JP6945469B2 - アセト酢酸の製造方法 - Google Patents
アセト酢酸の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6945469B2 JP6945469B2 JP2018027961A JP2018027961A JP6945469B2 JP 6945469 B2 JP6945469 B2 JP 6945469B2 JP 2018027961 A JP2018027961 A JP 2018027961A JP 2018027961 A JP2018027961 A JP 2018027961A JP 6945469 B2 JP6945469 B2 JP 6945469B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- culture
- acetoacetic acid
- medium
- salt
- halomonas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
ハロモナス属に属する好塩菌を、無機塩と単一若しくは複数の有機炭素源とを含む培地で好気培養する好気培養工程、
好気培養工程の培養条件を好気培養から微好気培養に変更して前記菌体をpH6.5〜8.0の中性領域で培養し、培養液にてアセト酢酸又はその塩を産生する微好気培養工程、
微好気培養工程で得られる培養液から、アセト酢酸又はその塩を回収する回収工程
を順に行う点にある。
ハロモナス属に属する好塩菌を培養して、アセト酢酸又はその塩を生産する場合に、ハロモナス属に属する好塩菌用の培地に含有させる有機炭素源として、単糖や二糖類を用いる。
(1)ハロモナス属に属する好塩菌を、無機塩と単一若しくは複数の有機炭素源とを含む培地で好気培養する好気培養工程、
(2)好気培養工程の培養条件を好気培養から微好気培養に変更して前記菌体をpH6.5〜8.0の中性領域で培養し、培養液にてアセト酢酸又はその塩を産生する微好気培養工程、
(3)微好気培養工程で得られる培養液から、アセト酢酸又はその塩を回収する回収工程
本発明の実施形態に係るアセト酢酸の製造方法における好気培養工程は、ハロモナス属に属する好塩菌を、有機炭素源及び無機塩を含有する培地中で好気培養する工程である。
本発明の実施形態に係るアセト酢酸の製造方法の好気培養工程にて用いる好塩菌は、下記の(i)又は(ii)のいずれかによって示されるハロモナス属に属する好塩菌を用いればよい。
(i)無機塩と単一若しくは複数の有機炭素源とを含む培地にて好気的に増殖し、3HB又はその塩を菌体外の培地中に生産させることを特徴とする好塩菌。
(ii)無機塩と単一若しくは複数の有機炭素源とを含む培地にて好気的に増殖し、PHBを自らの菌体内にて蓄積した後、pHを調整することで、3HB又はその塩を菌体外の培地に分泌産生することを特徴とする好塩菌。
好気培養工程にて用いる培地は、無機塩及び有機炭素源を含有する。培地のpHは特に限定されないが、上述した好塩菌の生育条件を満たすpHであることが好ましく、具体的にはpH5〜12程度にすればよい。より好ましくはpH8.8〜12の培地である。アルカリ性の培地を用いれば、他の菌のコンタミネーションをより効果的に防止することができ、また分泌された3HBがクロトン酸へ変化するのを抑制するので好ましい。
好気培養工程における上述のハロモナス属に属する好塩菌の培養は、好気培養を採用する。好気培養工程における好気培養は、当該菌体が増殖し、且つ、該菌体内にPHBが著量蓄積するような条件となる好気培養である限り、特に限定はされない。
本発明の実施形態に係るアセト酢酸の製造方法における微好気培養工程は、前記菌体をpH6.5〜8.0の中性領域で培養し、培養液にて微生物に酸素供給を積極的には行わない条件下でアセト酢酸又はその塩を産生する工程である。微生物に積極的に酸素供給を行わずに培養を継続すると、系内の酸素が消費され無酸素に近い状態となるが、絶対嫌気とまではならない酸素濃度数%の環境が維持されるため、微好気培養に適した環境を維持できる。
回収工程において、「培地中にアセト酢酸を生産させる」とは、好気培養工程〜微好気培養工程にて培養して得られたハロモナス属に属する好塩菌体内から、その培地中に3HBに3HBデヒドロゲナーゼを作用させ、アセト酢酸を分泌させることを意味する。
上記実施例における好気培養工程で得られた培養液のうち、微好気培養工程に供する直前のものを採取し、下記にしたがって、3HBデヒドロゲナーゼ活性試験を行った。
・好気培養工程で得られた培養液のうち、微好気培養工程に供する直前のものを用いた。
・Tris−HCI bufferの作製
Tris 1.011g 100mlに溶解し、HClでpH調整し、pH6.98、7.47、8.04、8.49の0.1M bufferとした。
Na2CO3 10.6gおよび、NaHCO3 8.4gをそれぞれ1Lの水に溶解し、Na2CO3水溶液300mlにNaHCO3水溶液を加えてpH調整し、pH8.86の0.1M bufferとした。
3HB 158mM (200mg D,L−3−Hydroxybutyrate Na (MW=126.09)/10ml H2O)を作成し、基質溶液とした。
NAD 27.9mM (74mg NAD+(MW=663.42g)/4.0ml of H2O)を作成し、補酵素として用いた。
・菌体破砕用緩衝液は、蒸留水にEDTA 終濃度1mM(50倍濃度溶液を作製して1/50量添加)に調整、Tween20 終濃度0.1%に調整した。上記培養液を5ml 採取し、遠心後、3回水洗浄。最終5mlになるように調整した。
超音波破砕機を使用し、氷上で1分間×5回超音波破砕を行い、13500rpmで遠心後、上清を0.2μmで濾過したろ過液を粗酵素液とした。
(A) 0.1M buffer solution 153μL
(B) Substrate solution 30μL
(C) NAD+ solution 30μL
上記反応液を8連ピペットマン使用して、マイクロタイタープレートに添加。粗酵素液を入れるまで、5分間37℃で保温。最後に、粗酵素液を30μL添加して、波長340nmで反応液の組成の変化を測定し、反応時間600秒まで30秒ごとに測定した(採用測定値:30秒〜210秒)。また、反応後に、pHを測定し、微好気培養工程のpHとした。測定は、BLANK、粗酵素の希釈倍率1倍、1/2倍、1/4倍のものでそれぞれ比較した。
酵素活性(U/ml)=ΔOD/min(ΔODtest−ΔODblank)×Vt×df/6.22×0.25×Vs
=ΔOD/min×5.21×df
但し、
Vt :Total volume (0.243ml)
Vs :Sample volume (0.03ml)
6.22 :Millimolar extinction coefficient of NADH at 340nm (F/micromole)
0.25 :Light path length (cm)
df :Dilution factor
である。
Claims (1)
