JP6726468B2 - 発酵飲料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発酵飲料およびその製造方法に関する。
3ヒドロキシ酪酸やその塩(以下3HBと称する)は、もともと人の体内に存在する物質であるため生体親和性が高く、糖質に代わる画期的なエネルギー源として期待されている。例えば、ココナツオイルに多く含まれる中鎖脂肪酸の摂取および体内での代謝により生成される3HBが、脳や体内において糖質をうまく利用できないアルツハイマー病、糖尿病の患者の症状を改善させる効果を持つことが知られている。また3HBは体内において糖質よりも速やかにエネルギーに変換されること、細胞への脂肪や糖の吸収を抑制する効果を有することからダイエット・健康食品分野への応用が期待できる。
3HBの製造方法として、各種微生物にポリ3ヒドロキシ酪酸(以下PHBと称する)を生産させたのち、得られたPHBを酵素等により分解する方法が知られている(特許文献1)。また、このような微生物としてハロモナス菌が、好気条件でPHBを蓄積し、嫌気条件に移行することでPHBを分解して生成した3HBを培養液中に分泌産生することが見出されている(特許文献2)。
特開2010−168595号公報 特開2013−081403号公報
しかし、これらの方法は、いずれも3HBを単離するのに煩雑な工程を要することから、工業的には、いまだ改善の余地があった。
そこで、微生物により生産される3HBを、より効率よく人が摂取可能な形態として提供できる技術が求められており、また、人が3HBを摂取した場合に、3HBがそのまま人体に有効に作用するとは限らず、3HBを人体により有効に作用させられる形態で提供することがさらに求められる。
したがって、本発明は上記実状に鑑み、3HBを、人に有効に作用させられる形態で提供できるように生産することを目的とする。
本発明の発酵飲料の製造方法の特徴構成は、3ヒドロキシ酪酸生産性のハロモナス菌を果菜汁に添加して好気発酵させる好気発酵工程と、前記好気発酵工程で得られた発酵液を嫌気発酵させる嫌気発酵工程とを順に行い、
前記好気発酵工程は、前記果菜汁に含まれる糖質のほぼ全量が資化されるまで実行され、
前記嫌気発酵工程は、前記好気発酵工程により生成したポリ3ヒドロキシ酪酸のほぼ全量が3ヒドロキシ酪酸に分解されるまで実行され
前記ハロモナス菌が、ハロモナス・エスピー(HaIomonassp.)KM−1株(FERMBP−10995)である点にある。
すなわち、果菜汁に3HB生産性のハロモナス菌を添加し、好気発酵させる好気発酵工程を行った後、さらに嫌気発酵させる嫌気発酵工程を行う。このようにして得られた発酵飲料は、3HB生産性のハロモナス菌により、果菜汁に含まれる糖質が3HBを含む発酵生成物に変換されており、3HBを含有するとともに、たとえば乳酸、酢酸等の発酵生成物を含有するものとなっている。また、このような発酵を経て得られる発酵飲料は、糖質を有機酸に変換してなる以外に種々の有効成分を微量成分として生成している場合があり、このような成分のそれぞれについてその構造、効能、有効量、各成分同士の相互作用等を解析することは通常困難であるし、明らかにすることができないものの、3HBを含有するとともに、たとえば乳酸、酢酸等の発酵生成物を含有する発酵飲料となっていることが明らかであり、3HBによる効能が期待できることも明らかである。また、ハロモナス菌由来の微量成分が発酵成分として含まれているから、3HBをそのまま果菜汁に加え糖質を有機酸に変換した飲料に比べて、複雑な味覚、効能を期待できる付加価値の高い発酵飲料となる。
また、好気発酵工程において生産されたPHBは嫌気発酵工程において3HBに変換され発酵液中に溶出する。そのため、嫌気発酵工程は、3HBの原料となるPHBの存在する範囲で行えば、効率の良い3HB生産に寄与できる。つまり、PHBの生成状況と、3HBの生成状況を知ることにより、発酵液中の糖質を十分に減少させて3HBとして発酵飲料中に含有させることができるようになる。
