JP2013074850A - 果実及び/又は野菜を含有する液状食品 - Google Patents

果実及び/又は野菜を含有する液状食品 Download PDF

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Abstract

【課題】耐酸安定性に優れるセルロース複合体と、果実及び/又は野菜を含有し、懸濁安定性、容器から取り出す際の流動性に優れ、かつ、パンや生地などから液だれしにくく、食材等への染み込みがなく、焼成時の耐熱保形性及び色の保持性に優れる液状食品を提供することを課題とする。
【解決手段】セルロース及び親水性ガムを含むセルロース複合体であって、該セルロース複合体を1質量%含むpH4の水分散体において貯蔵弾性率(G’)が0.06Pa以上である上記セルロース複合体と、果実及び/又は野菜とを含有する、液状食品。
【選択図】なし

Description

本願発明は、耐酸安定性に優れるセルロース複合体と、果実及び/又は野菜を含有し、懸濁安定性、容器から取り出す際の流動性に優れ、かつ、パンや生地などから液だれしにくく、食材等への染み込みがなく、焼成時の耐熱保形性及び色の保持性に優れる液状食品に関するものである。
近年、消費者の健康に関する意識の高まりから、果実や野菜などを摂取したいという意向が高まっている。果実や野菜などを手軽に摂取する方法として、ジュースなどの飲料や、デザートや料理としてのソース又はたれ状の液状食品、或いはジャムなどのゲル状食品などの形態がある。
このうち、ソース又はたれ等の液状食品では、飲料と比較すると粘度は高く、ゲル状食品と比較すると粘度は一般的に低い。このようなソース又はたれ等の液状食品では、果実や野菜などの内容物を均一に分散、懸濁安定させるためや、料理やデザートの上にかけて食した際の食感の改善を目的として、増粘多糖類やセルロースを使用することが一般的に広く実施されている。
特許文献1には、ネイティブジェランガムを添加したフルーツプレパレーションが開示されている。該文献によると、ネイティブジェランガムを添加することによりフルーツプレパレーション中でピューレを分散させており、また、このフルーツプレパレーションをソフトヨーグルトに添加することにより、ヨーグルトを食した際のキレや軽さを改善している。
特許文献2には、繊細な繊維性粒子からなる発酵セルロースを添加したフルーツプレパレーションが開示されている。該文献によると、発酵セルロースを添加することにより、フルーツプレパレーション中のフルーツのシュリンクを抑制し、果肉の分散性を改善しており、またこのフルーツプレパレーションをソフトヨーグルトに添加することにより、ヨーグルトの果肉感を増強させている。
特許文献3には、微細繊維状セルロースを添加したフルーツプレパレーションが開示されている。該文献によると、フルーツプレパレーションに微細繊維状セルロースを添加することにより、このフルーツプレパレーションをヨーグルトに添加した際に、フルーツプレパレーションとヨーグルトの間での離水の抑制や、フルーツの色素移行を抑制している。
特許文献4には、ある特定のカルボキシメチルセルロース・ナトリウムを特定量含有する微細セルロースを食品に添加することにより、果汁のパルプ分等の沈降を防止する微細セルロースが開示されている。
特開2006−211940号公報 特開2010−279253号公報 特開2008−104436号公報 特開平9−3243号公報
しかしながら、特許文献1のように、果実及び/又は野菜を含有する液状食品に、増粘多糖類を添加する方法では、内容物の懸濁安定性を高めるために、添加量を増やして粘度を出そうとすると、食材本来の味やフレーバーをマスキングしてしまう。或いは、粘度が高くなると、ソースやたれとして食材にかける際の流動性が悪くなる問題があった。さらに、加熱・焼成後に耐熱保形性が劣り、液だれや、変色などの問題点があった。また、これら増粘多糖類と、従来の微結晶セルロースを組み合わせて添加する場合でも、従来の結晶セルロースは、酸性下での懸濁安定性が劣るため、味や風味のマスキングを抑制する効果は多少見られるが、耐熱保形性や染み込み性、焼成後の色の保持に問題があった。
特許文献2や3のように、粒子が非常に細長い形態を有するセルロースを用いると、その細長い構造故に水分散体の貯蔵弾性率(G’)が高くなりすぎる。その結果、食した際の食感や喉越しが悪くなる問題があった。また、細長い形状を有するセルロースは、疎なネットワーク構造を形成するため、加熱・焼成時に色素が熱の影響を受けて退色したり、パンや生地に塗布した際に、パンや生地の気泡、隙間に水分が移行してしまう(染み込み性)に問題があった。
また、特許文献4に記載の微細セルロースは、酸性下での懸濁安定性が劣る問題があった。さらに、デザートや料理として調理し、加熱・焼成した後の耐熱保形性や、その時の本来の色の保持などが十分ではなかった。特に、該微細セルロースは、パルプ分よりも大きいサイズの固形物の懸濁安定や、食材にかけた際の保形性や染み込み性、加熱・焼成後の耐熱保形性や色の保持などの効果は不十分であった。
したがって、本願発明のように、耐酸安定性に優れるセルロース複合体を含有し、果実及び/又は野菜を含有する液状食品であって、懸濁安定性、容器から取り出す際の流動性に優れ、かつ、パンや生地などから液だれしにくく、食材等への染み込みがなく、焼成時の耐熱保形性及び色の保持性に優れるものは、知られていなかった。
本願発明は、特定のセルロース複合体と、果実及び/又は野菜を含有するソース又はたれ状の液状食品に関するものであり、従来なしえなかった、懸濁安定性、容器から取り出す際の流動性に優れ、かつ、パンや生地などのから液だれしにくく、食材等への染み込みがなく、焼成時の耐熱保形性及び色の保持性に優れる液状食品を提供することを課題とする。
ここで、本願明細書における懸濁安定性、液だれ、染み込み、耐熱保形性、色の保持の定義について説明する。
「懸濁安定」とは、水系媒体中にセルロース以外の成分、たとえば、果実や野菜、機能性食品素材等を含有するときに、セルロース複合体の添加効果により、それらの成分が懸濁安定されることを意味する。本願発明の液状食品は、セルロース複合体自身及び、果実や野菜などその他の液状食品の構成成分の粒子に関して、分離、沈降、浮遊、凝集等の発生がなく、均一な外観を呈することを意味する。
「流動性」とは、容器に入った、ソース又はたれ状の液状食品を食材等にかけるとき、容器から流しだす、或いはスプーンやお玉などを用いてかける際の流しやすさ、作業のしやすさを意味する。具体的には、流動性が悪いと、ぼたぼたと不均一に出るなど、容器から出しにくく、流れにくい現象が見られる。また、飲料のように流動性が極端によすぎると、予定以上に液体が勢いよく出すぎたり、液体を出すのをやめてもまだ液が出ることを意味する。本願発明の液状食品は、セルロース複合体が高いチキソトロピー性を有することにより、静置状態はセルロース複合体が形成するネットワーク構造により見かけの静置粘度は高いため安定状態を保持している液状食品が、食材にかけようとする際に与えられる外部応力によってネットワーク構造が一旦解けて、低粘度となり、優れた流動性を有する。
「液だれ」とは、ソース又はたれ状の液状食品を食材にかけた際、食器などの容器全面に垂れ流れてしまい、食材上に液体がとどまらずに食材に流れ出たりすることを意味する。液だれすると、必要量を食材上に定着させるためには、必要量よりも多量の液状食品をかけなければならない。本願発明の液状食品は、セルロース複合体が形成するネットワーク構造ゆえに、食材上でネットワーク構造を形成することができるため、液だれせずに食材上で定着することができる点で優れている。
「染み込み」とは、ソース又はたれ状の液状食品をパンや生地、食材などに塗布した際に、液状食品が離水して水が食材に染み込むことを意味する。粘度が低すぎると、食材上にとどまらずに、食器全体に流れて、食する量よりも大量にかけなければならない等の現象が見られる。本願発明の液状食品は、セルロース複合体が形成する密なネットワーク構造、保水性により、液状食品中の水などを保持し、染み込みを防止することに優れている。
「耐熱保形性」とは、ソース又はたれ状の液状食品を加熱や焼成など熱を与えた後にも、加熱前の形態を維持することを意味する。本願発明の液状食品は、セルロース複合体が高い耐熱保形性を有するため、液状食品中の成分をネットワーク構造中に保持するため、耐熱保形性に優れている。
「色の保持」とは、ソース又はたれ状の液状食品を加熱や焼成など熱を与えた後にも、加熱前と同様の色を維持することを意味する。一般には、果物や野菜等は、熱を与えることにより、色が変色し、ぼやけてしまう(退色)現象が見られる。本願発明の液状食品は、セルロース複合体が密なネットワーク構造を形成するため、色素成分もネットワーク中に捉えることにより、色の保持に優れている。
本願発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、耐酸安定性に優れた特定のセルロース複合体を、果実及び/又は野菜を含有した、ソース又はたれ状の液状食品に添加することにより、懸濁安定性、容器から取り出す際の流動性に優れ、かつ、パンや生地などから液だれしにくく、食材等への染み込みがなく、焼成時の耐熱保形性及び色の保持性に優れることを見出した。
本願発明は以下のとおりである。
(1)セルロース及び親水性ガムを含むセルロース複合体であって、該セルロース複合体を1質量%含むpH4の水分散体において貯蔵弾性率(G’)が0.06Pa以上である上記セルロース複合体と、果実及び/又は野菜とを含有する、液状食品。
(2)前記セルロース複合体が、セルロースを50〜99質量%及び親水性ガムを1〜50質量%含む、(1)に記載の液状食品。
(3)前記親水性ガムが、サイリウムシードガムである、(1)または(2)に記載の液状食品。
(4)前記セルロース複合体が、さらに前記親水性ガムとは異なる水溶性ガムを含み、該親水性ガムと該水溶性ガムとの質量比が30/70〜99/1である、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の液状食品。
(5)前記水溶性ガムが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、LMペクチン、アルギン酸ナトリウム、及びジェランガムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、(4)に記載の液状食品。
(6)pHが6以下である(1)〜(5)のいずれか一つに記載の液状食品。
本願発明は、果実及び/又は野菜を含有する液状食品に、特定のセルロース複合体を添加することにより、懸濁安定性、容器から取り出す際の流動性に優れ、かつ、パンや生地などから液だれしにくく、食材等への染み込みがなく、焼成時の耐熱保形性及び色の保持性に優れた液状食品を提供することができる。
セルロース複合体A(実施例1を参照)の1質量%における水分散体について、粘弾性の測定により得られた歪み−応力曲線である。 セルロース複合体J(比較例3を参照)の1質量%における水分散体について、粘弾性の測定により得られた歪み−応力曲線である。 セルロース複合体A(実施例1を参照)の水分散体(イオン交換水、中性)について、原子間力顕微鏡(AFM)で観察された像である。 セルロース複合体A(実施例1を参照)の水分散体(pH4)について、原子間力顕微鏡(AFM)で観察された像である。
以下、本願発明を実施するための形態について、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本願発明を説明するための例示であり、本願発明は、以下の内容に限定されるものではない。
本願発明で用いるセルロース複合体は、セルロース及び親水性ガムを含むセルロース複合体であって、該セルロース複合体を1質量%含むpH4の水分散体における、貯蔵弾性率が0.06Pa以上であるセルロース複合体をいう。本願発明でいう複合体とは、セルロースの表面が、水素結合等の化学結合により、親水性ガムで被覆された形態を意味する。
本願発明の液状食品は、上記セルロース複合体と、果物及び/又は野菜とを含有することを特徴とする。
<セルロース>
本願発明におけるセルロースとは、セルロースを含有する天然由来の水溶性の繊維質物質である。原料としては、木材、竹、麦藁、稲藁、コットン、ラミー、バガス、ケナフ、ビート、ホヤ、バクテリアセルロース等が挙げられる。原料として、これらのうち1種の天然系セルロースを使用してもよいし、2種以上を混合したものを使用することも可能である。
本願発明における酸性の液状食品に用いる結晶セルロース(MCC)の平均重合度は、500以下のセルロースが好ましい。平均重合度は、「第14改正日本薬局方」(廣川書店発行)のセルロース確認試験(3)に規定される銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法により測定できる。平均重合度が500以下ならば、親水性ガムとの複合化の工程において、セルロース系物質が攪拌、粉砕、摩砕等の物理処理を受けやすくなり、複合化が促進されやすくなるため好ましい。より好ましくは、平均重合度は300以下、さらに好ましくは、平均重合度は250以下である。平均重合度は、小さいほど複合化の制御が容易になるため、下限は特に制限されないが、好ましい範囲としては10以上である。
平均重合度を制御する方法としては、加水分解処理等が挙げられる。加水分解処理によって、セルロース繊維質内部の非晶質セルロースの解重合が進み、平均重合度が小さくなる。また同時に、加水分解処理により、上述の非晶質セルロースに加え、ヘミセルロースや、リグニン等の不純物も、取り除かれるため、繊維質内部が多孔質化する。それにより、混練工程等で、セルロースと親水性ガムに機械的せん断力を与える工程において、セルロースが機械処理を受けやすくなり、セルロースが微細化されやすくなる。その結果、セルロースの表面積が高くなり、親水性ガムとの複合化の制御が容易になる。
加水分解の方法は、特に制限されないが、酸加水分解、熱水分解、スチームエクスプロージョン、マイクロ波分解等が挙げられる。これらの方法は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。酸加水分解の方法では、セルロース系物質を水系媒体に分散させた状態で、プロトン酸、カルボン酸、ルイス酸、ヘテロポリ酸等を適量加え、攪拌させながら、加温することにより、容易に平均重合度を制御できる。この際の温度、圧力、時間等の反応条件は、セルロース種、セルロース濃度、酸種、酸濃度により異なるが、目的とする平均重合度が達成されるよう適宜調製されるものである。例えば、2質量%以下の鉱酸水溶液を使用し、100℃以上、加圧下で、10分以上セルロースを処理するという条件が挙げられる。この条件のとき、酸等の触媒成分がセルロース繊維内部まで浸透し、加水分解が促進され、使用する触媒成分量が少なくなり、その後の精製も容易になる。
本願発明におけるセルロース複合体中のセルロースは、微細な粒子状の形状であることが好ましい。セルロースの粒子形状は、本願発明におけるセルロース複合体を、1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させた水分散体を、0.1〜0.5質量%に純水で希釈し、マイカ上にキャストし、風乾されたものを、高分解能走査型顕微鏡(SEM)、又は原子間力顕微鏡(AFM)で計測された際に得られる粒子像の長径(L)と短径(D)とした場合の比(L/D)で表され、100個〜150個の粒子の平均値として算出される。
L/Dは、20未満が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましく、5以下が特に好ましく、5未満が格別に好ましく、4以下が最も好ましい。
<親水性ガム>
親水性ガムとは、化学構造の一部に糖又は多糖を含む親水性高分子物質のことである。ここで親水性とは、常温の純水に、一部が溶解する特性を有することである。定量的に親水性を定義すると、この新水性ガム0.05gを、50mLの純水に、攪拌下(スターラーチップ)で、平衡まで溶解させ、目開き1μmのメンブレンフィルターで処理した際に、通過する成分が、親水性ガム中に1質量%以上含まれることである。親水性ガムとして、多糖類を用いる場合には、以下のものが好適である。
例えば、サイリウムシードガム(PSG)、ローカストビーンガム、グアガム、タマリンドシードガム、カラヤガム、キトサン、アラビアガム、ガッティガム、トラガントガム、寒天、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、HMペクチン、LMペクチン、アゾトバクター・ビネランジーガム、キサンタンガム、カードラン、プルラン、デキストラン、ジェランガム、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。これらの親水性ガムは1種類でもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
<陰イオン性多糖類>
上記の親水性ガムの中でも、水中で陽イオンが遊離し、それ自身が陰イオンとなるものを陰イオン性多糖類と呼ぶ。親水性ガムとして陰イオン性多糖類を用いることで、セルロースとの複合化がより促進され、セルロース複合体の耐酸安定性、耐塩安定性が増すため好ましい。
陰イオン性多糖類としては、以下のものが好適である。
例えば、サイリウムシードガム(PSG)、カラヤガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、HMペクチン、LMペクチン、アゾトバクター・ビネランジーガム、キサンタンガム、ジェランガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体が挙げられる。これらの陰イオン性多糖類は2種以上を組み合わせてもよい。
<分岐状の陰イオン性多糖類>
上記の陰イオン性多糖類の中でも、その化学構造中に、分岐構造を有するものを分岐状の陰イオン性多糖類と呼ぶ。本願発明におけるセルロース複合体における親水性ガムとして、分岐状の陰イオン性多糖類を用いることで、セルロース複合体の耐酸性が、より高まるため好ましい。ここでいう分岐構造とは、多糖類に含まれる六単糖中の三つの水酸基(C6位は一級アルコール)のうち、一つ以上が化学結合を介して、メチロールより高分子量の置換基に置換されている構造のことである。置換基は、エーテル結合を介した糖又は多糖構造であることが好ましい。分岐状の陰イオン性多糖類としては、以下のものが好適である。
例えば、サイリウムシードガム(PSG)、カラヤガム、キサンタンガム、ジェランガムが挙げられる。これらの陰イオン性多糖類は2種以上を組み合わせてもよい。
これらの分岐状の陰イオン性多糖類の中でも、特にサイリウムシードガム(PSG)が、セルロースと複合化した際に、セルロース複合体が持つ懸濁安定が向上するため好ましい。
<サイリウムシードガム>
サイリウムシードガム(PSG)とは、オオバコ科の植物(Plantago ovata Forskal)の種子の外皮から得られる多糖類(ガム類)のことである。具体的には、イサゴール、プランタゴ・オバタ種皮から得られる多糖類が挙げられる。
本願発明のサイリウムシードガム(PSG)は、上記のオオバコ科の植物(Plantago ovata Forskal)の種子の外皮から得られる多糖類(ガム類)を含むものであれば、きょう雑物を含んでいるものも該当する。例えば、当該多糖類を水等の溶媒で抽出されたガムも、外皮を粉砕されたハスクも、それらを組み合わせ処理されたものも、いずれのものも含まれる。また、それらは、粉末状、塊状、ケーク状、液状のいずれの状態であってもよい。
PSGの化学構造は、非セルロース多糖類において、主鎖がキシランとして高度に枝分かれしており、側鎖がアラビノース、キシロース、ガラクツロン酸、ラムノースからなる構造である。側鎖における、その糖構成比は、D−キシロース約60質量%、L−アラビノース約20質量%、L−ラムノース約10質量%、D−ガラクツロン酸約10質量%である。これらの質量比は、PSGの原料、及びPSGの製造工程により5質量%前後するものである。
また、上述の構造を有していれば、粘度を調製するために、PSGを、酸、キシラナーゼ様の酵素等により加水分解してもよい。
PSGは、1質量%の純水溶液で測定した粘度が200mPa・s以下であることが好ましい。ここで、粘度とは、純水中に1質量%に調製した水溶液を200mlビーカーに充填し、25℃に温調した後、粘度計(東機産業(株)製、TVB−10形粘度計)を用いて、ローターを60rpmで30秒間回転させた直後の測定値を指す(但し、ローターは、粘度によって適宜変更できる。使用するロータは以下の通りである。1〜20mPa・s:BL型、21〜100mPa・s:No1、101〜300mPa・s:No2、301mPa・s:No3)。粘度が低いほど、セルロースとの複合化が促進されやすくなるため好ましい。また、飲料に使用した際、すっきりとしたのど越しを発現しやすくなるため好ましい。より好ましくは100mPa・s以下であり、さらに好ましくは50mPa・s以下である。その下限値は、特に設定されるものではないが、工業原料として得られる範囲としては、5mPa・s以上が好ましい。
<貯蔵弾性率>
次に、本願発明における酸性の液状食品に添加するセルロース複合体の貯蔵弾性率(G’)について説明する。
本願発明におけるセルロース複合体は、セルロース複合体を1質量%含むpH4の水分散体の貯蔵弾性率(G’)が0.06Pa以上のものをいう。pHは、pH計(HORIBA製、pHメーターD−50)を用いて25〜30℃で測定し、表示される値が3.6〜4.4である。貯蔵弾性率とは、水分散体のレオロジー的な弾性を表現するものであり、セルロースと親水性ガムとの複合化、又はセルロースと親水性ガム及びその他水溶性ガムとの複合化の程度を表すものである。貯蔵弾性率が高いほど、セルロースと親水性ガムとの複合化、又はセルロースと親水性ガム及びその他水溶性ガムとの複合化が促進され、セルロース複合体の水分散体におけるネットワーク構造が、剛直であることを意味する。ネットワーク構造が剛直なほど、セルロース複合体は懸濁安定性に優れる。
本願発明におけるセルロースの貯蔵弾性率とは、セルロース複合体をpH4の水系媒体中に分散させた水分散体の動的粘弾性測定により得られる値とした。水分散体に歪みを与えた際の、セルロース複合体ネットワーク構造内部に蓄えられた応力を保持する弾性成分が貯蔵弾性率として表れる。
貯蔵弾性率の測定方法としては、まず、セルロース複合体を、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)を用いて純水中に分散させ、1.8質量%の純水分散体を調製する。その水分散体と、0.2MでpH4のMcllvaine緩衝液(0.2Mのリン酸水素二ナトリウムと、0.1Mのクエン酸の水溶液)とを混合して、セルロース複合体の濃度を1質量%(全量300g、イオン濃度0.06mol/l、pH4)に調製した後、得られた水分散体を3日間室温で静置する。この水分散体の応力のひずみ依存性を、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARES100FRTN1型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25.0℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引、水分散体は微細構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりと仕込み、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始する)により測定する。本願発明における貯蔵弾性率は、上述の測定で得られた歪み−応力曲線上の、歪み20%の値のことである。この貯蔵弾性率の値が大きいほど、セルロース複合体が形成する水分散体の構造はより弾性的であり、セルロースと親水性ガム、及びその他水溶性ガムが高度に複合化していることを表している。
セルロース複合体の貯蔵弾性率は、0.15以上が好ましく、0.2Pa以上がより好ましく、さらに好ましくは0.5Pa以上である。
上限は、特に設定されるものではないが、飲料とした場合の飲みやすさを勘案すると、6.0Pa以下である。6.0Pa以下であると、懸濁安定性が充分に得られるセルロース複合体の添加量(飲料により異なるが、例えば、果汁飲料では0.1〜1.0質量%)において、飲み口が軽いため好ましい。また、食感を調節するために、セルロース複合体の添加量が低い場合(例えば0.5質量%以下)でも、セルロース以外の水不溶成分と凝集等を生じにくい。
<セルロース複合体の構造>
本願発明におけるセルロース複合体は、セルロース表面から放射状に伸びた親水性ガムの広がりが、酸性下でも充分に大きいという特徴がある。セルロース表面から伸びた親水性ガムの広がりが大きいほど、隣接するセルロース複合体の親水性ガムと絡み合いやすくなる。その結果、セルロース複合体同士の絡み合いが密に生じることで、ネットワーク構造が剛直になり、貯蔵弾性率(G’)が向上し、懸濁安定性が高くなる。この親水性ガムの広がりは、以下の方法で測定することができる。
まず、セルロース複合体を、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間、全量300g)を用いて純水中に分散させ、1.0質量%の純水分散体を調製する。その水分散体と、0.2MでpH3.5のMcllvaine緩衝液(0.2Mのリン酸水素二ナトリウムと、0.1Mのクエン酸の水溶液)とを混合して、セルロース複合体の濃度を0.5質量%(イオン濃度0.06mol/l、pH4.0)に調製した後、純水でセルロース複合体の濃度を0.1質量%に希釈する。得られた水分散体を3日間以上、室温で静置する。水分散体の微細構造を壊さないよう、スポイトを使用して、5μlをゆっくりと吸出し、1cm×1cmの壁開されたマイカ上に、ゆっくり滴下し、エアダスターで余分な水分を吹き飛ばし、マイカ上に定着したサンプルを、AFM(島津製作所製 走査型プローブ顕微鏡SPM−9700、位相モード、オリンパス社製プローブOMCL−AC240TSを使用)にて、観察する。この観察像において、セルロース粒子は高さ2nm以上の棒状粒子として観察され、そのセルロース粒子から周囲に放射状に伸びる高さ2nm未満の親水性ガムが観察できる。
親水性ガムとして、分岐状の陰イオン性多糖類を用いると、この広がりがより大きくなるため好ましい。また、親水性ガムとして、サイリウムシードガム(PSG)を用いると、この広がりが、さらに大きくなるため、好ましい。
<セルロースと親水性ガムの配合比率>
本願発明におけるセルロース複合体は、好ましくは、セルロースを50〜99質量%、及び親水性ガムを1〜50質量%含む。
複合化によって、親水性ガムがセルロース粒子の表面を水素結合等の化学結合により被覆することで、酸性の水溶液に分散した際に、セルロース複合体が持つ懸濁安定性が向上する。
また、セルロースと親水性ガムを上記の組成とすることで、複合化が促進され、酸性の水分散体における懸濁安定性が向上して、機能性食品素材等の水不溶性成分の沈降防止効果を達成することができる。
<水溶性ガム>
本願発明におけるセルロース複合体は、さらに親水性ガム以外の水溶性ガムを含むことが好ましい。水溶性ガムとしては、水膨潤性が高く、セルロースと複合化しやすいガムが好ましい。
例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドシードガム、カラヤガム、キトサン、アラビアガム、寒天、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム(以下「ARG−Na」という。)、HMペクチン、LMペクチン(以下「LMP」という。)、アゾトバクター・ビネランジーガム、キサンタンガム、カードラン、プルラン、デキストラン、ジェランガム(以下「GLG」という。)、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下「CMC−Na」という。)、カルボキシメチルセルロースカルシウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。これらの水溶性ガムは2種以上を組み合わせてもよい。
上述の水溶性ガムの中でも、CMC−Na、LMP、ARG−Na、GLGから選ばれる1種以上が好ましい。これらのガムは、セルロース及び親水性ガムと複合化しやすいため好ましい。
「CMC−Na」とは、セルロースの水酸基がモノクロロ酢酸で置換されたもので、D−グルコースがβ−1,4結合した直鎖状の化学構造を持つものである。CMC−Naは、パルプ(セルロース)を水酸化ナトリウム溶液で溶かし、モノクロロ酸(或いはそのナトリウム塩)でエーテル化して得られる。
特に、置換度と粘度が特定範囲に調製されたCMC−Naを用いることが、複合化の観点から好ましい。置換度とは、セルロース中の水酸基にカルボキシメチル基がエーテル結合した度合いのことであり、0.6〜2.0が好ましい。置換度が前記の範囲であれば、CMC−Naの分散性が十分であること、及び製造が容易であることから好ましい。より好ましくは、置換度は0.6〜1.3である。またCMC−Naの粘度は、1質量%の純水溶液において、500mPa・s以下が好ましく、200mPa・s以下がより好ましく、50mPa・s以下がさらに好ましい。特に好ましくは、20mPa・s以下である。CMC−Naの粘度が低いほど、セルロース、親水性ガムとの複合化が促進されやすく、下限は特に設定されるものではないが、好ましい範囲としては1mPa・s以上である。
「LMP」とは、ガラクツロン酸を主体とする酸性多糖類(ガム類)と数種の中性糖が存在する構造をもつものをいう。この化学構造を有するものは、原料・製造方法に関係なく本願発明におけるLMPに該当する。ペクチンは、植物組織中でセルロースなどと結合し、水に不溶な成分として存在するため、高温酸性下で、他の可溶性成分とともにプロトペクチンと分離して得られる。LMPは、上述のガラクツロン酸において、メチルエステルの形と酸の2つの形で存在しているが、エステル化度(エステルの形で存在するガラクツロン酸の割合)が50%未満のものが、セルロース、親水性ガムとの複合化の観点から好ましい。
「ARG−Na」とは、α−L−グルクロン酸、β−D−マンヌロン酸が、ピラノース型で1,4−グリコシド結合した構造をもつものであり、この化学構造を有するものは、原料・製造方法に関わらず、本願発明におけるARG−Naに該当する。ARG−Naは、主にワカメ、コンブ、ヒジキに代表される褐藻に含まれる多糖類の一種である。
工業的には、アルギン酸は、アルギン酸含有量が多い、レッソニア属、マクロシスティス属、カジメ属、ダービリア属、アスコフィラム属等の原藻から得られる。前記原藻を、粉砕したものを酸処理して抽出し、これをろ過して得た沈殿物を酸処理することによりアルギン酸を得る。このアルギン酸を炭酸ナトリウム等でナトリウム化させ、乾燥、粉砕させることにより、粉体状のアルギン酸ナトリウムが得られる。
ARG−Na水溶液は、中性で、滑らかな粘性を示す。ARG−Naの粘度は、1質量%の純水溶液において300mPa・s以下が好ましい。より好ましくは、粘度は100mPa・s以下である。さらに好ましくは、粘度は30mPa・s以下である。この粘度が低いほど、セルロース、親水性ガムとの複合化が促進されやすいため好ましい。
「GLG」とは、Sphingomon elodeaという微生物が菌体外に産出する微生物多糖類を脱アセチル化したものである。GLGは、直鎖状のヘテロ多糖類であり、グルコース、グルクロン酸、グルコースとL−ラムノースの4つの糖の繰り返し単位で構成されており、グルクロン酸由来のカルボキシル基を有している。GLGには、脱アシル型とネイティブ型の2種があり、その違いは、1−3結合したグルコースに存在するアセチル基とグリセリル基の有無である。脱アシル型とは、前記アセチル基とグリセリル基を除去したものである。ネイティブ型とは、グルコース残基にグリセリル基1残基と、アセチル基が平均1/2残基結合したものである。本願発明においては、脱アシル型とネイティブ型のいずれも用いることが可能であるが、脱アシル型のほうが、上述の構造を持つ故、セルロース、親水性ガムとの複合化が促進されやすく好ましい。
上述のなかでも、CMC−Na、LMPを用いることがより好ましい。複合化の観点で、最も好ましいのは、CMC−Naである。
<親水性ガムと水溶性ガムの質量比>
親水性ガムと上記の水溶性ガムとの質量比は、30/70〜99/1であることが好ましい。本願発明におけるセルロース複合体において、親水性ガムと上記の水溶性ガムが前記の範囲にあることで、弱アルカリ性(pH8)から酸性(pH3)までの広いpH領域の本願発明におけるセルロース複合体を含む水分散体において、本願発明におけるセルロース複合体は懸濁安定性を示す。また、本願発明におけるセルロース複合体に水溶性ガムを添加することで、特に、該水分散体の酸性領域(pH5以下)での本願発明におけるセルロース複合体の懸濁安定性がより優れるものである。これら親水性ガムと水溶性ガムとの配合量比として、より好ましくは、40/60〜90/10であり、さらに好ましくは40/60〜80/20である。
<セルロース複合体の体積平均粒子径>
セルロース複合体の体積平均粒子径は、20μm以下であることが好ましい。ここで、該体積平均粒子径は、セルロース複合体を、1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させ、レーザー回折法(堀場製作所(株)製、商品名「LA−910」、超音波処理1分、屈折率1.20)により得られた体積頻度粒度分布における積算50%粒子径のことである。
また、セルロース複合体は、体積平均粒子径が0.01〜200μmのセルロース複合体微粒子からなることが好ましい。乾燥粉末として製造されたものは、これらの微粒子が凝集し、見かけの重量平均粒子径が10〜250μmの二次凝集体を形成している。この二次凝集体は、水中で攪拌すると崩壊し、上述のセルロース複合体微粒子に分散する。この見かけの重量平均粒子径は、ロータップ式篩振盪機(平工作所製シーブシェーカーA型)、JIS標準篩(Z8801−1987)を用いて、試料10gを10分間篩分することにより得られた粒度分布における累積重量50%粒径のことである。尚、この乾燥後のセルロース複合体の二次凝集体の重量平均粒子径と、レーザー回折法による分散液中のセルロース複合体の体積平均粒子径は測定原理が全く異なるため、それぞれで得られた値は必ずしも相関するものではない。
セルロース複合体の体積平均粒子径が20μm以下であると、セルロース複合体の懸濁安定性がより容易に向上する。また、セルロース複合体を含有する食品を食した際に、ザラツキのない、なめらかな舌触りのものを提供することができる。より好ましくは、体積平均粒子径は15μm以下であり、特に好ましくは10μm以下、さらに好ましくは8μm以下である。体積平均粒子径が小さいほど、セルロース複合体が有する懸濁安定性がより容易に向上するため、下限は特に制限されないが、好ましい範囲としては0.1μm以上である。
<セルロース複合体のコロイド状成分量>
さらに、セルロース複合体は、コロイド状セルロース成分を30質量%以上含有することが好ましい。ここでいうコロイド状セルロース成分の含有量とは、セルロース複合体を、1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させ、遠心分離(久保田商事(株)製、商品名「6800型遠心分離器」ロータータイプRA−400型、処理条件:遠心力2,000rpm(5600G※Gは重力加速度)×15分間)し、遠心後の上澄みに残存する固形分(セルロースと、親水性ガム、水溶性ガムを含む)の質量百分率のことである。コロイド状セルロース成分の大きさは10μm以下であり、より好ましくは5.0μm以下であり、特に好ましくは1.0μm以下である。ここでいう大きさは、セルロース複合体を、1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させ、レーザー回折法(堀場製作所(株)製、商品名「LA−910」、超音波処理1分、屈折率1.20)により得られた体積頻度粒度分布における積算50%粒子径(体積平均粒子径)のことである。コロイド状セルロース成分の含有量が30質量%以上であると、懸濁安定性がより容易に向上する。より好ましくは、40質量%以上であり、特に好ましくは、50質量%以上である。コロイド状セルロース成分含有量は、多ければ多いほど、懸濁安定性が高いため、その上限は特に制限されないが、好ましい範囲としては、90質量%以下である。
<親水性物質>
本願発明におけるセルロース複合体に、水への分散性を高める目的で、親水性ガム及び水溶性ガム以外に、さらに親水性物質を加えてもよい。親水性物質とは、冷水への溶解性が高く粘性を殆どもたらさない有機物質であり、澱粉加水分解物、デキストリン類、難消化性デキストリン、ポリデキストロース等の親水性多糖類、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳糖、マルトース、ショ糖、α−、β−、γ−シクロデキストリン等のオリゴ糖類、ブドウ糖、果糖、ソルボース等の単糖類、マルチトール、ソルビット、エリスリトール等の糖アルコール類等が適している。これらの親水性物質は、2種類以上組み合わせてもよい。上述の中でも、澱粉加水分解物、デキストリン類、難消化性デキストリン、ポリデキストロース等の親水性多糖類が分散性の点で好ましい。
その他の成分の配合については、組成物の水中での分散及び安定性を阻害しない程度に配合することは自由である。
<セルロース複合体の製造方法>
次に、本願発明におけるセルロース複合体の製造方法を説明する。
本願発明の特定の貯蔵弾性率を満たすセルロース複合体は、混練工程においてセルロースと親水性ガムに機械的せん断力をあたえ、セルロースを微細化させるとともに、セルロース表面に親水性ガムを複合化させることによって得られる。また、親水性ガム以外の水溶性ガムや、その他の添加剤などを添加しても良い。上述の処理を経たものは、必要に応じ、乾燥される。本願発明におけるセルロース複合体には、上述の機械的せん断を経て、未乾燥のもの及びその後乾燥されたもの等、いずれの形態でもよい。
機械的せん断力を与えるには、混練機等を用いて混練する方法を適用することができる。混練機は、ニーダー、エクストルーダー、プラネタリーミキサー、ライカイ機等を用いることができ、連続式でもバッチ式でもよい。混練時の温度は成り行きでもよいが、混練の際の複合化反応、摩擦等により発熱する場合にはこれを除熱しながら混練してもよい。これらの機種を単独で使用することも可能であるが、二種以上の機種を組み合わせて用いることも可能である。これらの機種は、種々の用途における粘性要求等により適宜選択すればよい。
また、混練温度は、低いほど、親水性ガムの劣化が抑制され、結果として得られるセルロース複合体の貯蔵弾性率(G’)が高くなるため好ましい。混練温度は、0〜100℃が好ましく、10〜90℃がより好ましく、20〜80℃が特に好ましく、30〜70℃がさらに好ましく、40〜70℃が最も好ましい。高エネルギー下で、上記の混練温度を維持するには、ジャケット冷却、放熱等の徐熱を工夫することも自由である。
混練時の固形分は、20質量%以上とすることが好ましい。混練物の粘性が高い半固形状態で混練することで、混練物がシャバシャバな状態にならず、下記に述べる混練エネルギーが混練物に伝わりやすくなり、複合化が促進されるため好ましい。混練時の固形分は、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは40質量%以上である。上限は特に限定されないが、混練物が水分量の少ないパサパサな状態にならず、充分な混練効果と均一な混練状態が得られることを考慮して、現実的範囲は90質量%以下が好ましい。より好ましくは70質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以下である。また、固形分を上記範囲とするために、加水するタイミングとしては、混練工程の前に必要量を加水してもよいし、混練工程の途中で加水してもよいし、両方実施しても良い。
ここで、混練エネルギーについて説明する。混練エネルギーとは混練物の単位質量当たりの電力量(Wh/kg)で定義するものである。混練エネルギーは、50Wh/kg以上とすることが好ましい。混練エネルギーが50Wh/kg以上であれば、混練物に与える磨砕性が高く、セルロースと親水性ガム、及びその他水溶性ガム等との複合化が促進され、セルロース複合体の酸性条件下における懸濁安定性は向上する。より好ましくは80Wh/kg以上であり、さらに好ましくは100Wh/kg以上である。
混練エネルギーは、高い方が、複合化が促進されると考えられるが、混練エネルギーをあまり高くすると、工業的に過大な設備となること、設備に過大な負荷がかかることから、混練エネルギーの上限は1000Wh/kgとするのが好ましい。
複合化の程度は、セルロースとその他の成分の水素結合の割合と考えられる。複合化が進むと、水素結合の割合が高くなり本願発明の効果が向上する。また、複合化が進むことで、セルロース複合体の貯蔵弾性率(G’)が高くなる。
本願発明におけるセルロース複合体を得るにあたって、前述の混練工程より得られた混練物を乾燥する場合は、棚段式乾燥、噴霧乾燥、ベルト乾燥、流動床乾燥、凍結乾燥、マイクロウェーブ乾燥等の公知の乾燥方法を用いることができる。混練物を乾燥工程に供する場合には、混練物に水を添加せず、混練工程の固形分濃度を維持して、乾燥工程に供することが好ましい。乾燥後のセルロース複合体の含水率は1〜20質量%が好ましい。含水率を20%以下とすることで、べたつき、腐敗等の問題や運搬・輸送におけるコストの問題が生じにくくなる。より好ましくは15%以下、特に好ましくは10%以下である。また、1%以上とすることで、過剰乾燥のため分散性が悪化することもない。より好ましくは1.5%以上である。
セルロース複合体を市場に流通させる場合、その形状は、粉体の方が取り扱い易いので、乾燥により得られたセルロース複合体を粉砕処理して粉体状にすることが好ましい。但し、乾燥方法として噴霧乾燥を用いた場合は、乾燥と粉末化が同時にできるため、粉砕は必要ない。乾燥したセルロース複合体を粉砕する場合、カッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等の公知の方法を用いることができる。粉砕する程度は、粉砕処理したものが目開き1mmの篩いを全通する程度に粉砕する。より好ましくは、目開き425μmの篩いを全通し、かつ、平均粒度(重量平均粒子径)としては10〜250μmとなるように粉砕することが好ましい。
乾燥したセルロース複合体を水中で攪拌した際、容易に分散し、セルロースが均一に分散した、なめらかな組織を持つザラツキの無い安定なコロイド分散体が形成される。特に、酸性条件下において、セルロースが凝集や分離を起こさず、安定なコロイド分散体を形成するため、安定剤等として優れた機能を奏する。
次に、本願発明の液状食品について説明する。
<果実>