- ハロモナス属に属する好塩菌を、無機塩と単一若しくは複数の有機炭素源とを含む培地で好気培養する好気培養工程、
好気培養工程の培養条件を好気培養から微好気培養に変更して、前記ハロモナス属に属する好塩菌をpH6.5〜8.0の中性領域で培養し、培養液にてアセト酢酸又はその塩を産生する微好気培養工程、
微好気培養工程で得られる培養液から、アセト酢酸又はその塩を回収する回収工程
を順に行うアセト酢酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018027961A JP6945469B2 (ja) | 2018-02-20 | 2018-02-20 | アセト酢酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018027961A JP6945469B2 (ja) | 2018-02-20 | 2018-02-20 | アセト酢酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019140958A JP2019140958A (ja) | 2019-08-29 |
JP6945469B2 true JP6945469B2 (ja) | 2021-10-06 |
Family
ID=67770675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018027961A Active JP6945469B2 (ja) | 2018-02-20 | 2018-02-20 | アセト酢酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6945469B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3602162B2 (ja) * | 1994-08-02 | 2004-12-15 | 旭化成ファーマ株式会社 | 3−ヒドロキシ酪酸脱水素酵素の製造法 |
JP2000224984A (ja) * | 1999-02-04 | 2000-08-15 | Daicel Chem Ind Ltd | 新規な2級アルコール脱水素酵素、この酵素の製造方法、およびアルコール、アルデヒド、ケトンの製造方法 |
JP4811772B2 (ja) * | 2010-05-11 | 2011-11-09 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | ポリd−ヒドロキシ酪酸の生分解方法 |
JP5892507B2 (ja) * | 2011-10-07 | 2016-03-23 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 3−ヒドロキシ酪酸又はその塩の産生方法。 |
JP6710098B2 (ja) * | 2016-05-10 | 2020-06-17 | 大阪瓦斯株式会社 | 栄養剤組成物及び栄養補助食品 |
-
2018
- 2018-02-20 JP JP2018027961A patent/JP6945469B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019140958A (ja) | 2019-08-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6281887B2 (ja) | ハロモナス菌を用いた3−ヒドロキシ酪酸の製造方法 | |
ES2258290T7 (es) | Proceso para la producción de vainillina | |
WO2013051499A1 (ja) | 3-ヒドロキシ酪酸又はその塩の産生方法 | |
ES2294456T3 (es) | Preparacion de acido lactico a partir de un sustrato conteniendo pentosa. | |
JP2009148211A (ja) | D−アラビトールの発酵製造方法及びその実施に用いる微生物 | |
JP6384861B2 (ja) | ハロモナス菌を用いた3−ヒドロキシ酪酸の製造方法 | |
JP6945469B2 (ja) | アセト酢酸の製造方法 | |
JP4745753B2 (ja) | コリネ型細菌を用いる還元条件でのアミノ酸の製造方法 | |
JP4365862B2 (ja) | カンジダトロピカリスcj−fid菌株(kctc10457bp)およびそれを利用したキシリトールの生産方法 | |
US7083955B2 (en) | Preparation of lactic acid from a pentose-containing substrate | |
JP2007089466A (ja) | 乳酸の製造方法 | |
JP4742610B2 (ja) | フマル酸の製造方法 | |
JP6872952B2 (ja) | ポリ3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、又は3−ヒドロキシ酪酸塩を製造する製造方法 | |
JP6558767B2 (ja) | ハロモナス菌を用いたピルビン酸の製造方法 | |
JP6418628B2 (ja) | ハロモナス菌を用いたピルビン酸の製造方法 | |
JP5366070B2 (ja) | 酵母菌体の製造方法 | |
CN102586383B (zh) | 胞磷胆碱的制备方法 | |
JP5311613B2 (ja) | ポリオール脱水素酵素の製造方法 | |
JP4537862B2 (ja) | 好気性細菌による高効率な有機酸の製造方法 | |
JP2019150000A (ja) | 3−ヒドロキシ酪酸の製造方法 | |
JP2006320278A (ja) | コリネ型細菌による高効率なジカルボン酸の製造方法 | |
JP6827242B2 (ja) | ハロモナス菌を用いたオキサロ酢酸の製造方法 | |
JP2022144466A (ja) | 新規微生物及び3-ヒドロキシ酪酸の製造方法 | |
JPWO2012137771A1 (ja) | アジピン酸の製造方法 | |
JP2023136904A (ja) | ラセミ体3-ヒドロキシ酪酸の光学分割方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201119 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210813 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210817 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210914 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6945469 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |