mol%~20mol%、例えば10mol%~30mol%、例えば20mol%~40mol%、例えば15mol%~35mol%、例えば10mol%~25mol%の3-ヒドロキシバレレートの含量を有するポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)の共重合体である。
本開示の一実施形態では、生産されたポリヒドロキシアルカノエートは、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)の同種重合体、及び5mol%~40mol%、例えば5mol%~35mol%、例えば5mol%~30mol%、例えば5mol%~25mol%、例えば5mol%~20mol%、例えば5mol%~15mol%、例えば5mol%~10mol%、例えば10mol%~20mol%、例えば15mol%~20mol%、例えば10mol%~30mol%、例えば20mol%~40mol%、例えば15mol%~35mol%、例えば10mol%~25mol%の3-ヒドロキシバレレートの含量を有するポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)の共重合体である。
本開示の一実施形態では、ポリヒドロキシアルカノエートは、そのままの分子量及び結晶化度を有する天然ポリヒドロキシアルカノエート顆粒である。
本開示の一実施形態では、本明細書に開示される共培養システムを使用することを含む、本明細書に開示されるプロセスは、同じ培養条件が使用される限り、Cupriavidus necator株の単一培養物と比較してより高いタイターでのポリヒドロキシアルカノエートの生産を可能にする。
本開示の一実施形態では、生産されたポリヒドロキシアルカノエートのタイターは、少なくとも3g/L、例えば少なくとも8g/L、例えば少なくとも10g/L、15g/L、例えば少なくとも20g/L、例えば少なくとも25g/L、例えば少なくとも30g/L、例えば少なくとも35g/L、例えば少なくとも40g/L、例えば少なくとも45g/L、例えば少なくとも50g/L、例えば少なくとも55g/L、例えば少なくとも60g/L、例えば少なくとも65g/L、例えば少なくとも70g/L、例えば少なくとも73g/L、例えば少なくとも75g/L、例えば少なくとも80g/L、例えば少なくとも85g/L、例えば少なくとも90g/L、例えば少なくとも91g/L、例えば少なくとも95g/L、例えば少なくとも100g/L、例えば少なくとも110g/L、例えば少なくとも125g/L、例えば少なくとも135g/L、例えば少なくとも150g/Lである。
本開示の一実施形態では、生産されたポリヒドロキシアルカノエートは、細胞乾燥重量の少なくとも50w/w%、例えば少なくとも55w/w%、例えば少なくとも60w/w%、例えば少なくとも65w/w%、例えば少なくとも70w/w%、例えば少なくとも75w/w%、例えば少なくとも80w/w%、例えば少なくとも85w/w%、例えば少なくとも90w/w%を構成する。
本開示の一実施形態では、ポリヒドロキシアルカノエートを処理するステップをさらに含む、本明細書に開示されるプロセス。例えば、ポリ-3-ヒドロキシブチレート(PHB)、ポリヒドロキシバレレート(PHV)、ポリヒドロキシヘキサノエート(PHH)及び/またはポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)及び/またはポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート-co-4-ヒドロキシバレレート)(P(3HB-co-3HV-co-4HV))、またはそれらの組み合わせ。例えば、ポリヒドロキシアルカノエートを使用して、包装、塗工剤、織物、家具、及びその他における使用に向けた重合体樹脂、ラテックス、及び/またはフィルム材料を作製することができる。
本開示の一実施形態では、ピルビン酸由来生成物は、ブタノール、イソブタノール、3-メチル-1-ブタノール、及びイソプロパノールからなる群から選択されるバイオ燃料である。
本開示の一実施形態では、本明細書に開示されるプロセスは、ブタノール、イソブタノール、3-メチル-1-ブタノール、及び/またはイソプロパノールを回収するステップd)をさらに含む。
本開示の一実施形態では、本明細書に開示されるプロセスの生成物は、Cupriavidus necatorの単細胞タンパク質材料である。
よって、本開示の一実施形態では、本明細書に開示されるプロセスは、Bacillus pumilus種由来の細菌細胞を使用することによって、ステップd)において発酵組成物から単細胞タンパク質材料を回収することを含む。この回収方法は、Ibrahim et al.,2020,WO2016/085396に開示される。
本開示の一実施形態では、回収された単細胞タンパク質材料は、動物用の飼料もしくは食物において、及び/または化粧品及び/またはパーソナルケア製品用の成分として使用される。
実施例1-スクロースに富む基質のその単糖への加水分解
材料及び方法
テンサイ産業からのスクロースに富む3つの異なる基質である、糖蜜、濃厚汁、及び結晶性スクロース(それぞれ45~49、70~75、及び99~100w/v%のスクロース含量)を使用した。基質は以下の条件で加水分解した:pH2.6~3.0及び管理温度121℃で40、60、または80分間の期間にわたる熱酸性加水分解。糖蜜及び濃厚汁の基質調製物は、それらの元々の濃度(100w/v%)で加水分解した。結晶性スクロースは、水中70w/v%の濃度で加水分解した。
酵素加水分解(インベルターゼ、EC 3.2.1.26)等の他のスクロース加水分解方法を使用することができ、または代替的な生物ベースの方法として活性なもしくは休止した細菌もしくは酵母細胞におけるインベルターゼを使用することができる。
糖の分析は、50℃で動作させたBio-Rad Aminex HPX-87Hカラムからなる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システム(Agilent HPLC 1260 Infinity II Quaternary System)を使用し、移動相として5mMの硫酸を0.5mL/分の流量で使用して行った。このシステムは、屈折率検出器(RID)を装備していた。定量分析は、規定濃度の分析グレードのスクロース(ACROS Organics,Belgium)、フルクトース(Alfa Aesar)、及びグルコース(VWR Chemicals)の標準液に照らし合わせて行った。
結果:
最適化された加水分解条件で(最初のpHを2.6~2.8に調整して121℃で40分間)、調製溶液(70w/v%)中のスクロースの、その単糖グルコース及びフルクトースの当量濃度(1:1w/w)に対応する完全な変換が達成された(97~100w/v%(HPLC分析))。同じ加水分解方法をスクロースに富む全ての基質(糖蜜及び濃厚汁)に適用した。
実施例2-Cupriavidus necator株の単一及び共培養発酵のためのDSM 428及びDSM 545株の培養及び種菌調製
材料及び方法:
現行の研究に使用した株は、Cupriavidus necator DSM 545及びCupriavidus necator DSM 428(旧称Alcaligenes eutrophus、Ralstonia eutropha、及びWautersia eutropha)であった。