また、KM−1株は糖質を資化して種々の有機酸を生成することが知られている微生物であり、糖質を好気発酵する際にPHBを体内に蓄積する性質を有することが知られている。さらにKM−1株は体内に蓄積したPHBを嫌気条件下で3HBとして体外に排出することも知られており、発酵条件の管理により容易に3HBを溶液中に取り出すことができるようになる。したがってKM−1株を用いて、好気発酵後、嫌気発酵することにより製造された発酵飲料は、発酵液中により確実性高く3HBを含有するとともに、種々の発酵生成物を含有するものとなっている。
なお、本発明において嫌気発酵という場合、酸素供給を断った状態で発酵を行うことを指すものとし、ハロモナス菌として通性嫌気性菌を採用するような場合、わずかに酸素の残存するいわゆる微好気状態での発酵も含めて嫌気発酵と称するものであり、微生物学的にいう絶対嫌気状態のみを指すものではない。
また、果菜汁としては、オレンジ、ブドウ、リンゴ、バナナ、マンゴー、グレープフルーツ、サトウキビなどの果実、野菜、穀物(これらを総称して果菜と称するものとする)を原料とすることができるが、その他の果菜由来の果菜汁も用いることができ、上記例示のものに限られるものではない。
また、前記果菜汁が、オレンジ、ブドウ、リンゴ、バナナ、マンゴー、グレープフルーツより選ばれる果実およびサトウキビからなる群から選ばれる少なくとも一種の果菜の搾汁であってもよい。
すなわち、発酵飲料の原料として、オレンジ、ブドウ、リンゴ、バナナ、マンゴー、グレープフルーツ、サトウキビのジュースを用いることができ、それぞれの果菜汁風味の発酵飲料とすることができることが確認されている。
また、前記好気発酵工程は、20℃〜40℃、pH7〜10の条件下で実行されるとともに、前記嫌気発酵工程はpH7〜10の条件下で実行されてもよい。
3HB生産性のハロモナス菌は、20℃〜40℃、pH7〜10条件下で好気発酵することにより、PHBを体内に効率よく蓄積し、pH7〜10の条件下で嫌気発酵を行うことにより体内に蓄積したPHBが3HBに分解される。そのため、このような条件を選択することにより効率よく3HBを生産することができる。
前記嫌気発酵工程により得られた発酵液から前記ハロモナス菌を分離除去する分離除去工程を備えていてもよい。
すなわち、嫌気発酵工程ののち、不要となるハロモナス菌は分離除去されるから、発酵飲料のハロモナス菌による過発酵を防ぎ、発酵飲料としての品質の安定化を図ることができる。
また本発明の発酵飲料の特徴構成は、上記発酵飲料の製造方法により製造された発酵飲料である点にある。
すなわち、果菜汁に3HB生産性のハロモナス菌を添加し、好気発酵させる好気発酵工程を行った後、さらに嫌気発酵させる嫌気発酵工程を行う。このようにして得られた発酵飲料は、3HB生産性のハロモナス菌により、果菜汁に含まれる糖質が3HBを含む有機酸に変換されており、3HBを含有するとともに、種々の発酵生成物を含有するものとなっている。また、このような発酵を経て得られる発酵飲料は、糖質を有機酸に変換してなる以外に種々の有効成分を微量成分として生成している場合があり、このような成分のそれぞれについてその構造、効能、有効量、各成分同士の相互作用等を解析することは通常困難であるし、明らかにすることができないものの、3HBを含有するとともに、たとえば乳酸、酢酸等の発酵生成物を含有する発酵飲料となっていることが明らかであり、3HBによる効能が期待できることも明らかである。また、ハロモナス菌由来の微量成分が発酵成分として含まれているから、3HBをそのまま果菜汁に加え、糖質を有機酸に変換した飲料に比べて、複雑な味覚、効能を期待できる付加価値の高い発酵飲料となる。
また本発明の発酵飲料の特徴構成は、3ヒドロキシ酪酸および果菜汁を含有するとともに、前記果菜汁に含有される糖質を3ヒドロキシ酪酸生産性のハロモナス菌により発酵した場合に生成する発酵生成物を含有し、
糖質及びポリ3ヒドロキシ酪酸を含有しない点にある。