本願発明における酸性の液状食品に用いる果実とは、食用となる果実のことを意味し、その種類は特に制限しない。例えば、カリンやチュウゴクナシ、ナシ、マルメロ、セイヨウカリン、ジューンベリー、シポーバ、リンゴなどの仁果類、アメリカンチェリー、アンズ、ウメ、サクランボ、スミミザクラ、スピノサスモモ、スモモ、モモなどの核果類、アーモンド、イチョウ、クリ、クルミ、ペカンなどの殻果類、バレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、ブラッドオレンジ、ジャッファ・オレンジ、ベルガモット、キノット、グレープフルーツ、オランジェロ、ユズ、ダイダイ、カボス、スダチ、レモン、シークヮーサー、ライム、シトロン、ブッシュカン、ナツミカン、ハッサク、ヒュウガナツ、ジャバラ、スウィーティー、デコポン、カクテルフルーツ、イヨカン、清見、はるみ、タンカン、マーコット、セミノール、アグリフルーツ、タンジェロ、ブンタン、マンダリンオレンジ、ウンシュウミカン、ポンカン、タチバナ、紀州ミカン、サクラジマミカン、キンカンなどの柑橘類や、オリーブ、ビワ、ヤマモモなどの常緑性果実、カカオ、クプアス、ドリアン、スターアップル、ミラクルフルーツ、ルクマ、タマリロ、パイナップル、バナナ、キワノ、パパイア、ババコ、マウンテンパパイア、カシューナッツ、マンゴー、ポンドアップル、ボタンマンゴスチン、マメイアップル、マンゴスチン、レモンドロップマンゴスチン、スターフルーツ、コンカーベリー、アセロラ、ナンチェ、グアバ、ジャボチカバなどの熱帯果樹、或いは、アケビ、イチジク、カキ、キイチゴ、キウイフルーツ、グミ、クワ、クランベリー、コケモモ、ザクロ、サルナシ、シーバックソーン、スグリ、ナツメ、ニワウメ、ビルベリー、フサスグリ、ブドウ、ブラックベリー、ブルーベリー、ポーポー、マツブサ、ラズベリー、ユスラウメなどを挙げることができる。適宜、カットしたり、ピューレやすりおろし状としたりするなど、任意の形状、大きさで使用することができる。また、フルーツの一部或いは全部を、寒天ゲル、マンナンゲル、ナタデココ、杏仁豆腐などに代替してもよい。原料として、これらのうち1種の果実を単独で使用してもよいし、2種以上、或いは野菜とを混合したものを使用することも可能である。
本願発明の液状食品に用いる果実としては、色の保持の観点から、みかん、オレンジ等の柑橘類や、ブドウ、ブルーベリー、ラズベリー等のベリー類、或いは、懸濁安定効果の観点から、りんごやモモ、パイナップルなどの繊維質を含むものが好ましい。
<野菜>
本願発明における酸性の液状食品に用いる野菜とは、水分が多い草本性で食用となる植物であり、主に葉や根、茎(地下茎を含む)、花、つぼみ、果実を副食や間食に食べるものをいい、その種類は特に制限しない。例えば、ゴボウやルタバガ、ビート、ニンジン、パースニップ、ダイコン、カブ、ブラックサルシファイ、サツマイモ、キャッサバ、ヤーコン、タロイモ、サトイモ、コンニャク、タロシイモ、レンコン、ジャガイモ、キクイモ、クワイ、タマネギ、エシャロット、ニンニク、ラッキョウ、ユリ、カタクリ、ヤムイモ、ヤマノイモ、ナガイモなどの根菜や、アブラナ、キャベツ、コマツナ、チンゲンサイ、ニラ、ネギ、ノザワナ、ハクサイ、フキ、フダンソウ、ホウレンソウ、ミズナ、レタスなどの葉菜類、アスパラガスなどの茎菜類、トマト、ナス、カボチャなどの果菜類、ミョウガ、カリフラワー、ブロッコリーなどの花菜類、その他イチゴ、スイカ、メロン、アシタバ、インゲンマメ、エンダイブ、サヤエンドウ、オクラ、カイワレダイコン、京菜、シシトウガラシ、サラダ菜、シソ、シュンギク、セリ、タカナ、タラの芽、ツクシ、ツルムラサキ、唐辛子、ニンニクの芽、万能ネギ、ノザワナ、バジル、パセリ、パプリカ、芽キャベツ、モロヘイヤ、クレソン、ケール、コマツナ、山東菜、トンブリ、ナズナ、ナバナ、ヨモギ、ワケギ、ラディッシュ、アロエなどが挙げられる。適宜、カットしたり、ピューレやすりおろし状としたりするなど、任意の形状、大きさで使用することができる。また、野菜或いは果実の一部或いは全部を、寒天ゲル、マンナンゲル、ナタデココ、杏仁豆腐などに代替してもよい。原料として、これらのうち1種の野菜を使用してもよいし、2種以上、或いは果実とを混合したものを使用することも可能である。
本願発明の液状食品に用いる果実としては、色の保持の観点から、ナス、ニンジン、トマト、ピーマン、シソ、カボチャ、ホウレンソウ、ケール、キャベツなどの色のついたものや、或いは、懸濁安定効果の観点から、ダイコンやタマネギ、各種イモなど、すりおろしたりピューレにした際に繊維質を含むものが好ましい。
<液状食品>
液状食品とは、飲食時に流動性のある形態をとる飲料又は食品を意味する。たとえば、たれやソース、スープ、ピューレ、ドレッシング、ケチャップなどのゲル化していない、或いはゲル化剤を含まない、流動性を持つ液状の食品を意味する。飲料は、形態としては液状食品であるが、本願は懸濁安定性の他に、液だれの防止性、パンや生地などの食材等への染み込み防止性、焼成時の耐熱保形性及び色の保持性に関するものであるため、除外する。ゼリーやジャムなどのような食品は、ゲル状の食品であるため、本願発明の範囲から除外する。しかし、これらデザートの上に流しかけるソースなどは本願発明の液状食品に該当しうる。また、飲食時に液状の形態をとるものであれば、中間製品として、凍結乾燥、噴霧乾燥等で粉末化されたものも、本願発明の液状食品に含まれる。
果実及び/又は野菜を含む液状食品の具体例としては、果実や野菜等で味付け、風味付けしたドリンクヨーグルト等のような、通常の飲料よりもやや粘度が高めの乳酸菌飲料類、果実等を、味付けを目的として添加されたソフトクリームのミックス液や、シャーベット等の氷菓類、プリン、ヨーグルト、ゼリー、クレープ、ケーキ、まんじゅう、大福、餅などのデザート類にかけるソースや、料理の上にかけるソース、彩りのための飾り付け用のソース、或いはたれなど、飲食時に液状の形態をとるものなどが挙げられる。ソースやたれの例としては、トマトソース、ケチャップ、マヨネーズ、チリソース、オイスターソース、とんかつソース、ウスターソース、ホワイトソース、ドレッシング、タルタルソース、サルサソース、アップルソース、オレンジソースなどが挙げられる。たれの例としては、成分として、果実及び/又は野菜を含有するものであれば、料理の種類やソースの種類、形態は限定しない。
<セルロース複合体の添加量>
セルロース複合体の添加量としては、0.03質量%以上が好ましい。セルロース複合体の添加量を0.03質量%以上とすることで、液状食品中に含有する成分の懸濁安定性や、パンや生地などから液だれの防止、食材等への染み込みの防止、焼成時の耐熱保形性及び色の保持性において効果を発揮することができる。より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。上限は、摂取時の喉越しやざらつきを考慮すると、3質量%以下であることが好ましい。
<液状食品の粘度>
20℃におけるB形粘度計による液状食品の粘度が、20〜8,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。ここで、粘度とは、B形粘度計(東機産業(株)製、TVB−10形)を用いて、ローターを液状食品中にセットして60秒間静置した後、6rpmで30秒間回転させた後の測定値のことをいう。測定値がこの範囲内であれば、成分の凝集、分離、沈降を抑制でき、また保形性に優れた液状食品を調製できる。液状食品の粘度を20mPa・s以上とすることで、懸濁安定性や保形性が劣ることもなく、8,000mPa・s以下であれば、食品のキレや喉越しが悪化することもない。かかる観点より、500〜6,000mPa・sがより好ましく、1000〜4,000mPa・sがさらに好ましい。
<液状食品のTI値>
TI値とは、チキソトロピーインデックスを意味し、液状食品のチキソトロピーの指標となる数値である。TI値は、B形粘度計にて、6rpm及び60rpmでそれぞれ測定して得られた液状食品のTI値の比である。すなわち、TI値=(6rpmで測定した液状食品の粘度値)/(60rpmで測定した液状食品の粘度値)で算出できる。TI値が大きいほど、液状食品のチキソトロピー性が高いということになり、静置させたときの保形性が高く、なおかつ液体としての流動性が高いことを意味する。したがって、本願発明のたれやソースを食材のかける際に、流動性が高く、液だれすることなく作業性に優れ、なおかつ食材上での染み込み防止及び保形性に富むといえる。工業的にも、容器に充填する際の作業性が向上するという点において優れる。かかる観点より、TI値は3以上であることが好ましい。上限は、6以下であることが好ましい。3以上とすることで流動性や液だれ性が良くなり、6以下とすることで染み込み性や色の保持性、味が悪化することもない。
<液状食品のpH>
本願発明の液状食品のpHは、6以下であることが好ましい。pHは、pH計(HORIBA製、D−50)を用いて測定することができる。本願発明におけるセルロース複合体は、酸性下にて強固なネットワーク構造を形成することにより、優れた耐酸安定性の効果を発揮するものである。より好ましくは、pHが3〜4.5の範囲である。
本願発明を、以下の実施例により説明する。ただし、これらは本願発明の範囲を制限するものではない。
1.セルロース複合体の体積平均粒子径
(1)セルロース複合体を、1質量%濃度の水分散液とし、高せん断ホモジナイザー(日本精機(株)製、エクセルオートホモジナイザーED−7、処理条件;15,000rpmを5分間)を用いてイオン交換水に分散させた。
(2)得られた水分散液を、レーザー回折法(堀場製作所(株)製、LA−910、前処理として超音波処理を1分、屈折率1.20)で粒度分布を測定した。ここで得られた体積頻度粒度分布における、積算50%の粒子径を体積平均粒子径とした。
2.セルロース複合体のコロイド状セルロース成分含有率
(1)セルロース複合体の1質量%濃度の水分散液を上記1.(1)と同様にして作成した。
(2)次に、遠心分離した。(久保田商事(株)製、6800型遠心分離機、ロータータイプRA−400、処理条件:遠心力2,000rpm(5600G、Gは重力加速度)×15分間、仕込量:50g(遠沈管))
(3)遠心分離後の上澄み液をガラス製秤量瓶に導入し、60℃で15時間、その後105℃で2時間乾燥し、デシケーター内で恒量した後、重量を測定した。また、別途、未遠心の水分散体も同様に乾燥し、重量を測定した。それらの結果から、上澄みに残存するセルロース固形分の質量百分率を、以下の式より求めた。
セルロース成分含有率=(上澄み50gの固形分)/(未遠心50g中の固形分)×100
3.セルロース複合体の貯蔵弾性率の測定方法
(1)セルロース複合体の1.8量%濃度の水分散液を上記1.(1)と同様にして作成した。