2つの株に対して使用した培養条件及び培地は、同時の増殖及び重合体合成を達成するように最適化した。
このプロセスの異なる段階で以下の培地を使用した:
-活性化及び前培養培地(トリプティックソイブロス(TSB)、OXOID Ltd.,England):この培地は、種培養物の調製に先立って微生物を活性化するためにのみ使用した。C.necator DSM 428株及びC.necator DSM 545株の両方の活性化中に、TSBに1g/Lのグルコースを補充した。プレート中の固体培養物の調製のために寒天(16g/L)を添加した。
-種培地(鉱物塩培地、MSM-1):この培地は、フラスコまたはバイオリアクタのいずれにおいても生産培地中で最適に増殖することができるであろう各株の適切な種菌を達成するように、フラスコ中で両方の株を個々に培養するために使用した。
MSM-1は、グラム/リットル単位で以下の成分を含有する:NaHPO.12HO、9;KHPO、1.5;NHCl、1.0(主な窒素源として);MgSO.7HO、0.2;NHFe(III)-クエン酸、0.0012;CaCl.2HO、0.02。MSM-1に、グラム/リットル単位で以下の成分を含有する1mLの微量元素溶液-1(TES-1)を補充した:EDTA、50.0;FeCl、8.3;ZnCl、0.84;CuCl.2HO、0.13;CoCl.6HO、0.1;MnCl.6HO、0.016;及びHBO、0.1。滅菌後、単糖、すなわちC.necator DSM 428に対してはフルクトース、及びC.necator DSM 545に対してはグルコースを別個に添加した。滅菌後、培養物のpHを無菌的に調整した(Schlegel et al.,1961、Ibrahim and Steinbuchel,2009)。
-生産培地(MSM-2)(Mozumder et al.2014):この培地は、単一培養システムまたは共培養システムのいずれかにおける2つの株による増殖及び重合体合成のために使用した。MSM-2は、グラム/リットル単位で以下の成分を含有する:クエン酸、1.87;KHPO、13.3;(NHSO、4.0(窒素源として);MgSO.7HO、1.2。この成分に、グラム/リットル単位で以下の成分を含有する10mLの微量元素溶液-2(TES-2)を補充した:HBO、0.093;FeSO.7HO、10;ZnSO.7HO、2.25;MnSO.7HO、0.5;(NHMo24、0.1;CaCl.2HO、0.2;CuSO.5HO、1.0。微量元素溶液はまた、10ml/Lの濃HCl(37%)も含有していた。糖基質または加水分解されたスクロースに富む基質(実施例1に記載されるように調製した)を滅菌後、別個に添加した。滅菌後、培養物のpHを無菌的に調整した。
-共培養種菌(種)の調製:種培地への接種に先立ち、両方の株をプレート中の固体TSB上で20~24時間、個々に活性化した。その後、活性化された各株のプレートからの単一のコロニーを別個に使用して、各株につき1つのフラスコで、1g/Lグルコースを含有する2つのTSB前培養フラスコに接種した。TSB前培養物を24時間増殖させた後、両方の株によって各株の比較的類似の光学密度が達成された(OD60012~16)。TSB前培養物からの5%(v/v)の種菌を使用して、個々の基質を補充したそれぞれ50または200mlの種培地MSM-1を含む250mLまたは1Lエルレンマイヤーフラスコの中に2つの株の種培養物(MSM-1)を個々に接種した。180rpmで撹拌しながら30℃で24~26時間インキュベートした後、野生型C.necator DSM 428及びC.necator DSM 545の両方の増殖は、類似の光学密度(OD60012~16)に達した。
この最適化された種菌を個々にまたは一緒に使用して、野生型株及び変異株の増殖を個々にまたは共培養モードで試験した。一方の糖もしくは両方の純粋な糖、またはスクロースに富む基質の加水分解生成物を補充したMSM-2を含む振とうフラスコ中で培養を行った。フラスコ中で試験した回分培養モードにおいて、単一培養システム及び共培養システムの両方によって同等のO.D.、CDW、及びPHA含量が達成された(データは図示せず)。
微生物細胞中のポリヒドロキシアルカノエート含量をガスクロマトグラフィー(GC)によって分析した:
乾燥細胞をクロロホルム及び酸性メタノール(15%HSO)中、100℃で3~4時間、メタノリシス条件に供した。分離したクロロホルム相をGC分析に供して、純粋なPHA標準物と照らし合わせてPHA含量を定量的に測定した。
GC条件:使用したシステムは、Zebron ZB-5HT Infernoカラム(15m×0.32mm×0.1um)及び380℃で動作させたFID検出器を装備したAgilent 7890Bであった。キャリアガスとして水素を使用した。オーブン温度は、70℃から350℃まで増加(10℃/分)するようプログラムした。
結論:
最適化された種菌調製物は、両方の株の類似の細胞密度を有する活性な種菌を調製するのに役立った。2つの株間の種菌比及び/または共培養の時間(第2の株または第1の株を生産培養物に加える時間)を変化させることは、糖消費量を最適化するため、ならびにより高い増殖速度及び重合体生産性に達するために役立つ可能性がある。
実施例3-PHB生産のためのCupriavidus necator DSM 545の単一培養による流加発酵
材料及び方法:
使用した株は、C.necator DSM 545であった。PHA生産は、定置滅菌発酵槽Biostat C 7-Lで実施した。培養は、実施例2に記載されるように調製した生産培地MSM-2中で行った。最初の発酵体積は4Lであった。培養温度は30℃で、pHはNaOH(3M)またはHCl(3N)によって6.8~7.5で制御した。水酸化アンモニウム(NHOH、12.5v/v%)をpH制御に、及び高細胞密度の増殖を支持するための第1段階の流加発酵プロセス中の窒素供給として使用した。接種から36~38時間後、PHA生合成段階を誘発するためにアンモニウムを水酸化ナトリウムに切り替えることによって窒素制限条件を適用した。溶存酸素(dO)は、0.5~2.0(vvm)の圧縮空気の供給を使用して、400~900rpmで撹拌しながら20%(v/v)の飽和度で制御した。供給溶液は、実施例1に記載されるように調製した70w/v%の加水分解されたスクロースであった。接種から24時間後、窒素制限条件を適用した。
結果:
グルコース利用株C.necator DSM 545を単一培養物として個々に培養し、加水分解されたスクロース溶液を供給した。この実施例では、PHA産業において通常は高細胞密度の増殖及び重合体蓄積に達するための好ましい培養モードである流加発酵中に、グルコース利用変異体がスクロースを構成する単糖であるグルコース及びフルクトースの両方を完全に消費する能力の報告される欠如を調査した。培養物に、加水分解されたスクロース溶液(70w/v%)を供給した。図1は、DSM 545株が、供給中に少なくともある程度、グルコース及びフルクトースの両方の糖を利用することができたことを示す。70g/Lの比較的高い細胞密度、及び59w/w%のPHB含量に達することが可能である。しかしながら、初期静止期(これはPHA生合成期に対応する)中にフルクトースが蓄積し、これは、高細胞密度の増殖及び重合体生合成期中にDSM 545株がフルクトースよりもグルコースを好むことを意味する。フルクトースの蓄積は、採取の2時間前に(51時間で)供給を停止した場合であっても起こった。グルコース及びフルクトースの両方の糖の存在下で培養された場合のこの株について、類似の結果が以前に報告されている(Dalsasso et al.2019)。Rabergら(2011)によって行われたプロテオーム研究もまた、グルコースが変異株によるPHA生合成を、フルクトースにより支持され得るよりも大きく支持し得ることを証明している。
結論:
Cupriavidus necator DSM 545は、PHAの生合成中に、また高細胞密度の増殖に対してもフルクトースよりもグルコースを使用することを好む。
実施例4-加水分解されたスクロースからのPHB生産のためのCupriavidus necator DSM 428及びCupriavidus necator DSM 545の共培養による流加発酵
材料及び方法:
加水分解されたスクロースからのPHB生産のための共培養システムは、C.necator H16(DSM 428)及びC.necator H1G3(DSM 545)の2つの株によって行った。PHBの発酵性生産は、ガラス製発酵槽Applikon BioBundle 7-Lで実施した。発酵は最初の体積として3LのMSM-2で開始し、温度は30℃で、pHは6.8~7.5で制御した。溶存酸素(dO)は、0.5~1.0(vvm)の圧縮空気の供給を使用して、400~900rpmで撹拌しながら20%の飽和度で制御した。初期対数期にて、実施例1に記載されるように調製した加水分解されたスクロース溶液(70w/v%)を使用して連続供給を開始した。細胞増殖ならびにPHA合成及び糖消費量は、それぞれ実施例1及び実施例2に説明されるように分析した)。
結果:
高い細胞密度及び重合体含量に達するための供給を継続しながらフルクトース及びグルコースの両方の糖の完全な消費を達成するように、野生型C.necator H16 DSM 428及びそのグルコース利用変異体H1G3 DSM 545の共培養物を設計した。
2つの糖は、主として2つの株間の増殖速度の差異のため、発酵の始めには異なって消費された。それにもかかわらず、共培養は、発酵の終わりまでには両方の糖を同時に消費することができた。フルクトースの蓄積は、発酵の終わりである67時間まで検出されなかった(実施例3、図1と比較して)。発酵中にフルクトースを上回るグルコースの残留濃度の若干の増加が観察され(図2)、これは、両方の株が連続的に供給された糖混合物からのフルクトースを利用することができた一方で、グルコースがこれらの株のうちの一方によってのみ利用可能であったという事実に起因する可能性がある。加水分解されたスクロースの最適化された連続供給によって、より高い細胞密度(CDW)及びPHB含量に達した(それぞれ91g/L及び78w/w%)。
結論:
共培養システムは、両方の糖の完全な消費を達成するのに役立ち得、延長流加発酵によってより高細胞密度の増殖及びより高い重合体生産性を達成することを可能にし得る。
実施例5-Cupriavidus necator DSM 545の単一培養による流加発酵-加水分解されたスクロースからのPHBV生産
材料及び方法:
単一培養は、C.necator H1G3 DSM 545株により操作した。培養条件及び供給体制は、実施例4に記載されるようにガラス製発酵槽Applikon BioBundle 7-Lで実施したが、PHA共重合体であるポリ(3HB-co-3HV)(PHBV)の生産のための補助基質としてプロピオン酸ナトリウムを使用した。PHA生合成期の始めにプロピオン酸塩を加水分解されたスクロース供給溶液に補充した(280gのプロピオン酸ナトリウム)。
結果:
DSM 545株の単一培養による共重合体生産(PHBV)に関しても、糖消費量を高細胞密度の発酵中に調査した。
図3に示されるように、単一培養物は、48時間以内で高細胞密度を達成し(53g/L、CDW)、その後は68時間までの長期間供給にもかかわらず、細胞乾燥重量の増加を何ら検出することができなかった。この制限された増殖は、フルクトースの蓄積及び/または補助基質の阻害作用に起因する可能性がある。
実施例6-加水分解されたスクロースからのPHBV生産のためのCupriavidus necator H16 DSM 428及びCupriavidus necator DSM 545の共培養による流加発酵
材料及び方法:
生産に関して、共培養システムにおける共重合体PHBVの場合、C.necator DSM 428及びC.necator DSM 545の2つの株をまた一緒に培養した。共培養物の流加発酵は、ガラス製発酵槽Applikon BioBundle 7-Lで行った。培養条件及び供給体制は、実施例5に説明されるように設置した。
結果:
この実施例では、共培養システムを、実施例5における単一培養システムと比較した共重合体PHBVの生産に関しても調査した。図4に示されるように、共培養システムは、プロピオン酸塩(280gのプロピオン酸ナトリウム)を補充した加水分解されたスクロース溶液を継続的に供給した66時間の長期発酵中に、細胞密度の継続的な増加を達成した(73g/L、CDW)。
結論:
共培養システムは、PHA共重合体であるPHBVの生産に関しても、単一培養システムに勝る良好な増殖を示した。
一般的結論:
C.necator DSM 428株及びそのグルコース利用UV変異体C.necator DSM 545の共培養システムは、連続供給にわたって加水分解されたスクロース基質からの2つの単糖の類似の消費速度の維持に成功し、グルコース利用株の単一培養システムと比較してより高い細胞密度及びPHA重合体生産性を達成した。表1にあるデータは、PHB及びPHBVの発酵性生産に関する全ての提示した実施例の改善された糖消費量、CDW、及びPHA含量を要約する。
Figure 2024501674000002
実施例7.共培養細胞からのPHAの生物抽出
材料及び方法:
PHAの生物抽出は、Applikon BioBundle 3-Lにおいて1Lの基礎培地(Ibrahim et al.,2020)(WO2016/085396)中で高圧蒸気殺菌した、40~50gの乾燥重量に相当する実施例4のPHA共培養発酵からの湿潤細胞の一部分を使用して研究した。高圧蒸気殺菌後、培養物に50mLの十分に増殖したB.pumilus FH9種菌を接種した(16~24時間)。発酵は、37℃の制御温度で操作した。溶存酸素濃度は、空気(0.1~0.5vvm)を供給し、撹拌を制御する(400~800rpm)ことによって5~20%の飽和度に維持した。培養物のpHは、NaOHまたはHCl(3N)の添加によってpH7.0~8.0で制御した。遠心分離及び水洗によって白色のPHA顆粒が回収された(Ibrahim et al.,2020,WO2016/085396)。
結果:
この実施例では、生物ベースの抽出方法を使用して、C.necator DSM 428株及びC.necator DSM 545株の共培養システムによって合成された細胞内PHA顆粒を抽出し、回収した。特許権を付与されたプロセス(Ibrahim et al.,2020,WO2016/085396)を使用して、溶解細菌株B.pumilus FH9を増殖させる作用によって共培養細胞の非PHAバイオマスを加水分解した。湿潤した共培養細胞を唯一の炭素及び窒素源として使用して、桿菌細胞が増殖して、その細胞溶解酵素/因子を生産するよう促し、この細胞溶解酵素/因子によりPHAバイオマスをタンパク質(SCP)に富む細胞加水分解物に変換させると共に、遠心分離及び水洗ステップによって容易に回収されるPHA顆粒を放出させた。
