JP5613418B2 - 蒸着フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、酸素、炭酸ガス、水蒸気などのガスバリア性に優れた蒸着フィルムに関する。
従来より、食品や薬品、最近では電子部品等の内容物の変質を防ぐために、外部からのガスの浸入を遮断する効果をもつ包装材が必要とされている。この目的に使用されるガスバリア性に優れたフィルム材料としては、エチレンビニルアルコール共重合体を積層したフィルムやポリアミド等からなるガスバリア性フィルムを組み合わせた複合フィルムが開発されている。しかし、エチレンビニルアルコール共重合体やポリアミド等のフィルムは、ガスバリア性に湿度依存性があり、高湿下でガスバリア性が大幅に劣化する問題があった。
湿度依存性の少ないガスバリア性ポリマーとして、ポリグリコール酸(以下PGAと略す)が挙げられ、ガスバリア性フィルムとしてポリグリコール酸からなる配向フィルム(例えば特許文献1)やポリグリコール酸と他の熱可塑性樹脂フィルムが積層された複合フィルム(例えば特許文献2)などが提案されている。
一方、アルミニウム等の金属膜を形成した蒸着フィルムはバリア性の湿度依存が小さく、また、酸化珪素や酸化アルミニウム膜を形成した透明蒸着フィルムは内容物の状態を確認できる可視性に優れているため好まれている。
特開平10−60136号公報 特開平10−80990号公報
前述の特許文献1や2に記載のフィルムは、湿度依存性の少ないガスバリア性ポリマーとして、ポリグリコール酸を使用しているものの、ポリグリコール酸は分解性が高く、露出した状態では分解の恐れがある。分解を抑制するために、ポリグリコール酸を内層とし、他の樹脂で挟んだ構成とすれば、分解の恐れは小さくなるが、薄膜化したときに、ガスバリア性が不足する可能性がある。
一方、前述のアルミニウム等の金属膜を形成した蒸着フィルムは、ガスバリア性の湿度依存性が小さい点や、内容物の状態を確認しやすい可視性に優れている点で好まれているが、近年ガスバリア性の要求レベルはさらに高まっており、工業材料・包装材料で広く用いられているポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)を原反とする蒸着PETフィルムでは不十分となってきた。
そこで本発明の課題は、優れたガスバリア性と加工適性、実用に耐えうる耐分解性を有する蒸着フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリグリコール酸を含む樹脂層(A)を被蒸着面とし、その表面形状を制御することで、優れたガスバリア性と加工適性、実用に耐えうる耐分解性を有する蒸着フィルムを提供できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
1) 樹脂組成物(1)からなる樹脂層(A)を少なくとも有するフィルムであり、樹脂層(A)の少なくとも片面に、金属または無機酸化物からなる蒸着層を有し、樹脂組成物(1)が、化1(以下、式(1)と言うこともある。)に示す構造を70モル%以上有するポリグリコール酸を含み、樹脂層(A)の蒸着層側の面の中心線平均粗さが5nm〜50nmであり、樹脂組成物(2)のガラス転移温度が65℃以下であり、樹脂層(B)、樹脂層(A)、蒸着層が、この順に積層されており、樹脂組成物(2)が、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリオレフィン、およびこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでなり、水蒸気透過率が0.45g/(m ・day)以下であることを特徴とする蒸着フィルムである。
Figure 0005613418
) 樹脂組成物(2)が、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートを、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート=95/5〜5/95の重量比で含んでなる、前記1)に記載の蒸着フィルム。) 蒸着フィルムを150℃で30分間熱処理した後の、長手方向の熱収縮率が8%以下、幅方向の熱収縮率が8%以下である、前記1)または2)に記載の蒸着フィルム。
4) 幅方向の延伸温度を45〜55℃として得られることを特徴とする、前記1)〜3)のいずれかに記載の蒸着フィルム。
本発明の蒸着フィルムは、酸素、炭酸ガス、水蒸気などのガスバリア性、加工適性に優れ、一般工業用や包装材料用フィルムなどとして好適に用いることができる。
以下に、望ましい実施の形態とともに、本発明について詳細に説明する。
本発明の蒸着フィルムは、樹脂組成物(1)からなる樹脂層(A)および樹脂組成物(2)からなる樹脂層(B)を少なくとも有するフィルムであり、樹脂層(A)の少なくとも片面に金属または無機酸化物からなる蒸着層を有し、樹脂組成物(1)が前述の化1に示す構造を70モル%以上有するポリグリコール酸を含み、樹脂層(A)の蒸着層側の面の中心線平均粗さが5nm〜50nmであり、樹脂組成物(2)のガラス転移温度が65℃以下であり、樹脂層(B)、樹脂層(A)、蒸着層が、この順に積層されており、樹脂組成物(2)が、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリオレフィン、およびこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでなり、水蒸気透過率が0.45g/(m ・day)以下である。
本発明の蒸着フィルムは、樹脂層(A)の蒸着層側の面(被蒸着面)の中心線平均粗さが5nm〜50nmであることが重要である。好ましくは10〜50nmであり、より好ましくは15〜40nmであり、さらに好ましくは15〜30nmである。樹脂層(A)の蒸着層側の面の中心線平均粗さが5nm〜50nmにあれば、蒸着時にピンホールの発生が抑制され、良好なバリア性となると共に、製膜時や蒸着加工時の加工適性に優れたものとなる。中心線平均粗さが5nmより小さくなると、フィルムの滑りが悪く、製膜時の巻き取りや蒸着時にブロッキングや静電気の帯電を誘発しやすくなり、蒸着バリア性悪化を招く恐れがある。また、中心線平均粗さが50nmを越えると、均一な蒸着層形成が行われないため、大幅なバリア性の悪化が起こる。
樹脂組成物(1)からなる樹脂層(A)を少なくとも有するフィルム(以下、基材フィルムとする)の、樹脂層(A)の蒸着層側の面(被蒸着面)の中心線平均粗さを5nm〜50nmに収める方法は特に限定されないが、ポリグリコール酸は結晶化速度が速いため、樹脂層(A)の結晶性の低下や延伸、熱固定工程での条件により配向を制御する方法が好ましく用いられる。樹脂層(A)を有するフィルムの逐次二軸延伸における一例を挙げれば、延伸温度を70℃以下、面積倍率で4.0倍以上で二軸延伸を行い、熱処理することで達成可能である。また、ポリグリコール酸は熱安定性が低く、溶融ポリマー中にゲルなどの異物が生じやすいが、こういった異物が粗大な突起となりしばしば表面を荒らすことから、それを取り除くために、ステンレス繊維を焼結圧縮したフィルターやステンレス鋼粉体を焼結したフィルターを用いて、押出機から押し出された溶融ポリマーを濾過することが望ましい。製膜方法の詳細については後述する。なお、本発明の蒸着フィルムが蒸着層を有する場合には、蒸着層を酸で除去することで、樹脂層(A)の蒸着層側の面(被蒸着面)の中心線平均粗さを確認することができる。
本発明の蒸着フィルムは150℃で30分間熱処理した後、長手方向の熱収縮率8%以下、幅方向の熱収縮率が8%以下であることが好ましい。より好ましくは長手方向の熱収縮率は−1%〜6%、幅方向の熱収縮率が−2%〜6%であり、さらに好ましくは長手方向の収縮率が0%〜4%、幅方向の熱収縮率が−1%〜5%である。150℃で30分間熱処理した後の長手方向及び幅方向の熱収縮率が8%以下にあれば、耐熱寸法安定性に優れることで蒸着時の熱に起因するフィルムの構造変化によるガスバリア性の悪化がなく、その他、印刷、製袋などの加工適性や、印刷精度の観点からも好ましい。蒸着フィルムを150℃で30分間熱処理した後の長手方向及び幅方向の熱収縮率を8%以下にする方法は特に限定されないが、少なくとも樹脂層(A)を有するフィルムの製膜での熱固定工程において、温度や熱処理時間を制御する方法が好ましく用いられる。
被蒸着面となる樹脂層(A)の蒸着時の張力による伸び、熱によりフィルム表面が動くこと、蒸着後の張力によるクラック発生をそれぞれ抑制する観点から、本発明の樹脂層(A)の長手方向と幅方向の引張弾性率は、それぞれ3.0GPa以上であることが好ましく、さらに好ましくは4.0〜8.0GPaであり、より好ましくは5.0GPa〜8.0GPaである。弾性率が3.0GPaを下回ると蒸着時の熱に起因するフィルムの構造変化によるガスバリア性の悪化の恐れがある。上限は特に規定されないが通常8.0GPaである。樹脂層(A)の引張弾性率を3.0GPa以上にする方法としては、少なくとも樹脂層(A)を有するフィルムの延伸工程の延伸温度、倍率、熱固定工程での熱処理温度により配向を制御する方法が好ましく用いられる。
