JP6281887B2 - ハロモナス菌を用いた3−ヒドロキシ酪酸の製造方法 - Google Patents

ハロモナス菌を用いた3−ヒドロキシ酪酸の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハロモナス菌を用いた3−ヒドロキシ酪酸の製造方法に関する。
近年、エネルギーのみならずケミカル・リファイナリーのバイオベース化、工業用原料の石油からバイオマスへの転換等が課題となっている。
3−ヒドロキシ酪酸(以下、本明細書において3−HBと呼ぶことがある。)は、人間では肝臓でアセチルCoAから作られ、血中グルコース濃度が少ない時に脳のエネルギー源として使われること、また、腸内細菌の血中への転移を抑制することから、輸液、目薬等として、また、生分解性プラスチックの原料としての利用が検討されている(特許文献1、2)。
3−ヒドロキシ酪酸の製造方法として、斯かる化合物がポリ−3−ヒドロキシブチレート(以下、本明細書においてPHBと呼ぶことがある。)のモノマーであることから、例えばPHBを各種菌体で製造した後、別途調整したリパーゼ等でPHBを分解し、そのモノマーである3−ヒドロキシ酪酸を得る方法(特許文献3)、突然変異体を用い、8.7g/Lの3−ヒドロキシ酪酸を得る方法(非特許文献1)、遺伝子組換え手法を用い12g/Lの収量にて3−ヒドロキシ酪酸を得る方法(非特許文献2)等が知られている。
本発明者らは、微細藻類スピルリナの効率的な培養方法を検討する中で、ある条件下では、特定の好塩菌が唯一の混入する菌として生育することを認めた。当該好塩菌そのものは、通常はpH5〜12程度の条件下の、高濃度のナトリウムを含む培地中でも良好に生育するため、好気発酵下であっても他のバクテリア等の混入が極めて起こりにくいことが推定された。そこで、当該好塩菌の各種の炭素源の資化性を検討していたところ、当該好塩菌の菌体内に著量のPHBを蓄積していること明らかにした(特許文献4)。
その後、検討を進める中で、ハロモナス属に属する好塩菌が、好気条件でPHBを蓄積し、微好気条件に移行するとことでPHBのモノマーである3−ヒドロキシ酪酸を培養液中に分泌産生することを見いだした。(特許文献5)
3−ヒドロキシ酪酸は、母乳に著量含まれていることが知られており、低グルコース濃度となった場合に脂肪酸などから誘導されることが知られている。そして、3−ヒドロキシ酪酸の代謝速度は比較的早いことが知られており、3−ヒドロキシ酪酸のメチルエステルは、健康食品等、中でもアスリートに適したサプリメントとして有用であると期待されている。
このように、3−ヒドロキシ酪酸は、そのままでも又は上述のようなエステル体として、他にもこれを構成ユニットとするポリマーとしても非常に有用な化学品原料である。
特開平7−61924号公報 特開2005−306815号広報 特開2010−168595号公報 国際公開第2009/041531号パンフレット 特開2013−081403
Bioresource Technology Volume 102,Issue 12,June 2011,Pages 6766−6768 Charles U.Ugwu,Yutaka Tokiwa and Toshio Ichiba Appl Microbiol Biotechnol(2007)76:811−818 Qian Liu,Shao−Ping Ouyang,Ahleum Chung,Qiong Wu and Guo−Qiang Chen Monteil−Rivera Fら.2007 Jun 22;1154(1−2):34−41 J.Chromatogr.A
培養条件を好気条件から微好気条件に変更することを特徴とする発明が開示される特許文献5では、ハロモナス属に属する好塩菌を用いた3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法が開示され、15%グルコースを含む培地を使用した際に20g/Lの3−ヒドロキシ酪酸を培養液中に分泌産生させた実施例が示されている。
斯かる方法によると、培養液から3−ヒドロキシ酪酸を簡便に回収できる利点を有するものの、20g/L程度の産生量では工業的に十分な製造方法が提供さるとは言い難い。
従って、菌体内に蓄積したPHBのより多くを分解させ、更に高効率に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を培養液中に分泌産生させることが求められる。
以上、本発明はハロモナス属に属する好塩菌を用いて3−ヒドロキシ酪酸及びその塩を製造する方法であって、該菌体内に蓄積されたPHBを分解し、3−ヒドロキシ酪酸を培養液中に高効率に分泌産生させ、培養液から3−ヒドロキシ酪酸を回収する手段を導き出す事を目的とする。
本発明者は、上述のような背景のもとで鋭意研究を進めた結果、ハロモナス属に属する好塩菌体内にPHBを著量蓄積させる段階において、培地中に有機炭素源に加えて、窒素、金属塩、ホウ酸塩等を添加して好気培養を行い、その後、培養条件を微好気条件に変更し、菌体内でPHBが著量蓄積したPHBを分解し、3−ヒドロキシ酪酸を菌体外の培養液中に分泌産生させることによって、菌体内に蓄積されたPHBが分解し、3−ヒドロキシ酪酸が培養液中に著量分泌されることを見いだした。
また、特定の窒素源を用いることによって3−ヒドロキシ酪酸の生産量を向上させ得ることを見出した。
更に、微好気培養前に、窒素源、金属塩、ホウ酸塩等を添加すること、培養液の容量を減少させること、及びpHを特定の範囲に調整及び/又は維持するで、より高濃度に3−ヒドロキシ酪酸を分泌生産させ得ることも見いだした。
本発明は斯かる知見に基づいて完成されたものであり、以下に示す広い態様の発明を含むものである。
〔項1〕下記の工程(1)〜(3)を含む、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法:
(1)ハロモナス属に属する好塩菌を、有機炭素源及び無機塩を含有する培地中で好気培養する工程1、
(2)工程1の培養条件を好気培養から微好気培養に変更して、前記菌体を培養し、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生させる工程2、及び
(3)工程2で得られる培養液中から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程3。
〔項2〕無機塩に、尿素が含有される、上記項1に記載の製造方法
〔項3〕工程2における培養条件を好気培養から微好気培養に変更する時期が、菌体中のPHB蓄積量が乾燥菌体100重量部当たり70重量部以上となる時期である、上記項1又は項2に記載の製造方法。
〔項4〕工程2の前に、培養液中に窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加する工程を含む、上記項1〜項3の何れか1項に記載の製造方法。
〔項5〕窒素源が、硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニウム塩、及び尿素からなる群より選択される少なくとも1つである、上記項4に記載の製造方法。
〔項6〕金属塩が、亜鉛塩、モリブデン塩、マンガン塩、銅塩、及びコバルト塩からなる群より選択される少なくとも1つである、上記項4又は項5に記載の製造方法。
〔項7〕培養液中に窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加する時期が、菌体中のPHB蓄積量が乾燥菌体100重量部当たり70重量部以上となる時期である、上記項4〜項6の何れか1項に記載の製造方法。
〔項8〕工程2の前に、培養液の容量を減少させる工程を含む、上記項1〜項7の何れか1項に記載の製造方法。
〔項9〕工程2の後に、培養液のpHを7以上に調整及び/又は維持する工程を含む、上記項1〜項8の何れか1項に記載の製造方法。
〔項10〕培養液のpHを7.5以上に調整及び/又は維持する、上記項9に記載の製造方法。
〔項11〕培養液のpHの調整及び/又は維持を、水酸化物、炭酸塩、及び炭酸水素塩からなる群より選択される少なくとも1種を用いて行う、上記項9又は項10に記載の製造方法。
〔項12〕前記好塩菌が、ハロモナス・エスピー(Halomonas sp.)KM−1株(FERM BP−10995)である、上記項1〜項11の何れか1項に記載の製造方法。
本発明に係る製造方法は、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を、培地中に著量産生することができる。
本発明に係る製造方法は、ハロモナス属に属する好塩菌を培養する工程が含まれるが、斯かる好塩菌の培養は、他の細菌の混入が起こりにくい環境で培養することが可能であり、非滅菌培地及び/又は非滅菌環境下での培養が可能である、更に、供気条件の変更も容易であることから優れた製造方法である。
本発明に係る製造方法にて用いる好塩菌は、例えば、安価な無機塩に加え、バイオディーゼル生産に副生する廃グリセロール、エタノール発酵等の過程で生産される木材糖化液、生ごみ等の発酵で得られる有機酸等を有機炭素源として単独で、又は他の有機炭素源と組み合わせて用いることが可能である。さらに、酵母細胞を用いたエタノール発酵において得られ、利用が難しいとされる五炭糖のキシロース、アラビノース等を有機炭素源として有効に利用することも可能である。