結論:
生産微生物細胞からのPHAの回収及び単離のための方法としての生物抽出は、R.eutrophaの共培養システムからPHA顆粒を抽出することが証明された。その上、タンパク質(単細胞タンパク質、SCP)に富む加水分解物もまた生産される。
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条項
1.単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の生産のための共培養システムであって、前記共培養システムが、微生物成分及び基質を含み、
前記微生物成分が、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞を含むか、またはそれからなり、
前記第1の微生物細胞及び前記第2の微生物細胞が、Cupriavidus necator種の異なる株であり、
前記基質が、少なくとも第1の炭素源及び第2の炭素源を含み、前記第1の炭素源が前記第2の炭素源とは異なり、
前記第1の微生物細胞が、前記第1の炭素源を代謝することができ、
前記第2の微生物細胞が、前記第2の炭素源を代謝することができる、前記共培養システム。
2.前記ピルビン酸由来生成物が、アルコール、バイオ燃料、及び/またはアミノ酸等の増殖関連代謝産物等の一次代謝産物、及び/または
同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、及び/または単量体ヒドロキシアルカノエート等の二次代謝産物である、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
3.前記第1の炭素源及び前記第2の炭素源が、グルコース、フルクトース、プロピオン酸、吉草酸、レブリン酸、ギ酸、酪酸、クエン酸、酢酸、CO、合成ガス、短鎖及び/または中鎖脂肪酸、メルカプトアルカノエート、グリセロール、グルコン酸、キシロース、N-アセチル-d-グルコサミン(NAG)、ベンゾエート、フェノール、エタノール、メタノール、3-メルカプトプロピオン酸(3MP)、3-メルカプト吉草酸(3MV)、3,3’-チオジプロピオン酸(TDP)、3,3’-ジチオジプロピオン酸(DTDP)、ならびに3-メルカプト吉草酸(3MV)からなる群から選択される、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
4.前記第2の微生物細胞が、前記第1の微生物細胞の変異体である、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
5.前記第1の微生物細胞及び前記第2の微生物細胞が各々、複数の微生物細胞である、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
6.前記微生物成分が、前記第1の微生物細胞及び前記第2の微生物細胞からなる、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
7.前記第1の微生物細胞が、前記第2の炭素源を代謝することができない、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
8.前記第1の微生物細胞及び前記第2の微生物細胞が、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)生産微生物細胞である、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
9.前記第1の微生物細胞及び前記第2の微生物細胞が、中温菌である、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
10.前記第1の炭素源がフルクトースであり、及び/または前記第2の炭素源がグルコースである、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
11.前記第1の微生物細胞が、グルコースを代謝することができない、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
12.前記第2の微生物細胞が、グルコースを代謝することができる、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
13.前記第1の微生物細胞が、フルクトースを代謝することができる、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
14.前記第1の微生物細胞が、フルクトースを単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物に変換することができる、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
15.前記第1の微生物細胞が、グルコースを単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物に変換することができない、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
16.前記第2の微生物細胞が、グルコースを単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物に変換することができる、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
17.前記第2の微生物細胞が、前記第1の微生物細胞と比較して、フルクトースを単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物に変換する能力が低減されている、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
18.前記第1の微生物細胞及び前記第2の微生物細胞が、ピルビン酸を単重合ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、共重合ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、共重合ポリチオエステル(PTE)、及び/または(R)-ヒドロキシアルカノエート単量体に変換することができる、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
19.前記第1の微生物細胞及び前記第2の微生物細胞が、ピルビン酸を中鎖長ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(2-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(4-ヒドロキシアルカノエート)、シアノフィシン、2-メチルクエン酸、ブタノール、イソブタノール、イソプロパノール、ポリヒドロキシアルカノエートのメチルエステル、メチルケトン、またはそれらの組み合わせに変換することができる、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