また、本発明の蒸着フィルムを構成するフィルムは、樹脂組成物(1)からなる樹脂層(A)および樹脂組成物(2)からなる樹脂層(B)を少なくとも有するフィルム(樹脂層(A)に樹脂層(B)を積層した積層フィルム)とする。この場合樹脂層(A)の弾性率は、樹脂層(A)に樹脂層(B)を積層した積層フィルムと、樹脂層(A)を剥離させ残った樹脂層(B)を有するフィルムの引張弾性率を測定し、積層厚み比の比例計算より求めることができる。また、蒸着層を有する場合は、蒸着層を酸で除去し、引張弾性率を確認することができる。
また、樹脂層(A)は、表面の長手方向屈折率(Nx)、幅方向屈折率(Ny)、厚み方向屈折率(Nz)を測定し、(Nx+Ny)/2−Nzで求められる面配向係数(以下fnとする)が0.01〜0.1であることが好ましい。より好ましくは0.02〜0.08であり、さらに好ましくは0.03〜0.07である。fnが0.01を下回ると配向性が低いため、ガスバリア性が悪化する懸念があり、0.1を越えると劈開の恐れがある。樹脂層(A)のfnの値を0.01〜0.1の範囲に設定する方法としては、少なくとも樹脂層(A)を有するフィルムの延伸工程の延伸温度、延伸倍率、熱固定工程での熱処理温度により配向を制御する方法が好ましく用いられる。また、蒸着層を有する場合は、蒸着層を酸で除去し、面配向係数を確認することができる。さらに、樹脂層(A)に樹脂層(B)を積層した積層フィルムの場合には、樹脂層(A)の表面の屈折率を測定することで樹脂層(A)の面配向係数を確認することができる。
本発明の蒸着フィルムは、樹脂組成物(1)からなる樹脂層(A)を有するフィルムの樹脂層(A)の少なくとも片面に蒸着層を設けたものである。樹脂組成物(1)は、樹脂組成物(1)中に含まれるポリグリコール酸の全モノマー単位を100モル%とした場合に、下記化2(式(1))に示す構造を繰り返し単位として70モル%以上有するポリグリコール酸を含む。
Figure 0005613418


樹脂組成物(1)中に含まれるポリグリコール酸の、式(1)で表わされる繰り返し単位の含有割合は、樹脂組成物(1)中のポリグリコール酸の全モノマー単位を100モル%とした場合に70モル%以上が必要であり、好ましくは85モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、その上限は、100モル%である。樹脂組成物(1)に含まれるポリグリコール酸の式(1)で表わされる繰り返し単位の含有割合が70モル%よりも少ないと、ガスバリア性や耐熱性が低下するが、70モル%以上であれば、その他の成分として少量の共重合成分を導入することにより、ポリグリコール酸の結晶性を制御、押出温度の低下や延伸性の向上が可能となるとともに、後述する延伸工程での結晶化による粗面化を抑制でき、好ましい。また、ポリグリコール酸に共重合成分を導入することは、後述するように、樹脂組成物(1)からなる樹脂層(A)に、樹脂組成物(2)からなる樹脂層(B)を積層させる場合に、樹脂層(A)と樹脂層(B)の積層界面の接着性を向上させる点や、樹脂層(A)と樹脂層(B)の共押出時の押出温度を近くできる点でも好ましい。つまり、樹脂組成物(2)に含まれる成分の一部を、樹脂組成物(1)のポリグリコール酸中に、その他成分として少量共重合させることが好ましい。例えば、樹脂組成物(2)がポリ乳酸のときは、樹脂組成物(1)のポリグリコール酸中に、共重合成分として5モル%以上30モル%以下のラクチドまたは乳酸を共重合させるとよい。
ポリグリコール酸に共重合可能な成分としてはコモノマーとして、例えば、シュウ酸エチレン、ラクチド、ラクトン類(例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、ピバロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなど)、トリメチレンカーボネート、及び1,3−ジオキサンなどの環状モノマー;乳酸、3−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸またはそのアルキルエステル;エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族ジオールと、こはく酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸またはそのアルキルエステルとの実質的に等モルの混合物;などを挙げることができる。これらの中でも、共重合させやすく、かつ物性に優れた共重合体が得られやすい点で、ラクチド、カプロラクトン、トリメチレンカーボネートなどの環状化合物;乳酸などのヒドロキシカルボン酸などが好ましく用いられる。
ポリグリコール酸は、グリコール酸の脱水重縮合、グリコール酸アルキルエステルの脱アルコール重縮合、グリコリドの開環重合などにより合成することができる。これらの中でも、グリコリドを少量の触媒(例えば、有機カルボン酸錫、ハロゲン化錫、ハロゲン化アンチモン等のカチオン触媒)の存在下に、約120℃から約250℃の温度に加熱して、開環重合する方法によってポリグリコール酸を合成する方法が好ましい。開環重合は、塊状重合法または溶液重合法によることが好ましい。
上記樹脂組成物(1)に含有される前記ポリグリコール酸およびポリグリコール酸共重合樹脂は、樹脂組成物(1)の全成分を100重量%とした際に、70重量%以上であることが好ましく、より好ましくは80重量%以上であり、その上限は、100重量%である。
本発明の目的を阻害しない範囲内において、樹脂組成物(1)にはポリグリコール酸のほか、無機フィラー、他の熱可塑性樹脂、可塑剤などを配合することができる。また、ポリグリコール酸には、必要に応じて、熱安定剤、光安定剤、防湿剤、防水剤、撥水剤、滑剤、離型剤、カップリング剤、酸素吸収剤、顔料、染料などの各種添加剤を含有させることができる。これらの含有量は、上述のように本発明の目的を阻害しない範囲内であり、具体的には樹脂組成物(1)の全成分を100重量%とした際に、30重量%以下が好ましい。
ポリグリコール酸の溶融安定性向上の観点より、熱安定剤として、例えば、ペンタエリスリトール骨格構造を有するリン酸エステル、少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの長鎖アルキルエステル基とを持つリン化合物、重金属不活性化剤、炭酸金属塩などを、樹脂組成物(1)に含有させることが好ましい。これらの熱安定剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
樹脂層(A)をなす樹脂組成物(1)の溶融粘度は、270℃、100sec−1において1000poise〜10000poiseであることが好ましく、より好ましくは2000poise〜6000poise、さらに好ましくは2500poise〜5500poiseである。270℃、100sec−1における樹脂組成物(1)の溶融粘度が、1000poiseを下回る場合は、樹脂組成物(1)の主成分であるポリグリコール酸の分子量が低く、分解しやすくなる恐れがある。また、樹脂組成物(1)が、10000poiseを上回る溶融粘度を有する場合、ポリマー押出工程において、押出機への負荷や濾圧が高くなる問題が生じたり、後述する樹脂層(B)との積層が困難になる恐れがある。
本発明の蒸着フィルムの厚みは特に制限はないが、蒸着加工適性の観点より、未蒸着の(蒸着層を形成する前の)樹脂組成物(1)からなる樹脂層(A)を少なくとも有する基材フィルム(蒸着層を形成する前のフィルムを基材フィルムという。)の厚みは5μm〜200μmである事が好ましく、より好ましくは8〜100μm、さらに好ましくは10〜50μmである。
本発明の蒸着フィルムを構成する、樹脂組成物(1)からなる樹脂層(A)を少なくとも有するフィルムは、樹脂層(A)に樹脂組成物(2)からなる樹脂層(B)が積層された構成とする特に基材フィルムは、樹脂組成物(1)からなる樹脂層(A)と樹脂組成物(2)からなる樹脂層(B)が直接積層された2層構成とされることが好ましい。このように、他の樹脂との積層構成にすることでコストメリットに優れたフィルムが実現可能となる。この場合、基材フィルム(樹脂層(A)を少なくとも有し、さらに樹脂層(B)を有するフィルム)全体に占める樹脂層(B)の厚み比は、基材フィルム全体の厚みを1としたとき、0.98〜0.1となることが好ましく、より好ましくは0.95〜0.3、さらに好ましくは0.95〜0.6である。なお、樹脂層(A)を少なくとも有するフィルム(基材フィルム)が、さらに樹脂層(B)を有する本発明の蒸着フィルムの構成は、樹脂層(B)、樹脂層(A)、蒸着層がこの順に積層される。
積層性の観点より、樹脂組成物(2)の溶融粘度は、押出温度において樹脂組成物(1)と同等か、やや大きいことが好ましい。樹脂組成物(2)の溶融粘度が極端に小さい場合、均一な積層が困難になる。溶融粘度差が大きい場合は、押出温度差を設け口金で積層する手法や、樹脂組成物(2)に増粘剤、架橋剤、鎖延長剤などを添加し粘度を上げる手法などで是正することが好ましい。
