JP2013063650A - インモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な厚み精度を得るために延伸を行っても、大変形を伴うインモールド成型が可能なポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】120℃における破断伸度が350%〜500%、破断応力が10MPa〜30MPaであり、厚み斑が5%以下であることを特徴とするインモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム。ポリエステルフィルムが、全グリコール成分に対してジエチレングリコール残渣を4〜15mol%含有するポリエチレンテレフタレート(A)と非晶性ポリエステル(B)との積層フィルムからなる前記のインモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明はインモールド成型用ポリエステルフィルムに関し、さらに詳しくは印刷を施されたフィルムが成型品と一体となって残る場合に有用なインモールド成型用ポリエステルフィルムに関する。
印刷を施したフィルムを金型にインサートして射出成型と同時に加飾するインモールド成型が、低コストで美麗な装飾が可能なことから、自動車の内装部品や、電子機器などの筐体などに広く使用されるようになっている。インモールド成型には大きく分けて2種類の方式があり、1つは射出成型後フィルムを剥離してしまう方法で、今1つは射出成型後フィルムが成型品と一体となって残る方法である。前者の方法では耐熱性、寸法安定性、印刷性、厚み精度が高く、安価であることからポリエステルの延伸フィルムが広く使用されているが、後者の方法の場合、複雑な3次元形状に追従する必要があり、成型加工性が非常に高いアクリルフィルムが使用されている。一方で、アクリルフィルムは厚み精度が劣り、成型後不要な部分がバリとなるなどの問題があり、これに変わるフィルムの開発が望まれている。
たとえば、特許文献1には、100℃における破断伸度が200〜600%、破断応力が3〜30MPaであるインモールド成形用ポリエステルフィルムが開示されているが、実施例には100℃における破断伸度が350%以上、破断応力が30MPa以下となる例はなく、アクリルフィルムの代替としては成型加工性が不十分であった。
特許文献2には、伸長剤を含有し、120℃の雰囲気下、400%伸長時の応力が、2〜20MPaの範囲であるポリエステルフィルムが開示されているが、未延伸フィルムであるため、十分な厚み精度が得られないものであった。
特開2006−281732号公報 特開2010−70581号公報
本発明は、十分な厚み精度を得るために延伸を行っても、大変形を伴うインモールド成型が可能なポリエステルフィルムを提供しようとするものである。
本発明者らは前記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の範囲の120℃における破断伸度、破断応力を有するポリエステルフィルムを用いることにより上記課題を解決できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)120℃における破断伸度が350%〜500%、破断応力が10MPa〜30MPaであり、厚み斑が5%以下であることを特徴とするインモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム。
(2)ポリエステルフィルムが、全グリコール成分に対してジエチレングリコール残渣を4〜15mol%含有するポリエチレンテレフタレート(A)と非晶性ポリエステル(B)との積層フィルムからなることを特徴とする(1)記載のインモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム。
(3)(A)が酸化防止剤を0.1〜1質量%含有することを特徴する(1)または(2)記載のインモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム。
(4)(A)がゲルマニウム触媒により重合されたことを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載のインモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム。
(5)二軸延伸の面倍率が9.0倍〜12.3倍であることを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載のインモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム。
本発明によれば、アクリルフィルムより低コストで、厚み精度がよく、バリなどの発生が少ないため美麗な装飾を施したインモールド成型が可能となる。
本発明のポリエステルフィルムは、120℃における破断伸度が350%〜500%、破断応力が10MPa〜30MPaであることが必要である。120℃における破断伸度が370%〜500%、破断応力が10MPa〜25MPaであることが好ましい。120℃における破断伸度が400%〜500%、破断応力が10MPa〜20MPaであることがさらに好ましい。
120℃における破断伸度が350%未満の場合、インモールド成型を施したときにフィルムが追従せず割れたりして成型品の美観を損ねる。
厚み精度を得るためにポリエステルを面倍率9.0倍以上に延伸した延伸フィルムでは、120℃における破断伸度が500%を超えるものを得るのは困難なため、上限は500%である。
120℃における破断応力が10MPa未満の場合、インモールド成型を施したときにフィルムが破断したりして成型品の美観を損ねることがある。