20.前記第1の微生物細胞が、Cupriavidus necator DSM 428である、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
21.前記第2の微生物細胞が、Cupriavidus necator DSM 545である、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
22.前記第1の微生物細胞が、Cupriavidus necator DSM 428であり、前記第2の微生物細胞が、グルコースを代謝することができるCupriavidus necator株である、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
23.前記第1の微生物細胞が、唯一の炭素源としてフルクトースを使用することができるCupriavidus necator株であり、前記第2の微生物細胞が、唯一の炭素源として脂肪酸を使用することができるCupriavidus necator株である、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
24.前記第1の微生物細胞が、Cupriavidus necator DSM 428であり、前記第2の微生物細胞が、唯一の炭素源として脂肪酸を使用することができるCupriavidus necator株である、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
25.前記第1の微生物細胞が、唯一の炭素源として脂肪酸を使用することができるCupriavidus necator株であり、及び/または前記第2の微生物細胞が、唯一の炭素源としてグルコースを使用することができるCupriavidus necator株である、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
26.前記第1の微生物細胞が、唯一の炭素源として脂肪酸を使用することができるCupriavidus necator株であり、及び/または前記第2の微生物細胞が、Cupriavidus necator DSM 545である、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
27.前記第1の微生物細胞が、Cupriavidus necator DSM 428であり、前記第2の微生物細胞が、Cupriavidus necator DSM 545である、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
28.前記共培養システムが、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の生産のためのものである、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
29.前記共培養システムが、バイオ燃料の生産のためのものである、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
30.前記共培養システムが、単細胞タンパク質材料の生産のためのものである、先行条項のいずれか1項に記載の共培養システム。
31.単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の生産のためのプロセスであって、前記プロセスが、
a)供給原料を用意することと、
b)条項1~30のいずれか1項に記載の共培養システムの微生物成分を用意することと、
c)前記供給原料を前記共培養システムの前記微生物成分と接触させ、それによって前記供給原料を発酵させて、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物を含む発酵組成物を得ることと、を含む、前記プロセス。
32.前記ピルビン酸由来生成物が、
アルコール、バイオ燃料、及び/またはアミノ酸等の増殖関連代謝産物等の一次代謝産物、及び/または
同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、単量体ヒドロキシアルカノエート、及び/またはシアノフィシン等の二次代謝産物であり、
前記単細胞タンパク質材料が、Cupriavidus necator細胞のバイオマス及び/または加水分解されたバイオマスである、条項31に記載のプロセス。
33.前記供給原料が、グルコース、フルクトース、プロピオン酸、吉草酸、レブリン酸、ギ酸、酪酸、クエン酸、酢酸、CO、短鎖及び/または中鎖脂肪酸、合成ガス、メルカプトアルカノエート、グリセロール、グルコン酸、キシロース、N-アセチル-d-グルコサミン(NAG)、ベンゾエート、フェノール、エタノール、メタノール、3-メルカプトプロピオン酸(3MP)、3-メルカプト吉草酸(3MV)、3,3’-チオジプロピオン酸(TDP)、3,3’-ジチオジプロピオン酸(DTDP)、ならびに3-メルカプト吉草酸(3MV)からなる群から選択される1つまたは複数の炭素源を含む、条項31及び32のいずれか1項に記載のプロセス。
34.前記供給原料が、グルコース及びフルクトースを含む、条項31及び33のいずれか1項に記載のプロセス。
35.前記供給原料が、加水分解されたスクロースを含むか、またはそれからなる、条項31~34のいずれか1項に記載のプロセス。
36.前記供給原料が、加水分解されたスクロース、及び/またはグルコース、フルクトース、プロピオン酸、吉草酸、レブリン酸、ギ酸、酪酸、クエン酸、酢酸、CO、合成ガス、短鎖及び/または中鎖脂肪酸、メルカプトアルカノエート、グリセロール、グルコン酸、キシロース、N-アセチル-d-グルコサミン(NAG)、ベンゾエート、フェノール、3-メルカプトプロピオン酸(3MP)、エタノール、メタノール、3-メルカプト吉草酸(3MV)、3,3’-チオジプロピオン酸(TDP)、3,3’-ジチオジプロピオン酸(DTDP)、及び3-メルカプト吉草酸(3MV)からなる群から選択される1つもしくは複数の炭素源を含むか、またはそれからなる、条項31~35のいずれか1項に記載のプロセス。
37.スクロースを含む原材料を加水分解して前記供給原料を得ることを含む、前処理ステップをさらに含む、条項31~36のいずれか1項に記載のプロセス。
38.前記原材料が、40w/v%以上、例えば50w/v%以上、または例えば60w/v%以上、例えば70w/v%以上、例えば約70w/v%の濃度のスクロースを含む、条項31~37のいずれか1項に記載のプロセス。
39.前記原材料が、スクロースに富む材料等の糖蜜を含むか、またはそれからなり、前記原材料が、サトウキビ及び/またはテンサイに由来する、条項31~38のいずれか1項に記載のプロセス。
40.前記供給原料が、20w/v%以上、例えば25w/v%以上、または例えば30w/v%以上、例えば35w/v%以上、例えば約35w/v%の濃度のグルコースを含む、条項31~39のいずれか1項に記載のプロセス。
41.前記供給原料が、20w/v%以上、例えば25w/v%以上、または例えば30w/v%以上、例えば35w/v%以上、例えば約35w/v%の濃度のフルクトースを含む、条項31~40のいずれか1項に記載のプロセス。