本発明に係る製造方法では、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を培養液中に生産させることが可能である。よって、培養液中から3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を含む画分を簡便に回収することが可能であり、精製工程を行ったとしても、簡易な精製方法が適用できるため、優れた製造方法である。
この点に関して、本発明に係る製造方法では、ハロモナス属に属する好塩菌体の溶菌を伴わない条件にて3−ヒドロキシ酪酸又はその塩をその培養液中から回収することができるので、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を精製する際に、溶菌に伴う核酸、タンパク質、糖質、脂質等といった夾雑分子を除去するための精製工程が非常に簡便になるといった効果を有する。
特に、本発明に係る方法によると、3−ヒドロキシ酪酸を回収する際の培養液がアルカリ性になっており、3−ヒドロキシ酪酸が塩を形成しにくい環境であるため、3−ヒドロキシ酪酸の回収に有効である。
本発明に係る製造方法によって得られる3−ヒドロキシ酪酸又はその塩は、医療用の輸液等に添加したり、そのまま重合してプラスチックとするだけでなく、化粧品、医薬品、機能性食品、光学活性を持った素材、化成品原料等として有用である。
実施例の製造例1に示す方法によって得られた、培養上清中に蓄積された3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の割合(縦軸:3−ヒドロキシ酪酸又はその塩(g)/培養上清(L)と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、SOT改5培地に20%グルコースを添加した際の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、SOT改5培地に20%グルコース及び培養開始から24時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の■(黒四角)は、SOT改5培地に20%グルコース並びに培養開始から24時間後及び36時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の◇(白ダイヤモンド)は、SOT改5培地に20%グルコース並びに養開始から24時間後、36時間後、及び48時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。 実施例の製造例1に示す方法によって得られた、PHBの量(縦軸:PHB(g)/培養上清(L)と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、SOT改5培地に20%グルコースを添加した際の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、SOT改5培地に20%グルコース及び培養開始から24時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の■(黒四角)は、SOT改5培地に20%グルコース並びに培養開始から24時間後及び36時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の◇(白ダイヤモンド)は、SOT改5培地に20%グルコース並びに養開始から24時間後、36時間後、及び48時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。 実施例の製造例1に示す方法によって得られた、菌体量(縦軸:OD600と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、SOT改5培地に20%グルコースを添加した際の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、SOT改5培地に20%グルコース及び培養開始から24時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の■(黒四角)は、SOT改5培地に20%グルコース並びに培養開始から24時間後及び36時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の◇(白ダイヤモンド)は、SOT改5培地に20%グルコース並びに養開始から24時間後、36時間後、及び48時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。 実施例の製造例1に示す方法によって得られた、菌体中に蓄積されたPHBの量(縦軸:PHB(%):PHB(g)/菌体乾燥重量(g)と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、SOT改5培地に20%グルコースを添加した際の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、SOT改5培地に20%グルコース及び培養開始から24時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の■(黒四角)は、SOT改5培地に20%グルコース並びに培養開始から24時間後及び36時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の◇(白ダイヤモンド)は、SOT改5培地に20%グルコース並びに養開始から24時間後、36時間後、及び48時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。 実施例の製造例2に示す方法によって得られた、培養上清中に蓄積された3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の割合(縦軸:3−ヒドロキシ酪酸又はその塩(g)/培養上清(L)と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、SOT改5培地に合計25%グルコースグルコース並びに培養開始から24時間後、36時間後、及び48時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、SOT改5培地に合計25%グルコース、培養開始から24時間後及び48時間後に窒素源である硝酸ナトリウム、並びに培養開始から36時間後に窒素源である硝酸ナトリウム及び金属塩含有添加物を添加した際の結果を示す。 実施例の製造例2に示す方法によって得られた、PHBの量(縦軸:PHB(g)/培養上清(L)と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、SOT改5培地に合計25%グルコースグルコース並びに培養開始から24時間後、36時間後、及び48時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、SOT改5培地に合計25%グルコース、培養開始から24時間後及び48時間後に窒素源である硝酸ナトリウム、並びに培養開始から36時間後に窒素源である硝酸ナトリウム及び金属塩含有添加物を添加した際の結果を示す。 実施例の製造例2に示す方法によって得られた、菌体量(縦軸:OD600と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、SOT改5培地に合計25%グルコースグルコース並びに培養開始から24時間後、36時間後、及び48時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、SOT改5培地に合計25%グルコース、培養開始から24時間後及び48時間後に窒素源である硝酸ナトリウム、並びに培養開始から36時間後に窒素源である硝酸ナトリウム及び金属塩含有添加物を添加した際の結果を示す。 実施例の製造例2に示す方法によって得られた、菌体中に蓄積されたPHBの量(縦軸:PHB(%):PHB(g)/菌体乾燥重量(g)と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、SOT改5培地に合計25%グルコースグルコース並びに培養開始から24時間後、36時間後、及び48時間後に窒素源である硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、SOT改5培地に合計25%グルコース、培養開始から24時間後及び48時間後に窒素源である硝酸ナトリウム、並びに培養開始から36時間後に窒素源である硝酸ナトリウム及び金属塩含有添加物を添加した際の結果を示す。 実施例の製造例3に示すSOT改5培地に20%グルコースを添加し、1Lスケールのファーメンターを用いて、好気的な培養の後、60時間目に微好気条件に変更し、水酸化ナトリウム若しくは炭酸ナトリウムでpH調整を行った場合、及びコントロールとしてpH調整を行わなかった場合によって得られた、培養上清中に蓄積された3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の割合(縦軸:3−ヒドロキシ酪酸又はその塩(g)/培養上清(L)と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、微好気培養時に、pH調整を行わなかった場合の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、微好気培養時に、水酸化ナトリウムを用いてpH9.0に調整した場合の結果を示す。