JP2013080013A - 眼鏡レンズ用塗布液塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スプレーノズル2から塗布液を霧状に噴出させて眼鏡レンズ4のレンズ面4aに塗布する塗布液塗布部5を備える。塗布液塗布部5は、スプレーノズル2から噴出する噴霧の中心線L1がレンズ面4aの目標塗布位置8を通る法線L2と略一致するようにレンズ面4aをスプレーノズル2に対向させながら、眼鏡レンズ4をスプレーノズル2に対して移動させるものである。
【選択図】 図5
Description
干渉縞は、たとえば特許文献2に開示されているように、ハードコート膜の厚みを9.1μm以上とすることによって生じ難くなる。
しかしながら、ハードコート膜の膜厚を9.1μm以上とするためには、この膜を形成するためのハードコート液の使用量が著しく増大してしまい、コストアップになってしまう。しかも、ハードコート膜の全体の体積が増加するために、塗布後の硬化(乾燥)時に体積変化等に起因してクラックが発生し易くなるという問題もあった。
したがって、本発明によれば、レンズ面の全域に薄くかつ均等な厚みとなるように塗布液の層を形成することができる。この結果、本発明に係る眼鏡レンズ用塗布液塗布装置によれば、塗布液としてハードコート液を使用することによって、例えば厚みが1〜5μm程度の均一な膜厚を有するハードコート膜を眼鏡レンズに形成することができる。このハードコート膜は、膜厚を薄く形成できるから従来から行われている膜厚にて塗布することができ、しかも、膜厚が均一であるから干渉縞が生じることがないものとなる。
以下、本発明に係る眼鏡用塗布液塗布装置の一実施の形態を図1〜図8によって説明する。
図1に示す眼鏡用塗布液塗布装置1は、スプレーノズル2から噴出した塗布液3を眼鏡用プラスチックレンズ4(以下、単に眼鏡レンズという)のレンズ面4aに塗布する塗布液塗布部5を備えている。前記スプレーノズル2は、塗布液3を霧状に噴出させるものである。
図1に示す眼鏡レンズ4は、凸面からなるレンズ面4aが上方を指向する状態で後述するレンズ支持用多関節ロボット7(図3参照)に支持されている。なお、この眼鏡用塗布液塗布装置1が塗布液3を塗布するレンズ面4aは、凸面に限定されることはなく、凹面でもよい。
第1の機能は、塗布液3をスプレーノズル2に供給し、スプレーノズル2から霧状に噴出させる機能である。塗布液塗布部5は、第1の機能を実現するにあたって、塗布液3を予め定めた噴出圧力に加圧するポンプ(図示せず)と弁(図示せず)とを用いている。この弁は、塗布液3が噴出する状態と噴出が停止する状態とを切り替えるためのものである。
第3の機能は、前記スプレーノズル2がレンズ面4aに沿って移動するように、眼鏡レンズ4をスプレーノズル2に対して移動させる機能である。ここでいう「レンズ面4aに沿って移動する」とは、レンズ面4aとスプレーノズル2との間隔を略一定に保持しながら、眼鏡レンズ4をスプレーノズル2に対して径方向に移動させることを意味する。
図3に示す多関節ロボット7は、眼鏡レンズ4を吸着して回転させる吸着ノズル11が先端部に設けられた6軸ロボットである。この多関節ロボット7は、吸着ノズル11を回動させるための第1、第2の回動部12,13と、前記吸着ノズル11、前記第1の回動部12および前記第2の回動部13を支持する腕部14とを備えている。
第2の回動部13は、前記支持部材15を後述する腕部14(第3アーム16)に対して第2の軸線A2を中心として回動させる構成が採られている。第2の軸線A2は、前記第1の軸線A1と直交する方向(第3アーム16の長手方向)に延びている。
前記第3の回動部18は、基台17の上で第3の軸線A3を中心として回転台22を回動させる構成が採られている。第3の軸線A3は、上下方向に延びている。
第5の回動部20は、前記第1アーム23に対して第5の軸線A5を中心として第2アーム24を回動させる構成が採られている。第5の軸線A5は、前記第4の軸線A4と平行な水平方向(図3の紙面と直交する方向)に延びている。