(2)その分散液と、0.2MでpH4のMcllvaine緩衝液(0.2Mのリン酸水素二ナトリウムと0.1Mのクエン酸の水溶液)とを混合して、セルロース複合体の濃度を1.0質量%(全量300g、イオン濃度0.06mol/L、pH4)に調整した後、得られた水分散体を3日間室温で静置させた。
(3)この水分散体の応力のひずみ依存性を、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARES100FRTN1型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25.0℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引)により測定した。得られた歪み−応力曲線において、歪み20%の値をセルロース複合体の貯蔵弾性率として用いた。
4.セルロースの粒子形状
セルロース複合体を、1質量%濃度で水分散液を作成したものを、イオン交換水で0.1質量%に希釈した。これをスポイドで、マイカ上に1滴キャストした。エアダスターにて余分な水を吹き飛ばして風乾させ、サンプルを調製した。原子間力顕微鏡(Digital Instruments社製、Nano ScopeIV MM、スキャナーEV、測定モードTapping、プローブNCH型シリコン単結晶プローブ)で計測された画像をもとに、長径(L)が2μm以下の粒子の形状から、長径(L)と短径(D)を求め、その比(L/D)をセルロース粒子の形状とした。100〜150個の粒子の平均値を算出した。
5.懸濁安定性の評価方法
液状食品中の懸濁安定性について、以下の指標に基づき目視により判定した。
◎(優):分離、凝集、沈降の発生なし、○(良):分離、凝集、沈降が一部で発生、△(可):分離、凝集、沈降が部分的に発生、×(不可):分離、凝集、沈降が全面に激しく発生。
6.粘度
液状食品の粘度を測定した。粘度計(東機産業(株)製、TVB−10形粘度計)を用いて、以下の条件で選択したローターを試作した液体中に差込み、1分間静置した後に30秒間回転させたときの値を測定した。回転数は、6rpm及び60rpmで測定した。
7.TI値
流動性、液だれ性の指標として、液状食品の粘度を測定して、TI値を算出した。上記で測定した6rpm及び60rpmでの液状食品の粘度の値の比を、TI=(6rpmで測定した粘度値)/(60rpmで測定した粘度値)として算出した。
8.pH
液状食品のpHは、以下に調製した。
ブルーベリーソース:pH3.6
トマトソース:pH4.3
9.染み込み性
市販の食パン(山崎製パン(株)、超芳醇、5枚切り)を縦横それぞれ2等分にして1枚を4等分にカットした。その上に、丸型(半径20mm)の枠を置き、その中に2gの液状食品を流し入れ、丸型を外してそのまま室温にて1時間静置させた。1時間後に、対角線上に食パンをカットして、食パン表面からの液状食品の染み込みの深さを計測し、以下の指標に基づき判断した。
◎(優):パンへの染み込みがない、又は0.5mm以内○(良):パンへの染み込みが僅かで、0.5〜1mm以内、△(可):パンへの染み込みが1〜2mmの範囲内で見られる、×(不可):パンへの染み込みが激しく、2mm以上染み込んでいる
10.耐熱保形性
市販の冷凍パイシート((株)アクリフーズ、バターが香るパイシート)を3等分にし、その上に丸型の枠(半径20mm)を置いて、液状食品を5g流し込み、あらかじめ予熱したオーブンに入れて、200℃で10分間加熱した。このときの焼成後のソースの耐熱保形性(焼きだれ)について評価した。評価は、焼成前及び焼成後を真上から写真撮影し、その面積を比較して、焼成後の面積変化(焼きだれ)について、以下の指標に基づき判断した。焼成前及び焼成後の面積値を求め、(焼成後の面積)/(焼成前の面積−焼成後の面積)×100(%)で面積変化率の絶対値を算出した。焼成前と比較して、焼成後は、焼きだれして面積が広がる場合と、液がシュリンクして面積が狭まる場合があるため、絶対値で比較した。
◎(優):面積変化率が10%以内で焼成前の形状を維持している、○(良):面積変化率が10〜20%で若干の焼きだれ・シュリンクはあるが、ほぼ焼成前の成形性を維持している、△(可):面積変化率が20〜40%で焼きだれ・シュリンクが全面に発生し、焼成前の形状とはやや異なる、×(不可):面積変化率が40%以上で焼きだれ・シュリンクが発生し、焼成前の形状とは大きく異なる
11.色の保持
上記の耐熱保形性と同様にして、市販の冷凍パイシート上に丸型を置いて液状食品を2g流し込み、あらかじめ予熱した200℃のオーブンで10分間加熱した。焼成後のソースの色について、10人のパネラーに、焼成前と比較した色の変化について、1〜5段階で点数をつけてもらった。そのうち、一番高い点数と低い点数を一人ずつ除外し、8人の点数の平均値を採用した。点数は最高点を5点とし、以下4、3、2、1として点数をつけてもらった。評価の基準は、それぞれ焼成前の色を5点とし、焼成後の色の変化について、変化なしを5点とし、以下、変色・退色がわずかに認められるものを4点、部分的に変色・退色が認められるものを3点、全体的にやや変色・退色が認められるものを2点、全体的に、大部分が変色・退色が認められるものを1点として点数をつけてもらった。
12.官能評価
液状食品を、年齢や性別の異なる10人のパネラーがブラインドで試食して評価を行い、1〜5段階で点数をつけてもらった。そのうち、一番高い点数と低い点数を一人ずつ除外し、8人の点数の平均値を採用した。点数は最高点を5点とし、以下4、3、2、1として点数をつけてもらった。評価の基準は、「味がおいしい」、「素材の味が生きている」、「素材の風味が生きている」、「喉越しがよい」という4つの観点から総合的に判断してもらった。どれも際立って優れているものを5点、以下、4項目のうちいずれか1項目にて物足りなさを感じた場合は4点、2項目にて物足りなさを感じたら3点、3項目全てにて物足りなさを感じたら2点、すべてにおいて物足りなさを感じたら1点として、それぞれ点数をつけてもらった。
13.セルロース複合体の構造:セルロースからの親水性ガムの広がりの観察
(1)セルロース複合体を、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間、全量300g)を用いて純水中に分散させ、1.0質量%の純水分散体を調製した。
(2)上記水分散体と、0.2MでpH3.5のMcllvaine緩衝液(0.2Mのリン酸水素二ナトリウムと、0.1Mのクエン酸の水溶液)とを混合して、セルロース複合体の濃度を0.5質量%(イオン濃度0.06mol/l、pH4.0)に調製した後、純水でセルロース複合体の濃度を0.1質量%に希釈した。
(3)(1)及び(2)で得られた水分散体を、3日間以上、室温で静置した。水分散体の微細構造を壊さないよう、スポイトを使用して、5μlをゆっくりと吸出し、1cm×1cmの壁開されたマイカ上に、ゆっくり滴下し、エアダスターで余分な水分を吹き飛ばし、マイカ上に定着したサンプルを、AFM(島津製作所製 走査型プローブ顕微鏡SPM−9700、位相モード、オリンパス社製プローブOMCL−AC240TSを使用)にて、観察した。
(実施例1)
市販DPパルプを裁断後、2.5mol/L塩酸中で105℃、15分間加水分解した後、水洗・濾過を行い、固形分が50質量%のウェットケーキ状のセルロース(MCC)を作製した(平均重合度は220であった)。
次に、ウエットケーキ状のMCC、PSG((株)MRCポリサッカライド製、PG020、1質量%溶解液の粘度40mPa・s)、CMC−Na(第一工業製薬(株)、F−7A、1%溶解液の粘度11mPa・s)を用意し、プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)にMCC/PSG/CMC−Naの質量比が90/5/5となるように投入し、固形分45質量%となるように加水した。
その後、126rpmで混練し、セルロース複合体Aを得た。混練エネルギーは、プラネタリーミキサーの混練時間により制御され、実測値は、0.6kWh/kgであった。混練温度は、熱伝対を用いて、混練物の温度が直接測定され、混練を通して20〜60℃、到達温度は50〜60℃であった。
得られたセルロース複合化物Aの貯蔵弾性率(G’)は0.48Paであった。また、セルロース複合体Aの体積平均粒子径は6.2μmであり、コロイド状セルロース成分の含有率は55質量%、粒子L/Dは1.6であった。
また、AFMの観察像において、セルロース粒子は高さ2nm以上の棒状粒子として観察され、イオン交換水(中性)で調製した水分散体(図3)及びpH4に調製した水分散体(図4)のいずれにおいても、そのセルロース粒子から周囲に放射状に伸びる高さ2nm未満の親水性ガムが観察された。
このセルロース複合体Aを用いて次のようにしてブルーベリーソースを作成した。
市販の冷凍ブルーベリー((株)マルハニチロ食品)を自然解凍した後、80℃で30分間加熱殺菌して準備した。水と果糖ぶどう糖液糖(日本食品加工(株)、フジフラクトH−100)を40質量%をTKホモミクサ(特殊機化工業(株)製、MARKII)で攪拌しながら60℃に加熱した後、グラニュー糖(大日本明治製糖(株)ばら印のグラニュ糖)5質量%及びセルロース複合体A0.5質量%をあらかじめ粉混合したものを添加し、さらに60℃で攪拌しながら分散させた。この分散液中に加熱殺菌したブルーベリー40質量%を添加して、80℃に加熱しながらさらに攪拌させた。これを容器に入れて室温にて放冷した後、冷蔵庫に入れて5℃下で保存した。
5℃下で1週間保存した後、評価を実施した。評価項目は、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について実施した。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
市販DPパルプを裁断後、実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し(平均重合度は220)、MCC/PSG/CMC−Naとの質量比が90/3/7、固形分40質量%の条件でセルロース水分散体を調製した。このセルロース水分散体を、実施例1と同様の装置で混練し、セルロース複合体Bを得た。混練エネルギーは、0.1kWh/kgであった。混練温度は、実施例1と同様に測定され、混練を通して20〜60℃、到達温度は50〜60℃であった。
貯蔵弾性率(G’)は0.2Pa、体積平均粒子径は6.8μm、コロイド状セルロース成分は45質量%、粒子L/Dは2.0であった。
また、このセルロース複合体Bを用いて実施例1と同様にして、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