42.グルコース及びフルクトースが、前記供給原料中の有機炭素の少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば約100%を占める、条項31~41のいずれか1項に記載のプロセス。
43.前記発酵組成物中の前記グルコース濃度が、20g/l以下、例えば15g/L以下、例えば10g/L以下、例えば5g/L以下、例えば1g/L以下である、条項31~42のいずれか1項に記載のプロセス。
44.前記発酵組成物中の前記フルクトース濃度が、20g/l以下、例えば15g/L以下、例えば10g/L以下、例えば5g/L以下、例えば1g/L以下である、条項31~43のいずれか1項に記載のプロセス。
45.前記グルコース及び前記フルクトースが、前記微生物細胞のための唯一の炭素源である、条項31~44のいずれか1項に記載のプロセス。
46.前記前処理ステップにおける前記原材料の前記加水分解が、熱酸性加水分解または生物学的加水分解である、条項31~45のいずれか1項に記載のプロセス。
47.前記前処理ステップにおける前記原材料の前記加水分解が、生物学的加水分解であり、前記生物学的加水分解が、酵素ベータ-フルクトフラノシダーゼ等の酵素、または細胞壁に酵素ベータ-フルクトフラノシダーゼを含む休止したSaccharomyces cerevisiae細胞等の活性なもしくは休止した細菌もしくは酵母細胞を利用する、条項31~46のいずれか1項に記載のプロセス。
48.グルコース、フルクトース、プロピオン酸、吉草酸、レブリン酸、ギ酸、酪酸、クエン酸、酢酸、CO、合成ガス、短鎖及び/または中鎖脂肪酸、メルカプトアルカノエート、グリセロール、グルコン酸、キシロース、N-アセチル-d-グルコサミン(NAG)、ベンゾエート、フェノール、エタノール、メタノール、3-メルカプトプロピオン酸(3MP)、3-メルカプト吉草酸(3MV)、3,3’-チオジプロピオン酸(TDP)、3,3’-ジチオジプロピオン酸(DTDP)、ならびに3-メルカプト吉草酸(3MV)からなる群から選択される1つまたは複数の炭素源が、前記前処理ステップの後またはその最中に前記原材料に添加される、条項31~47のいずれか1項に記載のプロセス。
49.ステップc)において、前記共培養システムの前記供給原料及び前記微生物成分がまた、培養培地と接触させられる、条項31~48のいずれか1項に記載のプロセス。
50.前記共培養発酵ステップc)の温度が、25℃~35℃、例えば27℃~33℃、例えば29℃~31℃、例えば約30℃である、条項31~49のいずれか1項に記載のプロセス。
51.前記発酵ステップc)のpHが、pH6~pH9、例えばpH6.5~8.5、例えばpH6.7~8.2である、条項31~50のいずれか1項に記載のプロセス。
52.ステップc)での発酵のための時間が、36時間~96時間、例えば36時間~84時間、例えば48時間~84時間、例えば36時間~68時間、例えば48時間~68時間、例えば48時間~72時間、例えば約62時間である、条項31~51のいずれか1項に記載のプロセス。
53.ステップc)での発酵のための溶存酸素が、0%~60v/v%の飽和度、例えば5v/v%~60v/v%の飽和度、例えば10v/v%~60v/v%、例えば10v/v%~40v/v%、例えば10v/v%~30v/v%、例えば約20v/v%の飽和度である、条項31~52のいずれか1項に記載のプロセス。
54.前記発酵ステップc)が、0.1~2.0vvm、例えば0.5~2.0vvm(体積/体積/分)、例えば0.5~1.0vvmの圧縮空気及び/または酸素供給を含む、条項31~53のいずれか1項に記載のプロセス。
55.前記発酵ステップc)が、機械的撹拌を含む、条項31~54のいずれか1項に記載のプロセス。
56.ステップa)が、前記供給原料を滅菌するステップをさらに含む、条項31~55のいずれか1項に記載のプロセス。
57.前記滅菌が、高圧蒸気殺菌、低温殺菌、高圧殺菌、電離放射線、紫外線、または膜濾過によって実施される、条項56に記載のプロセス。
58.前記ピルビン酸由来生成物が、単量体ヒドロキシアルカノエート、同種重合もしくは共重合ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、及び/または共重合ポリチオエステル(PTE)である、条項31~57のいずれか1項に記載のプロセス。
59.前記同種重合もしくは前記共重合ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、前記共重合ポリチオエステル(PTE)、及び/または前記単細胞タンパク質材料を回収するステップd)をさらに含む、条項31~58のいずれか1項に記載のプロセス。
60.ステップd)における前記同種重合もしくは前記共重合ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、前記共重合ポリチオエステル(PTE)、及び/または前記単細胞タンパク質材料の前記回収が、Bacillus pumilus種由来の細菌細胞によって前記発酵組成物中の前記微生物細胞を溶解させること、遠心分離及び/または濾過を含む、条項59に記載のプロセス。
61.前記単細胞タンパク質材料を動物用の飼料もしくは食物へと、及び/または化粧品及び/またはパーソナルケア製品用の成分へと処理することをさらに含む、条項60に記載のプロセス。
62.前記発酵組成物が、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、生産された前記ポリヒドロキシアルカノエートが、ポリ-3-ヒドロキシブチレート(PHB)、ポリヒドロキシバレレート(PHV)、ポリヒドロキシヘキサノエート(PHH)及び/またはポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)及び/またはポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート-co-4-ヒドロキシバレレート)(P(3HB-co-3HV-co-4HV))、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHBHx、P(3HB-co-3HHx)、ポリチオエステルの共重合体(co-PTE)、P(3HB-co-3MP)、またはそれらの組み合わせを含むか、またはそれからなる、条項31~60のいずれか1項に記載のプロセス。
63.生産された前記ポリヒドロキシアルカノエートが、少なくとも300kDa、例えば300kDa~2000kDa、例えば400kDa~1500kDa、例えば500kDa~1000kDa、例えば800kDa~2000kDaの平均分子量を有する、条項31~62のいずれか1項に記載のプロセス。
64.生産された前記ポリヒドロキシアルカノエートが、4~5炭素の平均鎖長を有する、条項31~63のいずれか1項に記載のプロセス。
65.生産された前記ポリヒドロキシアルカノエートが、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)の同種重合体、または5mol%~40mol%、例えば5mol%~35mol%、例えば5mol%~20mol%、例えば10mol%~20mol%、例えば15mol%~20mol%の3-ヒドロキシバレレートの含量を有するポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)である、条項31~64のいずれか1項に記載のプロセス。