樹脂層(B)をなす樹脂組成物(2)に好ましく用いられる樹脂としては、押出特性、コスト、取扱性の観点より芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリオレフィンおよびこれらの共重合体が挙げられ、これらが樹脂組成物(2)の主成分となる。樹脂層(A)とこれらの樹脂を含む樹脂層(B)との複合化は、樹脂組成物(2)の主成分が芳香族ポリエステルである場合には、耐熱性および経時安定性が向上することで高いバリア性を発現することができ、樹脂組成物(2)の主成分が脂肪族ポリエステルである場合には、生分解性を有するバリアフィルムとすることができ、樹脂組成物(2)の主成分がポリオレフィンである場合には、耐湿性の向上を図れるメリットがある。
なお、ここでいう樹脂組成物(2)の主成分とは、樹脂組成物(2)の全成分を100重量%とした際に、70重量%以上100重量%以下を占める成分を意味するものとする。つまり、樹脂組成物(2)の主成分が芳香族ポリエステルであるとは、樹脂組成物(2)の全成分のうち、芳香族ポリエステルが70重量%以上100重量%以下の割合で含まれることを意味する。
70℃以下の温度で基材フィルムの延伸を可能とするために、樹脂組成物(2)のガラス転移温度は、65℃以下である。樹脂組成物(2)のガラス転移温度の下限については、70℃以下の温度で基材フィルムの延伸が可能であれば特に限定されない。基材フィルムの延伸温度を70℃以下とすることは、樹脂層(A)の結晶性と配向性を調整することができ、その結果、樹脂層(A)の蒸着層側の中心線平均粗さを5〜50nmに平滑化させることができる点で好ましい。また、延伸温度は30℃以上であることが好ましい。
樹脂組成物(2)の主成分が、芳香族ポリエステル及び/または脂肪族ポリエステルである場合、樹脂組成物(2)のガラス転移温度は0〜65℃であることが好ましく、30〜65℃の範囲であることがより好ましく、35〜60℃の範囲であることがさらに好ましく、40〜55℃の範囲であることがさらに好ましい。樹脂組成物(2)のガラス転移温度が0〜65℃の範囲とされることで、ブロッキングや、フィルムの機械強度の不足の恐れが小さくなり、基材フィルムを70℃以下の低温で延伸した際にも延伸不良が発生しにくくなる。ここでいうガラス転移温度とは、JIS−K7121に記載されるDSC(示差走査熱量測定)の方法で測定した値であり、20℃/分の昇温速度で温度上昇させた時の中間点ガラス転移温度である。
樹脂組成物(2)からなる樹脂層(B)に用いられる芳香族ポリエステルや脂肪族ポリエステルとしては、酸成分とグリコール成分とをエステル結合させてなる種々のポリエステルを用いることができる。その場合の酸成分として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能酸等を用いることができる。一方グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール等を用いることができる。さらに、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルを共重合してもよい。なお、これらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種類以上を併用してもよく、2種類以上のポリエステルをブレンドして使用してもよい。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、およびこれらにイソフタル酸、セバシン酸、ダイマー酸を共重合したポリエステルを単体、もしくは二種以上ブレンドしたものが好適に用いられる。生分解性に優れる脂肪族ポリエステルとしてはポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシブチレート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−3−ヒドロキシバリレート、ポリカプロラクトン、あるいはエチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族ジオールとコハク酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸よりなる脂肪族ポリエステルが挙げられる。また、ポリ−ブチレンサクシネート−テレフタレート、ポリ−ブチレンアジペート−テレフタレートなどの脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルの共重合体も好適に用いることができる。
上記の中でも、耐熱性及び経時安定性、ガスバリア性の観点から、樹脂組成物(2)の主成分としては、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートのブレンド物であることが好ましい。つまり樹脂組成物(2)は、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートを含むことが好ましい。
上述のように、70℃以下の温度で基材フィルムの延伸を可能とするためには、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートの重量比が、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート=95/5〜5/95であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレートの重量比を95/5〜5/95とすることは、基材フィルムの延伸を70℃以下の温度で行うことが可能となり、その結果、基材フィルムの樹脂層(A)の蒸着層側の中心線平均粗さを5〜50nmに制御することができる点で好ましい。ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートの重量比は、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート=80/20〜10/90であることがより好ましく、60/40〜20/80であることがさらに好ましく、35/65〜45/55が特に好ましい。
樹脂組成物(2)中のポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートの合計量は、樹脂組成物(2)の全成分100重量%のうち、70重量%以上100重量%以下を占めることが好ましい。樹脂組成物(2)中のポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートの合計量は、樹脂組成物(2)の全成分のうち80重量%以上100重量%以下を占めることがより好ましく、樹脂組成物(2)の全成分のうち90重量%以上100重量%以下を占めることが、さらに好ましい。
脂肪族ポリエステルの中で、樹脂組成物(2)の主成分として特に好適に用いられるのはL−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分として重合されたポリ乳酸である。ここで、ポリ乳酸は、乳酸以外のほかの共重合成分を含んでいてもよく、他のモノマー単位としては、エチレングリコール、ブロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、カプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。
また、樹脂組成物(2)の主成分としてポリ乳酸を使用する場合には、上記した70℃以下の延伸性を付与するために、樹脂組成物(2)が、ポリ乳酸のガラス転移温度を下げる働きをする可塑剤等の成分や、非晶性のポリ乳酸を含有していることが好ましい。
樹脂組成物(2)からなる樹脂層(B)の主成分として含有されるポリオレフィンとしては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体、およびプロピレン−ブテンランダム共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種以上を好ましく用いることができる。これらのポリオレフィン系樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、2種以上併用して用いることもできる。
本発明において、ポリオレフィン系樹脂の製造方法は、特に限定されものではなく、公知の方法を用いることができ、例えば、ポリプロピレン系樹脂においては、ラジカル重合、チーグラー・ナッタ触媒を用いた配位重合、アニオン重合、メタロセン触媒を用いた配位重合などいずれの方法でも用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂はJIS−K7210に則って測定したメルトフローインデックス(MI)で、1〜100g/10分であることが好ましく、2〜80g/10分であることがより好ましく、4〜60g/10分であることがさらに好ましい。かかる範囲であれば適当な結晶性を有し、本発明の積層フィルムの寸法安定性、耐湿性、表面平滑性が良好となる。MIが1g/10分より小さいと、溶融粘度が高すぎて押出性が低下しやすくなる。また、MIが100g/10分を超えるとフィルムの機械特性が大きく低下することがある。