すなわち、この発酵飲料は、3ヒドロキシ酪酸および果菜汁を含有するとともに、前記果菜汁に含有される糖質を3ヒドロキシ酪酸生産性のハロモナス菌により発酵した場合に生成する発酵生成物を含有する。この発酵生成物としては、たとえば、果菜汁に含有される糖質が3ヒドロキシ酪酸生産性のハロモナス菌により発酵生成された有機酸、すなわち、果菜汁に含有される糖質由来の有機酸が挙げられる。したがって、これら発酵生成物、3ヒドロキシ酪酸及び果菜汁を含有する発酵飲料は、ハロモナス菌由来の微量成分により、3HBをそのまま果菜汁に加え糖質を有機酸に変換した飲料に比べて、複雑な味覚、効能を期待できる付加価値の高い発酵飲料となる。
また、糖質を含有したほうが風味、栄養の観点で望ましい場合は、好気発酵を早めに終了することで果菜汁由来の糖質を残すこともできるし、嫌気発酵終了後に改めて任意の糖質を添加してもよいが、3HBが、脳や体内において糖質をうまく利用できないアルツハイマー病、糖尿病の患者の症状を改善させる効果を持つことが知られており、この症状の改善効果は糖質が共存しない環境でより効果的に発揮されるため、特に、たとえば糖尿病患者に対しては、グルコースを含有しない飲料を与えた方がよい。
前記果菜汁がオレンジ、ブドウ、リンゴ、バナナ、マンゴー、グレープフルーツより選ばれる果実の搾汁である場合、前記発酵生成物として酢酸及び乳酸の少なくとも一方を含有していてもよい。
先の発酵飲料の製造方法において各発酵工程において副生された発酵生成物としては酢酸、乳酸、ピルビン酸等の有機酸が知られている。そのため、3ヒドロキシ酪酸および果菜汁と相性の良い成分として、当該発酵生成物としての酢酸や乳酸を発酵飲料の味覚の調整などに用いることができる。
したがって、3HBを、人に有効に作用させられる可能性のある発酵飲料の形態で提供できるようになった。
発酵飲料の製造フロー図 実施例1の発酵経過と成分組成の関係を示すグラフ 実施例2の発酵経過と成分組成の関係を示すグラフ
以下に、本発明の実施形態にかかる発酵飲料およびその製造方法を説明する。尚、以下に好適な実施形態を記すが、これら実施形態はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
〔発酵飲料の製造方法〕
本発明の実施形態にかかる発酵飲料の製造方法は、果菜汁に3HB生産性のハロモナス菌を添加して発酵プロセスを行い、得られた発酵液からハロモナス菌を分離除去するものである。
より具体的には、たとえば、オレンジ、ブドウ、リンゴ、バナナ、マンゴー、グレープフルーツ、サトウキビからなる群から選ばれる少なくとも一種の果実の搾汁に、3HB生産性のハロモナス菌を添加し発酵プロセスを行う。なお、必要に応じて、発酵補助剤(無機塩類、リン、窒素源など)を添加する。果菜汁に含有される糖質だけでは不足する場合は、発酵原料に糖質を添加してもよい。
ハロモナス菌としては、ハロモナス・エスピー(Halomonassp.)KM−1株(FERMBP−10995)等、3HB生産性の微生物が有効に用いられるが、これに限らず3HBを生産可能なものを用いることができる。なお、上記KM−1株を用いると、3HBを菌体外部に単量体として生産させることが容易なので分離抽出等の工程を経ることなく発酵飲料を得られる利点があり好適である。
発酵プロセスは、発酵容器内で、まず撹拌通気しつつ好気発酵工程を行う。これにより、ハロモナス菌により果菜汁に含まれる糖質を資化させ、PHBを生産させることができ、ハロモナス菌体内にPHBを蓄積するとともに、発酵生成物としてたとえば乳酸、酢酸等の有機酸や種々の微量成分を発酵液中に放出する。次に、果菜汁に含まれる糖類がほぼ完全に消費されたころに、発酵容器内への通気を停止して嫌気発酵工程を行う。これにより、ハロモナス菌は体内に蓄積したPHBを分解消費して発酵液中に3HBを放出する。その結果、果菜汁から糖質を除去して3HBおよび発酵生成物を含有させた発酵液が得られる。この発酵液は、果菜汁由来の糖質を各種の有機酸に変換した、人の飲用に好適な組成となっており、含有する3HBを好適に摂取可能な発酵飲料となっている。
なお、発酵液の発酵の程度は必要に応じて変更することができ、糖質を残してもよいし、別途3HBや任意の糖質を追加添加することもできる。また、好気発酵、嫌気発酵の程度は、経験的に得られた発酵時間で適切な切替時期を管理することもできるし、発酵液の組成または3HB生成にともなうpH変化をモニタリングして糖質の消費量や有機酸の生成量に基づいて切り替えることもできる。