先ず、図4のフローチャートに示すレンズ支持ステップS1において、眼鏡レンズ4を吸着ノズル11に吸着させ、多関節ロボット7に支持させる。眼鏡レンズ4の支持は、作業者が眼鏡レンズ4を手で把持して吸着ノズル11に吸着させたり、吸着ノズル11を予め決めておいたレンズ保持位置に直接移動させて吸着させることができる。レンズ面4aの形状が特殊な形状である場合は、眼鏡レンズ4を吸着ノズル11に吸着させるときに眼鏡レンズ4を周方向に位置決めする。特殊な形状のレンズ面を有する眼鏡レンズとしては、例えば累進屈折力レンズがある。
その後、レンズ配置ステップS3において、図5に示すように、眼鏡レンズ4をスプレーノズル2に対向させる。レンズ配置ステップS3は、スプレーノズル2から塗布液3が噴出していない状態で行われる。このとき、レンズ面4aの目標塗布位置8を通る法線L2と、スプレーノズル2から噴出する噴霧の中心線L1とが略一致するように眼鏡レンズ4の設置角度を設定する。
また、レンズ配置ステップS3においては、レンズ面4aとスプレーノズル2との間隔も予め定めた距離に設定される。この設置角度と間隔の設定は、前記多関節ロボット7を用いて行う。レンズ面4aとスプレーノズル2との間隔は、例えば約6cm〜約10cmに設定することができる。
図6に示す軌道26の形状は、スプレーノズル2が眼鏡レンズ4の外に位置する移動開始点26aから反時計方向へ径が次第に小さくなる螺旋を描くように3周し、その後、眼鏡レンズ4の中心部から反時計方向へ径が次第に大きくなる螺旋を描くように3周して主点26bに到達する形状である。終点26bは移動開始点26aと同一の位置である。軌道26の螺旋部分は、移動開始点26aと終点26bが眼鏡レンズ4の外に位置しているために、これら両点26a,26bに向けて螺旋が膨らむような形状である。
塗布ステップS4は、レンズ面4aの全域に塗布液3が塗布された後に終了する。レンズ面4aの全域に塗布液3が塗布された眼鏡レンズ4は、吸着ノズル11から図示していない搬送用トレイに移され、塗布液3を硬化させる装置(図示せず)に送られる。
上述したようにスプレーノズル2から塗布液3が噴出している状態で目標塗布位置8がレンズ面4aの未塗布の部位に移るように眼鏡レンズ4を移動させることによって、レンズ面4aの全域に前記微粒子が均等に付着する。
このため、眼鏡レンズ4を回転させて目標塗布位置8をスプレーノズル2と対向する位置に移動させることができる。したがって、眼鏡レンズ4を水平方向と上下方向とに移動させてレンズ面4aの全域に塗布液3を塗布する場合に較べると、塗布に要する時間が短縮され、塗布作業の効率が向上する。
本発明に係る眼鏡レンズ用塗布液塗布装置の塗布液塗布部は、図9に示すように構成することができる。図9において、前記図1〜図8によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図9に示す塗布液塗布部5は、第1、第2の回動部12,13と、間隔設定部31と、平行移動部32と、レンズ回転部33とによって構成されている。
前記平行移動部32は、前記間隔設定部31を前記噴霧の中心線L1とは直交する方向(水平方向)に平行移動させるためのものである。
前記レンズ回転部33は、前記眼鏡レンズ4を光軸4bが中心となるように回転させるもので、吸着ノズル11によって構成されている。
この実施の形態によれば、下記の第1〜第4の動作が行われることによって、レンズ面4aの全域に塗布液3が塗布される。第1の動作は、第1、第2の回動部12,13でレンズ面4aの目標塗布位置8を通る法線L2を塗布液3の噴霧の中心線L1に略一致させる動作である。
第3の動作は、平行移動部32で眼鏡レンズ4をスプレーノズル2に対して水平方向(噴霧の中心線L1とは直交する方向)に平行移動させる動作である。
第4の動作は、レンズ回転部33(吸着ノズル11)で眼鏡レンズ4を回転させる動作である。すなわち、この塗布液塗布部5においては、平行移動部32による眼鏡レンズ4の水平方向への移動と、レンズ回転部33による眼鏡レンズ4の回転とによって、目標塗布位置8が移動する。
本発明に係る眼鏡レンズ用塗布液塗布装置の塗布液塗布部は、図10および図11に示すように構成することができる。図10および図11において、前記図1〜図9によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