また、ポリオレフィン系樹脂の極限粘度[η]は、1.4〜3.2dl/g、好ましくは1.6〜2.4dl/gである。[η]が1.4dl/gより小さくなるとフィルムの脆化を招き、3.2dl/gを超えると結晶性が低下する場合がある。
以下に、本発明の蒸着フィルムの製造方法について述べる。
押出機に樹脂層(A)をなす樹脂組成物(1)をフィルターによる異物除去、ギアポンプによる流量適性化を行った後、口金よりシート状に吐出し、エアナイフまたは静電印加などの方式により、キャスティングドラムに密着させ、冷却固化せしめて未延伸フィルムとする。樹脂層(B)との積層構成の場合には、別の押出機に樹脂層(B)をなす樹脂組成物(2)を供給し、別々の流路にてフィルターによる異物除去、ギアポンプによる流量適性化を行った後、多層積層口金または口金の上部に設置したフィードブロックもしくは内部に複数のマニホールドを有する口金内にて合流、積層後、口金よりシート状に吐出し、エアナイフまたは静電印加などの方式により、キャスティングドラムに密着させ、冷却固化せしめて未延伸フィルムとする。
ゲルや熱劣化物などの異物による表面荒れを防ぐため、製膜時のフィルターとして平均目開き5〜40μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターを使用することが好ましい。また上記ステンレス繊維を焼結圧縮したフィルターの後に、平均目開き10〜50μmのステンレス鋼粉体を焼結したフィルターをこの順で連続濾過する、あるいは一つのカプセル中に上記2種類のフィルターを併せ持つ複合フィルターを使用することは、ゲルや熱劣化物を効率良く取り除くことができるため好ましく、製膜エッジや巻き芯部分の再利用が可能となるコストメリットがあり望ましい。
次いで、逐次二軸延伸方式の場合、該未延伸シートをロールに通して予熱し、引き続き周速差を設けたロール間に通し、長手方向に延伸し、ただちに室温に冷却、引き続き該延伸フィルムをテンターに導いて、延伸し、次いで幅方向に弛緩を与えつつ、熱固定して巻取る。あるいは、長手方向、横方向を同時に延伸する方法により延伸してもよく、長手方向の延伸、幅方向の延伸を複数回数組み合わせて行う方法等による延伸を行っても良い。
また、テンター同時二軸延伸方式では、一軸延伸後のポリグリコール酸の結晶性が向上し、樹脂層(A)が粗面化する恐れが小さくなるため、表面平滑性の観点から有利である。さらに、逐次二軸延伸に比較して延伸性が向上するために高倍率延伸が可能になり、高弾性率化、高配向化が可能となるメリットがあるため好ましい。
基材フィルムの延伸条件は樹脂層(A)の結晶性と配向を調整し、表面を平滑化させる観点より、70℃以下で延伸することが好ましく、具体的には長手方向の延伸温度を40〜70℃とすることが好ましい。長手方向の延伸温度は、より好ましくは40〜65℃であり、さらに好ましくは50℃〜60℃である。縦延伸倍率は2.0〜5.0倍が好ましく、より好ましくは2.5〜4.5倍であり、さらに好ましくは3.0〜4.5倍である。幅方向の延伸温度も70℃以下であることが好ましく、具体的には40〜70℃とすることが好ましい。幅方向の延伸温度は、より好ましくは40〜65℃であり、さらに好ましくは45〜55℃である。横延伸倍率は2.0〜5.0倍が好ましく、より好ましくは2.5〜4.5倍であり、さらに好ましくは3.0〜4.5倍である。逐次二軸延伸方式の場合、延伸温度が70℃を越えると、横延伸工程でポリグリコール酸の結晶化が進み、熱固定後表面が荒れやすくなる。また、縦延伸倍率と横延伸倍率の積である面積倍率が4.0倍以下であると、熱固定工程でのポリグリコール酸の熱結晶化が進み、粗面化する傾向にある。
延伸後は、好ましくは120℃以上で樹脂組成物(1)の融点以下の温度、より好ましくは150℃以上で樹脂組成物(1)の融点よりも10度以上低い温度、さらに好ましくは170℃以上で樹脂組成物(1)の融点よりも20度以上低い温度で弛緩熱処理し、冷却する。適正な延伸後、該範囲での弛緩熱処理により、樹脂層(A)の表面平滑性を保つと共に、低熱収縮率と、高弾性率、一定の面配向係数の範囲を満たし、カールを抑制した平面性の良好なフィルムを得ることができる。弛緩熱処理温度を樹脂組成物(1)の融点よりも高い温度とすると、ポリグリコール酸結晶が融解、無配向化し、降温結晶化により樹脂層(A)が粗面化する恐れがある。一方、弛緩熱処理温度を120℃未満とした場合、耐熱性が大幅に低下し、蒸着時の収縮などのトラブルが起こりやすくなる。
得られた延伸フィルムは蒸着加工を行う。蒸着層に用いられる金属または無機酸化物は、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化窒化珪素、酸化セリウム、酸化カルシウム、ダイアモンド状炭素膜、あるいはそれらの混合物などを挙げることができ、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素がガスバリア性、生産性の観点より好ましく用いることができる。アルミニウムを用いた蒸着層は、経済性、ガスバリア性能に優れていることから好ましく、酸化アルミニウムまたは酸化珪素を用いた蒸着層は、透明性に優れ、コストの点からも好ましい。なお本発明の蒸着フィルムは、樹脂層(A)を少なくとも有するフィルムであり、樹脂層(A)の少なくとも片面に蒸着層を有している。基材フィルムが樹脂層(A)と樹脂層(B)からなる場合、蒸着層を設ける面には特に制限は無いが、樹脂層(A)の分解を抑制できる点から、樹脂層(A)が蒸着層で覆われる層構成が好ましい。つまり、樹脂層(B)/樹脂層(A)/蒸着層の順序で積層される構成が好ましい。なお、基材フィルムが樹脂層(A)の単層構成の場合や基材フィルムが樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)の順序で積層される構成においては、ガスバリア性向上の観点から、蒸着層を基材フィルムの両面に設けることもできるが、コストの点では片面蒸着より高くなる。
本発明の蒸着フィルムの蒸着層の形成方法としては、真空プロセスが用いられる。真空プロセスは、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相蒸着法などが適宜用いられ、いずれも限定されない。例えば、無機酸化物の蒸着層を設けるには反応性蒸着法が生産性、コストの点でより好ましく用いることができる。
真空プロセスでは、蒸着前フィルムの表面をプラズマ処理やコロナ処理することが、ガスバリア性の一層の向上のために好ましい。コロナ処理を施す際の処理強度は5〜50W・min/mが好ましく、より好ましくは10〜45W・min/mである。また、金属または無機酸化物からなる蒸着層を設ける前に、プラズマ放電下において核付金属蒸着層を設けることは、蒸着層の密着性向上の観点から好ましい。この場合、プラズマ放電を酸素および/または窒素ガス雰囲気で行う際には、核付金属として銅を用いることが最も好ましい。
反応性蒸着法によって酸化アルミニウムを蒸着させるには、アルミニウム金属やアルミナを抵抗加熱のボート方式やルツボの高周波誘導加熱、電子ビーム加熱方式で蒸発させ、酸化雰囲気下でフィルム上に酸化アルミニウムを堆積させる方式が採用される。酸化雰囲気を形成するための反応性ガスとしては酸素が用いられるが、酸素を主体に水蒸気や希ガスを加えたガスでもよい。更にオゾンを加えたりイオンアシストなどの反応を促進する手法を併用してよい。酸化珪素の蒸着層を反応性蒸着法によって形成させるには、Si金属、SiOやSiOを電子ビーム加熱方式で蒸発させ、酸化雰囲気下フィルム上に酸化珪素を堆積させる方式が採用される。酸化雰囲気を形成する方法は、上記の方法が用いられる。
また、蒸着層の厚さは特に限定されないが、生産性、ハンドリング性、外観から5〜100nmが好適であり、さらに好ましくは5〜50nm、特に好ましくは5〜30nmである。蒸着層の厚さが5nm未満となると、蒸着層欠陥が発生しやすくガスバリア性が悪化する。蒸着層の厚さが100nmより厚くなると、蒸着時のコストが高くなったり、蒸着層の着色が顕著になり外観的に劣るため好ましくない。
本発明の蒸着フィルムはコーティング技術と併用することにより、より高いガスバリア性を得られる。つまり樹脂層(A)上に、あらかじめアンカーコート剤をインラインまたは、オフラインで塗布してアンカーコート層を形成しておけば、アンカーコート層上に形成する蒸着層が密着性の高い層となり、ガスバリア性向上に有効である(なお、この際の本発明の蒸着フィルムは、少なくとも、樹脂層(A)/アンカーコート層/蒸着層をこの順に有する)。
また、蒸着層上にオーバーコート剤を塗布してオーバーコート層を形成すれば、蒸着層の欠陥を補完しガスバリア性向上につながる(なお、この際の本発明の蒸着フィルムは、少なくとも、樹脂層(A)/蒸着層/オーバーコート層、をこの順に有する。)。