得られた発酵液中には、ハロモナス菌が生育しているので、これを分離除去するほうが望ましい場合は分離除去工程を行うことで、ハロモナス菌を含まない発酵飲料を得ることができる。発酵液からハロモナス菌を分離除去するには、遠心分離もしくは膜分離を行うことが好適である。このような膜分離を行うには、精密ろ過膜(MF膜)を用いた連続ろ過方式を採用することができる。
こうして得られた発酵液は、pHがアルカリ性のため3HBは塩の状態で存在する。3HBを酸の状態としたほうが風味等の観点で望ましい場合は、塩酸等でpHを3〜4程度として飲料に供することもできる。pHを酸性にした場合に混濁夾雑物が発生した場合は、上記遠心分離、膜分離等の方法で除去してもよい。また、ハロモナス菌を除去する前にpHを3〜4程度とし、混濁夾雑物とハロモナス菌を同時に遠心分離、膜分離等の方法で除去してもよい。
また、発酵液には培地およびpH制御に由来する塩がたとえば0.1〜1.0M程度の範囲で含まれる。これを除去したほうが好ましい場合は、電気透析などの脱塩装置で除去することができる。
〔KM−1株〕
本発明に係る発酵飲料の製造方法で用いるハロモナス菌は、
(i)無機塩と単一若しくは複数の有機炭素源を含む培地にて好気的に増殖し、3HB又はその塩を菌体外の培地中に生産させることを特徴とするハロモナス菌
もしくは
(ii)無機塩と単一若しくは複数の有機炭素源を含む培地にて好気的に増殖し、PHBを自らの菌体内にて蓄積した後、嫌気条件下で3HB又はその塩を菌体外の培養液に分泌産生することを特徴とするハロモナス菌
に該当する。
このようなハロモナス菌は、酸化的代謝も嫌気的代謝も使い分けることができ、遊離酸素の存在の有無にかかわらず生存が可能で、且つ、遊離酸素の存在下のほうが生育し易い傾向となる、所謂、通性嫌気性菌の性質を有する菌体である。
上述のハロモナス菌は、0.1〜1.0Mの塩濃度を適とする好塩性を有し、時には塩を含まない培地においても生育する細菌である。そして、上述のハロモナス菌は、通常はpH5〜12程度の培地にて生育する。
上述の(ii)のハロモナス菌として、例えば、ハロモナス・エスピー(HaIomonassp.)KM−1株が挙げられる。ハロモナス・エスピーKM−1株は、平成19年7月10日付で、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305−8566茨城県つくば市東1−1−1中央第6)に受託番号FERMP−21316として寄託されている。また、この菌株は、現在国際寄託に移管されており、その受託番号はFERMBP−10995である。当該ハロモナス・エスピーKM−1株の16SrRNA遺伝子は、DDBJにAccessionNumberAB477015として登録されている。
ちなみに、上述したようなハロモナス菌の生育特性等に鑑みて、本発明に係る発酵飲料の製造方法において用いるハロモナス菌として、ハロモナス・エスピーKM−1株以外に、ハロモナス・パンテラリエンシス(HaIomonaspanteIIeriensis=ATCC700273)、ハロモナス・カンピサリス(HaIomonascampisaIis=ATCC700597)等も挙げることができる。
KM−1株の育成に用いる培地は、無機塩と及び有機炭素源を含有する。培地のpHは特に限定されないが、上述したハロモナス菌の生育条件を満たすpHであることが好ましく、具体的にはpH5〜12程度にすればよい。より好ましくはpH7〜9の培地である。アルカリ性の培地を用いれば、他の菌のコンタミネーションをより効果的に防止することができ、また分泌された3HBがクロトン酸へ変化するのを抑制するので好ましい。
また、培養温度は、10℃〜50℃さらに好ましくは、20℃〜40℃とすることが好ましく、この温度域ではKM−1株を活性の高い状態を維持して育成することができる。