グラフ中の■(黒四角)は、微好気培養時に、炭酸ナトリウムを用いてpH9.0に調整した場合の結果を示す。 実施例の製造例3に示す方法によって得られた、PHBの量(縦軸:PHB(g)/培養上清(L)と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、微好気培養時に、pH調整を行わなかった場合の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、微好気培養時に、水酸化ナトリウムを用いてpH9.0に調整した場合の結果を示す。グラフ中の■(黒四角)は、微好気培養時に、炭酸ナトリウムを用いてpH9.0に調整した場合の結果を示す。 実施例の製造例1に示す方法によって得られた、菌体量(縦軸:OD600と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、微好気培養時に、pH調整を行わなかった場合の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、微好気培養時に、水酸化ナトリウムを用いてpH9.0に調整した場合の結果を示す。グラフ中の■(黒四角)は、微好気培養時に、炭酸ナトリウムを用いてpH9.0に調整した場合の結果を示す。 実施例の製造例1に示す方法によって得られた、菌体中に蓄積されたPHBの量(縦軸:PHB(%):PHB(g)/菌体乾燥重量(g)と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、微好気培養時に、pH調整を行わなかった場合の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、微好気培養時に、水酸化ナトリウムを用いてpH9.0に調整した場合の結果を示す。グラフ中の■(黒四角)は、微好気培養時に、炭酸ナトリウムを用いてpH9.0に調整した場合の結果を示す。 実施例の製造例4に示すSOT改5培地に20%グルコースを添加し、1Lスケールのファーメンターを用いて、好気的な培養60時間の後、遠心分離処理により、培養液を1/2容量、1/4容量、比較として1/1容量に濃縮し、微好気条件に変更し、炭酸ナトリウムでpH調整を行った場合によって得られた、培養上清中に蓄積された3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の割合(縦軸:3−ヒドロキシ酪酸又はその塩(g)/培養上清(L)と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、比較として、1/1容量、そのまま、微好気培養に移行した場合の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、1/2容量に濃縮し、微好気培養に移行した場合の結果を示す。グラフ中の■(黒四角)は、1/4容量に濃縮し、微好気培養に移行した場合の結果を示す。 実施例の製造例4に示す方法によって得られた、PHBの量(縦軸:PHB(g)/培養上清(L)と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、比較として、1/1容量、そのまま、微好気培養に移行した場合の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、1/2容量に濃縮し、微好気培養に移行した場合の結果を示す。グラフ中の■(黒四角)は、1/4容量に濃縮し、微好気培養に移行した場合の結果を示す。 実施例の製造例5に示す、SOT改5培地(窒素源を除く)に12%グルコースを添加し、それぞれ異なる濃度の窒素源を添加して培養して得られた、培養上清中に蓄積された3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の割合(縦軸:3−ヒドロキシ酪酸又はその塩(g)/培養上清(L)と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、SOT改5培地(窒素源を除く)に、12.5g/L硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、SOT改5培地(窒素源を除く)に、15.0g/L硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の○(白丸)は、SOT改5培地(窒素源を除く)に、8.75g/L尿素を添加した際の結果を示す。グラフ中の△(白三角)は、SOT改5培地(窒素源を除く)に、10.5g/L尿素を添加した際の結果を示す。 実施例の製造例5に示す、SOT改5培地(窒素源を除く)に12%グルコースを添加し、それぞれ異なる濃度の窒素源を添加して培養して得られた、菌体中に蓄積されたPHBの量(縦軸:PHB(g)/菌体乾燥重量(g)と培養時間(横軸:h))を示すグラフ。グラフ中の●(黒丸)は、SOT改5培地(窒素源を除く)に、12.5g/L硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。グラフ中の▲(黒三角)は、SOT改5培地(窒素源を除く)に、15.0g/L硝酸ナトリウムを添加した際の結果を示す。 グラフ中の○(白丸)は、SOT改5培地(窒素源を除く)に、8.75g/L尿素を添加した際の結果を示す。グラフ中の△(白三角)は、SOT改5培地(窒素源を除く)に、10.5g/L尿素を添加した際の結果を示す。
本発明に係る3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法は、下記の工程(1)〜(3)を含む(本明細書においてこれを第1の態様と呼ぶことがある)。
(1)ハロモナス属に属する好塩菌を、有機炭素源及び無機塩を含有する培地中で好気培養する工程1、
(2)工程1の培養条件を好気培養から微好気培養に変更して、前記菌体を培養し、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生させる工程2、及び
(3)工程2で得られる培養液中から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程3。
本発明に係る製造方法によって製造される3−ヒドロキシ酪酸又はその塩とは、生体内にて通常の光学活性を持った化合物であり、D体である。
また、3−ヒドロキシ酪酸の塩とは、製造時に使用するハロモナス属に属する好塩菌の培地中に含まれる成分に由来する陽イオン及び/又は菌体内に存在する陽イオンによって形成される塩であり、特に限定はされないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、コバルト塩、亜鉛塩、鉄塩、銅塩、モリブデン塩、アンモニウム塩、リチウム塩、銀塩、水銀塩、ストロンチウム塩、バリウム塩、カドミウム塩、ニッケル塩、スズ塩、鉛塩、マンガン塩、アルミニウム塩等が挙げられる。
工程1について
本発明に係る製造方法の工程1は、ハロモナス属に属する好塩菌を、有機炭素源及び無機塩を含有する培地中で好気培養する工程である。
<A:好塩菌>
本発明に係る製造方法の工程1にて用いる好塩菌は、下記の(i)又は(ii)のいずれかによって示されるハロモナス属に属する好塩菌を用いればよい。
(i)無機塩と単一若しくは複数の有機炭素源を含む培地にて好気的に増殖し、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を菌体外の培地中に生産させることを特徴とする好塩菌。
(ii)無機塩と単一若しくは複数の有機炭素源を含む培地にて好気的に増殖し、PHBを自らの菌体内にて蓄積した後、微好気条件下で3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を菌体外の培養液に分泌産生することを特徴とする好塩菌。
なお、「無機塩」及び「有機炭素源」については、<培地>の欄にて後述するが、無機塩には尿素が含まれていることが好ましい。また、「微好気条件」については、下記工程2の<培養方法>の欄にて詳述する。
このようなハロモナス属に属する好塩菌は、酸化的代謝も嫌気的代謝も使い分けることができ、遊離酸素の存在の有無にかかわらず生存が可能で、且つ、遊離酸素の存在下のほうが生育し易い傾向となる、所謂、通性嫌気性菌の性質を有する菌体である。
上述のハロモナス属に属する好塩菌は、0.1〜1.0Mの塩濃度を適とする好塩性を有し、時には塩を含まない培地においても生育する細菌である。そして、上述のハロモナス属に属する好塩菌は、通常はpH5〜12程度の培地にて生育する。