アンカーコート剤およびオーバーコート剤としては(以下、アンカーコート剤およびオーバーコート剤を、コート剤とする。)ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン−ビニルアルコール、アクリル、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、およびポリエステル−ポリウレタン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂が好ましく用いられ、中でもポリエチレン−ビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、およびポリウレタン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む塗剤は、樹脂層(A)が低分子化してオリゴマーを生成することを抑止でき、また、ガスバリア性を補完できる点で好ましい。
エチレン−ビニルアルコール系樹脂を含む塗剤においては、エチレン−ビニルアルコール系樹脂の全モノマーユニット100モル%におけるエチレン成分量は、1〜50モル%であることが好ましく、2〜40モル%であることが更に好ましい。エチレン成分量が1モル%未満では、前記した樹脂層(A)との相溶性が悪く、アンカーコート層が不透明になり、エチレン成分量が50モル%を超えると、エチレン−ビニルアルコール系樹脂の溶媒への溶解性が悪く、加工性が低下する。ケン化度は95モル%以上が好ましく、さらには97モル%以上が好ましい。
ポリアクリロニトリル系樹脂を含む塗剤においては、ポリアクリロニトリル系樹脂100重量%においてニトリル基が5〜70重量%の割合で含まれることが好ましく、10〜50重量%の割合で含まれることがより好ましい。該範囲であれば、ガスバリア性向上効果と塗膜の均一性、塗剤の取扱性のバランスが取りやすく好ましい。ポリアクリロニトリル系樹脂のガラス転移温度は、塗膜の均一性の観点から50℃〜100℃が好ましい。
ポリアクリロニトリル系樹脂において、アクリロニトリルと共重合されるモノマーとしては、たとえば、各種アクリル酸エステル、各種メタクリル酸エステル等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド;アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;酢酸ビニル等のビニルエステル;スチレン、メチルスチレン等のスチレン系モノマー;メタクリロニトリルなどを用いることができる。
ウレタン系塗剤の主成分であるポリウレタン系樹脂は、ガスバリア性の観点からウレタン基およびウレア基の濃度の合計が高いことが好ましいが、ウレタン基およびウレア基の濃度の合計を高めすぎるとエマルジョン化するのが困難となることから、ポリウレタン系樹脂100重量%のうち、ウレタン基およびウレア基の合計が20〜70重量%を占めるのが好ましく、25〜60重量%を占めることがより好ましい。なお、ウレタン基濃度とはウレタン基の分子量を繰り返し構成単位構造の分子量で割った値、ウレア基濃度とはウレア基の分子量を繰り返し構成単位構造の分子量で割った値である。
ウレタン系塗剤に含まれるポリウレタン系樹脂は、ガスバリア性の観点より、イソシアネートとして、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートや、1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートおよび、1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ポリオールとして1,3−または1,4−キシリレンジオールは水添キシリレンジオールが好ましく用いられ、これらの組み合わせが好ましい。
これらのコート剤には必要に応じて架橋剤を含有させることで、耐水性、ガスバリア性の向上を図ることができ好ましい。エポキシ、アミン、メラミン、イソシアネート、オキサゾリン系の架橋剤やチタンカップリング剤、シランカップリング剤など各種カップリング剤を好適に使用できる。
該コート剤の塗布量は、好ましくは0.01〜2g/mの範囲であり、より好ましくは0.01〜1g/mの範囲である。塗布量が0.01g/m2未満の場合には、比較的薄い樹脂膜を形成可能なインラインコーティング法においても、膜切れやはじきなどの欠陥を生じ易く均一な樹脂膜を形成することが困難であり、樹脂層上に無機酸化物層を形成しても十分なガスバリア性が発現しない傾向がある。一方、塗布量が2g/mより大きくなると、十分に溶剤を蒸発させるためにコーティング時の乾燥条件を高温化し、長時間化する必要があること、フィルムにカール等の変形を生じやすくなること、残留溶剤の懸念があること、およびコストの点から好ましくない。
次に、実施例を挙げて、具体的に本発明に係る蒸着フィルムについて説明する。
<特性の評価方法>
本発明で用いた特性の評価方法は、下記のとおりである。
[分子量]ヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒とし、40℃、1mL/分で、カラム(HFIP−LG+HFIP−806M×2本:SHODEX)を通し、分子量82.7万、10.1万、3.4万、1.0万、0.2万の分子量既知のPMMA(ポリメタクリル酸メチル)標準物質の示差屈折率検出による溶出時間から求めた検量線をあらかじめ作成し、その溶出時間から、重量平均分子量を計算した。
ただし、ポリグリコール酸は、昭和電工(株)製「Shodex−104」を用いて、5mMのトリフルオロ酢酸ナトリウムを溶解させたヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒とし、40℃、0.6mL/分で、カラム(HFIP−606M、2本およびプレカラム)を通し、異なる7種の分子量のPMMA標準物質の示差屈折率検出による溶出時間から求めた検量線をあらかじめ作成し、その溶出時間から、重量平均分子量を計算した。
[共重合成分量]
日本電子製JNM−30AL400を用いて、溶液プロトン核磁気共鳴法(1H−NMR)によりスペクトルを測定し、各ピークの積分強度より求められる組成比から重量%の形で算出した。
測定条件は溶媒を重水素化クロロホルムとして室温にて溶解、試料濃度20mg/mLとし、パルス幅を11μs/45°、パルス線繰り返し時間を9秒、積算回数を256回とし、23℃で測定した。
ただし、ポリグリコール酸は、Bruker製AVANCE400を用いて、溶液プロトン核磁気共鳴法(1H−NMR)によりスペクトルを測定し、各ピークの積分強度より求められる組成比から重量%の形で算出した。
測定条件は溶媒をCDCl3:HFIP=1:1として室温にて溶解、試料濃度20mg/mLとし、パルス幅を4.4μs/45°、取り込み時間を9秒、積算回数を8回とし、27℃で測定した。
[溶融粘度]
フローテスターCFT−500(島津製作所製)を用いて、口金長さを10mm、口金径を1.0mm、荷重を5,10,15,20kgと変更して、測定温度270℃、予熱時間5分で測定した。剪断速度と溶融粘度の関係を測定し、100sec−1近傍の溶融粘度を求めた。
[樹脂組成物(2)のガラス転移温度(Tg)]
JISK7121(1999)に基づいて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて求めた。サンプルパンに、樹脂層(B)から削り取った樹脂組成物(2)のサンプルを5mgずつ秤量し、昇温速度は20℃/minで走査した。示差走査熱量測定チャートのガラス転移の階段状の変化部分において、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線とガラス転移の階段状の変化部分の曲線とが交わる点から、Tgを求めた。
[樹脂層(A)の中心線平均表面粗さ(Ra)]
JISB0601(1976)に従って、触針式表面粗さ計(小坂研究所(株)製、高精度薄膜段差測定器、形式ET30HK)を用いてフィルム(基材フィルム)の被蒸着面を測定した。なお、この時の条件は、触針径円錐型0.5μmR、荷重16mg、カットオフ0.08mmとした。粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦方向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(X)で表した時、次の式によって求められる値(μm)を中心線平均表面粗さRaとする。
Ra=(1/L)∫|f(X)|dx
なお、同じサンプルについて同様の測定を任意に場所を変えて5回行い、得られた5つの値の平均値をRaとした。
[異物個数]
偏光板を通して基材フィルムを観察し、異物、欠点、フィッシュアイの個数を数え、個数(個/m)を記録した。測定は100mm×100mm、N=5で行った。
[フィルム厚み]
JIS−B−7509(1955)に従い、ダイヤルゲージ式厚み計を用いて測定した。
[積層厚み比]