培地に配合する無機塩は、特に限定されることは無く、例えばリン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、鉄、亜鉛、銅、コバルト等の金属塩が挙げられる。
例えば、ナトリウムを無機塩として用いる場合は、NaCl、NaNO3、NaHCO3、Na2CO3等を用いればよい。これらの無機塩は、上述のハロモナス菌にとって窒素源やリン源となるような化合物を用いることが好ましい。
窒素源は、硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニウム塩、尿素等を用いればよく、特に限定はされないが、例えばNaNO3、NaNO2、NH4Cl、尿素等の化合物を用いればよい。これらの中でも尿素が特に好ましい。
窒素源の使用量は、菌体の生育に影響を及ぼすことなく、本発明の3HB又はその塩の生産目的が達成される範囲において適宜設定すればよく、具体的には、培養初期の培地100mL当たり通常であれば硝酸塩として500mg程度以上とすればよく、より好ましくは1000mg程度以上、更に好ましくは1250mg程度以上である。
なお、窒素源として尿素を用いる場合には、培養初期の培地100mL当たり、200mg以上とすればよいが、より好ましくは400〜700mg程度とすることにより、3HB又はその塩をより高効率に産生させることも可能である。
リン源は、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩等を用いればよく、特に限定はされないが、例えばK2HPO4、KH2PO4等の化合物を用いればよい。
リン源の使用量も、上記の窒素源の使用量と同様の観点から適宜設定すればよく、具体的には、リン酸二水素塩として培地100mL当たり通常は50〜400mg程度とすればよく、より好ましくは100〜200mg程度である。
これらの無機塩は単一で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の化合物等も含めた無機塩は、総量で通常は0.1〜2.5M程度となる濃度で用いればよく、好ましくは0.2〜1.0M程度、より好ましくは0.2〜0.5M程度である。
培地の有機炭素源は、オレンジ、ブドウ、リンゴ、バナナ、マンゴー、グレープフルーツ、サトウキビのジュースに含まれる糖質等を用いることができる。
〔実施例1〕オレンジ果汁を用いた発酵飲料製造試験
グルコース濃度約20g/Lの濃縮還元オレンジジュース1500mLに対して、無機塩類及び窒素源としての尿素を加えて仕込原料液とした。
無機塩類
炭酸水素ナトリウム :3.78g
炭酸ナトリウム :1.59g
リン酸水素2カリウム:3.0 g
窒素源
尿素 :9.15g
仕込原料液1500mLに対して、OD=20のKM−1株培養液20mLを添加し、3Lスケールのジャーファーメンター1に収容した。ジャーファーメンター1には、撹拌装置2、通気装置3を備えるとともに、発酵液を取り出す取り出し部4と追加の仕込み原料液を供給する供給部5、pH調整剤添加部6等を備える(図1参照)。また、図1の装置においては、取り出し部4より取り出された発酵液は、膜分離装置7を経て菌体を濾過された後、ろ過液を発酵飲料としてタンク8に回収可能に構成されている。
ジャーファーメンター1に収容した仕込原料液を、33℃通気(750mL/分)、撹拌(600rpm上限)条件下で好気発酵を行わせた。最終的に得られる発酵液のpHは20%炭酸ナトリウム水溶液により8.3に維持し、溶存酸素濃度は好気発酵の終了時に50%を維持するように調整し、好気発酵を行った(経過時間0時間から好気発酵終了22.5時間まで)。
次に同じジャーファーメンター1内で続けて嫌気発酵を行った。嫌気発酵は、上記ジャーファーメンター1にて、上記好気発酵条件中、通気を停止し、攪拌を90rpmとして、pHの維持値を9.2としたものである(経過時間22.5時間から嫌気発酵終了26.5時間まで)。