上述のハロモナス属に属する好塩菌として、例えば、ハロモナス・エスピー(Halomonas sp.)KM−1株が挙げられる。ハロモナス・エスピーKM−1株は、平成19年7月10日付で、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305−8566茨城県つくば市東1−1−1中央第6)に受託番号FERM P−21316として寄託されている。また、この菌株は、現在国際寄託に移管されており、その受託番号はFERM BP−10995である。当該ハロモナス・エスピーKM−1株の16S rRNA遺伝子は、DDBJにAccession Number AB477015として登録されている。
また、上述したようなハロモナス属に属する好塩菌の生育特性等に鑑みて、本発明に係る製造方法において用いる好塩菌として、ハロモナス・エスピーKM−1株以外に、ハロモナス・パンテラリエンシス(Halomonas pantelleriensis:ATCC 700273)、ハロモナス・カンピサリス(Halomonas campisalis:ATCC 700597)等も挙げることができる。
さらに、16SリボゾームRNA配列による分析から、上述のハロモナス属に属する好塩菌に限らず、ハロモナス・ニトリトフィルス、ハロモナス・アリメンタリア等も、本発明に係る製造方法にて用いるハロモナス属に属する好塩菌として使用してもよい。
なお、上述したハロモナス属に属する好塩菌には、遺伝子が導入されていてもよい。導入される遺伝子は、本発明に係る製造方法において、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の生産効率等を向上させる機能を発現させるものであれば特に限定されない。例えば、PHBの発現量を増大させる遺伝子、PHBの該菌体内への蓄積を上昇させる機能を発現させる遺伝子;3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を培養液にて生産する機能を増大させる遺伝子;3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の産生量を増大させる遺伝子;PHBを分解する遺伝子等が挙げられる。組換えDNAの当該菌体への導入方法及びこれによる形質転換方法としては、一般的な各種方法を採用できる。
<B:培地>
工程1にて用いる培地は、無機塩と及び有機炭素源を含有する。培地のpHは特に限定されないが、上述した好塩菌の生育条件を満たすpHであることが好ましく、具体的にはpH5〜12程度にすればよい。より好ましくはpH8.8〜12の培地である。アルカリ性の培地を用いれば、他の菌のコンタミネーションをより効果的に防止することができ、また分泌された3−ヒドロキシ酪酸がクロトン酸へ変化するのを抑制するので好ましい。
工程1にて用いる培地に配合する無機塩は、特に限定されることは無く、例えばリン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、鉄、亜鉛、銅、コバルト等の金属塩が挙げられる。
例えば、ナトリウムを無機塩として用いる場合は、NaCl、NaNO、NaHCO3、NaCO等を用いればよい。
これらの無機塩は、上述の好塩菌にとって窒素源やリン源となるような化合物を用いることが好ましい。
窒素源は、硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニウム塩、尿素等を用いればよく、特に限定はされないが、例えばNaNO、NaNO、NHCl、尿素等の化合物を用いればよい。これらの中でも尿素が特に好ましい。
以上、工程1にて用いる培地に含有される無機塩には、尿素が含まれることが好ましい。
窒素源の使用量は、菌体の生育に影響を及ぼすことなく、本発明の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の生産目的が達成される範囲において適宜設定すればよく、具体的には、培養初期の培地100ml当たり通常であれば硝酸塩として500mg程度以上とすればよく、より好ましくは1000mg程度以上、更に好ましくは1250mg程度以上である。
なお、窒素源として尿素を用いる場合には、培養初期の培地100ml当たり、200mg以上とすればよいが、より好ましくは400〜700mg程度とすることにより、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩をより高効率に産生させることも可能である。
リン源は、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩等を用いればよく、特に限定はされないが、例えばKHPO、KHPO等の化合物を用いればよい。
リン源の使用量も、上記の窒素源の使用量と同様の観点から適宜設定すればよく、具体的には、リン酸二水素塩として培地100ml当たり通常は50〜400mg程度とすればよく、より好ましくは100〜200mg程度である。
これらの無機塩は単一で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の化合物等も含めた無機塩は、総量で通常は0.1〜2.5M程度となる濃度で用いればよく、好ましくは0.2〜1.0M程度、より好ましくは0.2〜0.5M程度である。
工程1にて用いる培地に配合する有機炭素源は、特に限定はされないが、例えばトリプトン、イーストエキストラクト、可溶性デンプン、エタノール、n−プロパノール、酢酸、酢酸ナトリウム、プロピオン酸、廃グリセロール、廃蜜糖、木材糖化液、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース等の六炭糖;リブロース、キシルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース等の五炭糖;スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ツラノース、セロビオース等の二糖;エリスリトール、グリセリン、マンニトール、ソルビトール、キシリトール等の糖アルコール等が挙げられる。
本発明に係る製造方法では、塩濃度が比較的高い条件の培地で、ハロモナス属に属する好塩菌を培養するので、他の菌体の混入、増殖の恐れ等がほとんどない。従って、上述の培地に対して滅菌処理等を行っても行わなくともよく、且つ、簡便な設備で培養することも可能である。
<C:培養方法>
工程1における上述のハロモナス属に属する好塩菌の培養は、好気培養を採用する。工程1における好気培養は、当該菌体が増殖し、且つ、該菌体内にPHBが著量蓄積するような条件となる好気培養である限り、特に限定はされない。
具体的には、5ml程度の培地に当該好塩菌を植菌し、通常30〜37℃程度、攪拌速度は120〜180rpm程度で1晩振盪しながら前培養を行う。続いて前培養して得られた菌体を、三角フラスコ、発酵槽、ジャーファーメンター等に入った培地中に100倍程度に希釈し本培養する。
本培養は通常20〜45℃程度で可能であるが、30〜37℃程度で行うことが好ましい。この際の攪拌速度は通常は150〜250rpm程度とすればよい。なお、培養環境は培地が空気に触れる環境とすればよく、培養液表面に積極的に酸素を含む気体を吹き付ける方法や培地中に係る気体を吹き込む方法を採用してもよい。
工程1では、このような培養条件でハロモナス属に属する好塩菌を好気培養すればよい。具体的に好気培養時の培養液中の溶存酸素濃度は、特に限定はされないが、通常は2mg/L以上とすればよく、5mg/L以上が好ましい。
工程1での培養方法は、回分培養、半回分培養、連続培養等の培養方法が挙げられ、特に限定はされないが、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を効率よく製造するには、本発明に係る方法によって用いる好塩菌が他の菌が混入する可能性が極めて低いことを考慮して長期の連続培養も可能である。そして、培養環境も特に限定はされず、非滅菌環境下であっても滅菌環境下であってもよい。
工程2について
本発明に係る製造方法の工程2は、工程1の培養条件を好気培養から微好気培養に変更して、前記菌体を培養し、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生させる工程である。
工程2において、培養条件を微好気条件に変更する際には、工程1にて培養したハロモナス属に属する好塩菌を回収し、これを新たな培地に変更して、且つ微好気条件下で培養してもよく、培地を変更せずにそのまま培養条件を微好気条件に変更しても、工程1にて得られた培養液に新たな培地を追加して、培養してもよい。
工程1の好気培養を終了し、工程2の微好気培養に培養条件を変更する時期は、工程1及び工程2にて得られるハロモナス属に属する好塩菌体内に蓄積されるPHBの量が最大となる時期が好ましい。
ここで、最大となる時期とは必ずしも一点の時期に限定されることは無く、具体的には、工程1によって得られるハロモナス属に属する好塩菌体中のポリヒドロキシ酪酸(PHB)の蓄積量が、培養液1L当たり30g程度以上となる時期、菌体中のPHBの蓄積量が乾燥菌体100重量部当たり70重量部程度以上となる時期等を目安にすることができる。
具体的なハロモナス属に属する好塩菌体中のPHBの蓄積量は、下記の実施例に示す方法を採用して測定する。
<D:培養方法>
工程2における微好気培養とは、培地中又は培養環境を完全に嫌気条件下にするのではなく、積極的に酸素の通気を行わない方法で培養することである。