120℃における破断応力が30MPaを越える場合、インモールド成型を施したときに金型の隅々まで射出された樹脂が行きわたらず、得られた成型品の形状が不良となりやすい。
本発明のポリエステルフィルムの厚み斑は5%以下であることが必要である。好ましくは4%以下である。厚み斑の測定方法は後述する。
厚み斑が5%を超える場合、インモールド成型を施したときに、変形斑を生じて印刷されたデザインに歪が生じて美観を損なうことになる。
厚み斑を5%以下とするためには、ポリエステルフィルムは二軸延伸されたものであることが必要である。ポリエステルフィルムを二軸延伸する方法は逐次二軸延伸法や、テンター式同時二軸延伸法、インフレーション式同時二軸延伸法など、公知の技術の範囲内で選択可能であるが、その際適用される二軸延伸の面倍率の範囲は厚み斑や120℃における破断伸度を達成するために、9.0倍〜12.3倍にするのが好ましく、9.7倍〜10.0倍にするのがさらに好ましい。二軸延伸の面倍率を12.3倍以上とした場合120℃における破断伸度を350%以上とするのは困難であり、9.0倍未満とした場合、厚み斑を5%以下とするのが困難である。
また、縦方向と横方向の延伸倍率の比は0.8〜1.2とするのが好ましい。この範囲を外れると120℃における破断伸度、破断応力の異方性が大きくなり、インモールド成型を施したときに、変形斑を生じて印刷されたデザインに歪が生じて美観を損なうことになる。
二軸延伸は、ポリエステルのガラス転移温度(Tg)より高い温度で行われるが、厚み斑が5%以下となる限りにおいて、できるだけ高くするのが120℃における破断伸度を高くできる点で好ましい。延伸温度がTg+30℃を超えると厚み斑を5%以下とするのが困難になる。
本発明のポリエステルフィルムの乾熱収縮率は−0.5〜1.0%が好ましくさらに好ましくは−0.3〜0.5%である。160℃15分間処理したときの値である。MD方向、TD方向ともに上記範囲にあるのが好ましい。上記範囲を外れると、インモールド成型を施したときに、変形斑を生じて印刷されたデザインに歪が生じて美観を損なうことになる。
本発明のポリエステルフィルムは、全グリコール成分に対してジエチレングリコール残渣を4〜15mol%含有するポリエチレンテレフタレート(A)と非晶性ポリエステル樹脂層(B)とを少なくとも一層ずつ積層することが好ましい。ジエチレングリコール残渣は6〜12mol%含有するのがさらに好ましい。
全グリコール成分に対してジエチレングリコール残渣が4mol%未満の場合、120℃における破断伸度が350%を超えるのが困難になる。ジエチレングリコール残渣が15mol%を超える場合、熱安定性が低く製膜時に熱分解ガスにより発泡することがある。
本発明のポリエステルフィルムは、熱安定性改善のため、酸化防止剤を含有していることが好ましい。中でもポリエチレンテレフタレート(A)が酸化防止剤を0.1〜1質量%含有するのが好ましい。酸化防止剤により気泡の発生が抑えられるため、結果としてフィルムの破断伸度が高くなり、ジエチレングリコール残渣の上限を高くすることができる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好適に使用できる。たとえば、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニリレン−ジ−フォスフォナイト、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)プロピオネート等が挙げられる。
これらのヒンダードフェノール系酸化防止剤の中で、特に、ポリエチレンテレフタレート(A)に使用する場合には、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−チル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)ベンゼンおよびペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]からなる群より選択された少なく1種の化合物が好ましい。
また、本発明のポリエチレンテレフタレート(A)は、公知の重合触媒を用いて重合することができるが、ゲルマニウム触媒を用いるのが好ましい。ゲルマニウム触媒を用いると重合されたポリエステルの結晶性が低くなるため、120℃における破断伸度が高くなる傾向がある。
さらに、本発明のポリエチレンテレフタレート(A)は、本発明の効果を妨げない範囲で他のモノマーを共重合しても良い。たとえば、酸成分としてイソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンや乳酸などが挙げられる。
また、アルコール成分としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等が挙げられる。
さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3官能化合物等を少量用いてもよい。これらの共重合成分は2種以上併用してもよい。
本発明の非晶性ポリエステル(B)は、実質的に結晶性を示さないポリエステル樹脂のことを指す。すなわちガラス転移温度から融点までの任意の温度領域においてその樹脂を20時間以上放置した際に、結晶化度が5%以下の樹脂のことをいう。このような非晶性ポリエステル樹脂として例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート樹脂またはポリ−エチレンー2,6−ナフタレートなどのポリアルキレン−2,6−ナフタレート樹脂などを酸変性、および/またはジオール変性した非晶性共重合ポリエステルが好ましい。結晶化度は、結晶部のX線回折強度と非晶部のX線回折強度から求めたものである。