この実施の形態による表面改質処理装置41は、大気中で放電ヘッド41aにおいてコロナ放電41bを発生させ、その放電電子を眼鏡レンズ4のレンズ面4a(被塗布面)に照射するものである。眼鏡レンズ4は、レンズ支持装置42に載せられて支持されている。
この表面改質処理装置41は、多関節ロボット7に眼鏡レンズ4を送る搬送路の上流側に位置付けられている。
このため、この表面改質処理装置41を有する塗布液塗布装置1においては、スプレーノズル2から噴出してレンズ面4aに付着した塗布液3の微粒子がレンズ面4a上で濡れ拡がり、微粒子どうしの間が塗布液3で満たされるようになる。したがって、レンズ面4a上に塗布液3が塗布されていない部位が生じることを確実に防ぐことができるから、塗布液3の層の厚みをより一層薄く形成することが可能になる。
本発明に係る眼鏡レンズ用塗布液塗布装置は、図12および図13に示すように構成することができる。図12および図13において、前記図1〜図11によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図12に示す眼鏡レンズ用塗布液塗布装置51は、塗布液が飛散することを防ぐために、箱状の筐体52を備えている。この筐体52は、後述する各装置を支持する基台53と、この基台53の上方に塗布室54を形成するための前壁55、左側壁56、右側壁57、後壁58および天井壁59などを備えている。
塗布液硬化装置65は、紫外線硬化型のハードコート液が塗布された眼鏡レンズ4に紫外線を照射させてハードコート液を硬化させるものである。この塗布液硬化装置は、前記多関節ロボット7と筐体52の右側壁57との間に配置されている。
Claims (5)
- スプレーノズルから霧状に噴出した塗布液を眼鏡レンズのレンズ面に塗布する塗布液塗布部を備え、
前記塗布液塗布部は、前記スプレーノズルから噴出する噴霧の中心線が前記レンズ面の目標塗布位置を通る法線と略一致するように前記レンズ面を前記スプレーノズルに対向させながら、前記眼鏡レンズを前記スプレーノズルに対して移動させるものであることを特徴とする眼鏡レンズ用塗布液塗布装置。 - 請求項1記載の眼鏡レンズ用塗布液塗布装置において、
前記塗布液塗布部は、前記眼鏡レンズを光軸とは直交する方向に延びる第1の軸線を中心として回動させる第1の回動部と、
前記眼鏡レンズを前記第1の軸線と直交する第2の軸線を中心として回動させる第2の回動部と、
前記眼鏡レンズ、前記第1の回動部および前記第2の回動部を支持するとともに、前記噴霧の中心線とは直交する方向および前記スプレーノズルに対して接離する方向に移動させる腕部とを有する多関節ロボットを備えていることを特徴とする眼鏡レンズ用塗布液塗布装置。 - 請求項1または請求項2記載の眼鏡レンズ用塗布液塗布装置において、前記塗布液塗布部は、前記眼鏡レンズを光軸が中心となるように回転させるレンズ回転部を備えていることを特徴とする眼鏡レンズ用塗布液塗布装置。
- 請求項1記載の眼鏡レンズ用塗布液塗布装置において、
前記塗布液塗布部は、前記眼鏡レンズを光軸とは直交する方向に延びる第1の軸線を中心として回動させる第1の回動部と、
前記眼鏡レンズを前記第1の軸線と直交する第2の軸線を中心として回動させる第2の回動部と、
前記眼鏡レンズ、第1の回動部および第2の回動部を支持するとともに、前記スプレーノズルに対して接離する方向に移動させる間隔設定部と、
前記間隔設定部を前記眼鏡レンズの径方向に平行移動させる平行移動部と、
前記眼鏡レンズを光軸が中心となるように回転させるレンズ回転部とによって構成されていることを特徴とする眼鏡レンズ用塗布液塗布装置。 - 請求項1ないし請求項4のうち何れか一つに記載の眼鏡レンズ用塗布液塗布装置において、前記塗布液塗布部は、前記塗布液からなる微粒子が付着したときの濡れ性が高くなるようにレンズ面に表面改質処理を行う表面改質処理装置を備えていることを特徴とする眼鏡レンズ用塗布液塗布装置。
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