市販DPパルプを裁断後、実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し(平均重合度は220)、MCC/PSG/GLG(CPケルコ製、ケルコゲル、Lot070628、1質量%溶解液の粘度1222mPa・s)との質量比が90/9/1となるよう秤量し、固形分が49.5質量%となるように加水した後、プラネタリーミキサーで混練して、セルロース複合体Cを得た。混練エネルギーは、0.5kWh/kgであった。混練温度は、実施例1と同様に測定され、混練を通して20〜60℃、到達温度は50〜60℃であった。
得られたセルロース複合化物Cの貯蔵弾性率(G’)は0.18Pa、体積平均粒子径は7.5μm、コロイド状セルロース成分は53質量%、粒子L/Dは1.6であった。
また、このセルロース複合体Cを用いて実施例1と同様にして、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
市販DPパルプを裁断後、実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し(平均重合度は220)、MCC/PSG/CMC−Naとの質量比が50/25/25となるよう秤量し、固形分49質量%となるように加水し、プラネタリーミキサーで混練して、セルロース複合体Dを得た。混練エネルギーは、0.6kWh/kgであった。混練温度は、実施例1と同様に測定され、混練を通して20〜60℃、到達温度は50〜60℃であった。
貯蔵弾性率(G’)は0.2Pa、体積平均粒子径は5.8μm、コロイド状セルロース成分は36質量%、粒子L/Dは1.6であった。
また、このセルロース複合体Dを用いて実施例1と同様にして、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
市販DPパルプを裁断後、実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し(平均重合度は220)、MCC/PSG/ARG−Na((株)キミカ製、キミカアルギン SKAT−UVL、1%溶解液の粘度4.1mPa・s)との質量比が95/2.5/2.5、となるよう秤量し、固形分45質量%となるように加水し、プラネタリーミキサーで混練して、セルロース複合体Eを得た。混練エネルギーは、0.6kWh/kgであった。混練温度は、実施例1と同様に測定され、混練を通して20〜60℃、到達温度は50〜60℃であった。
貯蔵弾性率(G’)は0.5Pa、体積平均粒子径は7.8μm、コロイド状セルロース成分は43質量%、粒子L/Dは1.6であった。
また、このセルロース複合体Eを用いて実施例1と同様にして、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(実施例6)
市販DPパルプを裁断後、実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し(平均重合度は220)、MCC/PSGとの質量比が90/10、となるよう秤量し、固形分45質量%となるように加水し、プラネタリーミキサーで混練して、セルロース複合体Fを得た。混練エネルギーは、0.5kWh/kgであった。混練温度は、実施例1と同様に測定され、混練を通して20〜60℃、到達温度は50〜60℃であった。
貯蔵弾性率(G’)は0.15Paで、体積平均粒子径は7.4μm、コロイド状セルロース成分は56質量%、粒子L/Dは1.6であった。
また、このセルロース複合体Fを用いて実施例1と同様にして、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(実施例7)
市販DPパルプを裁断後、実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し(平均重合度は220)、MCC/PSG/LMP(ユニテックフーズ(株)製、LNSN325)との質量比が90/5/5なるよう秤量し、固形分45質量%となるように加水し、プラネタリーミキサーで混練して、セルロース複合体Gを得た。混練エネルギーは、0.5kWh/kgであった。混練温度は、実施例1と同様に測定され、混練を通して20〜60℃、到達温度は50〜60℃であった。
貯蔵弾性率(G’)は0.17Paで、体積平均粒子径は7.2μm、コロイド状セルロース成分は54質量%、粒子L/Dは1.6であった。
また、このセルロース複合体Gを用いて実施例1と同様にして、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1と同様にしてセルロース複合体Aを得た。このセルロース複合体A分散液を、全量に対して0.1質量%となるよう添加して実施例1と同様にしてブルーベリーソースを作成した。このソースについて、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1と同様にしてセルロース複合体Aを得た。このセルロース複合体A分散液を、全量に対して0.2質量%となるよう添加して実施例1と同様にしてブルーベリーソースを作成した。このソースについて、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1と同様にしてセルロース複合体Aを得た。このセルロース複合体A分散液を全量に対して3.0質量%となるよう添加して実施例1と同様にしてブルーベリーソースを作成した。このソースについて、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例1と同様にしてセルロース複合体Aを得た。このセルロース複合体Aを添加して、トマトソースを作成した。玉ねぎのみじんぎり20質量%、にんにくのみじんぎり0.5質量%を用意し、耐熱容器に入れて、電子レンジ(500W)で2分間加熱した。これに、2cmの角切りにしたトマト80質量%及び塩を0.3質量%、ドライハーブミックス、こしょう各0.01質量%を入れてスプーンで混ぜ合わせ、さらに電子レンジで約5分間加熱した。これに、セルロース複合体A0.5質量%を添加し、残りはイオン交換水でメスアップした。これらを、スリーワンモーター(新東科学(株)、BL600型)で5分間攪拌させて、トマトソースを作成した。
このトマトソースについて、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例1と同様にしてセルロース複合体Aを得た。このセルロース複合体Aを全量に対して0.5質量%及びグアガムを0.5質量%添加して実施例1と同様にしてブルーベリーソースを作成した。このソースについて、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(実施例13)
実施例1と同様にしてセルロース複合体Aを得た。このセルロース複合体Aを全量に対して0.3質量%及びグアガムを0.2質量%添加して実施例1と同様にしてブルーベリーソースを作成した。このソースについて、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(実施例14)
実施例1と同様にしてセルロース複合体Aを得た。このセルロース複合体Aを全量に対して0.3質量%及びキサンタンガムを0.2質量%添加して実施例1と同様にしてブルーベリーソースを作成した。このソースについて、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(実施例15)
実施例1と同様にしてセルロース複合体Aを得た。このセルロース複合体Aを全量に対して0.3質量%及びネイティブジェランガムを0.05質量%添加して実施例1と同様にしてブルーベリーソースを作成した。このソースについて、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
市販DPパルプを裁断後、実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し(平均重合度は220)、MCC/PSG/CMC−Naとの質量比が80/0/20となるよう秤量し、固形分45質量%となるように加水し、プラネタリーミキサーで混練して、セルロース複合体Hを得た。混練エネルギーは0.5kWh/kgであり、混練温度は、実施例1と同様に測定され、混練を通して20〜60℃、到達温度は50〜60℃であった。
セルロース複合体Hの貯蔵弾性率(G’)は0.02Pa、体積平均粒子径は8.8μm、コロイド状セルロース成分は35質量%、粒子L/Dは1.6であった。
また、このセルロース複合体Hを用いて実施例1と同様にして、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表3に示す。
(比較例2)
市販DPパルプを裁断後、比較例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し(平均重合度は220)、MCC/PSG/CMC−Naとの質量比が90/5/5となるよう秤量し、固形分28質量%となるように加水し、プラネタリーミキサーで混練して、セルロース複合体Iを得た。混練エネルギーは0.04kWh/kgであり、混練温度は、実施例1と同様に測定され、混練を通して20〜60℃、到達温度は50〜60℃であった。
セルロース複合体Iの貯蔵弾性率(G’)は0.01Pa、体積平均粒子径は13.5μm、コロイド状セルロース成分は28質量%、粒子L/Dは2.4であった。
また、このセルロース複合体Iを用いて実施例1と同様にして、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表3に示す。
(比較例3)
市販DPパルプを裁断後、10質量%塩酸中で105℃、20分間加水分解して得られた酸不溶性残渣をろ過、洗浄した後、固形分10質量%のセルロース水分散体を調製した(平均重合度は200であった)。この加水分解セルロースの平均粒径は17μmであった。このセルロース水分散体を媒体攪拌湿式粉砕装置(コトブキ技研工業株式会社製アペックスミル、AM−1型)で、媒体として直径1mmφのジルコニアビーズを用いて、攪拌翼回転数1800rpm、セルロース水分散体の供給量0.4L/minの条件にて2回通過で粉砕処理を行い、微細セルロースのペースト状物を得た。
ペースト状微細セルロース/PSG/CMC−Na(置換度0.90、粘度7mPa・s)との質量比が80/0/20、となるよう秤量し、総固形分濃度が11質量%となるよう純水で調製し、TKホモミキサー(特殊機化工業(株)製、MARKII)を用いて8,000rpmで20分間分散してペースト状水分散体を調製した(アペックスミルと、TKホモジナイザーの消費電力と処理量から混練エネルギーを算出したところ、0.03kWh/kgであった。混練温度は、実施例1と同様に測定され、混練を通して20〜60℃、到達温度は50〜60℃であった)。