共重合に用いられる酸変性成分としては、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などのジカルボン酸や、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン、乳酸などのオキシカルボン酸や、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多官能化合物などが挙げられる。これらの酸変性成分は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、共重合に用いられるジオール変性成分として、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,6−へキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体などのグリコールや、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物などが挙げられる。これらのジオール変性成分は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
このような非晶性ポリエステル(B)の中でも、耐熱性、力学的特性、透明性などの観点から、テレフタル酸を主とする二塩基酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノールを10〜70モル%含むジオール成分とからなるポリエステル樹脂が好ましい。
非晶性ポリエステル(B)のガラス転移温度は、ポリエステル(A)のガラス転移温度+10℃より低いものが好ましい。これよりも高くなると、積層フィルムの二軸延伸が困難になるためである。ガラス転移温度の調節は上記の共重合に用いる成分を調整することにより行われる。共重合成分はセバシン酸が好ましく用いられる。
上記多層ポリエステルフィルムにおいて用いられる非晶性ポリエステル(B)には、必要とされる特性が損なわれない範囲において、他の高分子成分が含まれてもよい。これらの高分子成分は分子論的に相溶であっても、非相溶であっても構わない。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは30〜200μmが好ましく、40〜150μmがさらに好ましい。
ポリエステルフィルムの具体的な層構成としては、A/B、A/B/A、をはじめ、B/A/B、A/B/A/B/A等が挙げられる。好ましい構成としては、A/B/Aが挙げられる。また、本発明の積層ポリエステルフィルムには、上記非晶性ポリエステル(B)層とポリエチレンテレフタレート(A)層以外に、層間接着性を付与するために、接着剤層等を積層してもよい。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、非晶性ポリエステル(B)層の厚み構成比は、全厚みの50〜95%であることが好ましく、65〜85%であることがさらに好ましい。ここでいう厚み構成比とは、フィルムの全厚みに対する非晶性ポリエステル(B)層の厚みのパーセンテージのことである。非晶性ポリエステル樹脂層の厚みが全厚みの95%を超えると、ポリエチレンテレフタレート(A)層の寄与により得られる耐熱性、力学的特性および良好な延伸性、厚み精度が損なわれるため好ましくない。また非晶性ポリエステル(B)層の厚みが全厚みの50%未満の場合、目的とする120℃における破断応力が得られにくくなるため好ましくない。
次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。
実施例及び比較例におけるフィルムの原料、および、特性値の測定法は、次の通りである。
1.ポリエステルの製造例
(1)DEG10
ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその低重合体の存在するエステル化反応缶に、テレフタル酸とエチレングリコールとのモル比1/1.6のスラリーを連続的に供給し、温度250℃、圧力0.2MPaの条件で反応させ、滞留時間を8時間としてエステル化反応率95%のPETオリゴマーを連続的に得た。
このPETオリゴマーを重合反応器に移送し、全グリコールに対し、9.5mol%のジエチレングリコール、重縮合触媒として二酸化ゲルマニウム、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)を重合後のポリエステルに対して0.2質量%となるように添加し、重縮合反応器中を減圧にして、最終的に0.9hPa、280℃で3時間重縮合反応を行って、相対粘度1.38、融点238℃、ガラス転移温度70℃のポリエステル樹脂DEG10を得た。全グリコール成分に対するジエチレングリコール残渣は9.5mol%であった。
(2)DEG16、DEG12、DEG8、DEG4、DEG2
(1)において、全グリコール成分に対するジエチレングリコールの仕込み比をそれぞれ、15.5mol%、11.5mol%、7.5mol%、3.5mol%、1.5mol%に変更した以外は(1)と同様の操作を行った。
ジエチレングリコール残渣はそれぞれ、全グリコール成分に対して15.2mol%、12.1mol%、8.1mol%、3.7mol%、2.2mol%であり、融点はそれぞれ、231℃、236℃、241℃、248℃、252℃、ガラス転移温度はそれぞれ、66℃、68℃、70℃、74℃、76℃であった。
(3)DEG8−2
Irganox1010を添加しなかった以外はDEG8と同様に行い、相対粘度1.38、融点240℃、ガラス転移温度70℃のポリエステル樹脂DEG8−2を得た。全グリコール成分に対するジエチレングリコール残渣は8.1mol%であった。
(4)CHDM30