好気発酵、嫌気発酵を通じて発酵液の組成は図2のように推移した。各成分量はHPLCにより求めた。すなわち、好気発酵が進行するにしたがって、オレンジジュース中のグルコースが消費されていることがわかる(経過時間0時間から15時間まで)。この時3HB濃度は増加しておらず、KM−1株はPHBを生産し体内に蓄積している段階であることがわかる。また、この時、糖質の減少に伴い、クエン酸が同時に減少し、逆に、酢酸、乳酸の濃度が上昇することが確認されている。また、ピルビン酸の生成も確認されている。ピルビン酸濃度が高いことが望まれる場合は、ピルビン酸含有量の高いジュースとすることもできる。オレンジ果汁中の糖質が全量有機酸に変換されていると思われる22.5時間経過時点で嫌気発酵に切り替えると、3HBの濃度が上昇し始めていることから、KM−1株は、嫌気培養条件にて、体内に蓄積されたPHBを分解して3HBとして体外に放出していることがわかる。これにより、発酵液はオレンジ果汁に対して3HBを含有するとともに、糖質代謝生成物としての酢酸及び乳酸を含有するものとなっている。なお、PHBは嫌気発酵中新たに生産されるわけではないので、KM−1株がすでに体内に蓄積しているPHBを3HBに分解されるまで嫌気発酵を行えばよい(経過時間22.5時間から26.5時間まで)。すなわち、嫌気発酵が終了した発酵液中にはほぼPHBが存在しない状態となっていることが確認されている。また、嫌気発酵が終了した発酵液中には、グルコースおよびクエン酸が存在しない状態となっていることも確認されている。なお、これらの好気発酵、嫌気発酵の過程で生成するその他の微量成分等の組成変動は不明である(詳細に解明することは実質的に不可能である)が、人体に有益であり、すぐれた味の発酵飲料が得られていることが確認できた。ここで、得られた発酵液中には約0.6%の3HBが含まれており、グルコース及びクエン酸がほとんど含まれていないことが明らかになり、人体に作用する際、3HBが有効量含まれるとともに、優先的に消費される環境が整っていることが明らかになった。そのため、脳や体内において糖質をうまく利用できないアルツハイマー病、糖尿病の患者の症状を改善させる効果や、細胞への脂肪や糖の吸収を抑制してダイエット・健康食品分野への応用が期待できる。
〔実施例2〕サトウキビ搾汁を用いた発酵飲料製造試験
スクロース濃度10%のサトウキビ搾汁1500mLに対して無機塩類及び窒素源としての尿素を加えて仕込原料液とした。
無機塩類
炭酸水素ナトリウム :3.78g
炭酸ナトリウム :1.59g
リン酸水素2カリウム:3.0 g
窒素源
尿素 :7.5g
仕込原料液1500mLに対して、OD=20のKM−1株培養液20mLを添加し、3Lスケールのジャーファーメンター1に収容した(図1参照)。ジャーファーメンター1に収容した仕込原料液を、33℃通気(750mL/分)、撹拌(600rpm上限)条件下で好気発酵を行わせた。最終的に得られる発酵液のpHは20%炭酸ナトリウム水溶液により8.3に維持し、溶存酸素濃度は好気発酵の終了時に50%を維持するように調整し、好気発酵を行った(経過時間0時間から好気発酵終了27時間まで)。
次に同じジャーファーメンター1内で続けて嫌気発酵を行った。嫌気発酵は、上記ジャーファーメンター1にて、上記好気発酵条件中、通気を停止し、攪拌を90rpmとして、pHの維持値を9.2としたものである(経過時間27時間から嫌気発酵終了36時間まで)。
好気発酵、嫌気発酵を通じて発酵液の組成は図3のように推移した。各成分量はHPLCにより求めた。すなわち、好気発酵が進むにしたがって、サトウキビ搾汁に含まれるスクロース量は次第に減少する(経過時間0時間から好気発酵終了22.5時間まで)。この時3HB濃度は増加しておらず、KM−1株はPHBを生産し体内に蓄積している段階であることがわかる。糖質が全量有機酸に変換されていると思われる27時間経過時点で嫌気発酵に切り替えると、3HBの濃度が上昇し始めていることから、KM−1株は、嫌気培養条件にて、体内に蓄積されたPHBを分解して3HBとして体外に放出していることがわかる。これにより、発酵液はサトウキビ搾汁に対して3HBを含有するとともに、糖質代謝生成物を含有するものとなっている。なお、PHBは嫌気発酵中新たに生産されるわけではないので、KM−1株がすでに体内に蓄積しているPHBを3HBに分解されるまで嫌気発酵を行えばよい(経過時間27時間から36時間まで)。