この水分散体を、ドラムドライヤー(楠木機械製作所(株)製、KDD−1型)で、水蒸気圧力2Kg/cm2、回転数0.6rpmで乾燥し、スクレーパーで掻き取り出し、フラッシュミル(不二パウダル(株)製)で粗砕し、薄片状、鱗片状のセルロース複合体Jを得た。混練エネルギーは0.03kWh/kgであり、セルロース複合体Jの貯蔵弾性率(G’)は0.01Pa、体積平均粒子径は3.4μm、コロイド状セルロース成分は40質量%、粒子L/Dは2.4であった。
また、このセルロース複合体Jを用いて実施例1と同様にして、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表3に示す。
(比較例4)
市販のDPパルプを裁断後、10質量%の塩酸中で105℃、20分間、加水分解して得られた酸不溶性残渣をろ過、洗浄して水分60質量%のウェットケーキ状のセルロース(平均重合度は200)を得た。固形分45質量%となるように加水し、これを実施例1と同様の条件で、プラネタリーミキサーにて2時間処理を行った。この摩砕処理物に、水を加え、固形分を7質量%として、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させた。その後に、2500Gの遠心力で、10分間遠心分離し、上層部として、固形分4質量%のMCC水分散体を得た。
次に、MCC水分散体に、PSGとCMC−Naを、実施例1の組成になるように仕込み、プロペラ式攪拌機を用いて、均一混合し、水分散体を調製した(この際の固形分は4〜5質量%)。この水分散体を、ドラムドライヤー((株)楠木機械製作所製KDD−1型)で、ドラム表面をシリコーン離型剤で処理した後、水蒸気圧力0.12MPa、回転数1.0rpmで乾燥してフィルム状のセルロース複合体Kを得た。
混練エネルギーは、総量として0.01kWh/kgであった(プラネタリーミキサーが0.01kWh/kgであり、その他は総量としても0.005kWh/kg未満であった)。親水性ガムとの共存下での、混練温度(プロペラ攪拌)は、実施例1と同様に測定され、混練を通して20〜60℃、到達温度は50〜60℃であった。
体積平均粒子径は3.5μm、コロイド状セルロース成分は72質量%粒子L/Dは1.6であった(体積平均粒子径の測定で得られた粒度分布における10μm以上の粒子の割合は2.5%であった)。実施例1と同様の操作で、貯蔵弾性率を測定した結果、0.01Paであった。
また、このセルロース複合体Kを用いて実施例1と同様にして、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表3に示す。
比較例4は、セルロースに与えた混練エネルギーとしては、本願発明の好ましい範囲に入るものであるが、混練エネルギーの大部分を占めるプラネタリーミキサーの処理において、PSG、CMC−Naが存在しなかったため、MCCとPSG、CMC−Naの複合化が促進されないため、貯蔵弾性率は低かった。故に、作成したブルーベリーソースは、懸濁安定性や耐熱保形性、官能評価において、本願発明の範囲を外れたと考えられる。
(比較例5)
市販木材パルプ(平均重合度=1720、α−セルロース含有量=78質量%)を、6×16mm角の矩形に裁断し、固形分濃度が80質量%になるように水を加えた。これを、水とパルプチップができるだけ分離しないよう注意して、カッターミル(カッティングヘッド/水平刃間隙:2.03mm、インペラー回転数:3600rpm)に1回通した。セルロース濃度が1.5質量%になるように、カッターミル処理品と水を量り取り、繊維の絡みがなくなるまで撹拌した。この水分散体を砥石回転型粉砕機(グラインダー回転数:1800rpm)で処理した。処理回数は2回で、グラインダークリアランスを110→80μmと変えて処理した。ついで得られた水分散体をそのまま高圧ホモジナイザー(処理圧力:55MPa)で18パスし、セルローススラリーを得た。走査型電子顕微鏡で観察したところ、長径/短径比が30〜300のきわめて微細な繊維状のセルロースが観察された。
上記で得られた微細な繊維状セルロースのスラリーに、セルロース:カルボキシメチルセルロース・ナトリウム(水溶性ガム):デキストリン(親水性物質)=70:18:12(質量部)となるように、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム(1質量%水溶液粘度:約3400mPa・s)とデキストリン(DE:約23)を添加し、15kgをTKホモジナイザーで、8000rpmで30分間撹拌・混合し、セルロース混合液を得た。次いで、この混合液をアプリケータにより厚さ2mmでアルミニウム板状にキャストし、熱風乾燥機を使用し、120℃で45分間乾燥してフィルムを得た。これをカッターミル(不二パウダル株式会社製)で、目開き1mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕し、セルロース乾燥組成物を得た。
次に、セルロース乾燥組成物:サイリウムシードガム(実施例1と同じもの。親水性ガム)を9:1の質量比で含有する安定剤を調製する。固形分が1質量%の水分散体となるように安定剤と水を量り取り、TKホモミキサーを使用して、8000rpmで10分間分散し、セルロース組成物L(混ぜ合わされただけで、複合体ではない)を得た。混練エネルギー(T.K.ホモによる攪拌エネルギー)は、総量として0.005kWh/kg未満であった。親水性ガムとの共存下における混練(TKホモミキサーによる攪拌)温度は、実施例1と同様に測定され、混練を通して20〜60℃、到達温度は50〜60℃であった。
体積平均粒子径は37.9μm、コロイド状セルロース成分は75質量%であった。こうして作成した微細繊維状セルロースLを用いて実施例1と同様にして、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表3に示す。
微細繊維状セルロース組成物Lは、粒子形状が非常に細長く、G’やTI値が高すぎるため、食した際の喉越しが悪いものとなった。また、その形状ゆえに、液状食品中に添加すると、粗いネットワーク構造を形成するため、色の保持や染み込み性においても悪いものとなった。
(比較例6)
市販DPパルプを裁断後、比較例1と同様にして、セルロース複合体Hを得た。このセルロース複合体Hを用いて、実施例10と同様にしてトマトソースを作成した。懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表3に示す。
(比較例7)
比較例1と同様にして、セルロース複合体の代わりにグアガム(ユニテックフーズ(株)製、GHK175)0.5質量%を添加して、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表4に示す。
(比較例8)
比較例6と同様にして、ネイティブジェランガム(三栄源FFI(株)製、ケルコゲルHM)を0.06質量%添加して、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表4に示す。
(比較例9)
比較例1と同様にグアガム0.3質量%及びラムダタイプのカラギナン(三栄源FFI(株)製、商品名カラギニンCSL1)0.1質量%を添加して、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表4に示す。
(比較例10)
比較例6と同様にして、乳酸モノグリセリド(HLB7)を0.3質量%、グリセリン脂肪酸モノエステル(HLB4.3)を0.5質量%、LMペクチン(ユニテックフーズ(株)、商品名ユニペクチンLMSN325)を1質量%、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB5)を0.3質量部添加してブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表4に示す。
(比較例11)
比較例6と同様にして、発酵セルロース(三栄源FFI(株)製、商品名サンアーティストPX)を0.2質量%添加して、ブルーベリーソースを作成し、懸濁安定性、液だれの防止性として粘度、TI値、染み込み性、耐熱保形性、色の保持及び官能評価について評価した。結果を表4に示す。
〔粘弾性測定の評価〕
セルロース複合体A(実施例1)と、セルロース複合体J(比較例3)の粘弾性測定の結果を図1、2に示す。
図1から、セルロース複合体Aは、純水分散体と比較して、酸性の水分散体における歪み20%付近の貯蔵弾性率が高いことが分かる(純水:0.02Pa→pH4:0.58Pa)。また、図2から、セルロース複合体J(特許文献3の実施例に準拠した製法で得られたセルロース複合体)は、純水分散体と比較して、酸性の水分散体における歪み20%付近の貯蔵弾性率が低いことが分かる(純水:0.24Pa→pH4:0.01Pa)。
通常のエネルギーで混練したセルロース複合体では、酸性での貯蔵弾性率は純水中に比べて低下し、懸濁安定性が低くなる。それに対して、高いエネルギーで混練したセルロース複合体では、酸性での貯蔵弾性率が上昇し、懸濁安定性が向上することがわかる。



本願発明は、耐酸安定性に優れるセルロース複合体を、果実及び/又は野菜を含有する液状食品に含有させることにより、懸濁安定性、容器から取り出す際の流動性に優れ、かつ、パンや生地などから液だれしにくく、食材等への染み込みがなく、焼成時の耐熱保形性及び色を保持させることができるため、商品価値を高めるのに有用である。

Claims (6)

  1. セルロース及び親水性ガムを含むセルロース複合体であって、該セルロース複合体を1質量%含むpH4の水分散体において貯蔵弾性率(G’)が0.06Pa以上である上記セルロース複合体と、果実及び/又は野菜とを含有する、液状食品。
  2. 前記セルロース複合体が、セルロースを50〜99質量%及び親水性ガムを1〜50質量%含む、請求項1に記載の液状食品。
  3. 前記親水性ガムが、サイリウムシードガムである、請求項1又は2に記載の液状食品。
  4. 前記セルロース複合体が、さらに前記親水性ガムとは異なる水溶性ガムを含み、該親水性ガムと該水溶性ガムとの質量比が30/70〜99/1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液状食品。
  5. 前記水溶性ガムが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、LMペクチン、アルギン酸ナトリウム、及びジェランガムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の液状食品。
  6. pHが6以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の液状食品。
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