66.前記ポリヒドロキシアルカノエートが、ポリヒドロキシアルカノエート顆粒である、条項31~65のいずれか1項に記載のプロセス。
67.生産されたポリヒドロキシアルカノエートのタイターが、少なくとも3g/L、例えば少なくとも8g/L、例えば少なくとも10g/L、15g/L、例えば少なくとも20g/L、例えば少なくとも25g/L、例えば少なくとも30g/L、例えば少なくとも50g/L、例えば少なくとも75g/L、例えば少なくとも100g/L、例えば少なくとも125g/L、例えば少なくとも150g/Lである、条項31~66のいずれか1項に記載のプロセス。
68.生産された前記ポリヒドロキシアルカノエートが、細胞乾燥重量の少なくとも50w/w%、例えば少なくとも60w/w%、例えば少なくとも70w/w%、例えば少なくとも80w/w%、例えば少なくとも90w/w%を構成する、条項31~67のいずれか1項に記載のプロセス。
69.前記プロセスが、前記ポリヒドロキシアルカノエートをバイオプラスチック品目または配合物へと処理するステップをさらに含む、条項31~68のいずれか1項に記載のプロセス。
70.前記ピルビン酸由来生成物が、共重合ポリヒドロキシアルカノエートであり、前記供給原料が、加水分解されたスクロース、ならびにプロピオン酸、吉草酸、レブリン酸、ギ酸、酪酸、クエン酸、酢酸、CO、合成ガス、短鎖及び/または中鎖脂肪酸、メルカプトアルカノエート、グリセロール、グルコン酸、キシロース、N-アセチル-d-グルコサミン(NAG)、ベンゾエート、フェノール、エタノール、メタノール、3-メルカプトプロピオン酸(3MP)、3-メルカプト吉草酸(3MV)、3,3’-チオジプロピオン酸(TDP)、3,3’-ジチオジプロピオン酸(DTDP)、及び3-メルカプト吉草酸(3MV)からなる群から選択される1つまたは複数の炭素源を含む、条項31~69のいずれか1項に記載のプロセス。
71.前記ピルビン酸由来生成物が、ブタノール、イソブタノール、3-メチル-1-ブタノール、及びイソプロパノールからなる群から選択されるバイオ燃料である、条項31~70のいずれか1項に記載のプロセス。
72.前記ブタノール、前記イソブタノール、前記3-メチル-1-ブタノール、及び/または前記イソプロパノールを回収するステップd)をさらに含む、条項71に記載のプロセス。
73.条項31~70のいずれか1項に記載のプロセスによって得られる天然ポリヒドロキシアルカノエート顆粒を含む組成物。
74.品目または配合物へのバイオプラスチックの製造のための、条項31~70のいずれか1項に記載のプロセスによって得られる天然ポリヒドロキシアルカノエート顆粒または条項73に記載の組成物の使用。
75.単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の生産のためのシステムであって、
前記システムが、条項31~72のいずれか1項に記載のピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の微生物による生産のためのプロセスを実施するように構成された発酵リアクタを含む、前記システム。
76.前記ピルビン酸由来生成物が、アルコール、バイオ燃料、及び/またはアミノ酸等の増殖関連代謝産物等の一次代謝産物、及び/または
同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、単量体ヒドロキシアルカノエート、及び/またはシアノフィシン等の二次代謝産物であり、
前記単細胞タンパク質材料が、Cupriavidus necator細胞のバイオマス及び/または加水分解されたバイオマスである、条項75に記載のシステム。
77.単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の生産のためのパーツのキットであって、
前記パーツのキットが、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞及び使用説明書を含むか、またはそれからなり、前記第1の微生物細胞及び前記第2の微生物細胞が、Cupriavidus necator種の異なる株であり、
前記第1の微生物細胞が、第1の炭素源を代謝することができ、
前記第2の微生物細胞が、第2の炭素源を代謝することができ、前記第1の炭素源が前記第2の炭素源とは異なる、前記パーツのキット。
78.前記ピルビン酸由来生成物が、アルコール、バイオ燃料、及び/またはアミノ酸等の増殖関連代謝産物等の一次代謝産物、及び/または
同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、単量体ヒドロキシアルカノエート、及び/またはシアノフィシン等の二次代謝産物であり、
前記単細胞タンパク質材料が、Cupriavidus necator細胞のバイオマス及び/または加水分解されたバイオマスである、条項77に記載のパーツのキット。
79.前記第1の炭素源及び前記第2の炭素源が、グルコース、フルクトース、プロピオン酸、吉草酸、レブリン酸、ギ酸、酪酸、クエン酸、酢酸、CO、合成ガス、短鎖及び/または中鎖脂肪酸、メルカプトアルカノエート、グリセロール、グルコン酸、キシロース、N-アセチル-d-グルコサミン(NAG)、ベンゾエート、フェノール、エタノール、メタノール、3-メルカプトプロピオン酸(3MP)、3-メルカプト吉草酸(3MV)、3,3’-チオジプロピオン酸(TDP)、3,3’-ジチオジプロピオン酸(DTDP)、ならびに3-メルカプト吉草酸(3MV)からなる群から選択される異なる有機炭素源である、条項77及び78のいずれか1項に記載のパーツのキット。
80.前記第1の炭素源がフルクトースであり、及び/または前記第2の炭素源がグルコースである、条項77~79のいずれか1項に記載のパーツのキット。
81.前記第1の微生物細胞及び前記第2の微生物細胞が各々、複数の微生物細胞である、条項77~80のいずれか1項に記載のパーツのキット。
82.前記第1の微生物細胞及び前記第2の微生物細胞が、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)生産微生物細胞である、条項77~81のいずれか1項に記載のパーツのキット。
83.前記第2の微生物細胞が、前記第1の微生物細胞の変異体である、条項77~82のいずれか1項に記載のパーツのキット。
84.前記第1の微生物細胞が、Cupriavidus necator DSM 428であり、前記第2の微生物細胞が、Cupriavidus necator DSM 545である、条項77~83のいずれか1項に記載のパーツのキット。
85.前記微生物細胞の培養に好適である培地成分をさらに含む、条項77~84のいずれか1項に記載のキット。

Claims (15)

  1. 単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の生産のための共培養システムであって、前記共培養システムが、微生物成分及び基質を含み、
    前記微生物成分が、第1の微生物細胞及び第2の微生物細胞を含むか、またはそれからなり、
    前記第1の微生物細胞及び前記第2の微生物細胞が、Cupriavidus necator種の異なる株であり、
    前記基質が、少なくとも第1の炭素源及び第2の炭素源を含み、前記第1の炭素源が前記第2の炭素源とは異なり、