すなわち、嫌気発酵が終了した発酵液中にはほぼPHBが存在しない状態となっていることが確認されている。また、嫌気発酵が終了した発酵液中には、スクロースが存在しない状態となっていることも確認されている。なお、これらの好気発酵、嫌気発酵の過程で生成するその他の微量成分等の組成変動は不明である(詳細に解明することは実質的に不可能である)が、人体に有益であり、すぐれた味の発酵飲料が得られていることが確認できた。ここで、得られた発酵液中には約2.3%の3HBが含まれており、人体に作用する際、3HBが有効量含まれるとともに、優先的に消費される環境が整っていることが明らかになった。そのため、オレンジ果汁由来の発酵飲料と同様に、脳や体内において糖質をうまく利用できないアルツハイマー病、糖尿病の患者の症状を改善させる効果や、細胞への脂肪や糖の吸収を抑制してダイエット・健康食品分野への応用が期待できる。
〔別実施形態〕
先の実施形態ではオレンジ果汁、サトウキビ搾汁由来の発酵飲料を例示したが、ブドウ、リンゴ、バナナ、マンゴー、グレープフルーツ等の果菜汁を用いても同様に3HB含有の発酵飲料を製造できることが確認されており、その他の果菜汁一般に同様の発酵工程を行えることは明らかであるので、発酵原料液の種類は問わないものとする。なお、果菜汁を原料とすれば、人の飲用に好適な味覚を実現できるので好ましい。また、不溶固形成分濃度の低い(透明度の高い)果汁(ブドウ、リンゴ等)であれば、濾過操作等が簡便かつ十分に行いやすい点で好ましい。また、オレンジ、グレープフルーツ等の果汁は、元来の酸味を生かした発酵飲料とすることができ得る点から好ましい。
本発明によれば、3HBを、人に有効に作用させられる形態で提供できるように生産することができ、細胞への脂肪や糖の吸収を抑制する効果を有することからダイエット・健康食品分野への応用が期待できる。
1 :ジャーファーメンター
2 :撹拌装置
3 :通気装置
4 :取り出し部
5 :供給部
6 :pH調整剤添加部
7 :膜分離装置
8 :タンク

Claims (7)

  1. 3ヒドロキシ酪酸生産性のハロモナス菌を果菜汁に添加して好気発酵させる好気発酵工程と、前記好気発酵工程で得られた発酵液を嫌気発酵させる嫌気発酵工程とを順に行い、
    前記好気発酵工程は、前記果菜汁に含まれる糖質のほぼ全量が資化されるまで実行され、
    前記嫌気発酵工程は、前記好気発酵工程により生成したポリ3ヒドロキシ酪酸のほぼ全量が3ヒドロキシ酪酸に分解されるまで実行され
    前記ハロモナス菌が、ハロモナス・エスピー(HaIomonassp.)KM−1株(FERMBP−10995)である発酵飲料の製造方法。
  2. 前記果菜汁が、オレンジ、ブドウ、リンゴ、バナナ、マンゴー、グレープフルーツより選ばれる果実およびサトウキビからなる群から選ばれる少なくとも一種の果菜の搾汁である請求項1に記載の発酵飲料の製造方法。
  3. 前記好気発酵工程は、20℃〜40℃、pH7〜10の条件下で実行されるとともに、前記嫌気発酵工程はpH7〜10の条件下で実行される請求項1又は2に記載の発酵飲料の製造方法。
  4. 前記嫌気発酵工程により得られた発酵液から前記ハロモナス菌を分離除去する分離除去工程を備える請求項1〜のいずれか一項に記載の発酵飲料の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の発酵飲料の製造方法により製造された発酵飲料。
  6. 3ヒドロキシ酪酸および果菜汁を含有するとともに、前記果菜汁に含有される糖質を3ヒドロキシ酪酸生産性のハロモナス菌により発酵した場合に生成する発酵生成物を含有し、
    糖質及びポリ3ヒドロキシ酪酸を含有しない発酵飲料。
  7. 前記果菜汁がオレンジ、ブドウ、リンゴ、バナナ、マンゴー、グレープフルーツより選ばれる果実の搾汁であり、前記発酵生成物として酢酸及び乳酸の少なくとも一方を含有する請求項に記載の発酵飲料。
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