このような微好気条件での培養方法は、特に限定はされないが、例えば培地表面が空気に触れる状態で、攪拌速度を100rpm以下、望ましくは50rpm以下にて培養する方法が挙げられる。なお、撹拌を完全に止めてしまうと、速やかに消費されている溶存酸素の供給を停止することから、工程3において好ましくない。
微好気培養時の、培養液中の溶存酸素濃度は、特に限定はされないが、通常は2mg/L以下とすればよい。ここで、培養液中に溶存する酸素が全く存在せず、酸素供給も行われない条件とすれば、ハロモナス属に属する好塩菌がすみやかに溶菌するので、工程3において好ましくない。
工程2において、工程1によって得られるPHBを菌体内に著量蓄積したハロモナス属に属する好塩菌を微好気培養することによって、当該好塩菌は死滅すること無く培養することができる。
なお、当該好塩菌の死滅を確認するには、当該菌体の死滅に基づく菌体から培養液に溶出するDNAの有無を判断すればよく、例えば、当該好塩菌の培養液上清を分光光度計で測定することにより、DNAに基づく260nm付近に吸光の顕著なピークが存在しないことによって確認すればよい。
即ち、工程2では上述のような培養液中におけるDNA量となるような条件にてハロモナス属に属する好塩菌を培養すればよく、このような培養液中におけるDNA量となる培養条件を、本発明における微好気条件を満たすことの、ひとつの目安とすることができる。
工程2における培養時間は、培地に用いる無機塩、有機炭素源等の使用条件等により異なるが、後述するような所望の量の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が回収できるのに十分な時間の培養時間とすればよく、特に限定はされないが、上述のように微好気培養に変更した後に、培養液中に放出されるハロモナス属に属する好塩菌の溶菌に伴う核酸、タンパク質等を除去する精製工程を簡便にすること、すなわち、培養液中のDNA濃度や、当該培養液中の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の濃度等に鑑みて、適宜決定すればよい。
なお、工程2にて培養条件を微好気環境とすることによって培養液のpHは通常は8.7程度から7.5程度にまで変化し、更にpHは下がる傾向となる。
「培養液中に3−ヒドロキシ酪酸を生産させる」とは、前途の工程までに培養して得られるハロモナス属に属する好塩菌体内から、その培養液中に3−ヒドロキシ酪酸を分泌させることを意味し、本発明に係る3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法における最終工程(回収工程)の前に設けられる過程である。
工程3について
本発明に係る製造方法の工程3は、工程2で得られる培養液中から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程である。
ここで、回収とは工程2で得られる培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が存在している時に上述の工程3の培養を停止し、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を含む培養液と、上記好塩菌体を分離すればよい。
具体的な分離の手法は、遠心操作、濾過等の公知の固液分離の操作を採用すればよい。また、培養の停止方法も特に限定はされず、例えば、上記工程1〜3によって得られるハロモナス属に属する好塩菌を加熱、酸処理等の方法によって殺菌する方法、遠心操作、濾過等の公知の固液分離手段を用いて培養液と前記好塩菌体を分離する方法等が挙げられる。
培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が含まれたまま培養をし続けて、特に培養条件が好気的になればなるほど、ハロモナス属に属する好塩菌体から
培養液中に分泌された3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が、当該好塩菌体内に再度取り込まれて利用される傾向となり、培養液中の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が減少し、最終的には培養液からこれらが消失してしまう。
従って、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩が、培養液1L当たり40g以上存在しているときに、上記培養を停止することが好ましい。すなわち本発明の方法によると、上記培養液中に、培養液1L当たり20g程度以上の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生させることができる。
培養液中の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の存在を確認する方法は、菌種、培地成分、培養条件等により変わり得るものであるので、これらの要素を考慮して適宜決定する。例えば、継時的に培養液を採取し、これをキャピラリー電気泳動等の分析方法を供して、培養を停止する時間を決定することもできる。
また、3−ヒドロキシ酪酸は酸性を示す化合物であることから、培養液のpHを継時的にモニタリングしながら、培養の際の培地のpHの低下を基準にして、3−ヒドロキシ酪酸の存在を確認してもよい。
なお、回収される3−ヒドロキシ酪酸の塩は、培養液中に含まれる無機塩に基づくナトリウム、カルシウム等のアルカリ金属;アルカリ土類金属陽イオン等と反応したアルカリ金属塩として回収される。従って、3−ヒドロキシ酪酸を製造するには、回収した培養液を塩析等の常法に供すればよい。
また、回収した培養液を適切なカラムを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製工程に供してもよい。これら以外の他の方法として、回収した培養液のpHを適宜変更して、所望の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩のいずれかを精製工程に供してもよい。また、回収した培養液に低級アルコール類を添加し、エステル化反応を経て、3−ヒドロキシ酪酸エステルとして蒸留等で精製することも可能である。
〔第二の態様〕
本発明に係る3−ヒロドキシ酪酸又はその塩の製造方法には、上記の第1の態様に対して、培養液中に窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加する工程を含む第二の態様も包含する。
このような態様として、例えば、以下の工程(A)〜(D)を含む製造方法が挙げられる。
(A)ハロモナス属に属する好塩菌を、有機炭素源及び無機塩を含有する培地中で好気培養する工程A、
(B)工程Aの培養液中に窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加する工程B、
(C)工程Bの後、培養条件を好気培養から微好気培養に変更して、前記菌体を培養し、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生させる工程C、及び
(D)工程Cで得られる培養液中から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程D。
工程Aは上記の第1の態様における工程1と同様とすることができ、工程Cは上記の第1の態様における工程2と同様とすることができ、そして工程Dは上記第1の態様における工程3と同様とすることができる。
培養液中に、窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加する工程(工程B)について、窒素源のみを添加してもよいし、更に金属塩及び/又はホウ酸塩を添加してもよい。窒素源並びに金属塩及び/又はホウ酸塩の添加時期は、同一であっても異なっていてもよく、特に限定はされないが、異なる場合は窒素源の添加の後に金属塩及び/又はホウ酸塩を添加することが好ましい。
なお、金属塩及びホウ酸塩を添加する際の添加時期は、同一であっても、異なっていてもよく、特に限定はされない。
窒素源は、上記工程1において詳述した通りとすればよい。
金属塩は、特に限定はされないが、例えば亜鉛塩、モリブデン塩、マンガン塩、銅塩、コバルト塩等が挙げられる。これらの金属塩は適宜組み合わせて添加すればよく、特に限定はされないが、少なくともモリブデン塩を含む組み合わせとすることが好ましい。
具体的にはモリブデン塩、亜鉛塩、マンガン塩、銅塩、及びコバルト塩を含む金属塩;モリブデン塩、銅塩を含む金属塩;モリブデン塩、亜鉛塩を含む金属塩;モリブデン塩、マンガン塩を含む金属塩;モリブデン塩、コバルト塩を含む金属塩等の組み合わせが挙げられる。
ホウ酸塩は、特に限定はされないが例えばホウ酸(HBO)、メタホウ酸(HBO、過ホウ酸(HBO)、次ホウ酸(H)、ボロン酸(HBO)、ボリン酸(HBO)等が挙げられる。
工程3における、窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加する時期は、特に限定はされないが、例えば培養液のOD600の値が50以上となる時期にすればよい。OD600の測定方法は、市販の分光光度計を用いて測定する。
窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加する時期は、特に限定はされないが、工程1によって得られるハロモナス属に属する好塩菌体中のPHBの蓄積量が乾燥菌体100重量部当たり70重量部以上となる時期、培養液1L当たり25g以上となる時期等が挙げられる。
具体的なハロモナス属に属する好塩菌体中のPHBの蓄積量は、下記の実施例に示す方法を採用して測定する。
窒素源の添加量は、特に限定はされないが、通常は100重量部の培地に対して、硝酸ナトリウムとして0.1〜0.5重量部程度とすればよい。
金属塩の添加量は、特に限定はされないが、通常は100重量部の培地に対して0.02〜0.250重量部程度とすればよい。
ホウ酸塩の添加量は、特に限定はされないが、通常は100重量部の培地に対して0.143〜0.286重量部程度とすればよい。
なお、上記金属塩及びホウ酸塩の添加量の合計は、100重量部の培地に対して通常は0.02〜0.286重量部程度とすればよい。
窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される、少なくとも1つを添加する回数は、特に限定はされないが、通常は1〜5回程度とすればよい。複数回添加する場合、上述の培養条件下であれば、3〜24時間の間隔を空ければよい。
窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加した後、引き続いて行う工程(例えば、上記工程C)までの所定の時間は、上記工程1に示す培養条件と同様の培養条件にて培養を行えばよい。
〔第三の態様〕
本発明に係る3−ヒロドキシ酪酸又はその塩の製造方法には、上記の第1の態様に対して、培養液のpHを7以上に調整及び/又は維持する工程を含む第三の態様も包含する。
このような態様として、例えば、以下の工程(a)〜(d)を含む製造方法が挙げられる。
(a)ハロモナス属に属する好塩菌を、有機炭素源及び無機塩を含有する培地中で好気培養する工程a、
(b)工程aの後、培養条件を好気培養から微好気培養に変更する工程b、
(c)工程bの後、培養液のpHを7以上に調整及び/又は維持し、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生させる工程c、及び
(d)工程cで得られる培養液中から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程d。
上記aは上記の第1の態様における工程1と同様とすることができ、上記工程bは上記の第1の態様における工程2と同様とすることができ、そして上記工程dは上記の第1の態様における工程3と同様とすることができる。
上記工程2にて説明したように、培養条件を好機培養から微好気培養に変更することによって、培地のpHは下がる傾向となる。この様な培養液のpHは適宜公知のpH測定用装置又はこれが付随したジャーファーメンター等によって確認することができる。
培養液のpH7.0以上に調整及び/又は維持する工程(工程c)について、用語「調整及び維持」とは、上述のようなpHの確認を行いながら、pH調整剤を添加してpHを特定の範囲に保つことを意味する。
工程cにて調整及び維持するpHは好ましくは7.5以上、より好ましくは8.0以上、さらに好ましくは8.5以上である。特にpHが8.5〜9.4程度であればハロモナス属に属する好塩菌体中に蓄積されたPHBのうちの90%程度以上が分解して、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸が著量分泌されることが期待される。
ハロモナス属に属する好塩菌は、通常は中程度の高塩濃度且つアルカリ条件下で培養することが可能であるため、夾雑菌の混入・繁殖(コンタミネーション)が少ない。しかしながら、一部乳酸菌には、中程度の高塩濃度且つpH8.4以下の環境下において増殖可能な菌も存在し、このような菌が本発明の培養系にコンタミネーションすると、ハロモナス属に属する好塩菌が分泌した3ーヒドロキシ酪酸又はその塩を乳酸発酵の基質として消費してしまい、更には培養液のpHの一段の低下を生じさせる恐れがある。
このため、培地を滅菌せず及び/又は非滅菌環境下でハロモナス属に属する好塩菌を培養して、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を製造するためには、工程cにおける培地のpHの調整及び維持をpH8.5程度以上とすることが好ましい。
pH調整剤としては、特に限定はされないが、例えば水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等が挙げられる。より具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム等が挙げられ、中でも弱アルカリ性を示すものが好ましく、炭酸水素ナトリウムが最も好ましい。
なお、第三の態様の発明であっても、培地に含有させる窒素源として尿素を用いることが好ましい。
〔第四の態様〕
なお、本発明に係る3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法には、上述の第二の態様に対しても、培養液のpHを7以上に調整及び/又は維持する工程が含まれていてもよく、例えば、以下の工程(A)〜(E)を含む製造方法が挙げられる(本明細書においてこれを第四の態様とする。)。
(A)ハロモナス属に属する好塩菌を、有機炭素源及び無機塩を含有する培地中で好気培養する工程A、
(B)工程Aの培養液中に窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加する工程B、
(C)工程Bの後、培養条件を好気培養から微好気培養に変更して、前記菌体を培養する工程C、
(D)培養液のpHを7以上に調整及び/又は維持し、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生させる工程D及び
(E)工程Dで得られる培養液中から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程E。
第四の態様における工程Dは上記第三の態様における工程における工程cと同様とすることができ、工程Eは上記第三の態様における工程dと同様とすることができる。
なお、第四の態様の発明であっても、培地に含有させる窒素源として尿素を用いることが好ましい。
また、第四の態様の発明であれば、通常は培地1Lあたり、40g程度以上の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を得ることができる。
〔第五の態様〕
本発明に係る3−ヒロドキシ酪酸の製造方法には、上記の第一の態様に対して、培養液の培養液の容量を減少させる工程を含む第五の態様も包含する。
このような態様として、例えば、以下の工程(I)〜(IV)を含む製造方法が挙げられる。
(I)ハロモナス属に属する好塩菌を、有機炭素源及び無機塩を含有する培地中で好気培養する工程I、
(II)工程Iで得られる培養液の培養液の容量を減少させる工程II、
(III)工程IIの培養条件を好気培養から微好気培養に変更して、前記菌体を培養し、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生させる工程III、及び
(IV)工程2で得られる培養液中から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程IV。
上記Iは上記の第一の態様における工程1と同様とすることができ、上記工程IIIは上記の第一の態様における工程2と同様とすることができ、そして上記工程IVは上記の第一の態様における工程3と同様とすることができる。
培養液の培養液の容量を減少させる工程(工程II)とは、具体的には、上記工程Iの培養物を、培養液(液体画分)と培養されたハロモナス属に属する好塩菌体(固体画分)を分離し、一部の液体画分を除去してから固体画分を再懸濁し、その後培養を再開する手段が挙げられる。
その他の手段としては、固体画分を分離した後に、上記工程Iにて用いる培地を新たに調製した、上記液体画分の容量よりも少ない量の培地を用いて、分離した固体画分を再懸濁し、その後培養を再開すればよい。
培養液と培養されたハロモナス属に属する好塩菌体を分離する手段は、特に限定はされないが、例えば遠心分離、濾過、静置等の固液分離手段を採用すればよい。
なお、第五の態様の発明であっても、培地に含有させる窒素源として尿素を用いることが好ましい。
〔第六の態様〕
なお、上述の第二の態様に対しても、培養液の培養液の容量を減少させる工程を含んでいてもよく、例えば、以下の工程(A)〜(E)を含む製造方法が挙げられる(本明細書においてこれを第六の態様とする。)。
(A)ハロモナス属に属する好塩菌を、有機炭素源及び無機塩を含有する培地中で好気培養する工程A、
(B)工程Aの培養液中に窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加する工程B
(C)工程Bで得られる培養液の培養液の容量を減少させる工程C、
(D)工程Cの後、培養条件を好気培養から微好気培養に変更して、前記菌体を培養し、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生させる工程D、及び