フィルムの長手方向−厚み方向断面を観察面とするように、ミクロトームを使用して超薄切片を作成した。このフィルム断面の薄膜切片を、透過型電子顕微鏡を用いて倍率2万倍でフィルム断面写真を撮影し、フィルム幅方向のセンター部の各層の厚みを確認した。
[樹脂層(A)の引張弾性率]
ASTM D882−64T(2002)に従い、基材フィルム中の樹脂層(A)の引張弾性率を測定した。基材フィルムが樹脂層(A)と樹脂層(B)との積層構成を有する場合には、積層フィルム全体の引張弾性率と、樹脂層(A)を剥離させ残った樹脂層(B)のみを有するフィルムの引張弾性率を測定し、引張弾性率が層の厚みに比例するものとして樹脂層(A)の引張弾性率を算出した。
[熱収縮率]
蒸着フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。サンプルに100mmの間隔で標線を描き、3gの錘を吊して150℃に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った。熱処理後の標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から熱収縮率を算出し、寸法安定性の指標とした。測定は各蒸着フィルムとも長手方向および幅方向に5サンプル実施して平均値で評価を行った。
[樹脂層(A)の面配向係数(fn)]
ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて、基材フィルムの樹脂層(A)側の表面の長手方向屈折率(Nx)、幅方向屈折率(Ny)、厚み方向屈折率(Nz)を測定し、下式から面配向係数(fn)を算出した。マウント液はジヨードメタンを用いた。
fn=(Nx+Ny)/2−Nz
[酸素透過率]
温度35℃、湿度0%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(機種名、“オキシトラン”(登録商標)(“OXTRAN”2/20))を使用して、JIS K7126−2(2006)に記載の電解センサ法に基づいて測定した。測定は、蒸着層側から酸素気流を当て、反対側で検出する測定方式で2回行い、2つの測定値の平均値を各実施例と比較例における酸素透過率の値とした。各実施例・比較例について、2枚の試験片で行った結果を酸素透過率の値とした。
[炭酸ガス透過率]
温度35℃、湿度0%RHの条件でジーエルサイエンス(株)製混合ガス透過率測定装置GPM−250を使用して、JIS K7126−2(2006)に記載のガスクロマトグラフ法に基づいて測定した。測定は、蒸着層側から炭酸ガス気流を当て、蒸着層とは反対側で検出する測定方式で2回行い、2つの測定値の平均値を各実施例と比較例における炭酸ガス透過率の値とした。各実施例・比較例について、2枚の試験片で行った結果を炭酸ガス透過率の値とした。
[水蒸気透過率]
温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過率測定装置(機種名、“パ−マトラン”(登録商標)W3/31)を使用して、JIS K7129(2000)に記載のB法(赤外センサー法)に基づいて、水蒸気透過率を測定した。測定は、蒸着層側から水蒸気流を当て、蒸着層とは反対側で検出する測定方式で2回行い、2つの測定値の平均値を各実施例と比較例における水蒸気透過率の値とした。各実施例・比較例について、2枚の試験片で行った結果を水蒸気透過率の値とした。
本発明の実施例、比較例で用いた原料、コート剤は下記の通りである。
[ポリエチレンテレフタレート(PET)の重合]
テレフタル酸ジメチル194重量部とエチレングリコール124重量部に、酢酸マグネシウム4水塩0.1重量部および三酸化アンチモン0.05重量部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。ついで、重縮合反応缶に移行し、リン酸0.05重量部のエチレングリコール溶液を加えて5分間撹拌した後、低重合体を30rpmで撹拌しながら、反応系を230℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、100Paまで減圧した。3時間重合反応させ所定の撹拌トルクとなった時点で重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングし、その後、回転式反応容器に仕込み、190℃、67Paの減圧下において5時間固相重合を行い、固有粘度0.79のポリエチレンテレフタレートのペレットを得た。270℃100sec−1での溶融粘度は4800poiseだった。
[ポリブチレンテレフタレート(PBT)の重合]
テレフタル酸100重量部、1,4−ブタンジオール110重量部の混合物を窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした。その後、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.067重量部、モノヒドロキシブチルスズオキサイド0.067重量部を加え160℃〜230℃まで昇温し、生成する水とテトラヒドロフランを留出しつつエステル化反応を行った。エステル化反応生成物を重縮合反応缶に移行し、テトラ−n−ブチルチタネート0.09重量部、安定剤として日本チバガイギー社製‘イルガノックス1010’0.13重量部およびリン酸0.026重量部を添加した。ついで、反応系を230℃から徐々に250℃まで昇温するとともに、常圧から133Pa以下に減圧した。2時間50分後に重縮合反応を終了させ、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.90のポリブチレンテレフタレートのペレットを得た。その後、回転式反応容器に仕込み、190℃、67Paの減圧下において8時間固相重合を行い、のポリブチレンテレフタレート樹脂を得た。得られたポリブチレンテレフタレートの固有粘度は1.20、融点は230℃、270℃100sec−1での溶融粘度は3000poiseだった。
[ポリエチレンテレフタレート/ダイマー酸共重合ポリエステル(PET−DA)の重合〕
テレフタル酸150重量部とエチレングリコール87重量部にユニケマ社製水素添加ダイマー酸‘PRIPOL1009’を8重量部添加し、窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした。その後、160℃〜230℃、0.2MPaまで昇温、加圧し、生成する水を留出しつつエステル化反応を行った。重縮合反応缶に移行し、リン酸0.05重量部のエチレングリコール溶液、および三酸化アンチモン0.05重量部を加えて5分間撹拌した後、低重合体を30rpmで撹拌しながら、反応系を230℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、100Paまで減圧した。3時間重合反応させ所定の撹拌トルクとなった時点で重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングした後、回転式真空乾燥機にて140℃で4時間乾燥し、固有粘度0.72の共重合ポリエステル(融点245℃)を得た。270℃100sec−1での溶融粘度は3000poiseだった。
(PPT)
固有粘度0.9dl/g、融点222℃のポリプロピレンテレフタレート樹脂(シェル化学(株)製“コルテラ”(登録商標)CP509201)を準備した。
(PGA 1)
分子量18万、融点221℃、Tg42℃、270℃100sec−1での溶融粘度3500poiseのホモポリグリコール酸樹脂を準備し、回転式真空乾燥機にて150℃4時間乾燥して用いた。
(PGA 2)
分子量17万、融点205℃、Tg40℃、270℃100sec−1での溶融粘度 3000poiseのLラクチド10モル共重合ポリグリコール酸を準備した。
(PGA 3)
分子量17万、融点190℃、Tg40℃、270℃100sec−1での溶融粘度 3000poiseのLラクチド18モル共重合ポリグリコール酸を準備した。
(PLA 1)
可塑剤として、平均分子量12,000のポリエチレングリコール72重量部とL−ラクチド28重量部に対し、オクチル酸錫0.07重量部を混合し、撹拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中190℃で60分間重合し、平均分子量2,330のポリ乳酸セグメントを有する、ポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合体を作製した。ポリ乳酸(ネーチャーワークス製D体1.2モル%、分子量16万 融点168℃ Tg 58℃)80重量部と可塑剤20重量部、カルボジイミド系架橋剤(“カルボジライト”(登録商標)LA−1日清紡製)0.5重量部の混合物を100℃で4時間、5torrの真空下で減圧乾燥した後、シリンダー温度190℃の2軸混練押出機に供して溶融混練し均質化した後にチップ化した組成物を得た。その後、回転式真空乾燥機にて100℃で4時間乾燥して用いた。
(PLA 2)