    前記第1の微生物細胞が、前記第1の炭素源を代謝することができ、
    前記第2の微生物細胞が、前記第2の炭素源を代謝することができる、前記共培養システム。
  2. 前記ピルビン酸由来生成物が、
    アルコール、バイオ燃料、及び/またはアミノ酸等の増殖関連代謝産物等の一次代謝産物、及び/または
    同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、単量体ヒドロキシアルカノエート、及び/またはシアノフィシン等の二次代謝産物であり、
    前記単細胞タンパク質材料が、Cupriavidus necator細胞のバイオマス及び/または加水分解されたバイオマスである、請求項1に記載の共培養システム。
  3. 前記第1の微生物細胞及び前記第2の微生物細胞が各々、複数の微生物細胞であり、
    前記第1の微生物細胞及び前記第2の微生物細胞が、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)生産微生物細胞である、先行請求項のいずれか1項に記載の共培養システム。
  4. 前記第1の炭素源がフルクトースであり、及び/または前記第2の炭素源がグルコースであり、
    前記第1の微生物細胞が、フルクトースを代謝することができるが、グルコースを代謝することはできず、
    前記第2の微生物細胞が、グルコースを代謝することができる、先行請求項のいずれか1項に記載の共培養システム。
  5. 前記第1の微生物細胞が、Cupriavidus necator DSM 428であり、及び/または前記第2の微生物細胞が、唯一の炭素源として脂肪酸を使用することができるCupriavidus necator株であるか、または
    前記第1の微生物細胞が、唯一の炭素源として脂肪酸を使用することができるCupriavidus necator株であり、及び/または前記第2の微生物細胞が、Cupriavidus necator DSM 545である、先行請求項のいずれか1項に記載の共培養システム。
  6. 前記第1の微生物細胞が、Cupriavidus necator DSM 428であり、及び/または
    前記第2の微生物細胞が、Cupriavidus necator DSM 545等の、グルコースを代謝することができるCupriavidus necator株である、先行請求項のいずれか1項に記載の共培養システム。
  7. 単細胞タンパク質材料、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物の生産のためのプロセスであって、前記プロセスが、
    a)供給原料を用意することと、
    b)請求項1~6のいずれか1項に記載の共培養システムの微生物成分を用意することと、
    c)前記供給原料を前記共培養システムの前記微生物成分と接触させ、それによって前記供給原料を発酵させて、ピルビン酸及び/またはピルビン酸由来生成物を含む発酵組成物を得ることと、を含む、前記プロセス。
  8. 前記ピルビン酸由来生成物が、アルコール、バイオ燃料、及び/またはアミノ酸等の増殖関連代謝産物等の一次代謝産物、及び/または
    同種重合及び共重合ポリヒドロキシアルカノエート、共重合ポリチオエステル、単量体ヒドロキシアルカノエート、及び/またはシアノフィシン等の二次代謝産物であり、
    前記単細胞タンパク質材料が、Cupriavidus necator細胞のバイオマス及び/または加水分解されたバイオマスである、請求項7に記載のプロセス。
  9. スクロースを含む原材料を加水分解して前記供給原料を得ることを含む、前処理ステップをさらに含み、
    前記原材料が、40w/v%以上、例えば50w/v%以上、または例えば60w/v%以上、例えば70w/v%以上、例えば約70w/v%の濃度のスクロースを含む、請求項7~8のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 前記供給原料が、20w/v%以上、例えば25w/v%以上、または例えば30w/v%以上、例えば35w/v%以上、例えば約35w/v%の濃度のグルコースを含み、
    前記供給原料が、20w/v%以上、例えば25w/v%以上、または例えば30w/v%以上、例えば35w/v%以上、例えば約35w/v%の濃度のフルクトースを含み、
    グルコース及びフルクトースが、前記供給原料中の有機炭素の少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば約100%を占める、請求項7~9のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. 前記発酵組成物中の前記グルコース濃度が、20g/l以下、例えば15g/L以下、例えば10g/L以下、例えば5g/L以下、例えば約1g/L以下であり、
    前記発酵組成物中の前記フルクトース濃度が、20g/l以下、例えば15g/L以下、例えば10g/L以下、例えば5g/L以下、例えば1g/L以下である、請求項7~10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 前記発酵ステップc)の温度が、25℃~35℃、例えば27℃~33℃、例えば29℃~31℃、例えば約30℃であり、
    前記発酵ステップc)のpHが、pH6~pH9、例えばpH6.5~8.5、例えばpH6.7~8.2である、請求項7~11のいずれか1項に記載のプロセス。
  13. 生産された前記ポリヒドロキシアルカノエートが、少なくとも300kDa、例えば300kDa~2000kDa、例えば400kDa~1500kDa、例えば500kDa~1000kDa、例えば800kDa~2000kDaの平均分子量を有する、請求項7~12のいずれか1項に記載のプロセス。
  14. 生産された前記ポリヒドロキシアルカノエートが、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)の同種重合体、または5mol%~40mol%、例えば5mol%~35mol%、例えば5mol%~20mol%、例えば10mol%~20mol%、例えば15mol%~20mol%の3-ヒドロキシバレレートの含量を有するポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)の共重合体である、請求項7~13のいずれか1項に記載のプロセス。
  15. 生産されたポリヒドロキシアルカノエートのタイターが、少なくとも3g/L、例えば少なくとも8g/L、例えば少なくとも10g/L、15g/L、例えば少なくとも20g/L、例えば少なくとも25g/L、例えば少なくとも30g/L、例えば少なくとも50g/L、例えば少なくとも75g/L、例えば少なくとも100g/L、例えば少なくとも125g/L、例えば少なくとも150g/Lであり、
    生産された前記ポリヒドロキシアルカノエートが、細胞乾燥重量の少なくとも50w/w%、例えば少なくとも60w/w%、例えば少なくとも70w/w%、例えば少なくとも80w/w%、例えば少なくとも90w/w%を構成する、請求項7~14のいずれか1項に記載のプロセス。
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