(E)工程Dで得られる培養液中から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程E。
なお、第六の態様における工程Cは上記第五の態様における工程IIIと同様とすることができ、工程Dは上記第二の態様における工程Cと同様とすることができ、そして工程Eは上記第二の態様における工程Dと同様とすることができる。
第六の態様における工程Cにおいて、具体的に培養液の容量を減少する手段として、上記第五の態様における工程IIIで説明したように、固体画分を分離した後に、第六の態様における工程Aにて用いる培地に第六の態様における工程Bにて添加する窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つが含有されるように新たに調製した、液体画分の容量よりも少ない量の培地を用いて、分離した固体画分を再懸濁し、その後培養を再開すればよい。
なお、第六の態様の発明であっても、培地に含有させる窒素源として尿素を用いることが好ましい。
〔第七の態様〕
また、上述の第三の態様に対しても、培養液の培養液の容量を減少させる工程を含んでいてもよく、例えば、以下の工程(a)〜(e)を含む製造方法が挙げられる(本明細書においてこれを第7の態様とする。)。
(a)ハロモナス属に属する好塩菌を、有機炭素源及び無機塩を含有する培地中で好気培養する工程a、
(b)培養液の容量を減少させる工程b
(c)工程bの後、培養条件を好気培養から微好気培養に変更する工程c、
(d)工程cの後、培養液のpHを7以上に調整及び/又は維持し、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生させる工程d
(e)工程dで得られる培養液中から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程e。
なお、第七の工程における工程bは上記の第五の態様における工程IIと同様とすることができ、工程cは上記の第三の態様における工程bと同様とすることができ、工程dは上記の第三の態様における工程cと同様とすることができ、そして工程eは上記の第三の態様における工程dと同様とすることができる。
また、第七の態様の発明であっても、培地に含有させる窒素源として尿素を用いることが好ましい。
〔第八の態様〕
さらに、上述の第四の態様に対しても、培養液の培養液の容量を減少させる工程を含んでいてもよく、例えば、以下の工程(A)〜(F)を含む製造方法が挙げられる(本明細書においてこれを第八の態様とする。)。
(A)ハロモナス属に属する好塩菌を、有機炭素源及び無機塩を含有する培地中で好気培養する工程A、
(B)工程Aの培養液中に窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加する工程B、
(C)培養液の容量を減少させる工程C
(D)工程Cの後、培養条件を好気培養から微好気培養に変更して、前記菌体を培養する工程D、
(E)工程Dの後、培養液のpHを7以上に調整及び/又は維持し、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生させる工程E及び
(F)工程Eで得られる培養液中から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程F。
なお、第八の工程における工程Cは上記の第五の態様における工程IIと同様とすることができ、工程Dは上記の第四の態様における工程Cと同様とすることができ、工程Eは上記の第四の態様における工程Dと同様とすることができ、そして工程Fは上記の第四の態様における工程Eと同様とすることができる。
培養液の容量を減少させる程度は、特に限定はされないが、例えば培養液中における培養されたハロモナス属に属する好塩菌体の濃度が、培養液の容量を減少させる前と比較して2倍程度となるようにすれば、得られる3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の収量がおおよそ100g/Lを超えることが期待される。また、4倍となるようにすれば、収量が250g/Lを超えることが期待される。
なお、第八の態様の発明であっても、培地に含有させる窒素源として尿素を用いることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、本発明が実施例に限定されないことは言うまでも無い。
本実施例では、ハロモナス属に属する好塩菌を用いた3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を製造する方法について具体的に詳述する。
表1に示すSOT改5(Spirulina platensis Medium改5)を基本にした培地を用いた。この培地は、Spirulina platensis Medium(国立環境研究所のHP)であり、NaHCO及びNaCOの量を調整し、窒素源のNaNOを5倍に、リン源のKHPOを4倍に増加させて調整した。上記の培地を調整した後のpHは9.4±0.1であり、オートクレーブ等の滅菌操作は行わずにそのまま用いた。
培養の際には、上述の培地に対して各種有機炭素源を適宜追加して用いた。具体的な有機炭素源として、それぞれ培地中での終濃度が20%もしくは25%となるグルコースを使用した。
Figure 0006281887
<3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の測定>
本実施例における培養液にて生産される3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の測定は、非特許文献3に記載されたポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)分析の手法を応用した以下の方法にて行った。
培養液を遠心分離して上清のみ採取し、50μLを乾燥させた。この上清乾燥物に、3vol%のHSOを含むメタノール0.50mlを加え105℃で1時間加熱し、3−ヒドロキシ酪酸またはその塩をすべて3−ヒドロキシ酪酸メチルに変換した。
その後、室温まで冷却し、次いでクロロホルム0.50ml及び蒸留水0.25mlを加えて激しく攪拌した後、1分間遠心分離工程に供して1μlのクロロホルム層サンプルとして分取した。そして、ガスクロマトグラフ装置を用いて、サンプル中の3−ヒドロキシ酪酸の量を測定した。
一方で、3−ヒドロキシ酪酸の標品を上清乾燥物と同様の処理等を行い、これを基準として培地1L当たりの3−ヒドロキシ酪酸蓄積率(3−ヒドロキシ酪酸(g)/上清液(L))を求めた。また、「F−キット D−3−ヒドロキシ酪酸」(株式会社J.K.インターナショナル)のキットでは、D体のみが検出される。このキットでの測定値と、ガスクロマトグラフ装置での測定値が一致したことから、分泌された3−ヒドロキシ酪酸はほぼD体であることが確認された。
<PHB蓄積率測定>
本実施例における菌体内に蓄積されたPHBの蓄積量の測定は、非特許文献1に記載の手法を適宜採用した以下に示す方法で行った。
上記培養した培養液を遠心分離して菌体のみ採取し、蒸留水で数回洗浄したのち乾燥させた。この乾燥菌体1〜3mgに、3vol%のHSOを含むメタノール0.50mlを加え105℃で3時間加熱した。その後、室温まで冷却した後、0.50mlのクロロホルム及び0.25mlの蒸留水を加えて激しく攪拌した。
その後、1分間遠心分離工程に供して1μlのクロロホルム層サンプルとして分取した。そして、ガスクロマトグラフ装置を用いて、サンプル中のPHBの量を測定した。
一方で、PHBの標品を乾燥菌体と同様の処理等を行い、これを基準として乾燥菌体当たりのPHB蓄積率(PHB(g)/乾燥菌体重量(g))を求めた。
<ハロモナス属に属する好塩菌のプレ培養>
ハロモナス属に属する好塩菌(ハロモナス・エスピーKM−1株を、プレート培養より、16.5mm径の試験管に5mlの上記SOT5改培地に炭素源として上述のグルコースではなく、1w/v%グルコースを加えて、37℃で1晩振盪培養した。
<ハロモナス属に属する好塩菌の培養、サンプルの回収等>
製造例1
プレ培養した各種ハロモナス属に属する好塩菌体0.2mlを、100ml容の三角フラスコに入れた上記SOT改5培地20mlに混合して植菌し、シリコセンをした。これを、33℃で撹拌速度を200rpmとなる条件にて振盪培養し、24時間後から、およそ12時間おきに培養液を0.5mlずつ回収して、上清中の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の量を測定した。
有機炭素源は20重量%のグルコースとなるように培地に添加した。
培養当初は、撹拌速度を200rpmと好気的な条件で培養し、60時間目に撹拌速度を50rpmと、微好気条件に変更した。培養液は、サンプリング後、再度シリコセンをし、33℃で振盪培養を継続し、回分培養した。
さらに、窒素源として、培養当初に12.5g/Lの硝酸ナトリウムを添加し、培養開始から24時間目に2.5g/Lを加えたもの、24時間目、36時間目それぞれに、2.5g/L、24時間目、36時間目、48時間目それぞれに、2.5g/Lの硝酸ナトリウム加えたもの、加えなかったものを比較した。結果を図1〜4に示す。
図1に示す結果から、硝酸ナトリウムの添加を行わず、単に60時間目に好気条件から微好気条件に移動した場合には、3−ヒドロキシ酪酸の分泌が見られなかった。