回転式真空乾燥機にて100℃で4時間乾燥したポリ乳酸(ネーチャーワークス製 D体1.2モル%、分子量16万 融点168℃ Tg 58℃)のペレット70重量部と、回転式真空乾燥機にて50℃で8時間乾燥したポリ乳酸(ネーチャーワークス製 D体12モル%、分子量16万 Tg 58℃)のペレット30重量部をブレンドしたものを用いた。
アンカーコート剤、オーバーコート剤として下記塗剤を準備した。
(EVOH系塗剤)
エチレン−ビニルアルコール系塗剤エクセバール(登録商標)RS−4105(クラレ製、エチレン含量5モル%、鹸化度98.5モル%)水/イソプロピルアルコール(重量比9:1)で希釈し、固形分濃度10重量%溶液とした。
(PAN系塗剤)
分子量3.6万、水酸基価70mg(KOH/g)、Tg93℃、ニトリル含有量18重量%のポリアクリロニトリル系塗剤をメチルエチルケトンで希釈し固形分濃度10重量%溶液とした。
(ウレタン系塗剤)
ウレタン基濃度とウレア基濃度の合計32.5重量% 酸価25.1mg(KOH/g)のポリウレタン系塗剤を水/イソプロピルアルコール(重量比9:1)で希釈し、固形分濃度10重量%溶液とした。
参考例1)
単軸押出機−1に樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPGA1を100重量部供給し、265℃で押出、平均目開き25μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過した後、口金より25℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。該フィルムを60℃でロールにて長手方向に4.4倍に延伸、ただちに室温に冷却し、テンターに導き、延伸50℃の温度で幅方向に4.4倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ190℃の温度で熱処理をし二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは15μmであった。
得られたフィルムについて窒素と炭酸ガスの混合気体(炭酸ガス濃度比15体積%)雰囲気下で、フィルム温度を60℃に保ちつつ、30W・分/mでコロナ放電処理を施して巻き取った。フィルム走行装置を具備した真空蒸着装置内にセット、1.00×10-2Paの高減圧状態にした後に、20℃の冷却金属ドラムを介して走行させた。このとき、アルミニウム金属を加熱蒸発し、蒸着層を形成した。蒸着後、真空蒸着装置内を常圧に戻して、巻取ったフィルムを巻き返し、40℃の温度で2日間エージングして、蒸着フィルムを得た。なお、蒸着フィルムの光学濃度は蒸着中にインラインで確認し2.5となるよう蒸着厚みを制御した。
参考例2,3,6,7)
延伸・熱処理条件を表1のとおり変更したほかは参考例1と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
参考例4)
樹脂組成物(1)をPGA2 100重量部とし、延伸・熱処理条件を表1のとおり変更した他は参考例1と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
参考例5)
樹脂組成物(1)をPGA3 100重量部とし、延伸・熱処理条件を表1のとおり変更した他は参考例1と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
(比較例1)
押出の際、フィルターでのポリマー濾過工程を設けず、延伸・熱処理条件を表1のとおり変更した他は参考例1と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
(比較例2)
単軸押出機−1に樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPET1を100重量部供給し、285℃で押出、平均目開き15μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過した後、口金より25℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。該フィルムを90℃でロールにて長手方向に3.8倍に延伸、ただちに室温に冷却し、テンターに導き、延伸100℃の温度で幅方向に3.9倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ230℃温度で熱処理をし二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは15.0μmであった。その後参考例1と同様に蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
結果を表1に示す。
ただし、表中の記載は下記の通りである。
MD:フィルム長手方向
TD:フィルム幅方向
PGA1:ポリグリコール酸
PGA2:Lラクチド10モル共重合ポリグリコール酸
PGA3:Lラクチド15モル共重合ポリグリコール酸
fn:面配向係数
Figure 0005613418
参考例8)
単軸押出機−1に樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPGA1を100重量部を供給し、265℃で押出、平均目開き25μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させ単軸押出機−2に樹脂層(B)となる樹脂組成物(2)としてPBT60重量部、PET40重量部を供給し、270℃で押出、平均目開き12μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させた後、多層口金にて樹脂層(A)/樹脂層(B)の二層構成となるよう積層させ、25℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。該フィルムを、ロールにて60℃で長手方向に4.0倍に延伸、ただちに室温に冷却し、テンターに導き、50℃の温度で幅方向に4.0倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ190℃の温度で熱処理をし二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは15.0μmであり、樹脂層(A)/樹脂層(B)の厚み比は1:5であった。得られたフィルムについて窒素と炭酸ガスの混合気体(炭酸ガス濃度比15体積%)雰囲気下で、フィルム温度を60℃に保ちつつ、30W・分/mでコロナ放電処理を施して巻き取った。フィルム走行装置を具備した真空蒸着装置内にセット、1.00×10−2Paの高減圧状態にした後に、20℃の冷却金属ドラムを介して走行させた。このとき、アルミニウム金属を加熱蒸発し、酸素ガスを吹き込みながらフィルムの樹脂層(A)側に蒸着層を形成した。蒸着後、真空蒸着装置内を常圧に戻して、巻取ったフィルムを巻き返し、40℃の温度で2日間エージングして、蒸着フィルムを得た。なお、蒸着フィルムの光学濃度は蒸着中にインラインで確認し0.08となるよう制御した。
参考例9〜13,18〜20)
樹脂層(B)の成分、延伸・熱処理条件を表2のとおり変更したほかは参考例8と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
参考例14)
樹脂層(B)となる樹脂組成物(2)としてPPT 80重量部、PET 20重量部と変更した他は参考例8と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
参考例15)
樹脂層(B)となる樹脂組成物(2)としてPET−DA 100重量部と変更した他は参考例8と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
参考例16)
参考例8で製膜した二軸延伸フィルムを用い、同様にコロナ処理を行った後、蒸着源を酸化珪素に変更して蒸着フィルムを得た。
参考例17)
参考例9で製膜した二軸延伸フィルムを用い、同様にコロナ処理を行った後、蒸着源を酸化珪素に変更して蒸着フィルムを得た。
参考例21〜25)
樹脂層(B)の成分を変更し、蒸着源をアルミに変更した以外は、参考例8と同様にして蒸着フィルムを得た。
(比較例3)
押出の際、フィルターでのポリマー濾過工程を設けず、延伸・熱処理条件を表2のとおり変更した他は参考例7と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
(比較例4)
比較例2で用いた製膜した二軸延伸フィルムを用い、コロナ処理を行った後、参考例7と同様に蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
結果を表2に示す。
ただし、表中の記載は下記の通りである。
PBT:ポリブチレンテレフタレート
PET:ポリエチレンテレフタレート
PPT:ポリプロピレンテレフタレート
PET−DA:ポリエチレンテレフタレート/ダイマー酸共重合ポリエステル