グリコール成分としてエチレングリコールと全グリコール成分に対して34.5mol%のシクロヘキサンジメタノール、酸成分としてテレフタル酸をエステル化槽に仕込み、250℃で3時間反応させ、エステル化物を得た。次に、Irganox1010(BASF社製)を重合後のポリエステルに対して0.6質量%となるように添加し、ゲルマニウム触媒下1.3hPaの減圧下、280℃で溶融重合し、相対粘度1.38、ガラス転移温度75℃のポリエステル樹脂CHDM30を得た。全グリコール成分に対するシクロヘキサンジメタノール残渣は30mol%であった。
2.測定方法
(1)厚み斑
ポリエステルフィルムの幅方向に5mm間隔で厚みを測定したときの平均値をTave、最大値をTmax、最小値をTminとし下記式を用いて算出した。
厚み斑(%)=(Tmax−Tmin)/Tave×100
(2)引張評価
破断応力と破断伸度は、測定装置としてチャック部を加熱チャンバーで覆った引張試験
機(島津製作所社製)を用いて測定した。得られたポリエステルフィルムから、縦方向(MD)と横方向(TD)について、それぞれ長手方向100mm×幅方向10mmのサンプルを採取し、間隔を50mmにセットしたチャックに挟んで固定した。その際、引張試験機のチャック部分に設置されている加熱チャンバーにより、サンプルの存在する雰囲気下は120℃に保った。200mm/分の速度で引張り、試験機に装着されたロードセルで荷重を測定した。荷伸曲線の破断時の荷重を読取り、引張前のサンプル断面積で割って破断応力(MPa)を計算した。また、破断伸度は、初期のチャック間隔(L0)と破断時のチャック間隔(L1)から、下記式を用いて算出し、破断伸度(%)とした。
破断伸度(%)=(L1−L0)/L0×100
MDおよびTDの各々について試験数n=5で測定し、破断時の応力および伸度の全測定結果の平均値を求めた。
(3)インモールド成型性評価
フィルムに印刷を施してラベルを作成し、このラベルを差圧成形金型の下雌金型のキャビティ内にラベルの印刷側が金型のキャビティ面に接するように設置した後、金型吸引により金型内壁に固定し、次いで下雌金型の上方にポリプロピレン樹脂を射出して、ラベルが外壁に一体に融着されたラベル貼合部材を成形した。部材の形状は、底面の直径が50mm、開口面の直径が60mm、深さ30mmのカップ型とした。
成形性の評価は、ラベルの破断の有無、印刷の歪みの有無を基準とした。
実施例1
ポリエチレンテレフタレート(A)としてDEG10、非晶性ポリエステル(B)としてCHDM30を用い、おのおの温度270℃で別々の押出機により溶融し、この溶融体を複合アダプターで合流させた後にTダイより押出し、冷却ドラムで急冷してA/B/A構成の3層の未延伸積層フィルムを得た。この時、厚み構成比が1/4/1となるように各押出機の吐出量を調整した。
未延伸積層フィルムをまずロール延伸法により縦方向に80℃で3.0倍、次いでテンター延伸法により横方向に100℃で3.3倍に延伸した後、横方向に3%の弛緩を行いつつ225℃の温度で熱処理を行った。さらにフィルムを冷却した後、巻取機によりロール状に巻き取り、厚み50μmの積層二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの厚み斑と引張り評価結果を表1に示す。
実施例2〜6、比較例1〜2
表1に示した変更点以外は実施例1と同様に行った。厚み斑と引張り評価結果を表1に示す。
比較例3
DEG8の単層の未延伸フィルムとした以外は実施例2と同様に行った。厚み斑と引張り評価結果を表1に示す。
実施例1〜6は破断応力が低く、破断伸度が高かったため、インモールド成型を行っても、ラベルの破断や、印刷の歪みはなく、インモールド成型に適したフィルムであった。
実施例2においては、酸化防止剤を含んでいない実施例4との対比により、酸化防止剤の添加によって破断応力、破断伸度が向上していることがわかる。
比較例1は破断伸度が低く、比較例2は熱分解によりフィルムに気泡が入っていたため破断伸度が低くなったため、インモールド成型において一部にラベルの破断箇所があった。
比較例3は破断応力が高いためインモールド成型において、印刷の歪みがあり、成型不良があった。

Claims (5)

  1. 120℃における破断伸度が350%〜500%、破断応力が10MPa〜30MPaであり、厚み斑が5%以下であることを特徴とするインモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム。
  2. ポリエステルフィルムが、全グリコール成分に対してジエチレングリコール残渣を4〜15mol%含有するポリエチレンテレフタレート(A)と非晶性ポリエステル(B)との積層フィルムからなることを特徴とする請求項1記載のインモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム。
  3. (A)が酸化防止剤を0.1〜1質量%含有することを特徴する請求項1または2記載のインモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム。
  4. (A)がゲルマニウム触媒により重合されたことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のインモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム。
  5. 二軸延伸の面倍率が9.0倍〜12.3倍であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のインモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム。
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