一方で、24時間目に硝酸ナトリウムを加えた場合、72時間目に培養上清中に3−ヒドロキシ酪酸の分泌が見られた。そして、24時間目及び36時間目に窒素源を添加した場合、並びに24時間目、36時間目、及び48時間目において硝酸ナトリウムの添加を行った場合は更に多くの3−ヒドロキシ酪酸の分泌が見られた。
以上の結果から、単に培養条件を好気培養から微好気培養に条件を変更するだけでは培養上清中に十分な3−ヒドロキシ酪酸を産生させることはできず、好気培養中の適当な時期に硝酸ナトリウム等の適当な窒素源を添加する必要があることが明らかとなった。
製造例2
上述の製造例1におけるグルコースの量として、培養開始時に培養開始時に20%重量分を培地に添加し、更に培養開始から24時間目に更に5重量%分を追加した。
また、窒素源である硝酸ナトリウムの添加(添加量:2.5g/L)を培養開始から24時間後、36時間後、及び48時間目とした。
さらに、36時間目に、金属塩としてA5+Co溶液を、上記表1に示す量の1/100量を加えた場合と、これを加えなかった場合とで比較した。他の条件は、上述の製造例1と同様である。結果を図5〜8に示す。
図5に示す結果から、グルコースの総量を25重量%とした場合であっても、これを20重量%とした製造例1と同様に、培養開始から72時間目に培養上清中に著量の3−ヒドロキシ酪酸の分泌が見られた。
さらに、36時間目に金属塩を添加した場合は、これを添加しなかった場合よりも多くの3−ヒドロキシ酪酸を培養上清中に分泌産生させることができることが明らかとなった。
製造例3
プレ培養した各種ハロモナス属に属する好塩菌体0.5mlを、200ml容の三角フラスコに入れた上記SOT改5培地20ml(20%グルコースを含む)に混合して植菌し、シリコセンをした。これを、33℃で撹拌速度を200rpmとなる好気的な培養条件で36時間振盪培養し、これを種菌とした。
1Lスケールのファーメンターに対して、500mLのSOT改5培地(20%グルコースを含む)を仕込み、33℃、DO30%となるように調整し、先ほどの種菌5mL(1%相当)を植菌して、培養を開始した。その後、24時間目にDOを10%に減じた。さらに、窒素源として、培養当初には、12.5g/Lの硝酸ナトリウムが含まれるがこれに加えて、培養開始から24時間目、36時間目、及び48時間目のそれぞれに、2.5g/Lの硝酸ナトリウム加えた。
加えて、60時間目に、空気の供給を停止し、攪拌のみでDO0.5%以下に調整した。その後、3−ヒドロキシ酪酸の分泌生産に伴って、pHが低下してくるが、水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムでpH8.5に調整したもの、調整しなかったものについて比較した。結果を図9〜12に示す。
これらの結果から、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムそれぞれでpHを8.5に調整した場合は、調整しない場合に比べて、PHBの分解が早く、また著しい(12時間程度で80%程度分解する)。それに伴って、3−ヒドロキシ酪酸の分泌が行われ、微好気条件での培地のpH調整が、PHBの分解、3−ヒドロキシ酪酸を培養上清中に分泌産生に顕著に関与することが明らかになった。
製造例4
プレ培養した各種ハロモナス属に属する好塩菌体0.5mlを、200ml容の三角フラスコに入れた上記SOT改5培地20ml(20%グルコースを含む)に混合して植菌し、シリコセンをした。これを、33℃で撹拌速度を200rpmとなる好気的な培養条件で36時間振盪培養し、これを種菌とした。
1Lスケールのファーメンターに対して、500mLのSOT改5培地(20%グルコースを含む)を仕込み、33℃、DO30%となるように調整し、先ほどの種菌5mL(1%相当)を植菌して、培養を開始した。その後、24時間目にDOを10%に減じた。さらに、窒素源として、培養当初には、12.5g/Lの硝酸ナトリウムが含まれるがこれに加えて、培養開始から24時間目、36時間目、及び48時間目のそれぞれに、2.5g/Lの硝酸ナトリウム加えた。
加えて、60時間目に、遠心分離により、菌体と培地上清を分離し、培地成分中のハロモナス属に属する好塩菌体の濃度を、遠心分離前と比較してそれぞれ2倍、4倍、及び等倍となるよう、培地上清を除いた後、再度菌体を懸濁した。次いで、再度ファーメンターに設置し、空気の供給を停止し、攪拌のみでDO0.5%以下に調整した。その後、3−ヒドロキシ酪酸の分泌生産に伴って、pHが低下してくるが、炭酸ナトリウムでpH8.5に調整し比較した。結果を図13〜14に示す。
これらの結果から、通常は生成物の濃度が上昇すると、生成物阻害により生成反応が抑制されるが、本実施例の場合には、1/1濃縮、1/2濃縮、1/4濃縮それぞれで、3−ヒドロキシ酪酸の濃度が、それぞれ、45g/L、130g/L、250g/Lに達した。菌体を高濃度に濃縮しても、PHBの分解、3−ヒドロキシ酪酸を培養上清中に分泌産生が行われることが明らかになった。
製造例5
プレ培養した各種ハロモナス属に属する好塩菌体0.2mlを、200ml容の三角フラスコに入れた上記SOT改5培地(窒素源を除く)20mlに混合して植菌し、シリコセンをした。これに、窒素源として、硝酸ナトリウムを12.5g/L、15.0g/L、または尿素8.75g/L、10.5g/Lをそれぞれ添加し、33℃で撹拌速度を200rpmとなる条件にて振盪培養し、24時間後から、およそ12時間おきに培養液を0.5mlずつ回収して、上清中の3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の量を測定した。
有機炭素源は12重量%のグルコースとなるように培地に添加した。
培養当初は、撹拌速度を200rpmと好気的な条件で培養し、48時間目に撹拌速度を50rpmと、微好気条件に変更した。培養液は、サンプリング後、再度シリコセンをし、33℃で振盪培養を継続し、回分培養した。それぞれの結果を図15、16に示す。
図15、16に示す結果から、硝酸ナトリウムの場合、塩濃度の関係から、15g/L以上の添加は難しい。また、尿素の場合は、窒素等量は2倍になるため、硝酸ナトリウムより、低濃度で生育が可能であり、また48時間目以降に、微好気条件に移行した場合、PHBの分解、3−ヒドロキシ酪酸の分泌が速やかに行われ、尿素を窒素源として利用することが有効であることが明らかになった。

Claims (10)

  1. 下記の工程(1)〜(3)を含む、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の製造方法であって、後記する工程2の前に、培養液の容量を減少させる工程を含む、製造方法:
    (1)ハロモナス属に属する好塩菌を、有機炭素源及び無機塩を含有する培地中で好気培養する工程1、
    (2)工程1の培養条件を好気培養から微好気培養に変更して、前記菌体を培養し、培養液中に3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を産生させる工程2、及び
    (3)工程2で得られる培養液中から、3−ヒドロキシ酪酸又はその塩を回収する工程3。
  2. 工程2における培養条件を好気培養から微好気培養に変更する時期が、菌体中のPHB蓄積量が乾燥菌体100重量部当たり70重量部以上となる時期である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 工程2の前に、培養液中に窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加する工程を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 窒素源が、硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニウム塩、及び尿素からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項3に記載の製造方法。
  5. 金属塩が、亜鉛塩、モリブデン塩、マンガン塩、銅塩、及びコバルト塩からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 培養液中に窒素源、金属塩、及びホウ酸塩からなる群より選択される少なくとも1つを添加する時期が、菌体中のPHB蓄積量が乾燥菌体100重量部当たり70重量部以上となる時期である、請求項3〜5の何れか1項に記載の製造方法。
  7. 工程2の後に、培養液のpHを7以上に調整及び/又は維持する工程を含む、請求項1〜6の何れか1項に記載の製造方法。
  8. 培養液のpHを7.5以上に調整及び/又は維持する、請求項7に記載の製造方法。
  9. 培養液のpHの調整及び/又は維持を、水酸化物、炭酸塩、及び炭酸水素塩からなる群より選択される少なくとも1種を用いて行う、請求項7又は8に記載の製造方法。
  10. 前記好塩菌が、ハロモナス・エスピー(Halomonas sp.)KM−1株(FERM BP−10995)である、請求項1〜9の何れか1項に記載の製造方法。
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