Figure 0005613418
比較例26)
単軸押出機−1に樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPGA2を100重量部供給し、265℃で押出、平均目開き25μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させ、単軸押出機−2に樹脂層(B)となる樹脂組成物(2)としてPLA1を100重量部供給し、240℃で押出、平均目開き25μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させた後、多層口金にて積層させ、25℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。該フィルムを、延伸60℃、ロールにて長手方向に3.0倍に延伸、ただちに室温に冷却し、テンターに導き、延伸60℃の温度で幅方向に3.0倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ150℃の温度で熱処理をし二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは15.0μmであり、樹脂層(A)/樹脂層(B)の厚み比は1:3.8であった。以降の蒸着加工は参考例8と同様に行った。
比較例27,比較例5)
樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPGA1を100重量部供給し、延伸・熱処理条件を表3のとおり変更したほかは、比較例26と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
比較例28,29,実施例31)
延伸・熱処理条件を表3のとおり変更したほかは、比較例26と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
比較例30)
比較例26で製膜した二軸延伸フィルムを用い、同様にコロナ処理を行った後、蒸着源を酸化珪素に変更して蒸着フィルムを得た。
比較例32,実施例33)
樹脂層(B)となる樹脂組成物(2)としてPLA2を100重量部供給し、延伸・熱処理条件を表3のとおり変更したほかは、比較例26と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
(実施例34)
蒸着源をアルミに変更した以外は、実施例31と同様に蒸着フィルムを得た。
(実施例35)
蒸着源をアルミに変更した以外は、実施例33と同様に蒸着フィルムを得た。
結果を表3に示す。ただし、表3中のPLAはポリ乳酸を示している。
Figure 0005613418
(比較例6)
単軸押出機−1に樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPLA1を100重量部を供給し、230℃で押出、平均目開き25μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過した後、口金より25℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。該フィルムを85℃でロールにて長手方向に3.5倍に延伸、ただちに室温に冷却し、テンターに導き、延伸75℃の温度で幅方向に3.5倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ150℃の温度で熱処理をし参考例8と同様に蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
参考例36)
単軸押出機−1に樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPGA1を100重量部を供給し、265℃で押出、平均目開き25μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させ単軸押出機−2に樹脂層(B)となる樹脂組成物(2)としてPBT60重量部、PET40重量部を供給し、270℃で押出、平均目開き12μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させた後、多層口金にて樹脂層(A)/樹脂層(B)の二層構成となるよう積層させ、25℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。該フィルムを、ロールにて60℃で長手方向に4.0倍に延伸、ただちに室温に冷却したのち、樹脂層(A)面にコロナ処理を行い、調製したEVOH系塗剤をフィルム上に流延し、番手6のバーコーターにて塗布した。その後テンターに導き、60℃の温度で幅方向に4.0倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ190℃の温度で熱処理をし二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは15.0μmであり、樹脂層(A)/樹脂層(B)の厚み比は1:5であった。得られたフィルムについて窒素と炭酸ガスの混合気体(炭酸ガス濃度比15体積%)雰囲気下で、フィルム温度を60℃に保ちつつ、30W・分/mでコロナ放電処理を施して巻き取った。フィルム走行装置を具備した真空蒸着装置内にセット、1.00×10−2Paの高減圧状態にした後に、20℃の冷却金属ドラムを介して走行させた。このとき、アルミニウム金属を加熱蒸発し、酸素ガスを吹き込みながら蒸着薄膜層を形成した。蒸着後、真空蒸着装置内を常圧に戻して、巻取ったフィルムを巻き返し、40℃の温度で2日間エージングして、蒸着フィルムを得た。なお、蒸着フィルムの光学濃度は蒸着中にインラインで確認し0.08となるよう制御した。
参考例37)
コート剤をウレタン系塗剤に変更した他は参考例36と同様に製膜、蒸着加工し、蒸着フィルムを得た。
参考例38)
参考例8で得られた二軸延伸フィルムを巻き取った後、樹脂層(A)面にコロナ処理を施し、PAN系塗剤を番手4のコーターにて塗布し、100℃で乾燥させた。その後の蒸着加工は参考例8と同様に行い、蒸着フィルムを得た。
参考例39)
参考例8で得られた蒸着済みのフィルムの蒸着面上にEVOH系塗剤を番手4バーコーターにて塗布し、100℃で乾燥させフィルムを得た。
参考例40,41)
コート剤をPAN、ウレタン系塗剤とした他は参考例39と同様に塗布しフィルムを得た。
参考例42)
参考例37で得られた蒸着フィルムの蒸着面上にPAN系塗剤を番手4のバーコーターにて塗布し、100℃で乾燥させフィルムを得た。
結果を表4に示す。
ただし、表中の記載は下記の通りである。
EVOH:エチレン−ビニルアルコール系塗剤
PAN:ポリアクリロニトリル系塗剤
PU:ウレタン系塗剤
Figure 0005613418
表1〜4に示すとおり、本発明の蒸着フィルムは優れたバリア性を示している。また、本発明のフィルムは製膜工程、蒸着加工においてもトラブルの発生はなく、加工適性に優れたものだった。
本発明は、酸素、炭酸ガス、水蒸気などのガスバリア性に優れた蒸着フィルム、及びそのために好適な蒸着用フィルムに関するものである。

Claims (4)

  1. 樹脂組成物(1)からなる樹脂層(A)および樹脂組成物(2)からなる樹脂層(B)を少なくとも有するフィルムであり、樹脂層(A)の少なくとも片面に、金属または無機酸化物からなる蒸着層を有し、樹脂組成物(1)が、化1に示す構造を70モル%以上有するポリグリコール酸を含み、樹脂層(A)の蒸着層側の面の中心線平均粗さが5nm〜50nmであり、樹脂組成物(2)のガラス転移温度が65℃以下であり、樹脂層(B)、樹脂層(A)、蒸着層が、この順に積層されており、樹脂組成物(2)が、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリオレフィン、およびこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでなり、水蒸気透過率が0.45g/(m ・day)以下であることを特徴とする蒸着フィルム。
    Figure 0005613418
  2. 樹脂組成物(2)が、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートを、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート=95/5〜5/95の重量比で含んでなる、請求項に記載の蒸着フィルム。
  3. 蒸着フィルムを150℃で30分間熱処理した後の、長手方向の熱収縮率が8%以下、幅方向の熱収縮率が8%以下である、請求項1または2に記載の蒸着フィルム。
  4. 幅方向の延伸温度を45〜55℃として得られることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の蒸着フィルム。
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